JP2011132145A - 固定化タンパク質の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】目的とするタンパク質の配列を改変することなく、共有結合で配向を制御して固定化する技術を提供し、さらに該技術を利用した固定化タンパク質の製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】担体上に、リジン及びシステインを含まない介在タンパク質を介して配向が制御された形態で、共有結合により固定化された固定化タンパク質を作製する方法であって、介在タンパク質のカルボキシ末端又はアミノ末端のいずれか一方を担体の表面に共有結合により固定化し、その後、担体上に固定化された介在タンパク質中のアスパラギン酸残基又はグルタミン酸残基の側鎖のカルボキシル基又はカルボキシ末端のカルボキシル基と固定化を目的とするタンパク質中のリジン残基の側鎖のアミノ基とをアミド結合を介して、少なくとも1か所で結合させることにより、目的タンパク質を共有結合により担体に結合させる、固定化タンパク質の作製方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、仲介タンパク質を介して目的とするタンパク質が担体に共有結合で固定化していることを特徴とするタンパク質に関するものであり、関係する技術分野としては、固定化タンパク質が関わる幅広い技術分野、例えば、タンパク質の配向制御固定化、アフィニティ分析、アフィニティ分離、クロマトグラフィー用担体、イムノアフィニティ担体、タンパク質センサー、タンパク質アレイ、タンパク質チップ、マイクロタス、抗体アレイ、タンパク質の除去方法、成分検査、臨床検査、などが含まれる。
用途
タンパク質は、アミノ酸の連鎖により構成されるが、通常、特定の立体構造を形成することにより、その機能、例えば、特異的認識結合機能や触媒機能など他の高分子では到底できない機能を発現する。そのようなタンパク質の機能を幅広く活用する手段として、担体と呼ばれる不溶性の基板、ビーズ、繊維、膜又は可溶性のポリマーなどに結合させること(固定化すること)が行われている。固定化したタンパク質は、クロマトグラフィーなどの物質分離やバイオセンサー、リアクター、除去剤、ウイルス分離など幅広い分野での利用が進んでいる。
例えば、特定のタンパク質を精製あるいは除去する手段として、アフィニティークロマトグラフィーがよく利用される。アフィニティークロマトグラフィーでは、目的物質と親和性のあるタンパク質(これをリガンド、又はリガンドタンパク質と称する)を不溶性担体に固定しておき、目的物質をこのリガンドに特異的に結合させることで、目的物質を夾雑物から分離した後、適切な条件下にリガンドから遊離・溶出することで、精製を行うことが可能である。
例えば、特定のウイルスに対する抗体をフィルター又はマスクに固定化することにより、特定のウイルスを抗体に結合させることができるため、ウイルス除去フィルター又はマスクとしての利用が考えられる。
このように、目的に沿った機能を有するタンパク質を適切な担体と組み合わせ固定化することにより、幅広い用途が開けることは、自明であり、このことが、タンパク質を固定化することにより利用拡大を広げることの原動力となっている。
固定化技術
当該技術分野の当業者にとって自明なこととして、目的タンパク質を担体に固定化する方法としては、固定化反応の形態に応じて、物理吸着と化学的結合の二つに大きく分けられること、また、化学結合の場合も、イオン結合など可逆的結合と共有結合などによる不可逆的結合に分けることができること、物理吸着や可逆的化学結合による固定化は、固定化方法としては、温和で且つ簡便であるが、固定化タンパク質が使用される環境条件として、溶液のpH、塩濃度、温度などの変化に対応できない場合が多く、その利用は非常に限定されること、従って、固定化タンパク質の幅広い用途を目指す場合、共有結合による固定化が望ましいことなどがあげられる。
共有結合によるタンパク質の固定化を実施する場合においては、担体基材の表面に固定化反応を行わせるための官能基を導入し、その官能基と反応できるタンパク質末端のアミノ基やカルボキシル基、又は、タンパク質側鎖のSH基、アミノ基、カルボキシル基などとの反応により固定化が通常行われる。時には、担体基材の官能基とタンパク質側鎖の官能基との間に架橋試薬(クロスリンカー)を用いて適当なスペーサーを介して共有結合を形成させることも行われている。
共有結合によるタンパク質の固定化を実施する場合において、固定化されるタンパク質からみた固定化状況に応じて、固定化に利用される部位(アミノ酸残基番号など)が特定される場合(部位特異的固定化)と特定できない場合(ランダム固定化)のカテゴリーに分けることができる。このうち、タンパク質の末端側1か所で固定化された場合は、固定化されたタンパク質の配向がそろうことから、配向制御固定化と呼ばれる。
このように、タンパク質の固定化技術は非常に多岐にわたるが、作製された固定化酵素の機能・性能・安定性など品質の観点で評価すると、理想的な固定化の形態としては、共有結合による配向が制御された形態での固定化タンパク質が望ましいことは、自明である。
しかしながら、タンパク質は、高々20種類のアミノ酸残基を構成要素とするアミノ酸残基の連鎖であることから、望ましい形態での固定化された固定化タンパク質を作製するためには、固定化対象タンパク質のアミノ酸配列に各種制限を加えることが必要となる。例えば、システイン残基のSH基を結合の官能基として利用して、タンパク質の末端側で配向制御固定化を行う場合は、目的とするタンパク質の機能を保持したままタンパク質中のシステイン残基をすべて他のアミノ酸残基に置換し、且つ、末端側に結合を担うシステイン残基を導入することが行われている。
配向を制御して固定化することにより、目的タンパク質の機能が最大限に発揮されることは、本発明者らがジヒドロ葉酸還元酵素を配向制御固定化することにより元の機能が完全に保たれることを示した結果(非特許文献1及び2を参照)、及び、各種固定化方法により抗体分子の固定化を行った結果より明らかである。ちなみに、抗体分子を共有結合で固定化した場合、担体の表面上での抗体分子の結合様式を整えることは原理的に不可能であり、極端な場合は、抗体分子の物質認識能に必須な部位が利用できない形での固定化が生じたり、物質認識能に大きく影響する形での結合が生じることが多くの文献で示されている。すなわち、共有結合による固定化された抗体の配向性は、分子としてまったく不均質な形での固定化抗体であり、このような不均質な固定化により抗体分子の機能、すなわち、抗原との結合能力が、抗体分子の変性、無秩序な配向や化学修飾などにより、低下することが報告されている(非特許文献3〜5を参照)。
さらに、固定化タンパク質の利用において、担体基材の表面に固定化反応を行わせるための導入した官能基を不活性化するために、いわゆる、マスク反応を施す必要があるが、そのために、固定化の対象となるタンパク質は、用いられるマスク反応に非感受性であることが求められる。
本発明者らは、タンパク質配列の末端一か所での結合を確実なものにするために、シアノシステインを介したタンパク質の固定化反応を開発すると共に、その反応だけでなく官能基のマスク反応にも非感受性であるタンパク質の一般的形態を開発している(特許文献1〜6を参照)。配向を制御して共有結合で固定化するためには、固定化の対象となるタンパク質の配列又は構成するアミノ酸の種類が大きく制限されることになる。
