JP2009228671A - 可変圧縮比内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】クランクケースとシリンダブロックを相対移動させることにより圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関において、クランクケースとシリンダブロックとの間のシール性を向上できる技術を提供する。
【解決手段】クランクケース13とシリンダブロック12とを、シリンダ2の軸方向に相対移動させることにより圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関10において、クランクケース13とシリンダブロック12の間の隙間に、空気圧によって該隙間をシールするシール用チューブ15を配置する。シール用チューブ15内の空気圧を利用して前記隙間をシールする。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮比を変更する機能を有する可変圧縮比内燃機関に関する。
近年、内燃機関の燃費性能や出力性能などを向上させることを目的とした、内燃機関の圧縮比を可変にする技術が提案されている。この種の技術としては、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動可能に連結するとともにその連結部分にカム軸を設け、前記カム軸を回動させてシリンダブロックとクランクケースとを、シリンダの軸線方向に相対移動させることで燃焼室の容積を変更し、以て内燃機関の圧縮比を変更する技術が公知である(例えば、特許文献1を参照。)。
ところで、上記したような公知の機構では、圧縮比を変更する際のフリクションを低減するためにクランクケースとシリンダブロックとの間にクリアランスを設けて潤滑油を供給する必要がある。しかしながらこの場合には、クランクケースとシリンダブロックとの間のクリアランスによって、潤滑油のシール性が低下し易くなり、潤滑油が内燃機関の外部に漏れ出すおそれが生じる不都合があった。
これに対し、クランクケース及びシリンダブロックが相互に重なり合う部分のクランクケース壁面および/またはシリンダブロック壁面に凹部を設け、該凹部に断面円形のシール材を装填する技術が提案されている(特許文献2参照。)。この技術によれば、圧縮比変更時にシール材がクランクケース壁面及びシリンダブロック壁面に当接しながら転動するため、シール材とクランクケース壁面および/またはシリンダブロック壁面との接触荷重を高めても圧縮比変更時のフリクション増加を抑えつつシール性及び制振性を向上させることができる。
しかし、上記の技術においても、オイルが付着した表面に対して、転動可能な程度の圧力でシール材をクランクケース壁面および/またはシリンダブロック壁面に押し当てるだけでは、クランクケース壁面および/またはシリンダブロック壁面の表面の油膜を完全に切れることは困難な場合があった。
特開2003−206771号公報 特開2006−316770号公報 特開2005−344560号公報 特開2006−200509号公報 特開2006−316764号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、クランクケースとシリンダブロックを相対移動させることにより圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関において、クランクケースとシリンダブロックの間の隙間のシール性を向上できる技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明は、クランクケースとシリンダブロックとを、相対移
動させることにより圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関において、クランクケースとシリンダブロックの間の隙間をシールする際に、該隙間に正の空気圧を作用させることを最大の特徴とする。
より詳しくは、ピストン及びクランク軸が設けられたクランクケースに対して、シリンダが形成されたシリンダブロックを、前記シリンダの軸方向に相対移動させることにより圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関において、
前記クランクケースには、前記シリンダブロックの少なくとも一部を前記シリンダの軸方向に移動可能に収納する収納部が設けられ、
前記クランクケースの収納部の内壁と、前記シリンダブロックの前記収納部に収納される部分の外壁との間の隙間をシールするシール手段を備え、
前記シール手段は、前記隙間をシールする際に、該隙間に正の空気圧を作用させることを特徴とする。
ここで、クランクケースとシリンダブロックとをシリンダの軸方向に相対移動させる方式の可変圧縮比内燃機関において、クランクケースとシリンダブロックの間の隙間に対して正の空気圧(以下、単に「空気圧」ともいう。)を作用させた場合について考える。例えば前記隙間に空気圧を直接作用させた場合には、前記隙間の内部を正圧にすることができる。このことにより、当該隙間へのクランクケース内のオイルの侵入を抑制することが可能となる。また、例えば、前記隙間に、該隙間をシールするためのシール部材を配置している場合には、該隙間に空気圧を作用させてシール部材の、前記クランクケースの収納部の内壁と、前記シリンダブロックの前記収納部に収納される部分の外壁への接触圧力を高めることが可能となる。このことで、シール部材による前記隙間のシール性を高めることが可能となる。
