JP2011129383A - 色素増感型太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電解質の漏れや蒸気の通過を抑制し、耐久性および長期信頼性を高めるのに有利な色素増感型太陽電池を提供する。
【解決手段】この電池は、基板1に積層された導電膜2と、複数のスクライブ溝3と、スクライブ溝3を跨ぐように隣設する分割導電膜20に互いに間隔を隔てて並設された色素増感型のセル4と、一の分割導電膜20aに設けられた第1電気取出部36と、他の分割導電膜20dに設けられた第2電気取出部32と、複数のセル4を覆う電解質室60を形成する第1シール部5とを有する。電解質漏れ抑制手段8は、スクライブ溝3と外部92との連通遮断性を高めると共に、電解質室60に収容されている電解質6の外部92への漏れを抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は耐久性を更に高めた色素増感型太陽電池に関する。
近年、色素増感型太陽電池と呼ばれる電池の開発が進められている(特許文献1〜4)。代表的な色素増感型太陽電池の構造を上から透視した状態を図13に模式的に示し、その断面を図14に模式的に示す。図13は各部位の輪郭線を示す。図13および図14に示すように、色素増感型太陽電池は、光が入射される基板1Xと、基板1Xに積層された透光性をもつ導電膜2Xと、導電膜2Xに形成された複数のスクライブ溝3Xと、スクライブ溝3Xを跨ぐように導電膜2Xに互いに間隔を隔てて並設された色素増感型の複数のセル4Xと、複数のセル4Xを覆うと共にセル4Xを電解質と共に収容する電解質室60Xを形成するシール部5Xとを有する。シール部5Xは、スクライブ溝3Xも被覆してシールしている。これにより電解質室60Xに収容されている電解質がスクライブ溝3Xを介して外部に漏れること、外部の蒸気がスクライブ溝3Xを介して電池の内部に進入することが防止されている。この結果、色素増感型太陽電池の長期信頼性を高めることができる。
特開2005−285781号公報 特開2004−171827号公報 特開2008−16351号公報 特開2009−43481号公報
しかしながらシール部5Xはスクライブ溝3Xを被覆してシールしているものの、使用期間が長くなると、シール部5Xでシールされているスクライブ溝3Xから電解質室60X内の流動性をもつ電解質が外部92Xに漏れるおそれがある。あるいは、外部の蒸気や雨水がスクライブ溝3Xを介して電池の内部に進入するおそれがある。
殊に、スクライブ溝3Xの数はセルの数と基本的には同数とされているため、スクライブ溝3Xの数は多い。ここで、上記した電解質の漏れ、蒸気や雨水の進入のおそれを発生させる発生確率は、スクライブ溝3Xの数が増加するにつれて高くなる。ここで、図13および図14はあくまでも色素増感型太陽電池の概念図を模試的に示すものである。実際、セル4Xの数およびスクライブ溝3Xの数は更に多い。このようにセル4Xの数およびスクライブ溝3Xの数が多いため、上記した発生確率が高くなり、色素増感型太陽電池の長期信頼性を更に高めるには限界がある。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、電池内部に収容されている電解質が外部に漏れることを抑制すると共に、外部の蒸気が電池内部に進入することを抑制し、耐久性および長期信頼性を高めるのに有利な色素増感型太陽電池を提供することを課題とする。
本発明者は色素増感型太陽電池について鋭意開発を進めている。ここで、図15は、シール部5を形成するシール材料がスクライブ溝3Xの微小な凹凸300Xに浸透してシールしている理想的な状態を示す。このようにシール材料がスクライブ溝3Xの微小な凹凸300Xに確実に浸透すれば、スクライブ溝3Xにおけるシール性が良好に維持され、長期にわたり高い信頼性が得られる。
しかしながら現実的には、シール部5Xを形成するシール材料は、電解質を収容する電解質室60Xを形成するため、腐食性を有する電解質に対する耐食性もシール性のほかに要請される。このため、シール部5Xとして、電解質に対する耐食性も考慮しなければならず、流動性が高いシール材料を選択する自由度には限界がある。このため、シール材料の種類によっては、微視的に見れば、図16に示すように、シール部5Xとスクライブ溝3Xの微小な凹凸300Xとの間には、電解質や蒸気等を通過させ得る微小通路310X(図16の黒色で塗布された三角部分)が形成されるおそれがあり、この場合、スクライブ溝3に起因してシール性が低下することを本発明者は知見した。
更に、シール部5とスクライブ溝3とが接触する箇所の数をできるだけ減少させれば、スクライブ溝3に起因してシール性低下が抑制されることを、本発明者は知見した。かかる知見に基づいて本発明者は本発明を完成させた。