前述したように、固定化タンパク質については、広範な用途が考えられることから、また、天然由来のタンパク質をこれまでの技術を用いて配向を制御して共有結合で固定化することは非常に困難であることから、新たに解決すべき課題が生じた。
すなわち、天然由来のタンパク質の配列に手を加えることなく、配向を制御して共有結合で固定化するための方法の開発である。特に、抗体タンパク質は、固定化タンパク質としての活用が幅広く進んでいることから、抗体分子の機能を損なうことなく、配向を制御して共有結合で固定化するため技術開発が求められている。
抗体分子の配向制御固定化
抗体は、抗体医薬品としての利用に限らず、それぞれの分子種がそれぞれ、非常に特異的にある特定の物質を認識して結合することから、診断などを含む各種分析に幅広く利用されるだけでなく、抗体そのものをアフィニティリガンドとして利用することにより、分離精製用担体としても利用できる。各種分析や分離に抗体を利用する場合は、抗体分子を不溶性基板又は担体に固定化した形、すなわち、固定化抗体の形状とすることが便利である。たとえば、96穴イムノプレートに抗体分子をいわゆる物理吸着により固定化することにより、簡便なイムノアッセイ系を構築することができる。また、不溶性担体基材の表面に官能基を導入し、抗体のアミノ酸側鎖と化学的に結合させた形で固定化することが行われている。しかしながら、このような形態で抗体の固定化を行った場合、担体の表面上での抗体分子の結合様式を整えることは原理的に不可能であり、極端な場合は、抗体分子の物質認識能に必須な部位が利用できない形での固定化が生じ、物質認識能に大きく影響する可能性がある。このことを固定化された抗体の配向性という観点で考えると、分子としてまったく不均質な形での固定化抗体と言わざるを得ない。このような不均質な固定化により抗体分子の機能、すなわち、抗原との結合能力が、抗体分子の変性、無秩序な配向や化学修飾などにより、低下することが報告されている(非特許文献3〜5を参照)。従って、より均質な固定化抗体の製造が望まれている。
この問題を解消するために、抗体分子の配向を制御して固定化することが行われるようになってきた。抗体分子の担体表面上における配向性を改善するために、プロテインAやプロテインGと呼ばれる抗体結合タンパク質を利用することが考案された。これらの抗体結合タンパク質は、抗原認識部位とは異なったFcドメインと呼ばれる部位と特異的に結合するタンパク質である。これらの抗体結合タンパク質を、担体表面上に配向を制御して固定化することができれば、固定化したこれら抗体結合タンパク質を介して、配向を制御して、抗体分子そのものを固定化することが可能となる。図1に示す模式図1は、このことをより一般的に示す概念図である。
このことを、より一般化して表現すると、配向制御固定化を目的とするタンパク質の固定化において、目的タンパク質と特異的に結合する小タンパク質(リガンドタンパク質)を介在タンパク質として、あらかじめ担体表面上に配向制御固定化しておき、介在タンパク質に目的タンパク質を結合させると、介在タンパク質自身は配向が制御されており、且つ、介在タンパク質と目的タンパク質の結合は、定まった構造で結合することから、配向が定まったタンパク質に定まった結合をすることで、目的タンパク質の配向が定まるという帰結になる。このとき、介在タンパク質が結合する部位が、固定化を目的とするタンパク質の機能発現を損なわない部位であれば、このような形での目的タンパク質の固定化は、目的タンパク質の配向が整った上で機能的にも均質な機能が保証できる形態での固定化が実現できることになる。
配向を制御しない形での介在タンパク質を介した共有結合での固定化は、1978年ごろに提唱されている。D.M. Gersten and J.J. Marchalonisは、セファローズ4Bにランダム共有結合で固定化したプロテインAとイムノグロブリンGと混合し、結合させたのちに、二価性試薬であるジメチルスベルイミデートで処理することにより、プロテインAとイムノグロブリンGとの間に架橋反応を行わせ、共有結合で両者を結合させたことを示している(非特許文献6を参照)。
しかしながら、架橋反応で結合したイムノグロブリンGの機能が保持されたままであったという記載はなく、また、今日に至るまでに、このような架橋により作製された固定化抗体が実用的であるとの報告も見当たらない。このことは、架橋反応に用いられる試薬が、主にタンパク質のリジン残基の側鎖のアミノ基と反応すること、また、架橋は、プロテインAとイムノグロブリンGの側鎖間で反応が生じた場合にだけ成立し、分子内での架橋、又は、片方だけの反応(いわゆる、単なる化学修飾)が生じ、固定化した抗体そのものの機能が大きく失われ、プロテインAを介した抗体分子の固定化そのものに成功したとしても、固定化抗体として利用できる形態に反応を制御することが困難であることによるものであると考えられる(図2に示す模式図2)。
配向を制御した形での介在タンパク質を介した固定化の優位性は、1996年ごろまでに提唱されている。例えばR. Polziusらは、プロテインGを、固定化基板に結合する際、物理吸着、各種化学的カップリング、ビオチン-アビジンを介した配向制御固定化などにより固定化し、固定化したプロテインGを介してイムノグロブリンを非共有結合的に固定化することにより、機能が保たれること、さらに、配向制御固定化したプロテインGを介してイムノグロブリンGを固定化した場合、抗体の機能を最大限発揮することを示し、配向制御固定化が望ましいことを明らかにしている(非特許文献7を参照)。
しかしながら、プロテインA又はプロテインGなどの介在タンパク質を共有結合により配向を制御して固定化したとしても、介在タンパク質と目的タンパク質との結合を非共有結合とした場合、類似タンパク質の存在や、溶液のpH変化、塩濃度変化などにより、目的タンパク質が、固定化基板から遊離するため、その利用が大幅に制限を受ける。例えば、プロテインAを配向制御した担体に蛍光ラベルしたイムノグロブリンGを中性条件で結合した固定化抗体においては、高濃度の蛍光非標識イムノグロブリンGを共存させることにより、徐々に蛍光ラベルしたイムノグロブリンGが遊離する。また、pHを3から2の酸性にするだけで、ほぼすべてのイムノグロブリンGが遊離する。
特開2008-115151号公報 特開2008-115152号公報 特開2008-115153号公報 特開2008-266219号公報 特開2008-266221号公報 特開2008-280259号公報
M Iwakura et al., J. Biochem. 119, 414-420 Masahiro Iwakura et al., Protein engineer., 14, 583-589. M.Nisnevitch et al., J.Biochem.Biophys.Methods, vol. 49, pp.467-480(2001) R.Danczyk et al. Biotechnol. Bioeng. Vol.84, pp.215-223(2003) Yongwong Jung et al., Analytical Biochemistry, vol. 374, pp99-105(2008) D.M. Gersten et al. J. Immunol. Methods 24 (1978), pp. 305-309. R. Polzius et al., Biosens. Bioelectron. 11 (1996), pp. 503-514.