また、本発明においては、前記シール手段は、前記隙間に配置され弾性体からなるシール部材を有し、前記空気圧によって前記シール部材を変形させて前記クランクケースの収納部の内壁と、前記シリンダブロックのうち前記収納部に収納される部分の外壁とに押し付けることで、前記隙間をシールするようにしてもよい。
すなわち、前記クランクケースの収納部の内壁と、前記シリンダブロックの前記収納部に収納される部分の外壁との間の隙間に弾性体からなるシール部材を配置する。そして、このシール部材に空気圧を作用させることで変形させ、前記クランクケースの収納部の内壁と、前記シリンダブロックの前記収納部に収納される部分の側面に押し付けるようにしてもよい。これによれば、空気圧を用いて、前記クランクケースの収納部の内壁と、前記シリンダブロックの前記収納部に収納される部分の外壁とに、弾性体であるシール部材を充分に大きな接触圧力で接触させることができ、壁面形状に対応してシール部材と壁面とを密接させることができる。これにより、より確実に前記隙間をシールすることが可能となる。
また、本発明においては、前記シール部材は空気が充填された中空の弾性体であり、前記空気圧は、該シール部材に充填された空気によって作用されるようにしてもよい。
これによれば、空気が充填された中空の弾性体であるシール部材を、記クランクケースの収納部の内壁と、前記シリンダブロックの前記収納部に収納される部分の外壁(側面)との隙間を埋めるように配置することができ、簡単な構成でより確実に各壁面にシール部材を押し付けることができる。その結果、より確実に前記隙間をシールすることが可能となる。なお、この中空の弾性体は、例えば閉ループ状のゴムチューブとしてもよい。この場合には、より簡単に、シリンダブロックの前記収納部に収納される部分の外壁(側面)の全周に亘ってシール部材を配置することができ、前記隙間をより確実にシールすること
が可能となる。
また、この場合には、前記シール手段は、前記空気圧を上昇させる加圧装置をさらに有するようにしてもよい。これにより、より確実に、充分な大きさの空気圧を前記隙間に作用させることができる。また、シール部材を変形させて壁面に押し付ける場合には、シール部材と各壁面との接触圧力を充分に大きくすることができる。また、シール部材が中空の弾性体である場合には、シール部材から空気が洩れることで前記隙間のシールが不完全になることを抑制できる。
また、本発明においては、前記シール手段は、前記隙間において前記シリンダの軸方向に各々離れて配置され弾性体からなる複数のシール部材と、前記隙間における前記複数のシール部材の間の空間の空気圧を上昇させる加圧装置と、を有するようにしてもよい。
これによれば、前記複数のシール部材の間の空間に充分に高い空気圧を作用させることで、当該空間をより確実に正圧に維持することができる。従って、クランクケース側から当該空間へのオイルの侵入をより確実に抑制することができる。
また、前記シール部材によるシール性が不充分な箇所があった場合でも、当該シール性が不充分な箇所から、空気を前記空間の外側に向かって排出させることができる。これにより、前記複数のシール部材によるシール性が不充分であったとしても、前記空間にクランクケース内のオイルが侵入することを抑制でき、結果として、クランクケース内のオイルが機関の外部に漏れ出すことをより確実に抑制できる。
また、本発明においては、前記加圧装置は、前記クランクケース内の圧力が高いほど、前記空気圧を高くするようにしてもよい。ここで、クランクケース内の圧力が高いほど、前記クランクケースの収納部の内壁と、前記シリンダブロックの前記収納部に収納される部分の外壁との隙間から空気が洩れ出し易くなる。従って、クランクケース内の圧力が高くても充分なシール性を確保するためには、前記隙間に作用される空気圧はより高くすることが望ましい。しかし一方で、エネルギの節約の観点から、前記加圧装置によって上昇する空気圧を必要以上に高くすることは避けるべきである。
従って、本実施例においては、加圧装置は、前記隙間に作用される空気圧を、前記クランクケース内の圧力が高いほど高くすることとし、加圧の必要性に応じて加圧装置の負荷を変更することとした。これによれば、充分なシール性を確保できる範囲で、加圧装置の作動をできるだけ抑えることが可能となる。その結果、加圧装置における負荷を必要最低限に抑えることができ、エネルギを節約することが可能となる。
また、本発明においては、前記シール手段は、前記隙間に配置され弾性体からなるシール部材を有し、
前記シール部材は、有端または無端の筒状の形状を有するとともに側面から外側に突出したリブを有し、前記クランクケースの収納部の内壁と、前記シリンダブロックのうち前記収納部に収納される部分の外壁との少なくとも一方に設けられた溝に前記リブが挿入されることで前記シール部材が前記クランクケースおよび/または前記シリンダブロックに結合され、
前記空気圧によって前記リブを前記溝に押し付けることで、前記隙間をシールするようにしてもよい。
この構成によれば、シール部材の側面から突出したリブがクランクケースの収納部の内壁および/またはシリンダブロックの外壁に設けられた溝に挿入固定される。そうすると、クランクケースの収納部の内壁またはシリンダブロックの外壁と、シール部材の表面と
の間から内燃機関の外部へオイルが漏れ出すことをより確実に抑制できる。また、この構成によりシール部材がクランクケースおよび/またはシリンダブロックに確実に結合されるので、シール部材の位置及び作動を安定させることが可能となる。その結果、シール部材によるシール性能を安定させることができる。
なお、上記した本発明の課題を解決する手段については、可能なかぎり組み合わせて用いることができる。
