JP2011130800A - 電気掃除機用吸込口体及び電気掃除機 - Google Patents

Abstract

【課題】被掃除面の油脂汚れを確実に拭き取ることができるとともにコストを削減できる電気掃除機用吸込口体及び電気掃除機を提供する。
【解決手段】被掃除面に対峙する吸込口１１ａを開口する筐体１１と、筐体１１に軸支される回転体２０と回転体２０の周面に配されるブラシ部２１とを有して吸込口１１ａ内に回転自在に配される回転ブラシ１９とを備えた電気掃除機用吸込口体１０において、ブラシ部２１は、回転体２０の周面に取り付けられる基材３０と、基材３０から回転体２０の径方向に延出して基材３０上に所定間隔で固着されるとともに先端が開放された多数の芯糸３１と、各芯糸３１に交差して固着されるとともに先端が開放された横糸３２とを有する。
【選択図】図３

Description

本発明は、吸込口に配される回転ブラシを有した電気掃除機用吸込口体及びそれを用いた電気掃除機に関する。また本発明は、被掃除面に摺動する摺動ブラシを底面に有した電気掃除機用吸込口体及びそれを用いた電気掃除機に関する。

従来の電気掃除機は特許文献１に開示されている。この電気掃除機は電動送風機を内装する本体部に接続ホースを介して延長管が取り付けられ、延長管の先端に吸込口体が設けられる。吸込口体は被掃除面に対峙する吸込口を開口する筐体を有し、吸込口内に回転ブラシが配される。吸込口の後方には被掃除面に摺動する摺動ブラシが設けられる。

回転ブラシは筐体に軸支される回転体と、回転体の周面に取り付けられるブラシ部とを有している。ブラシ部は回転体の軸方向に延びる基材上に先端がループ状に形成された多数のブラシ糸を固着して形成される。また、摺動ブラシは筐体の底面に取り付けられる基材上に先端がループ状に形成された多数のブラシ糸を固着して形成される。

電動送風機が駆動されると吸込口から被掃除面の塵埃が吸引され、延長管及び接続ホースを介して本体部内の集塵室に集塵される。回転ブラシは回転してブラシ部が被掃除面に接触する。この時、ブラシ部の先端のループが回転ブラシの回転方向を横切った状態で回転し、被掃除面上の油脂を掻き取る。また、摺動ブラシが被掃除面に摺動し、先端のループが移動方向に対して横切った状態で移動して被掃除面上の油脂を掻き取る。

特許第４１１５３８２号公報（第５頁−第１８頁、第１図）

上記従来の吸込口体によると、回転ブラシのブラシ部及び摺動ブラシはブラシ糸をループ状に形成するため、先端が開放されたブラシ糸で形成するよりも被掃除面の油脂を確実に拭き取ることができる。しかしながら、ブラシ糸をループ状に形成するため回転ブラシや摺動ブラシの製造工数が大きくなり、吸込口体及び電気掃除機の製造コストが大きくなる問題があった。

本発明は、被掃除面の油脂汚れを確実に拭き取ることができるとともにコストを削減できる電気掃除機用吸込口体及び電気掃除機を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために本発明は、被掃除面に対峙する吸込口を開口する筐体と、前記筐体に軸支される回転体と前記回転体の周面に配されるブラシ部とを有して前記吸込口内に回転自在に配される回転ブラシとを備えた電気掃除機用吸込口体において、前記ブラシ部は、前記回転体の周面に取り付けられる基材と、前記基材から前記回転体の径方向に延出して前記基材上に所定間隔で固着されるとともに先端が開放された多数の芯糸と、各前記芯糸に交差して固着されるとともに先端が開放された横糸とを有することを特徴としている。

この構成によると、被掃除面上を電気掃除機用吸込口体が移動し、被掃除面に対峙する吸込口から塵埃が吸い込まれる。吸込口に配される回転ブラシのブラシ部は回転体の周面に取り付けられる基材から径方向に延びる芯糸と、各芯糸に交差して固着される横糸とを有している。ブラシ部の多数の横糸の少なくとも一部は回転ブラシの回転方向を横切った状態で回転し、被掃除面上の油脂を掻き取る。

また本発明は、被掃除面に対峙する吸込口を開口する筐体と、前記筐体の底面に配されて被掃除面に摺動する摺動ブラシとを備えた電気掃除機用吸込口体において、前記摺動ブラシは、前記筐体の底面に取り付けられる基材と、前記筐体の底面から被掃除面に向かって延出して前記基材上に所定間隔で固着されるとともに先端が開放された多数の芯糸と、各前記芯糸に交差して固着されるとともに先端が開放された横糸とを有することを特徴としている。