固定化タンパク質の利用を考える場合、固定化対象のタンパク質の機能が固定化される以前の機能を全く失うことなく共有結合で担体に結合していることが最も望ましい形態である。この目的を達成するためには、上述のように、固定化対象のタンパク質を、機能を損なわない部位を介して配向をそろえて共有結合で固定化することが確実な方法である。しかしながら、上述のように、固定化を目的とするタンパク質の配列を改変することなく配向を制御して固定化することは、困難である。また、アレイなどの作製において、多数のタンパク質をそれぞれ固定化用に配列を転換することは、多大な労力と費用を要する。
本発明は、目的とするタンパク質の配列を改変することなく、共有結合で配向を制御して固定化する技術を提供し、さらに該技術を利用した固定化タンパク質の製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは、上記の課題の解決に向けて、すでに、本発明者らが発明している、リジン及びシステインを全く含まないタンパク質をアミノ又はカルボキシ末端側のいずれか一か所で共有結合により固定化基板に配向制御して固定化した固定化タンパク質(これを介在タンパク質と称する)(特開2008-115151号公報、特開2008-115152号公報、特開2008-115153号公報、特開2008-266219号公報、特開2008-266221号公報、特開2008-280259号公報)に着目し、この介在タンパク質が固定化の対象となるタンパク質が機能発現部位以外の部位で特異的にタンパク質−タンパク質相互作用により強く結合できる場合において、介在タンパク質中のアスパラギン酸残基又はグルタミン酸残基の側鎖のカルボキシル基をカルボジイミド法などによりアミノ基と特異的に縮合反応をするように活性化し、活性化した状態で目的タンパク質と結合させるとタンパク質構造の揺らぎとの兼ね合いで、両タンパク質の結合部位又はその近傍のリジン残基のアミノ基だけがアミド結合を優先的に結合できるという着想を得て、さらに、このことにより、目的タンパク質において、結合に関与したアミノ酸残基以外のアミノ酸は、全く変化しないことから、介在タンパク質と目的タンパク質との共有結合の形成において、目的タンパク質の機能を保持したまま共有結合(アミド結合)により結合できるという着想を得た。
さらに、この着想が正しいことを、すでに本発明者らが発明しているイムノグロブリンGタンパク質のFcドメインに特異的に結合するプロテインA又はプロテインGタンパク質のアミノ酸配列を改変し、リジン及びシステイン残基を全く含まない形で、共有結合で且つ配向制御固定化した固定化タンパク質を、介在タンパク質として利用することにより、イムノグロブリンGタンパク質を配向制御固定化できること、すなわち、本発明の目的が達成できることを見出した。
生物は、特定のタンパク質と特異的に結合するタンパク質を有することから、また、タンパク質工学技術やファージディスプレイ技術などにより、対象とするタンパク質と特異的に結合するタンパク質を任意に創製できることは公知である。さらに、そのような結合タンパク質を、すでに、本発明者らが示しているように、任意のタンパク質の機能を失わないように、リジン又はシステイン残基を全く含まないように、構成するアミノ酸残基を変更できることも公知である(特開2008-115151号公報、特開2008-115152号公報、特開2008-115153号公報、特開2008-266219号公報、特開2008-266221号公報、特開2008-280259号公報)。従って、目的とするタンパク質と特異的に結合するタンパク質及びそのタンパク質をリジン及びシステイン残基を全く含まない形で創製することは、当業者にとって、公知技術を駆使することにより可能である。さらに、そのようにして創製したタンパク質を共有結合で且つ配向制御固定化した固定化タンパク質を創製することも公知技術で達成することができる。従って、本発明の大きな構成要素である、リジン又はシステイン残基を全く含まないタンパク質を介在タンパク質として配向制御固定化した固定化タンパク質を任意に創製できることから、本発明の技術が一般化できるとの着想に至り、本発明を完成させた。
本発明の固定化タンパク質は、図1に示す模式図1に示されるように、担体、介在タンパク質、目的タンパク質で構成され、介在タンパク質を介して、配向が制御された形態で、目的タンパク質が、担体と共有結合で結合しているものである。
このような形態での固定化タンパク質構成そのものに関しては、当業者であれば容易に考案できる構成であるが、本発明における大きな特徴は、固定化されたタンパク質を構成するアミノ酸残基のうち、介在タンパク質との共有結合による結合に関与するアミノ酸残基以外のアミノ酸残基が固定化前と全く同様、すなわち、目的タンパク質の固定化処理において、化学的修飾を受けないことである。
本発明以前においては、模式図1の構成の固定化タンパク質を作製する際に、介在タンパク質と目的タンパク質をあらかじめ結合させ、次に、2価性試薬などの架橋試薬で処理することにより、共有結合により結合が行われた。しかしながら、介在タンパク質と目的タンパク質とが共存する状態で架橋試薬などを用いて処理することにより、目的の架橋以外の分子内架橋又は単なるアミノ酸残基の化学修飾が生じ得る。すなわち、生成物が、図2に示す模式図2で表現されるような固定化タンパク質が生成され、本発明の固定化タンパク質を確実に創製することは不可能であった。
本発明は、模式図1に示すタンパク質を確実に生成する方法を提供しており、その結果、本発明以前に創製できなかった、模式図1で示される固定化タンパク質を初めて創製したものである。従って、模式図1で示される本発明の固定化タンパク質は全く新規な物質である。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] 担体上に、リジン及びシステインを含まない介在タンパク質を介して配向が制御された形態で、共有結合により固定化された固定化タンパク質を作製する方法であって、介在タンパク質のカルボキシ末端を担体の表面にアミド結合を介して共有結合により固定化し、その後、担体上に固定化された介在タンパク質中のアスパラギン酸残基又はグルタミン酸残基の側鎖のカルボキシル基と固定化を目的とするタンパク質中のリジン残基の側鎖のアミノ基とをアミド結合を介して、少なくとも1か所で結合させることにより、目的タンパク質を共有結合により担体に結合させる、固定化タンパク質の作製方法。
