JP2011132260A - 転移を阻害する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 種々の癌の転移または維持を阻害する方法を提供すること。
【解決手段】 この方法は、細胞上のケモカインレセプターのシグナル伝達をブロックする工程を包含する。特に、癌の特定の輸送が、同定されたタンパク質(これはマーカーとして役立つ)に依存するという事実を、この方法は利用する。スクリーニングのさらなる方法もまた提供される。本発明において、転移は、器官(例えば、リンパ節、骨髄、または皮膚)特異的であるか、または細胞が乳房、頭部および頚部、悪性黒色腫、または前立腺を含む癌細胞である。
【選択図】なし

Description

本願は、各々本明細書中で参考として援用される2000年8月14日に出願されたUSSN 60/225,562、および1999年11月24日に出願されたUSSN 60/167,519の優先権を主張する米国実用特許出願である。
(発明の背景)
本発明は、一般的に種々の癌の転移を阻害する方法に関する。これはまた、同様の生物学的活性を示す種々のタンパク質のスクリーニング方法を提供する。
(背景)
原発性癌は、たとえ完全に除去されるとしても、悪性腫瘍はしばしば転移性である。多かれ少なかれ身体の離れた場所で、原発性腫瘍から開始される転移悪性腫瘍の形成は、癌の最も重大な影響の1つであり、良好な処置プロトコルは、現在利用可能ではない。癌腫瘍の転移は、疾患が処置されている場合に複数の腫瘍の増殖で患者が死亡するように、治療的失敗のほとんどの原因である。重要な腫瘍として例えば、乳房、頭部、頚部、肺、結腸、前立腺を含む癌、および悪性黒色腫が挙げられる。例えば、Bertinoら(1996年編)、Encyclopedia of Cancer、Academic Press;Devitaら(1997年編)、Cancer:Principles & Practice of Oncology、Lippincott、Williams and Wilkins;Devita(1997)、Principles and Practice of Oncology、Lippincott Williams and Wilkins;Cavalliら(1996)、Textbook of Medical Oncology、Dunitz Martin Ltd;Horwich(1995年編)、Oncology:A Multidisciplinary Textbook、Lippincott−Raven;Peckhamら(1995年編)、Oxford Textbook of Oncology、Oxford Univ.Press;Mendelsohnら(1995)、The Molecular Basis of Cancer、Saunders、Philadelphia;およびMcArdle(1990)、Surgical Oncology:Current Concepts and Practice、Butterworth−Heinemannを参照のこと。
転移が起こる範囲は、腫瘍の個々の型で変化する。悪性黒色腫、乳癌、肺癌、結腸癌、および前立腺癌は、転移傾向にある癌の型うちである。転移が生じる場合、より通常の部位であるリンパ節、肺、肝臓、脳および骨髄を有する身体の多様な部位で転移を形成し得る。
現在利用可能な癌の治療方法(例えば、外科的治療、放射線治療、化学療法、および免疫学的方法)は、いずれも転移予防の成果に制限を有し、またこれらの方法は、重篤かつ所望でない副作用を引き起こす。
臨床的に診断された多くの固形腫瘍(ここで、この腫瘍は、局在的増殖である)において、外科的除去が、主な処置手段と考えられる。しかし、外科手術後および幾分遅延した時期にしばしば、元の腫瘍が、転移したことが観察され、そのため転移部位の癌浸潤が全身にわたって広がり、そしてその後患者は、転移癌の増殖により死ぬ。論文は、切除可能な腫瘍を有する個体において、原発性腫瘍の増殖または局在的な再発が、しばしば死の原因であることを示す。それどころか現在は、手術可能な腫瘍を有する癌犠牲者のほぼ40%は、外科手術に続く転移性疾患で最終的に死亡する。
化学療法は、癌の治療に幅広く使用されるが、これは通常、細胞増殖阻害に基く全身的処置である。従って、化学療法は、増殖している全ての細胞(通常細胞を含む)に影響する非特異的な処置様式であり、所望ではない副作用およびしばしば重篤な副作用(例えば、免疫抑制、汎血球減少症(貧血、血小板減少、および白血球減少をともなう骨髄細胞増殖阻害)、下痢、吐気、および脱毛(体毛減少))を引き起こす。
しばしば、現在の全身性処置が、離れた器官(肺、肝臓、骨髄、または脳)ですでに存在する巨大転移巣にほとんど効果がないことが証明された。患者はしばしば、癌細胞の転移により引き起こされた転移癌で死亡させられる。効果的に癌細胞転移を抑制する方法は確立されておらず、そして癌細胞の転移を抑制する効果を有する薬は、まだ市販されていない。
従って、腫瘍の転移を阻害する方法についての必要性が存在する。特に、重篤な副作用を引き起こさずに転移を阻害する方法が、非常に所望される。
(発明の要旨)
本発明は、ケモカインレセプターを介するシグナル伝達が、癌細胞を転移する誘引物質の重要なメカニズムであり得るという仮説に基く。このような様式を支持するデータが集められた。あるいは、ケモカインレセプターの腫瘍細胞による特定の発現が、例えば、ケモカインレセプター標的治療剤のみ、または他の抗癌治療との組み合わせにより、増殖の進行を阻害または縮小さえ可能にさせる。
本発明は、細胞(例えば、腫瘍細胞)の転移を阻害する方法を提供し、この方法は、細胞上のケモカインレセプターのシグナル伝達をブロッキングする工程を包含する。好ましくは、この転移は、器官(例えば、リンパ節、骨髄、または皮膚)特異的であるか、またはこの細胞が乳房、頭部および頚部、悪性黒色腫、または前立腺を含む癌細胞である。他の実施形態において、ケモカインレセプターは、CCR7、CXCR4、またはCCR10である。シグナル伝達のブロッキングは、ケモカインレセプターに対する抗体、リガンドのムテインアンタゴニスト、またはケモカインレセプターのシグナル伝達を阻害する薬物(例えば、百日咳毒素)でなされ得る。従って、例えば、ケモカインレセプターが、CCR7である場合、ブロッキングは:FSEC、CKβ9、もしくはCKβ11に対する抗体;または、FSEC、CKβ9、もしくはCKβ11のムテインアンタゴニストでなされ得る:ケモカインレセプターが、CXCR4である場合、ブロッキングは:SDF−1に対する抗体;または、SDF−1のムテインアンタゴニストでなされ得る:そして、ケモカインレセプターが、GPR2である場合、ブロッキングは:CTACKもしくはVicに対する抗体;または、CTACKもしくはVicのムテインアンタゴニストでなされ得る。腫瘍を発現するケモカインレセプターの標的薬物に対する毒性結合体の使用もまたもたらされ得る。
代表的には、この方法は、別の癌処置(例えば、化学療法、放射線療法、免疫療法、または外科手術)と組み合わされる。この方法はしばしば、このような処置の後に適用されるが、これは、予防的であり得る。そしてこの処置は、原発性腫瘍の進行または増殖に直接的に影響し得る。
あるいは、本発明は、転移性細胞または原発性腫瘍細胞上のケモカインレセプターのスクリーニング方法を提供する。この方法は、どのケモカインレセプターが細胞上で発現されるかを同定する工程を包含する。この同定は、例えば、抗体標識、リガンド試験、またはPCR分析によりなされ得る;すなわち、治療的ストラテジーの決定において有用であり得る。標識は、例えば、毒性結合体、または毒性化合物のエネルギーの吸収または結合を可能にさせる吸収試薬で方向付けられた細胞死滅を可能にし得る。
なお別の実施形態は、抗腫瘍剤およびケモカインレセプターアンタゴニストまはたは標識を含む組成物を含む。このような実施形態において、アンタゴニストまたは標識は、FSEC、CKβ9、またはCKβ11に対する抗体;SDF−1に対する抗体;FSEC、CKβ9、またはCKβ11のムテインアンタゴニスト;SDF−1のムテインアンタゴニスト;CTACKまたはVicに対する抗体;CTACKまたはVicのムテインアンタゴニスト;ケモカインレセプターに対する抗体;またはケモカインレセプターのシグナル伝達を阻害する薬物(百日咳毒素を含む)であり得る。このような組成物を使用する方法(例えば、動物において転移性の癌または原発性の癌を処置する方法であって、この動物に有効量の組成物を投与する工程を包含する方法)が提供される。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
・(項目1) 細胞の転移を阻害する方法であって、当該方法は、
当該細胞上のケモカインレセプターのシグナル伝達をブロックする工程
を包含する、方法。
・(項目2) 上記転移が器官特異的である、項目1に記載の方法。
・(項目3) 上記転移が、リンパ節、骨髄、または皮膚への転移である、項目1に記載の方法。
・(項目4) 上記転移がリンパ節への転移である、項目3に記載の方法。
・(項目5) 上記細胞が、乳房、頭部および頸部、黒色腫、または前立腺の癌細胞が挙げられる、癌細胞である、項目1に記載の方法。
・(項目6) 上記癌細胞が、乳房または黒色腫の癌細胞である、項目1に記載の方法。
・(項目7) 上記ケモカインレセプターがCCR7、CXCR4、またはCCR10である、項目1に記載の方法。
・(項目8) 当該シグナル伝達のブロックが、上記ケモカインレセプターに対する抗体を用いる、項目7に記載の方法。
・(項目9) 項目7に記載の方法であって、上記ケモカインレセプターがCCR7であり、そして上記ブロックが、
a)FSECに対する抗体、CKβ9に対する抗体、またはCKβ11に対する抗体;あるいは
b)FSECのアンタゴニストムテイン、CKβ9のアンタゴニストムテイン、またはCKβ11のアンタゴニストムテイン
を用いる、方法。
・(項目10) 項目7に記載の方法であって、上記ケモカインレセプターがCXCR4であり、そして上記ブロックが
a)SDF−1に対する抗体;または
b)SDF−1のアンタゴニストムテイン
を用いる、方法。
・(項目11) 項目7に記載の方法であって、上記ケモカインレセプターがGPR2であり、そして上記ブロックが