すなわち、本発明に係る色素増感型太陽電池(以下、太陽電池ともいう)は、光が入射される入射面と入射面に対して反対側に形成された搭載面とを有すると共に透光性を有する基板と、基板の搭載面に積層された透光性をもつ導電膜と、導電膜を複数の分割導電膜に区切る複数のスクライブ溝と、スクライブ溝を跨ぐように隣設する分割導電膜に互いに間隔を隔てて並設され且つ分割導電膜を介して電気的に接続された色素増感型の複数のセルと、複数の分割導電膜のうち一の分割導電膜に設けられ正極および負極のうちの一方となる第1電気取出部と、複数の分割導電膜のうち他の分割導電膜に設けられ正極および負極のうちの他方となる第2電気取出部と、複数のセルを覆うと共にセルを電解質と共に収容する電解質室を形成する第1シール部と、スクライブ溝と外部との連通遮断性を高めると共に電解質室に収容されている電解質の外部への漏れを抑制する電解質漏れ抑制手段とを具備する。
電解質漏れ抑制手段は、スクライブ溝と外部との連通性を遮断させる連通遮断性を高めると共に、電解質室に収容されている電解質の外部への漏れを抑制する。このため太陽電池の使用期間が長くなるときであっても、第1シール部でシールされているスクライブ溝から電解質室の電解質が漏れることが抑制される。更には、外部の蒸気や雨水がスクライブ溝を介して色素増感型太陽電池の内部に進入することが抑制される。この結果、太陽電池の長期信頼性を高めることができる。
本発明によれば、太陽電池の使用期間が長くなったとしても、第1シール部でシールされているスクライブ溝を介して電解質室の電解質が漏れることが抑制される。更には、外部の蒸気がスクライブ溝を介して色素増感型太陽電池の内部に進入することが抑制される。この結果、太陽電池の耐久性および長期信頼性を高めることができる。
実施形態1に係り、太陽電池の基板の搭載面を搭載面に対して垂直方向に透視するときにおける透視図である。 実施形態1に係り、図1のII−II線に沿った断面図である。 実施形態1に係り、シール部の平面図である。 実施形態2に係り、太陽電池の基板の搭載面を搭載面に対して垂直方向に透視するときにおける透視図である。 実施形態2に係り、図4のV−V線に沿った断面図である。 実施形態3に係り、太陽電池の基板の搭載面を搭載面に対して垂直方向に透視するときにおける透視図である。 実施形態3に係り、図4のVII−VII線に沿った断面図である。 実施形態3に係り、図4のVIII−VIII線に沿った断面図である。 実施形態3に係り、外絶縁溝に被覆されている第2シール部および第1シール部付近を示す断面図である。 実施形態4に係り、太陽電池の基板の搭載面を搭載面に対して垂直方向に透視するときにおける透視図である。 実施形態4に係り、図10のXI−XI線に沿った断面図である。 実施形態3に係り、図10のXII−XII線に沿った断面図である。 従来技術に係り、太陽電池の基板の搭載面を搭載面に対して垂直方向に透視するときにおける透視図である。 従来技術に係り、太陽電池の断面図である。 スクライブ溝を第1シール部がシールしている理想的状態を示す部分断面図である。 スクライブ溝を第1シール部がシールしている実際の状態を示す部分断面図である。
本発明によれば、次の(i)〜(iv)の形態が採用できる。
(i)第1シール部は、シール性を必要とするばかりか、電解質室を区画するため、電解質室の電解質と接触する。このため第1シール部を形成する第1シール材料は、電解質に対して高い耐食性を必要とされるため、浸透性およびシール性のみを追求して高い浸透性およびシール性を獲得するには限界がある。
ここで、基板の搭載面を搭載面に対して垂直方向に透視するとき、電解質漏れ抑制手段は、スクライブ溝に繋がるようにスクライブ溝およびセルの外側に設けられた外部絶縁溝を具備していることがこのましい。この場合、セルが並設されているセル並設方向において、外部絶縁溝の数はスクライブ溝の数よりも少なくされていることが好ましい。これにより浸透性およびシール性の向上には限界がある第1シール部と外部絶縁溝とが接触する箇所および接触面積が低減される。この結果、外部絶縁溝における連通を遮断させる連通遮断性が向上する。従って、外部絶縁溝を介して電解質または蒸気が通過することが抑制される。
(ii)また、基板の搭載面を搭載面に対して垂直方向に透視するとき、電解質漏れ抑制手段は、スクライブ溝に繋がるようにスクライブ溝およびセルの外側に設けられた外部絶縁溝を具備していることが好ましい。この場合、外部絶縁溝は、外部絶縁溝の長さを増加させるように曲走部を有することが好ましい。曲走部は、外部絶縁溝の両端を最短距離で結ぶ距離よりも、外部絶縁溝の長さを長くする部分である。曲走部の数は1個以上にできる。曲走部は例えばU形状、V形状、L形状、蛇行状にできる。
ここで、第1シール部を形成する第1シール材料と外部絶縁溝とが部分的にでも接触していれば、外部絶縁溝を介しての連通遮断性が確保される。上記したように曲走部により外部絶縁溝の長さを長くできる。このため、第1シール部を形成する第1シール材料の浸透性に限界があるときであっても、第1シール材料と外部絶縁溝とが密接する確率を増加させることができる。従って、外部絶縁溝を介して電解質または蒸気(雨水)等が通過することが抑制される。
(iii)基板の搭載面を搭載面に対して垂直方向に透視するとき、電解質漏れ抑制手段は、スクライブ溝に繋がるようにスクライブ溝およびセルの外側に設けられた外部絶縁溝を具備していることが好ましい。この場合、第1シール部を形成する第1シール材料よりも高い浸透性をもつ第2シール材料を外部絶縁溝に被覆させると共に、外部絶縁溝の表面に形成されている微小な凹凸に第2シール材料を浸透させていることが好ましい。この結果、外部絶縁溝における連通性を遮断させる連通遮断性が向上する。従って、外部絶縁溝を介して電解質または蒸気が通過することが抑制される。