[2] 担体上に、リジン及びシステインを含まない介在タンパク質を介して配向が制御された形態で、共有結合により固定化された固定化タンパク質を作製する方法であって、介在タンパク質を、担体の表面にアミノ末端のαアミノ基を介して共有結合により固定化し、その後、担体上に固定化された介在タンパク質中のアスパラギン酸残基又はグルタミン酸残基の側鎖のカルボキシル基又はカルボキシ末端のカルボキシル基と固定化を目的とするタンパク質中のリジン残基の側鎖のアミノ基とをアミド結合を介して、少なくとも1か所で結合させることにより、目的タンパク質を共有結合により担体に結合させる、固定化タンパク質の作製方法。
[3] 担体が不溶性担体である、[1]又は[2]の固定化タンパク質の作製方法。
[4] 介在タンパク質が抗体結合機能を有するタンパク質であり、目的タンパク質がイムノグロブリンである、[1]〜[3]のいずれかの固定化タンパク質の作製方法
[5] 介在タンパク質が、プロテインA、プロテインG及びプロテインLからなる群から選択されるタンパク質由来の抗体結合ドメインの改変タンパク質であり、リジン残基及びシステイン残基を含まない改変タンパク質である、[4]の固定化タンパク質の作製方法。
[6] 担体上に固体化する目的タンパク質が、ヒトポリクローナル抗体、抗IL8抗体、アバスチン、ハーセプチン及びリツキサンからなる群から選択される[1]〜[5]のいずれかの固定化タンパク質の作製方法。
介在タンパク質を活用することにより、配向が制御され且つ機能余分は副反応を防ぐことができ、物質として均質性の高い固定化タンパク質を高効率に製造することができる。このようにして得られた固定化タンパク質は、センシング材料やアフィニテイ精製用の分離材料などを含め多くの分野での利用が期待できる。
担体、介在タンパク質、目的タンパク質で構成され、介在タンパク質を介して、配向が制御された形態で、目的タンパク質が、担体と共有結合で結合した状態を示す図である。 介在タンパク質と目的タンパク質をあらかじめ結合させ、次に、2価性試薬などの架橋試薬で処理することにより、共有結合により結合した状態を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
抗体の配向制御固定化
本発明の固定化タンパク質は限定されず、特定の機能を有するあらゆるタンパク質が含まれる。その中でも、結合能を有するイムノグロブリンG、特にモノクローナル抗体があげられる。
以下に、固定化抗体及び固定化モノクローナル抗体に関して、より詳細に本発明の内容、その利用法及び効果を説明する。
構成要素
[抗体及びモノクローナル抗体の入手方法]
抗体は、免疫系を有する生物が作り出すタンパク質であり、抗原に対して特異的に結合する機能を有することから、抗体の物質認識機能を人工的に利用することが幅広く行われている。また、一つの抗原を認識結合できる抗体としては、各種生物由来又は同一の生物種由来でも数多くのタンパク質分子が分離されている。それらのうちでも、利用価値の高い抗体は、市販されており、ある抗原に対して特異的に結合できる抗体については、多くは、市販品として入手できる。入手できない場合でも、免疫動物に対して目的抗原を免疫することにより、当業者であれば目的抗体を作製することができる。従って、固定化抗体を作製する際に、抗体の入手には、ほぼ制限がなく、入手できることから、抗体タンパク質の入手により本発明は制限を受けないことは自明である。
モノクローナル抗体は、免疫動物が作る抗体タンパク質が、複数の抗体産生細胞由来であることから、エピトープなどの抗原認識においてヘテロであることと大きく異なり、単一の抗体産生細胞由来であるから、それを暗号化する遺伝子配列が一種類であり、したがって、タンパク質配列も均一な抗体であるこという特徴を有する。モノクローナル抗体も、市販品としての入手、又は、当業者による作製が可能である。
本発明は、市販品として入手可能な抗体タンパク質を、特別の処理を施すことなく、共有結合により配向を制御して担体に固定化して、利用できることを可能とする技術を提供する。また、本発明によって作製される固定化抗体においては、固定化反応に関与したリジン残基の側鎖のアミノ基又はアミノ末端のアミノ基以外のアミノ酸残基は、固定化処理によっても化学的に全く変化を受けていない、ということに、特徴を有する。従って、固定化に関与する残基が該抗体タンパク質の機能発現に関与しない場合においては、固定化により該抗体タンパク質の機能が完全に保たれることも保障されることになる。
[介在タンパク質としての抗体分子に結合能を有するタンパク質]
本発明において介在タンパク質として抗体との共有結合による配向制御固定化に利用されるタンパク質としては、すでに、本発明者らが発明している、リジン及びシステイン残基を全く含まず且つアミノ末端又はカルボキシ末端1箇所で担体と共有結合により結合した固定化タンパク質が挙げられる(特開2008-115151号公報、特開2008-115152号公報、特開2008-115153号公報、特開2008-266219号公報、特開2008-266221号公報、特開2008-280259号公報)。
