JP2011126380A - 自動車のルーフ補強部材およびその設計方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アーチ状の湾曲形状をしたルーフ補強部材を、幅広薄肉形状の矩形閉断面部を有する高強度なアルミニウム合金押出中空形材から構成し、前記矩形閉断面部の全幅Bを無次元幅厚比パラメータRfで1.00以上と大きくした上で、更に、中リブによって分割された個々の矩形閉断面部の幅B1、B2、B3を前記Rfで1.00未満と小さくする。
【選択図】図4
Description
但し、無次元幅厚比パラメータRf={(σy/E)×[12(1−ν2 )/π2 k]}1/2×(B/tf)とする。この式で、Eは前記アルミニウム合金のヤング率(MPa)、Bは前記矩形閉断面部の全幅(mm)、tfは前記矩形閉断面部のフランジ側厚み(mm)、νはポアソン比、kは座屈係数(k=4)である。
但し、無次元幅厚比パラメータRf={(σy/E)×[12(1−ν2 )/π2 k]}1/2×(B/tf)とする。この式で、σyは前記アルミニウム合金押出中空形材の0.2%耐力(MPa)、Eは前記アルミニウム合金のヤング率(MPa)、Bは前記矩形閉断面部の全幅(mm)、tfは前記矩形閉断面部のフランジ側厚み(mm)、νはポアソン比、kは座屈係数(k=4)である。
アーチ状のルーフ補強部材の最大荷重を向上させるためには、このアーチ状衝突荷重変形挙動を知る必要がある。この解明のために、先ず、図1のような梁モデルによって、形状条件や強度条件を種々変えた矩形閉断面部を有するルーフ補強部材を、FEMと理論式との両方によって、解析した。
先ず、前記図1について説明する。図1のアーチ状のルーフ補強部材の梁モデルにおいて、Pは軸方向の圧縮荷重、δ0 は初期たわみとしての車体上下方向のアーチ高さ、Lはルーフ補強部材の長さである。なお、ルーフ補強部材の最大荷重Pmax とは、軸方向の最大圧縮荷重(最大軸圧縮荷重)のことである。
この図1における、ルーフ補強部材の最大荷重Pmax を求めるための理論式は以下の公知の式1で表される。この式1は、例えば、構造力学公式集、土木学会、1986、P.314などに記載されている。
ここで、PE :曲げ座屈荷重、δ0 :アーチ高さ(アーチ円弧の最大高さ)、MP :全塑性曲げモーメントである。
図1の梁モデルを用い、前記理論式1とFEM解析との両方の解析によって、前記形状条件や強度条件を種々変えた矩形閉断面部を有するルーフ補強部材の最大荷重Pmax を各々解析した結果を図2に各々示す。
前記図2の解析結果を、縦軸に荷重効率、横軸に無次元幅厚比パラメータRfとで改めた整理した結果を図3に示す。
このように、弾性的に座屈しやすくなったルーフ補強部材の最大荷重値を上げるためには、通常は、前記した通り、前記矩形閉断面部の肉厚(フランジの肉厚)を厚くする。しかし、前記弾性座屈に対して有効なだけの肉厚の増加は、ルーフ補強部材の軽量化が犠牲となり、アルミニウム合金押出形材を使用する意味がなくなる。
具体的には、前記図4、図5の矩形閉断面において、図4(a)、図5(a)の中リブを有さない、原型となる口型の従来の矩形閉断面に対して、図4(b)、図5(b)や図4(c)、図5(c)のように、矩形閉断面部内に中リブを1本以上設けて、矩形閉断面部を分割する。
このように、本発明ルーフ補強部材の矩形閉断面部の全幅(幅方向の全長さ)Bは、最大荷重値を上げるために、無次元幅厚比パラメータRfで1.00以上、好ましくは1.38以上、より好ましくは1.61以上と、更に好ましくは1.72以上として、できるだけ大きく(広く)する。
また、中リブによる矩形閉断面部の分割は、図4(b)、図5(b)や図4(c)、図5(c)における、中リブによって分割された(仕切られた)矩形閉断面部(フランジ1、2)の、分割された個々の矩形閉断面部の幅B1、B2、B3が、無次元幅厚比パラメータRfで1.00未満のできるだけ小さい値となるように行う。これらの幅B1、B2、B3が、無次元幅厚比パラメータRfで1.00以上と大きくなっては、矩形閉断面部の全幅Bを前記の通り大きくした際に発生しやすくなる弾性座屈を防止できず、アーチ状のルーフ補強部材の最大荷重値を上げることができない。
本発明ルーフ補強部材の矩形閉断面部の全幅Bの、無次元幅厚比パラメータRfを大きくするための、ルーフ補強部材の矩形閉断面部の設計方法を、図4と図5とを例として、以下に具体的に説明する。
