JP2011128048A - 光学式変位センサのセンサヘッド及びそのセンサヘッドを備える光学式変位センサ - Google Patents

光学式変位センサのセンサヘッド及びそのセンサヘッドを備える光学式変位センサ Download PDF

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Abstract

【課題】 投光系部品及び受光系部品が取り付けられた基板の剛性が低下してしまうことを防ぐ。
【解決手段】 投光器110及び受光器120が離間して取り付けられたベース基板102と、ベース基板102に取り付けられ、投光器110及び受光器120を収納するケース101と、を備え、ケース101は、投光器110を収納する投光器収納部101bと、受光器120を収納する受光器収納部101aと、投光器収納部101bの開口周縁部101hと受光器収納部101aの開口周縁部101gを連結する連結部101cと、を有し、連結部101cのベース基板102と対向する側の面には、投光器110に接続された電気ケーブル140を収納するための収納溝101fが形成されている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、投光器によって投射光を照射し、検査対象物からの反射光を受光する受光器の出力に基づいて、検査対象物の変位量を検出する光学式変位センサのセンサヘッド及びそのセンサヘッドを備える光学式変位センサに関する。
従来から、検査対象物に光を照射し、その照射方向に対して所定の角度で反射する反射光を受光することにより、いわゆる三角測量を用いて検査対象物の変位を検出する光学式変位センサが知られている。この種の光学式変位センサは、例えば、液晶パネルなどの検査対象物に接着剤を塗布する際に、塗布された接着剤の厚さを均一にするために用いられることがある。具体的に説明すると、光学式変位センサのセンサヘッドの近傍には、接着剤が吐出される接着剤吐出装置(いわゆるディスペンサ)が配置される。検査対象物に塗布される接着剤の厚さは、ディスペンサのノズル先端と検査対象物とのギャップの大きさに依存している。このギャップが一定に保たれると、ディスペンサから一定量の接着剤を吐出することによって接着剤の厚さを均一にすることができる。一方、検査対象物が搬送されてきたときに、例えば検査対象物の下に異物が混入していたり、検査対象物が変形していたりする等して、このギャップが一定に保たれない場合には、たとえディスペンサから一定量の接着剤を吐出していても、接着剤の厚さが不均一になって、製品の歩止まり低下に繋がる虞がある(例えば、ディスペンサのノズル先端が検査対象物に近づき過ぎた場合には、接着剤の液溜まりが生じる虞もある)。そこで、ディスペンサのノズル先端と検査対象物のギャップを正確に管理するために、検査対象物の変位を検出可能な光学式変位センサが用いられる(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に開示された光学式変位センサには、一枚の平板状支持プレートに投光系部品及び受光系部品が設けられ、各部品は、それぞれ投光側カバー及び受光側カバーによって別々に覆われている。また、別々に平板状支持プレートに取り付けられた投光側カバーと受光側カバーとの間には、ディスペンサの直線状ノズルを上下に貫通させて配置するための空所が設けられている。さらに、この平板状支持プレートには、投光系部品に対して制御信号等を送信するための電気ケーブルが収納されるであろうと思われる細長い溝が、投光系部品の近傍から受光系部品の近傍まで形成されている。
特開2006−170724号公報
しかしながら、平板状支持プレートに溝が形成されると、その溝の部分において平板状支持プレートの厚みが薄くなってしまうため、平板状支持プレートの剛性が低下してしまう虞がある。平板状支持プレートに設けられた投光系部品及び受光系部品は、いわゆる三角測量を用いて検査対象物の変位を検出するために高精度な位置決めが必要になるところ、剛性が低下して平板状支持プレートがわずかに歪んだりした場合には、平板状支持プレートが歪んで投光系部品又は受光系部品の光軸がずれてしまうこともあり、ディスペンサのノズル先端と検査対象物のギャップを正確に測定することが困難になる。
一方で、センサヘッドとディスペンサは、搬送ラインや検査装置などに組み込まれること、さらには、検査対象物表面において複数個所に接着剤を塗布するために、センサヘッドが平面移動機構(必要に応じて昇降駆動機構も含まれる)を介してサーボ制御されることなどから、センサヘッドはなるべく小型である方が好ましい。仮に、平板状支持プレートを単純に厚く形成して剛性を高めようとすると、センサヘッドの厚みも増す結果、センサヘッドの小型化要請に応えることができない可能性がある。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、投光系部品及び受光系部品が取り付けられた基板の剛性が低下してしまうことを防ぐ光学式変位センサのセンサヘッド及び光学式変位センサを提供する。