この構成によると、被掃除面上を摺動ブラシが摺動して電気掃除機用吸込口体が移動し、被掃除面に対峙する吸込口から塵埃が吸い込まれる。摺動ブラシは筐体の底面に取り付けられる基材から被掃除面に向かって延びる芯糸と、各芯糸に交差して固着される横糸とを有している。摺動ブラシの多数の横糸の少なくとも一部は電気掃除機用吸込口体の移動方向を横切った状態で移動し、被掃除面上の油脂を掻き取る。

また本発明は、上記構成の電気掃除機用吸込口体において、前記芯糸と前記横糸とが所定温度で溶融する溶融糸により固着されることを特徴としている。この構成によると、織成等によって芯糸と横糸とを溶融糸で連結し、溶融糸を溶融して芯糸と横糸とが溶着される。

また本発明の電気掃除機は、上記各構成の電気掃除機用吸込口体を備えたことを特徴としている。

本発明によると、回転ブラシのブラシ部が基材から径方向に延出して基材上に所定間隔で固着されるとともに先端が開放された多数の芯糸と、各芯糸に交差して固着されるとともに先端が開放された横糸とを有するので、一部の横糸が回転ブラシの回転方向を横切った状態で回転して被掃除面の油脂を確実に拭き取ることができる。また、従来例のようにブラシ糸をループ状に形成する必要がないため簡単にブラシ部を形成することができ、電気掃除機用吸込口体及び電気掃除機のコストを削減することができる。

また本発明によると、被掃除面に摺動する摺動ブラシが基材から被掃除面に向かって延出して基材上に所定間隔で固着されるとともに先端が開放された多数の芯糸と、各芯糸に交差して固着されるとともに先端が開放された横糸とを有するので、一部の横糸が電気掃除機用吸込口体の移動方向を横切った状態で移動して被掃除面の油脂を確実に拭き取ることができる。また、従来例のようにブラシ糸をループ状に形成する必要がないため簡単に摺動ブラシを形成することができ、電気掃除機用吸込口体及び電気掃除機のコストを削減することができる。

本発明の実施形態の電気掃除機を示す側面断面図 本発明の実施形態の電気掃除機の吸込口体を示す底面図 本発明の実施形態の電気掃除機の吸込口体の回転ブラシのブラシ部及び摺動ブラシを示す側面図 図３のＡ部詳細図

以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図１は一実施形態の電気掃除機の側面断面図を示している。電気掃除機１は電動送風機３を内装する本体部２を有し、本体部２には可撓性の接続ホース４が取り付けられる。接続ホース４の端部には延長管６が接続され、延長管６との接続部から分岐して使用者が把持する把持部５が設けられる。延長管６の先端には着脱自在の吸込口体１０が接続される。

図２は吸込口体１０の底面図を示している。吸込口体１０は樹脂成形品から成る平面視略Ｔ字型の筐体１１により覆われ、筐体１１の前部の底面には被掃除面に対峙する矩形の吸込口１１ａが開口する。吸込口１１ａ内には被掃除面に接して回転する回転ブラシ１９が設けられる。回転ブラシ１９は樹脂成形品から成る回転体２０の周面にブラシ部２１を螺旋状に配して形成される。

吸込口１１ａの後方には被掃除面に摺動する摺動ブラシ２２が設けられる。また、吸込口１１ａの両側方及び後方には軸部１２ａで筐体１１に軸支されるローラー１２が設けられる。

図３は回転ブラシ１９のブラシ部２１の詳細を示す正面図である。また、図４は図３のＡ部詳細図を示している。ブラシ部２１は回転体２０（図２参照）の周面に設けた溝部（不図示）に嵌合して取り付けられる基材３０を有している。基材３０上には回転ブラシ１９の径方向に延出して先端が開放された多数の芯糸３１が固着される。

所定間隔で配される多数の芯糸３１が一方向に延びる基準糸（不図示）と互いに直交する方向に織られた後、基準糸が樹脂モールドされる。これにより、基材３０が基準糸をモールドした樹脂により形成され、芯糸３１が基材３０に固着される。

また、各芯糸３１には先端が開放された複数の横糸３２が交差して固着される。所定間隔で配される横糸３２が所定温度で溶融する溶融糸３３及び芯糸３１と互いに直交する方向に織られた後、溶融糸３３が溶融される。これにより、横糸３２が芯糸３１に固着される。尚、芯糸３１及び横糸３２は耐摩耗性の大きいナイロン等により形成される。

摺動ブラシ２２もブラシ部２１と同様の構成になっている。即ち、筐体１１の底面に取り付けられる基材３０上には被掃除面に向かって延出して先端が開放された多数の芯糸３１が固着される。また、各芯糸３１には先端が開放された複数の横糸３２が交差して溶融糸３３により固着される。

上記構成の電気掃除機１において、ローラー１２が被掃除面を転動して吸込口体１０が被掃除面上を移動し、電動送風機３の駆動によって吸込口１１ａから被掃除面の塵埃が吸い込まれる。吸込口１１ａから吸い込まれた塵埃は延長管６及び接続ホース４を介して本体部２内に集塵される。

