JP2010129498A - 高圧放電ランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 純度が99.99%以上のタングステンよりなる電極1を備える高圧放電ランプでも、電極1の折れを発生させない高圧放電ランプ10を提供すること。
【解決手段】 発光部4の両端に封止部5が連設されてなる放電容器と、前記封止部5に基端が埋設され、前記発光部4内に先端が対向配置され、純度が99.99%以上のタングステンよりなる電極1を備える高圧放電ランプ10において、前記電極1は、当該電極1の先端に形成される大径部2と、当該大径部2より細い軸部3とが一体的に形成されてなり、前記大径部2の表面の一部に、円周方向で溝のある部分23aと溝のない部分23bとが電極1の軸に対して非対称となるように凹凸構造22が形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、データプロジェクタや液晶プロジェクタ、DLP(デジタルライトプロセッサ)プロジェクタなどの装置に用いられる高圧放電ランプに関する。特に、発光部内に水銀が0.15mg/mm以上封入され、水銀蒸気圧が110気圧以上となる高圧放電ランプに関する。
近年、液晶プロジェクタや、デジタル・ライト・プロセッシング技術を使用したDLPプロジェクタが普及しつつある。その画像投影用光源として、ショートアーク型メタルハライドランプやショートアーク型高圧放電ランプが使用されている。
図6は、高圧放電ランプ10の構成を示す説明用断面図である。
高圧放電ランプ10は、中央部分に形成された球状の発光部4と、該発光部4の両端に形成された封止部5とを備える。発光部4の内部に一対の電極11が配置され、封止部5には電極11の一部分と電極11の基端が接続された金属箔6とが埋設されて気密にシールされた構造である。このような高圧放電ランプ10は、点灯時の水銀蒸気圧を高くすることによってアークの広がりを抑えるとともに、一層の光出力の向上を図ることができる。
しかし、高圧放電ランプ10は、点灯時間の経過とともに発光部4の透過率が低下することにより照度維持率が著しく低下するという問題を有する。このような照度維持率の低下は、ランプ点灯時に蒸発した電極構成物質であるタングステンが発光部4の内壁に付着して、発光部4が黒化することが主な原因と考えられている。従って、特開2001−319617号公報に示すように、電極11のタングステンの純度を99.99%以上にし、長時間点灯しても発光部4が失透しにくく、寿命の長い高圧放電ランプ10としている。
特開2001−319617号公報
しかしながら、このような純度が99.99%以上のタングステンよりなる電極を備える高圧放電ランプを数百時間点灯していると、電極が根元から折れてしまう場合が発生した。折れてしまった電極を検証すると、タングステンの純度が高いため、高圧放電ランプの点灯時に高温になると再結晶が起こり、結晶粒が成長して大きくなっており、粒界に沿って亀裂が生じて切断していることがわかった。
本発明は、上記の問題点に鑑み、純度が99.99%以上のタングステンよりなる電極を備える高圧放電ランプでも、電極の折れを発生させない高圧放電ランプを提供することを目的とする。
本願第1の発明は、発光部の両端に封止部が連設されてなる放電容器と、前記封止部に基端が埋設され、前記発光部内に先端が対向配置され、純度が99.99%以上のタングステンよりなる電極とを備える高圧放電ランプにおいて、前記電極は、当該電極の先端に形成される大径部と、当該大径部より細い軸部とが一体的に形成されてなり、前記大径部の表面の一部に、円周方向において溝のある部分と溝のない部分とが電極の軸に対して非対称となるように凹凸構造が形成されていることを特徴とする。
本願第2の発明は、本願第1の発明において、前記凹凸構造は、大径部と軸部との境まで形成されることを特徴とする。