抗体分子に結合能を有するタンパク質としては、Staphylococcus aureus由来のプロテインA(A. Forsgren and J. Sjoquist, J. Immunol. (1966) 97, 822-827.に記載)、Streptococus sp. Group C/G由来のプロテインG (EP0131142A2(1983)に記載)、Preptostreptococcus magnus由来のプロテインL(US5965390(1992)に記載)、group A Streptococcus由来のプロテインH(US5180810(1993)に記載)、Haemophilus influenzae由来のプロテインD(US6025484(1990)に記載)、StreptococcusAP4由来のプロテインArp (Protein Arp 4)(US5210183(1987)に記載)、group C Streptococcus 由来のStreptococcal FcRc(US4900660(1985)に記載)、group A streptococcus, Type II strain 由来のタンパク質(US5556944(1991)に記載)、Human Colonic Mucosal Epithelial Cell由来のタンパク質(US6271362(1994)に記載)、Staphylococcus aureu , strain 8325-4由来のタンパク質(US6548639(1997)に記載)、Pseudomonas maltophilia由来のタンパク質(US5245016(1991)に記載)等が知られている。また、これらのタンパク質に関しては、多くの場合繰り返し配列を持ち、断片化したタンパク質においても抗体分子との結合能を有することが明らかにされているが、これらのタンパク質の抗体結合能を有する断片又はすべての配列を基にして、抗体結合能を保ったままで、該結合タンパク質配列中に存在するすべてのリジン残基及びシステイン残基をほかの18種類のアミノ酸残基に置換することにより、本発明に供する介在タンパク質を作製することができることは、すでに、本発明者らによる発明で公知である(特開2008-115151号公報、特開2008-115152号公報、特開2008-115153号公報、特開2008-266219号公報、特開2008-266221号公報、特開2008-280259号公報)。
上記の、抗体結合タンパク質のうち、プロテインA及びプロテインGは、抗体タンパク質イムノグロブリンGのFcドメインと呼ばれる、抗原認識結合部位とは全く異なるドメインを認識し、非共有結合で結合する。また、Fcドメインには、リジン残基が複数含まれ、それらがタンパク質構造において、タンパク質表面に露出しており、リジン残基の側鎖のアミノ基を結合反応に利用できる構造をしている。
本発明の実施例においては、介在タンパク質として、リジン残基及びシステイン残基を全く含まない改変プロテインAドメイン又は改変プロテインGドメインをカルボキシ末端をグリシンリンカーを介して結合した固体化タンパク質を担体として用いた例を示しているが、本発明は、介在タンパク質が改変プロテインAドメイン又は改変プロテインGドメインに限定されないことは自明である。
介在タンパク質の担体への固定化に用いるタンパク質としては、すでに本発明者らが発明している、以下の一般式(1)で示される配列のタンパク質を大腸菌などの生物宿主で発現精製したものを用いることができる。
一般式(1) R1-R2-R3-R4-R5
[式中、配列は、アミノ末端側からカルボキシ末端側に向かう配列を示し、
R1部分の配列は、固定化対象タンパク質の配列であり、リジン残基及びシステイン残基を含まないことを特徴とする配列であり;
R2部分の配列は存在しなくてもよく、存在する場合はリジン及びシステイン残基以外のアミノ酸残基により構成されるスペーサー配列であり;
R3部分の配列はシステイン−X(Xは、リジン又はシステイン以外のアミノ酸残基)で表される2残基のアミノ酸で構成される配列であり;
R4部分の配列は存在しなくてもよく、存在する場合はリジン残基及びシステイン残基を含まない配列であり、一般式 R1-R2-R3-R4-R5で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質全体の等電点を酸性側にし得る酸性アミノ酸残基を含むことを特徴とする配列であり;そしてR5部分の配列はタンパク質を精製するためのアフィニティータグ配列である]
このタンパク質を、シアノシステインを介した固定化反応により、アミノ基を官能基とする担体にアミド結合により末端1箇所で結合し、その後、無水酢酸で処理し、担体中の結合に関与しないアミノ基をアセチル化により、未反応のアミノ基をマスクする。このことにより、介在タンパク質のアミノ末端を含め、フリーなアミノ基が無い、固定化タンパク質担体を作製することができる。なお、アミノ基のマスク反応により、介在タンパク質のアミノ末端もアセチル化されることになる。なお、改変プロテインAドメイン又は改変プロテインGドメインの場合は、マスク反応によりアミノ末端をアセチル化しても抗体結合機能には何らの影響も認められなかった。
[介在タンパク質を介した抗体タンパク質の共有結合による結合]
リジン残基及びシステイン残基を全く含まない改変(変異)プロテインAドメイン又は改変プロテインGドメインのカルボキシ末端側1箇所で固定化したのち、マスク反応を施した固定化タンパク質を用い、これをカルボジイミドとスクシイミドで処理することにより、固定化された改変プロテインAドメイン又は改変プロテインGドメインのアスパラギン酸残基とグルタミン酸残基の側鎖のカルボキシル基をスクシイミド化することができる。スクシイミド化されたカルボキシル基は、アミノ基と強い反応性を有し、反応によりアミド結合を形成する。従って、スクシイミド化した固定化担体を抗体タンパク質と混合することにより、抗体分子中のリジン残基のアミノ基又はアミノ末端のアミノ基は、改変プロテインAドメイン又は改変プロテインGドメインのアスパラギン酸残基とグルタミン酸残基の側鎖のスクシイミド化したカルボキシル基と反応して、アミド結合を形成することにより、共有結合で結合する。この反応は、改変プロテインAドメイン又は改変プロテインGドメインが、抗体分子のFcドメインと特異的に結合することから、非常に限定されたアミノ酸側鎖間で優先的に形成される。このことは、実施例において顕著に示され、抗体結合能を失った改変プロテインAドメインを用いた場合、抗体との結合反応がほとんど起こらないこと、さらに、介在タンパク質を固定化した担体と抗体タンパク質と混合した後、できるだけ速やかに、洗浄することにより、非特異的結合を避けることにより達成できる。固定化反応後、介在タンパク質中のスクシイミド化したカルボキシル基は、エタノールアミンなどで処理することによりマスクすることができる。
