JP2011125472A - 歯間清掃具及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】歯間のみならず、歯の曲面に付着している歯垢をも清掃できる歯間清掃具を提供する。
【解決手段】
歯間に挿入して歯垢等を除去する歯間清掃具1であって、歯間に挿入される第1清掃部11と、第1清掃部11の少なくとも一方端から拡開可能な一対の第2清掃部12と、一対の第2清掃部12の拡開された端部が接合され、指を挿入できる環状の保持部13と、保持部13に連なる切断部14とを有する歯間清掃具1を提供する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、歯の表面に付着している歯垢等の汚れを除去するための歯間清掃具及びその製造方法に関するものである。
略U字状のホルダの両端に、糸がかけ渡された歯間清掃具が知られている。この種の歯間清掃具は、ホルダの両端にかけ渡された糸が歯間に挿入され、前後や上下に動かされることにより、歯間に挟まった歯垢や食べ物の滓を掻きだすことができる。
特開2000−197647号公報
しかしながら、従来の歯間清掃具は、ホルダの両端にかけ渡された直線状の糸が歯間の隙間を往復運動するだけなので、歯間に挟まった歯垢や食べ物の滓を除去できるものの、歯の曲面に付着している歯垢を除去することが困難であるという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、歯間だけではなく、隣接する歯の曲面に付着した歯垢等の汚れをも除去できる歯間清掃具を提供することである。
本発明によれば、歯の表面に付着している歯垢等の汚れを除去する歯間清掃具であって、歯間に挿入される第1清掃部と、前記第1清掃部の少なくとも一方端から拡開可能な一対の第2清掃部と、を有する歯間清掃具が提供される。
本発明では、第1清掃部が歯間に挿入されると、第1清掃部の端部から拡開可能な第2清掃部が歯の曲面に対向するので、第1清掃部が歯間に接触しながら上下又は前後に往復移動するとともに、第2清掃部が歯の曲面に接触しながら上下又は前後に往復移動する。このため、歯間清掃具を上下又は前後に動かすと、第1清掃部が歯間に挟まった歯垢や食べ物の滓等を除去するとともに、第2清掃部が歯の曲面に付着した歯垢等の汚れをも除去できる。
本発明の実施形態に係る歯間清掃具及び歯間清掃具群の斜視図である。 本発明の実施形態に係る歯間清掃具の構成図である。 本発明の実施形態に係る歯間清掃具の織物組織の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る歯間清掃具の使用状態図である。 本発明の実施形態に係る歯間清掃具の清掃作用の説明図である。 本発明の実施形態に係る歯間清掃具の清掃作用の説明図である。 本発明の実施形態に係る歯間清掃具と人工歯との間の摩擦力の計測結果を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る歯間清掃具が人工歯の間に挿入する際受ける抵抗力の計測結果を示すグラフである。 ホルダと一体化した歯間清掃具の斜視図である。 ホルダ付き歯間清掃具の斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
本実施形態における歯間清掃具は、歯の表面に付着した歯垢や食べ物の滓等の汚れを除去するための用具である。
図1は複数の歯間清掃具1が帯状に連続して形成された歯間清掃具群10の斜視図である。歯間清掃具1の間を切断することによって、一つの歯間清掃具1を得ることができる。
図2は一つの歯間清掃具1の構成図である。図2に示すように、本実施形態の歯間清掃具1は、歯間に挿入される第1清掃部11と、この第1清掃部11の少なくとも一方端11aから拡開可能な一対の第2清掃部12a1及び12a2を有している。
同図に示すように、一対の第2清掃部12a1及び12a2は、第1清掃部11の一方端11aから分岐して、この第1清掃部11の一方端11aから離隔する方向に拡開しつつ延在する。つまり、第1清掃部11は少なくとも一方端11aに分岐点を有している。このため、第1清掃部11と第2清掃部12a1,12a2との間には、所定の接合角又は変動可能な接合角が形成されている。第1清掃部11に対する第2清掃部12a1,12a2の接合角は限定されず、任意に設定できる。また、第1清掃部11と第2清掃部12a1との接合角と、第1清掃部11と第2清掃部12a2との接合角とは同じ角度であってもよいし、異なる角度であってもよい。さらに、第1清掃部11と第2清掃部12a1との接合位置と、第1清掃部11と第2清掃部12a2との接合位置とは異なる位置であってもよい。