a)CTACKに対する抗体もしくはVicに対する抗体;または
b)CTACKのアンタゴニストムテインもしくはVicのアンタゴニストムテイン
を用いる、方法。
・(項目12) 項目1に記載の方法であって、上記シグナル伝達のブロックが、
a)上記ケモカインレセプターに対する抗体;または
b)百日咳毒素が挙げられる、上記ケモカインレセプターのシグナル伝達を阻害する薬物
を用いる、方法。
・(項目13) 癌のための別の処置と組み合わせた、項目1に記載の方法。
・(項目14) 上記処置が、化学療法、放射線療法、免疫療法、および手術から選択される、項目13に記載の方法。
・(項目15) 上記処置が上記ブロックの前に行われる、項目13に記載の方法。
・(項目16) 原発性腫瘍または転移性細胞上のケモカインレセプターについてスクリーニングするための方法であって、
どのケモカインレセプターが当該細胞上で発現されるか同定する工程
を包含する、方法。
・(項目17) 項目16に記載の方法であって、上記同定する工程が、
a)抗体標識、リガンド試験、もしくはPCR分析であるか;あるいは
b)治療処置の決定を生じる、
方法。
・(項目18) 抗腫瘍剤と、
a)ケモカインレセプターアンタゴニスト;または
b)ケモカインレセプターに標的化された毒性結合体;
とを含む、組成物。
・(項目19) 項目18に記載の組成物であって、上記アンタゴニストまたは毒性結合体が、
a)FSECに対する抗体、CKβ9に対する抗体またはCKβ11に対する抗体;
b)FSECのアンタゴニストムテイン、CKβ9のアンタゴニストムテインまたはCKβ11のアンタゴニストムテイン;
c)SDF−1に対する抗体;
d)SDF−1のアンタゴニストムテイン;
e)CTACKに対する抗体またはVicに対する抗体;
f)CTACKのアンタゴニストムテインまたはVicのアンタゴニストムテイン;
g)上記ケモカインレセプターに対する抗体;あるいは
h)百日咳毒素が挙げられる、上記ケモカインレセプターのシグナル伝達を阻害する薬物;
から選択される、組成物。
・(項目20) 動物における癌を処置するための方法であって、
項目18に記載の組成物の有効量を当該動物に投与する工程
を包含する、方法。
(発明の詳細な説明)
(概略)
I.概要
II.ケモカインアゴニストおよびアンタゴニスト
A.リガンドおよび変異体
B.抗体
C.他の分子
III.イムノアッセイ
IV.使用
(I.概要)
本発明は、ケモカインが癌転移の重要な媒介物であり得ることを示唆する相関関係の意外な発見に部分的に基く。特に、転移性の腫瘍は、ケモカインレセプターの発現について分析されてきた。種々の原発性腫瘍がまた、ケモカインレセプター発現について調べられ、そしてマーカーとしてのレセプターの同定は、治療的価値を有し得る。
器官に特異的な転移性の腫瘍は、特定のケモカインレセプターを発現するらしい。これらのケモカインレセプターは、調べられた種々の癌の通常の転移標的器官のリガンド発現に対応するらしい。さらに、原発性腫瘍の評価において、ケモカインレセプター発現パターンはまた、転移標的器官により発現されたリガンドと一致する。従って、これらの転移性腫瘍細胞は、これらの標的器官によって発現されたケモカインによって部分的に標的器官に方向付けられるらしい。もしそうであるならば、転移は、ケモカイン媒介輸送および器官の標的化のブロッキングに対して応答性である。
さらに、特定の腫瘍型のためのマーカーとしての種々のケモカインレセプターの同定は、適切な治療法を標的とするためのマーカーとしてそれらを使用する可能性を提供する。毒性結合体、放射線もしくはエネルギー吸収の特異的な局在化、または原発性腫瘍部位への抗癌薬物を誘引する手段は、有用である。
ケモカインは、化学誘引物質サイトカインのサブファミリーであり、これは7回膜貫通スパニング(spanning)レセプター、またはGPCRに連結した特定のGタンパクに結合することによる白血球輸送もしくは移動を媒介する能力によって古典的に特徴付けられた。ケモカインは、最初の2つのシステインの一次配列に基いて以下の4つのグループに分けられる:CXC、CC、C,およびCX3Cファミリー。
ケモカインレセプターは、代表的には、レセプター(GPCR、またはGPLR)と結合(または連結)したGタンパクのスーパーファミリーのメンバーである。クラスとして、これらのレセプターは、7個の疎水性ドメインを含むアミノ酸配列によって特徴付けられた不可欠な膜タンパク質である。例えば、RuffoloおよびHollinger(1995年編)、G−Protein Coupled Transmembrane Signaling Mechanisims、CRC Press、Boca Raton、FL;WatsonおよびArkinstall(1994)、The G−protein Linked Receptor FactsBook、Academic Press、San Diego、CA;Peroutka(1994年編)、G Protein−Coupled Receptors、CRC Press,Boca Raton、FL;HouslayおよびMilligan(1990)、G−Proteins as Mediators of Cellular Signaling Processes、WileyおよびSons、New York、NY;およびDohlmanら(1991)、Ann.Rev.Biochem.60:653〜688。これらの疎水性ドメインは、タンパク質の膜貫通スパニング領域を表すことが予想される。これらのGPCRは、広範な生物に見出され、代表的には、例えば、ヘテロ三量体G−タンパク質との、例えば、交差反応を介する細胞内へのシグナル伝達に関する。これらは、脂質アナログ、アミノ酸誘導体、低分子ペプチド、および他の分子を含む広範で多様な範囲の物質に応答する。このレセプターのためのケモカインリガンドは、代表的にはレセプターに結合しているカルシウムフラックスを開始し、そしてカルシウムフラックスは、代表的には百日咳感受性である。化学誘引物質の特性に加えて、ケモカインは、他の生物学的応答(例えば、Ca++のようなセカンドメッセンジャーレベルの調節;イノシトールリン酸プール変化(例えば、Berridge(1993)、Nature、361:315〜325またはBillahおよびAnthes(1990)、Biochem.J.296:281〜291を参照のこと);細胞の形態学的改変応答;ホスホイノシチド脂質代謝回転;可能な抗ウイルス応答;およびその他の調節)を誘導することが示された。
最も良く知られたケモカイン分子の生物学的機能は、白血球の化学誘引物質に関する。他の細胞型(例えば、これらのケモカインレセプターを発現する原発性腫瘍細胞)の輸送が、同様に特定の器官に対するケモカインにより方向付けられることは、特有のことではない。例えば、Youngsら(1997)、Int.J.Cancer 71:257〜266;およびKleeffら(1999)、Int.J.Cancer 81:650〜657を参照のこと。
種々の型の腫瘍細胞株の重要なパネルは、収集され、ATCCより最も入手可能である。これらには、乳癌、頭部および頚部、悪性黒色腫、ならびに前立腺癌細胞株が含まれる。この細胞株は、定量的なPCR技術によって多くのケモカインレセプターの発現について分析された。この分析によると、ケモカインレセプターの発現は、CCR7(Genbank L31581を参照のこと)レセプター、CXCR4(Genbank X71635を参照のこと)レセプター、およびCPR2(Genbank U13667を参照のこと)レセプターを除いて、一般的に非常に低かった。乳癌株は、一般的に、CCR7レセプター、CXCR4レセプター、およびGPR2レセプターを発現した。頭部腫瘍および頚部腫瘍株は、一般的にCCR7レセプターを発現した。悪性黒色腫細胞株は、一般的にCCR7レセプターおよびGPR2レセプターを発現した。要約すれば、CCR7レセプターは、乳癌、頭部および首、ならびに悪性黒色腫細胞株により発現され;CXCR4レセプターは乳癌株により発現され;そしてGPR2レセプターは乳癌細胞株および悪性黒色腫細胞株により発現された。前立腺癌株は、CCR7、CXCR4、CCR8、およびCTRL33を発現し;乳癌細胞株はまた、CCR8およびCTRL33を発現した。
これらの各レセプターは、ケモカインリガンドと一致した。ケモカインMIP−3β(Genbank U77180;Colemanら、Wo9622374A1(FSEC)を参照のこと)およびCKβ9(Genbank W17274;AdamsおよびLi、WO9606169A1を参照のこと)は、CCR7レセプターのためのリガンドである。これらの2つのケモカインは、リンパ節により発現され、このことはおそらく、3つの腫瘍細胞型すべてがしばしばリンパ節へ転移することの理由である。ケモカインSDF−1(間質細胞誘導因子1;Genbank L12030およびAA620142;Laceyら(1997)、Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 94:9842〜9847、およびAiutiら(1997)、J.Exp.Med.185:111〜120を参照のこと)は、CXCR4レセプターのためのリガンドである。このケモカインは、骨髄細胞により発現され、このことはおそらく、乳癌がしばしば骨髄に転移する理由である。CXCR4はまた、肝臓、肺、およびリンパ節転移に関係した。ケモカインCTACK(CCL27;Genbank U13667;Hedrickら、WO9823750A2を参照のこと)およびVic(CCL28;Genbank R38459;Hedrickら、WO9823750A2を参照のこと)は、GPR2レセプターのためのリガンドである。これらのケモカインは、皮膚で発現され、このことはおそらく、悪性黒色腫が皮膚へ転移する理由を説明する。
転移作用に加えて、SDF−1およびCTACKは、原発性腫瘍形成または増殖の進行に重大な寄与を有し得る。このことは、特定の他の腫瘍で生じ、これが悪性黒色腫にあてはまり得ると考える理由が存在する。