本願第1の発明に係る高圧放電ランプによれば、円周方向において溝のある部分と溝のない部分とが電極の軸に対して非対称になるように凹凸構造が形成されているので、電極を形成するタングステンの粒界が、電極の軸に対して垂直方向ではなく斜めに形成される。したがって、電極の振動により表面に電極軸と平行方向の引張応力が発生しても、この引張が生じる方向に対して垂直方向には粒界が形成されていないので、粒界に沿って発生する亀裂が生じしにくくなり、電極が折れることを防止することができる。
本願第2の発明に係る高圧放電ランプによれば、電極の折れが発生する最も頻度が高い部位である大径部と軸部との境に凹凸構造を形成することによって、大径部と軸部との境を形成するタングステンの粒界を、電極の軸に対して垂直方向ではなく斜めに形成されるようにすることができる。したがって、粒界に沿って発生する亀裂が生じしにくくなり、電極が折れることを効果的に防止することができる。
図1は、第1の実施形態の高圧放電ランプ10の構成を示す説明用断面図である。
高圧放電ランプ10は、石英ガラスよりなる概略球形の発光部4を有し、この発光部4に、一対の電極1を互いに対向して配置する。また、発光部4の両端部から伸びるよう封止部5が形成され、これらの封止部5内には、例えばモリブデンよりなる導電用の金属箔6がシュリンクシールにより気密に埋設されている。一対の電極1は、軸部3が金属箔6に溶接されて電気的に接続され、また、金属箔6の他端には、外部に突出する外部リード7が溶接されている。
発光部4には、水銀と、希ガスと、ハロゲンガスが封入されている。
水銀は、必要な可視光波長、例えば、波長360nm〜780nmという放射光を得るためのもので、0.15mg/mm以上封入される。この水銀封入量は温度条件によっても異なるが、点灯時に発光部4の内圧が150気圧以上の極めて高い蒸気圧となるように製作される。また、水銀をより多く封入することで点灯時の水銀蒸気圧が200気圧以上または300気圧以上となる高圧放電ランプ10を製作することができ、この水銀蒸気圧が高くなるほどプロジェクタ装置に適した光源を実現することができる。
希ガスは、点灯始動性を改善するために用いられ、例えば、アルゴンガスが約13kPa封入される。
ハロゲンは、沃素、臭素、塩素などが水銀その他の金属との化合物の形態で封入され、ハロゲンの封入量は、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲から選択される。ハロゲンを封入することによって、ハロゲンサイクルが発生し、高圧放電ランプ10の寿命を長くすることができる。また、本発明の高圧放電ランプ10のように極めて小型で高い内圧を有するものでは、ハロゲンを封入することによって、発光部4の黒化・失透を防止する効果がある。
高圧放電ランプ10の数値例を示すと、例えば、発光部4の最大外径11.3mm、電極間距離1.1mm、発光部4の内容積120mmである。高圧放電ランプ10は、プロジェクタ装置に内蔵されるものであり、装置の小型化に伴い、高圧放電ランプ10も小型化することが求められている。また、高圧放電ランプ10の光量も要求されるので、印加電力も高く、発光部内部の熱的影響は極めて厳しいものとなる。高圧放電ランプ10の管壁負荷値(発光部の内表面の単位面積当たりの印加電力)は0.8〜5W/mm2、具体的には2.8W/mm2となる。このような高い水銀蒸気圧や管壁負荷値を有する高圧放電ランプ10は、プロジェクタ装置やオーバーヘッドプロジェクタのようなプレゼンテーション用機器に搭載され、演色性の良い放射光を提供することができる。
図2は、第1の実施形態の高圧放電ランプの電極1の構成を示す拡大図であり、図2(a)は電極1の側面図であり、図2(b)は図2(a)に示すA−Aで切断した断面図である。
