JP2017103108A - ショートアーク型放電ランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ショートアーク型放電ランプにおいて、ランプ放電管の局所的な歪み応力の増加を抑制することにより放電管の破裂を防止して、長寿命化を実現することを目的とする。【解決手段】ショートアーク型放電ランプは、円柱状の本体部と該本体部から先端につながるテーパー部から成る陽極電極を備え、電極軸線方向に見て、前記テーパー部の表面には少なくとも2箇所の溝形成部とその間の平坦部が形成されている。【選択図】図2A

Description

本発明は、紫外線を発光する高圧水銀ランプに関し、特に、アーク長が比較的短いショートアーク型放電ランプに関する。
高圧水銀ランプのうち、アーク長が比較的短い構造のランプはショートアーク型放電ランプと称される。ショートアーク型放電ランプは、高輝度の光を放射することができるため広い分野で用いられる。特に、中心発光波長が365 nmのi線ランプや436 nmのg線ランプは、半導体、液晶、プリント基板等の製造工程における露光装置用光源として用いられる。露光装置用光源では、ショートアーク型放電ランプは、光学系に組み込まれて使用され、電極間距離を短くした点光源となっている。
ショートアーク型放電ランプには、所定の分光特性を得るため、キセノンXe等の希ガスや、水銀が封入されている。
特開2003-223865「放電ランプ用陽極電極およびショートアーク放電ランプ」(公開日:2003/08/08)出願人:ウシオ電機株式会社 特開2003-157794「ショートアーク型放電ランプ」(公開日:2003/05/30)出願人:ウシオ電機株式会社 特開2002-117806「ショートアーク放電ランプ」(公開日:2002/04/19)出願人:ウシオ電機株式会社
ショートアーク型放電ランプの電極間で発生するアークは、所定の分光特性及び照度を実現するため、ランプ定格入力、封入物、電極形状等によって変わってくる。ランプ負荷を大きくして、アークが大きくなると、アークから発生するフレアも大きくなり、放電管の内周管壁に接触して局所的な歪みを生じさせる。この状態が継続すると、歪みが増加して、やがて放電管が破裂するおそれがあった。
そこで、本発明は、ショートアーク型放電ランプにおいて、ランプ放電管の局所的な歪み応力の増加を抑制することにより破裂を防止して、長寿命化を実現することを目的とする。
上記目的に鑑みて、本発明に係るショートアーク型放電ランプに使用される陽極電極は、一面に於いて、前記陽極電極は、円柱状の本体部と該本体部から先端につながるテーパー部から成り、電極軸線方向に見て、前記テーパー部の表面には少なくとも2箇所の溝形成部とその間の平坦部が形成されている。
更に、上記ショートアーク型放電ランプに使用される陽極電極において、前記溝形成部の態様は、前記テーパー部の表面に、電極軸線を中心に形成された、円環状の溝形成部、螺旋状に形成された溝形成部、又は途中で終了する複数個の溝形成部のいずれかであってよい。
更に、上記ショートアーク型放電ランプに使用される陽極電極において、前記溝形成部は、複数の微細溝の集合であってよい。
更に、上記ショートアーク型放電ランプに使用される陽極電極において、前記微細溝の深さDg mmは、0.3 ≦ Dg ≦ 0.9の範囲内であってよい。
更に、上記ショートアーク型放電ランプに使用される陽極電極において、前記溝形成部は、少なくとも、先端部から3 mm〜10 mmの範囲内に形成されていてもよい。
