JP2005098877A - 抗体検出体、その製造方法、及び抗体検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複数抗体の測定を特異的にかつ高感度に測定する。
【解決手段】 抗原抗体反応の特異性を利用する抗体検出体であって、エピトープを一部含んだポリペプチド単位または全部がエピトープであるポリペプチド単位を、スペーサーを介しまたは介さずに担体上に複数個連結して固定させたことを特徴とする抗体検出体
【選択図】 図2
【解決手段】 抗原抗体反応の特異性を利用する抗体検出体であって、エピトープを一部含んだポリペプチド単位または全部がエピトープであるポリペプチド単位を、スペーサーを介しまたは介さずに担体上に複数個連結して固定させたことを特徴とする抗体検出体
【選択図】 図2
Description
本発明は、複数の抗体が混在する溶液中から一種類の抗体のみを特異的に検出し、定量化するために用いる抗体検出体、及びその製造方法に関し、更に、この抗体検出体を用いる抗体検出方法に関する。
抗体とは抗原刺激の結果、免疫反応によって生体内に産生されるタンパク質で、抗原と特異的に結合する活性を持つものをいう。抗体は、抗原と特異的に反応して凝集・沈降、または抗原毒素を中和するなどの作用があり、生体にその抗原に対する免疫性を与える。抗体は、抗原に対して特異的に強く結合する性質を持つため、様々な抗原を高感度に検出する手法に広く使われている。
多糖や核酸、脂質などで比較的低分子のものも抗原になる可能性を持つが、一般にタンパク質や分子量の大きいものほど抗原になりやすい。抗体が結合する抗原の部位のことをエピトープといい、一般的に一種類のタンパク質には複数箇所のエピトープが存在する。同じタンパク質を認識する抗体でも、エピトープが異なれば結合力や識別する力も異なり、またリン酸化や糖付加、メチル化、酸化還元など翻訳後修飾によって結合能を失うものもあれば、維持されるものもある。そのため同じタンパク質を認識する抗体間で生体内の免疫機構において果たす役割も異なることが予想される。現在、単にタンパク質を認識する抗体群の定量にとどまらず、ある一種類の抗体を測定するという需要は高まりつつある。
技術的にタンパク質を一種類だけ大量に精製することは難しく、また抗体検出実験では別の抗原を認識する抗体が非特異的に相互作用してしまう頻度が高い。一般的に一種類のタンパク質には複数箇所のエピトープが存在するため、ある一種類の抗体を測定するには、用いる抗原として完全長のタンパク質を用いることは適当ではない。よってエピトープとされる10アミノ酸前後のポリペプチドを抗原として用いることが原理的には望ましい。技術的にも10アミノ酸前後のポリペプチドを大量に人工合成することは可能であり、非特異的に相互作用してしまう抗体数も最小限に抑えられる。
現在、抗体検出方法ではマイクロプレートなどを担体としてタンパク質やポリペプチドなどの抗原を結合させ、EIA法等を用いて検出する方法などが知られている。
最近、平板チップやメンブレンを担体として核酸や抗体、抗原など生体高分子を固定し、複数項目の同時測定を可能にする技術が開発されつつある。中でも特に簡便さや費用、要する時間の短さ、得られる検出結果の高い信頼性などの面から、フローサイトメータの原理を応用したSAT(Suspension Array Technology)の技術が注目されている。下記特許文献1には、複数蛍光を発光可能であってフローサイトメータにより識別することができるビーズ、及びそのためのフローサイトメータが開示されている。SATとは、複数の染料の配合比率を変え発光の異なる細胞大のマイクロビーズを用い、これら複数のマイクロビーズを同じ溶液サンプル中で反応させた後、各マイクロビーズ表面の蛍光量を測定することにより、複数項目の同時測定を可能にした技術である。マイクロビーズにはカルボキシル基もしくはアミド基が被覆加工されており、核酸や抗体、抗原など生体高分子を固定することが可能である。
図6に、従来のマイクロビーズを担体とする抗体検査体の模式図を示す。例えば、ポリスチレン製のマイクロビーズ上のカルボキシル基にスペーサーを介してポリペプチドのアミノ酸末端が結合している。ここで、スペーサーはタンパク質がポリペプチドと特異的に反応するに際して、大きな分子であるタンパク質が立体障害を受けないようにするものである。
