JP2011129454A - 放電ランプ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 放電ランプの異常点灯を早期に検出することのできる放電ランプ装置を提供すること。
【解決手段】 この放電ランプ装置は、放電ランプと、ランプ点灯状態監視機構とを具えてなり、ランプ点灯状態監視機構が、前記放電ランプのランプ電圧値を一定の微小時間間隔毎に測定し、当該ランプ電圧測定値の複数個のものが含まれる一定の長さの時間間隔を単位サンプリング期間として、当該単位サンプリング期間における複数個のランプ電圧測定値について統計的処理を行うことにより統計的特性値を取得し、当該統計的特性値を当該単位サンプリング期間における代表値として採択する代表値採択処理を順次の単位サンプリング期間毎に繰り返して行い、前記統計的特性値が設定された許容範囲を逸脱したことを検出することによりランプ異常点灯検出信号を発する機能を有する構成とされている。
【選択図】 図1

Description

本発明は放電ランプ装置に関し、特に、例えば、液晶基板や半導体ウエハの露光装置、あるいは、デジタルシネマ用プロジェクター装置に用いられる、ショートアーク型放電ランプを具えた放電ランプ装置に関する。
従来から、ショートアーク型高圧放電ランプ(以下、単に「放電ランプ」という。)は、電極間距離が短くて高輝度が得られるという利点を有することから、例えばリソグラフィーの露光装置の光源として広く用いられてきたが、近年においては、半導体ウエハのみならず、液晶基板、特に、大面積の液晶ディスプレイに用いられる液晶基板の露光用光源として注目されており、製造工程におけるスループットを高める観点から、大出力化が強く求められている。
また、デジタルシネマ用プロジェクター装置で利用されるショートアーク型キセノンランプでは、より高精細な画像を高照度で投影するため、大出力化が強く求められている。 このような放電ランプは、例えば、耐熱温度の高い石英ガラスよりなる発光管を具え、その内部に各々タングステン製の一対の電極が例えば2〜35mm程度の間隙をもって対向配置されると共に、水銀や、キセノン、アルゴンなどの希ガスが封入されて構成されている。
放電ランプの大出力化により定格消費電力が大きくなると、放電ランプに流れる電流値は、電流の設計値および電圧の設計値にもよるが、通常大きくなる。このため、電極、特に、直流点灯される場合における陽極は、電子衝突を受ける量が多くなり、容易に昇温して溶融してしまう問題が生じる。
また、例えば、垂直点灯される放電ランプにおいても同様に、上側に位置される電極が、発光管内の熱対流などの影響を受けて、アークからの熱を受けやすくなり、容易に昇温して高温化することにより溶融してしまう問題が生じる。
特に、電極の先端部分が溶融すると、アークが不安定になるばかりでなく、電極を構成する物質が蒸発して発光管の内表面に付着することにより、光出力が低下するという問題が生じる。
このような問題に対して、電極が溶融すると、電極間距離が変化してランプ電圧が変化することから、放電ランプが正常に点灯している時のランプ電圧に基づいて基準電圧を設定し、ランプ電圧が基準電圧を超えたことを検出することにより、あるいは、ランプ電圧が基準電圧を下回ったことを検出することにより、放電ランプが異常点灯していると判断する技術が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、ランプ点灯中におけるランプ電圧を基準電圧に対して比較することにより放電ランプの異常点灯を検出する方法では、例えば、放電ランプの点灯中において、発光管内の対流によってアーク位置が変化することによりランプ電圧が瞬間的に大きく変化した場合に、実際には、電極が溶融していないにかかわらず、あるいは、電極の溶融の程度が許容範囲内であるにもかかわらず、放電ランプが異常点灯していると誤認されてしまうことがあった。