(iv)基板の搭載面を搭載面に対して垂直方向に透視するとき、電解質漏れ抑制手段は、複数の導電膜のうち、第1電気取出部を有する一の分割導電膜と、第2電気取出部を有する他の分割導電膜とを電気的に絶縁すると共にスクライブ溝の溝幅寸法よりも大きな幅寸法をもつ基板露出部分を形成し、当該基板露出部分に第1シール部を積層して形成されていることが好ましい。これにより第1シール部を形成する第1シール材料が当該基板露出部分に良好に密接してシールされる。
(実施形態1)
図1は実施形態1の概念を示す。図1は、基板1の搭載面11を搭載面11に対して垂直方向に透視する透視図を示す。図1は、便宜上、各部位の輪郭線を示す。図2は図1のII−II線に沿った断面図を示す。色素増感型太陽電池は、光を透過させる透光性をもつ平板状をなす基板1と、光を透過させる透光性をもつ導電膜2と、複数のスクライブ溝3と、色素増感型の複数のセル4と、第1シール部5とを有する。
基板1は、光が入射される平坦な入射面10と、入射面10に対して反対側に形成された平坦な搭載面11とを有する。基板1の平面視(図1)において一方向(セル並設方向)をX方向とし、一方向と直交する他方向をY方向(X方向に直交)とする。基板1は一般的には有機ガラスや無機ガラスで形成できる。なお、1f,1s,1t,1hは基板1の各端面を示す。
導電膜2は、蒸着やスパッタリング等の成膜手段により基板1の搭載面11に薄膜状に積層されている。導電膜2の材質として、フッ素またはアンチモンをドープの酸化錫、インジウムに酸化錫に置換固溶させたITOが例示される。スクライブ溝3は、基板1の搭載面11に積層された導電膜2を分離させ、複数の分割導電膜20a,20b,20c,20dを形成するように導電膜2に形成されており、従って、導電膜2の矢印X方向(セル並設方向)における連続導電性を遮断する。ここで、導電膜2が基板1の搭載面11の全面に積層されている状態で、スクライブ溝3は、レーザビームや電子ビーム等の高エネルギ密度ビームを導電膜2に照射させて導電膜部分を削るように形成されている。なお、極性(+極および−極)は図2に示されている。
図1に示すように、スクライブ溝3は、Y方向に延びる複数のY絶縁溝30と、Y絶縁溝30に繋がると共にX方向に延びる複数のX絶縁溝31とを有する。Y絶縁溝30はセル4の数に応じて形成される。Y絶縁溝30は、搭載面に対して垂直方向に透視するときにおける透視図において、セル4を+極と−極とに分割しており、図1のY方向においてセル4の一端から他端まで連続している。X絶縁溝31はセル4の外側且つシール部5内において、隣接するY方向溝30同士を接続する。
なお、隣接するセル4間の絶縁耐圧によっても相違するが、スクライブ溝3の溝幅寸法W1は例えば40〜150μm、60〜70μmにできる。スクライブ溝3の深さ寸法は例えば0.8〜1.5μm、1.0〜1.3μmにできる。但し、これらに限定されるものではない。なお、隣接するセル4間の絶縁耐圧1kV以上を確保するためには、スクライブ溝3の溝幅寸法W1は100μm以上、深さ寸法は導電膜2の厚みの2倍以上が好ましいと考えられている。
基板1における導電膜2の一端側には、正極(+極)となる第1電気取出部36が設けられている。基板1における導電膜2の他端側には負極(−極)となる第2電気取出部32が設けられている。すなわち、基板1における分割導電膜20aには第1電気取出部36が設けられている。分割導電膜20dには第2電気取出部32が設けられている。第1電気取出部36および第2電気取出部32は、互いに異なる極性を示す。概念図を示す図1では、便宜上、3個のセル4および4個の分割導電膜20a,20b,20c,20dが図示されているが、実際的に、セル4および分割導電膜20a,20b,20c,20d(20)は多数個にできる。なお、スクライブ溝3が形成される前では、導電膜2は基板1の搭載面11の全面にわたり積層されている。
図1に示すように、各セル4は端面4a,4b,4c,4dをもつ。各セル4は、各スクライブ溝3を跨ぐように、導電膜2において互いに間隔を隔てて矢印X方向(セル並設方向)において並設されている。図2に示すように、各セル4は、隣設する分割導電膜20a,20b,20c,20dに跨るように積層されている。単数のセル4は、導電膜2に積層された受光用の光極40と、光極40に積層されたセパレータ41と、セパレータ41に積層された対向電極42とを有する。光極40は、基板1の入射面10から入射した光(太陽光や人工光)を受光する。光極40は、N型半導体(アナターゼ型酸化チタン)に光増感色素(光照射により電子放出性をもつ)を担持させて形成されていることが好ましい。色素の担持にあたり、具体的には、ルテニウム錯体を溶解した色素をエタノール溶液に所定時間(10数時間)保持した後に、光極40に色素を吸着させる。