本発明にあっては、クランクケースとシリンダブロックを相対移動させることにより圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関において、クランクケースとシリンダブロックの間の隙間のシール性を向上させることができる。
本発明の実施例1に係る可変圧縮比内燃機関の概略構成の説明図である。 本発明の実施例2に係る可変圧縮比内燃機関の概略構成の説明図である。 本発明の実施例3に係る可変圧縮比内燃機関の概略構成の説明図である。 本発明の実施例4に係る可変圧縮比内燃機関のシリンダブロックの斜視図である。 本発明の実施例4に係る可変圧縮比内燃機関のクランクケースの斜視図である。 本発明の実施例4に係る可変圧縮比内燃機関の概略構成の説明図である。 本発明の実施例5に係る可変圧縮比内燃機関のシリンダブロックの斜視図である。 本発明の実施例5に係る可変圧縮比内燃機関のクランクケースの斜視図である。 本発明の実施例5に係る可変圧縮比内燃機関の圧縮比を変更させた場合のシール用チューブの作用を示す図である。 本発明の実施例5に係るシール用チューブの断面図である。 本発明の実施例5に係る凹部とクランクケース側溝を二部品で形成する場合の、シール用チューブの組み付け方法の例を示す図である。 本発明の実施例5に係る凹部とクランクケース側溝を二部品で形成する場合の、シール用チューブの組み付け方法の他の例を示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1には、本実施例に係る可変圧縮比内燃機関の概略図を示す。本実施例における可変圧縮比内燃機関10(以下、内燃機関10という。)は、シリンダ2が形成されたシリンダブロック12と、ピストン3及びクランク軸4が連結されているクランクケース13とが、上下(シリンダ2の軸方向におけるクランクシャフト側が“下”)に相対移動可能なように構成されている。内燃機関10においては、シリンダブロック12をクランクケース13に対して相対的に上下運動させることによって燃焼室の容積を変化させ、圧縮比を変更することが可能となっている。
より具体的には、内燃機関10は、シリンダ2の配列方向と平行になるように配置された2つのカム軸14及び、各カム軸14を互いに逆方向に回転させるための駆動機構を備えた4気筒直列型内燃機関となっている。なお、シリンダ2の配列方向は、図1において、紙面に垂直な方向であり、駆動機構とは、図1に,点線で示してあるモータ、ウォーム
ギア等からなる機構を指す。また、カム軸14は、軸部14aに、複数のカム部14b及び複数の可動軸受部14c(いずれも、円柱状部材)を偏心させた形で取り付けた部材である。各カム軸14の軸部14aには、各カム部14bが固定されているとともに、各可動軸受部14cが回転可能な形で取り付けられている。
そして、内燃機関10は、各カム軸14の各カム部14bが,回転可能な形でシリンダブロック12に対して固定され、各カム軸14の各可動軸受部14cが,回転可能な形でクランクケース13に対して固定された構成となっている。
そして、点線で示す駆動機構によってウォームギアが回転すると2つのカム軸14が互いに逆方向に回転し、シリンダブロック12をクランクケース13に対してシリンダ軸方向に相対移動させる。これにより、燃焼室の容積を変更し圧縮比を変更させることができる。
なお、シリンダブロック12のシリンダ軸に垂直な面の断面は概略長方形となっている。一方、クランクケース13には、このシリンダブロック12を収納可能なように概略長方形の断面を有する凹部である収納部13aが設けられている。そして、シリンダブロック12がクランクケース13の収納部13aに収容された状態で、クランクケース13に対して相対移動する。
この場合、シリンダブロック12の外壁12aと収納部13aの内壁13bとの間には、シリンダブロック12とクランクケース13の相対移動を円滑に可能とするのに充分な隙間が必要となる。
そうすると、シリンダブロック12の外壁12aと収納部13aの内壁13bとの隙間から、クランクケース13内のオイルが外部に漏れ出す虞がある。これに対し、本実施例のクランクケース13の収納部13aには、収納部の13aの内壁13bの全周に亘り、溝状の凹部13cが形成されている。そして、凹部13cには、シリンダブロック12がクランクケース13の収納部13aに収納された状態で、凹部13cの底面13dと、シリンダブロック12の外壁12aとに密接するように、シール部材としてのシール用チューブ15が備えられている。
このシール用チューブ15の内部には、予め空気が充填されており、シール用チューブ15の弾性力に加えて、充填された空気の空気圧によって、凹部13cの底面13dと、シリンダブロック12の外壁12aとにシール用チューブ15が押え付けられるようになっている。この空気圧は、凹部13cの底面13dと、シリンダブロック12の外壁12aとに生じた油膜を切るのに充分な空気圧として、予め実験などによって求められた値に設定されている。
ここで、シール用チューブ15は、凹部13cの底面13dと、シリンダブロック12の外壁12aとに挟まれる形で長円形に変形し、シリンダブロック12の上下移動に伴って凹部13c内をずれ動くことが可能となっている。また、シール用チューブ15と、凹部13cの底面13d及びシリンダブロック12の外壁12aとの接触幅Lは、シリンダブロック12の上下移動範囲より大きく設定されており、オイルに濡れた面に触れない部分が必ずできるように設定されている。すなわち、シール用チューブ15の転動によって壁に付着したオイルが内燃機関10の外部に押し出されることがないようになっている。