電極1は、純度が99.99%以上のタングステンで成形されており、略円柱状の大径部2に続いて、当該大径部2より細い軸部3が一体的に形成されてなる。大径部2の軸部3との接続部分は、大径部2から軸部3との接続部分にかけて徐々に径が細くなる縮径部21が形成され、大径部2と軸部3とが滑らかに接続されている。軸部3は金属箔6から続く略同径の棒状部分をいい、軸部3より径が大きくなる部分の全体を大径部2という。したがって、縮径部21は大径部2の一部となる。なお、図2に示す電極1は、大径部2の縮径部21において連続的に縮径させて軸部3と接続しているが、縮径部21を設けずに大径部2と軸部3とを段階的に接続することもできる。
大径部2の外表面の一部には円周方向にのびる溝よりなる凹凸構造22が形成されている。凹凸構造22は、大径部2の先端24から距離dが1mm離間したところから軸方向にのび、縮径部21に至るまで形成され、大径部2と軸部3との境25まで形成される。凹凸構造22の溝のある部分23aは、円周方向の全周に形成されているのではなく、円周方向の一部、詳しくは、中心角Oが180°の円弧状に形成されている。溝のない部分23bは、円周方向における溝のある部分23aを除く部分をいう。図2に記載する電極1で説明すると、上側に溝のある部分23aが形成されるが、下側は滑らかな面となっている溝のない部分23bが形成されて凹凸構造22となっている。すなわち、大径部2の凹凸構造22が形成されている部分において、円周方向で溝のある部分23aと溝のない部分23bとが電極1の軸に対して非対称になるように形成されている。
大径部2の外表面の一部に、凹凸構造22が溝のある部分23aと溝のない部分23bとにより形成されているため、溝のある部分23aは、溝のない部分23bに比べて、表面積が大きくなり、放電空間に接する面積が大きくなるので、電極1で発生した熱をより効率よく放熱でき、温度を低く保つことができる。仮に、点灯中の電極1を軸方向に沿って2つに切断できるとすれば、溝のある部分23aを含む半分の温度は、表面積が大きくなることによる冷却が期待できるので、溝のない部分23bを含む他方の半分の温度より低くなる。
高圧放電ランプの点灯中には、アークに最も近い電極1の大径部2の先端24の温度が最も高くなり、4000℃程度になる。大径部2の先端24から縮径部21、さらには軸部3に近づくにつれて徐々に温度が低くなる。封止部5を構成する石英ガラスに囲まれる軸部3の基端32は、石英ガラスに放熱できるため、その温度は低く、2000℃程度となる。
電極1を製造する際に熱処理をしているが、その温度は1800℃〜2200℃なので、高圧放電ランプの電極1として使用するときの方が高温になる。そのため、大径部2と軸部3の先端31部分とでは、電極1を形成するタングステンの再結晶が起こり、高圧放電ランプの点灯時間が長くなるにつれてタングステンの結晶粒が成長して大きくなる。高圧放電ランプを数百時間点灯すると、電極1の放電空間にさらされる部分が数個の結晶粒で構成するようになり、結晶粒と結晶粒とを分断する粒界が成長する。
また、高圧放電ランプの点灯時には、金属箔6に支持されている軸部3を支点として、電極1が小刻みに振動しているものと考えられている。先端に容量が大きい大径部2を備える電極1は、振動によりたわむため、電極1の表面には常に電極軸と平行方向に引張と圧縮とが生じている。そのため、引張が生じる方向に対して垂直方向となる、電極1の軸に対して垂直に粒界が形成されると、引張りによって生じる応力が粒界に沿って粒を分断する応力となるため、粒界に沿って亀裂が生じやすく、亀裂が広がると電極1が切断されてしまう。