セパレータ41は光極40と対向電極42との間に介在しており、ルチル型の酸化チタンの多孔質体で形成されていることが好ましい。対向電極42はこれの厚み方向において光極40に対して所定の間隔を隔てて配置されている。対向電極42は、ハロゲン(ヨウ素)に対して高い耐食性および導電性をもつカーボン系の微粒子の集合体、或いは、金属材料で形成されていることが好ましい。金属としては、チタン、タンタル、ニオブ、タングステン、白金等を例示できる。対向電極42は、スクライブ溝3を跨ぎつつ隣の導電膜部分に着地する着地部420を有する。この結果、隣設するセル4同士は、対向電極42、分割導電膜20b,20cを介して電気的に直列に接続されている。なお、分割導電膜20a,20dは隣設するセル4の接続に関係していない。
図2に示すように、第1シール部5は複数のセル4を覆う。第1シール部5は、複数のセル4を個別に電解質6と共に収容する複数の電解質室60を形成する。従って、図2に示すように、第1シール部5は、複数のセル4で形成されたセル群の外側を1周する外枠シール部50と、隣接するセル4同士を仕切るリブ状をなす複数の仕切シール部52と、セル群全体を被覆する被覆シール部53(図2参照)とを有する。なお、図3に示すように、外枠シール部50は、Y方向に延びるY外枠シール部501と、Y外枠シール部501に繋がると共にX方向に延びるX外枠シール部502とで形成されている。
第1シール部5は、高いシール性を有すると共に、電解質6に対して化学的に安定で且つ電解質6に有害な物質を溶出させない材料が形成されていることが好ましい。更に、セル4の熱劣化等を防止するため、第1シール部5を形成する第1シール材料は、接着時に過剰に高温に加熱させることなく接着できる材料が好ましい。このようなことを考慮して、第1シール材料としては、例えば、ポリイソブチレン系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系等のポリオレフィン系材料、または、それらの共重合体等が挙げられる。ここで、第1シール材料は、これらのポリオレフィン系材料に接着性を付与させた変性ポリオレフィン系材料で形成されていることが好ましい。具体的には、接着性低密度ポリエチレンで形成されていることが好ましい。
電解質室60には、流動性を有する液状をなす電解質6が収容されている。電解質6は、ハロゲンイオン(ヨウ素イオン等)を含む電解質物質を溶媒に溶解させた電解液とすることができ、腐食性を有する。この場合、溶媒としては、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピロニトリル等のニトリル化合物を用いることができ、あるいは、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の溶媒またはこれらの混合溶媒を用いることができる。これら溶媒の代わりに溶融塩(イオン性液体)を用いても良い。
図2に示すように、第1シール部5は、防湿性を有するバックシート部7で覆われている。電気絶縁性およびガスバリヤ性を考慮すると、バックシート部7の母材は、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ボリエチレンテレテタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはポリブチレンナフタレート(PBN)が好ましい。具体的には、バックシート部7は、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ボリエチレンテレテタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはポリブチレンナフタレート(PBN)で形成された基材層となる第1層と、第1シール部5に対向するように第1層に積層された第2層とを有することが好ましい。場合によっては、バックシート部7は金属で形成されていても良い。なお、図1に示すように、バックシート部7は端面7a,7b,7c,7dをもつ。
本実施形態によれば、スクライブ溝3と外部92との連通遮断性を高める電解質漏れ抑制手段8が設けられている。電解質漏れ抑制手段8は、電解質室60に収容されている電解質6が外部92へ漏れることを抑制することができる。すなわち、電解質漏れ抑制手段8は、スクライブ溝3と外部92とが連通する連通性を遮断させる連通遮断性を高めると共に、各電解質室60に収容されている電解質6の外部92への漏れを抑制する。このため太陽電池の使用期間が長くなったとしても、第1シール部5でシールされているスクライブ溝3を介して電解質6が外部92に漏れることが抑制される。更には、外部92の蒸気や雨水がスクライブ溝3を介して色素増感型太陽電池の内部に進入することが抑制される。この結果、太陽電池の長期信頼性を更に高めることができる。
更に説明を加える。図1は、基板1の搭載面11を搭載面11に対して垂直方向に透視する図を示す。基板1の搭載面11を搭載面11に対して垂直方向に透視するとき、電解質漏れ抑制手段8は、スクライブ溝3に繋がる外絶縁溝80を有する。図1に示すように、外絶縁溝80の一端801は導電膜の端まで延設されており、つまり、基板1の端面1hおよび1tに露出しており、外絶縁溝80の他端803はスクライブ溝3のX方向溝31に繋がる。外絶縁溝80は、スクライブ溝3の場合と同様に、レーザビーム等の高エネルギ密度ビームを導電膜2に照射させて導電膜2を削ることにより形成されている。なお、図1から理解できるように、外絶縁溝80は、複数の分割導電膜20a,20b,20c,20dのうち、第1電気取出部36を有する一端側の分割導電膜20aと第2電気取出部32を有する他端側の分割導電膜20dとを、これらが互いに導通しないように電気的に絶縁する。外絶縁溝80については、図1に示すようにY方向(セル並設方向と直交する方向)において両側1対で、外絶縁溝80は1組とされる。