本発明においては、介在タンパク質をスクシイミド化した後、抗体タンパク質を加え、固定化反応を起こさせることから、この固定化反応において、抗体タンパク質は、結合反応によりアミド結合を形成したリジン残基以外の側鎖のアミノ酸残基は、化学的に全く変化しない。
この反応により、固定化された抗体タンパク質は、介在タンパク質である改変プロテインAドメインと抗体のFcドメインとアミド結合で共有結合、すなわち、配向が制御された形態で、固定化されており、抗体タンパク質そのものの抗原認識結合機能は完全に保たれている。また、介在タンパク質そのものも、共有結合で且つ配向が制御された形で固定化されていることから、抗体タンパク質が共有結合で且つ配向が制御された形で固定化した固定化タンパク質が形成されたことになる。このような、形態での固定化タンパク質が、全く新規な物質であることは、従来の方法を駆使しても、固定化反応を制御することが困難であり、本発明以前には作製が不可能であったことなどを考慮すると自明である。従って、本発明は、共有結合で配向が制御された形固定化されたタンパク質の製造方法を提供するだけでなく、物質としても全く新規な物質を提供するものであり、発明の権利が、物質に及ぶことは明白である。
[介在タンパク質を固定化するための担体]
本発明に用いられる担体としては、タンパク質分子より大きければどのようなものでもよく、可溶性又は不溶性のいずれでもよい。
介在タンパク質は、担体に、介在タンパク質のカルボキシ末端を担体の表面にアミド結合を介して共有結合により固定化することができる。また、介在タンパク質のアミノ末端を担体の表面に共有結合により固定化することができる。すなわち、介在タンパク質を担体の表面にアミノ酸のαアミノ基を介して共有結合により固定化することができる。
介在タンパク質をカルボキシ末端側で配向を制御して固定化する担体としては、官能基としてアミノ基(R−NH)が導入されていることが必要である。可溶性の担体としては、アミノ基ポリマーとしての、ポリアリルアミン、ポリリジンなどのアミノ基ポリマーやそれらとの共重合体などがあげられる。
不溶性の担体としては、クロマトフラフィーに利用し得る担体を用いることができる。また、粒子状の担体、モノリスタイプの担体、膜状の担体、繊維状の担体、ホロファイバー状の担体、板状やシート状の基板、磁気ビーズ等タンパク質を固定化し得る不溶性のものならば、いずれも含まれる。「固定化担体」は、「固定化基板」を含む。このような形状の担体を形成する素材としては、表面に介在タンパク質を配向制御固定化するための官能基が導入されているものならどのようなものでもよくポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメタクリエート、ポリビニルアルコールに代表されるプラスチックスやハイドロゲル、アガロース、デキストラン、セルロース、キトサンなどに代表される天然素材、シリカ、ガラス、セラミックなどに代表される無機素材、さらには、金、アルミナ、銀などに代表される金属素材など幅広く利用可能である。さらに、ミクロ流路も担体として利用することができる。ここで、ミクロ流路とは、フローチャンネルセルやガラス基板上にミクロンオーダーの高精度の流路を形成したマイクロチップ等をいい、流路内のガラス上にタンパク質を固定化すればよい。
ここで、官能基を導入した市販の担体としては、アミノ−セルロファイン(生化学工業で販売)、AF-アミノトヨパール(TOSOHで販売)、EAH-セファロース4B及びリジン-セファロース4B(アマシャムバイオサイエンスで販売)、ポラス20NH(ベーリンガーマンハイムで販売)、CNBr活性化セファロースFF、NHS活性化セファロースFF、などがある。また、1級アミノ基を有するシラン化合物(例えば、3−アミノプロピルメトキシシランなど)を用いて、シリカ担体、ガラスビーズ又はガラス平板などにアミノ基などの官能基を導入することは当業者であれば容易にできる。
なお、これらの活性化法では強アルカリ性試薬や劇薬を使用するものもあるが、これは固体・半固体側単独で活性化を行う際に使用するもので、活性化が終了した後に穏和な条件でタンパク質が導入されるために問題は生じない。
本発明は、リジン及びシステインを含まない介在タンパク質が共有結合により結合した担体であって、該介在タンパク質のアスパラギン酸残基又はグルタミン酸残基の側鎖のカルボキシル基がスクシイミド化されている担体をも含む。該担体を本発明では、固定化タンパク質作製用活性化担体といい、該活性化担体に目的タンパク質を配向制御した状態で固定化することができる。
本発明の汎用性・一般性
上記のように、抗体分子を固定化した固定化タンパク質を例に本発明を詳細に説明したが、上述のように、固定化目的タンパク質と介在タンパク質との組み合わせは無限にあり、リジン及びシステインを全く含まない介在タンパク質は、当業者であれば創製できることは自明であることから、本発明の固定化タンパク質は、対象となるタンパク質によって制限を受けず、どのようなタンパク質も適用が可能である。例えば、目的タンパク質として、Affibody(登録商標) Moleculeなる一群の小タンパク質が開発、販売されており、各々の小タンパク質はそれぞれ特異的にある目的タンパク質だけと結合することが公知である。Affibody(登録商標) Moleculeは、Staphylococcus aureus由来のプロテインAのBドメイン由来のタンパク質の配列を改変する事により創製されているが、その配列中には、リジン残基が含まれているが、元の機能を保ったままリジン残基部分を他のアミノ酸に変換することは、本発明者らがStaphylococcus aureus由来のプロテインAのAドメインを用いてすでに示しているように、当事者であれば達成できる(特開2008-115151号公報、特開2008-115152号公報、特開2008-115153号公報、特開2008-266219号公報、特開2008-266221号公報、特開2008-280259号公報)。従って、本発明の技術は、対象とするタンパク質によって制限を受けないことは明らかであり、一般性が保たれる。
本発明を以下の実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
