JP2011128428A - 光高調波発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 入射光強度が弱い場合でも、従来より変換効率を高くすることが可能な光高調波発生装置を提供することができる。
【解決手段】 本光高調波発生装置は、基本波の光を閉じこめて前記基本波の光強度を増強する第1共振器と、前記第1共振器に閉じこめられた前記基本波の光が入射する第2共振器と、前記第2共振器の光軸上に配置され、入射する前記基本波の光を2次高調波の光に変換する波長変換素子と、を有し、前記第2共振器は、前記2次高調波の光を閉じこめて前記2次高調波の光強度を増強するとともに、光強度が増強された前記2次高調波の光の一部を前記第2共振器の外部に出射する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、入射光の2次高調波を発生する光高調波発生装置に関する。
従来より、レーザー光を非線形結晶に入射させることにより、入射したレーザー光の周波数をn倍の周波数(n次高調波)に変換する技術が知られている(nは2以上の自然数)。このような技術の一例としては、角周波数ω(基本波)の光の光源であるレーザー、角周波数ωの光を角周波数2ωの光(2次高調波)に変換する非線形結晶、及び角周波数ωの光を閉じこめる共振器とを有し、非線形結晶を共振器内に配置して、角周波数2ωの光を共振器の外に取り出す構成を挙げることができる。又、他の例としては、角周波数ωの光(基本波)の光源であるレーザー、角周波数ωの光を角周波数2ωの光(2次高調波)に変換する第1の非線形結晶、角周波数2ωの光を角周波数4ωの光(4次高調波)に変換する第2の非線形結晶、及び角周波数ωの光及び角周波数2ωの光を閉じこめる共振器とを有し、第1及び第2の非線形結晶を共振器内に配置して、角周波数4ωの光を共振器の外に取り出す構成を挙げることができる。
特開平6−265954号公報 特開平6−265955号公報
しかしながら、従来の技術では、入射された角周波数ωの光強度が強ければ強いほど、変換効率(入射された角周波数ωの光強度に対する、出射された角周波数nωの光強度の割合)が高くなるが、入射された角周波数ωの光強度が弱い場合には、変換効率を高くすることができないという問題があった。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、入射光の光強度が弱い場合でも、従来より変換効率を高くすることが可能な光高調波発生装置を提供することを課題とする。
本光高調波発生装置は、基本波の光を閉じこめて前記基本波の光強度を増強する第1共振器と、前記第1共振器に閉じこめられた前記基本波の光が入射する第2共振器と、前記第2共振器の光軸上に配置され、入射する前記基本波の光を2次高調波の光に変換する波長変換素子と、を有し、前記第2共振器は、前記2次高調波の光を閉じこめて前記2次高調波の光強度を増強するとともに、光強度が増強された前記2次高調波の光の一部を前記第2共振器の外部に出射することを要件とする。
開示の技術によれば、入射光強度が弱い場合でも、従来より変換効率を高くすることが可能な光高調波発生装置を提供することができる。
第1の実施の形態に係る光高調波発生装置を例示する図である。 比較例1に係る光高調波発生装置を例示する図である。 比較例2に係る光高調波発生装置を例示する図である。 第2共振器40の共振器長を変化させたときの光高調波発生装置10の出射光の光強度I2ωの計算結果を例示する図である。 光高調波発生装置10の出射光の光強度I2ωのミラー44の透過率T2ω依存性の計算結果を例示する図である。 第1の実施の形態の変形例に係る光高調波発生装置を例示する図である。 第2の実施の形態に係る光高調波発生装置を例示する図である。 スイッチ88がoff状態の時のVinとVoutとの関係を例示する図である。 図7のVinを変化させたときの光高調波発生装置80の出射光の光強度I2ωの測定結果を例示する図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
〈第1の実施の形態〉
図1は、第1の実施の形態に係る光高調波発生装置を例示する図である。図1を参照するに、光高調波発生装置10は、第1共振器20と、波長変換素子30と、第2共振器40とを有する。なお、図1において、実線は角周波数ωの光(基本波)の経路を、破線は角周波数2ωの光(2次高調波)の経路を示している(以降、他の図についても同様)。
第1共振器20は、ミラー21と、ミラー22と、ミラー23と、ミラー24とを有する。ミラー21は、入射される角周波数ωの光(基本波)の極一部を透過し、他部を反射するミラーとして機能する。角周波数ωの光に対するミラー21の透過率は、例えば3.5%とすることができる。ミラー22〜24は、入射される角周波数ωの光の略全部を反射するミラーとして機能する。角周波数ωの光に対するミラー22〜24の透過率は、例えば略0%(反射率が略100%)とすることができる。ミラー21及び22としては、例えば平面ミラーを用いることができる。ミラー23及び24としては、例えば凹面ミラーを用いることができる。