更に、本発明に係るショートアーク型放電ランプは、一面に於いて、発光部と該発光部の両側にシール管部を夫々設けた放電管と、前記発光部の内部で相互に対向して配置された陽極電極及び陰極電極、該陽極電極及び陰極電極を夫々支持する電極支持棒、該電極支持棒に夫々接続され前記シール管部から外方に突出するリード線、及び該シール管部に装填され該電極支持棒及び該リード線を支持すると共に前記放電管の内部を気密封止部を有する電極マウントとを備え、前記陽極電極が上側で前記陰極電極が下側になるように、前記放電管の中心軸線が略垂直に設置されるショートアーク型放電ランプであって、前記陽極電極は、請求項1〜5のいずれかの陽極電極である。
本発明によれば、ショートアーク型放電ランプにおいて、ランプ放電管の局所的な歪み応力の増加を抑制することにより破裂を防止して、長寿命化を実現することが出来る。
図1は、本発明の一実施形態に係るショートアーク型放電ランプの概略構成を示す断面図である。 図2Aは、本実施形態に係るショートアーク型放電ランプの陽極の形状を説明する図である。 図2Bは、図2Aに示す陽極の破線円部分の拡大図であり、溝形成部の形状の一例を説明する図である。 図3Aは、陽極に形成された円環状の溝形成部を説明する図である。 図3Bは、陽極に形成された螺旋状の溝形成部を説明する図である。 図3Cは、陽極に形成された複数個の溝形成部を説明する図である。 図4Aは、従来のショートアーク型放電ランプの陽極の周辺のアーク、フレア、及び対流の状況を説明する図である。 図4Bは、本実施形態に係る溝形成部を有する陽極電極を備えたショートアーク型放電ランプのアーク、フレア、及び対流の状況を説明する図である。 図4Cは、図4Bの溝形成部を有する陽極電極近傍のアーク及びフレア状況を説明する拡大図である。 図5は、本実施例の陽極電極先端部からの距離に対応する陽極電極の温度の推移を示すグラフである。同時に、比較例として1つの溝形成部及び溝形成部無しの陽極電極の温度の推移も示している。 図6は、本実施例の点灯時間経過による放電管の局所的な歪み応力の推移を示すグラフである。同時に、比較例として1つの溝形成部及び溝形成部無しの放電管の局所的な歪み応力の推移も示している。 図7は、顕微鏡型歪検査器による歪みの測定方法を説明する図である。 図8は、陽極封止部Bを通るように、シール管部1Bを軸線に垂直方向に切断した断面図である。
以下、本発明に係るショートアーク型放電ランプの実施形態を、添付図面を参照しながら説明する。なお、図に示された同じ要素に対しては、同じ参照符号を付して、重複した説明を省略している。
[ショートアーク型放電ランプ]
(全般)
図1は、本発明の一実施形態に係るショートアーク型放電ランプの概略構成を示す断面図である。ショートアーク型放電ランプ10は、球状の発光部1Aとその両側の管状のシール管部1B,1Cを形成する放電管1を有する。発光部1Aの内部の空間1aには、陽極2及び陰極3が対向して配置されている。陽極2及び陰極3は電極支持棒5の内端に夫々支持されている。シール管部1B,1Cの外端からリード線6が夫々突出している。本実施形態のショートアーク型放電ランプ10は、陽極2を上側にして垂直点灯するように設置される。
(電極マウント)
シール管部1B、1Cには、電極マウント9が夫々装着されている。電極マウント9は、電極支持棒5及びリード線6を支持すると同時に放電管1の内部を気密封止する機能を有する。電極支持棒5には、放電管1の封入後もその中に残った不純物や点灯時に発生する不純物を除去するためにゲッター材11が装着されている。
電極マウント9の内端面9aは、発光部1Aとシール管部1B、1Cの境界位置pから所定の距離だけ軸線方向外方に離れた位置にある。即ち、シール管部1B、1Cの電極側端部には、電極マウント9の内端面9aを底面とする円形の凹部(「ポケット部」ともいう。)1b、1cが夫々形成されている。