図7は、蛍光マイクロビーズアレイシステムの概要を示すものである。異なる2種類のペプチドが固定されたマイクロビーズの内、マイクロビーズ1のみが測定対象である抗体と特異的に反応する。更に、この抗体にアビジン−PE等の蛍光物質で標識されたビオチン化抗体を反応させ、Luminex(商標名)で蛍光測定を行う。一方、抗体と特異的に反応しなかったマイクロビーズ2は蛍光を発光しない。
また、本発明に関連する公知技術としては下記特許文献2があげられる。
また、本発明に関連する公知技術としては下記特許文献2があげられる。
一般的にタンパク質には複数のエピトープが存在するため、ある一種類の抗体を測定するために用いる抗原として、完全長のタンパク質を用いることは適当ではない。しかし、エピトープとされる10アミノ酸前後のポリペプチドを抗原として用いる場合、完全長のタンパク質と比べて物理的性質が不安定であり、また一般的に検出感度が低い。検出実験で抗原抗体反応を行う際、担体とその担体に固定された抗原との物理的距離が短いと、抗体が抗原に近づけず出会う頻度が低いことや、抗体が認識するための立体構造をとれないことが予想され、検出感度が低いことの理由であると考えられている。これらの問題を解消するため、担体と抗原との間に物理的距離を確保することを目的としてスペーサーと呼ばれる物質を入れて結合させる方法がとられているが、実験のステップが増えるため手間がかかり、結局は目的とする効果が得られないことが多い。
現在、抗体検出方法ではマイクロプレートなどを担体として抗原を結合させ、EIA法等を用いて検出するのが一般的である。しかし複数の抗体を検出するためには、その数ぶんのサンプル量が必要であり、手間もかかる。サンプルが少量である場合、検出できる抗体数を制限しなくてはならない可能性が高くなってしまう。
本発明者らは、特定構造の抗体検出体を用いることによって、前記課題が解決されることを見出し本発明に到達した。
本発明者らが開発した抗体検出方法は、抗原抗体反応の特異性を利用して抗原を検出する方法であって、エピトープを含んだポリペプチド単位を担体上に連結させること、また、SATの技術を応用することにより、血液や血清、細胞培養液上清など複数の抗体が混在する少量サンプル中から同時に複数の抗体を特異的にかつ高感度に検出し、定量化することを特徴とする。
即ち、第1に、本発明は、抗原抗体反応の特異性を利用する抗体検出体の発明であって、エピトープを一部含んだポリペプチド単位または全部がエピトープであるポリペプチド単位を、スペーサーを介しまたは介さずに担体上に複数個連結して固定させたことを特徴とする。担体としては、平板状バイオチップまたはマイクロビーズであることができる。ここで、担体に連結させるポリペプチド単位が6〜15アミノ酸であることが好ましい。また、ポリペプチド単位中のエピトープが4〜8アミノ酸であることが好ましい。
本発明においては、ポリペプチド単位が複数個連結されているので、担体とエピト−プの距離は充分保たれており、抗原抗体反応の際の立体障害を排除するための従来のようなスペーサーは必須ではない。但し、スペーサーが含まれていても良く、その場合、ほぼ全てのエピトープを含んだポリペプチド単位が抗原抗体反応に関与することになって好ましい。
図1(a)は、本発明に用いられるペプチド単位を示す模式図である。数個〜10数個のアミノ酸がペプチド結合をしてペプチド単位を構成している。このペプチド単位を中に、タンパク質と特異的に反応し、数個〜10個程度の特定のアミノ酸配列からなるエピトープ部が含まれている。ペプチド単位はアミノ基からなるN末端とカルボキシル基からなるC末端とを有している。
図1(b)は、担体であるマイクロビーズに、図1(a)のエピトープを含んだポリペプチド単位を複数個連結して固定させた状態を示す模式図である。エピトープを含んだポリペプチド単位の一部は主鎖から分枝している場合もある。図1(b)に示されるように、タンパク質と特異的に反応するエピトープ部がマイクロビーズから所定の距離を保ちながら多数配置されて、本発明の抗体検出体が構成される。