本発明に係る光学式変位センサのセンサヘッドは、検出対象物に投射光を照射する投光器と、投光器によって照射された投射光の検出対象物からの反射光を受光する受光器と、投光器及び受光器が離間して取り付けられたベース基板と、ベース基板に取り付けられ、投光器及び受光器を収納するケースと、を備え、ケースは、投光器を収納する投光器収納部と、受光器を収納する受光器収納部と、投光器収納部の開口周縁部と受光器収納部の開口周縁部を連結する連結部と、を有し、連結部のベース基板と対向する側の面には、投光器に接続された電気ケーブルを収納するための収納溝が形成されている。
このような構成によれば、投光器収納部の開口周縁部と受光器収納部の開口周縁部とは連結部によって連結されるとともに、投光器に接続された電気ケーブルを収納するための収納溝は、投光器及び受光器が取り付けられたベース基板側ではなく、投光器及び受光器を収納するケース側(特に、連結部のベース基板と対向する側の面)に形成されているので、溝が形成されることに起因するベース基板の剛性低下を防ぐことができる。また、ベース基板を厚く形成して剛性を高める、といった必要もなくなるので、センサヘッドの大型化を防ぐことができる。
また、本発明に係るセンサヘッドでは、収納溝に収納された電気ケーブルは、投光器を制御するための制御信号を送信する制御基板に接続されており、この制御基板は、受光器から受光信号を受信するとともに、受光器収納部の内側に取り付けられているような構成としてもよい。
このように、制御基板をセンサヘッド内に組み込むことによって、受光器と制御基板との間を短い配線で繋ぐことができるため、受光器から受信する受光信号にのるノイズを低減することができる。
以上説明したように、本発明によれば、センサヘッドの大型化を防ぎつつ、投光器及び受光器が取り付けられたベース基板の剛性が低下してしまうのを防ぐことができる。
本発明の実施の形態に係る光学式変位センサの概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係るセンサヘッドの外観構成を示す斜視図である。 図2に示すセンサヘッドからベース基板を取り外したときのケースを示す斜視図である。 図2に示すセンサヘッドからケースを取り外したときのベース基板を示す斜視図である。 図2に示すケースを裏側(後方側)から見たときの様子を示す斜視図である。 図2に示すケースを裏側(後方側)から見たときの様子を示す背面図である。 収納溝に電気ケーブルが収納されている様子を示す図である。 図7に示すケースをA−A’に沿って切断したときの様子を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係るセンサヘッドの電気的構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態に係る光学式変位センサ1について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る光学式変位センサ1の概略構成を示す図である。図1に示すように、光学式変位センサ1は、センサヘッド100と、本体ユニット200と、伝送ケーブル300と、を有している。また、センサヘッド100には、ワークWに対して接着剤を吐出するディスペンサ400が取り付けられている。したがって、光学式変位センサ1は、ディスペンサ400から液晶パネルなどのワークWに塗布する際に、ディスペンサ400のノズル先端とワークWのギャップを測定することが可能な計測装置である。具体的には、センサヘッド100から投射光Lを照射し、その照射方向に対して所定の角度で反射する反射光Lをセンサヘッド100で受光し、センサヘッド100の基準箇所(例えば下端面)からワークWまでの距離を求めることによって、ディスペンサ400のノズル先端とワークWのギャップを測定する(詳細は図9を用いて後述する)。なお、本実施形態では、ディスペンサ400から接着剤が塗布されるようにしているが、例えば封止剤(シール剤)などが塗布されるようにしてもよい。
