JP2011128029A - 任意波形発生器 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、自身に補正回路を備えることによって、外部に補正のための装置を接続することなく、任意の周波数の波形に対して精度の高い歪み補正が可能な任意波形発生器を実現することにある。
【解決手段】本発明は、発生させるべき波形の経時変化を示す波形データを格納する波形メモリと、この波形メモリから波形データを読み出す制御手段と、を有する波形データ生成部と、この波形データ生成部から出力される波形データをアナログ電気信号に変換し、出力波形として発生するDA変換部と、を備えた任意波形発生装置において、前記波形データ生成部の出力する波形データと、前記DA変換部が出力するアナログ電気信号を入力し、前記波形データに対する前記アナログ電気信号の歪み量を検知し、その歪み量に基づいて補正を行い、その補正を加えた波形データを前記波形メモリに帰還させる補正回路を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、所望の波形を発生させる任意波形発生器に関し、詳しくは出力波形の歪み性能の改善する補正回路を備えた任意波形発生器に関する。
一般的に、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)等の各種半導体デバイス等(以下、これらを総称してDUT(Device Under Test)という)の試験は、試験内容を記述したテストプラグラムに従って、半導体試験装置等がDUTに対して所望の波形を有する試験信号を印加し、DUTから出力される信号と予め設定された期待値とが一致するか否かを判定することにより行われる。
半導体試験装置には、DUTに印加する所望の波形信号を生成するために任意波形発生器が実装されている。任意波形発生器が出力する波形は歪み(設定した波形データの理想電圧レベルに対する誤差)等を含んでいるので、この歪み性能を改善するために任意波形発生器に対して補正が行われる。
このような従来装置を、図面を用いて説明する。図5は、従来の任意波形発生器の構成例を示した図である。図5に示す通り、従来の任意波形発生器は、波形データ生成部1と、デジタルアナログ変換部(DA変換部2)と、を有する。波形データ生成部1は、波形メモリ11と制御手段12とを有している。波形メモリ11には、発生させるべき波形の経時変化を規定する波形データが格納されている。制御手段12はこの波形データを波形メモリ11から適宜読み込んで出力する。DA変換部2は、デジタルアナログ変換器(以下、DAC21)とアンプ22を有しており、DAC21は、波形データ生成部1が出力する波形データをアナログ電気信号に変換し、アンプ22は、このアナログ電気信号を増幅し、出力波形として発生する。
直流の電圧レベルを測定する図示しないDC測定部は、アンプ22の出力、すなわちDA変換部2の出力を入力し、電圧レベル等の測定を行う。
次に、従来の任意波形発生器における補正の動作例を説明する。
制御手段12は、補正のために予め定められた補正用デジタル値(DAC入力値)を出力する。DAC21は、このDAC入力値をアナログ電気信号に変換し、アンプ22はこのアナログ電気信号を増幅して出力する。図示しないDC測定部は、アンプ22の出力である電圧レベルの測定を行い、外部に接続され図示しない制御装置へ出力する。
このような測定を予め定められた複数種、例えば3種、のDAC入力値について行った結果が、図6のA,B,Cに示される点である。図6は、横軸をDA変換部2に入力されるDAC入力値、縦軸をアンプ22の出力つまりDA変換部2の出力の電圧レベル、として、DAC入力値に対するDA変換部2の出力の電圧レベルの測定結果をプロットしたものである。このようにして得られた、AとBの間,BとCの間を結ぶ線を、当該DA変換部2のDACコードに対する電圧レベルの変換関係(DA変換部2の入出力関係)とする。
このようなDA変換部2の入出力関係は、図示しない制御装置で計算され、この関係に基づいて補正を加えられた波形データが波形メモリ11に格納される。
DUTの試験においては、このように補正された波形データによって、DUTに印加する波形信号を生成する。
特許文献1には、波形メモリに波形データを格納し、波形メモリに格納された波形データをDA変換器により変換して出力する従来の任意波形発生器が記載されている。
特開2004−86677号公報
従来の広帯域の任意波形発生器は、主として高周波(動作周波数が概ね100MHz以上)の特性を向上させるべく開発が進められており、低周波(例えば、周波数が1kHz以下の周波数領域)の特性についてはあまり重視されていなかったが、近年においては、高周波特性についてはもちろんのこと、低周波特性の向上も要求されている。
しかしながら、従来の任意波形発生器の歪みの補正は、既に説明したように、任意波形発生器の外部にDC測定部を接続し、直流の電圧レベルの補正を行うのみであったため、以下の課題があった。
(1)波形の歪みの特性は周波数によって異なるので、直流の電圧レベルのみの補正では、任意の周波数の波形に対して精度の高い歪み補正を行うことが困難である。
(2)外部に補正装置が必要なことから、補正を行う際には、一旦量産ラインを止めて、DUTとのインタフェースとなるDUTボード等を取り外して補正用装置を接続しなければならず、また、量産を再開する際には、再度DUTボード等を半導体試験装置に取り付けなおす必要がある。このためDUT試験の量産現場において、現場スタッフの工数や、量産ラインの停止時間等の多大なコストを要する。
そこで、本発明の目的は、自身に補正回路を備えることによって、外部に補正のための装置を接続することなく、任意の周波数の波形に対して精度の高い歪み補正が可能な任意波形発生器を実現することにある。