本実施例によれば、シール部材をより高い自由度で変形させ、シール部材と凹部13cの底面13d及びシリンダブロック12の外壁12aとの密着性を向上させるとともに接触圧力を充分に高くすることができる。その結果、シール性能を向上させることができる
。なお、本実施例においてシール用チューブ15は、シール部材であるとともにシール手段を構成する。
次に、本発明における実施例2について説明する。本実施例においては、シール部材としてシール用チューブを備える点は実施例1と同様であるが、シール用チューブの空気圧を、加圧ポンプで上昇させるように構成した点が実施例1と相違する。
図2には、本実施例における可変圧縮比内燃機関20(以下、内燃機関20という。)の概略図を示す。本実施例における内燃機関20は、シール部材としてのシール用チューブ25内の空気圧を上昇させる加圧装置としての加圧ポンプ27を備えている。
加圧ポンプ27とシール用チューブ25とは加圧パイプ26で連通されており、加圧ポンプ27を作動させることで、シール用チューブ25内の空気圧を上昇させることが可能となっている。また、加圧ポンプ27の作動開始及び停止は、ECU50からの指令に基づいて実行される。
この加圧ポンプ27の作動は、一定期間毎に、一定時間に亘って行われてもよい。また、例えば加圧バイプ26に図示しない圧力センサを設けておき、シール用チューブ25内の圧力が良好なシール性能を得られる下限値以下となった際に加圧ポンプ27を作動させ、シール用チューブ25内の圧力が常に良好なシール性能が得られる圧力範囲内に維持されるようにしてもよい。
また、本実施例においては、シール用チューブ25内の空気圧をクランクケース23内の圧力に応じて変化させるようにしてもよい。
ここで、クランクケース23内の圧力が高いほど、クランクケース23内のオイルが、シリンダブロック12の外壁12aと収納部23aの内壁23bとの間から外部に漏れ出し易い状態となることが分かっている。逆に、クランクケース23内の圧力が低い状態では、オイルが、シリンダブロック12の外壁12aと収納部23aの内壁23bとの間から外部に漏れ出し難い状態となる。従って本実施例では、クランクケース23内の圧力がより高い場合には、シール用チューブ25内の空気圧をより高めてシール性能を向上させるようにした。また、クランクケース23内の圧力がより低い場合には、シール用チューブ25の空気圧をより低下させて、加圧ポンプ27の作動負荷を低減しエネルギの節約を図ることとした。
具体的には、クランクケース23内の圧力と、充分なシール性を確保できるシール用チューブ25内の空気圧との関係を予め実験などによって求めてマップ化しておく。そして、クランクケース23内の圧力に応じた、シール用チューブ25内の空気圧の値を当該マップから読み出して決定する。ECU50は、シール用チューブ25内の空気圧が決定された空気圧に維持されるように加圧ポンプ27へ作動指令する。
ここで、クランクケース23内の圧力は、内燃機関20の機関負荷と機関回転数との組合せ(以下、運転状態ともいう。)に応じて変化する。従って、予め、内燃機関20の運転状態とクランクケース23内の圧力との関係をマップ化しておき、定期的に内燃機関20の運転状態に対応するクランクケース23内の圧力の値を当該マップから読み出すことで、クランクケース23内の圧力を求めるようにしてもよい。また、クランクケース23内に圧力センサ(不図示)を備え、当該圧力センサの出力値からクランクケース23内の圧力を求めるようにしてもよい。
以上、説明したように、本実施例によれば、シール用チューブ25の空気圧を加圧ポンプ27によって上昇させるので、シリンダブロック12とクランクケース23の間の隙間に対して充分なシール性能をより確実に得ることが可能となる。また、クランクケース23内の圧力が高いほどシール用チューブ25の空気圧が高くなるように制御することで、シール用チューブ25の空気圧を、充分なシール性能を得るために必要最低限の空気圧に制御することができる。これによれば、シリンダブロック12とクランクケース23との間のシール性を充分に高く維持できるとともに、シール用チューブ25の空気圧を過度に上昇させることによるエネルギの無駄を抑制することができる。
なお、本実施例においては、シール用チューブ25の空気圧をクランクケース23内の圧力より低くしないという意味で、シール用チューブ25とクランクケース23とをチェックバルブつきのパイプで接続してもよい。これによれば、万が一、加圧ポンプ27の作動に不具合があった場合にも、シール用チューブ内の圧力がクランクケース内の圧力より低くなってしまうことを抑制できる。
なお、本実施例においてシール手段は、ECU50、加圧ポンプ27、加圧パイプ26、シール用チューブ25を含んで構成される。また、本実施例においては、加圧パイプとシール用チューブとは一箇所において接続されていたが、加圧パイプとシール用チューブは複数箇所(または、複数の加圧パイプ)で接続されるようにしてもよい。
次に、本発明の実施例3について説明する。本実施例においては、シリンダブロックとクランクケースの間の隙間に特殊形状の弾性体からなるシール部材を備えるようにし、外部から空気圧を作用させることでシール部材を変形させ、シール性を向上させる例について説明する。
図3には、本実施例に係る可変圧縮比内燃機関30(以下、内燃機関30という。)の概略図を示す。実施例2で説明した内燃機関20との最大の相違点は、シール部材として、シール用チューブ25ではなく、シール用バンド35が用いられている点である。