センサヘッド100は、その内部に、ワークWに投射光Lを照射する投光器110と、投光器110によって照射された投射光LのワークWからの反射光を受光する受光器120とを有しており(図1中の点線枠で示す)、ワークWの製造ライン上の狭い場所にも設置できるように本体ユニット200から分離されている。また、センサヘッド100は、略L字形状の筐体からなり、投光器110と受光器120との間であって、かつ、投光器110からの投射光LがワークWに照射される照射点の近傍の上方に、ディスペンサ400のノズルが配置されている。
本体ユニット200は、受光器120上における受光スポットを検出し、その検出結果に基づいてディスペンサ400のノズル先端とワークWのギャップを算出するためのユニットである。なお、本体ユニット200は、PLC(Programmable Logic Controller)などの外部機器が接続可能に構成され、この外部機器から入力されるタイミング信号をトリガとして、センサヘッド100において算出された所定の基準箇所(例えばセンサヘッド100の下端面)からワークWまでの距離を用いて、ディスペンサ400のノズル先端とワークWのギャップを測定し、その測定結果をPLCに出力する。なお、本実施形態では、所定の基準箇所(例えばセンサヘッド100の下端面)からワークWまでの距離を求める機能をセンサヘッド100側にもたせているが、この機能を、センサヘッド100ではなく本体ユニット200側にもたせるようにすることもできる。
伝送ケーブル300は、センサヘッド100と本体ユニット200とを接続するケーブルであって、本体ユニット200からセンサヘッド100に電力を供給したり、本体ユニット200からセンサヘッド100への制御信号を伝送したり、センサヘッド100から本体ユニット200への出力を伝送したりする。
図2は、本発明の実施の形態に係るセンサヘッド100の外観構成を示す斜視図である。図3は、図2に示すセンサヘッド100からベース基板102を取り外したときのケース101を示す斜視図である。図4は、図2に示すセンサヘッド100からケース101を取り外したときのベース基板102を示す斜視図である。なお、本実施形態では、センサヘッド100の上方及び下方、その左方及び右方、並びに、その前方及び後方は、図2中の各矢印に示すように定義する。
図2〜図4に示すように、センサヘッド100は、投光器110及び受光器120が収納されたケース101と、投光器110及び受光器120が取り付けられたベース基板102と、を有している。また、ケース101は、受光器収納部101aと、投光器収納部101bと、連結部101cと、を有している。なお、本実施形態では、受光器収納部101aと投光器収納部101bと連結部101cが一体的に構成され、ベース基板102に取り付けられている。このように、一体的に構成することによっても剛性を高めることができるようになっている。
ケース101の受光器収納部101aは、上下方向(図2)に縦長であって略直方体の形状をしており、その内部には、受光レンズ121および光センサチップ122から構成される受光器120が収納されている(受光器120の機能の詳細については後述する)。また、受光器収納部101aの下方には、所定の傾斜角度を有する傾斜面101dが形成されており、傾斜面101dには、受光窓103が設けられている。反射光Lは、傾斜面101dと略直交する方向から受光窓103に入射される。そして、受光窓103を透過した反射光Lは、受光レンズ121の光軸と略平行になるように受光レンズ121に入射される。
受光レンズ121および光センサチップ122は、図4に示すようにベース基板102に上下方向(図2)に離間して取り付けられており、受光レンズ121より光センサチップ122寄りに配置された反射ミラー123によって、反射光Lの光軸が折れ曲がり、反射光Lが光センサチップ122に導かれるようになっている。このように、反射光Lの光軸が折れ曲がるように反射ミラー123を配置することによって、センサヘッド100の左右方向(図2)の幅を小さくすることができ、ひいてはセンサヘッド100を小型化することができる。なお、受光器収納部101aの上方には、筒形状の伝送ケーブル接続部101iが形成されており、本体ユニット200に接続された伝送ケーブル300は、伝送ケーブル接続部101iの中を通過してセンサヘッド100内部の制御基板130(後述する図9)に接続される。また、本実施形態では、受光器収納部101aと伝送ケーブル接続部101iとは一体的に形成されているが、両者を分離できるようにしてもよい。
ケース101の投光器収納部101bは、略立方体の形状をしており、その内部には投光器110が収納されている(投光器110の機能の詳細については後述する)。また、投光器収納部101bの下方には、所定の傾斜角度を有する傾斜面101eが形成されており、傾斜面101eには、投光窓104が設けられている。LD112から出射した投射光Lは、投光レンズ111を透過し、傾斜面101eと略直交する方向から投光窓104に入射される。そして、投光窓104を透過した投射光Lは、ワークWに照射される。