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
発生させるべき波形の経時変化を示す波形データを格納する波形メモリと、この波形メモリから波形データを読み出す制御手段と、を有する波形データ生成部と、
この波形データ生成部から出力される波形データをアナログ電気信号に変換するDA変換部と、
を備えた任意波形発生装置において、
前記波形データ生成部の出力する波形データと、前記DA変換部が出力するアナログ電気信号を入力し、前記波形データに対する前記アナログ電気信号の歪み量を検知し、その歪み量に基づいて補正を行い、その補正を加えた波形データを前記波形メモリに帰還させる補正回路を備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明であって、
前記補正回路は、
前記DA変換部の出力であるアナログ電気信号をデジタルデータに変換し、出力波形として発生するAD変換部と、
このAD変換部の出力するデジタルデータと前記波形データ生成部の出力する波形データとに基づき、前記波形データに対する前記アナログ電気信号の歪み量を検知し、その歪み量に基づいて補正を行い、その補正を加えた波形データを前記波形メモリに帰還させる補正演算手段を備えたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、
発生させるべき波形の経時変化を示す波形データを格納する波形メモリと、この波形メモリから波形データを読み出す制御手段と、を有する波形データ生成部と、
この波形データ生成部から出力される波形データをアナログ電気信号に変換し、出力波
形として発生するDA変換部と、
前記DA変換部の出力であるアナログ電気信号をデジタルデータに変換するAD変換部と、を備えた任意波形発生装置であって、
前記制御手段は、前記AD変換部の出力するデジタルデータを入力し、このデジタルデータと前記波形メモリに格納されている波形データに基づき、前記アナログ電気信号が前記波形データに対してどれくらいの歪み量があるかを検知し、その歪み量に基づいて補正を行い、その補正を加えた波形データを前記波形メモリに帰還させることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明であって、
半導体デバイスを検査する半導体試験装置に実装されたことを特徴とする。
本発明によれば、任意波形発生器が備える補正回路が、波形データ生成部が出力する波形データと、DA変換部が出力するアナログ電気信号と、を入力し、DA変換部の入力である波形データに対するDA変換部の出力であるアナログ電気信号の歪み量を検出し、この歪み量に基づいて補正を行い、この補正を加えた補正済波形データを波形メモリに帰還させる。このため、補正のための装置を外部に接続する必要がなくなるとともに、任意のタイミングにおいて任意の周波数の波形に対して補正を行うことが可能となる任意波形発生器を実現することができる。
本発明の一実施例の構成を示した図である。 図1の装置により補正を実行する際の取得データ例を示した図である。 図1の装置の波形データと出力波形データとの関係を示した図である。 本発明の他の実施例の構成を示した図である。 従来の任意波形発生器の構成例を示した図である。 図5の装置による補正によって得られたDA変換部の入出力関係を示した図である。
以下本発明を、図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例の構成を示した図である。ここで、図5と同一のものは同一符号を付し、説明を省略する。
アンプ22の出力の先には、出力リレー3が接続されており、図示しないDUTとの経路の接続と遮断を可能としている。
アンプ22と出力リレー3の間には、補正リレー4の一端が接続されている。
補正リレー4の他端は、アナログデジタル変換部51(以下、AD変換部)と補正演算手段52とを備える補正回路5に接続されている。
AD変換部51は、アンプ511とAD変換器512(以下、ADC)を有しており、アンプ511は補正リレー4を経由してアンプ22の出力を入力して増幅し、ADC512はアンプ511の出力にアナログデジタル変換を行いデジタルデータである出力波形データを出力する。
補正演算手段52は、記憶手段521と制御手段522とを備え、波形データ生成部1と、またAD変換部51と接続されている。
記憶手段521は、波形データ生成部1の出力である波形データと、ADC512の出力である出力波形データを入力して記憶する。
補正演算手段52は、波形データと出力波形データとに基づいて波形データの歪み補正を行い、この補正を加えた波形データ(以下、補正済波形データ)を波形メモリ11に帰還させる。
このような装置の動作例を、図面を用いて説明する。
まず、波形の歪みの補正実行時には、出力リレ3ーを遮断(OFF)し、補正リレー4を接続(ON)する。 任意波形発生器の波形メモリ11には、DUT試験において出力する波形の波形データが予め格納されており、制御手段12は、それらの波形データを、波形メモリ11から順次取り出して出力する。この出力をDA変換部2によりアナログ電気信号の出力波形として出力する。この出力は、補正回路5のAD変換部51のアンプ511に入力される。このアンプ511の出力はADC512に入力されてアナログデジタル変換され、出力波形データとして出力される。
補正演算手段52の記憶手段521は、波形データ生成部1が出力する波形データと、ADC512の出力である出力波形データと、を自身に格納し、これら波形データと出力波形データとに基づいて波形データの歪みの補正を行う。