波長変換素子30は、入射される角周波数ωの光の一部を角周波数2ωの光(2次高調波)に変換して出射する機能を有する。波長変換素子30としては、例えばBBO、LBO、KTP等の結晶を含めた非線形光学結晶を用いることができる。
第2共振器40は、ミラー41と、ミラー42と、ミラー43と、ミラー44とを有する。ミラー41及び42は、入射される角周波数ωの光の略全部を透過し、入射される角周波数2ωの光の略全部を反射するミラーとして機能する。角周波数ωの光に対するミラー41及び42の透過率は、例えば略100%(反射率が略0%)とすることができる。角周波数2ωの光に対するミラー41及び42の透過率は、例えば略0%(反射率が略100%)とすることができる。
ミラー43は、入射される角周波数2ωの光の略全部を反射するミラーとして機能する。角周波数2ωの光に対するミラー43の透過率は、例えば略0%(反射率が略100%)とすることができる。ミラー44は、入射される角周波数2ωの光の極一部を透過し、他部を反射するミラーとして機能する。角周波数2ωの光に対するミラー44の透過率は、例えば3.0%とすることができる。ミラー41及び42としては、例えば平面ミラーを用いることができる。ミラー43及び44としては、例えば凹面ミラーを用いることができる。
第1共振器20において、ミラー21を透過した角周波数ωの光の略全部は、ミラー41を透過し、波長変換素子30に入射する。波長変換素子30に入射した角周波数ωの光の一部は角周波数2ωの光に変換され、他部はそのまま透過する。波長変換素子30を透過した角周波数ωの光の略全部は、ミラー42を透過し、ミラー22に反射されて、ミラー23に入射する。ミラー23に入射した角周波数ωの光の略全部は、ミラー23に反射されて、ミラー24に入射する。ミラー24に入射した角周波数ωの光の略全部は、ミラー24に反射されて、ミラー21に入射する。ミラー21に入射した角周波数ωの光の極一部はミラー21を透過し第1共振器20の外部に出射される。又、ミラー21に入射した角周波数ωの光の他部はミラー21に反射されて、再びミラー41を透過し、波長変換素子30に入射する。以降、同様の動作を繰り返し、角周波数ωの光は、第1共振器20内を往復して次第に光強度が増強される。
第1共振器20において、ミラー21を透過した角周波数ωの光がミラー22〜24を経由し、ミラー21に入射するまでの光学的な長さを、第1共振器20の共振器長という。第1共振器20は、角周波数ωの光の共鳴条件を満たすように、共振器長が調整されている。このように、第1共振器20は所謂リング共振器であり、入射される角周波数ωの光を空間的に閉じ込める機能を有する。
第2共振器40において、ミラー21を透過した角周波数ωの光の略全部は、ミラー41を透過し、波長変換素子30に入射する。波長変換素子30に入射した角周波数ωの光の一部は角周波数2ωの光に変換され、ミラー42に入射する。ミラー42に入射した角周波数2ωの光の略全部は、ミラー42に反射されて、ミラー43に入射する。ミラー43に入射した角周波数2ωの光の略全部は、ミラー43に反射されて、ミラー44に入射する。ミラー44に入射した角周波数2ωの光の極一部はミラー44を透過し第2共振器40の外部に出射される。又、ミラー44に入射した角周波数2ωの光の他部はミラー44に反射されて、ミラー41に入射する。ミラー41に入射した角周波数2ωの光の略全部は、ミラー41に反射されて、再び波長変換素子30に入射する。以降、同様の動作を繰り返し、角周波数2ωの光は、第2共振器40内を往復して次第に光強度が増強される。
第2共振器40において、ミラー41を反射した角周波数2ωの光がミラー42〜44を経由し、ミラー41に入射するまでの光学的な長さを、第2共振器40の共振器長という。第2共振器40は、角周波数2ωの光の共鳴条件を満たすように、共振器長が調整されている。このように、第2共振器40は所謂リング共振器であり、入射される角周波数2ωの光を空間的に閉じ込める機能を有する。
以上のように、第1の実施の形態に係る光高調波発生装置10は、入射される角周波数ωの光(基本波)を空間的に閉じ込める第1共振器20と、入射される角周波数2ωの光(2次高調波)を空間的に閉じ込める第2共振器40とを有する。そして、第2共振器40内に、入射される角周波数ωの光の一部を角周波数2ωの光に変換して出射する波長変換素子30が配置されている。
光高調波発生装置10を上記構成にすることにより、光高調波発生装置10に入射された角周波数ωの光(基本波)は波長変換素子30で角周波数2ωの光(2次高調波)に変換され、変換された角周波数2ωの光(2次高調波)は第2共振器40内を往復して次第に光強度が増強される。そして、光強度が増強された角周波数2ωの光(2次高調波)の一部を外部に取り出すことにより、従来に比べて光強度の高い角周波数2ωの光(2次高調波)を得ることができる。すなわち、従来に比べて、変換効率(光高調波発生装置10に入射された角周波数ωの光強度に対する、光高調波発生装置10から出射された角周波数2ωの光強度の割合)を向上することができる。