投光器110は、図4に示すように受光器120とともにベース基板102に取り付けられており、受光器120の受光レンズ121と離間した状態で取り付けられている。このように、投光器110と受光器120とがベース基板に離間して取り付けられることによって、その間に、ディスペンサ400を配置することができるようになっている(図1参照)。
図3及び図4に示すように、ベース基板102には、受光器収納部101aに形成された傾斜面101dと平行になるように傾斜面102cが形成されるとともに、投光器収納部101bに形成された傾斜面101eと平行になるように傾斜面102bが形成され、傾斜面102bおよび傾斜面102c、並びにそれらを連通する連通面102aによって、切り欠き(空隙)が形成されている。また、本実施形態では、ベース基板102の下端面101l(最下方の面)を、センサヘッド100においてワークWまでの距離を求めるための所定の基準箇所としている。なお、この所定の基準箇所としては、下端面101l以外にも、連通面102aなどを用いることもできる。
受光器収納部101aと投光器収納部101bとは、連結部101cによって連結されている。なお、本実施形態では、受光器収納部101aと、投光器収納部101b及び連結部101cとを別部材で構成し、これらをネジ等によって一体的に連結しているが、本発明はこれに限られず、これら全てを一つの部材で構成することもできる。
連結部101cは、上下方向(図2)に、投光器収納部101bの上端面から上述した連通面102aまでの幅を有している。また、図3に示すように、前後方向(図2)の厚みが薄くなっている。すなわち、受光窓103および投光窓104よりも後方の位置において、受光器収納部101aと投光器収納部101bを連結している。これにより、受光器収納部101aと投光器収納部101bとの間に空所が生じ、この空所にディスペンサ400(図1)を配置することができるようになる。
このように、ベース基板120に、受光器収納部101a,投光器収納部101b,及び連結部101cから構成されるケース101が取り付けられることによって、受光器収納部101aは、受光器120をベース基板120と挟むようにして収納するとともに、投光器収納部101bは、投光器110をベース基板120と挟むようにして収納する。換言すれば、受光器収納部101aは、受光器120を覆うようにして収納するとともに、投光器収納部101bは、投光器110を覆うようにして収納する。
ここで、本実施形態に係るセンサヘッド100には、受光器収納部101aと投光器収納部101bとを連結する連結部101cの後方側の面に、投光器110に接続された電気ケーブルを収納するための収納溝101fが形成されている。この収納溝101fについては、図5及び図6を用いて詳述する。
図5は、図2に示すケース101を裏側(後方側)から見たときの様子を示す斜視図である。図6は、図2に示すケース101を裏側(後方側)から見たときの様子を示す背面図である。
図5に示すように、ケース101を裏側から見ると、受光器収納部101aは、底面を有し上面が開口した箱状部材となっている。すなわち、受光器収納部101aは、ベース基板102に取り付けられた受光器120を収納できるように、後方側で開口部101kが形成されており、その開口部101kの周縁に開口周縁部101gが形成されている。この開口周縁部101gは、ベース基板102に対して当接する部分となる。
また、ケース101を裏側から見ると、投光器収納部101bは、底面を有し上面が開口した箱状部材となっている。すなわち、投光器収納部101bは、ベース基板102に取り付けられた投光器110を収納できるように、後方側で開口部101jが形成されており、その開口部101jの周縁に開口周縁部101hが形成されている。この開口周縁部101hは、ベース基板102に対して当接する部分となる。
連結部101cは、受光器収納部101aの開口周縁部101gと、投光器収納部101bの開口周縁部101hとを連結する。そして、上述したように連結部101cは、受光窓103および投光窓104よりも後方に配置されているが、その前後方向(図2)の厚みは、受光器収納部101aの開口周縁部101gと受光窓103との間であって、かつ、投光器収納部101bの開口周縁部101hと投光窓104との間に収まる厚みとなっている。
連結部101cの後方側の面、すなわちベース基板102と対向する側の面には、投光器110に接続された電気ケーブル140を収納するための収納溝101fが形成されている。この収納溝101fは、連結部101cとベース基板102のうち、連結部101c側にのみ設けられている。換言すれば、ベース基板102には、収納溝101fに相当する溝は形成されていない。この収納溝101fに収納された電気ケーブル140は、投光器110を制御するための制御信号を送信する制御基板130に接続されている。