他の型の癌のための同様の方法において、原発性腫瘍により発現されるケモカインレセプターは、一般的に頻繁な転移の標的器官において発現されるリガンドを有するようである。この方法は、他の腫瘍細胞型での仮説を確認するために使用され得る。原発性腫瘍を調べると、ケモカインレセプターの分析は、どのケモカインによってこれらの細胞が化学誘導される可能性があるのかを示す。従って、これらの原発性腫瘍転移の阻害物は、このような化学誘引物質の阻害物により媒介されるはずである。阻害物は、リガンドアンタゴニストまたはレセプターアンタゴニストにより生じ得る。このような阻害物は、リガンドムテインアンタゴニスト、リガンドもしくはレセプターに対する抗体のアンタゴニスト、または薬物(化学誘引物質をブロックする低分子)であり得る。
最も通常の他の原発性腫瘍型として、例えば、前立腺癌、胃腸(結腸を含む)の癌、および肺癌が挙げられる。前立腺癌は、リンパ節および骨髄へ転移する傾向にあり、CCR7レセプターおよびCXCR4レセプター(これらのそれぞれのリガンドにより媒介される)に関連することを示唆する。胃腸の癌は、リンパ節および肝臓へ転移する傾向にあり、CCR7レセプターおよびCCR6レセプターに関連することを示唆する。CCR6レセプターのためのリガンドは、ケモカインMIP−3αである。肺癌は、リンパ節、骨髄、および脳へ転移する傾向にあり、CCR7ケモカインレセプター、CXCR4ケモカインレセプター、およびV28ケモカインレセプター(これらのそれぞれのケモカインリガンドにより媒介される)に関連することを示唆する。V28レセプターのためのリガンドは、ケモカインCX3C(ニューロタクチン(neurotactin))である。本発明は、どのアンタゴニストが、特定の型の原発性腫瘍転移または進行に対し作用を有するかを教示する。
逆に、転移の標的組織により発現されるケモカインは、化学誘引物質のメディエーターであるらしい。従って、転移は、化学誘引物質を阻害することによりブロッキングされ得るかまたは腫瘍転移は、例えば、マーカーとしてのケモカインレセプターで標的化され得る。リンパ節への転移は、CCR7レセプターにより媒介され、骨髄への転移はCXCR4レセプターにより媒介され、皮膚への転移はGPR2により媒介され、肝臓への転移はCCR6レセプターにより媒介され、脳への転移はV28レセプターにより媒介され、そして肺への転移は肺で発現されるまだ未同定のケモカインのためのレセプターにより媒介されるらしい。同様に、本発明は、どのアンタゴニストが特定の器官への転移または原発性腫瘍のためのマーカーに作用するかを教示する。そして原発性腫瘍上のケモカインレセプターの特異的な発現は、これらの部位への治療薬剤の特異的標的化を可能にする。
いずれの場合においても、この教示の確認においてマウスモデルが有用である。転移または原発性腫瘍の進行(例えば、増殖)を担うレセプター/ケモカインの組み合わせについての試験をすることは、例えば、他の型の癌腫、肉腫などで続けられる。
(II.ケモカインアゴニストおよびアンタゴニスト)
レセプターのためのケモカインリガンドが記載された。天然のリガンドまたはレセプターの種々のアゴニストおよびアンタゴニストが産生され得る。レセプター結合アッセイが開発され得る。例えば、Bieriら(1999)、Nature Biotechnology 17:1105〜1108、および1060ページの関連する記載を参照のこと。カルシウムフラックスアッセイが、アンタゴニスト活性をプロセスする化合物をクリーニングするために開発され得る。遊走アッセイは、膜孔を介する細胞移動の利点を受け得、アンタゴニストアッセイの基礎を形成し得る。走化性がこれにより測定され得る。あるいは、ケモカインアッセイが開発され得、それ自身は、濃度勾配に関係する必要なく動力学的移動の誘導を測定する。
(A.ケモカインリガンドおよび変異体)
ケモカインアゴニストは、ケモカインのいくつかのまたは全てのシグナル伝達機能(例えば、Ca++フラックスを結合する、Ca++フラックスを誘導する、そして適切なレセプターを保有する細胞を化学誘引する)を示す。逆に、アンタゴニストは、シグナル伝達および/またはエフェクターの生物学をブロッキングする。種々の哺乳動物ケモカイン配列は、どの残基が種を超えて保存されるかを決定するために評価され得、どの残基が生物学的活性に顕著な影響なしに変化され得るかを示唆する。あるいは、分子の特定の領域における保存的置換は、レセプター結合活性を保持する可能性が幾分高い。一方、他の領域は、シグナル伝達に影響する可能性がより高い。ムテインまたは種々のケモカインポリペプチドをスクリーニングする標準的な方法は、どの配列が有用な治療的アンタゴニストであるかを決定する。
さらに、特定の核酸発現方法が適用され得る。例えば、特定の状況において、適切に発現される種々の核酸で細胞をトランスフェクトすることは有用であり得る。種々のプロモーターは、この遺伝子に作動可能に連結され得、これにより調節された発現(例えば、抑制)を可能にする。
アンタゴニスト活性は、周知の方法を使用して試験またはスクリーニングされ得る。ケモカイン結合、カルシウムフラックス、または化学誘引物質の活性を拮抗する能力についての試験が、開発され得る。レセプター結合能を保持するが、シグナル伝達能に欠く種々のリガンドのホモログが作製され得、したがって拮抗的な結合分子として役立つ。低分子はまた、ケモカイン機能(例えば、化学誘引、レセプター結合、Ca++フラックス、およびケモカインにより媒介される他の作用)を拮抗する能力についてスクリーニングされ得る。一般的に、Gilmanら(1990年編)、Goodman and Gilman’s:The Pharmacological Bases of Therapeutics、第8版、Pergamon Press;Remington’s Pharmaceutical Sciences、第17版(1990)、Mack Publishing Co.、Easton,Pennを参照のこと(各々が本明細書中で参照として援用される)。アゴニストまたは抗体は、原発性腫瘍型を、例えば、標識または特異的局在化のための標的とする手段として機能し得る。
(B.抗体)
本発明は、ケモカインまたはレセプター、好ましくは、哺乳動物(例えば、霊長類、ヒト、ネコ、イヌ、ラット、またはマウス)のケモカインまたはレセプター)に特異的に結合し、そしてケモカインがそのシグナルを仲介する能力を中和する抗体または結合組成物の使用を提供する。非中和抗体は、標識化または局在化に有用であり得る。抗体は、天然に存在する(全長)形態または組換え形態のいずれかの種々のケモカインリガンドまたはケモカインレセプタータンパク質(個体改変体、多型性改変体、対立遺伝子改変体、株改変体、または種改変体、およびそれらのフラグメントを含む)に対して惹起され得る。さらに、抗体は、ネイティブ(すなわち、活性)形態または不活性(例えば、変性)形態のいずれかのケモカインリガンドまたはポリペプチドに対して惹起され得る。これらの抗体は、シグナルを仲介するリガンドの能力を中和し得る。抗体は、リガンドとそのレセプターとの相互作用を、例えば、立体障害によってブロックし得るか、または同族(cognate)の抗原が発現される箇所に特異的な標識化または局在化を可能にする試薬として役立ち得る。
特に、レセプターアンタゴニストは、レセプターに結合し、そしてリガンド結合をブロックする抗体を作製することによって生成され得る。サイトカインについてのレセプターの同定に伴い、このレセプターに対する抗体が、例えば、リガンドの結合をブロックするもの、またはリガンドによって誘導されるシグナル伝達をブロックするものについて、選択され得る。または、標的化試薬が生成され得る。
多数の免疫原が、リガンドまたはレセプタータンパク質と特異的に反応する抗体、またはリガンドまたはレセプタータンパク質との結合について選択的な抗体を産生するために選択され得る。組換えタンパク質は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体の産生のために好ましい免疫原である。適切な供給源(例えば、霊長類、げっ歯類など)由来の天然に存在するタンパク質もまた、純粋形態または不純形態のいずれかで使用され得る。リガンドまたはレセプタータンパク質配列を使用して作製される合成ペプチドもまた、抗体産生のための免疫原として使用され得る。組換えタンパク質は、例えば、Coliganら(1995年編および定期的補遺)Current Protocols in Protein Science John Wiley & Sons,New York,NY;およびAusubelら(1987年編および定期的補遺)Current Protocols in Molecular Biology,Greene/Wiley,New York,NYに記載のように、真核生物細胞または原核生物細胞において発現および精製され得る。おそらく細胞表面上で発現される、天然に折りたたまれた物質または変性された物質が、適切な場合には、抗体産生のために使用され得る。モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体のいずれかが、例えば、タンパク質を測定するためのイムノアッセイにおいて引き続いて使用するために、免疫精製方法のために、または標的化方法のために生成され得る。
ポリクローナル抗体を産生する方法は、当業者に周知である。代表的には、免疫原(好ましくは、精製タンパク質)を、アジュバントと混合し、そして動物にこの混合物を用いて免疫する。免疫原調製物に対するこの動物の免疫応答を、試験採血すること、そして例えば、目的のリガンドまたはレセプター、タンパク質またはポリペプチドに対する反応性力価を決定することによってモニターする。例えば、免疫原に対する抗体の適切に高い力価が得られた場合(通常、反復免疫後)、この動物から血液を収集し、そして、抗血清を調製する。タンパク質に対して反応性の抗体を富化するための抗血清のさらなる分別が、所望の場合に実施され得る。例えば、HarlowおよびLane Antibodies,A Laboratory Manual;または、Coligan(編)Current Protocols in Immunologyを参照のこと。免疫はまた、他の方法(例えば、DNAベクター免疫)を通して実施され得る。例えば、Wangら,(1997)Virology 228:278−284を参照のこと。アフィニティ精製または吸着を使用して、結合に関する所望の特異性について選択し得る。