1.材料
ヒトポリクローナル抗体は、市販品を用いた。抗IL8ヒト型モノクローナル抗体は、CHO細胞としてATCCCRL-12445株を培養し、培養上清から精製したものを用いた。ヒトモノクローナル抗体、アバスチン、ハーセプチン、リツキサンは、医薬品として販売されているものを用いた。
リガンドタンパク質としては、改変プロテインA用としては、配列番号1に示すタンパク質を、改変プロテインGとしては、配列番号2に示すタンパク質を用い、これを、シアノシステインを介して配向制御固定化反応により固定化して得られたものを用いた。なお、このリガンド固定化反応による固定化により、介在配列としては、リジン残基及びシステイン残基を全く含まない改変プロテインAドメイン(配列番号3)又はリジン残基及びシステイン残基を全く含まない改変プロテインGドメイン(配列番号4)がC末端側を介して担体基材と固定化された形で介在タンパク質の役割を果たす。
担体基材としては、アミノ基を担体基材表面に有する物であり、シリカモノリス基材は、京都モノテック社より好意により提供されたもの、シリカビーズ担体としては、AGCエスアイテック社より好意により提供されたものである。また、アミノセルロファイン、AF−アミノトヨパールは、市販品をそのまま用いた。
アミノ基を担体基材表面に有する担体基材へのリジン残基及びシステイン残基を全く含まない改変プロテインAドメイン又はプロテインGの固定化は、本発明者らが開示している公知の方法(前述)により行い、固定化反応後担体表面上の余分なアミノ基を無水酢酸で処理することにより、ブロッキング処理を行った。このようにして得られたものを、介在タンパク質を導入した担体として用いた。
2.抗体の固定化反応及び固定化効率の測定方法
介在タンパク質を導入した担体約0.1mLをスピンカラムに入れ、10mMのホウ酸緩衝液、pH8.5、0.4mLを加え、3000回転2分の遠心操作を行い、緩衝液をカラムに通し、担体を含んだカラムの洗浄工程とした。カラムから溶出される緩衝液は、1.5mLのエッペンドルフタイプの遠心チューブで受けた。溶出された緩衝液を廃棄し、スピンカラムに再度ホウ酸緩衝液を加え、同じように遠心工程を行い、この工程を3回繰り返すことにより、担体の洗浄を行った。
次に、担体に固定化されている改変プロテインAドメイン又は改変プロテインGドメインのカルボキシル基の活性化として、50mMのN-ヒヒドロキシスクシイミド(以下、NHS)と200mMの1エチル−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(以下、EDC)溶液(以下、NHS/EDC溶液)を用いた。0.4mLのNHS/EDC溶液をスピンカラムに添加し、3000回転2分の遠心操作を行い、溶出された溶液を捨てたのち、この操作を2回繰り返した後、0.8mLのNHS/EDC溶液を加え、担体を浸した。この状態で、室温中で、2時間放置した後、3000回転2分により、NHS/EDC溶液を溶出、廃棄した。このようにして得られた担体を活性化担体と称する。
固定化対象とする抗体を10mMのホウ酸緩衝液、pH8.5に溶かし、最終濃度、0.1から1.0mgになるようにした。タンパク質濃度は、BCA法により測定し、牛血清アルブミン換算として求めた。
固定化対象とする抗体溶液0.4mLを添加し、添加攪拌後、速やかに3000回転2分の遠心操作により、溶液を分離した(吸着工程と称する)。この操作を2回行った(非吸着タンパク量と称する)。
分離した溶液を集め、溶液中のタンパク質量を測定した。遠心分離後の担体に、10mMのホウ酸緩衝液、pH8.5、0.4mLを添加攪拌後、速やかに3000回転2分の遠心操作により、溶液を分離した(この操作を、洗浄工程1と称する)。洗浄工程を2回行い、その後、0.4mLの同緩衝液を添加攪拌後、室温で、一晩放置し、抗体の固定化反応を行わせた。
反応終了後、3000回転2分の遠心操作により、溶液を分離した。洗浄工程により得られた溶液と、本操作により得られた溶液を集め、溶液中のタンパク質量を測定した。
反応終了後の担体に、0.1Mグリシン緩衝液、pH2.5,0.4mLを添加攪拌後、速やかに3000回転2分の遠心操作により、溶液を分離した(この操作を、洗浄工程2と称する)。洗浄工程2を3回行い、得られた溶液を回収し、溶液中のタンパク質量を測定した。
この操作により得られた担体に、1Mエタノールアミン塩酸塩,pH8.5,0.4mLを添加攪拌後、速やかに3000回転2分の遠心操作により、溶液を分離した(この操作を、ブロッキング操作と称する。)。ブロッキング操作を2回行い、その後、0.4mLの同溶液を添加攪拌後、室温で、一晩放置し、抗体の固定化反応を行わせた。反応終了後、3000回転2分の遠心操作により、溶液を分離した。洗浄工程により得られた溶液と、本操作により得られた溶液を集め、溶液中のタンパク質量を測定した(ブロッキング工程)。
以上の操作により、得られた各種溶液のタンパク質量を求め、その総和として、非吸着タンパク質+洗浄工程1+洗浄工程2+ブロッキング工程(非結合タンパク質総量)を求め、担体に添加した抗体の総タンパク質量(吸着工程に用いた総タンパク質量=タンパク質濃度×1.2mL)から引くことにより、固定化された抗体のタンパク質量を求めた。
3.モノリス担体を用いた結果
モノリス担体に改変プロテインA又は改変プロテインGを導入した担体を用いた場合の経過をまず詳細に示す。
固定化対象となる抗体として、抗ヒトIL8ヒト型抗体を用いた。
抗体濃度:0.34mg/mL
アプライした抗体タンパク質総量 (これを、Aとする。): 0.34mg×0.8mL=0.272mg
非吸着タンパク質総量:
改変プロテインA担体: 0mg
改変プロテインG担体: 0mg
洗浄工程1溶出タンパク質:
改変プロテインA担体: 0.008mg
改変プロテインG担体: 0.068mg
洗浄工程2溶出タンパク質:
改変プロテインA担体: 0.072mg
改変プロテインG担体: 0.024mg
ブロッキング工程溶出タンパク質:
改変プロテインA担体: 0mg
改変プロテインG担体: 0mg
非固定化タンパク質総量 (これを、Uとする。)
改変プロテインA担体: 0.080mg
