[実施例1]
以下、本発明の実施例1について、図面を参照して詳細に説明する。実施例1に係る給電システムは、図1に示すように給電装置100と、電子機器200とを有する。実施例1における給電システムにおいて、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在する場合、給電装置100は、電子機器200に無線給電を行う。また、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在する場合、電子機器200は、給電装置100から出力される電力を無線により受け取る。また、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内に存在しない場合、電子機器200は、給電装置100から電力を受け取ることができない。なお、所定の範囲とは、給電装置100と電子機器200とが通信を行うことができる範囲であるものとする。
電子機器200は、カメラ等の撮像装置であってもよく、音声データや映像データの再生を行う再生装置であってもよい。また、電子機器200は、携帯電話やスマートフォンのようなモバイル機器であってもよいものとする。また、電子機器200は、電池211を含む電池パックであってもよい。
また、電子機器200は、給電装置100から供給される電力によって駆動する車のような装置であってもよい。また、電子機器200は、テレビジョン放送を受信する装置、映像データを表示するディスプレイ、またはパーソナルコンピュータであってもよいものとする。また、電子機器200は、電池211が装着されていない場合であっても、給電装置100から供給される電力を用いて動作する装置であってもよい。
図2は、実施例1に係る給電システムのブロック図を示す。給電装置100は、図2に示すように、変換部101、発振器102、電力生成部103、整合回路104、通信部105、給電アンテナ106、CPU107、ROM108、RAM109及び操作部110を有する。
変換部101は、不図示のAC電源と給電装置100とが接続されている場合、不図示のAC電源から供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を給電装置100に供給する。
発振器102は、変換部101から供給される電力をCPU107によって設定された目標値に対応する電力に変換するように電力生成部103を制御するために用いられる周波数を発振する。なお、発振器102は、水晶振動子等を用いる。
電力生成部103は、変換部101から供給される電力と、発振器102によって発振される周波数とに基づいて、給電アンテナ106を介して外部に出力するための電力を生成する。なお、電力生成部103によって生成された電力は、整合回路104に供給される。また、電力生成部103によって生成される電力には、第1の電力と、第2の電力とがある。
第1の電力は、給電装置100が電子機器200とNFC(Near Field Communication)規格に対応する通信を行うために電子機器200に供給するための電力である。第2の電力は、給電装置100が電子機器200に対して給電を行う場合に電子機器200に供給するための電力である。例えば、第1の電力は、1W以下の電力であり、第2の電力は、2W〜10Wまでの電力である。なお、第2の電力は、10W以上の電力であってもよい。なお、第1の電力は、第2の電力よりも低い電力であるものとする。また、第1の電力は、給電装置100がNFC規格に対応する通信を行うために用いられる電力であれば、1W以下の電力に限られないものとする。
しかし、給電装置100が第2の電力を電子機器200に供給している場合、給電装置100は、給電アンテナ106を介して電子機器200とNFC規格に対応する通信を行うことができないものとする。
整合回路104は、発振器102によって発振される周波数に応じて、給電アンテナ106と、給電装置100に対応する装置が有する受電アンテナとの間で共振を行うための共振回路である。また、整合回路104は、電力生成部103と給電アンテナ106との間のインピーダンスマッチングを行うための回路である。整合回路104は、コンデンサ、コイル及び抵抗等を含む。CPU107は、整合回路104に含まれるコンデンサやコイルを制御することによって、給電装置100の共振周波数fを制御することができる。なお、共振周波数fは、給電装置100と、給電装置100によって給電される装置とが共振を行うために用いられる周波数である。
なお、共振周波数fは、商用周波数である50/60Hzであってもよく、10〜数十MHzであってもよく、13.56MHzの周波数であってもよいものとする。
なお、発振器102によって発振される周波数が共振周波数fに設定された状態において、電力生成部103によって生成された電力は、整合回路104を介して給電アンテナ106に供給される。