さらに、直流点灯される場合における陰極に含まれるエミッター物質が枯渇することによっても、電子放射に要するランプ電圧が変化するが、この電圧変化は小さすぎるため、上記異常点灯検出方法では、エミッター物質が枯渇することによる放電ランプの異常点灯を確実に検出することができない。
一方、放電ランプにおける少なくとも一方の電極を、内部に密閉空間を形成し、この密閉空間内に、点灯時に溶融状態となる銀や銅などの伝熱体を封入した構造とすることにより、ランプ点灯時における伝熱体の対流作用や沸騰伝達作用を利用して、電極先端の熱を効率良く後部に輸送し、電極の温度上昇を抑制する技術が提案されている(特許文献2参照)。
このような特殊な構造の電極(伝熱体封入型電極)を有する放電ランプにおいては、放電ランプの点灯時に電極本体に微小な穴が開いて伝熱体が漏出することがあり、伝熱体が漏出すると、発光管の内壁に付着して放電ランプから放射される光量が低下したり、あるいは、伝熱体の封入量が減少して目的とする輸送効果が得られなくなったりするという問題がある。
伝熱体が漏れ出すことによってもランプ電圧は変化するが、伝熱体の漏出の初期段階においては、電圧変化が小さすぎるため、上記異常点灯検出方法では、放電ランプの異常点灯を確実に検出することができない。
特開2008−241876号公報 特開2004−006246号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、放電ランプの異常点灯を早期に検出することのできる放電ランプ装置を提供することを目的とする。
本発明の放電ランプ装置は、発光管の内部に、一対の電極が対向配置されてなる放電ランプと、この放電ランプの点灯状態を監視するランプ点灯状態監視機構とを具えてなり、 前記ランプ点灯状態監視機構は、前記放電ランプのランプ電圧値を一定の微小時間間隔毎に測定し、ランプ電圧測定値の複数個のものが含まれる一定の長さの時間間隔を単位サンプリング期間として、当該単位サンプリング期間における複数個のランプ電圧測定値について統計的処理を行うことにより統計的特性値を取得し、当該統計的特性値を当該単位サンプリング期間における代表値として採択する代表値採択処理
を順次の単位サンプリング期間毎に繰り返して行い、前記統計的特性値が設定された許容範囲を逸脱したことを検出することによりランプ異常点灯検出信号を発する機能を有することを特徴とする。
本発明の放電ランプ装置においては、前記ランプ電圧測定値についての統計的特性値を、標準偏差値または不偏分散値とすることができる。
また、本発明の放電ランプ装置においては、単位サンプリング期間は、単位サンプリング期間の時間間隔より短い一定の長さの時間間隔毎に順次に開始されるよう、設定されており、互いに時系列的に前後する2つの単位サンプリング期間の一部が重複していることが好ましい。
さらにまた、本発明の放電ランプ装置においては、前記放電ランプが、希ガスの封入圧力が静圧で0.2MPa以上であるもの、あるいは、少なくとも一方の電極が、電極本体の内部に当該電極本体を構成する金属よりも融点が低い金属からなる伝熱体が封入されて構成されてなるものにより構成することができる。
本発明の放電ランプ装置によれば、一定時間の単位サンプリング期間に含まれる、一定の微小時間間隔毎に測定されるランプ電圧測定値の複数個について統計的処理を行い、これにより得られる統計的特性値を当該単位サンプリング期間における代表値として採択し、当該採択された代表値である統計的特性値の変動に基づいて、放電ランプの異常点灯を検出する構成とされていることにより、ランプ電圧変動測定では現れてこない現象を検出することができるようになるので、放電ランプの異常点灯の原因である予兆的現象を確実に検出することができて放電ランプの異常点灯を早期に検出することができる。