図7は、収納溝101fに電気ケーブル140が収納されている様子を示す図である。図8は、図7に示すケース101をA−A’に沿って切断したときの様子を示す断面図である。なお、図7では、電気ケーブル140の一端141は制御基板130に接続されており、電気ケーブル140の他端142は投光器110用の接続端子110aに接続されている。また、接続端子110aは、LD112(図9)が搭載された回路基板110bに取り付けられている。
図7に示すように、電気ケーブル140は、複数の電気ケーブルが束になって収納溝101fに収納されている。これにより、電気ケーブル140を収納溝101fに収納する際の作業性を高めることができる。
また、収納溝101fは、受光器収納部101aと投光器収納部101bを連通するように形成されており、その結果、受光器収納部101aの開口周縁部101gと投光器収納部101bの開口周縁部101hには、電気ケーブル140が通るための切り欠き部101nが形成されている。これにより、開口周縁部101hの切り欠き部101nを通る電気ケーブル140(図7参照)のように、電気ケーブル140を緩やかに曲げて、その他端142を投光器110用の接続端子110aに接続することができ、ひいては電気ケーブル140の断線防止に寄与することができる。また、図7においては、開口周縁部101gの切り欠き部101mを通る電気ケーブル140は直角に折れ曲がっているが、必要に応じて緩やかに曲げるような構成をとることもできる。
また、本実施形態に係るセンサヘッド100では、投光器110が取り付けられたベース基板102側ではなく、投光器110を収納するケース101側に、収納溝101fを形成するようにしている。そのため、電気ケーブル140の配線自由度を高めることができる。例えば、投光器110用の接続端子110aを開口部101jに近づけて(なるべく後方に)配置することで、開口周縁部101hの切り欠き部101nを通った電気ケーブル140を、そのままの向きで(折り曲げることなく)接続端子110aに接続する、といった配線も可能となる。なお、仮に、従来のようにベース基板102側に電気ケーブル140を収納するための溝を設けた場合には、このような配線は困難である(すなわち、ベース基板102側に溝を設けた場合には、少なくとも溝の端において電気ケーブル140を溝から取り出す必要があるため、電気ケーブル140を折り曲げる作業が必須となる)。
このように、受光器収納部101aの開口周縁部101g又は投光器収納部101bの開口周縁部101hのうち少なくとも一方に切り欠き部(それぞれ切り欠き部101m又は切り欠き部101n)を設け、その切り欠き部を収納溝101fに連通させることによって、電気ケーブル140を緩やかに折り曲げるようにして制御基板130や投光器110に接続できるようになり、配線自由度および配線の作業性を高めることができる。また、電気ケーブル140を緩やかに折り曲げるようにすることで、断線防止に寄与することもできる。
また、図7に示すように、投光器110を制御するための制御信号を送信する制御基板130は、受光器収納部101aの内側に取り付けられている。より具体的には、受光器収納部101aの内側の底面に取り付けられている。これにより、光センサチップ122との間を短い配線で繋ぐことができるため、光センサチップ122から出力されるアナログ信号(受光信号)にのるノイズを低減することができる。
図8に示すように、連結部101cにおいて、収納溝101fの深さは、電気ケーブル140の直径と略同一(図8では、電気ケーブル140の直径よりもわずかに深い)深さとなっている。収納溝101fの深さが深くなればなるほど、連結部101cの厚みも増さなければならないため、受光器収納部101aと投光器収納部101bとの間に、前後方向に薄いディスペンサ400しか挿入できなくなる可能性がある。しかし、図8に示すように、電気ケーブル140の直径と略同一の深さとすることで、連結部101cの厚みを薄くして、前後方向にある程度厚みのあるディスペンサ400であっても挿入できる空所を確保することができる。
次に、センサヘッド100の電気的構成について説明する。図9は、本発明の実施の形態に係るセンサヘッド100の電気的構成を示すブロック図である。図9に示すように、センサヘッド100は、投光器110と、受光器120と、制御基板130と、電気ケーブル140と、を有している。
