JP2011128399A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置を大型化することなく、比較的低コストで簡便に、電子写真用ベルトの片寄りおよび蛇行を検出可能な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】電子写真用ベルト3が最表面薄膜層3bに厚膜領域31および薄膜領域32を有し、該厚膜領域および薄膜領域が、ベルト幅方向に平行な線分および該線分に対して傾きをもって形成された線分を含む像を形成し、厚膜領域の厚みd(nm)および薄膜領域の厚みd(nm)が、発光主波長λの光源部からの光に対するベルト外周面の反射率Rとベルトの最表面薄膜層の厚みd(nm)との関係を表す反射率関数R(d)について、以下の関係式;|R(d)−R(d)|≧0.5×{Rmax(d)−Rmin(d)};を満たす画像形成装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、中間転写ベルト、直接転写ベルトおよび定着ベルトなどの電子写真用ベルトを用いた電子写真用モノクロ/フルカラー画像形成装置、例えば、複写機、プリンタ、FAXおよびそれらの複合機に関する。
電子写真用フルカラー画像形成装置では、色別に感光体上に形成された複数のトナー像を一度、中間転写ベルトに転写させ、重ね合わせた後、紙などの被記録媒体に一括して転写してカラー画像を得ている。感光体から中間転写ベルトへの転写は「一次転写」と呼ばれ、中間転写ベルトから被記録媒体への転写は「二次転写」と呼ばれている。それらの転写工程では、転写ローラ等にバイアスを印加して電界を発生させることにより、トナー像を転写させる。
また電子写真用モノクロ/フルカラー画像形成装置では、トナー像を転写された被記録媒体を定着ベルトによって加圧/加熱することによって、トナー像を被記録媒体に定着させている。
上記のような画像形成装置において、中間転写ベルトや定着ベルトのような電子写真用ベルトは、複数のローラに張架されて使用される。また電子写真用ベルトにはクリーニング部材が当接して配置され、ベルト上に付着したトナーが除去される。このように電子写真用ベルトは、外部ストレスを受けながら使用されるため、ベルトに、いわゆる片寄りや蛇行が起こりやすい。片寄りは、回転時においてベルトが幅方向の一方の方向に移動する現象である。蛇行は、回転時においてベルトが幅方向でうねりながら進行する現象である。そのような片寄りや蛇行が発生すると、ベルトに過度なストレスが加わることにより、破損に至ることが問題となっていた。特に、中間転写ベルトの場合には、片寄りや蛇行は、色ずれなどの画像不良を発生させる要因となっていた。
ベルトの片寄りや蛇行の状態を検出する方法としては、例えば、(A)中間転写ベルトの端部(エッジ)を検出する方法、(B)中間転写ベルト上に、片寄りや蛇行の状態を検出するためのトナーパターンを転写し、そのトナーパターンを光学センサにより検出する方法、(C)感光体ベルト上の潜像の電位を検出する方法(特許文献1)、(D)中間転写ベルト上にトナーからなるレジストマークを転写し、レジストマークを検出する方法(特許文献2)等が一般的に用いられている。
特開平4−240866号公報 特開平7−140752号公報
しかしながら、上記(A)および(C)の方法では、検出用に専用のセンサを設ける必要があるため、装置の大型化やコストアップが問題となった。上記(B)および(D)の方法では、パターンの作像工程や転写工程が必要であり、印字動作以外の動作時間が長くなるため、ユーザーにストレスを感じさせる上に、トナーを無駄に消費するという問題があった。
本発明は、装置を大型化することなく、比較的低コストで簡便に、電子写真用ベルトの片寄りおよび蛇行を検出可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、
外周面に少なくとも1層の薄膜層を有する電子写真用ベルト;および
該電子写真用ベルトに対して光を照射する発光主波長λの光源部と、その反射光を受光する受光部とから構成され、電子写真用ベルト外周面の反射率を光学的に検出する光センサ;
を備えた画像形成装置であって、
電子写真用ベルトが最表面薄膜層に厚膜領域および薄膜領域を有し、該厚膜領域および薄膜領域が、ベルト幅方向に平行な線分および該線分に対して傾きをもって形成された線分を含む像を形成し、厚膜領域の厚みd(nm)および薄膜領域の厚みd(nm)が、発光主波長λの光源部からの光に対するベルト外周面の反射率Rとベルトの最表面薄膜層の厚みd(nm)との関係を表す反射率関数R(d)について、以下の関係式(1);
|R(d)−R(d)|≧0.5×{Rmax(d)−Rmin(d)} (1)
を満たすことを特徴とする画像形成装置に関する。
本発明によれば、装置を大型化することなく、比較的低コストで簡便に、電子写真用ベルトの片寄りおよび蛇行を検出することができる。光センサとしては、トナー濃度を補正するために従来から使用されている光センサが使用できるので、新たに専用のセンサを設ける必要がない。さらに厚膜領域および薄膜領域はベルト外周面に形成され、付着トナーを回収するクリーニング部材によって常に清掃されるため、検出精度が低下することがない。ベルト端部にエッジ検出用のセンサを設ける必要がなくないので、装置が大型化しない。
特に電子写真用ベルトを中間転写ベルトとして使用する場合、最表面薄膜層における厚膜領域と薄膜領域との間で、トナー像の転写性にほとんど差がないので、形成されるトナー画像に悪影響を及ぼすことがない。また片寄りや蛇行検出用のトナーパターン等を転写する必要がなくなるため、コピー/プリント以外の動作時間の短縮ができ、トナーパターン用の無駄なトナーの消費をなくすことができる。
