JP2011131321A - 偏芯チャック装置およびワークの偏芯方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】駆動力によりチャックの半径方向へ移動可能に設けられる一対の移動部材と、一方の移動部材に連結され前方へ把持手段を配設し移動部材の半径方向の移動に連動して半径方向へ移動するベース部材と、他方の移動部材に連結され前記チャックボディの径方向外方に配設され移動部材の半径方向の移動に連動して前記ベース部材の移動方向とは逆方向の半径方向へ移動するカウンタウエイトを備える。
【選択図】 図1
Description
従来の偏芯チャックには、特許文献1に開示されたチャック装置がある。この偏芯チャックは、駆動装置によりスライダと把持部が主軸の直径方向に移動され、加工されるワークのピンストロークに応じて割出された突起に当接することによりワークが位置決め保持され、この移動と同時にバランスウエイトが連動装置を介してスライダ及び把持部とは反対方向へ移動して位置決めされる。
スライダと把持部の直径方向移動による偏芯チャック装置の重心の主軸軸芯からの偏芯距離に応じたバランスの崩れが、バランスウエイトの移動により打ち消されて増加することのないように構成されている。
また、このチャック装置において、スライダの移動距離(偏芯量)はチャック本体に装着されるストッパから突出する複数の突起の突出長さにより決まるため、偏芯量が限られてしまい、任意の偏芯量を有する、異なる複数種類のワークに対する加工中心の位置決めはできない。
また、これにより、把持手段2とカウンタウエイト6の偏芯動作を連動させて移動することができ、さらに移動量を同期させて同じように移動することが容易に簡単な構造で行なうことができる。
図1は、本発明の実施例の縦断面図を示す。
図1で示すように、チャックボディ1の後部は、図示しない工作機械の主軸の先端にボルト止めされて固着される。
チャックボディ1の前方側にはワークを把持する把持手段2が備えられており、加工されるワークを把持できるようになされている。
把持手段2は図示しない外部からの駆動手段により作動する把持機構を有する。本実施例においては、コレットチャック18を設けており、このコレットチャック18が、図示しない駆動手段により作動し、ワークの把持と解除を行なう。
この作動部3は、駆動源に接続されチャックボディ1の空洞部分にガイドされて、外部の駆動源の動作により回転軸芯方向に進退可能に設けられるプランジャ7と、このプランジャ7の軸芯方向の動作により回動可能になされているレバー8を備えている。
レバー8がくの字状に形成され略中心部へレバー軸9が貫通して設けられており、このレバー軸9は軸芯と直交する回転軸を中心にしてチャックボディ1に接続されることで、レバー8を回転自在に設けている。
レバー8の他端側である移動部材側端部12は、チャックボディ1の前方側内方部位に設けられた移動部材4へ係合するように設けられている。
移動部材4は、チャックボディ1の内方に設けられ、チャックボディ1にガイドされて半径方向へスライド移動可能に配設されている。移動部材4の後面には、前記レバー8の他端側である移動部材側端部12と係合するための凹部13が設けられており、レバー8の移動部材側端部12が移動部材4の凹部13へはまり込むことでレバーの回転動作による作用力を移動部材4の半径方向への移動力として作用される。
前述のレバー8と移動部材4は、夫々一対に構成されており、各々の駆動により一方が把持手段2の偏芯移動を行ない、他方がカウンタウエイト6のバランス移動を行なっている。
この移動手段4aのチャック前方には、ベース部材5が連設されている。ベース部材5はボルト16により移動手段4aへ固着されており、移動手段4aの半径方向への移動と連動して半径方向へ移動するようになされている。
この移動手段4aのチャック前方へ前述の把持手段2がボルト19により固着されており、移動手段4aの半径方向の移動により把持手段2が移動され、把持手段2に把持されたワークの偏芯動作を行なうことができる。
この移動手段4bのチャック前方には、カウンタウエイト6が連設されている。カウンタウエイト6はボルト17により移動手段4bへ固着されており、移動手段4bの半径方向への移動と連動して半径方向へ移動するようになされている。
これにより、カウンタウエイト6が半径方向へ移動した分、チャックボディ1に対して重心の移動を作用させることができる。このとき、作動部3であるプランジャ7とレバー8aとレバー8bが、同一形状であり、軸芯に対称で配置される。
図1は、把持手段2であるコレットチャック18へワークを取り付けた際のチャック装置の断面図である。
この状態ではチャックボディ1の中心である回転軸芯CLが、把持手段2とカウンタウエイト6の中心となっている。