改変プロテインG担体: 0.092mg
固定化タンパク質総量 (これを、Bとする。)
改変プロテインA担体: 0.192mg
改変プロテインG担体: 0.180mg
この結果、固定化効率は、
固定化効率=100×(固定化タンパク質総量(B))/(アプライした抗体タンパク質総量(A)−非吸着タンパク質総量(U))
で計算されることから、
固定化効率 (E=100×B/(A−U)の計算式)
改変プロテインA担体: 約71%
改変プロテインG担体: 約66%
という結果であった。
4.その他の担体を用いた結果
上記と同様にして、担体基材、介在タンパク質、抗体の組み合わせを変えて各種実験を行った。抗体の固定化量の測定は、介在タンパク質を固定化した担体を0.4mL(スピンカラムの場合は、そのまま)、アプライする抗体タンパク質総量を約0.4mgとして行った。表1は、その結果をまとめたものであり、固定化されたタンパク質の総量(B)と、固定化効率(E)をまとめて示している。本測定においては、介在タンパク質の固定化量を最適化していないのと、その固定化量を測定していないが、介在タンパク質が同じ場合、固定化効率にばらつきが少ないため、固定化される抗体タンパク質の総量は、介在タンパク質の量に依存することが明らかである。
Figure 2011132145
表1 介在タンパク質をあらかじめ固定化した各種担体を用いた時の各種抗体タンパク質の固定化量と固定化効率のまとめ
5.固定化抗体を用いた抗原の回収
上記3で得られたヒト抗IL8ヒト型抗体を固定化したスピンカラムを用いて、市販品として売られているヒトIL8ペプチドを用いて、結合溶出実験を行った。
ヒトIL8ペプチドを0.1Mのリン酸緩衝液、pH7.4に溶かし、最終濃度、0.1mgになるようにした。タンパク質濃度は、BCA法により測定し、牛血清アルブミン換算として求めた。
ペプチド溶液0.4mLを添加し、添加攪拌後、速やかに3000回転2分の遠心操作により、溶液を分離した(吸着工程と称する)。この操作を2回行った。分離した溶液を集め、溶液中のタンパク質量を測定した(非吸着ペプチド量と称する)。
遠心分離後の担体に、0.5MのNaClを含む0.1Mのリン酸緩衝液、pH7.4、0.4mLを添加攪拌後、速やかに3000回転2分の遠心操作により、溶液を分離した(この操作を、洗浄工程と称する)。洗浄工程を3回行った。分離した溶液を集め、溶液中のタンパク質量を測定した。
次に、0.1Mグリシン緩衝液、pH2.5,0.4mLを添加攪拌後、3000回転2分の遠心操作により、溶液を分離した(この操作を、溶出工程と称する)。溶出工程3回行い、得られた溶液を回収し、溶液中のタンパク質量を測定した。
その結果
アプライしたペプチド総量: 0.1mg×0.8mL=0.08mg
非吸着ペプチド総量: 0.002
洗浄工程溶出ペプチド総量:0mg
溶出工程タンパク質総量:0.074mg
吸着効率=100×(アプライしたペプチド総量−非吸着IL8ペプチド総量)/アプライしたIL8ペプチド総量=約98%
溶出回収効率=100×溶出工程タンパク質総量/アプライしたペプチド総量=約93%
という結果であった。
本発明の固定化タンパク質は、固定化タンパク質が関わる幅広い技術分野、例えば、タンパク質の配向制御固定化、アフィニティ分析、アフィニティ分離、クロマトグラフィー用担体、イムノアフィニティ担体、タンパク質センサー、タンパク質アレイ、タンパク質チップ、マイクロタス、抗体アレイ、タンパク質の除去方法、成分検査、臨床検査等に利用することができる。
1 担体(固定化基板)
2 介在タンパク質
3 固定化タンパク質(目的タンパク質)
4 固定化タンパク質の固定化部位(ドメイン)
5 固定化タンパク質の機能発現部位(ドメイン)
6 共有結合
7 架橋試薬による結合・修飾
配列番号1〜4 合成

Claims (6)

  1. 担体上に、リジン及びシステインを含まない介在タンパク質を介して配向が制御された形態で、共有結合により固定化された固定化タンパク質を作製する方法であって、介在タンパク質のカルボキシ末端を担体の表面にアミド結合を介して共有結合により固定化し、その後、担体上に固定化された介在タンパク質中のアスパラギン酸残基又はグルタミン酸残基の側鎖のカルボキシル基と固定化を目的とするタンパク質中のリジン残基の側鎖のアミノ基とをアミド結合を介して、少なくとも1か所で結合させることにより、目的タンパク質を共有結合により担体に結合させる、固定化タンパク質の作製方法。
  2. 担体上に、リジン及びシステインを含まない介在タンパク質を介して配向が制御された形態で、共有結合により固定化された固定化タンパク質を作製する方法であって、介在タンパク質を、担体の表面にアミノ末端のαアミノ基を介して共有結合により固定化し、その後、担体上に固定化された介在タンパク質中のアスパラギン酸残基又はグルタミン酸残基の側鎖のカルボキシル基又はカルボキシ末端のカルボキシル基と固定化を目的とするタンパク質中のリジン残基の側鎖のアミノ基とをアミド結合を介して、少なくとも1か所で結合させることにより、目的タンパク質を共有結合により担体に結合させる、固定化タンパク質の作製方法。
  3. 担体が不溶性担体である、請求項1又は2に記載の固定化タンパク質の作製方法。
  4. 介在タンパク質が抗体結合機能を有するタンパク質であり、目的タンパク質がイムノグロブリンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の固定化タンパク質の作製方法
  5. 介在タンパク質が、プロテインA、プロテインG及びプロテインLからなる群から選択されるタンパク質由来の抗体結合ドメインの改変タンパク質であり、リジン残基及びシステイン残基を含まない改変タンパク質である、請求項4記載の固定化タンパク質の作製方法。
  6. 担体上に固体化する目的タンパク質が、ヒトポリクローナル抗体、抗IL8抗体、アバスチン、ハーセプチン及びリツキサンからなる群から選択される請求項1〜5のいずれか1項に記載の固定化タンパク質の作製方法。
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