本発明に係る画像形成装置の一例の概略構成図。 本発明に係る電子写真用ベルトの一例の概略断面図。 本発明に係る電子写真用ベルトの外周面の一例の概略見取り図。 (A)〜(D)は、本発明において厚膜領域および薄膜領域によって形成されるエンボス像の形状の一例を示す模式図。 電子写真用ベルトに対して光センサの光源部から光(主波長λ)を照射したときの光学的干渉を模式的に表した図。 電子写真用ベルト外周面の発光主波長λの光に対する反射率Rと、中間転写ベルトの最表面薄膜層の厚みd(nm)との関係を表す反射率関数R(d)を説明するためのグラフ。 電子写真用ベルトの片寄り状態を検出するメカニズムの説明図。 電子写真用ベルトの片寄りy(mm)を算出するときに用いるグラフの一例。 電子写真用ベルトの蛇行状態を検出するメカニズムの説明図。 電子写真用ベルトの蛇行角度α(°)を算出するときに用いるグラフの一例。 光センサと電子写真用ベルトとの配置関係を説明するための概略模式図。 無機酸化物層を製造する製造装置の説明図。 実験例Aにおいて中間転写ベルトにおける転写率と最表面薄膜層の厚みd(nm)との関係を表すグラフ。 実験例Bにおいて求めた反射率関数R(d)のグラフ。
本発明に係る画像形成装置は少なくとも電子写真用ベルトおよび該電子写真用ベルトの外周面に対して光を照射し、その反射光を受光する光センサを備えたものである。本発明において電子写真用ベルトは、電子写真用画像形成装置内で使用されるベルトであれば、いかなるベルトして使用されてよく、例えば、転写ベルトおよび定着ベルト等が挙げられる。転写ベルトとしては、例えば、自己の表面にトナー像を一旦、保持して搬送し、当該トナー像を被記録媒体に二次転写させる中間転写ベルト、および自己の表面に被記録媒体を保持して搬送し、トナー像を直接的に当該被記録媒体に転写させる直接転写ベルト等が挙げられる。以下、電子写真用ベルトが中間転写ベルトである場合について詳しく説明するが、直接転写ベルトであっても、または定着ベルトであっても、以下の説明に準じて本発明の効果が得られることは明らかである。
図1は、本発明の画像形成装置の一例の概略構成図である。図1の画像形成装置は、感光体上にトナー像を形成する各色の現像部ごとに感光体を有するタンデム型フルカラー画像形成装置であるが、後で詳述する中間転写ベルト3および光センサ20を有する限り、他の構造のものであってよく、例えば、1つの感光体に対して各色の現像部を有する4サイクル型フルカラー画像形成装置であってもよいし、または1つの感光体に対して1つの現像部を有するモノクロ画像形成装置であってもよい。
図1のタンデム型フルカラー画像形成装置において、各現像部(1a、1b、1c、1d)では通常、感光体(2a、2b、2c、2d)の周りに、少なくとも帯電装置、露光装置、現像装置およびクリーニング装置(いずれの装置も図示せず)等が配置されている。そのような現像部(1a、1b、1c、1d)は、少なくとも2つの張架ローラ(10,11)によって張架された中間転写ベルト3に並列して配置されている。各現像部で感光体(2a、2b、2c、2d)の表面に形成されたトナー像はそれぞれ、一次転写ローラ(4a、4b、4c、4d)を用いて中間転写ベルト3に一次転写され、当該中間転写ベルト上で重ねられてフルカラー画像が形成される。中間転写ベルト3の表面に転写されたフルカラー画像は二次転写ローラ5を用いて一括して紙等の被記録媒体6に二次転写された後、定着装置(図示せず)を通過させて、被記録媒体上にフルカラー画像を得る。一方、中間転写ベルト上に残留した転写残トナーはクリーニング装置7によって除去されるようになっている。
中間転写ベルト3は、各現像部において感光体上に形成されたトナー像を一次転写により自己の表面に担持し、当該トナー像を二次転写のために搬送するものである。
中間転写ベルト3は外周面に少なくとも1層の薄膜層を有するものであり、例えば図2に示すように基材3a上に1層の薄膜層3bが形成された単層型であってもよいし、基材3aと薄膜層3bとの間に1層以上の他の層が形成された多層型であってもよい。本明細書中、単層型中間転写ベルトの薄膜層、および多層型中間転写ベルトの最表面の薄膜層をまとめて最表面薄膜層と呼ぶものとする。
基材3aは、特に限定されないが、体積抵抗率が10〜1012Ω・cmの範囲のものが好ましく、より好ましくはシームレスベルト形状を有する。例えば、ポリカーボネート(PC);ポリイミド(PI);ポリアミドイミド(PAI);ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂材料に、カーボン等の導電性フィラーを分散させたり、イオン性の導電材料を含有させたりしたものが用いられる。基材の厚みは通常、50〜500μm程度に設定される。
最表面薄膜層3bは、トナーに対して離型性を示すものであり、例えば、無機酸化物層等の無機系薄膜層が使用される。
無機酸化物層は、珪素酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物および亜鉛酸化物から選ばれる1種類以上の酸化物を含むものが好ましく、特に珪素酸化物が好ましい。
そのような最表面薄膜層3bは、厚みが比較的厚い厚膜領域および厚みが比較的薄い薄膜領域を有し、当該厚膜領域および薄膜領域によって所定の像(エンボス像)を形成する。本明細書中、エンボス像とは、厚膜領域と薄膜領域との差に基づく最表面薄膜層表面の凹凸によって表される像のことであり、例えば、薄膜領域中において厚膜領域で表される浮き出し像であってもよいし、厚膜領域中において薄膜領域で表されるくぼみ像であってもよい。最表面薄膜層3bに厚膜領域31および薄膜領域32を有する中間転写ベルト3の一実施形態を図3に示す。図3において31が厚膜領域であり、32が薄膜領域であるが、31が薄膜領域であり、32が厚膜領域であってもよい。製造コストの観点から好ましくは、領域が比較的狭い31が厚膜領域であり、領域が比較的広い32が薄膜領域である。