モノクローナル抗体は、当業者に周知の種々の技術によって獲得され得る。代表的には、所望の抗原で免疫された動物由来の脾臓細胞を、通常、骨髄腫細胞との融合によって不死化させる。KohlerおよびMilstein(1976)Eur.J.Immunol.6:511−519を参照のこと。不死化の代替方法としては、エプスタイン−バーウイルス、癌遺伝子、もしくはレトロウイルスでの形質転換、または当該分野において公知の他の方法が挙げられる。例えば、Doyleら,(1994年編および定期的補遺)Cell and Tissue Culture:Laborator Procedures,John Wiley and Sons,New York,NYを参照のこと。単一の不死化細胞から生じるコロニーを、所望の特異性および抗原に対する親和性を有する抗体の産生についてスクリーニングする。このような細胞によって産生されるモノクローナル抗体の収率は、種々の技術(脊椎動物宿主の腹膜腔内への注射を含む)によって増強され得る。あるいは、例えば、Huseら,(1989)Science 246:1275−1281に概要を記載された一般的なプロトコールに従って、ヒトB細胞由来のDNAライブラリーをスクリーニングすることによって、モノクローナル抗体またはその結合フラグメントをコードするDNA配列が単離され得る。
レセプターまたはリガンドポリペプチドの予め決定されたフラグメントに対する抗体または結合組成物(結合フラグメントおよび単鎖バージョンを含む)は、そのフラグメントと上記のキャリアタンパク質との結合体で動物を免疫することによって惹起され得る。モノクローナル抗体は、所望の抗体を分泌する細胞から調製され得る。これらの抗体は、正常もしくは欠損性のリガンドタンパク質に対する結合についてスクリーニングされ得るか、または細胞リガンド媒介性フラックス、化学的誘引、またはケモキネシス活性をブロックする能力についてスクリーニングされ得る。これらのモノクローナル抗体は、通常、少なくとも約1mMのKD、より通常には、少なくとも約300μM、代表的には、少なくとも約10μM、より代表的には、少なくとも約30μM、好ましくは、少なくとも約10μM、そしてより好ましくは、少なくとも約3μM、またはそれより小さいKDで結合する。
いくつかの場合、種々の哺乳動物宿主(例えば、マウス、げっ歯類、霊長類、ヒトなど)からモノクローナル抗体(mAb)を調製することが所望され得る。このようなモノクローナル抗体を調製するための技術の説明は、例えば、Stitesら,(編)Basic and Clinical Immunology(第4版)Lange Medical Publications,Los Altos,CA,およびその中の参考文献;HarlowおよびLane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual CSH Press;Goding(1986)Monoclonal Antibodies:Principles and Practice(第2版)Academic Press,New York,NY;そして特に、KohlerおよびMilstein(1975)Nature 256:495−497(これは、モノクローナル抗体を生成するための1つの方法を考察する)において見出され得る。簡潔にまとめると、この方法は、免疫原を用いて動物に注射する工程を包含する。次いで、この動物は屠殺され、そしてその脾臓から細胞を採取し、次いで、この細胞を骨髄腫細胞と融合する。この結果が、インビトロで増殖し得るハイブリッド細胞または「ハイブリドーマ」である。次いで、ハイブリドーマ集団をスクリーニングして、個々のクローンを単離する。各クローンは、免疫原に対して単一の抗体種を分泌する。この様式では、得られた個々の抗体種は、免疫原性物質において認識される特定の部位に応答して作製された免疫動物由来の不死化およびクローン化単一B細胞の産物である。
他の適切な技術は、ファージベクターまたは類似のベクターにおける抗体ライブラリーの選別を包含する。例えば、Huseら、(1989)「Generation of a Large Combinatorial Library of the Immunoglobulin Repertoire in Phage Lambda」,Science 246:1275−1281;およびWardら、(1989)Nature 341:544−546を参照のこと。本発明のポリペプチドおよび抗体は、改変(キメラ抗体またはヒト化抗体を含む)を伴ってかまたは伴わずに、使用され得る。しばしば、ポリペプチドおよび抗体は、検出可能なシグナルを提供する物質を、共有結合的または非共有結合的のいずれかで連結することによって標識される。広範な種々の標識および結合体化技術が公知であり、そして科学文献および特許文献の両方において広範に報告されている。適切な標識としては、放射性核種、酵素、基質、補因子、インヒビター、蛍光部分、化学発光部分、磁気粒子などが挙げられる。このような標識の使用を教示する特許としては、米国特許第3,817,837号;同第3,850,752号;同第3,939,350号;同第3,996,345号;同第4,277,437号;同第4,275,149号;および同第4,366,241号が挙げられる。また、組換え免疫グロブリンが、産生され得る(Cabilly、米国特許第4,816,567号;およびQueenら、(1989)Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 86:10029−10033を参照のこと)か、またはトランスジェニックマウスにおいて作製され得る(Mendezら、(1997)Nature Genetics 15:146−156を参照のこと)。
本発明の抗体結合化合物(結合フラグメントを含む)は、顕著な診断的価値または治療的価値を有し得る。これらは、非中和結合化合物として有用であり得、そして毒素または放射性核種に結合され得、その結果、この結合化合物が抗原に結合する場合に、例えば、その表面上にその抗原を発現する細胞が殺傷される。さらに、これらの結合化合物は、直接的にかまたはリンカーによって間接的にかのいずれかで薬物または他の治療剤と結合体化され得、そして薬物の標的化をもたらし得る。
(C.他の分子)
抗体は、特異的結合組成物の1形態にすぎない。しばしば類似の用途を有する他の結合組成物としては、結合パートナー−結合パートナー様式、抗体−抗原相互作用、シグナル伝達を伴うかまたは伴わないリガンド:レセプター相互作用、または天然の生理的に関連したタンパク質−タンパク質相互作用(共有結合的または非共有結合的のいずれか)において、レセプター(例えば、CCR7,CXCR4,またはGPR2)に特異的に結合する分子が挙げられる(例えば、ケモカインレセプタータンパク質と特異的に結合するタンパク質)。この分子は、ポリマーまたは化学的試薬であり得る。機能的アナログは、構造的改変を伴うタンパク質であり得るか、または構造的に無関係の分子(例えば、適切な結合決定基と相互作用する分子形状を有する)であり得る。例えば、指数的富化によるリガンドの系統的進化(Systematic Evolution of Ligand by Exponential Enrichment;SELEX)技術の適用による方法が、所望の標的に対して特異的な結合構築物を選択するために利用可能である。例えば、Colasら、(1996)Nature 380:548−550;Cohenら、(1998)Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 95:14272−14277;Koloninら、(1998)Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 95:14266−14271;Famulokら,(1998)Curr.Oipin.Chem.Biol.2:320−327;およびEatonら、(1997)Bioorg.Med.Chem.5:1087−1096を参照のこと。
薬物スクリーニングを実施して、レセプターに結合する能力および/またはケモカインへの化学的誘引、Ca++フラックス、またはリガンドとの天然の相互作用をブロックする能力を有する化合物を同定し得る。次いで、引き続く生物学的アッセイを利用して、その化合物が固有の結合活性またはブロック活性(例えば、アンタゴニスト)を有するか否かを決定し得る。百日咳毒素は、リガンド/レセプター相互作用とは異なる様式でケモカインレセプターのシグナル伝達の特定機能をブロックすることが公知の1化合物である。レセプター結合を維持するがシグナル伝達を欠損するムテインアンタゴニストが、開発され得る。
リガンドの構造的研究は、新規の改変体、特に、レセプターに対してアンタゴニスト特性を示すアナログの設計へとつながる。これは、所望のスペクトルの活性を示すムテインを単離するために、先に記載されたスクリーニング方法と組み合わせられ得る。または、リガンドを使用して、レセプター保有細胞(例えば、原発性腫瘍)を標的化または標識化し得る。
レセプター特異的結合分子が提供されるので、スクリーニング手順によって同定される低分子もまた含まれる。特に、例えば、レセプターへのリガンド結合を阻害する(しばしば、レセプターに特異的に結合し、そして天然のリガンドによる結合をブロックすることによる)低分子についてスクリーニングする方法は、当該分野において周知である。例えば、meetings on High Throughput Screening,International Business Communications,Southborough,MA 01772−1749を参照のこと。このような分子は、天然のリガンドと競合し得、そして個々のケモカインまたはCCR7,CXCR4,もしくはGPR2レセプターに対して選択的に結合し得る。同様に、ケモカインシグナル伝達経路の下流のシグナル伝達経路の妨害についてスクリーニングし得るアッセイが開発され得る。
(III.イムノアッセイ)