図2は、図1(b)に示される抗体検出体のエピトープ部に抗体が特異的に反応した状態を示す模式図である。多数のエピトープ部に抗体が効率良く反応していくことが分かる。このように、複数個のエピトープを含んだポリペプチド単位を担体に連結させることにより、1)絶対的な数として抗体の認識する部位(エピトープ部)が増え、同時に2)担体とエピトープとの距離も足り、抗原抗体反応を妨げるような立体障害も減るため、高感度な抗原抗体反応の検出・測定が可能となる。
担体に連結させる前記ポリペプチド単位が、1)酸性に偏る、2)アルカリ性に偏る、3)疎水性である、4)抗体認識が弱まるような立体構造となってしまうのいずれか1つ以上の場合には、これらの状態を是正するために、検体となるタンパク質にはないアミノ酸配列を1〜5アミノ酸付加することで、上記1)〜4)の問題を解消することが好ましい。
第2に、本発明は、抗原抗体反応の特異性を利用する抗体検出体の製造方法の発明であって、エピトープを一部含んだポリペプチド単位または全部がエピトープであるポリペプチド単位を、スペーサーを介しまたは介さずに担体上に複数個連結して固定させたことを特徴とする。
ここで、ポリペプチド単位をカルボキシル基もしくはアミド基が被覆加工されている担体に連結させる際に、EDC(1-Ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl) Carbodiimide hydrochloride)を触媒的に用いて結合反応を起こすことが好ましい。図3に、EDCを用いてペプチド単位を結合させる反応の模式図を示す。マイクロビーズ上のカルボキシル基にペプチド単位のアミノ基末端を触媒的に反応させペプチド結合を行う。このペプチド単位のカルボキシル基末端に次のペプチド単位のアミノ基末端を触媒的に反応させ連鎖的にペプチド結合を行う。
担体としては、平板状バイオチップまたは球状ビーズが好ましく用いられる。
担体に連結させるポリペプチド単位のアミノ酸数には制限がないが、例えば、6〜15アミノ酸である場合が好ましい。また、ポリペプチド単位中のエピトープのアミノ酸数には制限がないが、4〜8アミノ酸であることが好ましい。
担体に連結させるポリペプチド単位のアミノ酸数には制限がないが、例えば、6〜15アミノ酸である場合が好ましい。また、ポリペプチド単位中のエピトープのアミノ酸数には制限がないが、4〜8アミノ酸であることが好ましい。
第3に、本発明は、抗原抗体反応の特異性を利用し抗体を検出する抗体検出方法の発明であり、上記第1の発明の抗体検出体を用いることにより、1種類または複数種類の抗体が混在する溶液中から1種類の抗体のみを特異的にかつ高感度に検出し、定量化する。特に、蛍光マイクロビーズアレイシステムに適用することが効果的である。ここで、蛍光マイクロビーズアレイシステムとは、図7に示されるような抗体検出方法であり、Luminexの商標名で実施されている。
より、具体的な抗体検出方法は、複数の抗体が混在する同一の溶液中において、同時にハイブリダイゼーション反応を行うことが可能で、かつ検出時に識別可能な複数種類の担体に、それぞれ異なる前記ポリペプチド単位を連結させることにより、少量サンプルでも同時に複数の抗体を特異的にかつ高感度に検出し、定量化する。
本発明により、既存の方法では難しかった少量サンプルにおける複数抗体同時検出を、より高感度に定量化することを可能にした。まずペプチドをEDCで効率よく連結させることによって単純に抗体が認識可能なエピトープの絶対数を増やし、また担体と直接結合しているペプチドがスペーサーの役割をするため、抗原抗体反応の阻害を防ぐことができる。次にSATの技術を応用した担体を用いることで、複数の抗体を同じサンプル中から特異的に検出することを可能にした。
上記に記載のペプチドは人工合成したものを用い、担体に連結させる際の効率や抗体がペプチドを認識する際の効率を考慮すると、精製度は高いほうが望ましい。
複数個のエピトープを含んだポリペプチド単位を担体に連結させることにより、絶対的な数として抗体の認識する部位が増え、同時に担体とエピトープとの距離も足り、抗原抗体反応を妨げるような立体障害も減るため、高感度な測定が可能となる。これにより、既存の方法では難しかった少量サンプルにおける複数抗体同時検出を、より高感度に定量化することを可能にする。特に、蛍光マイクロビーズアレイシステムに適用することによって、抗体を高感度に検出することができる。