しかしながら、電極1の大径部2の該表面には、隣り合う溝との間隔が50〜100μmで、深さが100〜500μmの細かな溝が複数形成された溝のある部分23aと、滑らかな面よりなる溝のない部分23bとから構成される凹凸構造22が形成されているため、溝のある部分23aの表面のみから積極的な放熱が期待できる。このため、溝のある部分23aの温度を、溝のない部分23bの温度よりも低く保つことができる。再結晶速度は温度が高いほど速くなるため、凹凸構造22を備えた電極においては、結晶粒は軸方向に均一に成長するのではなく、表面に溝のない部分23bの近傍は成長が大きく、表面に溝のある部分23aの近傍は成長が小さくなる。これより、結晶粒と結晶粒とを分断する粒界は、表面に溝のない部分23bの近傍が軸部3の基端32に近く、表面に溝のある部分23aの近傍が大径部2の先端24に近く、電極1の軸に対して垂直ではなく斜めになるように形成される。
円周方向において溝のある部分23aと溝のない部分23bとが電極1の軸に対して非対称になるように凹凸構造22が形成されているので、電極1を形成するタングステンの粒界が、表面に溝のない部分23bの近傍が軸部3の基端32に近く、表面に溝のある部分23aの近傍が大径部2の先端24に近く、電極1の軸に対して垂直ではなく斜めに形成される。したがって、電極1の振動により表面に引張応力が発生しても、引張が生じる方向に対して垂直方向には粒界が形成されていないので、粒界に沿って発生する亀裂が生じしにくくなり、電極1が折れることを防止することができる。
凹凸構造22は、電極1の軸方向に沿って長く形成したほうが、凹凸構造22が形成されている部分とその他の部分とで発生する温度勾配が大きくなるため、粒界の進む方向の電極1の軸に対して垂直方向に対する角度が大きくなり、より効果的に電極1が折れることを防止することができる。
しかしながら、電極1の大径部2の先端24は点灯時の温度が非常に高くなるため、外表面に凹凸構造22を形成しても点灯とともに溶けてなくなってしまう。したがって、電極1の大径部2の先端24から少なくとも1〜2mm離間した位置から凹凸構造22が形成される。
一方、縮径部21は、折れの発生する頻度が高いことが、これまでの経験によりわかっている。そのため、特に、大径部2の軸部3との境に位置する縮径部21の該表面に凹凸構造22を形成することによって、縮径部21の凹凸構造22の溝のある部分23aと溝のない部分23bとで温度勾配が生じ、大径部2の軸部3との境を形成するタングステンの粒界が、電極1の軸に対して垂直方向ではなく斜めに形成されるようにしている。したがって、電極1の振動により表面に引張応力が発生しても、引張が生じる方向に対して垂直方向には粒界が形成されていないので、これにより引張り応力の結晶粒界垂直成分を減らすことができ、結晶粒界に沿って発生する亀裂が生じしにくくなり、電極1が折れることを効果的に防止することができる。
続いて、第1の実施形態の放電ランプ10の変形例を説明する。
図3は、第1の実施形態の変形例を説明するための高圧放電ランプの電極1の凹凸構造22が形成された部分の軸に対して垂直方向に切断した断面を示す断面図である。
第1の実施形態に示す電極1は、中心角Oが180°の円弧状の溝23により凹凸構造22が形成されているが、図3(a)に示すように、第1の実施形態に示す電極1に比べて溝のある部分23aの中心角が小さく、中心角Oが180°以下である120°の円弧状の溝により凹凸構造22を形成することもできる。電極1の熱分布が一様にならないように、溝のある部分23aと溝のない部分23bとが電極1の軸に対して非対称になるように凹凸構造22が形成されていればよいので、溝が全周にわたって形成されてさえいなければ条件を満たす。
また、図3(b)に示すように、溝は円周方向に分断して複数形成されてもよい。溝のある部分23aの中心角O、Oがそれぞれ80°の円弧状の溝が、30°離れた位置に2つ形成されている。溝のある部分23aが2つに分断されているが、主に上半分に溝のある部分23aが形成されているので、溝のある部分23aから積極的な放熱が期待でき、点灯時の温度が溝のない部分23bが占める下半分に比べて低くなる。電極1の軸に対して垂直方向ではなく斜めに粒界が形成されるので、粒界に沿って発生する亀裂が生じしにくくなり、電極1が折れることを防止することができる。