本実施例におけるシリンダブロック32の外壁32aには、その全周に亘って溝部32bが設けられている。そして、シール用バンド35は、溝部32bに取り付けられるゴム製のバンドである。また、クランクケース33における収納部33aの内壁33bには、やはり内壁33bの全周に亘って凹部33cが設けられている。
溝部32bは、シリンダブロック32がクランクケース33の収納部33aに収納された状態でクランクケース33側の凹部33cと対向する。また、シリンダブロック32がクランクケース33の収納部33aに収納された状態で、シール用バンド35は図3に示すような概略横M字の断面形状を有する。
その際、シール用バンド35の肩部35aは溝部32bの底面に接しており、シール用バンド35の足部35bはクランクケース33の内壁33bに接している。また、シール用バンド35には加圧パイプ36の一端が接続されている。この加圧パイプ36には加圧手段としての加圧ポンプ37が接続されており、シール用バンド35と、溝部32bの底面によって形成される空間(以下、バンド内側空間38という。)を加圧して、この部分の空気圧を上昇させることが可能となっている。また、加圧パイプ36における、シール用バンド35と接続されている端部には、チェックバルブ39が設けられており、バンド内側空間38における空気が、加圧パイプ36から外部に漏れ出すことを防止している。
図3において、加圧ポンプ37による加圧を開始すると、シール用バンド35の両方の
肩部35aを結ぶ曲線が直線に近づく方向に変形し、足部35bはより強くクランクケース33の内壁33bに押さえ付けられる。また、足部35bと肩部35aを結んだ直線がより図中の水平方向に近づくため、肩部35aはシリンダブロック32の溝部32bの底面により強く押さえ付けられる。このように、加圧ポンプ37を作動させることにより、シール用バンド35の、クランクケース33の内壁33b及びシリンダブロック32の溝部32bの底面への接触圧力を増大させることができ、シリンダブロック32とクランクケース33の間のシール性を向上させることができる。
なお、本実施例においても、ECU60からの指令に基づく加圧ポンプ37の作動は、一定期間毎に、一定時間に亘って行われてもよい。また、バンド内側空間38の空気圧を測定する圧力センサ(不図示)を設けておき、バンド内側空間38の圧力が良好なシール性能を得られる下限値以下となった際に加圧ポンプ37を作動させ、バンド内側空間38の圧力が常に良好なシール性能が得られる圧力範囲内に維持されるようにしてもよい。
また、本実施例においても、バンド内側空間38の空気圧をクランクケース33内の圧力より低くしないという意味で、バンド内側空間38とクランクケース33とをチェックバルブつきのパイプで接続してもよい。これによれば、万が一、加圧ポンプ37の作動に不具合があった場合にも、バンド内側空間38内の圧力がクランクケース33内の圧力より低くなってしまうことを抑制できる。
また、本実施例においても、バンド内側空間38の圧力を、クランクケース33内の圧力に応じて、クランクケース33内の圧力が高いほど、バンド内側空間38の圧力が高くなるように変化させてもよい。なお、本実施例においてシール手段は、ECU60、加圧ポンプ37、加圧パイプ36、シール用バンド35を含んで構成される。また、本実施例において加圧パイプは1箇所においてバンド内側空間に接続されていたが、加圧パイプのバンド内側空間への接続箇所は複数あってもよい(または、複数の加圧パイプによって接続されてもよい)。
次に、本発明における実施例4について説明する。本実施例は、シリンダブロックとクランクケースの間の隙間に、シール部材として、シリンダ軸方向に互いに離れて設けられたゴム製のシール用リングを2つ有し、2つのシール用リングと、シリンダブロックの外壁と、クランクケースの収納部の内壁とで形成される空間に空気圧を作用させることでシール性を向上させる例について説明する。
図4及び図5には、本実施例におけるシリンダブロック42の斜視図と、クランクケース43の斜視図とを示す。図4から分かるように、本実施例におけるシリンダブロック42の、クランクケース43の収納部43aに収納される部分の外壁(シリンダ2の軸方向と平行な各側面)には、環状(側面を一周する形状)の溝部42a、42bが形成されている。この溝部42a、42bには、概略長方形の断面を有するシール用リング45a、45bが装着される。
また、図5から分かるように、本実施例におけるクランクケース43の収納部43aの内壁43b(図中ハッチングで示す部分)には、各溝部42a、42bにシール用リング45a、45bが装着され、シリンダブロック42をクランクケース43の収納部43aに収納した状態において、シール用リング45a、45bが摺動可能に接触するようになっている。また、シール用リング45a、45bが摺動可能に接触する内壁43bに挟まれた箇所には、溝状の凹部43cが形成されている。なお、シール用リング45a、45bの材質は、シリンダブロック42の上下動に過度の力が必要とされることにはならず,かつ,シリンダブロック42とクランクケース43との間を十分にシールできるという観
点から決定されている。
図6には、本実施例における可変圧縮比内燃機関40(以下、内燃機関40という。)の概略構成について示す。図6に示すように、各溝部42a、42bにシール用リング45a、45bを装着し、シリンダブロック42をクランクケース43の収納部43aに収納した状態において、シール用リング45a、45bは、凹部43cを挟んで、収納部43aの内壁43bに接触する。
また、凹部43cには、加圧パイプ46の一端が接続されており、加圧パイプ46には加圧装置としての加圧ポンプ47が接続されている。そして、本実施例においては、シール用リング45a、45bと、クランクケース43の収納部43aの内壁43b、凹部43c及び、シリンダブロック42の外壁42cとでシール室48が形成されており、シール室48内の空気圧を圧縮ポンプ47の作動によって上昇させることが可能となっている。