以下、比較例1及び2を参照しながら、第1の実施の形態に係る光高調波発生装置10のもたらす効果について更に詳しく説明する。
[比較例1]
図2は、比較例1に係る光高調波発生装置を例示する図である。図2において、図1に示す光高調波発生装置10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。図2を参照するに、光高調波発生装置50は、波長変換素子30を有する。
光高調波発生装置50において、入射する角周波数ωの光の一部は、波長変換素子30により角周波数2ωの光に変換され、光高調波発生装置50の外部に出射される。入射する角周波数ωの光の他部は、角周波数ωの光として光高調波発生装置50の外部に出射される。
以上のように、比較例1に係る光高調波発生装置50は、光高調波発生装置10とは異なり、角周波数ωの光(基本波)を空間的に閉じ込める共振器や、角周波数2ωの光(2次高調波)を空間的に閉じ込める共振器を有していないため、光高調波発生装置10に比べて変換効率は低くなる。光高調波発生装置50の出射光の光強度I2ωは式(数1)で表すことができる。
Figure 2011128428

式(数1)において、Iωは入射光(基本波)の光強度、I2ωは出射光(2次高調波)の光強度、μは真空の透磁率、cは真空の光速、εは真空の誘電率、χ(2)は波長変換素子の2次の非線形分極率、ωは入射光(基本波)の角周波数、Lは波長変換素子の光軸方向の長さ、nは波長変換素子の角周波数2ωの光(2次高調波)に対する屈折率を示している(以下の式においても同じ)。
[比較例2]
図3は、比較例2に係る光高調波発生装置を例示する図である。図3において、図1に示す光高調波発生装置10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。図3を参照するに、光高調波発生装置60は、波長変換素子30と、共振器70とを有する。
共振器70は、ミラー21と、ミラー72と、ミラー23と、ミラー24とを有する。光高調波発生装置10における第1共振器20と比較すると、ミラー22がミラー72に置換されている。ミラー72は、入射される角周波数ωの光の略全部を反射し、入射される角周波数2ωの光の略全部を透過するミラーとして機能する。角周波数ωの光に対するミラー72の透過率は、例えば略0%(反射率が略100%)とすることができる。角周波数2ωの光に対するミラー72の透過率は、例えば略100%(反射率が略0%)とすることができる。
共振器70において、ミラー21を透過した角周波数ωの光の略全部は、波長変換素子30に入射する。波長変換素子30に入射した角周波数ωの光の一部は角周波数2ωの光に変換され、他部はそのまま透過する。波長変換素子30を透過した角周波数ωの光の略全部は、ミラー72に反射されて、ミラー23に入射する。又、波長変換素子30で角周波数2ωの光に変換された光の略全部はミラー72を透過し共振器70の外部に出射される。ミラー23に入射した角周波数ωの光の略全部は、ミラー23に反射されて、ミラー24に入射する。ミラー24に入射した角周波数ωの光の略全部は、ミラー24に反射されて、ミラー21に入射する。ミラー21に入射した角周波数ωの光の極一部はミラー21を透過し共振器70の外部に出射される。又、ミラー21に入射した角周波数2ωの光の他部はミラー21に反射されて、再び波長変換素子30に入射する。以降、同様の動作を繰り返し、角周波数ωの光は、共振器70内を往復して次第に光強度が増強される。
共振器70において、ミラー21を透過した角周波数ωの光がミラー72、23、24を経由し、ミラー21に入射するまでの光学的な長さを、共振器70の共振器長という。共振器70は、角周波数ωの光の共鳴条件を満たすように、共振器長が調整されている。このように、共振器70は所謂リング共振器であり、入射される角周波数ωの光を空間的に閉じ込める機能を有する。
以上のように、比較例2に係る光高調波発生装置60は、角周波数ωの光(基本波)を空間的に閉じ込める共振器70を有しているが、光高調波発生装置10とは異なり、角周波数2ωの光(2次高調波)を空間的に閉じ込める共振器を有していないため、光高調波発生装置10に比べて変換効率は低くなる。但し、角周波数ωの光(基本波)を空間的に閉じ込める共振器70の効果により、比較例1に係る光高調波発生装置50よりは変換効率が高くなる。光高調波発生装置60の出射光の光強度I2ωは式(数2)で表すことができる。
Figure 2011128428

式(数2)において、Tωはミラー21の透過率、γωは角周波数ωの光(基本波)が共振器70を1周するときの減衰係数を示している。式(数2)を式(数1)と比較するとわかるように、式(数2)は式(数1)に第4項が追加されたものである。そのため、第4項が1よりも大きな値となるように、透過率Tω及び減衰係数γωを設定することにより、式(数1)の場合よりも出射光の光強度I2ωを高めることができる。
[第1の実施の形態と比較例1及び2との比較]
第1の実施の形態に係る光高調波発生装置10の出射光の光強度I2ωは式(数3)で表すことができる。