通信部105は、給電装置100と電子機器200との間で、NFC規格に対応する通信を行うために用いられる回路である。給電装置100が電子機器200を制御するための制御データ(以下、コマンドと呼ぶ。)を電子機器200に送信する場合、通信部105は、NFC規格に対応するプロトコルに基づいて、電力生成部103によって生成された電力の変調を行う。
通信部105は、給電アンテナ106に流れる電流の変化に応じて、電子機器200に送信したコマンドに対する応答データや制御データを電子機器200から受信ことができる。なお、通信部105は、電子機器200から受信したデータをCPU107に供給する。
給電アンテナ106は、電力生成部103により生成された電力を外部に出力するためのアンテナである。給電装置100は、給電アンテナ106を介して電子機器200に電力を供給したり、給電アンテナ106を介して電子機器200にコマンドを送信する。また、給電装置100は、給電アンテナ106を介して、電子機器200から制御データ及び電子機器200に送信したコマンドに対応する応答データを受信する。
CPU(Central Processing Unit)107は、ROM108に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって、給電装置100を制御する。また、CPU107は、通信部105が電子機器200から受信したデータに応じて、電子機器200に対する給電を制御する。
ROM108は、給電装置100を制御するコンピュータプログラム及び給電装置100に関するパラメータ等の情報を記憶する。RAM109は、書き換え可能なメモリであり、給電装置100を制御するコンピュータプログラム、給電装置100に関するパラメータ等の情報、通信部105によって電子機器200から受信されたデータ等を記録する。
操作部110は、給電装置100を操作するためのユーザインターフェースを提供する。CPU107は、操作部110を介して入力されたユーザの指示に従って給電装置100を制御する。
次に、図2を参照して、電子機器200の構成の一例について説明を行う。電子機器200は、受電アンテナ201、整合回路202、整流平滑回路203、通信部204、CPU205、ROM206、RAM207、電流・電圧検出部208、第1の電力供給部209、充電制御部210及び電池211を有する。さらに、電子機器200は、第2の電力供給部212及び切換部213を有する。
受電アンテナ201は、給電装置100から供給される電力を受電するためのアンテナである。電子機器200は、受電アンテナ201を介して、給電装置100から電力を受電したり、給電装置100とNFC規格に対応する通信を行う。また、電子機器200は、受電アンテナ201を介して給電装置100からコマンドを受信した場合、給電装置100から受信したコマンドに対応する応答データを給電装置100に送信する。
整合回路202は、給電装置100の共振周波数fと同じ周波数で受電アンテナ201が共振するように、インピーダンスマッチングを行うための共振回路である。整合回路202は、整合回路104と同様にコンデンサ、コイル及び抵抗等を有する。CPU205は、給電装置100の共振周波数fと同じ周波数で受電アンテナ201が共振するように、整合回路202を制御する。また、整合回路202は、受電アンテナ201によって受電される電力を整流平滑回路203に供給する。
整流平滑回路203は、受電アンテナ201によって受電された電力からコマンド及びノイズを取り除き、直流電力を生成する。さらに、整流平滑回路203は、生成した直流電力を電流・電圧検出部208を介して第1の電力供給部209及び第2の電力供給部212に供給する。整流平滑回路203は、受電アンテナ201によって受電される電力から取り除いたコマンドを通信部204に供給する。
通信部204は、受信部204a及び送信部204bを有する。受信部204aは、整流平滑回路203から供給されるコマンドを取得し、NFC規格に対応するプロトコルに応じて解析する。さらに、受信部204aは、コマンドの解析結果をCPU205に供給する。送信部204bは、給電装置100から電子機器200に第1の電力が供給されている場合、コマンドに対する応答データを給電装置100に送信するための負荷変調を行う。
CPU205は、受信部204aから供給されたコマンドの解析結果に応じて、電子機器200を制御する。また、CPU205は、ROM206に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって、電子機器200を制御する。
ROM206は、電子機器200を制御するコンピュータプログラムを記憶する。また、ROM206には、電子機器200に関する情報等が記録される。RAM207は、書き換え可能なメモリであり、電子機器200を制御するコンピュータプログラム、給電装置100から送信されたデータ等を記録する。
電流・電圧検出部208は、整流平滑回路203から供給される電力の電圧と、整流平滑回路203から供給される電力の電流とを検出する。電流・電圧検出部208は、検出された電流を示す電流情報と、検出された電圧を示す電圧情報とをCPU205に供給する。