投光器110は、投射光L1を生成するための光源装置であって、投光レンズ111と、LD(レーザダイオード)112などの発光素子と、から構成されている。投光レンズ111は、LD112から出射された投射光L1を集光するための集光レンズであって、LD112よりもワークW側に配置されている。この投光レンズ111を透過した投射光L1は、投光器収納部101bに設けられた投光窓104を介してワークWに照射される。
受光器120は、受光レンズ121と、光センサチップ122と、から構成されている。受光レンズ121は、投射光L1をワークWに照射した際、ワークWからの反射光L2を光センサチップ122に集光させるための集光レンズであり、受光窓103を介して反射光Lが入射される。
投光レンズ111及び受光レンズ121は、互いの光軸がワークWの近辺において交差するように配置されている。このため、ワークWによって反射された反射光L2が、受光レンズ121によって光センサチップ122に集光される。光センサチップ122は、半導体基板上に多数の受光素子が形成された半導体デバイスである。例えば、多数の受光素子を一列に配列させた、受光素子列として構成されるラインセンサを用いることができ、この場合、受光素子の配列方向が投光レンズ111及び受光レンズ121の光軸をともに含む平面と平行になるように配置される。
受光レンズ122によって光センサチップ122上に集光された反射光L2のスポットは、ワークWまでの距離に応じて移動する。受光素子の配列方向をこの移動方向に一致させておくことによって、反射光Lのスポット位置を光センサチップ122上における受光量のピーク位置として検出し、ワークWまでの距離を求めることができる。このように、光センサチップ122上におけるピーク位置を正確に検出することによって、ワークWまでの距離を正確に測定することができる。
制御基板130は、ワークWまでの距離を求めるための制御基板であって、投光器110に対し、LD122の出射タイミングを制御するための制御信号を送信するとともに、受光器120の光センサチップ122から出力される受光量に基づいて、光センサチップ122上における受光量のピーク位置を求め、このピーク位置から所定の基準箇所(センサヘッド100の下端面101l)からワークWまでの距離を算出する。算出結果は、本体ユニット200に出力され、本体ユニットにおいて、算出結果を用いてディスペンサ400のノズル先端とワークWのギャップの測定が行われる。
ここで、図7及び図8を用いて説明した電気ケーブル140は、投光器110に対して送信する制御信号を伝送する有線ケーブルである。なお、図9に示す電気ケーブル150は、受光器120から送信される受光量を伝送するための有線ケーブルである(図7では図示せず)。図9では、説明の便宜上、電気ケーブル140は1本しか図示していないが、図7で複数の電気ケーブルが束になっている様子を示したように、他にも各種用途の電気ケーブルが考えられる。例えば、投光器110との間で、電力供給を行うための電気ケーブル(電源ライン)やアースを行うための電気ケーブル(グランドライン)などが考えられる。これらの電気ケーブルを収納溝101fに収納するためには、電気ケーブル複数本分の幅を持った溝を形成する必要がある。しかし、本実施形態に係るセンサヘッド100によれば、収納溝101fはベース基板102側ではなくケース101側に形成されているので、収納溝101fの幅が広がったとしても、ベース基板102の剛性が低下することはない。
また、光センサチップ122のピーク位置の検出精度を高めるために、制御基板130に投受光をフィードバック制御する機能をもたせる場合には、電気ケーブル140として、光量パワーを示す制御信号を伝送するための電気ケーブルも必要になる。具体的に説明すると、光センサチップ122上における受光量のピーク位置を精度良く検出するためには、受光量が低すぎず、かつ、受光量が飽和せず、受光量が適切なレベルになっていることが必要である。しかし、光センサチップ122の受光量は、ワークWの表面状態や、ワークWまでの距離、或いは計測が行われる周辺環境に応じて変化する。このため、受光量調整を行ってから距離計測が行われ、この受光量調整は、光センサチップ122の各受光素子の受光量に影響を与えるパラメータを変更することによって実現される。例えば、投光に関するパラメータとして投光器110の明るさ(光量パワー)が含まれる。なお、受光に関するパラメータとしては、光センサチップ122の露光時間や増幅回路のゲインなどがある。