Figure 2011128428

式(数3)において、T2ωはミラー44の透過率、γ2ωは角周波数2ωの光(2次高調波)が第2共振器40を1周するときの減衰係数を示している。式(数3)を式(数2)と比較するとわかるように、式(数3)は式(数2)に第5項が追加されたものである。そのため、第5項が1よりも大きな値となるように、透過率T2ω及び減衰係数γ2ωを設定することにより、式(数2)の場合よりも更に出射光の光強度I2ωを高めることができる。又、式(数3)を式(数1)と比較するとわかるように、式(数3)は式(数1)に第4項及び第5項が追加されたものであるため、第4項及び第5項を1よりも大きな値となるように、前述のように設定することにより、式(数1)の場合よりも出射光の光強度I2ωを大幅に高めることができる。
図4は、第2共振器40の共振器長を変化させたときの光高調波発生装置10の出射光の光強度I2ωの計算結果を例示する図である。図4において、(10)は光高調波発生装置10の出射光の光強度I2ωの計算結果を示している。又、比較のために、(50)として比較例1に係る光高調波発生装置50の出射光の光強度I2ωの計算結果を、(60)として比較例2に係る光高調波発生装置60の出射光の光強度I2ωの計算結果を示した。図4において、横軸は第2共振器40の共振器長であり、縦軸は出射光の光強度I2ωの対数(任意単位)である。ここでは、縦軸において(60)の出射光の光強度I2ωの計算結果を1としている。なお、図4の(10)、(50)、及び(60)において、入射光の光強度Iωは同一である。
図4に示すように、比較例1に係る光高調波発生装置50の出射する光強度I2ω(50)よりも、比較例2に係る光高調波発生装置60の出射する光強度I2ω(60)の方が大きい。これは、前述の式(数2)の第4項が1よりも大きな値に設定されているためである。なお、図4の例では、比較例2に係る光高調波発生装置60の出射する光強度I2ω(60)は、比較例1に係る光高調波発生装置50の出射する光強度I2ω(50)の数百倍程度である。
又、図4に示すように、第2共振器40が角周波数2ωの光の共鳴条件を満たしている場合(図4の矢印部)には、比較例2に係る光高調波発生装置60の出射する光強度I2ω(60)よりも、第1の実施の形態に係る光高調波発生装置10の出射する光強度I2ω(10)の方が大きい。これは、前述の式(数3)の第5項が1よりも大きな値に設定されているためである。なお、図4の例では、第2共振器40が角周波数2ωの光の共鳴条件を満たしている場合(図4の矢印部)には、第1の実施の形態に係る光高調波発生装置10の出射する光強度I2ω(10)は、比較例2に係る光高調波発生装置60の出射する光強度I2ω(60)の数十倍程度である。又、第1の実施の形態に係る光高調波発生装置10の出射する光強度I2ω(10)は、比較例1に係る光高調波発生装置50の出射する光強度I2ω(50)の数千倍程度である。
図5は、光高調波発生装置10の出射光の光強度I2ωのミラー44の透過率T2ω依存性の計算結果を例示する図である。図5では、式(数2)で得られる比較例2に係る光高調波発生装置60の出射する光強度I2ωを1としたとき(共振器70は角周波数ωの光の共鳴条件を満たしている)、第2共振器40が角周波数2ωの光の共鳴条件を満たしている場合に式(数3)で得られる光強度I2ωの計算結果を例示している。ここでは、第2共振器40の損失を3.1%として計算した(すなわち、式(数3)においてγ2ω=0.969とした)。
図5に示すように、第2共振器40が角周波数2ωの光の共鳴条件を満たしている場合、光高調波発生装置10の出射光の光強度I2ωはミラー44の透過率T2ωに依存して変化し、透過率T2ωが第2共振器40の損失(1−γ2ω)と一致するときに最大になる。図5の例では、透過率T2ωが第2共振器40の損失3.1%(1−γ2ω=0.031)と同じ3.1%(T2ω=0.031)のときに光強度I2ωが最大となり、このときの光強度I2ωは式(数2)の場合の略30倍である。なお、第1共振器20が角周波数ωの光の共鳴条件を満たしている場合、光高調波発生装置10の出射光の光強度I2ωはミラー21の透過率Tωに依存して変化し、透過率Tωが第1共振器20の損失(1−γω)と一致するときに最大になる。
このように、式(数3)において、ミラー21の透過率Tω、及び角周波数ωの光が第1共振器20を1周するときの減衰係数γωを最適化し、かつ、ミラー44の透過率T2ω、及び角周波数2ωの光が第2共振器40を1周するときの減衰係数γ2ωを最適化することにより、光高調波発生装置10の出射光の光強度I2ωを最大化することができる。