本発明の放電ランプ装置の一例における構成の概略を示すブロック図である。 本発明の放電ランプ装置を構成する放電ランプの一例における構成の概略を示す説明図である。 単位サンプリング期間の設定方法を示す概念図である。 本発明の放電ランプ装置を構成する放電ランプの他の例における陽極の構成の概略を示す断面図である。 本発明の効果を確認するために行った実験例1における、ランプ電圧の変動曲線およびランプ電圧測定値の標準偏差値の変動曲線を示す図である。 本発明の効果を確認するために行った実験例2における、ランプ電圧の変動曲線およびランプ電圧測定値の標準偏差値の変動曲線を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の放電ランプ装置の一例における構成の概略を示すブロック図、図2は、本発明の放電ランプ装置を構成する放電ランプの一例における構成の概略を示す説明図である。
この放電ランプ装置は、放電ランプ10と、放電ランプ10の点灯状態を制御するランプ点灯状態制御機構60と、放電ランプ10の点灯状態を監視するランプ点灯状態監視機構30とを具えてなる。
放電ランプ10は、放電空間Sを形成する略球形状の発光部12と、その両端の各々に連設されて軸方向外方に伸びるロッド状の封止部13A,13Bとを有する、例えば石英ガラスよりなる発光管11を具えてなり、発光部12の内部には、陽極15および陰極16の一対の電極が対向して配置されている。ここに、陰極16には、例えばトリウムなどのエミッター物質が含有されている。
各々の封止部13A,13Bの内部には、それぞれ、例えばモリブデンよりなる導電用金属箔(図示せず)が、例えばシュリンクシールにより気密に埋設されており、陽極15および陰極16における電極軸部15A,16Aの基端部が封止部13A,13Bによって保持された状態で導電用金属箔の一端側部分に電気的に接続され、更に、この導電用金属箔の他端側部分に、基端側部分が封止部13A,13Bの外端より軸方向外方に突出して伸びるよう封止部13A,13Bによって保持されたロッド状の外部リード18A,18Bの先端部が電気的に接続されている。
発光部12の内部には、水銀や、キセノンガスやアルゴンガスなどの希ガスが封入されている。
水銀は、必要な波長、例えば365nmや405nmという放射光を得るためのもので、例えば2〜50mg/mm3 封入されている。水銀の封入量は、温度条件によっても異なるが、所望の水銀蒸気圧に応じて適宜変更することができる。
希ガスは、点灯始動性を改善するためや、必要な可視光波長、例えば400〜750nmという放射光を得るためのもので、静圧で0.2MPa以上、例えば静圧で0.2〜2MPaの封入圧力で封入されている。
この放電ランプ10は、例えば、陽極15が上方、陰極16が下方に位置されるよう、発光管11の管軸が大地に対して略垂直方向に伸びる姿勢で点灯される、いわゆる「垂直点灯型」のものである。
ランプ点灯状態制御機構60は、放電ランプ10の外部リード18A、18Bと接続される点灯電源50と、点灯電源50を制御する電源制御手段40とにより構成されている。
ランプ点灯状態監視機構30は、放電ランプ10のランプ電圧を測定する電圧測定手段32と、電圧測定手段32を一定の微小時間間隔毎に動作させる電圧測定手段制御手段31と、電圧測定手段32によって測定されたランプ電圧測定値を記録する記憶手段33と、ランプ点灯状態制御機構60における電源制御手段40および電圧測定手段制御手段31に対して動作指令信号を発する機能を有するメイン制御手段34とにより構成されている。
メイン制御手段34は、一定の微小時間間隔(以下、「単位測定時間」という。)毎に測定されるランプ電圧測定値の複数個のものが含まれる一定の長さの時間間隔を単位サンプリング期間として、当該単位サンプリング期間に含まれる複数個のランプ電圧測定値について統計的処理を行うことにより統計的特性値を取得し、当該統計的特性値を当該単位サンプリング期間における代表値として採択する代表値採択処理を、順次の単位サンプリング期間毎に繰り返して行い、取得された代表値である統計的特性値が設定された許容範囲を逸脱したことを検出することによりランプ異常点灯検出信号を発する機能をさらに有する。