イムノアッセイは、記載のような、処置に対して応答性または非応答性であるこれらの癌を診断するにおいて価値を有する。特定のタンパク質の定性的または定量的測定が、種々のイムノアッセイ方法によって実施され得る。一般的な免疫学的手順およびイムノアッセイ手順の概説については、StitesおよびTerr(1991年編)Basic and Clinical Immunology(第7版)を参照のこと。さらに、本発明のイムノアッセイは、多くの構造において実施され得、これらは、例えば、Maggio(1980年編)Enzyme Immunoassay CRC Press,Boca Raton,Florida;Tijan(1985)「Practice and Theory of Enzyme Immunoassays」,Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology,Elsevier Science Publishers B.V.,Amsterdam;HarlowおよびLane Antibodies:A Laboratory Manual,前出;Chan(1987年編)Immunoassay:A Practical Guide Academic Press,Orlando,FL;PriceおよびNewman(1991年編)Principles and Practice of Immunoassays Stockton Press,NY;ならびにNgo(1988年編)Non−isotolpic Immunoassays、Plenum Press,NYにおいて広範に概説されている。
特に、本発明は、選択されたケモカインレセプターの発現を評価することによる分析または診断に対して感受性の種々の原発性癌または転移性癌を提供する。例えば、転移の可能性は、適合するリガンドによる化学的誘引に対して細胞を感受性にさせる、これらのケモカインレセプターを発現する細胞の数または型によって評価される。予防的処置は、遠位の転移標的へのこのような腫瘍の漸加を妨げるため、またはこれらの標的をなお小さく維持したままで特異的に標識するために有用であり得る。あるいは、原発性腫瘍の早期標的化は、標識化試薬を用いてもたらされ得る。
レセプタータンパク質またはペプチドの測定のためのイムノアッセイは、当業者に公知の種々の方法によって実施され得る。簡潔には、タンパク質を測定するためのイムノアッセイは、競合的結合アッセイまたは非競合的結合アッセイのいずれかであり得る。競合的結合アッセイでは、分析されるサンプルは、固体表面に結合された捕捉因子の特異的結合部位について、標識化分析物と競合する。好ましくは、捕捉因子は、上記のように生成されたレセプタータンパク質と特異的に反応性の抗体である。捕捉因子に結合した標識化分析物の濃度は、サンプル中に存在する遊離分析物の量と逆比例する。
競合的結合イムノアッセイでは、代表的に、サンプル中に存在するレセプタータンパク質が、特異的結合因子(例えば、レセプタータンパク質と特異的に反応性の抗体)に対する結合について、標識化タンパク質と競合する。結合因子は、固体基材または表面に結合されて、未結合標識化タンパク質からの結合標識化タンパク質の分離をもたらし得る。あるいは、競合的結合アッセイは、液相において実施され得、そして当該分野において公知の種々の技術を使用して、未結合標識化タンパク質から結合標識化タンパク質を分離し得る。分離後に、結合標識化タンパク質の量を決定する。サンプル中に存在するタンパク質の量は、標識化されたタンパク質結合の量と逆比例する。
あるいは、均質性(homogenous)イムノアッセイが実施され得る。ここでは、分離工程が必要とされない。これらのイムノアッセイでは、タンパク質における標識を、タンパク質のその特異的結合因子への結合によって改変する。標識化タンパク質におけるこの改変は、標識によって放射されるシグナルの減少または増加を生じさせ、その結果、イムノアッセイの終了時の標識の測定によって、タンパク質の検出または定量が可能となる。
レセプタータンパク質の診断的検出はまた、種々の非競合的イムノアッセイ方法によって実施され得る。例えば、二部位(two−site)固相サンドイッチイムノアッセイが使用され得る。この型のアッセイでは、タンパク質に対する結合因子(例えば、抗体)を、固体支持体に付着させる。第2のタンパク質結合因子(これもまた抗体であり得、そして異なる部位でタンパク質に結合する)を標識する。タンパク質の両方の部位での結合が生じた後、未結合標識化結合因子を取り除き、そして固相に結合した標識化結合因子の量を測定する。結合した標識化結合因子の量は、サンプル中のタンパク質の量と正比例する。
ウェスタンブロット分析を使用して、サンプル中のレセプタータンパク質の存在を決定し得る。電気泳動を、例えば、このタンパク質を含むことが疑われる組織サンプルにおいて実施する。タンパク質を分離するための電気泳動、および適切な固体支持体(例えば、ニトロセルロースフィルター)へのタンパク質の転写後、この固体支持体を、このタンパク質と反応性の抗体と共にインキュベートする。この抗体は、標識され得るか、あるいは、この一次抗体を結合する標識化二次抗体と共に引き続いてインキュベートすることによって検出され得る。
上記のイムノアッセイ形式は、標識化アッセイ成分を使用し得る。標識は、当該分野において周知の方法に従って、アッセイの所望の成分に直接的または間接的に結合され得る。広範な種々の標識および方法が、使用され得る。伝統的には、3H,125I,35S,14C,または32Pを組み込んだ放射性標識が使用された。非放射性標識としては、標識化抗体に結合するリガンド、発蛍光団、化学発光剤、酵素、および標識化リガンドに特異的な結合対メンバーとして供され得る抗体が挙げられる。標識の選択は、必要とされる感度、化合物との結合体化の容易性、安定性要件、および利用可能な装置に依存する。使用され得る種々の標識化またはシグナル生成系の概説については、米国特許第4,391,904号を参照のこと。
特定のタンパク質と反応性の抗体はまた、種々のイムノアッセイ方法によって測定され得る。従って、上記手順の改変を使用して、種々のリガンドアナログ、またはリガンドもしくはレセプター抗体調製物の量または親和性を決定し得る。イムノアッセイ技術による抗体の測定に適用可能な免疫学的手順およびイムノアッセイ手順の概説については、例えば、StitesおよびTerr(編)Basic and Clinical Immunology(第7版)前出;Maggio(編)Enzyme Immunoassay,前出;ならびに、HarlowおよびLane,Antibodies,A Laboratory Manual、前出を参照のこと。
mAbおよび結合組成物の結合および活性を評価するためのスクリーニングは、種々の方法を包含する。結合は、上記のように抗体または結合組成物を検出可能に標識することによってアッセイされ得る。リガンドに対して応答性の細胞を使用して、抗体または結合組成物をアッセイし得る。
リガンドの化学的誘引またはケモキネシス能力を評価するために、好ましくは、実験動物(例えば、マウス)を使用する。候補アゴニストまたはアンタゴニストのボーラス投与前および投与後の種々の時点で、細胞を計数する。標識を、種々のサンプル(例えば、血液、血清、鼻洗浄液もしくは肺洗浄液、または染色している組織生検)において分析する。mAbも結合組成物も首尾良く枯渇することにより、例えば、レセプター保有細胞の化学的誘引レベルは、顕著に低下する。このようなことは、少なくとも約10%、好ましくは、少なくとも約20%、30%、50%、70%以上であり得る。
抗体の評価は、他の動物において実施され得る(例えば、種々の方法を使用して、ヒトにおいて)。例えば、血液サンプルを、候補mAbでの処理の前後に、潜在的に転移性の疾患または障害に罹患している患者から採血する。
(IV.使用)
転移性腫瘍の組織選択性ホーミングは長い間認識されてきた。この分野の最近の進歩は、細胞ホーミングが差次的に発現し、そして独立に調節された血管および白血球付着分子、および情報伝達レポーターおよびそれらのリガンドの引き続いての係合によって達成されるモデルを支持する。ButcherおよびPicker(1996)Science 272:60−66。Gタンパク質結合レセプターを有する小さな分泌タンパク質のスーパーファミリーである、ケモカイン(Baggiolini(1998)Nature 392:565−568)がリンパ球を引きつけ得るという観察は、ケモカインがリンパ系および外リンパ系免疫エフェクター部位へのTリンパ球サブセットの漸増を指示するキーシグナルを提供するという仮定を導いた。同様に、腫瘍転移は、多くの類似のプロセスを使用するようであり、これは、同様にブロックされ得る。
原発性腫瘍または転移細胞の数における統計的に有意な変化は、代表的には、少なくとも約10%、好ましくは、20%、30%、50%、70%、90%またはそれ以上である。この効果は、腫瘍の増殖または進行、あるいは特異的な点への化学誘引をブロックする際に特有であり得るか、もしくは、細胞の通常の動きを減少させる際には、化学運動性であり得るが、必ずしも特定の方向(例えば、濃度勾配の方向)ではない。
本発明は、癌に関連する医学的状態または疾患の処置において有用である。例えば、Bertinoら(1996年編)Encyclopedia of Cancer Academic Press;Devitaら(1997年編)Cancer:Principles & Practice of Oncology Lippincott、 WilliamsおよびWilkins;Devita(1997)Princeiples and Practice of Oncology Lippincott WilliamsおよびWilkins;Cavalliら(1996)Textbook of Medical Oncology Dunitz Martin Ltd;Horwich(1995年編)Oncology:A Multidisciplinary Textbook Lippincott−Raven;Peckhamら(1995年編)Oxford Textbook of Oncology Oxford Univ.Press;Mendelsohnら(1995)The Molecular Basis of Cancer Saunders、Philadelphia;およびMcArdle(1990)Surgical Oncology:Current Concepts and Practice Butterworth−Heinemannを参照のこと。記載される特異的な試薬およびアンタゴニストは、本明細書中に記載される医学的状態の他の処置(例えば、化学療法、照射療法、免疫療法または外科的方法)と組み合わせられ得、アルカリ化剤、代謝拮抗剤、抗ホルモン、種々の症状のための治療薬(例えば、鎮痛剤、利尿薬、抗利尿薬、抗ウイルス剤、抗生物質、栄養補給剤、貧血治療薬、血液凝固治療薬、骨治療薬、ならびに精神医学的および心理学的治療薬)を含む。