厚膜領域31および薄膜領域32によって形成されるエンボス像33は、幅方向に平行な線分(以下、平行線分という)および該線分に対して傾きをもって形成された線分(以下、傾斜線分という)を含む像)である。平行線分はベルトの幅方向に対して略平行な直線線分である。傾斜線分はベルトの進行方向について平行線分の上流側または下流側で、平行線分に対して傾斜角θを有するように形成された直線線分である。基準となる平行線分が先に検出されるので、傾斜線分はベルトの進行方向について平行線分の上流側で形成されていることが好ましい。傾斜角θは0°を超え90°未満であれば特に制限されず、通常は30〜60°であり、厚膜領域および薄膜領域の検出性の観点から好ましくは40〜50°である。
平行線分と傾斜線分とは交わっていてもよいし、交わっていなくてもよい。すなわち、平行線分またはその延長線と、傾斜線分またはその延長線とが、傾斜角θを有するように形成される。平行線分および傾斜線分は実際に形成される線分であるが、それらの延長線は実際には形成されるものではなく、それらの線分を延長して形成したものと仮定したときの直線である。平行線分と傾斜線分とが交わっていない場合は、交点近傍での検出精度を向上できる。
厚膜領域および薄膜領域によって形成されるエンボス像33の形状の具体例として、例えば、図4(A)〜(D)に示す像、およびこれらの像を2個以上組み合わせてなる複合化された像が挙げられる。図4においてθは上記θと同意である。
例えば、図4(A)に示すエンボス像は、傾斜線分302がベルトの進行方向xについて平行線分301の上流側で、平行線分301に対して傾斜角θを有し、かつ平行線分301と交わるように形成されてなる形状を有する像である。
また例えば、図4(B)に示すエンボス像は、傾斜線分302がベルトの進行方向xについて平行線分301の下流側で、平行線分301に対して傾斜角θを有し、かつ平行線分301と交わるように形成されてなる形状を有する像である。
また例えば、図4(C)に示すエンボス像は、傾斜線分302がベルトの進行方向xについて平行線分301の上流側で、平行線分301に対して傾斜角θを有し、かつ平行線分301と交わらないように形成されてなる形状を有する像である。破線は実際には形成されない平行線分および傾斜線分の延長線である。
また例えば、図4(D)に示すエンボス像は、傾斜線分302がベルトの進行方向xについて平行線分301の下流側で、平行線分301に対して傾斜角θを有し、かつ平行線分301と交わらないように形成されてなる形状を有する像である。破線は実際には形成されない平行線分および傾斜線分の延長線である。
図4(A)〜(D)において、平行線分301またはその延長線と傾斜線分302または延長線とは、平行線分301の右端または右側で交わっているが、これに制限されるものではなく、平行線分301の左端または左側で交わっていてもよい。
エンボス像の形状は、上記した形状に制限されず、本発明の効果が得られる形状であれば任意の形状でかまわない。
厚膜領域および薄膜領域によって形成されるエンボス像の寸法は特に制限されず、光センサ20によって厚膜領域および薄膜領域を光学的に検出できればよい。例えば、平行線分の長さLおよび傾斜線分の長さLは通常、それぞれ独立して8〜20mmの範囲内であり、厚膜領域および薄膜領域の検出性の観点から好ましくは8〜14mmの範囲内である。
平行線分および傾斜線分のライン幅は、光センサ20によって検出できる限り特に制限されず、通常はそれぞれ独立して0.5〜2μmの範囲内であり、厚膜領域および薄膜領域の検出性の観点から好ましくは1〜2μmの範囲内である。
エンボス像33は、図3において、ベルトの周方向にわたって複数段で等間隔に形成され、かつ1段あたりベルト幅方向に2個で形成されているが、エンボス像のベルト1つあたりの数は1個以上であればよく、ベルトの片寄りおよび蛇行のより一層有効な検出の観点から、同じ段で形成されるエンボスの数は2個以上が好ましい。同じ段で形成される2個以上のエンボス像はそれぞれの平行線分がベルト幅方向yに平行な同一直線上に乗るように配置されることが好ましい。図3において、ベルト幅方向yで並んで形成されている2個のエンボス像はそれぞれの平行線分が同一直線上に乗るように配置されている。
図3に示すように、エンボス像をベルト進行方向xに複数段で形成することによって、より精度よくベルトの片寄りおよび蛇行状態を検出でき、さらに、ベルトの周速検知や周速制御等にも用いることができる。ベルト進行方向xにおいてエンボス像が形成される段の間隔は30〜100mmが好ましく、より好ましくは30〜60mmである。
本発明において厚膜領域31と薄膜領域32とでは、トナー像の転写性にほとんど差がなく、しかも転写率は十分に高いので、被記録媒体上のトナー画像に悪影響を及ぼすことがなく、ベルトの外周面に厚膜領域と薄膜領域とを混在させることができる。
中間転写ベルト3の最表面薄膜層における厚膜領域の厚みd(nm)および薄膜領域の厚みd(nm)は、光センサ20からの光に対する中間転写ベルト外周面の反射率Rとベルトの最表面薄膜層の厚みd(nm)との関係を表す反射率関数R(d)について、以下の関係式(1);
|R(d)−R(d)|≧0.5×{Rmax(d)−Rmin(d)} (1)
好ましくは以下の関係式(1');
|R(d)−R(d)|≧0.7×{Rmax(d)−Rmin(d)} (1')
を満たす。
関係式(1)および(1')において、dは最表面薄膜層の厚みである。
R(d)は厚みdのときの反射率である。
R(d)は厚みdのときの反射率である。
max(d)は反射率関数R(d)の取り得る最大値である。