放電管1の発光部1Aにはチップオフ4が形成されている。ランプの製造時に、チップオフ4の位置に取り付けられた排気管から放電管1内に、水銀を封入するとともに、少なくともアルゴン、クリプトン、キセノンなどの希ガスを単独又はこれらの混合ガスを封入する。
本実施形態では、放電管1は石英ガラス、陽極2,陰極3,電極支持棒5及びリード線6は、タングステンによって形成されている。陰極3はエミッション性能を向上させるために、トリエーテッドタングステン製の電極が用いられる。電極マウント9の主要部は、石英ガラスによって形成されている。陽極2に形成されている溝に関しては、図2A及び図2Bに関連して説明する。
本実施形態のショートアーク型放電ランプ10は、代表的にはランプ入力電力Pが2.7 kWで中心発光波長が365 nmの紫外線を出力する、いわゆるi線ランプである。
[陽極電極]
(陽極電極の形状)
図2Aは、本実施形態に係るショートアーク型放電ランプの陽極の形状を説明する図である。図2Bは、図2Aに示す陽極の破線円部分Aの拡大図であり、溝形成部の形状の一例を説明する図である。陽極電極2は、円柱形の本体部2−1とテーパー部(先細り部)2−2とにより形成されている。本実施形態では、陽極電極2のテーパー部2−2に、少なくとも2個の溝形成部12とその間に平坦部14を有する。即ち、本実施形態では、陽極電極2のテーパー部2−2の表面は、軸線CL方向に見て、溝形成部(溝有り)、平坦部(溝無し)、溝形成部(溝有り)、…と繰り返す形状であることを特徴とする。なお、最小の繰り返し回数は、2個の溝形成部(溝有り)12とその間の平坦部(溝無し)14である。
各溝形成部12は、テーパー部2−2の表面に、ランプ軸線CLの周りを円環状に形成されている。ここで、ランプ軸線CL方向に測った、テーパー部2−2の長さをLt、平坦部14の長さをLf、溝形成部12の長さをLgとする。更に、図2Bに示すように、1個の溝形成部12は複数の微細溝の集合であり、微細溝のピッチをPg、微細溝の深さをDgとする。溝の形成方法は、任意の方法であってよい。なお、本発明者等は、レーザー加工により溝を形成し、その後、電解研磨で表面を調えている。
図3A〜図3Cは、陽極電極のテーパー部2−2の表面に形成された溝形成部12の態様を説明する図である。図3Aは、円環状の溝形成部を説明する図であり、溝形成部12aは2個であり、その間に平坦部14が形成されている。図3Bは、螺旋状の溝形成部を説明する図である。これらの溝形成部12は、連続した形状であるが、これに限定されない。図3Cに示すように、テーパー部2−2の外周面を一周又は周回せず、途中で終了する複数個の溝形成部12cであってもよい。本実施形態の特徴は、陽極電極2のテーパー部2−2の表面が、軸線CL方向に見て、溝形成部(溝有り)、平坦部(溝無し)、溝形成部(溝有り)、と繰り返す形状にある。
(陽極電極の作用・効果)
このような溝形成部を有する陽極電極の作用・効果について説明する。図4Aは、従来のショートアーク型放電ランプの陽極の周辺のアーク、フレア、及び対流の状況を説明する図である。本発明者等は、破裂したランプを解析したところ、多くのランプに於いてシール管部1Bの陽極封止部Bを起点としたランプ破裂の痕跡を確認した。陽極上側で垂直点灯するランプでは、シール管部1Bの陽極封止部Bに応力が集中し、ここが脆弱部分であると判断される。
図4Aに示すように、点灯中のランプでは、電極間にアーク23が形成され、このアーク23からフレア24−1が形成される。点灯中のランプを観察したところ、アーク23から立ち昇ったフレア24−1は、発光部1Aのガラス管内周面の狭い領域Sに接触し、ここを局所的に加熱している。加熱によりこの領域Sに生じた歪みε1は、領域Sを起点に周囲に拡張し、シール管部1Bの陽極封止部Bに歪みε2として到達する。陽極封止部Bにおいて、この歪みε2を主要因とする歪み応力Fとランプ点灯時の圧力との合計が、シール管部1Bの陽極封止部Bの耐圧強度超えると、ランプは破壊するものと思われる。即ち、歪み応力F+ランプ点灯時の圧力>シール管部1Bの陽極封止部Bの耐圧強度が成立すれば、ランプは破壊される。なお、矢印22は、封入物の対流の向きを示している。