以上のように、第1の実施の形態に係る光高調波発生装置10は、入射される角周波数ωの光(基本波)を空間的に閉じ込める第1共振器20(第1共振器20は角周波数ωの光の共鳴条件を満たしている)と、入射される角周波数2ωの光(2次高調波)を空間的に閉じ込める第2共振器40(第2共振器40は角周波数2ωの光の共鳴条件を満たしている)とを有する。そして、第2共振器40内に、入射される角周波数ωの光の一部を角周波数2ωの光に変換して出射する波長変換素子30が配置されている。その結果、比較例1及び2に示した従来の光高調波発生装置に比べて、光強度の高い角周波数2ωの光(2次高調波)を得ることができる。すなわち、従来の光高調波発生装置に比べて、変換効率(光高調波発生装置10に入射された角周波数ωの光強度に対する、光高調波発生装置10から出射された角周波数2ωの光強度の割合)を向上することができる。
前述のように、従来の技術では、入射光の光強度が強ければ強いほど変換効率が高くなるが、入射光の光強度が弱い場合には変換効率を高くすることができない。第1の実施の形態に係る光高調波発生装置10によれば、従来の光高調波発生装置に比べて変換効率を向上することができるため、特に、入射光の光強度が弱い場合にその効果を発揮する。例えば、図4の例では、第2共振器40が角周波数2ωの光の共鳴条件を満たしている場合、第1の実施の形態に係る光高調波発生装置10の出射光の光強度I2ω(10)は、比較例1に係る光高調波発生装置50の出射光の光強度I2ω(50)の数千倍程度である。よって、比較例1に係る光高調波発生装置50の出射光の光強度I2ωが例えば1μWであれば、第1の実施の形態に係る光高調波発生装置10の出射光の光強度I2ωとして、その数千倍の数mWを得ることができる。
なお、第1の実施の形態に係る光高調波発生装置10は、変換効率の高い角周波数2ωの光(2次高調波)を得るために、角周波数ωの共振器及び角周波数2ωの共振器を設けたものであり、従来技術の角周波数2ωの光(2次高調波)を得るために角周波数ωの共振器を設けたり、角周波数4ωの光(4次高調波)を得るために、角周波数ωの共振器及び角周波数2ωの共振器を設けたりするものとは、全く異なる技術思想を有する発明である。
角周波数2ωの光を出射する光高調波発生装置10に角周波数2ωの光を空間的に閉じ込める第2共振器40を設けることは、式(数3)において波長変換素子30の光軸方向の長さLを長くすることに相当する。周知のように、波長変換素子30の光軸方向の長さLを長くするほど、角周波数2ωの光が波長変換素子30を長く通ることになるため変換効率が高くなるが、波長変換素子30の光軸方向の長さLを長くすることには限界がある。光高調波発生装置10では、角周波数2ωの光を空間的に閉じ込める第2共振器40を設けることにより、実質的に波長変換素子30の光軸方向の長さLを長くした場合と同様の効果を得ることが可能となり、従来の光高調波発生装置に比べて変換効率を大幅に向上することができる。
〈第1の実施の形態の変形例〉
第1の実施の形態では、角周波数ωの光を空間的に閉じ込める第1共振器、及び角周波数2ωの光を空間的に閉じ込める第2共振器としてリング共振器を用いた。第1の実施の形態の変形例では、リング共振器を用いず、角周波数ωの光を空間的に閉じ込める第1共振器、波長変換素子、及び角周波数2ωの光を空間的に閉じ込める第2共振器を同一光軸上に配置する例を示す。
図6は、第1の実施の形態の変形例に係る光高調波発生装置を例示する図である。図6において、図1に示す光高調波発生装置10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。図6を参照するに、光高調波発生装置10Aは、第1共振器20Aと、波長変換素子30と、第2共振器40Aとを有する。第1共振器20Aと、波長変換素子30と、第2共振器40Aとは、同一光軸上に配置されている。
第1共振器20Aは、ミラー21Aと、ミラー22Aとを有する。ミラー21Aは、入射される角周波数ωの光(基本波)の極一部を透過し、他部を反射するミラーとして機能する。角周波数ωの光に対するミラー21Aの透過率は、例えば3.5%とすることができる。ミラー22Aは、入射される角周波数ωの光の略全部を反射し、入射される角周波数2ωの光の略全部を透過するミラーとして機能する。角周波数ωの光に対するミラー22Aの透過率は、例えば略0%(反射率が略100%)とすることができる。角周波数2ωの光に対するミラー22Aの透過率は、例えば略100%(反射率が略0%)とすることができる。ミラー21A及び22Aとしては、例えば凹面ミラーを用いることができる。
第2共振器40Aは、ミラー41Aと、ミラー42Aとを有する。ミラー41Aは、入射される角周波数ωの光の略全部を透過し、入射される角周波数2ωの光の略全部を反射するミラーとして機能する。角周波数ωの光に対するミラー41Aの透過率は、例えば略100%(反射率が略0%)とすることができる。角周波数2ωの光に対するミラー41Aの透過率は、例えば略0%(反射率が略100%)とすることができる。
ミラー42Aは、入射される角周波数ωの光の略全部を透過するとともに、入射される角周波数2ωの光の極一部を透過し他部を反射するミラーとして機能する。角周波数ωの光に対するミラー42Aの透過率は、例えば略100%(反射率が略0%)とすることができる。角周波数2ωの光に対するミラー42Aの透過率は、例えば3.0%とすることができる。ミラー41A及び42Aとしては、例えば凹面ミラーを用いることができる。
