JP2011130696A - マルトデキストリンの製造方法 - Google Patents

マルトデキストリンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低DE、低老化性、低浸透圧のDE10〜20のマルトデキストリンの工業的な製造法の提供。
【解決手段】澱粉のスラリーを酸度4.0以下の低酸度下で、高温のジェットクッキングをして加熱液化する。こうして得た液化液にαアミラーゼを作用させ、DE10〜20で反応を停止する工程を経て、低DE・低浸透圧で、且つ、低老化性の液状マルトデキストリンを調製する。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐老化性が改善されたマルトデキストリンの製造方法に関する。
マルトデキストリンは、従来から、調味料、スープの素などの粉末食品等に用いられているが、近年、流動食、嚥下補助食品などに使用され、より低甘味、低浸透圧のもの、すなわち、相対的にDE(DExtrose Equivalent:Wilstatter Schudel法による。以下同じ。)の低いもの(DE10〜20)が要望されている。
「マルトデキストリン」とは、酵素分解法によって、デンプンから製造されるものである。マルトデキストリンの一般的な製造方法で製造した分解度の低いマルトデキストリン(DE10〜20)は、高濃度に濃縮し、冷却、保存した場合、曇りや白い濁りを生ずる、いわゆる「老化」と称する性質がある。このため、当該マルトデキストリンを食品などに使用した場合、透明な製品では品質を損ない、また、液状での流通の阻害要因ともなっていた。
このような老化性の問題点を解決するために、原料デンプンにデンプンとしては特殊な糯(モチ)種デンプンを用いたり、老化しない高DE(DE23〜45)のマルトデキストリンを原料として、特殊な分離樹脂や膜により低分子部分を分画除去したりする方法(特許文献1、2)や、特殊な酵素により糯種デンプンと同じように分岐を増やす方法(特許文献3)もあるが、いずれもコスト高となる。
一方、一般的な粳(ウルチ)種デンプンを用い、二段階酵素液化する方法により耐老化性を改良した例(特許文献4・5)もある。
しかし、液状での流通が可能となるような条件、たとえば二段階酵素液化する方法で得たマルトデキストリンを、微生物汚染を防止するため高濃度に濃縮して、常温で、長期保存するような条件では、曇りや濁りを生じてしまい、老化することが分かった(比較例1参照)。
液状での流通は、粉末化のエネルギーコストや、再度溶解する手間が不要であり、このため、液状での流通が可能な分解度の低いマルトデキストリン(DE10〜20)が望まれていた。
なお、特許文献6には、本発明と同様に酸(HCl)を添加して液化液を調製後、αアミラーゼによる酵素分解工程を経て、マルトデキストリンを製造する方法が記載されているが、酸の添加量が多量で、高酸度(8〜25)の条件下で行なうものであり、本発明の加熱分解工程を開示ないし示唆するものではない。
即ち、高酸度で加熱分解(液化)すると、ランダムな分解なため、重合度(分子量)分布が広がって、本発明と同様なDEの場合、老化性が高くなるものと推定される。
特開昭61−205494号公報 特開2000−1502号公報 特開2008−222822号公報 特公昭53−12984号公報 特表2008−517599号公報 米国特許3,663,369号明細書
本発明の目的は、耐老化性が改善され、液状での流通が可能な分解度の低いマルトデキストリン(DE10〜20)の製造方法を提供することを目的(課題)とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意開発に努力をした結果、下記構成のマルトデキストリンの製造方法に想到した。
製品DE10〜20のマルトデキストリンを製造する方法であって、
1)デンプンスラリーを酸度4.0以下に調整後、加熱分解して製品DEの約1/3以下のDEの液化液を調製する加熱分解工程、及び、
2)該液化液にαアミラーゼ(酵素)を添加して酵素活性に適したpH・加熱条件で製品DEになるまで酵素分解後、酵素失活させる一段型酵素分解工程、
を経ることを特徴とする。
上記2)の一段型酵素分解工程は、下記2´)の二段型酵素分解工程に置き換えることも可能である。