換言すると、基板1に形成されている外絶縁溝80の組数をNaとし、スクライブ溝3のY方向溝30の個数をNbとすると、基板1に搭載されているセル4の数にもよるが、外絶縁溝80の組数Naは、Y方向溝30の個数Nbよりも少なくされている。組数Naは、個数Nbの1/2以下、1/5以下、1/10以下の数が好ましい。電解質の漏れなどを防止するためには、外絶縁溝80は少ない方が好ましく、単数組が好ましい。
上記したように外絶縁溝80はレーザビーム等の高エネルギ密度ビームの照射で形成されている。ここで、外絶縁溝80と第1シール部5との接着については、理想的には、図15に示すように、第1シール部5の第1シール材料が外絶縁溝80の微小な凹凸に深く浸透して、高いシール性を獲得していることが好ましい。但し、実際的に、第1シール材料はシール性の他に、電解質に対して高い耐食性も要請されるため、第1シール材料の流動性および浸透性を高めるには限界がある。この場合、図16に示すように、第1シール部5の第1シール材料が外絶縁溝80の微小な凹凸に深く浸透しないおそれがある。
本実施形態によれば、図1に示すように、外絶縁溝80は、スクライブ溝3およびセル4の外側に設けられている。ここで、前述したように、セル4が並設されているセル並設方向(矢印X方向)において、外絶縁溝80の組数Naは、スクライブ溝3の個数Nb(外絶縁溝80のうち、矢印X方向において、セル4を載せる各分割導電膜20a,20b,20c,20dを仕切るためのY絶縁溝30の数)よりも少なくされている(Na<Nb)。このため実際的には、第1シール部5の第1シール材料が外絶縁溝80の微小な凹凸に完全に浸透しないおそれ(図16参照)があったとしても、外絶縁溝80の数は、スクライブ溝3の数(スクライブ溝3のY絶縁溝30の数)よりも少なくされているため、電池内部の電解質6がスクライブ溝3および外絶縁溝80を介して外部92に漏れることが抑制される。
上記したような本実施形態によれば、太陽電池の使用期間が8年、10年、またはそれ以上と長くなったとしても、第1シール部5でシールされているスクライブ溝3から電解質室60の電解質6が外絶縁溝80およびスクライブ溝3を介して外部92に漏れる確率が低減される。更には、外部92の蒸気や雨水等が外絶縁溝80およびスクライブ溝3を介して色素増感型太陽電池の内部に進入する確率が低減される。この結果、太陽電池の耐久性および長期信頼性を更に高めることができる。
なお実施形態1によれば、単数の基板1において形成されている複数のY方向溝30の全部をX方向溝31で接続すること無く、次のようにしても良い。即ち、基板1において形成されている複数のY方向溝30を複数の組要素に分けて、その組要素を構成する複数のY方向溝30を繋ぐX方向溝31を設ける。そして、その組要素毎に、図1のY方向におけ1組外絶縁溝80を形成し、これにより外絶縁溝80の組数Naをスクライブ溝3のY方向溝30の個数Nbよりも少なくしても良い(Na<Nb)。
(実施形態2)
図4および図5は実施形態2を示す。本実施形態は、前記した実施形態1と基本的に同様の構成および同様の作用効果を有する。図4は、基板1の搭載面11を搭載面11に対して垂直方向に透視する図を示す。図4は、便宜上、各部位の輪郭線を示す。図5は図1のV−V線に沿った断面図を示す。図4に示すように、電解質漏れ抑制手段8Bは、スクライブ溝3に繋がるようにスクライブ溝3およびセル4の外側に設けられた外絶縁溝80を有する。外絶縁溝80Bの先端は、基板1の端面1h,1tに露出している。図4および図5から理解できるように、外絶縁溝80Bは、複数の分割導電膜20a,20b,20c,20dのうち、第1電気取出部36を有する一端側の分割導電膜20aと第2電気取出部32を有する他端側の分割導電膜20dとを、これらが互いに導通しないように電気的に絶縁している。外絶縁溝80Bは、スクライブ溝3と同様に、レーザビーム等の高エネルギ密度ビームを導電膜2に照射させて導電膜2を削ることにより形成されている。図4に示すように、外絶縁溝80Bは、外絶縁溝80自体の長さを増加させるように、基板1の端面1fに向けてほぼ90°曲走する第1曲走部831と、端面1f側から反対側の端面1s側に向けて矢印X方向(セル並設方向)に沿って延びるように、ほぼ180°曲走する第2曲走部832と、端面1s側から反対側の端面1f側に向けて矢印X方向に沿って延びるように、ほぼ180°曲走する第3曲走部833と、端面1hに向けてほぼ90°曲走して矢印Y方向(セル並設方向と直交する方向)に沿って延びる第4曲走部834とを有する。第2曲走部832および第3曲走部833は、外絶縁溝80Bの進行方向をUターンさせる形状をなす。このように複数の曲走部831〜834が外絶縁溝80Bに形成されている結果、外絶縁溝80Bの長さは迂回され、それだけ長くされている。曲走部831〜834の曲げ角度は上記した角度に限定されず、適宜変更できる。