単位サンプリング期間は、互いに時系列的に前後する2つの単位サンプリング期間US(m),US(m+1)が、例えば、図3(A)に示すように、先行する単位サンプリング期間US(m)が開始されてから、単位サンプリング期間の時間間隔(Ts)が経過した時点で、後続の単位サンプリング期間US(m+1)が開始されるよう、設定されていても、図3(B)に示すように、先行する単位サンプリング期間US(m)が開始されてから、単位サンプリング期間の時間間隔より短い一定の長さの時間、例えば単位測定時間(t)が経過した時点で、後続の単位サンプリング期間US(m+1)が開始されるよう設定されていてもよい。
単位サンプリング期間が、図3(A)のように設定されている場合には、単位測定時間(t)毎に測定されるランプ電圧測定値が重複しないよう連続する状態とされ、図3(B)のように設定されている場合には、先行する単位サンプリング期間US(m)および後続の単位サンプリング期間US(m+1)の一部が重複する状態(単位サンプリング期間におけるランプ電圧測定値の数がn個であるとき、(n−1)個のランプ電圧測定値が重複する状態)とされるが、高い信頼性が得られることから、図3(B)のように設定されていることが好ましい。
上記メイン制御手段34による代表値採択処理においては、例えば、単位測定時間(t)は、例えば1秒間、単位サンプリング期間の時間間隔(Ts)は、例えば3分間に設定される。
また、上記代表値採択処理において行われる統計的処理は、例えば、一の単位サンプリング期間に含まれる複数個のランプ電圧測定値の標準偏差値(σ)を、下記式(1)により算出するものである。下記式(1)において、nは、一の単位サンプリング期間におけるランプ電圧測定値の数、Viは、一の単位サンプリング期間における個々のランプ電圧測定値、Vmは、一の単位サンプリング期間におけるランプ電圧測定値の算術平均値である。
Figure 2011129454
以下、上記放電ランプ装置における放電ランプ10のランプ点灯状態監視動作について説明する。
先ず、メイン制御手段34からランプ点灯状態制御機構60における電源制御手段40に動作指令信号が発せられ、電源制御手段40によって適正な大きさに制御されたランプ電流が点灯電源50より放電ランプ10に供給されて放電ランプ10が点灯されると共に、メイン制御手段34から電圧測定手段制御手段31に動作指令信号が発せられ、電圧測定手段制御手段31によって、電圧測定手段32が動作されて一定の微小時間間隔毎、例えば1秒間の時間間隔毎にランプ電圧が順次に測定され、その検出結果が記憶手段33に記録される。
一方、メイン制御手段34においては、例えば3分間の単位サンプリング期間の間における180個のランプ電圧測定値が記憶手段33から読み出されて上記代表値採択処理が行われ、これにより得られたランプ電圧測定値についての標準偏差値が設定された許容範囲内にあるか否かの判定処理が行われ、いずれかの単位サンプリング期間における標準偏差値が許容範囲を逸脱することが検出されることにより、メイン制御手段34によって、ランプ異常点灯検出信号がランプ点灯状態制御機構60における電源制御手段40に発せられて、例えば放電ランプ10が消灯される。ここに、標準偏差値の許容範囲は、例えば0.05〜1Vに設定される。
而して、上記構成の放電ランプ装置によれば、一定の長さの時間間隔(Ts)の単位サンプリング期間に含まれる、単位測定時間(t)毎に測定されるランプ電圧測定値の複数個について統計的処理が行われ、これにより得られる標準偏差値が当該単位サンプリング期間における代表値として採択され、当該代表値である標準偏差値が設定された許容範囲を逸脱したことが検出されることにより、放電ランプの異常点灯が検出される構成とされていることにより、ランプ電圧値の極微小な変動であっても、統計的特性値である標準偏差値であれば、大きな変動として捉えることができるので、ランプ電圧値の変動測定では現れてこない、例えば、陽極15の先端が溶融して、あるいは、陰極16に含まれるエミッター物質が枯渇して、アークが揺れ始めるといった予兆的現象を、標準偏差値の変動として確実に検出することができて放電ランプ10の異常点灯を早期に検出することができる。