このように、制御基板130は、受光器120の光センサチップ122から実際に出力される受光量に基づいて、次回のパラメータを算出し、このパラメータに基づく制御信号(光量パワー)を投光器110に出力する、といった受光量調整を繰り返し行う機能を有している。本機能を実現するために、制御信号(光量パワー)を投光器110に出力するための電気ケーブル140が余分に必要になり、その分だけ、収納溝101fの幅を広げる必要があるが、本実施形態に係るセンサヘッド100では、収納溝101fはベース基板102側ではなくケース101側に形成されているので、収納溝101fの幅が広がったとしても、ベース基板102の剛性が低下することはない。
[実施形態の主な効果]
以上説明したように、本実施形態に係るセンサヘッド100によれば、投光器収納部101bの開口周縁部101hと、受光器収納部101aの開口周縁部101gとは、連結部101cによって連結されるとともに、投光器110に接続された電気ケーブル140を収納するための収納溝101fは、投光器110及び受光器120が取り付けられたベース基板102側ではなく、投光器110及び受光器120を収納するケース101側に形成されているので、センサヘッド100の大型化を防ぎつつ、溝が形成されることに起因するベース基板102の剛性低下を防ぐことができる。なお、ユーザがディスペンサ400の設置や取外しを行う際に、力を入れすぎてベース基板102に余計な力を加えてしまう可能性があるが、剛性低下を防ぐことができれば、測定精度の低下を防ぐことができる。
また、制御基板130をセンサヘッド100の内側に取り付けることによって、受光器120と制御基板130との間を短い配線で繋ぐことができ、ひいては受光器120から受信する受光信号にのるノイズを低減することができる。
100 センサヘッド
110 投光器
120 受光器
200 本体ユニット
300 伝送ケーブル
400 ディスペンサ

Claims (6)

  1. 検出対象物に投射光を照射する投光器と、
    前記投光器によって照射された投射光の前記検出対象物からの反射光を受光する受光器と、
    前記投光器及び前記受光器が離間して取り付けられたベース基板と、
    前記ベース基板に取り付けられ、前記投光器及び前記受光器を収納するケースと、を備え、
    前記ケースは、前記投光器を収納する投光器収納部と、前記受光器を収納する受光器収納部と、前記投光器収納部の開口周縁部と前記受光器収納部の開口周縁部を連結する連結部と、を有し、
    前記連結部の前記ベース基板と対向する側の面には、前記投光器に接続された電気ケーブルを収納するための収納溝が形成されていることを特徴とする光学式変位センサのセンサヘッド。
  2. 前記収納溝に収納された電気ケーブルは、前記投光器を制御するための制御信号を送信する制御基板に接続されており、
    前記制御基板は、前記受光器から受光信号を受信するとともに、前記受光器収納部の内側に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の光学式変位センサのセンサヘッド。
  3. 前記投光器収納部の開口周縁部および前記受光器収納部の開口周縁部の少なくとも一方には、前記電気ケーブルが通すための切り欠き部が形成されており、
    前記切り欠き部は前記収納溝に連通されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光学式変位センサのセンサヘッド。
  4. 前記収納溝には、複数の電気ケーブルが束になって収納されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の光学式変位センサのセンサヘッド。
  5. 前記収納溝の深さは、前記電気ケーブルの直径と略同一に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか記載の光学式変位センサのセンサヘッド。
  6. 検出対象物に投射光を照射する投光器と、前記投光器によって照射された投射光の前記検出対象物からの反射光を受光する受光器と、前記投光器及び前記受光器が離間して取り付けられたベース基板と、前記ベース基板に取り付けられ、前記投光器及び前記受光器を収納するケースと、を備えるセンサヘッドと、前記センサヘッドと伝送ケーブルによって接続され、前記センサヘッドに対して電力供給と行う本体ユニットと、を有する光学式変位センサであって、
    前記ケースは、前記投光器を収納する投光器収納部と、前記受光器を収納する受光器収納部と、前記投光器収納部の開口周縁部と前記受光器収納部の開口周縁部を連結する連結部と、を有し、
    前記連結部の前記ベース基板と対向する側の面には、前記投光器に接続された電気ケーブルを収納するための収納溝が形成されていることを特徴とする光学式変位センサ。
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