このように、円周方向に等間隔でなければ、円周方向に分割して形成された溝のある部分23aを軸方向に複数並べ、その他の部分を表面が滑らかな溝のない部分23bとして凹凸構造22とすることもできる。ただし、溝のある部分23aを円周方向に等間隔に並べた場合は、電極1の温度分布が径方向断面において一様となってしまうため、除かれる。すなわち、大径部2の凹凸構造22が形成されている部分において、円周方向で溝のある部分23aと溝のない部分23bとが電極1の軸に対して非対称になるように形成されていることを要する。
続いて、第2の実施形態の高圧放電ランプについて説明する。
図4は、第2の実施形態の高圧放電ランプの電極1の構成を示す拡大図であり、図4(a)は電極1の側面図であり、図4(b)は図4(a)に示すA−Aで切断した断面図である。
第2の実施形態の高圧放電ランプは、第1の実施形態の高圧放電ランプに比べて、凹凸構造22の溝のある部分23aの溝が形成されている方向が異なるものであり、それ以外の構成は第1の実施形態の高圧放電ランプと同様のものである。第1の実施形態の高圧放電ランプと構成が同じ部材については、説明を省略する。
第2の実施形態の高圧放電ランプの電極1には、大径部2の外表面の一部に軸方向にのびる溝が複数形成されて溝のある部分23aが形成され、その他の部分を滑らかな表面とした溝のない部分23bとして凹凸構造22が形成されている。溝のある部分23aに形成される溝は、大径部2の先端24からの離間距離dが1mm離間したところから形成され、縮径部21に至るまで軸方向にのびるように形成され、大径部2と軸部3との境25まで形成される。図4(b)に示すように、凹凸構造22の溝のある部分23aは、電極1の上半分の表面に形成されており、下半分は滑らかな表面をした溝のない部分23bとなっている。すなわち、大径部2の凹凸構造22が形成されている部分において、円周方向で溝のある部分23aと溝のない部分23bとが電極1の軸に対して非対称になるように形成されている。
大径部2の外表面に、溝のある部分23aと溝のない部分23bとを形成することにより凹凸構造22が形成されているため、溝のある部分23aは、溝のない部分23bに比べて、表面積が大きくなり、放電空間に接する面積が大きくなるので、電極1で発生した熱をより効率よく放熱できる。そのため、表面が溝のない部分23bの近傍は結晶粒の成長が大きく、表面が溝のある部分23aの近傍は結晶粒の成長が小さくなり、結晶粒は軸方向に成長する速さが異なってくる。したがって、電極1を形成するタングステンの粒界が、溝のない部分23bの近傍が軸部3の基端32に近く、溝のある部分23aの近傍が大径部2の先端24に近く、電極1の軸に対して垂直方向ではなく、軸に対して垂直方向から傾いて斜めに形成される。
このように、電極1を形成するタングステンの粒界が電極1の軸に対して垂直方向ではなく斜めに形成されるので、電極1の振動により表面に引張応力が発生しても、粒界は引張が生じる方向に対して垂直方向には形成されていないので、粒界に沿って発生する亀裂が生じにくくなり、電極1が折れることを防止することができる。
以上、第1の実施形態として円周方向にのびる溝よりなる溝のある部分23aを備える凹凸構造22が形成された電極1と、第2の実施形態として軸方向にのびる溝よりなる溝のある部分23aを備える凹凸構造22が形成された電極2とを説明したが、溝の形状はこれらに限られず、例えば、円周方向と軸方向の両方に溝が形成された格子状の溝よりなる凹凸構造とすることもできる。また、図1乃至4に記載の凹凸構造22の溝のある部分23aは紙面の上側に形成されているが、溝のある部分23aの配置はこれに限られず、紙面の下側もしくは左右のどちらかに形成した場合でも、円周方向で溝のある部分23aと溝のない部分23bとが非対称になるように形成されていれば本発明の凹凸構造22の機能を備える。
高圧放電ランプを300時間連続点灯した後の電極の結晶粒の形状を測定した。