本実施例におい加圧ポンプ47を作動させるとシール室48内の圧力が上昇し、シール室48内を正圧に維持することができる。これにより、シール室48へのクランクケース43側からのオイルの侵入を抑制することができる。また、シール用リング45a、45bの経年変化などにより、シール用リング45a、45bとクランクケース43の収納部43aの内壁43bとの間に隙間が生じた場合にも、当該隙間から外部に空気が流出することとなるので、クランクケース43のオイルがシール室43cに侵入することを抑制できる。これにより、シリンダブロック42とクランクケース43の間のシール性を向上させることが可能となる。
なお、本実施例においても、加圧ポンプ47の作動は、ECU70からの指令に基づいて一定期間毎に、一定時間に亘って行われてもよい。また、シール室48の空気圧を測定する圧力センサ(不図示)を設けておき、シール室48内の圧力が良好なシール性能を得られる下限値以下となった際に加圧ポンプ47を作動させ、シール室48内の圧力が常に良好なシール性能が得られる圧力範囲内に維持されるようにしてもよい。
また、本実施例においても、シール室48内の圧力を、クランクケース43内の圧力に応じて、クランクケース43内の圧力が高いほど、シール室48の圧力が高くなるように変化させてもよい。なお、本実施例においてシール手段は、ECU70、加圧ポンプ47、加圧パイプ46、シール用リング45a、45bを含んで構成される。
また、本実施例においても、シール室48の空気圧をクランクケース43内の圧力より低くしないという意味で、シール室48とクランクケース43とをチェックバルブつきのパイプで接続してもよい。これによれば、万が一、加圧ポンプ47の作動に不具合があった場合にも、シール室48内の圧力がクランクケース43内の圧力より低くなってしまうことを抑制できる。
なお、本実施例においては、シール部材としてのシール用リングをシリンダの軸方向に2つ有する例について説明した。しかし、シール部材は2つに限られるものではなく、3つ以上のシール部材を有していてよいことは当然である。また、本実施例において加圧パイプは1箇所においてシール室に接続されていたが、加圧パイプのシール室への接続箇所は複数あってもよい(または、複数の加圧パイプによって接続されてもよい)。
次に、本発明の実施例5について説明する。本実施例においては、シール部材として閉ループ状のシール用チューブを備えており、シール用チューブの外周側と内周側にリブが
設けられ、このリブがクランクケースの内壁及びシリンダブロックの外壁に設けられたリブ用の溝に挿入固定された構成について説明する。
図7及び図8には、本実施例におけるシリンダブロック52の斜視図と、クランクケース53の斜視図とを示す。図7から分かるように、本実施例におけるシリンダブロック52の、クランクケース53の収納部53aに収納される部分の外壁(シリンダ2の軸方向と平行な各側面)52aには、環状(側面を一周する形状)の溝部52bが形成されている。
また、図8から分かるように、本実施例におけるクランクケース53の収納部53aの内壁53bに挟まれた箇所には、後述するシール用チューブ55が収納される凹部53cが形成されている。そして、凹部53cには断面矩形状のクランクケース側溝53eがさらに形成されている。
図9には、本実施例においてクランクケース53にシリンダブロック52を組み付けた場合の片側の凹部53c付近の断面図を示す。図9(A)はシリンダブロック52がクランクケース53に対して最も離れた最低圧縮比の状態を示す。図9(B)は、圧縮比が中央値である状態を示す。図9(C)はシリンダブロック52がクランクケース53に対して最も接近した最高圧縮比の状態を示す。なお、図9(A)の状態と図9(C)の状態とを比較するとシリンダブロック52の高さが図9(C)の状態において相対的に距離Eだけ低くなっている。
図9(A)に示すように、凹部53cには、シール部材としてのシール用チューブ55が収納されている。このシール用チューブ55は閉ループ状の断面略円筒のゴムから形成されており、シリンダブロック52の外壁の周囲に巻回されている。また、シール用チューブ55におけるループの外周側には外周リブ55aが全周に亘って形成されている。同様に、シール用チューブ55におけるループの内周側には内周リブ55bが全周に亘って形成されている。そして、外周リブ55aはクランクケース53に設けられたクランクケース側溝53eに挿入されている。また、内周リブ55bはシリンダブロック52に設けられたブロック側溝52bに挿入されている。このことによって、シール用チューブ55はシリンダブロック52とクランクケース53の両方に結合されている。なお、シール用チューブ55について図9(A)の状態と図9(C)の状態とを比較すると内周リブ55bの高さが図9(C)の状態において相対的に距離Eだけ低くなっている。
図10にはシール用チューブ55の拡大断面図を示す。シール用チューブ55のリブ以外の部分は厚み1mm以下程度の膜状となっており、シリンダブロック52の外壁52aとクランクケース53の凹部53cの底面53dとの間の隙間を埋めている。外周リブ55aと内周リブ55bとの間のシール用チューブ55の周方向の長さSは、シリンダブロック52の外壁52aとクランクケース53における凹部53cの底面53dとの距離をLとすると、次式の関係を満たすことが望ましい。
S≧(Lπ/2+E)・・・・・・・・(1)