これに対して、図4Bは、本実施形態に係るショートアーク型放電ランプの陽極の周辺のアーク、フレア、及び対流の状況を説明する図である。図4Cは、図4Bの溝形成部を有する陽極電極近傍のアーク及びフレア状況を説明する拡大図である。このフレアの状況は、本発明者等が、図6に関連して後で説明するショートアーク型放電ランプの歪み応力のデータから推察したものである。
図4Cに示すように、アーク23から発生したフレア24−2は、当初はテーパー部2−2の表面に沿って上昇する。1番目の溝形成部12の近傍に達すると、一部のフレアは陽極電極2から離れる方向に分散される。残余のフレアは、平坦部14の表面に沿って上昇する。2番目の溝形成部12の近傍に達すると、一部のフレアは陽極電極2から離れる方向に分散される。残余のフレアは、テーパー部2-2の表面に沿って上昇する。
2箇所の溝形成部12とその間に平坦部14とを設けることで、溝からの熱放射と、溝形成部12と平坦部14の境界部に温度差が生じることにより、対流22が乱れ、乱流が発生する。アーク23から立ち上がるフレア24−2は、テーパー部2−2表面に沿って上昇する際、この乱流の影響によって乱され分散される。
これに対して、溝形成部12が1箇所の場合は、溝からの熱放射のみのため、フレアが一端は陽極電極2から離れる方向に分散されるが、その後そのまま立ち上がり、本体部2−1の表面に収束してしまう。
2箇所の溝形成部12とその間に平坦部14とを設けることにより、再度の溝からの熱放射に加えて、溝形成部12と平坦部14との境界部の温度差により、乱流によりフレアが大きく分散され広範囲に拡散して、放電管の内周壁面に接触する。これにより、放電管の歪みの進行を効果的に抑制することが出来る。即ち、石英製放電管に対して局所的な高温フレアの接触を妨げることにより、歪みの蓄積を抑制することが出来、放電管の破損リスクを減少することが出来る。
[試作実験の結果]
(サンプルの仕様)
溝が形成された陽極電極を使用したショートアーク型放電ランプを試作して、その効果を確認した。サンプルの仕様は、次の通りである。
ランプ:陽極上側点灯 入力電力2,700 W 電圧:26±3 V
陽極テーパー部:1段目はR形状、2段目は溝形成部(長さLg=2.0 mm)、3段目は平坦部(長さLf=1.5 mm)、4段目は溝形成部(長さLg=2.0 mm)であり、従って溝形成部は2箇所である。
微細溝の形状:ピッチPg=0.15 mm、深さDg=0.3 mm
(微細溝の深さDg)
最初に、微細溝の深さDgに関して検討した。表1は、微細溝の深さDgと管壁面への歪みの蓄積の関係を実験した結果である。なお、壁面の歪みの測定に関しては、後で図7及び図8を参照しながら説明する。
Figure 2017103108
表1の結果より、微細溝の深さDgによって、壁面の歪みの抑制効果が異なることが判明した。微細溝の深さDgが0.2 mmの場合、壁面の歪みは比較的大きかった。深さDgが浅すぎると、熱放射が弱く歪み抑制効果が殆ど無いことが判明した。反対に、深さDgが1.0 mm以上深いと、本発明者等が採用するレーザー加工では加工が困難である。従って、微細溝の深さDg [mm]は、0.3 ≦ Dg ≦ 0.9の範囲内が好ましい。このため、上記サンプルでは、深さDg=0.3 mmを採用した。
(陽極電極における溝形成部の範囲)