以下に、本発明の実施の形態を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
[目的]
本発明の方法を用いることで、既存の方法では難しかった少量サンプル中に含まれる複数の抗体を同時に、かつ高感度に定量化する効果を証明する。
本発明の方法を用いることで、既存の方法では難しかった少量サンプル中に含まれる複数の抗体を同時に、かつ高感度に定量化する効果を証明する。
[測定システム]
本実施例において、SATの技術を応用したLuminex(商標名)システムに代表される蛍光マイクロビーズアレイシステムを用いて測定することにした。Luminexシステムでは、特殊なビーズを担体として用いるため複数項目の同時測定が可能である。特殊なビーズとは、ポリスチレンから作られ、直径は約5.6μm、複数の蛍光物質を用いて染色され、それら蛍光物質の含有量を変えることで同じ溶液中に混在していても、その発色の違いから識別が可能である。それらのビーズにそれぞれ異なる抗体や核酸など生体高分子を結合させることで、それらの生体高分子と相互作用する生体高分子の存在の有無などを測定できる。つまり少量サンプルでも高感度に多項目の測定が可能であることを特徴とするシステムである。
本実施例において、SATの技術を応用したLuminex(商標名)システムに代表される蛍光マイクロビーズアレイシステムを用いて測定することにした。Luminexシステムでは、特殊なビーズを担体として用いるため複数項目の同時測定が可能である。特殊なビーズとは、ポリスチレンから作られ、直径は約5.6μm、複数の蛍光物質を用いて染色され、それら蛍光物質の含有量を変えることで同じ溶液中に混在していても、その発色の違いから識別が可能である。それらのビーズにそれぞれ異なる抗体や核酸など生体高分子を結合させることで、それらの生体高分子と相互作用する生体高分子の存在の有無などを測定できる。つまり少量サンプルでも高感度に多項目の測定が可能であることを特徴とするシステムである。
[材料]
(1)10アミノ酸の特定配列からなるペプチドAと、ペプチドAを抗原とする抗体A、ペプチドAとは配列の異なる11アミノ酸の特定配列からなるペプチドBとペプチドBを抗原とする抗体Bを使用。ここで、ペプチドBは、Arg−Pro−Lys−Pro−Gln−Gln−Phe−Phe−Gly−Leu−Met−NH2の構造を有する11個のアミノ酸よりなるポリペプチドであり、一般に「サブスタンスP」の名称で知られている。
(2)反応促進剤として、EDC(1-Ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl) Carbodiimide hydrochloride)を使用。
(3)緩衝液としてMES(2-(N-morpholino) ethane sulfonic acid)を使用。
(4)ペプチドを結合させる担体として、Luminexカルボキシルコートビーズを使用。
(1)10アミノ酸の特定配列からなるペプチドAと、ペプチドAを抗原とする抗体A、ペプチドAとは配列の異なる11アミノ酸の特定配列からなるペプチドBとペプチドBを抗原とする抗体Bを使用。ここで、ペプチドBは、Arg−Pro−Lys−Pro−Gln−Gln−Phe−Phe−Gly−Leu−Met−NH2の構造を有する11個のアミノ酸よりなるポリペプチドであり、一般に「サブスタンスP」の名称で知られている。
(2)反応促進剤として、EDC(1-Ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl) Carbodiimide hydrochloride)を使用。
(3)緩衝液としてMES(2-(N-morpholino) ethane sulfonic acid)を使用。
(4)ペプチドを結合させる担体として、Luminexカルボキシルコートビーズを使用。
[方法]
(1)ペプチドの調整