min(d)は反射率関数R(d)の取り得る最小値である。
厚膜領域31と薄膜領域32との間において光センサ20の照射光の反射率に十分な差が生じるので、当該反射率の差を利用して、厚膜領域および薄膜領域を、色ずれなどの画像不良を発生させる片寄りや蛇行を検出できる精度で、検出できる。すなわち、上記関係式(1)または(1')で規定するように厚膜領域31と薄膜領域32との反射率の差が所定の値以上になるように、dおよびdを選択するので、光センサによる厚膜領域31および薄膜領域32の検出が可能となる。そのため、厚膜領域31および薄膜領域32によって形成されたエンボス像の位置、形状および寸法を予め認識しておくことにより、装置を大型化することなく、比較的低コストで簡便に、ベルトの片寄りおよび蛇行を検出することができる。ベルトの片寄り及び蛇行状態の検出結果が画像形成装置で許容できる範囲を超えた場合は、画像形成装置に備えられたパネルに警告を出すことで、当該状態を事前にユーザー又はサービスマンに知らせることができ、結果として転写ベルトに過度なストレスが加わることによる破損を未然に防ぐことができる。ベルトの破損により画像形成装置全体が故障する危険も未然に防ぐことができる。画像形成装置が蛇行補正装置などを備えている場合は、転写ベルトの片寄り及び蛇行状態の検出結果を蛇行補正装置へ直接フィードバック制御をかけることにより、片寄りや蛇行検出用のトナーパターンを転写する動作を行うことなく、常に蛇行補正等を行うことができる。dおよびdが上記関係式(1)および(1')を満たさない場合、厚膜領域31と薄膜領域32との反射率の差が十分でないために、光センサによって厚膜領域31および薄膜領域32を十分に検出できない。
以下、ベルトの片寄りを検出するメカニズムについて説明する。
最表面薄膜層を有するベルト外周面に対して光を照射すると、反射光に光学的干渉が生じることが一般に知られており、そのため反射率は最表面薄膜層の厚みに依存して周期的に変動し、反射率関数R(d)を示す。光学的干渉の発生メカニズムを説明するための模式図を図5に示す。図5はベルト3に対して光センサの光源部から光(主波長λ)を照射したときの光学的干渉を模式的に表したものであり、少なくとも空気層(屈折率n)と最表面薄膜層3b(屈折率n)との界面、および最表面薄膜層3b(屈折率n)と基材3a(屈折率n)との界面において反射光に干渉が生じることを示している。図5の紙面上、表裏方向がベルトの駆動方向である。
反射率関数R(d)は、トナーが担持されていない状態におけるベルト外周面の発光主波長λの光に対する反射率Rと、ベルトの最表面薄膜層の厚みd(nm)との関係を表すものであり、図6に示すような周期性を有する波形を示す。そのような反射率関数R(d)について、前記関係式(1)または(1')を満たすように、最表面薄膜層の厚膜領域の厚みd(nm)および薄膜領域の厚みd(nm)が選択される。例えば、図6において、R(d)=Rmax(d)、R(d)=Rmin(d)、R(d)=0.8×{Rmax(d)−Rmin(d)}+Rmin(d)であるとき、dとしてdを選択し、dとしてdを選択すると、R(d)=Rmin(d)およびR(d)=Rmax(d)であるので、下記式;
|R(d)−R(d)|=1.0×{Rmax(d)−Rmin(d)}
が表され、dおよびdは前記関係式(1)および(1')を満たすものである。また例えば、図6において、dとしてdを選択し、dとしてdを選択すると、R(d)=0.8×{Rmax(d)−Rmin(d)}+Rmin(d)およびR(d)=Rmin(d)であるので、下記式;
|R(d)−R(d)|=0.8×{Rmax(d)−Rmin(d)}
が表され、dおよびdは前記関係式(1)および(1')を満たすものである。
本発明のベルト表面の1つのエンボス像を、後述するように画像形成装置内に固定・配置された光センサで検出する。詳しくは、まず、ベルトが所定の位置に配置された正規状態でエンボス像を光センサで検出し、エンボス像における平行線分と傾斜線分との距離Mを測定する。正規状態とは、ベルトに片寄りも蛇行も起こっていないときのベルトの配置状態である。エンボス像の厚みの変化に基づいて反射率が変化し、これによって光センサの出力が変化するので、光センサの出力変化を観察することによって、平行線分と傾斜線分との距離は測定できる。その後、ベルトに片寄りが生じた場合、その状態でエンボス像を光学センサで検出し、エンボス像における平行線分と傾斜線分との距離Mを測定する。片寄りの程度に応じて平行線分と傾斜線分との距離Mが変化するので、そのような距離MおよびM、ならびに平行線分と傾斜線分との傾斜角θ(既知)に基づいて、片寄りの程度を検出できる。
例えば、図3に示すベルトを使用する場合について説明する。1つのエンボス像に着目して、当該エンボス像を光センサで検出するに際し、図7に示すように、ラインA,BおよびCでエンボス像を検出させると、それぞれのラインで膜厚の異なる箇所で反射率が大きく変化する波形が出力される。ラインA、B、Cの検出波形はそれぞれ、例えば図8(A)〜(C)に示すものである。正規状態における光センサによる検出ラインをラインBとした場合、図8(B)に示すように平行線分301と傾斜線分302との距離がMである。ベルトに、進行方向xに対して右側(図7における右方向)へy(mm)だけの片寄りが生じ、検出ラインがラインAとなった場合、図8(A)に示すような波形が検出され、平行線分301と傾斜線分302との距離Mを測定する。その結果、片寄りy(mm)は以下の式によって算出できる。
y=(M−M)/tanθ