陽極電極の先端部付近(先端部から3〜5 mmの範囲)に溝を形成すると、アークの熱により溝が溶融蒸発してしまうこと、及び溝を形成するとアーク安定性に影響が出ることにより、先端部付近に溝を形成することは好ましくない。
表2は、本実施例の陽極電極先端部からの距離に対応する陽極電極の温度(○)の推移を示すグラフである。同時に、比較例として1つの溝形成部の陽極電極の温度(△)及び溝形成部無しの陽極電極の温度(●)の推移も示している。表2をグラフ化したものが図5である。
Figure 2017103108
溝部からの熱放射を有効に利用するには、陽極温度が約1,800 ℃以上の高温であることが好ましい。本実施例では、先端部からの距離が10 mmまでは約1,800 ℃以上の高温である。従って、先端部から10 mmの範囲に溝を形成することが好ましい。
以上により、陽極電極における溝形成部は、(先端部から3〜5 mm)から(先端部から10 mm)までの範囲内が好ましい。即ち、陽極電極における溝形成部は、少なくとも、先端部から3 mm〜10 mmの範囲内が好ましい。
(歪み応力の推移)
表3は、本実施例の点灯時間経過による放電管の局所的な歪み応力(○)の推移を示す表である。同時に、比較例として1つの溝形成部局所的な歪み応力(△)の推移及び従来の溝形成部無しの放電管の局所的な歪み応力(●)の推移も示している。表3をグラフ化したものが図6である。
Figure 2017103108
点灯中のランプを観察したところ、電極間のアーク23から発生し立ち昇ったフレア24−1は、発光部1のガラス管内周面の領域Sに届き、ここを局所的に加熱している。加熱によりこの領域Sに生じた歪みεは、領域Sを起点に周囲に拡張し、シール管部1Bの陽極封止部Bに歪みεとして到達する。シール管部1Bの陽極封止部Bにおいて、この歪みεを主要因とする歪み応力Fとランプ点灯時の圧力との合計が、シール管部1Bの陽極封止部Bの耐圧強度超えると、ランプは破壊するものと思われる。別に行った陰極封止部に関する実験では、陰極封止部の応力が、20 kg/cm2を超えると、ランプ破壊が発生するおそれがあることが分かっている。
ランプが破壊すると、放電管の破片が飛び散り、発光管の封入物は周囲に飛散して、外部に悪影響を及ぼす。特に、環境を破壊したり、人体を傷つけたりすることは絶対に避けなければならない。そこで、安全性を十分考慮して、陽極封止部Bの歪み応力Fを、実際に陰極封止部でランプ破壊が起こった数値の半分以下の10 kg/cm2以下を安全領域の応力と規定した。このタイプのランプ寿命は、1,500時間程度である。
溝形成部無しの放電管の局所的な歪み応力(●)は、400時間が経過すると、10 kg/cm2を超える。1つの溝形成部局所的な歪み応力(△)は、800時間が経過すると、10 kg/cm2を超える。しかし、本実施例の放電管の局所的な歪み応力(○)は、1,500時間を超えても10 kg/cm2を超えることはなかった。
[顕微鏡型歪検査器による歪みの測定]
ランプ破壊前は弾性域にあるので、歪みε2と歪み応力Fは比例関係にある。陽極封止部Bにおける歪み応力Fは、OLYMPUS製ガラス歪検査器(顕微鏡型)SVP−MS1を用いて測定した。図7を参照しながら、この測定の原理を簡単に説明する。図7(A)は歪みが無い場合、図7(B)は歪みが有る場合である。光源から発する光を偏光板(偏光子)によって直線偏光波Uに変え、ガラス体内を通過させる。
図7(A)に示すように、ガラスに歪みが無い場合には、Uの成分波u1とu2は同じ速度でガラス内を通過し、u1とu2の間には光路差が無く、従ってUは入射前と同じく直線偏光のままとなる。
図7(B)に示すように、ガラスに歪みが有って応力Fが働いている場合、Uの成分波u1とu2とは互いに違う速度でガラス内を通過し、通過後にはRだけの光路差を生じる。この光路差R nmは、応力F kg/cm2と偏光が通過した距離L cmに比例するので、R=CFL……(1)と表される。