ペプチドは人工合成したものを用い、担体に連結させる際の効率や抗体がペプチドを認識する際の効率を考慮すると、精製度は高いほうが望ましい。合成されたペプチドは終濃度が0.2mg/mlになるよう0.1M MES (pH4.5) に溶かす。疎水性等で溶けにくい場合はDMSOなどに一度溶かしたあと0.1M MES (pH4.5) に溶かしてもよい。またペプチドのアミノ酸配列から疎水性、または極端に酸性やアルカリ性になることが予想される場合には、元のタンパク質にはないアミノ酸配列を1〜5アミノ酸付加し、それらの問題を解消することが望ましい。本実施例では、ペプチドAとペプチドBを終濃度が0.2mg/mlになるよう0.1M MES (pH4.5) に溶かした。
(1)ペプチドの調整
ペプチドは人工合成したものを用い、担体に連結させる際の効率や抗体がペプチドを認識する際の効率を考慮すると、精製度は高いほうが望ましい。合成されたペプチドは終濃度が0.2mg/mlになるよう0.1M MES (pH4.5) に溶かす。疎水性等で溶けにくい場合はDMSOなどに一度溶かしたあと0.1M MES (pH4.5) に溶かしてもよい。またペプチドのアミノ酸配列から疎水性、または極端に酸性やアルカリ性になることが予想される場合には、元のタンパク質にはないアミノ酸配列を1〜5アミノ酸付加し、それらの問題を解消することが望ましい。本実施例では、ペプチドAとペプチドBを終濃度が0.2mg/mlになるよう0.1M MES (pH4.5) に溶かした。
(2)担体のカルボキシル基とペプチドのアミド基との共有結合
2.5×106個のカルボキシルコートビーズを0.2mg/mlのペプチド50μlに懸濁し、10mg/mlのEDCを2.5μl加え、30分間室温で放置する。再び10mg/mlのEDCを2.5μl加え、30分間室温で放置する操作を2回繰り返す。PBS(pH7.4)・Tween20(0.05%)で2回洗浄後、PBS(pH7.4)・BSA(10mg/ml)・Sodium Azide(0.05%)に再懸濁し、4℃で一晩遮光保存する。本実施例では、ペプチドAとペプチドBをそれぞれ別のカルボキシルコートビーズに結合させ、ネガティブコントロールとしてペプチドを入れずに同じ操作をしたビーズも作った。
2.5×106個のカルボキシルコートビーズを0.2mg/mlのペプチド50μlに懸濁し、10mg/mlのEDCを2.5μl加え、30分間室温で放置する。再び10mg/mlのEDCを2.5μl加え、30分間室温で放置する操作を2回繰り返す。PBS(pH7.4)・Tween20(0.05%)で2回洗浄後、PBS(pH7.4)・BSA(10mg/ml)・Sodium Azide(0.05%)に再懸濁し、4℃で一晩遮光保存する。本実施例では、ペプチドAとペプチドBをそれぞれ別のカルボキシルコートビーズに結合させ、ネガティブコントロールとしてペプチドを入れずに同じ操作をしたビーズも作った。
[Luminex測定装置による測定]
すでに抗体濃度の分かっているサンプル、もしくは抗体濃度が未知であるサンプルの中にペプチドが結合したビーズを入れて放置する。サンプル中に抗体が存在すれば、ビーズに結合しているペプチドと抗原抗体反応を起こす。ビーズ表面に存在する抗体を蛍光標識し、Luminex測定装置でその蛍光量を測定する。本実施例では、抗体Bの濃度希釈サンプルにペプチドA、ペプチドB、ペプチドなしの3種類のビーズを入れ、ビオチン化された抗ヒト抗体とアビジン−フィコレリスリンで蛍光後、Luminex測定装置でその蛍光量を測定した。
すでに抗体濃度の分かっているサンプル、もしくは抗体濃度が未知であるサンプルの中にペプチドが結合したビーズを入れて放置する。サンプル中に抗体が存在すれば、ビーズに結合しているペプチドと抗原抗体反応を起こす。ビーズ表面に存在する抗体を蛍光標識し、Luminex測定装置でその蛍光量を測定する。本実施例では、抗体Bの濃度希釈サンプルにペプチドA、ペプチドB、ペプチドなしの3種類のビーズを入れ、ビオチン化された抗ヒト抗体とアビジン−フィコレリスリンで蛍光後、Luminex測定装置でその蛍光量を測定した。
[結果]
図4は、本実施例で得られた結果を表にまとめたものである。図5は、図4の結果を基に棒グラフに示したものである。ペプチドBを結合させたビーズの蛍光値のみが、抗体Bの濃度依存的に変動していることが確認された。特に低濃度の抗体の場合にも、所定の蛍光を示す他、高濃度の抗体の場合には、ペプチドAやペプチド無しのビーズに比べて、顕著な蛍光反応を示すことが分る。