2´)該液化液に耐熱性のαアミラーゼを添加し、酵素活性に適したpH・加熱条件で製品DEの約2/3以下になるまで一次酵素分解後、耐熱性又は非耐熱性のαアミラーゼを添加して酵素活性に適したpH・加熱条件(但し、温度は一次酵素分解より低いものとする。)で製品DEになるまで二次酵素分解後、酵素失活させる二段型酵素分解工程。
本発明のマルトデキストリンの製造方法により、耐老化性が改善されたDE10〜20のマルトデキストリンの製造が可能となる。
また、液状での流通が可能となり、該液状マルトデキストリンをそのまま乾燥粉末化基材として用いたり、噴射造粒等の原料とすることができ、再度溶解する手間が不要である。
このため、調味料、スープの素などの粉末食品等や、流動食、嚥下補助食品などに好適な、より低甘味、低浸透圧のマルトデキストリンを経済的にも低コストで提供することができる。
なお、上記二段型酵素分解とした場合は、高温で酵素分解する場合に比して、着色が抑制でき、さらには、耐老化性に優れたものを得やすい。
以下、本発明を具体的に説明する。以下の説明で、配合単位を示す「%」は、特に断らない限り、「質量%」を意味する。
本発明の一実施形態は、前述の如く、1)デンプンスラリーを酸度4.0以下に調整後、加熱分解して製品DEの約1/3以下のDEの液化液を調製する加熱分解工程、及び、2)該液化液にαアミラーゼ酵素を添加して酵素活性に適したpH・加熱条件で製品DEになるまで酵素分解後、酵素失活させる一段型酵素分解工程、
を経てDE10〜20のマルトデキストリンを製造するものである。
具体的には下記の通りである。
1)加熱分解(加熱液化)工程
デンプンスラリーを中性乃至酸性条件化で加熱分解して製品DEの約1/3以下のDEの液化液を調製するものである。
ここで、原料デンプンとしては、穀類および地下茎、粳(ウルチ)種および糯(モチ)種のいずれの起源由来でもよい。たとえば、普通種、ワキシー種、ハイアミロース種、白色種、黄色種、デント種、フリント種など種々のトウモロコシ、ジャガイモ、コムギ、コメ、サゴ、タピオカ、モロコシ、サツマイモなどを起源とするデンプン、又はそれらの混合物である。これらの内で、粳種デンプンが、安価に大量入手し易くて望ましい。
デンプンスラリーの固形分は、10〜50%、さらには15〜40%が望ましい。
また、酸度は、酸無添加の0でもよい。通常、微量の酸(スラリー100gに対してHCl(1M)0.2〜4.0mL相当量)を添加して、酸度0.2〜4.0、さらには、0.5〜3.5、よりさらには0.5〜3.0とすることが望ましい。
ここで、酸度とは、デンプンスラリーを固形分が20%になるように希釈した100gの試料(固形分含量:20g)を標準液(NaOH:0.1M)で中和滴定したときの標準液滴下量(mL)を数値で無単位表示したものである。スラリーを酸度で規定したのは、スラリーのような不均一系分散液の場合は、pH表示に比して酸含有量を正確に反映するためである。pHの場合は緩衝作用を有する溶液の場合、酸含有量を正確に反映しない。
加熱分解(液化)は、ジェットクッカーなどの連続式液化装置を用いて行なうことが望ましい。バッチ式では均一分解が困難で、広い範囲の重合度(分子量)のものが生成して、老化しやすい。
ここで、「ジェットクッカー」とは、デンプンスラリーをスチームジェットと直接にノズル混合し、瞬時に加熱すると同時に、急速に膨潤するデンプンをミキシングする機構を備えた曲折パイプ状の連続加熱処理装置のことである。
その加熱条件は、120〜180℃×1〜30minが、さらには、140〜170℃×1〜30minが望ましい。これらの範囲は、下限値近傍相互および上限値近傍相互の組合わせも含む。
調製液化液のDEは、DE0.5〜7.0、さらにはDE1.0〜5.0とすることが望ましい。
なお、従来の特許文献4・5に記載の二段酵素液化方法では、αアミラーゼ酵素を添加して液化しているが、本発明では第一段の液化を、αアミラーゼ酵素を添加せずに、低酸度(酸度4.0以下)下で高温加熱して加熱分解することにより、耐老化性を改善している。
即ち、この第一段の分解工程で、低酸度での高温加熱により、デンプンのミセルを完全に開かせた後、次の第二段の工程で、αアミラーゼ酵素を作用させることで、デンプンの均一な分解ができ耐老化性が向上すると推定される。
2)一段型酵素分解工程:
上記加熱分解工程で調製した液化液にαアミラーゼ酵素を添加して酵素活性に適したpH・加熱条件で製品DEになるまで酵素分解後、酵素失活させるものである。
αアミラーゼは、好適な例としては、ノボザイム社から「ターマミル」の登録商標や、大和化成社から「クライスターゼ」の登録商標の各シリーズで製造・販売されているもののうち、耐熱性タイプが望ましい。