第1共振器20Aにおいて、ミラー21Aを透過した角周波数ωの光の略全部は、ミラー41Aを透過し、波長変換素子30に入射する。波長変換素子30に入射した角周波数ωの光の一部は角周波数2ωの光に変換され、他部はそのまま透過する。波長変換素子30を透過した角周波数ωの光の略全部は、ミラー42Aを透過し、ミラー22Aに入射する。ミラー22Aに入射した角周波数ωの光の略全部は、ミラー22Aに反射されて、再びミラー42A、波長変換素子30、及びミラー41Aを透過し、ミラー21Aに入射する。以降、同様の動作を繰り返し、角周波数ωの光は、第1共振器20A内を往復して次第に光強度が増強される。
第1共振器20Aにおいて、ミラー21Aを透過した角周波数ωの光がミラー22Aに反射され、再びミラー21Aに入射するまでの光学的な長さを、第1共振器20Aの共振器長という。第1共振器20Aは、角周波数ωの光の共鳴条件を満たすように、共振器長が調整されている。このように、第1共振器20Aは、入射される角周波数ωの光を空間的に閉じ込める機能を有する。
第2共振器40Aにおいて、ミラー21Aを透過した角周波数ωの光の略全部は、ミラー41Aを透過し、波長変換素子30に入射する。波長変換素子30に入射した角周波数ωの光の一部は角周波数2ωの光に変換され、ミラー42Aに入射する。ミラー42Aに入射した角周波数2ωの光の極一部はミラー42Aを透過し、更にミラー22Aを透過して第2共振器40Aの外部に出射される。又、ミラー42Aに入射した角周波数2ωの光の他部はミラー42Aに反射されて、再び波長変換素子30を経由してミラー41Aに入射する。以降、同様の動作を繰り返し、角周波数2ωの光は、第2共振器40A内を往復して次第に光強度が増強される。
第2共振器40Aにおいて、ミラー41Aを透過した角周波数2ωの光がミラー42Aに反射され、再びミラー41Aに入射するまでの光学的な長さを、第2共振器40Aの共振器長という。第2共振器40Aは、角周波数2ωの光の共鳴条件を満たすように、共振器長が調整されている。このように、第2共振器40Aは、入射される角周波数2ωの光を空間的に閉じ込める機能を有する。
以上のように、第1の実施の形態の変形例に係る光高調波発生装置10Aは、入射される角周波数ωの光(基本波)を空間的に閉じ込める第1共振器20Aと、入射される角周波数2ωの光(2次高調波)を空間的に閉じ込める第2共振器40Aとを有する。そして、第2共振器40A内に、入射される角周波数ωの光の一部を角周波数2ωの光に変換して出射する波長変換素子30が配置されている。又、第1共振器20A、波長変換素子30、及び第2共振器40Aは、同一光軸上に配置されている。光高調波発生装置10Aを上記構成にすることにより、第1の実施の形態に係る光高調波発生装置10と同様の効果を奏するが、更に、以下の効果を奏する。すなわち、光学部品の点数を削減し、簡略化された光学系とすることができる。
〈第2の実施の形態〉
前述のように、第1の実施の形態に係る光高調波発生装置10において、第2共振器40は、角周波数2ωの光の共鳴条件を満たすように、共振器長が調整されている。しかしながら、何らかの要因により第2共振器40の共振器長が変化すると、第2共振器40は角周波数2ωの光の共鳴条件を満たさなくなる。このとき、図4からわかるように、光高調波発生装置10の出射光の光強度I2ω(10)は急激に減少する(図4の矢印部からはずれる)。そこで、第2の実施の形態では、共振器長を制御し、第2共振器40における角周波数2ωの光の共鳴条件を維持する共振器長安定化手段を有する光高調波発生装置80について説明する。
図7は、第2の実施の形態に係る光高調波発生装置を例示する図である。図7において、図1に示す光高調波発生装置10と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。図7を参照するに、光高調波発生装置80は、第1共振器20と、波長変換素子30と、第2共振器40と、1/4波長板81と、ミラー82と、1/4波長板83と、偏光ビームスプリッタ84と、受光素子85及び86と、差動増幅器87と、スイッチ88と、変位手段89とを有する。なお、第1共振器20、波長変換素子30、及び第2共振器40の部分は、光高調波発生装置10と同様である。以降、光高調波発生装置80において、第1共振器20、波長変換素子30、及び第2共振器40以外の部分を共振器長安定化手段と称する場合がある。
光高調波発生装置80において、第2共振器40からミラー44を透過し1/4波長板81に入射する角周波数2ωの光は、ミラー82に入射する。角周波数2ωの光に対するミラー82の透過率は、例えば略90%(反射率が略10%)とすることができる。ミラー82に入射した角周波数2ωの光の一部は、ミラー82により反射し再び1/4波長板81に入射し、更にミラー44に入射する。ミラー82に入射した角周波数2ωの光の他部は、ミラー82を透過し、光高調波発生装置80の出射光として使用することができる。ミラー44に入射した光の一部は、ミラー44を透過し再び第2共振器40に入射する。ミラー44に入射した光の他部は、第2共振器40には入射せず、ミラー44で反射して1/4波長板83に入射する。