第1の電力供給部209は、CPU205からの指示に応じて、整流平滑回路203から供給される電力を変換して電子機器200に供給する。なお、第1の電力供給部209は、例えば、DC−DCコンバータを含む。
第1の電力供給部209は、切換部213を介して、NFC規格に対応する通信を行うための手段に整流平滑回路203から供給される電力を供給する。また、第1の電力供給部209は、切換部213を介すことなく、充電制御部210及び電池211に整流平滑回路203から供給される電力を供給する。なお、NFC規格に対応する通信を行うための手段は、例えば、整合回路202、CPU205及び通信部204である。以下、NFC規格に対応する通信を行うための手段が整合回路202、CPU205及び通信部204を含むものとして、説明を行う。NFC規格に対応する通信を行うための手段を以下、「無線通信手段214」と呼ぶ。
充電制御部210は、第1の電力供給部209から供給される電力を用いて、電池211の充電を行う。さらに、充電制御部210は、電池211の残容量を検出し、検出した電池211の残容量をCPU205に通知することもできる。電池211は、電子機器200に着脱可能な電池である。また、電池211は、充電可能な二次電池であり、例えば、リチウムイオン電池等である。また、電池211は、リチウムイオン電池以外のものであっても良いものとする。
第2の電力供給部212は、CPU205からの指示に応じて、整流平滑回路203から供給される電力を変換して無線通信手段214に供給する。第2の電力供給部212は、切換部213を介して、整流平滑回路203から供給される電力を変換して無線通信手段214に供給する。なお、第2の電力供給部212は、例えば、低ドロップアウト(Low Drop Out)レギュレータを含む。
切換部213は、第1の電力供給部209から供給される電力、第2の電力供給部212から供給される電力及び電池211から供給される電力のいずれか一つを無線通信手段214に供給するための回路である。切換部213の構成の一例を図3に示す。
図3に示すように切換部213は、スイッチ301、スイッチ302及びスイッチ303を含む。スイッチ301、スイッチ302及びスイッチ303は、CPU205によって制御される。
スイッチ301は、第1の電力供給部209と無線通信手段214とを接続する。スイッチ301がオンである場合、第1の電力供給部209と無線通信手段214とが接続され、第1の電力供給部209から無線通信手段214に電力が供給される。スイッチ301がオフである場合、第1の電力供給部209と無線通信手段214とは接続されず、第1の電力供給部209から無線通信手段214に電力は供給されない。
スイッチ302は、電池211と無線通信手段214とを接続する。スイッチ302がオンである場合、電池211と無線通信手段214とが接続され、電池211から無線通信手段214に電力が供給される。スイッチ302がオフである場合、電池211と無線通信手段214とは接続されず、電池211から無線通信手段214に電力は供給されない。
スイッチ303は、第2の電力供給部212と無線通信手段214とを接続する。スイッチ303がオンである場合、第2の電力供給部212と無線通信手段214とが接続され、第2の電力供給部212から無線通信手段214に電力が供給される。スイッチ303がオフである場合、第2の電力供給部212と無線通信手段214とは接続されず、第2の電力供給部212から無線通信手段214に電力は供給されない。
なお、給電アンテナ106及び受電アンテナ201は、ヘリカルアンテナであっても、ループアンテナであってもよく、メアンダラインアンテナ等の平面状のアンテナであってもよいものとする。
また、実施例1において、電子機器20000によって行われる処理は、給電装置100が電磁界結合によって電子機器200に対して無線で電力を供給するシステムにおいても適用できるものとする。また、実施例1において、電子機器200によって行われる処理は、電極を給電装置100に設け、かつ、電極を電子機器200に設けた場合に、給電装置100が電界結合によって電力を電子機器200に供給するシステムにおいても、適用できるものとする。また、実施例1において、電子機器200によって行われる処理は、給電装置100が電磁誘導によって無線で電子機器200に電力を供給するシステムにおいても、適用できるものとする。
また、実施例1において、給電装置100は、電子機器200に対して無線で電力を出力し、電子機器200は、給電装置100から無線で電力を受電するものとした。しかし、「無線」を「非接触」や「無接点」と言い換えてもよいものとする。
(切換処理)
次に、実施例1において、電子機器200によって行われる切換処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。切換処理は、CPU205がROM206に格納されているコンピュータプログラムを実行することにより実現することができる。