具体的には、図4から理解できるように、外絶縁溝80Bの長さLは、基本的には、第1曲走部831から第2曲走部832までの長さL1と、第2曲走部832から第3曲走部833までの長さL2と、第3曲走部833から第4曲走部834までの長さL3と、第4曲走部834から基板1の端面までの長さL4とを加算した長さとなる(L≒L1+L2+L3+L4)。
ところで、仮に、第1シール部5を形成する第1シール材料の浸透性が高くないときであっても、第1シール材料と外絶縁溝80Bの壁面とが部分的にでも1箇所でも良好に密着していれば、外絶縁溝80Bと外部92とを繋ぐ連通性を遮断でき、シール性が確保される。この点本実施形態によれば、曲走部831〜834により長さが長く設定された外絶縁溝80Bについては、第1シール材料と外絶縁溝80Bの壁面とが密着する確率が増加する。このため、曲走部831〜834を有する外絶縁溝80Bを介して電解質室60の電解質6が外部92に漏れることが抑制される。
ここで、複数の曲走部831〜834を有する絶縁溝80Bの長さが長くなればなる程、第1シール部5を形成する第1シール材料と外絶縁溝80Bの壁面とが部分的に接触する確率が高くなる。このため、外絶縁溝80Bおよびスクライブ溝3を介して電解質6の電解質6が外部92に漏れることが抑制される。更に、外部92の蒸気や雨水が外絶縁溝80Bおよびスクライブ溝3を介して電池の内部に進入することが抑制される。
このため太陽電池の使用期間がかなり長くなったとしても、第1シール部5でシールされている外絶縁溝80Bおよびスクライブ溝3から、電解質室60の電解質6が外部92に漏れる確率が低減される。更には、外絶縁溝80Bおよびスクライブ溝3から、外部92の蒸気や雨水等がスクライブ溝3を介して色素増型太陽電池の内部に進入する確率が低減される。この結果、太陽電池の耐久性および長期信頼性を更に高めることができる。なお、外絶縁溝80Bの数(Y方向の両端1対で1個)は、スクライブ溝3の数よりも少なくできる。場合によっては、外絶縁溝80Bの数はスクライブ溝3の同数にできる。
(実施形態3)
図6〜図9は実施形態3を示す。本実施形態は、前記した実施形態1と基本的にと同様の構成および同様の作用効果を有する。図6は、基板1の搭載面11を搭載面11に対して垂直方向に透視する図を示す。図7は図6のVII−VII線に沿った断面図を示す。図8は図6のVIII−VIII線に沿った断面図を示す。図6において、電解質漏れ抑制手段8Cは、スクライブ溝3に繋がるようにスクライブ溝3およびセル4の外側に設けられた外絶縁溝80Cを有する。外絶縁溝80Cは、複数の分割導電膜20a,20b,20c,20dのうち、第1電気取出部36を有する一端側の分割導電膜20aと第2電気取出部32を有する他端側の分割導電膜20dとを、これらが互いに導通しないように電気的に絶縁している。外絶縁溝80Cは、スクライブ溝3と同様に、レーザビーム等の高エネルギ密度ビームを導電膜2に照射させて導電膜2を部分的に削ることにより形成されている。ここで、図6に示すように、複数のセル4が並設されているセル並設方向(矢印X方向)において、外絶縁溝80Cの数は、スクライブ溝3のY方向溝30の数よりも少なくされている。
図9に示すように、外絶縁溝80Cをシールするにあたり、第1シール部5を形成する第1シール材料よりも高い浸透性をもつ第2シール材料90で形成された第2シール部9が用いられる。高い浸透性を有する第2シール部9により外絶縁溝80Cは被覆されてシールされている。この結果、図9に示すように、外絶縁溝80Cの表面に形成されている微小な凹凸800に、固化前の第2シール材料90を良好に浸透させた状態で、第2シール材料90を固化させて第2シール部9を形成させることができる。その後、第2シール部9の上に第1シール材料を塗布して覆い、第1シール材料を固化させて第1シール部5を形成する(図9参照)。このように本実施形態によれば、微小な凹凸800をもつ外絶縁溝80Cに第1シール部5を被覆させるにあたり、第1シール部5を形成する第1シール材料よりも浸透性が高い第2シール材料90を外絶縁溝80に直接的に被覆させて固化させるため、外絶縁溝80Cにおけるシール性を一層高めることができる。
更に説明を加える。第1シール部5は、シール性を必要とするばかりか、電解質室60を区画するため、電解質室60の電解質6と接触する。このため第1シール部5を形成する第1シール材料は、電解質6に対して高い耐食性を必要とされるため、シール性のみを追求して高いシール性を獲得するには限界がある。更に、セル4を直接的に覆う第1シール部5の接着時においてセル4を熱から保護するため、第1シール材料を熱処理して固化させる熱処理接着温度を過剰に高温化させるには限界がある。具体的には、第1シール材料の熱処理接着温度を150℃以上、180℃以上にすることは好ましくない。これに対して、第2シール部9は電解質室60を直接形成するものではなく、電解質室60の外部に位置されている外絶縁溝8Cを被覆してシールするものである。このため、第2シール部9を形成する第2シール材料90は、第1シール部5を形成する第1シール材料よりも高い浸透性をもつことができ、ひいては、外絶縁溝8Cにおいて高いシール性を発揮できる。