ここで、例えば図9(A)の状態から図9(C)の状態に、クランクケース53とシリンダブロック52の相対位置がEだけ変化した場合には、シール用チューブ55の外周リブ55a及び内周リブ55bの上側の範囲には引っ張り力が作用し、シール用チューブ55の外周リブ55a及び内周リブ55bの下側の範囲には圧縮力が作用する。しかしながら数式(1)が成立する場合には、クランクケース53とシリンダブロック52の相対位置がEだけ変化しても、シール用チューブ55の断面形状を著しく変形することを抑制できる。その結果、より確実にシール用チューブ55のシール性能を維持することが可能と
なる。
なお、本実施例においては、シール用チューブ55の外周リブ55aがクランクケース側溝53eに挿入され、内周リブ55bがブロック側溝52bに挿入されることで、シリンダブロック52とクランクケース53の両方に結合されていた。これに関して、外周リブ55aをクランクケース側溝53eに、内周リブ55bをブロック側溝52bに挿入させた上で、これらを接着や溶着などの化学反応的な方法でさらに強固に結合してもよいことは当然である。
ところで本実施例においては、シリンダブロック52の外壁52aにブロック側溝52bが形成されるとともに、クランクケース53の凹部53cにクランクケース側溝53eが形成され、これらの2つの溝に、内周リブ55bと外周リブ55aが挿入される形でシール用チューブ55が組み付けられる。
これに対し、シール用チューブ55が組み付け易いように、クランクケース53をクランクケース側溝53e付近において二部品に分け、シール用チューブ55を組み付けてから、二部品に分けた片方の部品を組み付けることによりクランクケース53を完成させるようにしてもよい。
図11及び図12には、その際の構成及び、シール用チューブ55と、クランクケース53、シリンダブロック52、シリンダヘッド56の組み立て方法を示す。図11及び図12に示すように、クランクケース53にリブ押え部材53fを組み付けることで、凹部53cとクランクケース側溝53eとが形成されるようになっている。
より具体的には、図11に示す組み付け方法では、まず、図11(A)に示すようにシリンダブロック52とシール用チューブ55とシリンダヘッド56とを組み立てる。その後に、図11(B)に示すように、シリンダブロック52とシール用チューブ55とシリンダヘッド56からなるユニットをリブ押え部材53fとともに、クランクケース53の収納部53aに収納させる。さらに、図11(C)に示すように、リブ押え部材53fをクランクケース53に嵌めこむことで確実に固定する。このことで、凹部53cとクランクケース側溝53eとが同時に形成されるとともに、シール用チューブ55の組み付けが完了する。
次に、図12に示す組み付け方法では、図12(A)に示すようにシリンダブロック52にシール用チューブ55が組み付けられた状態で、クランクケース53の収納部53aにシリンダブロック52を収納する。次に、図12(B)に示すように、リブ押え部材53fをクランクケース53に嵌めこみ、凹部53cとクランクケース側溝53eとを同時に形成させる。さらに図12(C)に示すように、シリンダヘッド56を組み付ける。
このように、本実施例では、クランクケース53をクランクケース側溝53e付近において二部品に分割した。そして、シール用チューブ55を組み付けた状態のシリンダブロック52を収納部53aに収納し、その後に、分割したクランクケース53とリブ押え部材53fとを組み立てることで凹部53cとクランクケース側溝53eとを完成させるようにした。このことで、より容易に凹部53c及びクランクケース側溝53eを形成できるとともに、シール用チューブ55をより容易に組み付けることが可能となる。
なお、シール用チューブ55の内部には、予め空気が充填されており、シール用チューブ55自体の弾性力に加えて、充填された空気の空気圧によって、クランクケース側溝53eに外周リブ55aが、ブロック側溝52bに内周リブ55bが押え付けられるようになっている。この場合の空気圧は、クランクケース側溝53eに外周リブ55aが、ブロ
ック側溝52bに内周リブ55bが挿入されることで、凹部53cの底面53dと、シリンダブロック52の外壁52aとに生じた油膜をシールするのに充分な空気圧として、予め実験などによって求められた値に設定される。
また、本実施例では、シール用チューブ55の内部に空気を充填することに加えて、スポンジなどの膨張力発生部材を充填しておいてもよい。これにより、シール用チューブ55のシール性能をさらに向上させることができる。また、シール用チューブ55の空気圧を図示しない加圧ポンプによって上昇させてもよい。この場合には、クランクケース53内の圧力が高いほどシール用チューブ55の空気圧が高くなるように制御してもよい。
しかしながら、本実施例では、必ずしもシール用チューブ55に空気や膨張力発生部材を充填しなくてもよい。例えば、断面円筒状の弾性体は特に密閉されておらず、シール用チューブ55の弾性力のみによって、クランクケース側溝53eに外周リブ55aが、ブロック側溝52bに内周リブ55bが押え付けられるようにしてもよい。この場合の弾性力は、クランクケース側溝53eに外周リブ55aが、ブロック側溝52bに内周リブ55bが挿入されることで、凹部53cの底面53dと、シリンダブロック52の外壁52aとに生じた油膜をシールするのに充分な弾性力として、予め実験などによって求められた値に設定される。