特に耐老化性が向上する望ましいものとしては、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)および/またはその変異型由来のαアミラーゼ(耐熱性タイプ)があり、この例としては、ノボザイム社の「ターマミルSC」がある。
酵素添加量は、酵素活性によるが、たとえば乾燥重量基準でデンプン100%に対して約0.001〜0.5%、さらには、0.005〜0.1%の範囲が望ましい。
ここで、液化液のpHは、用いるαアミラーゼの酵素活性に適したpH付近、例えば、アルカリ(例えば、NaOH:1M、以下同じ)でpH5.0〜7.0に、さらにはpH5.0〜6.5に調整することが望ましい。また、用いるαアミラーゼがCaを必要とるのであれば、カルシウム化合物(例えばCaCl2)を添加する。
なお、酵素分解に際しての加熱条件は、酵素添加量によるが、60〜115℃×30〜2400minが好ましい。
また、製品DEは10〜20の範囲から適宜、選択できるが、通常、DE12〜17とすることが望ましい。マルトデキストリンの品質安定性と製造の容易さとのバランスからである。
DEが高すぎると甘味度、浸透圧が高くなり流動食などに適さなくなり、また、低すぎると保存中に老化が生じやすくなる。
また、酵素の失活は、酵素の種類によるが、例えば、塩酸(HCl:1M)等を添加して、pH2.5〜4.5に調整後、80〜120℃×1〜120minの加熱条件で行なう。
2´)二段型酵素分解工程
該加熱分解液化液に耐熱性のαアミラーゼを添加し、酵素活性に適したpH・加熱条件で製品DEの約2/3以下になるまで一次酵素分解後、耐熱性又は非耐熱性のαアミラーゼを添加して酵素活性のpH・加熱条件で製品DEになるまで二次酵素分解後、酵素失活させるものである。
ここで、一次酵素分解に用いる耐熱性のαアミラーゼは、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)および/またはその変異型由来のαアミラーゼを用いることが望ましい。
また、一次酵素分解の酵素活性に適したpH・加熱条件は、耐熱性αアミラーゼの種類により異なるが、上記耐熱性αアミラーゼの場合、pH4.0〜7.5(望ましくはpH5.0〜6.5)、80〜115℃×10〜300minとする。
また、一次酵素分解は、通常、DEが3〜10、望ましくはDEが4〜8になるまで行う。
上記二次酵素分解の酵素活性に適したpH・加熱条件は、耐熱性又は非耐熱性αアミラーゼの種類によるが、pH4.5〜8.0(pH5.5〜7.0)、即ち、50〜90℃×30〜2400min(但し、一次酵素分解より低い温度)とする。
また、二次酵素分解は、一段型酵素分解工程におけるものと同様の製品DEになるまで行う。
なお、各酵素失活は、一段型酵素分解工程におけるのと同様の条件で行なう。
ここで、前記の全ての工程を、連続反応槽工程とすることが望ましいが、バッチ反応槽工程としてもよい。
バッチ反応槽工程で行なう場合は、一次酵素分解後、酵素失活させることが必要である。一次酵素分解が進んで所定値以上のDEになってしまうおそれがあるためである。連続反応槽工程で行なう場合は、生産性の観点から酵素失活させずに行なうことも可能であるが、耐老化性向上の観点からは、一旦、酵素失活させることが望ましい。二次酵素分解における均一反応が促進されて、耐老化性の向上が期待できる。
得られた製品DEの液状マルトデキストリンは、さらに、ろ過、活性炭、イオン交換樹脂などによる精製を行い、ロータリエバポレータ等により濃縮して固形分50〜85%とすることができる。ここで、液状とは、水飴状(水和状態で流動性を示す。)を含む概念である。
また、乾燥粉末化することもできる。また、よりDEの低いマルトデキストリンを得るための、先行技術の特許文献1,2の原料とすれば、マルトデキストリンの収率も高めることもできる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
DEの測定方法は、ウィルシュテッター・シューデル(Wilstatter Schudel)法により、該測定方法は、ブドウトウJAS検査法に記載されている。
なお、使用したコーンスターチおよび酵素は下記の通りである。
・コーンスターチ:粳種のトウモロコシ由来のコーンスターチ(日本コーンスターチ株式会社製、水分12.4%)