従って、放電ランプ10の異常点灯の原因である予兆的現象が現れているにも関わらず、放電ランプ10が継続して点灯されることによって招来される、例えば、放電ランプ10の破裂や、放電ランプ10の光量の急激な低下による照度量不足によって照射処理(露光処理)不全となるなどの事故が、生ずることを未然に防止することができる。
単位サンプリング期間が、例えば、単位サンプリング期間の時間間隔より短い一定の長さの時間間隔毎、例えば単位測定時間毎に開始されるよう設定されており、互いに時系列的に前後する2つの単位サンプリング期間US(m)、US(m+1)の一部が重複する状態とされていることにより(図3(B))、ランプ異常点灯の予兆的現象に起因する標準偏差値の変動の監視を、極めて短い時間間隔である単位測定時間(t)毎に、行うことができるので、ランプ異常点灯の予兆的現象を確実に検出することができる。
本発明は、少なくとも一方の電極が、電極本体の内部に形成された密閉空間内に、点灯時に溶融状態となる銀や銅などの伝熱体が封入されてなる放電ランプの異常点灯を検出することにも適用することができる。
以下、このような放電ランプにおける電極の構成について説明するが、放電ランプの基本的構成は、図2に示すものと同一であって、例えば、陽極15が電極本体の内部に伝熱体が封入されてなる構造のもの(伝熱体封入型電極)により構成されている。
図4は、本発明の放電ランプ装置を構成する放電ランプの他の例における陽極の構成の概略を示す断面図である。
この陽極15は、高融点金属、もしくは、高融点金属を主成分とする合金からなる電極本体20の内部に伝熱体Mが封入されて構成されている。
電極本体20は、蓋部材21と、電極本体20の主体をなす容器部材22とにより構成されており、容器部材22の先端部分220が陰極16の先端と対向し、ランプ点灯中において、アーク放電に曝される部位を構成している。
蓋部材21は、電極軸部15Aが取り付けられる挿入穴213が形成された円錐台部212と、円錐台部212の先端側の面に連続する、円錐台部212の先端部の外径より小径の円柱部211とを有し、蓋部材21の円柱部211が有底筒状体の容器部材22の開口縁部に嵌入されて円錐台部212の先端側の面と容器部材22の開口端面とが密接状態とされて例えば溶接により外周部が固定されており、これにより、伝熱体Mが封入される密閉空間Cが形成されている。
電極本体20を構成する高融点金属としては、例えば、タングステン、レニウム、タンタルなどの融点が3000(K)以上のものを例示することができる。特に、タングステンは、伝熱体Mと反応しにくい点で好ましく、さらに、純度99.9%以上のいわゆる純タングステンが好ましい。また、電極本体20を構成する金属としてレニウムを採用した場合には、ハロゲンを封入した水銀ランプやメタルハライドランプの長寿命化を図ることができる。
また、高融点金属を主成分とする合金としては、例えば、タングステンを主成分とするタングステン−レニウム合金を例示することができる。このような高融点金属を主成分とする合金が採用されることにより、高温時の繰り返し応力に対する耐性が高いものとなり、電極の長寿命化を図ることができる。
伝熱体Mは、電極本体20を構成する金属より融点の低い金属であり、また、電極本体20を構成する金属よりも熱伝導率が高い金属により構成されている。
具体的には、電極本体20の構成材料としてタングステンを用いた場合は、伝熱体Mとして、金、銀、銅、あるいはこれらを主成分とする合金を採用することができる。これら、金、銀、銅は、タングステンと合金を作らないので、安定的に熱輸送体として働くという意味においても望ましい金属とされる。このうち、金は高価であるために、銀、銅が実用上好ましい材料である。