一方、ベルトに、進行方向xに対して左側(図7における左方向)へy(mm)だけの片寄りが生じ、検出ラインがラインCとなった場合、図8(C)に示すような波形が検出され、平行線分301と傾斜線分302との距離Mが0になっても、片寄りy(mm)はやはり上記式によって算出できる。ここで、yがプラスの値のときは、ベルトが進行方向xに対して右側に片寄っているときを示し、マイナスの場合はベルトが進行方向xに対して左側に片寄っているときを示す。
次に、ベルトの蛇行を検出するメカニズムについて説明する。
本発明のベルト表面の2つのエンボス像を、画像形成装置内に固定・配置された2つの光センサで検出する。検出される2つのエンボス像は平行線分がベルト幅方向に平行な同一直線上に乗るように配置されている。2つの光センサは、上記2つのエンボス像の正規状態からのズレがわかるように、例えばベルトが正規状態のときのベルト幅方向に平行な同一直線上に配置される。詳しくは、ベルトが蛇行すると、図9に示すようにベルトが進行方向xに対して、ある一定の角度α(°)を持つことになるので、一方のエンボス像を基準にしたときの他方のエンボス像の傾きα(°)として、ベルトの蛇行を検出する。まず、蛇行状態で2つのエンボス像を光学センサで検出し、一方のエンボス像と他方のエンボス像とのズレMを測定する。このとき、当該2つのエンボス像の距離Mは既知であるので、そのような距離MおよびMに基づいて、蛇行の程度を検出できる。
例えば、図3に示すベルトを使用する場合について説明する。ベルトが蛇行状態にある場合、平行線分がベルト幅方向に平行な同一直線上に乗る2つのエンボス像に着目して当該2つのエンボス像を光センサで検出すると、図9に示すように、ラインDおよびEでエンボス像は検出される。このとき、それぞれのラインで膜厚の異なる箇所で反射率が大きく変化する波形が出力される。ラインD,Eの検出波形はそれぞれ、例えば図10に示すものである。図10に示す検出波形は、グラフの視認性から意図的にラインDのセンサ出力を+0.5Vとして示してある。図10に示すピーク301x、301y、302x、302yはそれぞれ、図9における平行線分301x、平行線分301y、傾斜線分302x、傾斜線分302yに対応するものである。その結果、蛇行角度α(°)は以下の式によって算出できる。
α={sin−1(M/M)}×(180/π)
別の算出方法として、実際のαは十分小さいため、以下のような近似式などを用いて算出しても良い。
α≒(M/M)×(180/π)
図9および図10において、ベルトが進行方向xについて左側に斜行したために、右側のエンボス像(301x、302x)が左側のエンボス像(301y、302y)より先行しているところが示されているが、その逆の状態であってもよい。すなわち、左側のエンボス像(301y、302y)が右側のエンボス像(301x、302x)より先行する場合も、図9においてと同様に、右側のエンボス像(301x、302x)を基準にして、上記方法においてエンボスのズレMをマイナスの値で表すことによって、蛇行角度α(°)をマイナスの値で表すことができる。
蛇行角度αは−90°を超え+90°未満の範囲内で検出可能であり、通常は−10〜+10°、特に−3〜+3°である。
厚膜領域の厚みd(nm)および薄膜領域の厚みd(nm)は、最表面薄膜層の割れや剥離の防止の観点から、以下の関係式(2)〜(3);
50nm≦d−d≦950nm (2)
20nm≦d<d≦1000nm (3)
をさらに満たすことが好ましい。
前記関係式(2)は、より好ましくは以下の関係式(2');
80nm≦d−d≦500nm (2')
である。
前記関係式(3)は、厚膜領域または/および薄膜領域の割れや剥離をより一層有効に防止する観点からより好ましくは以下の関係式(3');
50nm≦d≦500nm,130nm≦d≦600nm (2')
である。
厚膜領域31と薄膜領域32とは厚みの差による自然光に対する反射率の差に基づいて目視で容易に区別できるので、厚膜領域の厚みd(nm)および薄膜領域の厚みd(nm)はそれぞれ、目視で区別された所定の領域において測定することによって求めることができる。詳しくは厚膜領域の厚みd(nm)および薄膜領域の厚みd(nm)はそれぞれ所定の領域において薄膜膜厚計(マミヤオーピー社製)によって測定された任意の20点の厚みの平均値を用いている。
厚膜領域31および薄膜領域32それぞれにおいて厚みは均一である。
厚膜領域31における上記任意の20点の厚みは、それらの平均値±5nmの範囲内にある。
薄膜領域32における上記任意の20点の厚みは、それらの平均値±5nmの範囲内にある。
反射率関数R(d)についてさらに詳しく説明する。
反射率関数R(d)はマトリクス法を用いたマトリクス計算により容易に得ることができる。
例えば、ベルトが基材3a上に1層の最表面薄膜層3bが形成された単層型構造を有する場合における反射率関数R(d)は以下の式によって表すことができる。
Figure 2011128399
式中、λは光センサの光源部から照射される光の主波長である。例えば、730nmとすることができる。
は空気の屈折率であり、通常は真空とほぼ同じ1.00である。
θは光センサの光源部からの照射光が空気側から最表面薄膜層3bとの界面に入射するときの入射角であり、通常は0〜90°の範囲内である。
は最表面薄膜層3bの屈折率であり、通常は1〜4の範囲内である。
θは光センサの光源部からの照射光が最表面薄膜層3b側から基材3aとの界面に入射するときの入射角であり、通常は0〜90°の範囲内である。
は基材3aの屈折率であり、通常は1〜4の範囲内である
θは光センサの光源部からの照射光が基材3a側から空気との界面に入射するときの入射角であり、通常は0〜90°の範囲内である。
dは前記と同様に最表面薄膜層3bの厚みである。