・「ターマミルSC」:ノボザイム社製のバチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)由来の耐熱性のαアミラーゼ
・「ターマミルL」:ノボザイム社製のバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)中耐熱性のαアミラーゼ
<実施例1>
コーンスターチ10kgに20kgの水を加えて混合し固形分29.2%のスラリーを調製し、HCl(1M)で酸度2.9に調整した。次に、これをジェットクッカーに通して145℃×5minの加熱条件で加熱分解(液化)し、DE4.0とした。
この液化液の1kgにCaCl20.3gを加え、NaOH(1M)でpH6.0に調整し、「ターマミルSC」を0.15g添加し、95℃×600minの加熱条件で反応させ、DE16.5とした。
これにHCl(1M)を加えてpH3.0に調整し、95℃×5minの加熱条件で酵素を失活させ反応を停止した。
こうして調製した酵素分解液を、珪藻土によりろ過し、活性炭処理、イオン交換樹脂による精製後、ロータリエバポレータにより濃縮を行い、固形分75%の液状のマルトデキストリンを得た。
<実施例2>
実施例1と同じスラリーを調製しHCl(1M)で酸度1.8に調整した。次に、これをジェットクッカーに通して165℃×5minの加熱条件で5分間熱分解(液化)し、DE2.5の液化液を調製した。
この液化液の1kgにCaCl20.3gを加え、NaOH(1M)でpH6.0に調整し、「ターマミルSC」を0.09g添加し、95℃×480minの加熱条件で反応させ、DE14.5とした。
こうして調製した酵素分解液を、実施例1と同様にして、酵素を失活させた後、精製・濃縮を行い固形分75%の液状マルトデキストリンを得た。
<実施例3>
コーンスターチ10kgに25kgの水を加えて混合し固形分25.0%のスラリーを調製し、HCl(1M)で酸度0.8に調整した。次に、これをジェットクッカーに通して168℃×8minの加熱条件で熱分解(液化)し、DE2.5の液化液を調製した。
この液化液の1kgにCaCl20.3gを加え、NaOH(1M)でpH6.0に調整し、「ターマミルSC」を0.15g添加し、95℃×480minの加熱条件で反応させ、DE13.7とした。
これにHCl(1M)を加えてpH3.0に調整し、95℃×5minの加熱条件で酵素を失活させ反応を停止した。
こうして調製した酵素分解液を、実施例1と同様にして、精製・濃縮を行い、固形分75%の液状マルトデキストリンを得た。
<実施例4>
コーンスターチ10kgに21.5kgの水を加えて混合し固形分27.8%のスラリーを調製し、HCl(1M)で酸度0.9に調整した。次に、これをジェットクッカーに通して168℃×5minの加熱条件で加熱分解(液化)し、DE1.5の液化液を調製した。
この液化液の1kgにCaCl20.3gを加え、NaOH(1M)でpH6.0に調整し、「ターマミルSC」を0.05g添加し、95℃×120minの加熱条件で反応させ、DE7.5とした。
これにHCl(1M)でpH3.0に調整し、95℃×5minの加熱条件で酵素を失活させ反応を停止した。
その後、NaOH(1M)でpH6.2に調整し、再度、「ターマミルL」0.09gを添加し、75℃×480minの加熱条件で反応させ、DE13.9とした。これにHCl(1M)を加えてpH3.0に調整し、85℃×5minの加熱条件で酵素を失活させ反応を停止した。
こうして調製した酵素分解液を、実施例1と同様にして、精製・濃縮を行い固形分75%の液状マルトデキストリンを得た。
<比較例1>
コーンスターチ10kgに20kgの水を加えて混合し固形分29.2%のスラリーを調製し、該スラリーにCaCl2:9gを加えて、pH5.5に調整し、「ターマミルSC」を0.5g添加し、混合した。
次に、これをジェットクッカーに通して110℃×5minの加熱条件で加熱分解(液化)し、DE5.3の液化液を調製した。
この液化液の1kgをNaOH(1M)でpH6.0に調整し、「ターマミルSC」を0.09g添加し、95℃×400minの加熱条件で反応させ、DE14.5とした。
これにHCl(1M)を加えてpH3.0に調整し、95℃×5minの加熱条件で酵素を失活させ反応を停止した。
こうして調製した酵素分解液を、実施例1と同様にして、精製・濃縮を行い固形分75%の液状マルトデキストリンを得た。
<評価試験>
上記で得た各液状デキストリンのDEを測定するとともに、これを密閉容器に入れて、常温にて6ヶ月間保存試験を行なった。