また、シール用チューブ55の外表面にはフッ素樹脂などからなる低摩擦層を形成してもよい。これにより、内燃機関の圧縮比の変化に伴い、シール用チューブ55をより円滑に動かすことができ、より確実にシール性を向上させることができる。また、シール用チューブ55の中空に内部にスポンジなどの膨張力発生部材を充填した場合には、シール用チューブ55の内表面にもフッ素樹脂などからなる低摩擦層を形成してもよい。これにより、内部に膨張力発生部材が充填された場合にも、シール用チューブ55をより円滑に動かすことができ、より確実にシール性を向上させることができる。
また、本実施例においては、シール用チューブ55は閉ループ状の断面円筒のゴムから形成される例について説明したが、シール用チューブ55は必ずしも閉ループ状(無端)でなくてもよい。シール用チューブ55を有端の断面円筒のゴムから形成されるようにして、シリンダブロック52の外壁の周囲に端同士が接触するように巻回されていてもよい。また、外周リブ55a及び内周リブ55bは必ずしもシール用チューブの全長に亘って形成されていなくてもよい。オイル漏れの多い箇所や溝に挿入し易い箇所に部分的に設けられていてもよい。
また、本実施例においては、シール用チューブ55が外周リブ55aと内周リブ55bの2つのリブが設けられ、各々のリブがクランクケース側溝53eとブロック側溝52bとに挿入固定されている例について説明したが、本発明の構成はこれに限られない。例えば、シール用チューブには外周リブのみが設けられクランクケース側溝に挿入固定されており、シール用チューブとシリンダブロックの外壁とは接着または溶着で固定されるようにしてもよい。あるいは、逆にシール用チューブには内周リブのみが設けられブロック側溝に挿入固定されており、シール用チューブとクランクケースの収納部の内壁とは接着または溶着で固定されるようにしてもよい。
10、20、30、40・・・・・・可変圧縮比内燃機関
11、56・・・・・・・・・・・・・・・シリンダヘッド
12、32、42、52・・・・・・・・・シリンダブロック
12a、32a、42c、52a・・・・・・・・・・シリンダブロック外壁
13、23、33、43、53・・・・・・クランクケース
13a、23a、33a、43a、53a・・収納部
13b、23b、33b、43b・・収納部内壁
14・・・・・・・・・・・・・・・カム軸
15、25、55・・・・・・・・・・・・シール用チューブ
26、36、46・・・・・・・・・加圧パイプ
27、37、47・・・・・・・・・圧縮ポンプ
35・・・・・・・・・・・・・・・シール用バンド
45a、45b・・・・・・・・・・シール用リング
50、60、70・・・・・・・・・ECU
52b・・・・・・・・・・・・・・ブロック側溝
53e・・・・・・・・・・・・・・クランクケース側溝
53f・・・・・・・・・・・・・・リブ押え部材

Claims (7)

  1. ピストン及びクランク軸が設けられたクランクケースに対して、シリンダが形成されたシリンダブロックを、前記シリンダの軸方向に相対移動させることにより圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関において、
    前記クランクケースには、前記シリンダブロックの少なくとも一部を前記シリンダの軸方向に移動可能に収納する収納部が設けられ、
    前記クランクケースの収納部の内壁と、前記シリンダブロックの前記収納部に収納される部分の外壁との間の隙間をシールするシール手段を備え、
    前記シール手段は、前記隙間をシールする際に、該隙間に正の空気圧を作用させることを特徴とする可変圧縮比内燃機関。
  2. 前記シール手段は、前記隙間に配置され弾性体からなるシール部材を有し、前記空気圧によって前記シール部材を変形させて前記クランクケースの収納部の内壁と、前記シリンダブロックのうち前記収納部に収納される部分の外壁とに押し付けることで、前記隙間をシールすることを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
  3. 前記シール部材は、空気が充填された中空の弾性体であり、前記空気圧は、該シール部材に充填された空気によって作用されることを特徴とする請求項2に記載の可変圧縮比内燃機関。
  4. 前記シール手段は、前記空気圧を上昇させる加圧装置をさらに有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の可変圧縮比内燃機関。
  5. 前記シール手段は、前記隙間において前記シリンダの軸方向に各々離れて配置され弾性体からなる複数のシール部材と、前記隙間における前記複数のシール部材の間の空間の空気圧を上昇させる加圧装置と、を有することを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
  6. 前記加圧装置は、前記クランクケース内の圧力が高いほど、前記空気圧を高くすることを特徴とする請求項4または5に記載の可変圧縮比内燃機関。
  7. 前記シール手段は、前記隙間に配置され弾性体からなるシール部材を有し、
    前記シール部材は、有端または無端の筒状の形状を有するとともに側面から外側に突出したリブを有し、前記クランクケースの収納部の内壁と、前記シリンダブロックのうち前記収納部に収納される部分の外壁との少なくとも一方に設けられた溝に前記リブが挿入されることで前記シール部材が前記クランクケースおよび/または前記シリンダブロックに結合され、
    前記空気圧によって前記リブを前記溝に押し付けることで、前記隙間をシールすることを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
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