上述したように、伝熱体Mが電極本体20の内部に封入されてなる陽極15を具えた放電ランプ10においては、放電ランプ10の点灯中において伝熱体Mが漏出すると、発光管11の内壁に付着して放電ランプ10から放射される光量が低下したり、あるいは、伝熱体Mの封入量が減少して目的とする輸送効果が得られなくなったりする、という問題が生ずるが、伝熱体Mが漏出し始めるという、ランプ異常点灯の予兆的現象を、ランプ電圧測定値の標準偏差値の変動として捉えることにより、予兆的現象を確実に検出することができて放電ランプ10の異常点灯を早期に検出することができる。
従って、放電ランプ10の異常点灯の原因である予兆的現象(伝熱体が漏出し始めたこと)が現れているにも関わらず、放電ランプ10が継続して点灯されることによって招来される、例えば放電ランプ10の光量の急激な低下による照度量不足によって照射処理(露光処理)不全となるなどの事故が生ずることを未然に防止することができる。
以下、本発明の効果を確認するために行った実験例について説明する。
<実験例1>
水銀の封入量が6mg/mm3 、アルゴンガスの封入量が0.2MPa、電極間距離が9mmである試験用の放電ランプを作製し、この放電ランプを、ランプ入力電力を6.5kWとして垂直点灯方式で連続点灯させる点灯試験を行った。
ランプ点灯中においては、ランプ電圧値を1秒間の時間間隔毎に測定し、単位サンプリング期間を3分間として、一の単位サンプリング期間に含まれる180個のランプ電圧測定値について統計的処理を行うことにより標準偏差値を取得した。ここに、単位サンプリング期間は、1秒間の時間間隔毎に順次に開始されるよう設定し、互いに時系列的に前後する2つの単位サンプリング期間の一部が重複する状態とした。また、波長365nmの光の照度をモニタリングした。
ランプ電圧測定値の変動曲線を図5において曲線(A)で示すと共に、ランプ電圧測定値の標準偏差値の変動曲線を図5において曲線(B)で示す。なお、図5における横軸は放電ランプの点灯開始からの経過時間(時間)である。
図5における曲線(A)から明らかなように、放電ランプの点灯後においては、極めて短時間で、所定のランプ電圧値に収束し、正常点灯中においては、ランプ電圧測定値が許容範囲内で変動していることが理解される。そして、放電ランプ点灯後、1350時間が経過した時点(α1)以降においては、ランプ電圧測定値の振動形態が変化する現象が生じているが、ランプ電圧測定値の振れ幅は、例えば1V以内であって、依然として、ランプ電圧測定値の変動は極めて小さいものである。
しかしながら、実際には、放電ランプ点灯後、1350時間が経過した時点(α1)においてアークが揺れ始め、1650時間が経過した時点(α2)で、放電ランプの照度維持率が急激に低下する現象が確認された。このような現象が生じた理由は、電極の先端が許容範囲を超えて溶融して損耗したこと、あるいは、陰極に含まれるエミッター物質が枯渇したことから、アークが揺れ始め、その後、100〜200時間程度で陽極が損傷したものと考えられる。
然るに、ランプ電圧測定値の変動測定においては、例えば、発光管内のガスの対流によって引き起こされるガス密度の擾乱が生じた場合や、明け方と日中の気温の差などによってランプの冷却条件が変化した場合に、ランプ電圧測定値が0.5V程度の変動を生ずることがあり、この変動を放電ランプの異常点灯による変動と誤認して検出することを防止するという理由から、ランプ電圧測定値の振れ幅の許容範囲は上記点灯条件においては例えば0.5Vより大きく設定せざるを得ず、従って、放電ランプの異常点灯の予兆的現象は、検出することはできない。
これに対して、ランプ電圧測定値の標準偏差値の変動曲線(B)においては、ランプ電圧測定値の変動曲線(A)では現れなかった、放電ランプ点灯後、1350時間が経過した時点(α1)においてアークが揺れ始めるランプ異常点灯の予兆的現象が標準偏差値の変動として顕著に現れること、すなわち、点灯初期時において0.03V程度であった標準偏差値が急激に増加して、1650時間が経過した時点(α2)においては0.08Vに達することが確認された。