S401において、CPU205は、給電装置100から受け取った電力が所定値A以上であるか否かを判定する。給電装置100から受け取った電力は、電流・電圧検出部208によって検出される電流情報及び電圧情報を用いて算出される。CPU205は、給電装置100から受け取った電力が所定値A以上であるか否かに応じて、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲であるか否かを判定する。CPU205によって、給電装置100から受け取った電力が所定値A以上でないと判定された場合(S401でNo)、CPU205は、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内でないと判定する。CPU205によって、給電装置100から受け取った電力が所定値A以上でないと判定された場合(S401でNo)、本フローチャートは終了する。CPU205によって、給電装置100から受け取った電力が所定値A以上であると判定された場合(S401でYes)、CPU205は、給電装置100と電子機器200との距離が所定の範囲内であると判定する。CPU205によって、給電装置100から受け取った電力が所定値A以上であると判定された場合(S401でYes)、本フローチャートは、S401からS402に進む。なお、この場合(S401でYes)、CPU205は、第1の電力供給部209及び第2の電力供給部212を起動させるように制御する。
S402において、CPU205は、第1の電力供給部209の起動が完了したか否かを判定する。CPU205によって、第1の電力供給部209の起動が完了したと判定された場合(S402でYes)、本フローチャートはS402からS403に進む。CPU205によって、第1の電力供給部209の起動が完了していないと判定された場合(S402でNo)、本フローチャートはS402からS406に進む。
例えば、CPU205は、第1の電力供給部209から出力される電圧に応じて、第1の電力供給部209の起動が完了したか否かを判定する。この場合、第1の電力供給部209から出力される電圧が所定の電圧Vth以上であると判定された場合、CPU205は、第1の電力供給部209の起動が完了したと判定する。第1の電力供給部209から出力される電圧が所定の電圧Vth以上でないと判定された場合、CPU205は、第1の電力供給部209の起動が完了していないと判定する。
また、例えば、CPU205は、給電装置100から供給される電力が検出されてから経過した時間に応じて、第1の電力供給部209の起動が完了したか否かを判定する。なお、給電装置100から供給される電力が検出されてから経過した時間を以下「経過時間」と呼ぶ。この場合、経過時間が第1の時間Tth1以上であると判定された場合、CPU205は、第1の電力供給部209の起動が完了したと判定する。経過時間が第1の時間Tth1以上でないと判定された場合、CPU205は、第1の電力供給部209の起動が完了していないと判定する。
S403において、CPU205は、第1の電力供給部209から無線通信手段214に電力が供給されるように切換部213を制御する。この場合、CPU205は、スイッチ301をオンにし、スイッチ302及びスイッチ303をオフにする。この場合、本フローチャートは、S404に進む。
S404において、CPU205は、受信部204aがコマンドを受信したか否かを判定する。CPU205によって、受信部204aがコマンドを受信したと判定された場合(S404でYes)、本フローチャートは、S404からS405に進む。CPU205によって、受信部204aがコマンドを受信していないと判定された場合(S404でNo)、本フローチャートは終了する。
S405において、CPU205は、受信部204aが受信したコマンドに対応する所定の処理を行う。所定の処理が行われた場合、CPU205は、受信部204aが受信したコマンドに対応する応答データを送信するように送信部204bを制御する。この場合、本フローチャートは、終了する。
S406において、CPU205は、第2の電力供給部212から無線通信手段214に電力が供給されるように切換部213を制御する。この場合、CPU205は、スイッチ303をオンにし、スイッチ301及びスイッチ302をオフにする。この場合、本フローチャートは、S407に進む。
S407において、CPU205は、受信部204aがコマンドを受信したか否かを判定する。CPU205によって、受信部204aがコマンドを受信したと判定された場合(S407でYes)、本フローチャートは、S407からS408に進む。CPU205によって、受信部204aがコマンドを受信していないと判定された場合(S407でNo)、本フローチャートは、S407からS402に戻る。