そこで本実施形態によれば、第1シール部5を形成する第1シール材料よりも高い浸透性をもつ第2シール材料により、外絶縁溝80Cは被覆されている。この結果、図9に示すように、外絶縁溝80Cの表面に形成されている微小な凹凸800に、固化前の第2シール材料を良好に浸透させて高いシール性を獲得した状態で固化させることができる。更に図9に示すように、外絶縁溝80Cに被覆された第2シール部9を第1シール部5で覆う。なお、溶融温度領域において、固化前の第1シール材料の粘性は例えば100〜1000Pa・s程度にでき、固化前の第2シール材料の粘性は例えば1〜100Pa・s程度にできる。第2シール材料90としては、例えば、ビスマス酸化物や鉛酸化物等といった低融点ガラスペースト(融点:400〜600℃)を用いることができる。更には、第2シール材料90としては、例えば、樹脂材料を有機溶剤に溶解した液状樹脂を用いることができる。このような第2シール材料90は、第1シール部5を形成する第1シール材料よりも高い浸透性をもち、ひいては、外絶縁溝80Cにおいて高いシール性を発揮できる。
なお、第1シール部5を形成する第1シール材料としては、例えば、ポリイソブチレン系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系等のポリオレフィン系材料、または、それらの共重合体等が挙げられる。ここで、第1シール材料は、これらのポリオレフィン系材料に接着性を付与させた変性ポリオレフィン系材料で形成されていることが好ましい。具体的には、接着性低密度ポリエチレンで形成されていることが好ましい。
本実施形態によれば、外絶縁溝80Cにおけるシール性を、従来技術に比較して一層高めることができる。この場合、第2シール部9を形成する第2シール材料90と外絶縁溝80Cの壁面とが部分的に仮に1箇所でも浸透して密着していれば、外絶縁溝80Cにおける連通性を遮断させる連通遮断性が獲得され、ひいては、電解質室60の電解質6が外絶縁溝80Cおよびスクライブ溝3を介して外部92に漏れることが抑制される。更に、外部92の蒸気や雨水が外絶縁溝80およびスクライブ溝3を介して電池の内部に進入することが抑制される。
このため、太陽電池の使用期間が長くなったとしても、電解質室60の電解質6が外絶縁溝80Cおよびスクライブ溝3を介して外部92に漏れる確率が低減される。更に、外部92の蒸気や雨水等が外絶縁溝80Cおよびスクライブ溝3を介して太陽電池の内部に進入する確率が低減される。この結果、太陽電池の長期信頼性を更に高めることができる。
更に本実施形態によれば、図6に示すように、セル4が並設されているセル並設方向(矢印X方向)において、外絶縁溝80の数は、スクライブ溝3の数(スクライブ溝3のうち矢印X方向において分割導電膜20a,20b,20c,20dを仕切るY絶縁溝30の数)よりも少なくされている。この意味においても、実施形態1と同様に、太陽電池の使用期間が長くなったとしても、シール部でシールされているスクライブ溝3から電解質室60の電解質6が外絶縁溝80Cおよびスクライブ溝3を介して外部92に漏れる確率が一層低減される。更に、外部92の蒸気や雨水等が外絶縁溝80Cおよびスクライブ溝3を介して色素増感型太陽電池の内部に進入する確率が一層低減される。この結果、太陽電池の長期信頼性を更に一層高めることができる。なお、外絶縁溝80Cの数はスクライブ溝3の数よりも少なくできる。場合によっては、外絶縁溝80Cの数はスクライブ溝3の同数にできる。
(実施形態4)
図10〜図12は実施形態4を示す。本実施形態は、前記した実施形態1と基本的にと同様の構成および同様の作用効果を有する。図10は、基板1の搭載面11を搭載面11に対して垂直方向に透視する図を示す。図10は各部位の輪郭線を示す。図11は図10におけるXI−XI線に沿った断面図を示す。図12は図10におけるXII−XII線に沿った断面図を示す。
図10に示すように、基板1の搭載面11を搭載面11に対して垂直方向に透視するとき、複数の導電膜2において基板露出部分14が形成されている。基板露出部分14には導電膜2は積層されていない。基板露出部分14は、第1電気取出部36を有する一の分割導電膜20aと、第2電気取出部32を有する他の分割導電膜20dとを、これらが互いに導通しないように電気的に絶縁する。図10において、明確化のため、基板露出部分14をハッチングで示す。基板露出部分14は、互いに対向する第1辺14aと、第1辺14aに隣接しつつ互いに対向する第2辺14cとを有する。基板露出部分14は、矢印Y方向の両端側において第1露出部分141と第2露出部分142とを有する。
電解質漏れ抑制手段8Dは、基板露出部分14に第1シール部5を積層して形成されている。ここで、図10に示すように、セル並設方向である矢印X方向において、基板露出部分14は、スクライブ溝3の溝幅寸法W1に比較すると、かなり大きな幅寸法W2をもつ。具体的には、矢印X方向において、基板1の寸法W3を100と相対表示するとき、基板露出部分14の幅寸法W2は100を占める。