また例えば、中間転写ベルトが基材3a上に特定の薄膜層3cおよび最表面薄膜層3bが順次形成された多層型構造を有する場合にも、公知のマトリックス法を用いた計算により反射率関数(R)を得ることができる。この場合、薄膜層3cの厚みを固定値として考えて、R(d)が前記条件式を満たすように最表面薄膜層3bの厚みdを設定すればよい。薄膜層3cは2以上の層からなっていてもよい。
本発明において厚膜領域31および薄膜領域32を有する最表面薄膜層3bは、少なくとも放電ガスと無機酸化物層の原料ガスとの混合ガスをプラズマ化して原料ガスに応じた膜を堆積・形成するプラズマCVD法、特に大気圧または大気圧近傍下において行われる大気圧プラズマCVD法において、所定の薄膜領域をマスクすることにより、形成できる。マスクとしては、PET等の樹脂フィルムが使用可能である。マスクとは、例えば、特定箇所のみ放電電極に対して遮蔽物がなく、その他の部分には放電電極に対して遮蔽物があるベルト形状のものである。プラズマCVD法は、例えば、特開2007−17666号公報に記載の方法と同様の方法に従って実施すればよい。
以下に、珪素酸化物(SiO2)を含む無機酸化物層を大気圧プラズマCVD法により形成する場合を例に取り、その製造装置及び製造方法について説明する。大気圧またはその近傍の圧力とは20kPa〜110kPa程度であり、93kPa〜104kPaが好ましい。
図12は、無機酸化物層を製造する製造装置の説明図である。無機酸化物層の製造装置40は、放電空間と薄膜堆積領域が略同一部で、プラズマを基材に晒して堆積・形成するダイレクト方式によって、基材上に無機酸化物層を形成するものであり、エンドレスベルト状の基材3aを巻架して矢印方向に回転するロール電極50と従動ローラ60、及び、基材表面に無機酸化物層を形成する成膜装置である大気圧プラズマCVD装置70より構成されている。
大気圧プラズマCVD装置70は、ロール電極50の外周に沿って配列された少なくとも1式の固定電極71と、固定電極71とロール電極50との対向領域で且つ放電が行われる放電空間73と、少なくとも原料ガスと放電ガスとの混合ガスGを生成して放電空間73に混合ガスGを供給する混合ガス供給装置74と、放電空間73等に空気の流入することを軽減する放電容器79と、固定電極71に接続された第1の電源75と、ロール電極50に接続された第2の電源76と、使用済みの排ガスG’を排気する排気部78とを有している。固定電極71に第2の電源76、ロール電極50に第1の電源75を接続しても良い。
混合ガス供給装置74は珪素酸化物を含む膜を形成する原料ガスと、窒素ガス或いはアルゴンガス等の希ガスを混合した混合ガスを放電空間73に供給する。
従動ローラ60は張力付勢手段61により矢印方向に付勢され、基材3aに所定の張力を掛けている。張力付勢手段61は基材3aの掛け替え時等は張力の付勢を解除し、容易に基材3aの掛け替え等を可能としている。
第1の電源75は周波数ω1の電圧を出力し、第2の電源76は周波数ω1より高い周波数ω2の電圧を出力し、これらの電圧により放電空間73に周波数ω1とω2とが重畳された電界Vを発生する。そして、電界Vにより混合ガスGをプラズマ化して混合ガスGに含まれる原料ガスに応じた膜(無機酸化物層)が基材3aの表面に堆積される。
そのような無機酸化物層の形成時において薄膜領域の所定厚みが達成されたら、所定の薄膜領域をマスクし、厚膜領域の所定厚みが達成されるまで無機酸化物の堆積を継続すればよい。
原料ガスとしては、珪素酸化物層を形成する場合は、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラクロロシラン等が使用できる。アルミニウム酸化物層を形成する場合は、塩化アルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリメトキシアルミニウム等が使用できる。チタン酸化物層を形成する場合は、塩化チタン、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン等が使用できる。亜鉛酸化物層を形成する場合は、ジエトキシ亜鉛、塩化亜鉛等が使用できる。
光センサ20は、例えば図11に示すように、ベルト3外周面に対して光を照射する発光主波長λの光源部21と、その反射光を受光する受光部22とから構成され、光源部21および受光部22のそれぞれの入射角および受光角が同じ値θになるように設置される。図11は光センサとベルトとの配置関係を説明するための概略模式図であり、図1における中間転写ベルトの回転方向(駆動方向)Dに対して垂直な断面構成図である。
光センサ20は、例えば定期的に行われる色ずれ補正時において、中間転写ベルト外周面の反射率を光学的に検出する。詳しくは、中間転写ベルト外周面にトナーが担持されていない清浄状態において、中間転写ベルトを回転駆動させながら、光源部21により光を中間転写ベルト外周面に対して照射し、受光部22によりその反射光の受光量を測定する。受光部22では通常、反射光の受光量はその大きさに応じて出力される電圧値として得られるので、反射率の変化は光センサ出力値の変化として検出される。
感光体(2a、2b、2c、2d)は、表面に形成された静電潜像に基づいてトナー像が形成されるものである。感光体は従来の電子写真方式の画像形成装置に搭載され得るものであれば、特に制限されるものではなく、通常は感光層が有機系のものが使用される。
一次転写ローラ4(4a、4b、4c、4d)は、中間転写ベルト3について感光体2に対して逆側に配置される。一次転写ローラ4(4a、4b、4c、4d)により中間転写ベルト3を押圧するとともに、所望により一次転写ローラ4にバイアスを印加することによって、感光体2(2a、2b、2c、2d)表面に担持されたトナー像を中間転写ベルト3に一次転写させる。