S408において、CPU205は、受信部204aが受信したコマンドに対応する所定の処理を行う。所定の処理が行われた場合、CPU205は、受信部204aが受信したコマンドに対応する応答データを送信するように送信部204bを制御する。この場合、本フローチャートは、S402に戻る。
なお、S406の処理が行われた後、S403の処理が行われるまでの間、無線通信手段214には、第2の電力供給部212から電力が供給される。このため、第2の電力供給部212から供給される電力を用いて、無線通信手段214は、NFC規格に対応する通信を行う。
また、S403の処理が行われた後、無線通信手段214には、第1の電力供給部209から電力が供給される。このため、第1の電力供給部209から供給される電力を用いて、無線通信手段214は、NFC規格に対応する通信を行う。
なお、図5に、第1の電力供給部209から出力される電圧の特性と、第2の電力供給部212から出力される電圧の特性とを示す。横軸は、起動を開始してから経過した時間を示し、縦軸は、出力電圧を示す。501は、第1の電力供給部209から出力される電圧の特性を示す情報であり、502は、第2の電力供給部212から出力される電圧の特性を示す情報である。なお、第1の電力供給部209から出力される電圧が所定の電圧Vth以上になるまでにかかる時間は、第2の電力供給部212から出力される電圧が所定の電圧Vth以上になるまでにかかる時間よりも長くなる。
このように実施例1に係る電子機器200は、給電装置100から供給されている電力が、第1の電力供給部209及び第2の電力供給部212のいずれか一つを介して無線通信手段214に供給されるようにした。このため、電池211の残容量が無線通信手段214を動作させるための電力よりも低下した場合であっても、電子機器200は、給電装置100から供給される電力を用いて無線通信を行うことができる。
さらに、電子機器200は、第1の電力供給部209の起動が完了するまでの間、給電装置100から供給されている電力が、第2の電力供給部212から無線通信手段214に供給されるようにした。このため、第1の電力供給部209の起動が完了するのを待つことなく、電子機器200は、給電装置100から供給される電力を用いて無線通信を行うことができる。
さらに、電子機器200は、第1の電力供給部209の起動が完了した場合、給電装置100から供給されている電力が、第1の電力供給部209から無線通信手段214に供給されるようにした。このため、電子機器200は、給電装置100から供給される電力を効率良く使用することができる。
したがって、実施例1に係る電子機器200は、電池211の残容量にかかわらず、無線通信を継続して行うことができる。
なお、図4のS401〜S408の処理が行われている場合に、第1の電力供給部209から充電制御部210に電力が供給される場合、充電制御部210は、第1の電力供給部209から供給される電力を用いて、電池211の充電を行っても良いものとする。
電子機器200によって行われる所定の処理は、電池211を充電するための処理であってもよく、撮影に関する処理であってもよく、再生に関する処理であってもよく、通話に関する処理であってもよい。また、電子機器200によって行われる所定の処理は、メールの伝送に関する処理であってもよく、NFC規格に対応する無線通信を用いて特定のサービスを提供するための処理であってもよい。
なお、図4の切換処理は、第1の電力供給部209から無線通信手段214に電力が供給されるように切換部213が制御された後であっても、CPU205によって再び行われるようにしてもよい。例えば、給電装置100から電子機器200に供給される電力が第1の電力供給部209を動作させるための電力よりも低下した場合、CPU205は、図4の切換処理を行うようにする。この場合、給電装置100から電子機器200に供給される電力が第1の電力供給部209を動作させるための電力よりも低下した場合であっても、無線通信手段214には、第2の電力供給部212から電力が供給される。このため、電子機器200は、給電装置100から電子機器200に供給される電力が低下した場合であっても、無線通信を継続して行うことができる。
[実施例2]
実施例2において、実施例1と共通する部分については、その説明を省略し、実施例1と異なる部分について説明する。
次に、実施例2において、電子機器200によって行われる切換処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。図6の切換処理は、CPU205がROM206に格納されているコンピュータプログラムを実行することにより実現することができる。
なお、図6のS601、S603〜S606及びS610〜S612は、図4のS401〜S408と共通する処理を行うため、説明を省略する。
S601において、CPU205によって、給電装置100から受け取った電力が所定値A以上であると判定された場合(S601でYes)、本フローチャートは、S601からS602に進む。