比例定数Cは、ガラスによって決まるので、ガラスの光弾性定数と呼ばれ、その単位はnm・cm-1/kg・cm-2となる。ちなみに、石英ガラスはC=3.5。
次に、応力Fは、式(1)から、F=R/CLとして求められる。
図8は、陽極封止部Bを通るように、シール管部1Bの軸線に垂直方向に切断した断面図である。直線偏光波Uを陽極封止部Bに向けて通過させる。光路に沿って歪みεが分布していて、この積分値によって光路差Rが生じる。ここで、歪みは他所に比べて陽極封止部Bに大きく集中しているため、この光路差Rによって求めた応力Fをシール管部1Bの陽極封止部B付近の歪み応力と見做すことが出来る。
[まとめ]
以上、本発明の一実施形態に係るショートアーク型放電ランプについて説明したが、本実施形態は、本発明の範囲を何ら限定するものではない。本実施形態に対して当業者が容易になしえる追加、削除、改変等は、本発明に含まれるものである。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲の記載によって定められる。
1:放電管、 1A:発光部、 1B,1C:シール管部、 1a:空間、 1b,1c:凹部、 2:陽極、2−1:本体部、 2−2テーパー部、 3:陰極、 4:チップオフ、 5:電極支持棒、 6:リード線、 9:マウント,電極マウント、 9a:内端面、 10:ショートアーク型放電ランプ、 11:ゲッター材、 12,12a,12b,12c:溝形成部、 14:平坦部、 22:対流の向き、 23:アーク、 24−1, 24−2:フレア
B:陽極封止部、 C:比例定数、 F:応力、 P:ランプ入力電力、 R:光路差、 S:領域、 U:直線偏光波、 p:境界位置、 u1,u2:成分波、

Claims (6)

  1. ショートアーク型放電ランプに使用される陽極電極において、
    前記陽極電極は、円柱状の本体部と該本体部から先端につながるテーパー部から成り、
    電極軸線方向に見て、前記テーパー部の表面には、少なくとも2箇所の溝形成部とその間の平坦部が形成されている、陽極電極。
  2. 請求項1に記載の陽極電極において、
    前記溝形成部の態様は、前記テーパー部の表面に、電極軸線を中心に形成された、円環状の溝形成部、螺旋状に形成された溝形成部、又は途中で終了する複数個の溝形成部のいずれかである、陽極電極。
  3. 請求項1に記載の陽極電極において、
    前記溝形成部は、複数の微細溝の集合である、陽極電極。
  4. 請求項3に記載の陽極電極において、
    前記微細溝の深さDg mmは、0.3 ≦ Dg ≦ 0.9の範囲内である、陽極電極。
  5. 請求項1に記載の陽極電極において、
    前記溝形成部は、少なくとも、先端部から3 mm〜10 mmの範囲内に形成されている、陽極電極。
  6. 発光部と該発光部の両側にシール管部を夫々設けた放電管と、
    前記発光部の内部で相互に対向して配置された陽極電極及び陰極電極、該陽極電極及び陰極電極を夫々支持する電極支持棒、該電極支持棒に夫々接続され前記シール管部から外方に突出するリード線、及び該シール管部に装填され該電極支持棒及び該リード線を支持すると共に前記放電管の内部を気密封止部を有する電極マウントとを備え、前記陽極電極が上側で前記陰極電極が下側になるように、前記放電管の中心軸線が略垂直に設置されるショートアーク型放電ランプであって、
    前記陽極電極は、請求項1〜5のいずれかの陽極電極である、ショートアーク型放電ランプ。
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