一次転写ローラにバイアスが印加される場合、例えばトナーの帯電極性に対して逆極性であって、その絶対値が300〜3000V、特に600〜1500Vの範囲内のDC成分が印加される。トナーの帯電極性に対して逆極性とは、例えばトナーが負帯電性の場合は+極性を、トナーが正帯電性の場合は−極性を意味する。一次転写ローラには上記DC成分とともにAC成分が重畳されてもよい。
一次転写ローラの構造は特に制限されるものではなく、例えば、EPDM、NBR等に導電材としてカーボン等を分散させたコート層を金属の芯金表面に有するもの、又は金属ローラ等が使用可能である。
二次転写ローラ5は、中間転写ベルト3について張架ローラ11に対して逆側に配置される。二次転写ローラ5により、トナー像を担持した中間転写ベルト3に対して、被記録媒体6を介して押圧することにより、トナー像を被記録媒体6に二次転写させる。二次転写ローラには、所望によりバイアスが印加され、二次転写を促進させることができる。
二次転写ローラの構造は特に制限されるものではないが、弾性層を有することが好ましい。被記録媒体との密着性を確保するためである。
弾性層を有する二次転写ローラの構造として、例えば、芯金表面に弾性層を有してなる構造が挙げられる。芯金として、鉄、ステンレス等の金属からなるものが使用可能である。
弾性層はアスカーC硬度が20°〜60°、特に30°〜50°の層である。
本明細書中、アスカーC硬度はアスカーゴム硬度計C型によって測定された値を用いている。
弾性層は、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM);ニトリル−ブタジエンゴム(NBR);クロロプレンゴム(CR);シリコンゴム;ウレタンゴム等の弾性材料を用いて形成され、通常はさらに導電材が含有される。導電材として、例えば、カーボン等が使用可能である。
弾性層の厚みは通常、1〜20mmであり、好ましくは3〜10mmである。
二次転写ローラの抵抗は、転写性確保の観点から、10〜1010Ω、特に10〜10Ωが好ましい。
二次転写ローラにバイアスが印加される場合、例えばトナーの帯電極性に対して逆極性であって、その絶対値が300〜5000V、特に600〜3000Vの範囲内のDC成分が印加される。二次転写ローラには上記DC成分とともにAC成分が重畳されてもよい。
張架ローラ(10,11)は特に制限されず、例えば、アルミや鉄などの金属ローラを用いることができる。また芯金の外周面にコート層を設けたローラであって、コート層がEPDM、NBR、ウレタンゴム、シリコンゴムなどの弾性材料に導電粉体やカーボンを分散させたものであり、抵抗値が1×10Ω・cm以下に調整されたローラを用いることもできる。
画像形成装置が有する他の部材・装置、例えばクリーニング装置7、帯電装置、露光装置、現像装置および感光体用クリーニング装置は特に制限されず、従来より画像形成装置に使用されている公知のものが使用可能である。
例えば現像装置は、トナーのみを用いる一成分現像方式を採用したものであってもよいし、またはトナーとキャリアを用いる二成分現像方式を採用したものであってもよい。
トナーは、重合法等の湿式法で製造されたトナー粒子を含むものであってもよいし、または粉砕法(乾式法)で製造されたトナー粒子を含むものであってもよい。
トナーの平均粒径は特に制限されるものではなく、7μm以下、特に4.5μm〜6.5μmが好ましい。
トナーの帯電性は特に制限されるものではなく、負帯電性または正帯電性を有していてよい。
[実験例A]
(中間転写ベルトの製造)
押出成形によって、PPS樹脂中にカーボンが分散されてなる表面抵抗率1.30×10Ω/□、厚み120μmおよび周長700mmのシームレス形状基材を得た。
基材の外周表面に、大気圧プラズマCVD法に基づいて図12に示す装置によって、所定膜厚のSiO薄膜層(硬度4GPa、表面粗さRa31nm)を形成し、中間転写ベルトを得た。
(評価)
上記した方法で製造した中間転写ベルトをプリンター(Bizhub C353;コニカミノルタ製)に搭載し、コニカミノルタ製Jペーパー(A4サイズ)にベタ画像を印字した。中間転写ベルトから上記ペーパーへの二次転写率(%)を求めた。二次転写率は、中間転写ベルト上のベタ画像のトナー重量に対する、二次転写されたベタ画像のトナー重量の割合である。印字条件は、上記中間転写ベルトを用いたこと以外、上記プリンターの標準条件と同様であった。トナーは平均粒径6.5μmの重合トナーであった。
比較として、シームレス形状基材を中間転写ベルトとしてそのまま用いて評価を行った。
転写率と膜厚の関係を図13に示した。図に示すように無機酸化物薄膜層を基材上に設けることで転写率が向上し、膜厚に対して転写率はほとんど変化しなかった。そのため薄膜層の膜厚は転写品質に影響すること無く任意の膜厚に設定することができる。
[実験例B]
中間転写ベルトが基材上に1層の最表面薄膜層(SiO)を形成してなる単層型構造を有する場合における前記反射率関数R(d)に以下の算出条件を代入し、図14にグラフ化した。図より、上記中間転写ベルトにおいて、厚膜領域の厚みd(nm)を390nmとし、薄膜領域の厚みd(nm)を260nmとすると、それらの領域における反射率の差は最大となることがわかった。
(算出条件)
基材屈折率(n):1.65(ポリフェニルサルファイド:PPS)
基材厚さ:150μm
薄膜層屈折率(n):1.45(SiO
薄膜層入射角(θ):20°
発光主波長(λ):730nm
空気層屈折率(n):1
基材入射角(θ):13.6°
入射角(θ):12.0°
[実験例C]
基材上に1層の最表面薄膜層(SiO)を形成してなる単層型構造を有し、かつ最表面薄膜層3bが厚膜領域31および薄膜領域32によって形成されたエンボス像を有してなる図3に示す中間転写ベルトを製造した。図3中、ベルト進行方向xにおいてエンボス像は35mmピッチ、20段にわたって等間隔に形成されていた。最表面薄膜層における各エンボス像の詳しい形状は図4(A)に示すものであり、以下に示す寸法を有していた。