回転ブラシ１９のブラシ部２１に設けられる多数の横糸３２の少なくとも一部は回転ブラシ１９の回転方向を横切った状態で回転し、被掃除面上の油脂を掻き取るとともにゴミを絡め取る。また、吸込口体１０の移動により被掃除面上を摺動ブラシ２２が摺動する。摺動ブラシ２２に設けられる多数の横糸３２の少なくとも一部は吸込口体１０の移動方向を横切った状態で移動し、被掃除面上の油脂を掻き取るとともにゴミを絡め取る。これにより、被掃除面上の油脂を確実に掻き取ることができる。

本実施形態によると、回転ブラシ１９のブラシ部２１が基材３０から径方向に延出して基材３０上に所定間隔で固着されるとともに先端が開放された多数の芯糸３１と、各芯糸３１に交差して固着されるとともに先端が開放された横糸３２とを有するので、一部の横糸３２が回転ブラシ１９の回転方向を横切った状態で回転して被掃除面の油脂を確実に拭き取ることができる。また、従来例のようにブラシ糸をループ状に形成する必要がないため簡単にブラシ部２１を形成することができ、吸込口体１０及び電気掃除機１のコストを削減することができる。加えて、芯糸３１の先端が開放されるため、ループ状のブラシ糸のように被掃除面に引っ掛かることを防止することができる。

また、被掃除面に摺動する摺動ブラシ２２が基材３０から被掃除面に向かって延出して基材３０上に所定間隔で固着されるとともに先端が開放された多数の芯糸３１と、各芯糸３１に交差して固着されるとともに先端が開放された横糸３２とを有するので、上記と同様に、一部の横糸３２が吸込口体１０の移動方向を横切った状態で移動して被掃除面の油脂を確実に拭き取ることができる。また、従来例のようにブラシ糸をループ状に形成する必要がないため簡単に摺動ブラシ２２を形成することができ、吸込口体１０及び電気掃除機１のコストを削減することができる。加えて、芯糸３１の先端が開放されるため、ループ状のブラシ糸のように被掃除面に引っ掛かることを防止することができる。

また、芯糸３１と横糸３２とが所定温度で溶融する溶融糸３３により固着されるので、ブラシ部２１及び摺動ブラシ２２を容易に形成することができる。

本実施形態において、摺動ブラシ２２は平面視略Ｔ字型の筐体１１に開口する矩形の吸込口１１ａの後方に配されるが、これに限られない。例えば、筒状の筐体１１の先端に円形や矩形等の吸込口１１ａが開口し、吸込口１１ａの周囲に摺動ブラシ２２が設けられていてもよい。また、延長管６を取り外して吸込口体１０を接続ホース４の端部に直接装着されるようにしてもよい。

本発明によると、吸込口に回転ブラシが配される吸込口体を備えた電気掃除機に利用することができる。また本発明によると、被掃除面に摺動する摺動ブラシが底面に配される吸込口体を備えた電気掃除機に利用することができる。

１ 電気掃除機
２ 本体部
３ 電動送風機
４ 接続ホース
５ 把持部
６ 延長管
１０ 吸込口体
１１ 筐体
１１ａ 吸込口
１２ ローラー
１９ 回転ブラシ
２０ 回転体
２１ ブラシ部
２２ 摺動ブラシ
３０ 基材
３１ 芯糸
３２ 横糸
３３ 溶融糸

Claims (4)

1. 被掃除面に対峙する吸込口を開口する筐体と、前記筐体に軸支される回転体と前記回転体の周面に配されるブラシ部とを有して前記吸込口内に回転自在に配される回転ブラシとを備えた電気掃除機用吸込口体において、前記ブラシ部は、前記回転体の周面に取り付けられる基材と、前記基材から前記回転体の径方向に延出して前記基材上に所定間隔で固着されるとともに先端が開放された多数の芯糸と、各前記芯糸に交差して固着されるとともに先端が開放された横糸とを有することを特徴とする電気掃除機用吸込口体。
2. 被掃除面に対峙する吸込口を開口する筐体と、前記筐体の底面に配されて被掃除面に摺動する摺動ブラシとを備えた電気掃除機用吸込口体において、前記摺動ブラシは、前記筐体の底面に取り付けられる基材と、前記筐体の底面から被掃除面に向かって延出して前記基材上に所定間隔で固着されるとともに先端が開放された多数の芯糸と、各前記芯糸に交差して固着されるとともに先端が開放された横糸とを有することを特徴とする電気掃除機用吸込口体。
3. 前記芯糸と前記横糸とが所定温度で溶融する溶融糸により固着されることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の電気掃除機用吸込口体。
4. 請求項１〜請求項３のいずれかに記載の電気掃除機用吸込口体を備えたことを特徴とする電気掃除機。

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