S602において、CPU205は、第2の電力供給部212の起動が完了したか否かを判定する。CPU205によって、第2の電力供給部212の起動が完了したと判定された場合(S602でYes)、本フローチャートはS602からS603に進む。CPU205によって、第2の電力供給部212の起動が完了していないと判定された場合(S602でNo)、本フローチャートはS602からS607に進む。
例えば、CPU205は、第2の電力供給部212から出力される電圧に応じて、第2の電力供給部212の起動が完了したか否かを判定する。この場合、第2の電力供給部212から出力される電圧が所定の電圧Vth以上であると判定された場合、CPU205は、第2の電力供給部212の起動が完了したと判定する。第2の電力供給部212から出力される電圧が所定の電圧Vth以上でないと判定された場合、CPU205は、第2の電力供給部212の起動が完了していないと判定する。
また、例えば、CPU205は、経過時間に応じて、第2の電力供給部212の起動が完了したか否かを判定する。この場合、経過時間が第2の時間Tth2以上であると判定された場合、CPU205は、第2の電力供給部212の起動が完了したと判定する。経過時間が第2の時間Tth2以上でないと判定された場合、CPU205は、第2の電力供給部212の起動が完了していないと判定する。なお、第2の時間Tth2は、第1の時間Tth2よりも短い。
S607において、CPU205は、電池211から無線通信手段214に電力が供給されるように切換部213を制御する。この場合、CPU205は、スイッチ302をオンにし、スイッチ301及びスイッチ303をオフにする。この場合、本フローチャートは、S608に進む。
S608において、CPU205は、受信部204aがコマンドを受信したか否かを判定する。CPU205によって、受信部204aがコマンドを受信したと判定された場合(S608でYes)、本フローチャートは、S608からS609に進む。CPU205によって、受信部204aがコマンドを受信していないと判定された場合(S608でNo)、本フローチャートは、S608からS602に戻る。
S609において、CPU205は、受信部204aが受信したコマンドに対応する所定の処理を行う。所定の処理が行われた場合、CPU205は、受信部204aが受信したコマンドに対応する応答データを送信するように送信部204bを制御する。この場合、本フローチャートは、S602に戻る。
なお、S607の処理が行われた後からS604及びS610のいずれか一つが行われるまでの間、無線通信手段214には、電池211から電力が供給される。このため、電池211から供給される電力を用いて、無線通信手段214は、NFC規格に対応する通信を行う。
また、S604が行われた後、無線通信手段214には、第1の電力供給部209から電力が供給される。このため、第1の電力供給部209から供給される電力を用いて、無線通信手段214は、NFC規格に対応する通信を行う。
なお、S610が行われた後、S604の処理が行われるまでの間、無線通信手段214には、第2の電力供給部212から電力が供給される。このため、第2の電力供給部212から供給される電力を用いて、無線通信手段214は、NFC規格に対応する通信を行う。
なお、図7に、第1の電力供給部209から出力される電圧の特性と、第2の電力供給部212から出力される電圧の特性と、電池211から出力される電圧の特性とを示す。横軸は、起動を開始してから経過した時間を示し、縦軸は、出力電圧を示す。601は、電池211から出力される電圧の特性を示す情報である。
なお、第1の電力供給部209の出力電圧と比較される所定の電圧Vthは、第2の電力供給部212の出力電圧と比較される所定の電圧Vthと同一の値であってもよく、異なる値であってもよいものとする。
なお、実施例2に係る電子機器200は、実施例1において説明された処理や構成と共通する箇所については、実施例1と同様の効果を有するものとする。
さらに、実施例2に係る電子機器200は、第2の電力供給部212の起動が完了するまでの間、電池211から供給される電力が無線通信手段214に供給されるようにした。このため、電子機器200は、第2の電力供給部212の起動が完了するのを待つことなく、電池211を用いて無線通信を行うことができる。
なお、S607において、CPU205は、電池211から無線通信手段214に電力が供給されるように切換部213を制御するようにしたが、これに限られないものとする。例えば、S601が行われる前に、CPU205は、電池211から無線通信手段214に電力が供給されるように切換部213を制御するようにしてもよい。
なお、図6のS604〜S606の処理が行われている場合に、第1の電力供給部209から充電制御部210に電力が供給される場合、充電制御部210は、第1の電力供給部209から供給される電力を用いて、電池211の充電を行っても良い。また、図6のS610〜S612の処理が行われている場合に、第1の電力供給部209から充電制御部210に電力が供給される場合、充電制御部210は、第1の電力供給部209から供給される電力を用いて、電池211の充電を行っても良い。