例えば、所望のアンタゴニストのような薬学的または無菌の組成物を調製するために、材料は、好ましくは不活性な薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤と混合される。このような薬学的組成物の調製は、当該分野において公知である(例えば、Remington’s Pharmaceutical SciencesおよびU.S.Pharmacopeia:National Formulary、Mack Publishing Company、Easton、PA(1984)を参照)。代表的に、治療的組成物は、無菌である。
特異的標識試薬またはアンタゴニスト(例えば、リガンドムテイン、抗体、または結合組成物)は、通常、非経口で、好ましくは、静脈内に投与される。このようなタンパク質またはペプチドアンタゴニストは、免疫原性であり得るので、これらは、好ましくは、従来のIV投与セットによってか、または皮下の貯蔵所からのいずれかで、例えば、Tomasiら、米国特許第4,732,863号によって教示されるように、ゆっくりと投与される。低分子の薬物は、経口的に活性であり得るか、または他の標準的方法で投与され得る。
非経口で投与される場合、治療薬は、代表的に、薬学的に受容可能な非経口のビヒクルと組み合わせて、単位用量の注射可能な形態(溶液、懸濁液、乳濁液)に処方される。このようなビヒクルは、本来、無毒で、そして非治療的である。アンタゴニストは、水、生理的食塩水のような水溶性ビヒクル、または種々の添加剤および/または賦形剤を伴うか、またはこれらを伴わない緩衝化ビヒクルの形態で投与され得る。あるいは、亜鉛懸濁液のような懸濁液は、ペプチドを含むように調製され得る。このような懸濁液は、皮下(SQ)、皮内(ID)または筋肉内(IM)注射に有用であり得る。治療薬実体および添加剤の割合は、両方が有効量で存在しさえすれば、幅広い範囲にわたって変化し得る。治療薬は、好ましくは、実質的に凝集物、他のタンパク質、内毒素などを含まない精製された形態で、約5〜30mg/ml、好ましくは10〜20mg/mlの濃度で処方される。好ましくは、内毒素レベルは、2.5EU/ml未満である。例えば、Avisら(1993年編)Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications 第2版、Dekker、MY;Liebermanら(1990年編)Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets 第2版、Dekker、MY;Liebermanら(1990年編)Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems Dekker、MY;Fodorら(1991)Science 251:767−773;Coligan(編)Current Protocols in Immunology;Hoodら Immunology Benjamin/Cummings;Paul(1997年編)Fundamental Immunology 第4版、Academic Press;Parceら(1989)Science 246:243−247;Owickiら(1990)Proc.Natl’l Acad.Sic.USA 87:4007−4011;ならびにBlundellおよびJohnson(1976)Protein Crystallography、Academic Press、New Yorkを参照のこと。
治療アゴニストまたはアンタゴニストのための投与レジメンの選択は、いくつかの因子(治療薬の血清または組織交代速度、治療薬の免疫抗原性、標的細胞の接近性、および治療ストレスに対する患者の通常の寛容性を含む)に依存する。好ましくは、投与レジメンは、受容可能なレベルの副作用に合わせて患者に到達される治療薬の量を最大にする。従って、送達される治療薬の量は、特定のアゴニストおよび処置される状態の重篤度に部分的に依存する。適切な用量の抗体を選択する際の手引きは、治療的使用に関する文献(例えば、Ferroneら(1985年編)Handbook of Monoclonal Antibodies Noges Publications、Park Ridge,NJのBachら、22章、;ならびに、Haberら(1977年編)Antibodies in Human Diagnosis and Therapy Raven Press、New York,NYのRussell、303頁−357頁、およびSmithら、365頁−389頁)に見い出される。
適切な用量の決定は、臨床医によって、例えば、処置に影響をおよぼすか、処置に影響を及ぼすと推測される当該分野において公知のパラメーターまたは因子を用いてなされる。通常、この用量は、最適な用量よりいくぶん少ない量で始まり、そしてその後、任意の関連する副作用に関して所望または最適な効果が達成されるまで、少しの増大で増加させる。規定されたサンプル中のレセプター保有細胞の数は、有効用量が到達される場合の重要な指標であり得る。好ましくは、使用される抗体またはそれらの結合化合物は、処置のために標的化された動物と同じ種に由来し、それによって、試薬に対する体液性応答を最小限にする。
リガンドに特異的に結合する抗体またはそれらのフラグメントのための総週間用量の範囲は、体重1kg当たり、一般的には、約1ngから、より一般的には、約10ng、代表的には、約100ng;より代表的には、約1μgから、より代表的には約10μgから、好ましくは約100μgから、そしてより好ましくは約1mgからの範囲である。より多い量がより有効であり得るが、より少ない用量が、代表的に、より少ない反対の効果を有する。通常、この範囲は、体重1kg当たり100mg未満、好ましく早く50mg以下、そしてより好ましくは25mg未満である。
アンタゴニスト(例えば、抗体、結合フラグメント)に対する週間用量範囲は、体重1kg当たり約10μg、好ましくは、少なくとも50μg、そしてより好ましくは少なくとも約100μgからの範囲である。通常、この範囲は、体重1kg当たり約1000μg未満、好ましくは約500μg未満、そしてより好ましくは、約100μg未満である。用量は、所望の処置をもたらす計画に基づき、そしてより短いかより長い期間にわたって周期的であり得る。通常、範囲は、体重1kg当たり少なくとも約10μg〜約50μg、好ましくは約100μg〜約10mgである。
リガンドの他のアンタゴニスト(例えば、ムテイン)はまた、予期される。ムテインに対する単位時間の用量範囲は、1時間当たり、少なくとも約10μg、通常、少なくとも50μg、代表的には少なくとも約100μg、そして好ましくは少なくとも500μgからにわたる。通常、用量は、1時間当たり約100mg未満、代表的には約30mg未満、好ましくは約10mg未満、そしてより好ましくは約6mg未満である。通常の範囲は、1時間当たり少なくとも約1μg〜約1000μg、好ましくは約10μg〜約500μgである。
句「有効量」は、所望の応答をもたらすために、もしくは、例えば、転移または原発性腫瘍進行の症状または徴候、サイズあるいは増殖を緩和するために十分な量を意味する。代表的な哺乳動物宿主としては、マウス、ラット、ネコ、イヌおよび霊長類(ヒトを含む)が挙げられる。特定の患者に対する有効量は、処置される状態、患者の全体的な健康、投与の方法、経路および用量、ならびに副作用の重篤度のような因子に依存して変化し得る。好ましくは、効果は、少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約20%、30%、50%、70%または90%以上さえの定量化の変化をもたらす。組み合わせる場合、有効量は、成分の組合せに対する割合であり、そして効果は、個々の成分単独に限定されない。
有効量の治療薬は、代表的に、少なくとも約10%;通常、少なくとも約20%;好ましくは少なくとも約30%;またはより好ましくは少なくとも約50%だけ症状を調節する。あるいは、移動の調節は、種々の細胞型の移動または情報交換に影響を与えることを意味する。これは、影響を受ける細胞の数に、例えば、統計学的に有意で、そして定量化できる変化を引き起こす。これは、ある時間内または標的領域内に誘引される標的細胞の数における減少であり得る。原発性腫瘍進行の速度、サイズ、または増殖はまた、モニターされ得る。
本発明は、本明細書中(例えば、新生物障害の処置のための一般的な説明において)で他に記載されるような治療的適用における使用が見い出される試薬を提供する。例えば、Berkow(編)The Merck Manual of Diagnosis and Therapy, Merck & Co., Rahway,N. J.; Thornら Harrison’s Principles of Internal Medicine,McGraw−Hill,NY;Gilmanら(1990年編) GoodmanおよびGilman’s:The Pharmacological Bases of Therapeutics,第8版,Pergamon Press;Remington’s Pharmaceutical Sciences,第17版(1990),Mack Publishing Co.,Easton,Penn;Langer(1990)Science 249:1527−1533;ならびにMerck Index,Merck & Co.,Rahway,New Jerseyを参照のこと。
さらに、アンチセンス核酸が使用され得る。例えば、核酸をコードするリガンドに対するアンチセンスポリヌクレオチドは、リガンドアンタゴニストのような形式で機能し得、そしてレセプターに対するアンチセンスは、レセプターアンタゴニストのように機能し得る。従って、アンチセンス核酸を用いる経路を介する情報伝達をブロックすることが可能であり得る。逆に、レセプターに対する核酸は、アゴニストとして役立ち得、多くの細胞上のレセプターを含み、細胞上のレセプターの数を増加させ、それによってリガンドに対する増加する細胞の感受性を増大させる。