それらの結果を表1に示すとともに、参考のために、各実施例・比較例における主たる反応(操作)条件・途中結果を表2に示す。
表1から下記のことが分かる。
本発明の方法で製造した各実施例は、6ヶ月経過後も、曇りは勿論、白濁も見られなかった。それに対して、従来例に対応する二段酵素分解法で得た比較例の液状マルトデキストリンは、4ヶ月経過で曇りが見られ、6ヶ月経過後には白濁してしまった。
Figure 2011130696
Figure 2011130696

Claims (10)

  1. 製品DE(Dextrose Equivalent:Wilstatter Schudel法による。以下同じ。)10〜20のマルトデキストリンを製造する方法であって、
    1)デンプンスラリーを酸度4.0以下に調製後、加熱分解して製品DEの約1/3以下のDEの液化液を調製する加熱分解工程、及び、
    2)該液化液にαアミラーゼ(酵素)を添加して酵素活性に適したpH・加熱条件下で製品DEになるまで酵素分解後、酵素を失活させる一段型酵素分解工程、
    を経ることを特徴とするマルトデキストリンの製造方法。
  2. 1)前記加熱分解を、デンプンスラリーを酸度0.2〜4.0に調製後、固形分10〜50質量%である前記デンプンスラリーを120〜180℃×1〜30minの加熱条件で、DEが0.5〜7.0となるまで行ない、
    2)前記酵素分解を、前記液化液をpH5.0〜7.0に調整後、60〜115℃×30〜2400minの加熱条件で、製品DEになるまで行う、
    ことを特徴とする請求項1記載のマルトデキストリンの製造方法。
  3. 前記加熱分解を、前記デンプンスラリーを酸度0.5〜3.5に調整後に行なうことを特徴とする請求項2記載のマルトデキストリンの製造方法。
  4. 前記αアミラーゼが、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)および/またはその変異型由来であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のマルトデキストリンの製造方法。
  5. 製品DE10〜20のマルトデキストリンを製造する方法であって、
    1)デンプンスラリーを酸度4.0以下に調整後、加熱分解して製品DEの約1/3以下のDEの液化液を調製する加熱分解工程、及び、
    2)該液化液に耐熱性のαアミラーゼを添加し、酵素活性に適したpH・加熱条件で製品DEの約2/3以下になるまで一次酵素分解後、耐熱性又は非耐熱性のαアミラーゼを添加して酵素活性に適したpH・加熱条件(但し、温度は一次酵素分解より低い。)で製品DEになるまで二次酵素分解後、酵素を失活させる二段型酵素分解工程、
    を経ることを特徴とするマルトデキストリンの製造方法。
  6. 1)前記加熱分解を、固形分10〜50質量%である前記デンプンスラリーを酸度0.2〜4.0に調整後、120〜180℃×1〜30minの加熱条件で、DEが0.5〜7となるまで行ない、
    2)前記一次酵素分解を、pH4.0〜7.5に調整後、80〜115℃×10〜300minの加熱条件で、DEが3〜10となるまで行うとともに、前記二次酵素分解を、pH4.5〜8.0に調整後、50〜90℃×30〜2400minの条件で、製品DEになるまで行う、
    ことを特徴とする請求項5記載のマルトデキストリンの製造方法。
  7. 前記加熱分解を、前記デンプンスラリーを酸度0.5〜3.5に調整後行なうことを特徴とする請求項6記載のマルトデキストリンの製造方法。
  8. 前記耐熱性のαアミラーゼが、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)及び/又はその変異型由来であることを特徴とする請求項5、6又は7記載のマルトデキストリンの製造方法。
  9. 前記加熱分解を、ジェットクッカーを用いて行うことを特徴とする請求項1〜8いずれか一記載のマルトデキストリンの製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか記載の方法で製造したマルトデキストリンを精製・濃縮して固形分50〜85質量%の液状製品とすることを特徴とする液状マルトデキストリンの製造方法。
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