ここで、波形の歪みの補正する方法はいくつか考えらる。
例えばある周波数において、図2に示すように、DA変換部2に入力する波形データ(a)〜(i)に対する、出力波形データ、それぞれ(a’)〜(i’)をサンプリングする。ここで、(a)〜(i)と(a’)〜(i’)との差が、波形の歪である。そして、図3のように出力波形データ(a)〜(i)の電圧レベルを縦軸、対応する波形データ(a’)〜(i’)の電圧レベルを横軸としてプロットし、それらのプロットを通るラインから「波形データに対する出力波形データの関係」を得る方法等がある。
制御手段522は、このようにして取得した例えば図3のような「波形データに対する出力波形データの関係」によって元の波形データを補正する。このような補正が、実際のDUT試験で使用される波形の周波数種類分行われる。
補正演算手段52は、このように補正された波形データ(補正済み波形データ)を、波形メモリ11に帰還させる。
このような補正を行った後、DUT試験の際には、補正リレーをOFFし、出力リレーをONして、DA変換部2とDUTとを接続状態とし、波形データ生成部1が、波形メモリ11に格納されている補正済波形データを適宜出力し、DA変換部2がアナログ電気信号に変換して波形を出力する。
このように、補正実行時には、任意波形発生器が備える補正回路5が、波形データ生成部1が出力する波形データと、DA変換部2が出力するアナログ電気信号と、を入力し、波形データに対するアナログ電気信号の歪み量を検出し、この歪み量に基づいて補正を行い、この補正を加えた補正済波形データを波形メモリに帰還させる。
このため、補正のための装置を外部に接続する必要がなくなるとともに、DUTボードを搭載した状態においても、任意のタイミングで(例えばDUTの量産試験の合間等において当該DUTのテストプログラムそのものを用いて)、任意の周波数の波形に対して補正の実行を行い、補正済波形データを波形メモリに帰還させることが可能な、任意波形発器を実現することができる。
尚、出力リレー3は遮断されていて、アンプ22の出力はDUTに影響を与えないので、DUT試験の量産ラインにおいて、DUTボード等を装着したまま、実際に使用されているテストプログラムを用いて波形出力することもできる。この場合、テストプログラムで使用するものと全く同一の波形を用いて、テストプログラムで使用する全ての周波数の波形の補正をすることが可能である。
また、本発明はこれに限定されるものではなく、図1に示す補正回路5の代わりに、図4に示すように、アンプ511とADC512からなるAD変換部51のみを有する補正回路6を設ける構成でもよい。この場合、補正回路6は、アンプが出力するアナログ電気信号をアナログデジタル変換した結果である出力波形データのみを波形データ生成部1に出力する。そして、波形データ生成部1では、この出力波形データと、波形メモリに格納されている波形データとに基づき補正を行い、波形データに対する出力波形データの関係を得て、この関係に基づき波形データを補正し、補正済波形データを作成して、波形メモリに格納することになる。
11 波形メモリ
12 制御手段
522 制御手段
2 DA変換部
5 補正回路
51 AD変換部
52 補正演算手段
521 記憶手段

Claims (4)

  1. 発生させるべき波形の経時変化を示す波形データを格納する波形メモリと、この波形メモリから波形データを読み出す制御手段と、を有する波形データ生成部と、
    この波形データ生成部から出力される波形データをアナログ電気信号に変換し、出力波形として発生するDA変換部と、
    を備えた任意波形発生装置において、
    前記波形データ生成部の出力する波形データと、前記DA変換部が出力するアナログ電気信号を入力し、前記波形データに対する前記アナログ電気信号の歪み量を検知し、その歪み量に基づいて補正を行い、その補正を加えた波形データを前記波形メモリに帰還させる補正回路を備えたことを特徴とする任意波形発生器。
  2. 前記補正回路は、
    前記DA変換部の出力であるアナログ電気信号をデジタルデータに変換するAD変換部と、
    このAD変換部の出力するデジタルデータと前記波形データ生成部の出力する波形データとに基づき、前記波形データに対する前記アナログ電気信号の歪み量を検知し、その歪み量に基づいて補正を行い、その補正を加えた波形データを前記波形メモリに帰還させる補正演算手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の任意波形発生器。
  3. 発生させるべき波形の経時変化を示す波形データを格納する波形メモリと、この波形メモリから波形データを読み出す制御手段と、を有する波形データ生成部と、
    この波形データ生成部から出力される波形データをアナログ電気信号に変換し、出力波形として発生するDA変換部と、
    前記DA変換部の出力であるアナログ電気信号をデジタルデータに変換するAD変換部と、を備えた任意波形発生装置であって、
    前記制御手段は、前記AD変換部の出力するデジタルデータを入力し、このデジタルデータと前記波形メモリに格納されている波形データに基づき、前記アナログ電気信号が前記波形データに対してどれくらいの歪み量があるかを検知し、その歪み量に基づいて補正を行い、その補正を加えた波形データを前記波形メモリに帰還させることを特徴とする任意波形発生器。
  4. 半導体デバイスを検査する半導体試験装置に実装されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の任意波形発生器。
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