従って、ランプ電圧測定値についての標準偏差値が許容範囲を逸脱したこと、具体的には、標準偏差値が例えば0.08Vを超えたことを検出することにより放電ランプの異常点灯の予兆的現象が生じているものと判断し、例えば、放電ランプを放電ランプ点灯後1600時間が経過した時点で消灯させることにより、放電ランプの異常点灯の原因である予兆的現象が現れているにも関わらず、放電ランプが継続して点灯されることによって招来される、例えば放電ランプの破裂や、放電ランプの光量の急激な低下による照度量不足によって照射処理(露光処理)不全となるなどの事故が、生ずることを未然に防止することができる。
<実験例2>
水銀の封入量が6mg/mm3 、アルゴンガスの封入量が0.3MPa、電極間距離が10mmである、陽極を伝熱体封入型電極(図4)により構成した試験用の放電ランプを作製し、この放電ランプを、ランプ入力電力を8kWとして垂直点灯方式で連続点灯させる点灯試験を行った。陽極における電極本体の材質がタングステン、肉厚が4.5mmであり、伝熱体の材質が銀である。
ランプ点灯中においては、ランプ電圧値を1秒間の時間間隔毎に測定し、単位サンプリング期間の時間間隔を3分間として、一の単位サンプリング期間に含まれる180個のランプ電圧測定値について統計的処理を行うことにより標準偏差値を取得した。ここに、単位サンプリング期間は、1秒間の時間間隔毎に順次に開始されて、互いに時系列的に前後する2つの単位サンプリング期間の一部が重複する状態(179個のランプ電圧測定値が重複する状態)で、設定した。また、波長365nmの光の照度をモニタリングした。
ランプ電圧測定値の変動曲線を図6において曲線(A)で示すと共に、ランプ電圧測定値の標準偏差値の変動曲線を図6において曲線(B)で示す。なお、図6における横軸は伝熱体が漏出し始めてからの経過時間(時間)である。
図6における曲線(A)から明らかなように、伝熱体が漏出し始めた時点(0分)において、ランプ電圧測定値の振動形態が変化する現象が生じているが、ランプ電圧測定値の振れ幅は、例えば1V以内であって、依然として、ランプ電圧測定値の変動は極めて小さいものである。
そして、伝熱体が漏出し始めた時点から6時間30分の時間が経過した時点(β2)においてランプ電圧測定値が急激に上昇しており、伝熱体の漏れ量が急激に増加したものと考えられるが、ランプ電圧測定値の変動測定では、このような現象が検出されるまで、伝熱体の漏出による放電ランプの異常点灯を検出することはできない。
これに対して、ランプ電圧測定値の標準偏差値の変動曲線(B)においては、ランプ電圧測定値の変動曲線(A)では現れなかった、伝熱体が漏出し始めるランプ異常点灯の予兆的現象が標準偏差値の変動として顕著に現れること、すなわち、伝熱体が漏出し始めた時点から1時間が経過するまでの間に、0.05V程度で安定していた標準偏差値(σ)が急激に増加して例えば0.2Vを超えるピーク(P1)が現れることが確認された。
従って、ランプ電圧測定値についての標準偏差値が許容範囲を逸脱したこと、具体的には、標準偏差値が例えば0.1Vを超えたことを検出することにより放電ランプの異常点灯の予兆的現象が生じているものと判断し、例えば、放電ランプを伝熱体が漏出し始めた時点から20分間が経過して時点(β1、ランプ電圧値の標準偏差値が0.1V)で、消灯させることにより、放電ランプの異常点灯の原因である予兆的現象が現れているにも関わらず、放電ランプが継続して点灯されることによって招来される、例えば、放電ランプの光量の急激な低下による照度量不足によって照射処理(露光処理)不全となるなどの事故が、生ずることを未然に防止することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、メイン制御手段によって行われる代表値採択処理においては、サンプリング期間に含まれる複数個のランプ電圧測定値の不偏分散値(Sn2 )を下記式(2)により算出することにより行われてもよく、不偏分散値(Sn2 )が許容範囲を逸脱したことを検出することにより、放電ランプの異常点灯を検出することができる。