図4は、本実施例で得られた結果を表にまとめたものである。図5は、図4の結果を基に棒グラフに示したものである。ペプチドBを結合させたビーズの蛍光値のみが、抗体Bの濃度依存的に変動していることが確認された。特に低濃度の抗体の場合にも、所定の蛍光を示す他、高濃度の抗体の場合には、ペプチドAやペプチド無しのビーズに比べて、顕著な蛍光反応を示すことが分る。
また、ペプチドAやペプチドBを用いて、タンパク質を担体に結合させる既存の一般的な方法や、担体とペプチドの間に一般的なスペーサーを挟んで結合させる方法を試したが、検出感度や特異性において同様な結果を得ることができなかった。
またLuminexシステムを用いた蛍光測定において、バッファー等を最適化することによって、抗体濃度が約10 pg / mlの検出感度を得ることができた。
本発明によると、既存の方法では難しかった少量サンプルにおける複数抗体同時検出を、より高感度に定量化することを可能にする。特に、蛍光マイクロビーズアレイシステムに適用することによって、抗体を高感度に検出することができ、医療や医薬開発の分野で利用できる。
Claims (13)
- 抗原抗体反応の特異性を利用する抗体検出体であって、エピトープを一部含んだポリペプチド単位または全部がエピトープであるポリペプチド単位を、スペーサーを介しまたは介さずに担体上に複数個連結して固定させたことを特徴とする抗体検出体。
- 前記担体が平板状バイオチップまたはマイクロビーズであることを特徴とする請求項1に記載の抗体検出体。
- 担体に連結させる前記ポリペプチド単位が6〜15アミノ酸であることを特徴とする、請求項1に記載の抗体検出体。
- 前記ポリペプチド単位中のエピトープが4〜8アミノ酸であることを特徴とする、請求項1に記載の抗体検出体。
- 担体に連結させる前記ポリペプチド単位が、1)酸性に偏る、2)アルカリ性に偏る、3)疎水性である、4)抗体認識が弱まるような立体構造となってしまうのいずれか1つ以上の場合に、検体となるタンパク質にはないアミノ酸配列を1〜5アミノ酸付加することで、上記1)〜4)の問題を解消したことを特徴とする請求項1に記載の抗体検出体。
- 抗原抗体反応の特異性を利用する抗体検出体の製造方法であって、エピトープを一部含んだポリペプチド単位または全部がエピトープであるポリペプチド単位を、スペーサーを介しまたは介さずに担体上に複数個連結して固定させたことを特徴とする抗体検出体の製造方法。
- 前記ポリペプチド単位をカルボキシル基もしくはアミド基が被覆加工されている担体に連結させる際に、EDC(1-Ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl) Carbodiimide hydrochloride)を用いて結合反応を起こすことを特徴とする請求項6に記載の抗体検出方法。
- 前記担体が平板状バイオチップまたはマイクロビーズであることを特徴とする請求項6または7に記載の抗体検出体の製造方法。
- 担体に連結させる前記ポリペプチド単位が6〜15アミノ酸であることを特徴とする、請求項6乃至8のいずれかに記載の抗体検出体の製造方法。
- 前記ポリペプチド単位中のエピトープが4〜8アミノ酸であることを特徴とする、請求項6乃至9のいずれかに記載の抗体検出体の製造方法。
- 抗原抗体反応の特異性を利用し抗体を検出する抗体検出方法において、請求項1乃至5のいずれかに記載の抗体検出体を用いることにより、1種類または複数種類の抗体が混在する溶液中から1種類の抗体のみを特異的にかつ高感度に検出し、定量化することを特徴とする抗体検出方法。
- 蛍光マイクロビーズアレイシステムに適用したことを特徴とする請求項11に記載の抗体検出方法。
- 複数の抗体が混在する同一の溶液中において、同時にハイブリダイゼーション反応を行うことが可能で、かつ検出時に識別可能な複数種類の担体に、それぞれ異なる前記ポリペプチド単位を連結させることにより、少量サンプルでも同時に複数の抗体を特異的にかつ高感度に検出し、定量化することを特徴とする、請求項11または12に記載の抗体検出方法。
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