=10mm;
=14.1mm;
θ=45°;
図4(A)において平行線分301および傾斜線分302は厚膜領域31からなっており、厚膜領域31の厚みdは390nmであった。平行線分301および傾斜線分302以外の領域は薄膜領域32からなっており、薄膜領域の厚みdは260nmであった。平行線分301および傾斜線分302のライン幅は1mmであった。
そのような中間転写ベルトの製造方法は、SiO層の形成時において、薄膜領域の所定厚みが達成されたら、所定の薄膜領域をマスクし、厚膜領域の所定厚みが達成されるまでSiOの堆積を継続させたこと以外、実験例Aにおける中間転写ベルトの製造方法と同様であった。
(評価)
・正規状態(ラインB)
得られた中間転写ベルトおよび光センサをプリンターに搭載した。プリンターはBizhub C353(コニカミノルタ製)を改造したもので、図1に示す概略構成を有していた。光センサ20は、図7に示すように、最表面薄膜層上の1つのエンボス像におけるラインBが検出ラインとなる位置に配置した。
光センサ20の照射条件を以下に示す。
薄膜層入射角θ:20°
発光主波長:730nm
発光センサを駆動させながら、中間転写ベルトを回転駆動させ、ベルト周方向のセンサ出力変化を測定した。結果は図8(B)に示すグラフ(M=5mm)と同様であった。
・ズレ状態(一方の方向)
装着時においてベルトを正規状態から、ベルト幅方向の一方の方向に5mmだけ平行にずらしたこと以外、正規状態の評価方法と同様の方法により、ベルト周方向のセンサ出力変化を測定した。結果は図8(A)に示すグラフ(M=10mm)と同様であった。
y=(10−5)/tan45°=5
上記式から、ベルトは図3において幅方向yについて右側に5mmだけ片寄っていることがわかった。
・ズレ状態(他方の方向)
装着時においてベルトを正規状態から、ベルト幅方向の他方の方向に5mmだけ平行にずらしたこと以外、正規状態の評価方法と同様の方法により、ベルト周方向のセンサ出力変化を測定した。結果は図8(C)に示すグラフ(M=0mm)と同様であった。
y=(0−5)/tan45°=−5
上記式から、ベルトは図3において幅方向yについて左側に5mmだけ片寄っていることがわかった。
[実験例D]
実験例Cと同様の中間転写ベルトを用いた。
(評価)
上記中間転写ベルトおよび2つの光センサをプリンターに搭載したこと、中間転写ベルトを2つのローラに張架する際、蛇行が起こるように、2つのローラにおいて適正な配置よりも互いにわずかにずらしてローラに張架したこと、2つの光センサは、平行線分がベルト幅方向に平行な同一直線上に乗るように配置された2つのエンボス像について、図9に示すように、ラインD,Eが検出ラインとなるような位置に配置したこと以外、実験例Cと同様の方法により、ベルト周方向のセンサ出力変化を測定した。結果は図10に示すグラフ(M=10mm)と同様であった。
当該2つのエンボス像の距離Mは200mmであるので、下記式から、ベルトは図3において進行方向xについて左側に3°だけ蛇行していることがわかった。
α≒(M/M)×(180/π)=(10/200)×(180/π)=3
1:1a:1b:1c:1d:現像部
2:2a:2b:2c:2d:感光体
3:中間転写ベルト
3a:基材
3b:最表面薄膜層
4:4a:4b:4c:4d:一次転写ローラ
5:二次転写ローラ
6:被記録媒体
7:クリーニング装置
10:11:張架ローラ
20:光センサ
21:発光部
22:受光部
31:厚膜領域
32:薄膜領域
33:エンボス像

Claims (5)

  1. 外周面に少なくとも1層の薄膜層を有する電子写真用ベルト;および
    該電子写真用ベルトに対して光を照射する発光主波長λの光源部と、その反射光を受光する受光部とから構成され、電子写真用ベルト外周面の反射率を光学的に検出する光センサ;
    を備えた画像形成装置であって、
    電子写真用ベルトが最表面薄膜層に厚膜領域および薄膜領域を有し、該厚膜領域および薄膜領域が、ベルト幅方向に平行な線分および該線分に対して傾きをもって形成された線分を含む像を形成し、厚膜領域の厚みd(nm)および薄膜領域の厚みd(nm)が、発光主波長λの光源部からの光に対するベルト外周面の反射率Rとベルトの最表面薄膜層の厚みd(nm)との関係を表す反射率関数R(d)について、以下の関係式(1);
    |R(d)−R(d)|≧0.5×{Rmax(d)−Rmin(d)} (1)
    を満たすことを特徴とする画像形成装置。
  2. 厚膜領域の厚みd(nm)および薄膜領域の厚みd(nm)が以下の関係式(2)および関係式(3);
    50nm≦d−d≦950nm (2)
    20nm≦d<d≦1000nm (3)
    をさらに満たすことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 最表面薄膜層が無機酸化物層である請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 無機酸化物層が珪素酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物および亜鉛酸化物から選ばれる1種類以上の酸化物を含む層である請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 電子写真用ベルトが転写ベルトまたは定着ベルトである請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
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