なお、下記式(2)において、nは、一の単位サンプリング期間におけるランプ電圧測定値の数、Viは、一の単位サンプリング期間における個々のランプ電圧測定値、Vmは、一の単位サンプリング期間におけるランプ電圧測定値の算術平均値である。
Figure 2011129454
サンプリング期間に含まれるランプ電圧測定値の個数が一定であれば、単位サンプリング期間における代表値は、下記式(3)により示される値aであっても、あるいは、下記式(4)により示される偏差の絶対値の和bであってもよく、これらを用いた場合には、計算が簡便になるために、処理速度を速くできたり、安価な演算ユニットを選択できたりするメリットがある。
Figure 2011129454
Figure 2011129454
また、ランプ電圧値を測定する時間間隔(単位測定時間t)、単位サンプリング期間の時間間隔(Ts)およびその他の具体的条件は、目的に応じて適宜に設定することができる。
さらにまた、時系列的に前後する2つの単位サンプリング期間が、いずれの単位サンプリング期間にも含まれないランプ電圧測定値が存在するよう、すなわち、2つの単位サンプリング期間の間に非サンプリング期間が存在するよう、非連続となる状態で、設定されていてもよい。
10 放電ランプ
11 発光管
12 発光部
13A,13B 封止部
15 陽極
15A 電極軸部
16 陰極
16A 電極軸部
18A,18B 外部リード
S 放電空間
20 電極本体
21 蓋部材
211 円柱部
212 円錐台部
213 挿入穴
22 容器部材
220 先端部分
M 伝熱体
C 密閉空間
30 ランプ点灯状態監視機構
31 電圧測定手段制御手段
32 電圧測定手段
33 記憶手段
34 メイン制御手段
40 電源制御手段
50 点灯電源
60 ランプ点灯状態制御機構

Claims (5)

  1. 発光管の内部に、一対の電極が対向配置されてなる放電ランプと、この放電ランプの点灯状態を監視するランプ点灯状態監視機構とを具えてなり、
    前記ランプ点灯状態監視機構は、前記放電ランプのランプ電圧値を一定の微小時間間隔毎に測定し、ランプ電圧測定値の複数個のものが含まれる一定の長さの時間間隔を単位サンプリング期間として、当該単位サンプリング期間における複数個のランプ電圧測定値について統計的処理を行うことにより統計的特性値を取得し、当該統計的特性値を当該単位サンプリング期間における代表値として採択する代表値採択処理
    を順次の単位サンプリング期間毎に繰り返して行い、前記統計的特性値が設定された許容範囲を逸脱したことを検出することによりランプ異常点灯検出信号を発する機能を有することを特徴とする放電ランプ装置。
  2. 前記ランプ電圧測定値についての統計的特性値が、標準偏差値または不偏分散値であることを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ装置。
  3. 単位サンプリング期間は、単位サンプリング期間の時間間隔より短い一定の長さの時間間隔毎に順次に開始されるよう、設定されており、互いに時系列的に前後する2つの単位サンプリング期間の一部が重複していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放電ランプ装置。
  4. 前記放電ランプは、希ガスの封入圧力が静圧で0.2MPa以上であるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の放電ランプ装置。
  5. 前記放電ランプは、少なくとも一方の電極が、電極本体の内部に当該電極本体を構成する金属よりも融点が低い金属からなる伝熱体が封入されて構成されてなるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の放電ランプ装置。
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