これらの観察に基づくほかの方法が開発され得る。この誘引は、処置がより効果的であり得る特異的な部位に対して影響を及ぼし得る。勾配が効果的な処置の部位に転移細胞を誘引するために、または容易な除去のために転移細胞を補足するために、設定され得る。逆に、レセプター脱感作は、規定された一時性のパターンで、ものすごく過剰の同種のリガンドでこの系を溢れさせることによってもたらされ得る。レセプターターゲッティングは、例えば、局在化した誘引、活性化、吸収または殺傷の活性化などによって、治療薬物の特異的な投与を可能にする。
幅広い範囲の本発明は、以下の実施例を参考にして最もよく理解され、この実施例は、本発明を特定の実施形態に限定することを意図しない。
(実施例)
(I.通常の方法)
標準的な方法のいくつかは、例えば、Maniatisら(1982) Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Press;Sambrookら(1989) Molecular Cloning:A Laboratory Manual,(第2版),1−3巻,CSH Press,NY;Ausubelら,Biology,Greene Publishing Associates,Brooklyn,NY;またはAusubelら(1987および補遺)Current Protocols in Molecular Biology,Greene/Wiley,New York;Innisら(編)(1990)PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications Academic Press,N.Y.に記載されるか、または参照される。タンパク質精製のための方法としては、硫酸アンモニウム沈殿、カラムクロマトグラフィー、電気泳動、遠心分離、結晶化などのような方法が挙げられる。例えば、Ausubelraら(1987および定期的な補遺);Methods in Enzymology,第182巻のDeutscher(1990)”Guide to Protein Purification”ならびにこのシリーズの他の巻;タンパク質精製産物の使用に関する製造者の文献(例えば、Pharmacia,Piscataway,N.J.,またはBio−Rad,Richmond,CA;およびColiganら(編)(1995および定期的な補遺)Current Protocols in Protein Science,John Wiley & Sons,New York,NY.を参照のこと。組み換え技術との組み合わせは、適切なセグメントへの(例えば、FLAG配列またはプロテアーゼ除去可能な配列を介して融合し得る等価物への)融合を可能にする。例えば、Hochuli(1989)Chemische Industrie 12:69−70;Hochuli(1990)”Purification of Recombinant Proteins with Metal Chelate Absorbent”in Setlow(編)Genetic Engineering,Principle and Methods 12:87−98,Plenum Press,N.Y.;およびCroweら(1992)OIAexpress:The High Level Expression & Protein Purification System QIAGEN,Inc.,Chatsworth,CAを参照のこと。
標準的な免疫学的技術は、例えば、Hertzenbergら(1996年編)Weir’s Handbook of Experimental Immunology 第1−4巻,Blackwell Science;Coligan(1991)Current Protocols in Immunology Wiley/Greene,NY;およびMethods in Enzymology 第70巻,73,74,84,92,93,108,116,121,132,150,162,および163巻に記載される。
細胞移動アッセイを、以前、例えば、Baconら(1988)Eur.J.Pharmacol.95:966−974に記載されたように行う。他の情報伝達アッセイはまた利用可能である。例えば、Quidling−Jarbrinkら(1995)Eur.J.Immunol.25:322−327;Kochら(1994)J.Clinical Investigation 93:921−928;およびAntonyら(1993)J.Immunol.151:7216−7223を参照のこと。
あるいは、活性化アッセイまたは誘引アッセイが使用される。適切な細胞型(例えば、造血細胞、リンパ(T細胞、B細胞またはNK細胞)骨髄性細胞(マクロファージ、好中球、多形核細胞など)、神経細胞(ニューロン、神経膠細胞、稀突起神経膠細胞、神経膠星状細胞など)または幹細胞(例えば、他の細胞型に分化する前駆体(例えば、腸陰窩細胞および未分化の細胞型)))を選択する。
ケモカインはまた、例えば、H.Broxmeyerによって記載されるような造血アッセイにおいて活性を評価され得る。Bellidoら(1995)J.Clinical Investigation 95:2886−2895;およびJilkaら(1995)Expt’l Hematology 23:500−506を参照のこと。ケモカインは、Streiterら(1992)Am.J.Pathol.141:1279−1284によって記載されるように脈管形成活性についてアッセイされ得る。または、炎症における役割について。例えば、Wakefieldら(1996)J.Surgical Res.64:26−31を参照のこと。
他のアッセイは、他のケモカインによって示されたアッセイを含む。例えば、SchallおよびBacon(1994)Current Opinion in Immunology 6:865−873;ならびにBaconおよびSchall(1996)Int.Arch.Allergy & Immunol.109:97−109を参照のこと。ケモカイン刺激におけるCa2+束を、Baconら(1995)J.Immunol.154:3654−3666に記載される公開された手順に従って測定する。
FACS分析は、Melamedら(1990)Flow Cytometry and Sorting Wiley−Liss,Inc.,New York,NY;Shapiro(1988)Practical Flow Cytometry Liss,New York,NY;およびRobinsonら(1993)Handbook of Flow Cytometry Methods Wiley−Liss,New York,NYに記載される。
(II.細胞培養および組織サンプル)
ヒト始原細胞を、例えば、ATCCまたは臨床的共同研究者から得た。さらなる細胞培養および腫瘍サンプルを収集する。臨床的な供給源は、例えば、Cooperative Human Tissue Netowork、NIHから入手可能である。
乳癌、頭部および頸部、ならびに黒色腫細胞株のパネルを収集した。収集されるべきさらなる標的始原細胞株としては、例えば、前立腺癌、胃腸の癌および肺癌細胞株が挙げられる。
組織サンプルをまた、原発性腫瘍から収集した。霊長類(例えば、ヒト)が好ましいが、多くの環境において、マウスまたは他の種が収集され得る。転移腫瘍をまた、レセプター発現についてと、ケモカイン化学誘引アッセイについての両方について評価され得る。評価されるべきさらなる腫瘍としては、例えば、前立腺、胃腸および肺の癌を含む。
ケモカイン発現をまた、リンパ節、骨髄、脳、肝臓、皮膚および肺について評価する。そこから発現するこれらのケモカインは、これらの器官に転移する癌に対する候補化学誘引物質である。リガンドおよびレセプターのアンタゴニストを、これらの期間への転移の妨害について試験すべきである。
(III.コード配列の単離)
ヒト、マウス、もしくはラットのケモカインレセプターまたはケモカイン配列は、容易に利用可能である。例えば、GenBankおよびDerwent特許配列データベースを参照のこと。適切なPCRプライマーまたはハイブリダイゼーションプローブが選択され得る。配列は、腫瘍細胞におけるレセプターまたは標的器官におけるケモカインの発現の評価のために有用である。単離されたリガンド配列は、ムテインアンタゴニストを同定するための変異誘発の試みのための開始点として役立つ。遺伝子配列は、抗体産生のための組換えタンパク質作製に有用であり得る。
(IV.分布分析)
サザンブロッティングのために、5μgの各cDNAライブラリーを適切な制限酵素で消化してインサートを放出し、ゲル電気泳動に供し、そしてHybond−N+膜に移した。ノーザンブロッティングのために、RNAをRNAzol B(TEL−TEST,Inc.)を使用して単離し、そして1%ホルムアルデヒドアガロースゲル上で電気泳動により分析し、そしてHybond−N+膜に移した。ノーザンブロットおよびサザンブロットを、インサート全長とハイブリダイズする(例えば、ランダムにプライミング(Prime−it;Stratagene)することにより得られる32P標識プローブを用いて65℃で16時間)。ハイブリダイゼーション後、ブロットを高いストリンジェンシーで洗浄し、フィルムへ現像した。
PCR法が適用され、そしてケモカインまたはレセプター特異的プライマーが設計され得る。診断方法は、周知である。定量技術もまた利用可能である(例えば、TAQMANTM)。推定の転移腫瘍細胞は、特定の標的器官への転移の誘引を媒介し得るケモカインレセプターの発現について評価される。逆に、転移が普通である標的器官は、これらに転移細胞を化学誘引するための役割をするケモカインを発現し得る。従って、標的器官によるケモカイン産生パターンの評価は、転移部位に定着するために化学誘引される腫瘍を説明し得る。