なお、図6の切換処理は、第1の電力供給部209から無線通信手段214に電力が供給されるように切換部213が制御された後であっても、CPU205によって再び行われるようにしてもよい。例えば、給電装置100から電子機器200に供給される電力が第1の電力供給部209を動作させるための電力よりも低下した場合、CPU205は、図6の切換処理を行うようにする。この場合、給電装置100から電子機器200に供給される電力が第1の電力供給部209を動作させるための電力よりも低下した場合であっても、無線通信手段214には、第2の電力供給部212から電力が供給される。このため、電子機器200は、給電装置100から電子機器200に供給される電力が低下した場合であっても、無線通信を継続して行うことができる。
なお、実施例1及び2において、NFC規格に対応する通信を行うための手段に、整合回路202、CPU205及び通信部204が含まれるものとして説明を行った。しかし、これに限られないものとする。例えば、NFC規格に対応する通信を行うための手段に、CPU205、通信部204及び整合回路202以外の手段が含まれていてもよいものとする。
なお、CPU205は、電池211の残容量が所定の残容量以上である場合、実施例2において説明された図6の切換処理を行うようにし、電池211の残容量が所定の残容量以上でない場合、実施例1において説明された図4の切換処理を行うようにしてもよい。
実施例1及び2おいて、無線通信手段214は、NFC規格に対応する無線通信を行うものとしたが、これに限られないものとする。例えば、無線通信手段214がRFID(Radio Frequency IDentification)等のISO/IEC 18092規格やTransfer Jet(登録商標)の規格に対応する無線通信を行うものであっても良いものとする。また、例えば、無線通信手段214がMIFARE(登録商標)の規格やFelica(登録商標)の規格に対応する無線通信を行っても良いものとする。
実施例1及び2において、第1の電力供給部209は、DC−DCコンバータを含むものとしたが、これに限られないものとする。例えば、第1の電力供給部209は、スイッチングレギュレータを含むものであってもよく、DC−DCコンバータ以外の電力変換回路を含むものであってもよい。また、例えば、第1の電力供給部209は、電力の変換効率が高い電力変換回路であれば、スイッチングレギュレータ及びDC−DCコンバータ以外の電力変換回路であってもよい。
実施例1及び2において、第2の電力供給部212は、低ドロップアウトレギュレータを含むものとしたが、これに限られないものとする。例えば、第2の電力供給部212は、シリーズレギュレータやリニアレギュレータを含むものであってもよく、低ドロップアウトレギュレータ以外の電力変換回路を含むものであってもよい。また、例えば、第2の電力供給部212は、起動が第1の電力供給部212よりも速いものであれば、シリーズレギュレータ及びリニアレギュレータ以外の電力変換回路であってもよい。
電子機器は、無線通信を行うための通信手段と、第1の電力供給手段と、前記第1の電力供給手段と異なる第2の電力供給手段と、給電装置から無線で受け取った電力が所定値以上である場合で、前記第1の電力供給手段の起動が完了していない場合に、前記給電装置から受け取る電力が前記第2の電力供給手段を用いて、前記通信手段に供給されるようにするに制御手段とを有する。
(他の実施例)
本発明に係る電子機器200は、実施例1及び2で説明した電子機器200に限定されるものではない。例えば、本発明に係る電子機器200は、複数の装置から構成されるシステムにより実現することも可能である。
また、実施例1及び2で説明した様々な処理及び機能は、コンピュータプログラムにより実現することも可能である。この場合、本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ(CPU等を含む)で実行可能であり、実施例1及び2で説明した様々な機能を実現することになる。
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ上で稼動しているOS(Operating System)などを利用して、実施例1及び2で説明した様々な処理及び機能を実現してもよいことは言うまでもない。
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体から読み出され、コンピュータで実行されることになる。コンピュータ読取可能な記録媒体には、ハードディスク装置、光ディスク、CD−ROM、CD−R、メモリカード、ROM等を用いることができる。また、本発明に係るコンピュータプログラムは、通信インターフェースを介して外部装置からコンピュータに提供され、当該コンピュータで実行されるようにしてもよい。