本実施形態によれば、基板露出部分14は、基板1のほぼ全面に導電膜2を積層させた状態で、ショット(グリッド、砂粒子を含む)等の微小な投射材の群を導電膜2に投射させて導電膜部分を削り、基板1の搭載面11の一部を露出させることにより形成されていることが好ましい。あるいは、基板露出部分14は、基板1のほぼ全面に導電膜2を積層させた状態で、エッチング液でエッチングさせて基板1の搭載面11の一部を露出させることにより形成されていることが好ましい。この場合、基板露出部分14における凹凸の粗さは、レーザビームや電子ビーム等の高エネルギ密度ビームで形成されたスクライブ溝3の表面における凹凸の粗さよりもかなり小さくされている。よって、Raで、基板露出部分14における凹凸の表面粗さは、スクライブ溝3の表面における凹凸の表面粗さよりも小さくされている。その理由としては、スクライブ溝3は、レーザビームや電子ビーム等の高エネルギ密度ビームで削ることにより形成されており、急激な蒸発現象を伴うため、ショット等の投射材の投射方式やエッチング方式に比較して、スクライブ溝3の表面における凹凸の粗さは大きくなり、且つ、凹凸の鋭角性が高まるためである。スクライブ溝3の溝底面に比較すると、基板露出部分14は平滑化されている。
このように基板1のうち基板露出部分14における凹凸の粗さは小さくされているため、第1シール部5を形成する第1シール材料の流動性が低いときであっても、つまり、固化前の第1シール材料の流動性が固化前の第2シール材料90よりも低いときであっても、基板露出部分14に第1シール材料を浸透固化させて第1シール部5を形成すれば、基板露出部分14に第1シール部5を積層させて基板露出部分14を良好に密着させてシールできる。この場合、高エネルギ密度ビームでスクライブ溝3が形成されているときであっても、スクライブ溝3と第1シール部5とが接触する箇所が低減または消失されている。
(その他)
セル4,第1シール部5,第2シール部9を形成する材料は上記した材料のみに限定されるものではない。セル4の数は適宜設定できる。本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。
1は基板、10は入射面、11は搭載面、14は基板露出部分、2は導電膜、20は分割導電膜、31は第1電気取出部、32は第2電気取出部、3はスクライブ溝、4はセル、40は光極、41はセパレータ、42は対向電極、5は第1シール部、6は電解質、60は電解質室、7はバックシート部、8は電解質漏れ抑制手段、80は外部絶縁溝、831,832,833,834は曲走部、9は第2シール部、90は第2シール材料を示す。

Claims (5)

  1. 光が入射される入射面と前記入射面に対して反対側に形成された前記搭載面とを有すると共に透光性を有する基板と、前記基板の前記搭載面に積層された透光性をもつ導電膜と、前記導電膜を複数の分割導電膜に区切る複数のスクライブ溝と、前記スクライブ溝を跨ぐように隣設する前記分割導電膜に互いに間隔を隔てて並設され且つ前記分割導電膜を介して電気的に接続された色素増感型の複数のセルと、複数の前記分割導電膜のうち一の前記分割導電膜に設けられ正極および負極のうちの一方となる第1電気取出部と、複数の前記分割導電膜のうち他の前記分割導電膜に設けられ正極および負極のうちの他方となる第2電気取出部と、複数の前記セルを覆うと共に前記セルを電解質と共に収容する電解質室を形成する第1シール部と、前記スクライブ溝と外部との連通遮断性を高めると共に前記電解質室に収容されている前記電解質の外部への漏れを抑制する電解質漏れ抑制手段とを具備する色素増感型太陽電池。
  2. 請求項1において、前記基板の前記搭載面を前記搭載面に対して垂直方向に透視するとき、前記電解質漏れ抑制手段は、前記スクライブ溝に繋がるように前記スクライブ溝および前記セルの外側に設けられた外部絶縁溝を具備しており、前記セルが並設されているセル並設方向において、前記外部絶縁溝の数は前記スクライブ溝の数よりも少なくされている色素増感型太陽電池。
  3. 請求項1において、前記基板の前記搭載面を前記搭載面に対して垂直方向に透視するとき、前記電解質漏れ抑制手段は、前記スクライブ溝に繋がるように前記スクライブ溝および前記セルの外側に設けられた外部絶縁溝を具備しており、前記外部絶縁溝は、前記外部絶縁溝の長さを増加させるように単数または複数の曲走部を有する色素増感型太陽電池。
  4. 請求項3において、前記基板の前記搭載面を前記搭載面に対して垂直方向に透視するとき、前記電解質漏れ抑制手段は、前記スクライブ溝に繋がるように前記スクライブ溝および前記セルの外側に設けられた外部絶縁溝を具備しており、前記第1シール部を形成する第1シール材料よりも高い浸透性をもつ第2シール材料を前記外部絶縁溝に被覆させると共に、前記外部絶縁溝の表面に形成されている微小な凹凸に前記第2シール材料を浸透させている色素増感型太陽電池。
  5. 請求項1において、前記基板の前記搭載面を前記搭載面に対して垂直方向に透視するとき、前記電解質漏れ抑制手段は、複数の前記分割導電膜のうち、前記第1電気取出部を有する一の前記分割導電膜と前記第2電気取出部を有する他の前記分割導電膜とを電気的に絶縁すると共に前記スクライブ溝の溝幅寸法よりも大きな幅寸法をもつ基板露出部分を形成し、当該基板露出部分に前記第1シール部を積層して形成されている色素増感型太陽電池。
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