〔実施例1〕
実験対象として用いた高圧放電ランプの仕様を以下に示す。
<ランプ仕様>
放電容器:材質;石英ガラス、発光部の最大外径;φ10.0mm〜12.0mm、全長;9.0mm〜11.1mm
封入物:水銀;0.15mg/mm以上、
臭素ガス(ハロゲン);1.0×10−6mol/mm〜1.0×10−2mol/mm
電極:材質;タングステン(純度:99.99%以上)
寸法;大径部:直径φ1.4mm、全長5mm、軸部:直径φ0.5mm、全長8mm
凹凸構造:大径部の先端から3mm離間したところから、軸部との境まで形成
溝のある部分;中心角180°、
溝;深さ0.1mmの円弧状、溝と溝との間隔0.05mm
この高圧放電ランプを、入力電力330Wで、100時間点灯1時間消灯を1セットにする点滅点灯で、点灯時間の全合計が300時間になるまで点灯した。点灯後の電極を取出し、金属顕微鏡で、電極を構成するタングステンの結晶粒を観測した。
また、比較例として、電極に凹凸構造が形成されていないことのほか、同様の仕様の高圧放電ランプを用意し、同様に、100時間点灯1時間消灯を1セットにする点滅点灯で、点灯時間の全合計が300時間点灯後のタングステンの結晶粒を測定した。
図5は、実験によって得られたタングステンの結晶粒の形状を示す簡略図である。図5(a)に本発明の実験対象の電極断面の結晶状態を示し、図5(b)に比較例の電極断面の結晶状態を示す。
円周方向において溝のある部分と溝のない部分とが電極の軸に対して非対称になる凹凸構造が大径部の表面の一部に形成された電極では、溝のある部分のタングステンの結晶粒が小さくなっており、構を形成することによる冷却(放熱)効果を確認することができた。また、構による冷却(放熱)効果により、タングステンの粒界が、電極の軸に対して垂直方向ではなく斜めに形成されている。これより、電極の振動により表面に電極軸と平行方向の引張応力が発生しても、この引張が生じる方向に対して垂直方向には粒界が形成されていないので、粒界に沿って発生する亀裂が生じしにくくなり、電極が折れることを防止できることが確認できた。
また、凹凸構造が形成されていない比較例の電極では、図5(a)に示す電極に比べて、タングステンの結晶粒が大きく成長しており、大径部は軸方向に分断された3つの結晶粒により構成されている。また、タングステンの粒界は、電極の軸に対して垂直方向に形成されているので、電極軸と平行方向の引張応力が発生すると、粒界に沿って亀裂が生じ、電極が折れる可能性が高いことが確認できた。
本発明の高圧放電ランプの構成を示す説明用断面図 本発明の高圧放電ランプの電極の構成を示す拡大図 本発明の高圧放電ランプの電極の拡大断面図 本発明の高圧放電ランプの電極の構成を示す拡大図 本発明の高圧放電ランプの実験結果を示すグラフ 従来の高圧放電ランプの構成を示す説明図
符号の説明
1 電極
2 大径部
3 軸部
4 発光部
5 封止部
6 発光部
10 高圧放電ランプ
21 縮径部
22 凹凸構造
23 溝

Claims (2)

  1. 発光部の両端に封止部が連設されてなる放電容器と、前記封止部に基端が埋設され、前記発光部内に先端が対向配置され、純度が99.99%以上のタングステンよりなる電極とを備える高圧放電ランプにおいて、
    前記電極は、当該電極の先端に形成される大径部と、当該大径部より細い軸部とが一体的に形成されてなり、前記大径部の表面の一部に、円周方向において溝のある部分と溝のない部分とが電極の軸に対して非対称となるように凹凸構造が形成されていることを特徴とする高圧放電ランプ。
  2. 前記凹凸構造は、大径部と軸部との境まで形成されることを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ。
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