この時、チャックボディ1の中心CLに対して、把持手段2が一方側(図2において下方)へ距離Xだけ移動し、把持手段2の中心CLxとなり、カウンタウエイト6が他方側(図2において上方)へ距離Yだけ移動してカウンタウエイト6の中心CLyとなる。
このような構成を把持手段2とカウンタウエイト6に対応するため夫々配設しているので、プウランジャ7の動作によって、把持手段2とカウンタウエイト6が同じ移動量で夫々異なる方向へ偏芯を行うことができる。
図3には、把持手段2を偏芯させる構成を明確にした説明図である。図3において、把持手段2を偏芯させる構成を太線で示し、他の要素を細線で示している。
図4には、カウンタウエイト6を偏芯させる構成を明確にした説明図である。図4において、カウンタウエイト6を偏芯させる構成を太線で示し、他の要素を細線で示している。
プランジャ7の後退動作によって、レバー8aのプランジャ側端部11aが後方向へ引き込まれる。この作用力により、レバー軸9aを中心にレバー8aが回転動作を行ない、レバー8aの移動部材側端部12aが軸芯方向へ回動する。
このレバー8aの移動部材側端部12aは、移動部材4aの凹部13aへはまり込んでいるので、移動部材4aがチャックボディ1にガイドされて軸芯方向へスライド移動なされる。
移動部材4aには前方へベース部材5がボルト16で固着されているので、移動手段4aの移動に伴って、ベース部材5が一方側(図3において下方)へ移動される。
ベース部材5の前方には把持手段2がボルト19で固着されており、ベース部材5の軸芯方向への移動に伴って、把持手段2が一方側(図3において下方)へ距離Xだけ移動し、把持手段2の中心、つまりはワークの中心がCLxとなされる。
まず、把持手段2を偏芯させる動作について、図3に基づいて説明する。
プランジャ7の後退動作によって、レバー8bのプランジャ側端部11bが後方向へ引き込まれる。この作用力により、レバー軸9bを中心にレバー8bが回転動作を行ない、レバー8bの移動部材側端部12bが軸芯方向へ回動する。
このレバー8bの移動部材側端部12bは、移動部材4bの凹部13bへはまり込んでいるので、移動部材4bがチャックボディ1にガイドされて軸芯方向へスライド移動なされる。
移動部材4bには前方へカウンタウエイト6がボルト17で固着されているので、移動手段4bに伴って、カウンタウエイト6が他方側(図3において上方)、つまりは前述の把持手段2の移動方向とは逆の方向へ距離Yだけ移動し、カウンタウエイト6の中心がCLyとなされる。
つまり、前述の把持手段2が一方側(図3において下方)へ移動する距離Xと、カウンタウエイト6が他方側(図3において上方)へ移動する距離Yとが等しくなる、 (X=Yとなる)
これにより、把持手段2とカウンタウエイト6の偏芯動作を連動させて移動することができ、さらに移動量を同期させて同じように移動することを容易に簡単な構造で行なうことができる。
2 把持手段
3 作動部
4 移動部材
5 ベース部材
6 カウンタウエイト
7 プランジャ
8 レバー
9 レバー軸
Claims (3)
- 工作機械の主軸に装着されるチャック装置であって、主軸へ固着されるチャックボディと、ワークを把持する把持手段と、駆動源による駆動力を伝達する作動部と、該作動部から伝達された駆動力によりチャックの半径方向へ移動可能に設けられる一対の移動部材と、一方の移動部材に連結され前方へ把持手段を配設し移動部材の半径方向の移動に連動して半径方向へ移動するベース部材と、他方の移動部材に連結され前記チャックボディの径方向外方に配設され移動部材の半径方向の移動に連動して前記ベース部材の移動方向とは逆方向の半径方向へ移動するカウンタウエイトを備えることを特徴とする偏芯チャック装置。
- 前記作動部が、駆動源の駆動力により主軸の軸芯方向へ進退可能に設けられるプランジャと、該プランジャと作動部材へ係合しプランジャからの軸芯方向の作用力を移動部材の半径方向の移動力へ変換するレバーを備えることを特徴とする請求項1に記載の偏芯チャック装置。
- 偏芯チャック装置を用いてワークを偏芯させる方法において、把持手段によりワークを把持する把持工程と、駆動源からの軸芯方向の作用力を半径方向の作用力に変換する変換工程と、該変換工程により半径方向へ移動される移動部材に固定された把持手段へ把持されたワークを半径方向へ偏芯させるワーク偏芯工程と、前記変換工程により半径方向へ移動される移動部材に固定されたカウンタウエイトを前記ワークと逆方向の半径方向へ偏芯させるカウンタウエイト偏芯工程とからなることを特徴とするワークの偏芯方法。
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