このとき、紙面に平行な方向をx方向、紙面に垂直な方向をy方向とし、第2共振器40から出射する角周波数2ωの光がx方向の直線偏光であるとすると、1/4波長板81を往復して再び第2共振器40に入射する角周波数2ωの光は、x成分とy成分の強度及び位相がともに一致した斜め45°の直線偏光(直線偏光Sとする)となる。このように、光高調波発生装置80では、第2共振器40から出射される直線偏光の偏光方向を変えて再び第2共振器40に戻している。
直線偏光Sは、第2共振器40内で波長変換素子30を通過するが、波長変換素子30には異方性がある。そのため、ミラー44から再び第2共振器40に入射し第2共振器40を一周してミラー44を透過して1/4波長板83へ向かう光と、第2共振器40には入射せずミラー44で反射し1/4波長板83へ向かう光のx成分とy成分が受ける位相変化に差が生じる。なお、第2共振器40において角周波数2ωの光が共鳴状態にあれば、上記光のx成分とy成分が受ける位相変化に差は生じない。
x成分とy成分が受ける位相変化に差が生じている場合に、1/4波長板83に入射した直線偏光Sは、楕円偏光(楕円偏光Tとする)となる。楕円偏光Tは、偏光ビームスプリッタ84に入射し、偏光ビームスプリッタ84でP偏光成分とS偏光成分とに分離され、P偏光成分及びS偏光成分はフォトダイオード等からなる受光素子85及び86に入射する。P偏光成分及びS偏光成分は、受光素子85及び86でそれぞれの光強度に対応する電気信号に変換され、差動増幅器87で差信号が生成される。差動増幅器87で生成された差信号は、スイッチ88を経由して、圧電素子等からなる変位手段89に印加される。なお、第2共振器40において角周波数2ωの光が共鳴状態にあれば、P偏光成分の光強度とS偏光成分の光強度とは同一となるため、受光素子85及び86からは、同一振幅の電気信号が出力される。すなわち、差動増幅器87で生成される差信号は、ゼロとなる。
図8は、スイッチ88がoff状態の時のVinとVoutとの関係を例示する図である。図8に示す信号は、第2共振器40における角周波数2ωの光の共鳴状態を示す誤差信号であり、ゼロのときが共鳴状態である。このような誤差信号を分散型誤差信号という。スイッチ88をon状態にすることにより、図8に示す分散型誤差信号がゼロになるように圧電素子等からなる変位手段89が駆動され、変位手段89に接しているミラー43が変位することで第2共振器40の共振器長が変わり、第2共振器40における角周波数2ωの光の共鳴状態が維持される。すなわち、光高調波発生装置80の共振器長安定化手段は分散型誤差信号を生成し、生成した分散型誤差信号がゼロになるように第2共振器40の共振器長をフィードバック制御し、第2共振器40における角周波数2ωの光の共鳴状態を維持する。これにより、常に所望の角周波数の光(2次高調波)を、高い変換効率で得ることができる。
図9は、図7のVinを変化させたときの(スイッチ88はoff状態)光高調波発生装置80の出射光の光強度I2ωの測定結果を例示する図である。図9において、(80)は光高調波発生装置80のミラー44から出射される出射光の光強度I2ωの測定結果を示している。又、比較のために、(90)として比較例2に係る光高調波発生装置60の出射光の光強度I2ωの測定結果を示した。図9において、横軸は図7のVin〔V〕であり、縦軸は出射光の光強度I2ω(任意単位)である。なお、図9の(80)及び(90)において、入射光の光強度Iωは同一である。
図9に示すように、図7のVinを変化させて共振器長を変え(スイッチ88はoff状態)、第2共振器40における角周波数2ωの光が共鳴状態(図9の矢印部)となると、第2の実施の形態に係る光高調波発生装置80の出射する光強度I2ω(80)は、比較例2に係る光高調波発生装置60の出射する光強度I2ω(90)よりも大きくなる。スイッチ88をon状態にすることにより、第2共振器40における角周波数2ωの光の共鳴状態を維持させれば、光高調波発生装置80の出射する光強度I2ω(80)は常に図9の矢印部の何れかに固定される。すなわち、光高調波発生装置80の出射する光強度I2ω(80)は、比較例2に係る光高調波発生装置60の出射する光強度I2ω(90)よりも常に大きくなる。
なお、第1共振器20にも、共振器長を制御し、第1共振器20における角周波数ωの光の共鳴条件を維持する共振器長安定化手段が設けられているが、第2共振器40に設けられている共振器長安定化手段と同様の構成であるため、図示及びその説明は省略する。
以上のように、第2の実施の形態に係る光高調波発生装置80は、第1の実施の形態に係る光高調波発生装置10と同様の効果を奏するが、更に、以下の効果を奏する。すなわち、第2の実施の形態に係る光高調波発生装置80は、共振器長安定化手段を有するため、第2共振器40の共振器長を制御し、第2共振器40における角周波数2ωの光の共鳴条件を維持することが可能となり、常に所望の角周波数の光(2次高調波)を、高い変換効率で得ることができる。