原発性腫瘍によるレセプター発現の診断は、どの腫瘍がこのアンタゴニストによる転移の阻害物に対して感受性であり得るかについてのガイダンスを提供し得る。これは、治療的処置ストラテジー(例えば、どの腫瘍が転移阻害物に対して効率的に治療され得るか)を決定することにおいて有用であり得る。さらに、特定のレセプターの特異的発現は、異なる腫瘍型に対する治療的試薬を標的化するためのマーカーとして役立ち得る。
核酸発現分析(例えば、PCR、タックマン(Taqman)、ハイブリダイゼーションデータ、および/またはRNA保護)は、好ましくは、タンパク質発現を評価することにより確認される。これは、タンパク質アッセイ(例えば、タンパク質のウエスタンブロッティング技術、イムノアッセイ、または免疫組織学)の形態であり得る。統計的分析は、アンタゴニスト処置の効果の可能性を決定することにおいて有用である。
さらなる確認方法として、例えば、移入アッセイおよび侵襲性アッセイ、Fアクチン重合アッセイ(F−actin polymerization assay)、ならびに細胞運動性評価が挙げられる。トランスフェクションモデルは、別に挿入する細胞型の輸送を比較するために適用され得る。研究は、齧歯類モデルなどに基づき得る。
(V.化学誘引アッセイ)
組換えケモカインは、例えば、E.coli中で産生され、そして精製される。例えば、Hedrickら(1998)Blood 91:4242−4247を参照のこと。改変されたBoydenチャンバーが使用される。DMEM、pH6.9、1%ウシ血清アルブミン中のヒト腫瘍細胞(例えば、株または原発性または2次腫瘍)を、3μm細孔ポリカーボネートTranswell cultre insert(Coastar)の頂部チャンバーに添加し、そして、3時間、底部チャンバーにおいて、精製されたケモカインの示された濃度を用いてインキュベートした。各サブタイプの遊走性細胞の数が、例えば、染色および計算によって決定される。例えば、Youngsら(1997)Int.J.Cancer 71:257−266を参照のこと。
走化性アッセイを、例えば、ヒト腫瘍細胞を用いて行なった。細胞株または原発性腫瘍細胞は、乳房、頭部および頸部、黒色腫、前立腺、胃腸管、および肺の癌から評価され得る。他の細胞型は、種々のケモカインレセプターを発現する。組換えサイトカインは、レセプターを発現する細胞型に効果を与えるべきである。
(VI.抗体産生)
適切な哺乳動物を適切な量の、例えば、サイトカイン遺伝子がトランスフェクトされた細胞を用いて(例えば、8週間の間、2週間ごとに腹腔内で)免疫した。類似の方法が、レセプター(例えば、CCR7、CXCR4、またはGPR2)に結合する抗体を産生するために使用され得、レセプターを発現するポリペプチドまたはトランスフェクトされた細胞が使用され得る。他の種が選択的および特異的な抗体の産生を供給すべきであるが、代表的には、げっ歯類が使用される。最終の免疫は、尻尾の静脈を介して、静脈内(IV)で与えられる。
一般的なポリクローナル抗体が収集され得る。あるいは、モノクローナル抗体が産生され得る。例えば、IV注射の4日後、脾臓を取り出し、SP2/0およびNS1細胞に融合した。HAT耐性ハイブリドーマが、例えば、Stem Cell Technologies(Vancouver,BC)によって設計されたプロトコールを使用して、選択される。HAT選択の10日後、耐性の病巣を96ウェルプレートに移し、そして3日間展開させた。上清を含む抗体を、例えば、NIH3T3/表面MIP−3βトランスフェクト体に結合するFACSによって分析した。多数の異なったMIP−3β mAbsが代表的に産生される。これらの抗体は、例えば、当該分野で標準的である標識または他の手段によって、単離および改変され得る。例えば、HarlowおよびLane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual CSH Press;Goding(1986)Monoclonal Antibodies:Principles and Practice(第2版)Academic Press,New York,NY.を参照のこと。磁気試薬、毒性要素、標識を結合体化させる方法、固体基板に抗体を接着させる方法、フィルターを滅菌する方法などが、当該分野で公知である。
(VII.細胞の精製)
ケモカイン反応性細胞は、本明細書中に記載の試薬を使用して同定され得る。例えば、化学誘引される細胞(例えば、SDF−1)は、SDF−1に向って横断するこれらの細胞を収集することによって、他の細胞から精製され得る。このような走化性は、サイトカインの供給源となり得るか、または多孔性膜または他の基板を横切り得る。例えば、上記のマイクロ走化性アッセイ中を参照のこと。
あるいは、反応性細胞は、本明細書中に提供されるように、レセプター(例えば、CXCR4)の発現によって同定され得る。従って、CXCR4を認識する抗体は、SDF−1に反応しそうな細胞を仕分けするためのポジティブマーカーとして使用され得、従って骨髄に化学誘引され得る。逆に、このマーカーは、例えば、磁気枯渇または毒性結合体によって、CXCR4保有細胞を枯渇するために使用され得る。
ヒトサンプルの分析を、類似した様式で評価し得る。生物学的サンプル(例えば、血液)、組織生検サンプル、肺または鼻腔洗浄、皮膚パンチは、新生物関連障害に罹患する個体から獲得される。ケモカイン反応性細胞分析は、例えば、FACS分析、または同様の方法によって、実施される。そして、これらの細胞は、例えば、毒性結合体によって標的化されるべき原発性腫瘍細胞であり得る。
(VIII.ケモカインアンタゴニスト)
登録されたケモカインの種々のアンタゴニストは、利用可能である。例えば、ケモカイン自身に対する抗体は、そのレセプターに対するリガンドの結合をブロックし得、それによって、直接的なレセプターアンタゴニストとして役立つ。例えば、リガンドの結合の可能性を防止する様式でのレセプターへの結合によって、他のアンタゴニストは、レセプターへのリガンドの結合をブロックすることによって機能し得る。他のアンタゴニスト(例えば、ムテインアンタゴニスト、またはアプタマー)は、シグナル伝達なしでレセプターに結合し得、それによって、本物のアゴニストが結合するのをブロックする。これらの多数は、標的細胞(例えば、特異的にSDF−1反応性の細胞)に伝達されるシグナルをブロックするために役立ち得る。リガンドとレセプターとの相互作用をブロックする低分子化合物はまた、同定され得る。
特定の残基のクリティカリティー(criticality)に関する情報は、例えば、標準的な手順および分析を使用して、決定される。標準的な変異誘発分析は、例えば、所定の位置で(例えば、レセプター結合に関与しそうな位置で)多数の異なった改変体を作製すること、および改変体の生物学的活性を評価することによって実施され得る。これは、活性を改変する位置を決定する程度に行なわれ得るか、または、特定の位置に集中して、生物学的活性を保持、ブロック、または調節のいずれかを行なうために、置換され得る残基を決定し得る。
あるいは、天然改変体の分析は、どの位置が天然変異に耐性であるかを示し得る。これは、個体間のバリエーションの集団分析から生じ得るか、または株もしくは種を横断し得る。選択された個体由来のサンプルは、例えば、PCR分析および配列決定によって分析される。これは、集団多型の評価を可能にする。
(IX.細胞の標識)
特定の抗体を使用して、必ずしも機能的にブロックしない、細胞の標識が行われ得る。適切な特異性の抗体は、例えば、検出可能なシグナルを使用して標識され得る。蛍光性抗体が、一般的な例である。
特定の細胞は、例えば、個々の細胞が表面抗原を発現する、溶液中で標識され得る。FAC仕分けは、この特性に最も基づいている。他の細胞は、組織形態(免疫組織化学)で標識され得る。抗体を固定組織に導入する方法が公知であり、そして、類似した方法が、エキソビボまたはインビボでの未固定の組織において使用され得る。例えば、YoungおよびHeath(2000年編)Wheater’s Functional Histology:A Text and Colour Atlas(CD−ROM付本)Churchill Livinstone;Kerr(1999)Atlas of Functional Histology Mosby;およびRossら(1995年編)Histology:A Text and Atlas Lippincott,WilliamsおよびWilkinsを参照のこと。
抗体による原発性または二次腫瘍のインサイチュ細胞標識が、天然の死滅機構(例えば、抗原依存細胞媒介細胞障害性(ADCC)、補体媒介細胞溶解プロセス、またはオプソニン化およびマクロファージ食作用)、その他を誘導するために使用され得る。抗体を用いるレセプターの特定の局在化は、診断および治療背景中の両方で有用である。診断的には、この抗体は、例えば、放射線不透明(opaque)標識の使用による原発性腫瘍細胞を発現するレセプターの局在化は、腫瘍増殖または転移の位置および程度を決定することを可能にし得る。免疫組織的化学適用について使用される機能に類似した、活性化剤(例えば、アルカリホスファターゼは局在化し、基質に作用する)を使用して抗体を局在化し得る。同様のストラテジーが使用され得、死滅プロセスを酵素学的に局所的に活性化するために(例えば、他の不活性毒素を活性化するために)使用され得る。例えば、不活性レクチン(プロレクチン)は、抗体酵素結合体によってタンパク分解的に活性化され得る。あるいは、エネルギー吸収試薬は、抗体に結合体化され得、それにより、隣接した組織が、外部放射線供給源の濃縮物に曝露される原因となるエネルギーを吸収する試薬を特異的に局在化する。
本明細書中のすべての引用物は、個々の精製および特許出願の各々が、参考として援用されることが具体的そして個々に示されるのと同程度に、本明細書中に参考として援用される。
本発明の多数の改変およびバリエーションが、当業者に明らかであるように、その精神および範囲から逸脱することなく行なわれ得る。本明細書中に記載される特定の実施形態は、例示の目的のみで提供され、そして本発明は、このような特許請求の範囲の権利が与えられる完全な範囲の等価物と共に、添付の特許請求の範囲の用語によって制限されるべきである;そして本発明は、例示の目的によって本明細書中で提供される特定の実施形態によって制限されない。

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