本発明において使用するアルミニウム合金押出中空形材は、前記矩形閉断面部の最大厚みtfを3mm以下とした上で、前記最大荷重値を上げ、弾性座屈を防止するためには、0.2%耐力σyが200MPa以上のできるだけ高強度なものが必要である。このような前記必要な強度を満たすためには、高強度なA6000系かA7000系の調質(熱処理)されたアルミニウム合金押出中空形材が好ましい。なお、このようなアルミニウム合金押出中空形材は、熱間押出と、溶体化焼入れ処理、人工時効処理などの調質(熱処理)を組み合わせた常法にて製造できる。
矩形閉断面部のフランジ1、2やウエブ3、4の厚みtfあるいはtf1は、軽量化を阻害しないために、最大でも3mm以下とする。但し、好ましい最小の厚みは1.5mmであり、矩形閉断面部の厚みtfあるいはtf1は、好ましくは1.5〜3mmの範囲とする。前記張出フランジ5、6、7、8の厚みtf2もこれに準じる。
矩形閉断面部の車体上下方向の高さHは、大きい(高い)方が最大荷重値を上げ、弾性座屈を防止できる。しかし、前記した通り、ルーフ補強部材として、自動車の室内空間あるいは車高方向のスペースを確保するために、大幅に制限される。また、軽量化の点からも大幅に制限される。このため、最大でも30mm、通常は10〜25mmの範囲とすることが好ましい。
矩形閉断面部の全幅(幅方向の全長さ)Bは、無次元幅厚比パラメータRfを前記した通り大きくし、最大荷重値を上げるために、できるだけ大きく(広く)する。このためには、無次元幅厚比パラメータRfの式を構成する前記した他の因子との関係で、矩形閉断面部の全幅(幅方向の全長さ)Bの絶対値は、最低でも50mmを超えてできるだけ大きい方が好ましく、好ましくは80mm以上、より好ましくは150mmとする。
中リブによって分割された(仕切られた)矩形閉断面部(フランジ1、2)の、分割された個々の矩形閉断面部の幅B1、B2、B3は、弾性座屈を防止するために、Rfで1.00未満とする。このためには、前記無次元幅厚比パラメータRfの式を構成する他の因子を、前記した範囲とすると、分割された個々の矩形閉断面部の幅B1、B2、B3は、車体前後方向の各幅として、最大でも50mm以下とする。但し、これら中リブによって分割される矩形閉断面部の幅B1、B2、B3は、全て同じ幅とする必要はなく、必要に応じて変えても良い。
張出フランジ5、6、7、8は、ルーフ補強部材として、矩形閉断面部を、前記ルーフパネルやルーフサイドレールと接合するために必要であって、弾性座屈を防止するためや、最大荷重値を上げるためには必要ない。
Claims (2)
- 自動車のルーフパネルを支持し、車幅方向にアーチ状に湾曲して延在するルーフ補強部材であって、矩形閉断面部を有するアルミニウム合金押出中空形材からなり、このアルミニウム合金押出中空形材の0.2%耐力σyが200MPa以上であるとともに、前記矩形閉断面部の最大厚みが3mm以下、前記矩形閉断面部の全幅Bが下記式で定義される無次元幅厚比パラメータRfで1.00以上である幅広薄肉形状を有しており、更に、前記矩形閉断面部が中リブによって分割されているとともに、この分割された個々の矩形閉断面部の幅が前記無次元幅厚比パラメータRfで1.00未満であり、15kN以上の軸方向の最大荷重を有することを特徴とするルーフ補強部材。
但し、無次元幅厚比パラメータRf={(σy/E)×[12(1−ν2 )/π2 k]}1/2×(B/tf)とする。この式で、Eは前記アルミニウム合金のヤング率(MPa)、Bは前記矩形閉断面部の全幅(mm)、tfは前記矩形閉断面部のフランジ側厚み(mm)、νはポアソン比、kは座屈係数(k=4)である。 - 自動車のルーフパネルを支持し、車幅方向にアーチ状に湾曲して延在するルーフ補強部材の設計方法であって、このルーフ補強部材を、矩形閉断面部を有するアルミニウム合金押出中空形材とし、このアルミニウム合金押出中空形材の0.2%耐力σyを200MPa以上とするとともに、前記矩形閉断面部を、最大厚みが3mm以下、前記矩形閉断面部の全幅Bが下記式で定義される無次元幅厚比パラメータRfで1.00以上の幅広薄肉形状とし、その上で、前記矩形閉断面部を中リブによって分割するとともに、この分割された個々の矩形閉断面部の幅を前記無次元幅厚比パラメータRfで1.00未満とすることによって、このルーフ補強部材の軸方向の最大荷重を15kN以上としたことを特徴とするルーフ補強部材の設計方法。
但し、無次元幅厚比パラメータRf={(σy/E)×[12(1−ν2 )/π2 k]}1/2×(B/tf)とする。この式で、Eは前記アルミニウム合金のヤング率(MPa)、Bは前記矩形閉断面部の全幅(mm)、tfは前記矩形閉断面部のフランジ側厚み(mm)、νはポアソン比、kは座屈係数(k=4)である。
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