なお、第1の実施の形態の変形例に係る光高調波発生装置10Aも共振器長安定化手段を有することが好ましい。しかしながら、光高調波発生装置10Aには、光高調波発生装置80と同様の共振器長安定化手段を追加することはできない。1/4波長板81に入射する光と1/4波長板83に入射する光とが重なってしまうためである。
そこで、光高調波発生装置10Aでは、例えば、ミラー41A及び42Aにそれぞれ圧電素子等からなる変位手段を設ける。そして、何れか一方の変位手段を高周波で駆動し第2共振器40Aの共振器長を変調させて角周波数2ωの変調成分を同期検波等で検出することにより、図8と同様な分散型誤差信号を得ることができる。得られた分散型誤差信号がゼロになるように他方の変位手段を駆動して第2共振器40Aの共振器長をフィードバック制御することにより、第2共振器40Aにおける角周波数2ωの光の共鳴状態を維持することができる。
又、ミラー21A及び22Aにそれぞれ圧電素子等からなる変位手段を設ける。そして、何れか一方の変位手段を高周波で駆動し第1共振器20Aの共振器長を変調させて角周波数ωの変調成分を同期検波等で検出することにより、図8と同様な分散型誤差信号を得ることができる。得られた分散型誤差信号がゼロになるように他方の変位手段を駆動して第1共振器20Aの共振器長をフィードバック制御することにより、第1共振器20Aにおける角周波数ωの光の共鳴状態を維持することができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳説したが、本発明は、上述した実施の形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
10、10A、50、60、80 光高調波発生装置
20、20A 第1共振器
21、21A、22、22A、23、24、41、41A、42、42A、43、44、72、82 ミラー
30 波長変換素子
40、40A 第2共振器
70 共振器
81、83 1/4波長板
84 偏光ビームスプリッタ
85、86 受光素子
87 差動増幅器
88 スイッチ
89 変位手段
Vin、Vout 電圧
ω、2ω 角周波数

Claims (7)

  1. 基本波の光を閉じこめて前記基本波の光強度を増強する第1共振器と、
    前記第1共振器に閉じこめられた前記基本波の光が入射する第2共振器と、
    前記第2共振器の光軸上に配置され、入射する前記基本波の光を2次高調波の光に変換する波長変換素子と、を有し、
    前記第2共振器は、前記2次高調波の光を閉じこめて前記2次高調波の光強度を増強するとともに、光強度が増強された前記2次高調波の光の一部を前記第2共振器の外部に出射する光高調波発生装置。
  2. 前記第1共振器は、前記基本波の光が入射する入射ミラーを含む複数のミラーを有するリング共振器で構成され、
    前記第2共振器は、前記2次高調波の光を出射する出射ミラーを含む複数のミラーを有するリング共振器で構成されている請求項1記載の光高調波発生装置。
  3. 前記第1共振器は、前記基本波の光を入射する入射ミラーを含む対向する一対のミラーを有する共振器で構成され、
    前記第2共振器は、前記2次高調波の光を出射する出射ミラーを含む対向する一対のミラーを有する共振器で構成され、
    前記第2共振器及び前記波長変換素子は、前記第1共振器の光軸上に配置されている請求項1記載の光高調波発生装置。
  4. 前記第2共振器の外部に出射する前記2次高調波の光強度I2ωは以下の式(1)を満足し、
    式(1)の第4項が1よりも大きな値になるようにTω及びγωが設定され、
    式(1)の第5項が1よりも大きな値になるようにT2ω及びγ2ωが設定されている請求項2又は3記載の光高調波発生装置。

    Figure 2011128428

    ただし、Iωは前記第1共振器へ入射する前記基本波の光強度、μは真空の透磁率、cは真空の光速、εは真空の誘電率、χ(2)は前記波長変換素子の2次の非線形分極率、ωは前記第1共振器へ入射する前記基本波の角周波数、Lは前記波長変換素子の光軸方向の長さ、nは前記波長変換素子の前記2次高調波の光に対する屈折率、Tωは前記第1共振器の前記入射ミラーの透過率、γωは前記基本波の光が前記第1共振器を1周するときの減衰係数、T2ωは前記第2共振器の前記出射ミラーの透過率、γ2ωは前記2次高調波の光が前記第2共振器を1周するときの減衰係数を示している。
  5. 式(1)の第4項が最大値になるようにTω及びγωが設定され、
    式(1)の第5項が最大値になるようにT2ω及びγ2ωが設定されている請求項4記載の光高調波発生装置。
  6. 前記第2共振器の共振器長を制御し、前記第2共振器における前記2次高調波の光の共鳴条件を維持する共振器長安定化手段を更に有する請求項1乃至5の何れか一項記載の光高調波発生装置。
  7. 前記共振器長安定化手段は分散型誤差信号を生成し、生成した前記分散型誤差信号に基づいて、前記第2共振器の共振器長を制御する請求項6記載の光高調波発生装置。
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