ちなみに、同図に示す歯間清掃具1は、第2清掃部12a1,12a2が同じ分岐点(位置)から分岐するとともに、第1清掃部11に対して等しい角度で拡開する略Y字の形状に形成されている。このように、歯間清掃具1を、第1清掃部11に対して線対称の形状とすることにより、歯間清掃時に第1清掃部11及び第2清掃部12a1,12a2と歯の表面との間に生じる力を分散させることができるので、歯に偏った力がかかることを防止できる。その結果、第1清掃部11及び第2清掃部12a1,12a2は歯の表面を滑らかに移動するので、その操作性を向上させることができる。
また、図2に示すように、本実施形態の歯間清掃具1は、第1清掃部11の両端に第2清掃部12a1,12a2,12b1,12b2(総称する場合は12の符号を付する、以下同じ)を備えることができる。すなわち、第1清掃部11の一方端11aから拡開可能な一対の第2清掃部12a1及び12a2を設けるとともに、第1清掃部11の他方端11bから拡開可能な一対の第2清掃部12b1及び12b2を設けることができる。なお、本発明に係る実施形態においては、第1清掃部11の少なくとも一方端に第2清掃部12を設ければよいので、図2の破線枠内に示す歯間清掃具1aのように、第1清掃部11の一方端11aから拡開可能な一対の第2清掃部12a1及び12a2を備える態様の歯間清掃具1を提供することができる。
さらに、同図に示す歯間清掃具1は、一対の第2清掃部12a1及び12a2(又は12b1及び12b2)の拡開された端部が接合され、指を挿入できる環状の保持部13a及び13bが形成されている。保持部13a及び13bの環の大きさは特に限定されず、人間の指の太さ又は歯間清掃具1を係止するために用いられるホルダの係止部の太さに応じて適宜設定でき、第1清掃部11の長さ及び幅は、清掃する領域の大きさに応じて適宜設定できる。本実施形態においては、歯間清掃具1を親指と人指し指で支持して使用できるようにするため、第1清掃部11の一方端11aの側に形成された保持部13aの環の大きさを人間の親指の太さ(統計上の平均値等)に応じて設定し、第1清掃部11の他方端11bの側に形成された保持部13bの環の大きさを人間の人指し指の太さに応じて設定している。なお、人間の指の太さは、年齢、性別によって異なるので、保持部13a及び13bの大きさは、使用者の属性に応じて設定できる。ちなみに、本実施形態においては、第1清掃部の長さ及び幅は、使用者の歯冠の幅及び歯冠の高さ(統計上の平均値等)に応じて設定している。
加えて、同図に示すように、本実施形態の歯間清掃具1は、保持部13a及び13bに連なる切断部14を有している。切断部14の長さは特に限定されないが、鋏やカッターの刃を用いて安全に切断できる長さにすることが望ましい。
なお、本実施形態においては帯状織物からなる歯間清掃具1を例に説明するが、これに限定されず、第1清掃部11と第2清掃部12は、単糸又は複数の糸から構成してもよいし、組紐、テープ、フィルム等から構成してもよい。
以下、図3に基づいて、本実施形態の歯間清掃具1の製造方法を説明する。
本実施形態においては、第1清掃部11と第2清掃部12を含む歯間清掃具1を所定幅の帯状織物によって形成する。本製造方法においては、第1清掃部11を一重の織物組織で構成し、これに連なる第2清掃部12を二重の織物組織で構成することによって、帯状の第1清掃部11と、この第1清掃部11の端部から拡開して分岐する帯状の第2清掃部12を形成することができる。
まず、帯状織物の製織に用いる経糸及び緯糸を準備する。本実施形態においては、生体適合性が優れている絹を帯状織物の製織に用いる。もちろん、経糸及び緯糸の種類は特に限定されず、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ビニロン等の化学繊維、綿、麻、獣毛等の天然繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、アセテート、プロミックス等の半合成繊維のいずれの繊維をも用いることができる。また、本実施形態においては、微細加工性向上の観点から撚糸を用いるが、帯状織物の製織に用いる経糸及び緯糸は単糸又は複数の糸の何れの糸をも用いることができる。また、特に限定されないが、本実施形態の帯状織物の製織には二丁杼タイプの細幅織機又はニードル織機を用いる。
続いて、帯状織物の幅に応じて経糸を織機にセットする。帯状織物の幅は特に限定されないが、人間の平均的な歯の高さに応じて、2mm〜5mm程度に設定できる。また、帯状織物の厚さは特に限定されないが、歯間の幅を考慮して、0.05mm以上、0.25mm以下とすることができる。
経糸がセットされたら、図3に示す織物組織(意匠図)に従って製織を開始する。具体的に説明すると、最初に、セットされた経糸に緯糸を交錯させて、斜子織(ななこ織)などの一重の帯状織物を形成する。この部分が図3に示す接合部15bとなる。この接合部15bは、後の工程において形成される保持部13bが互いに接合される部分である。特に限定されないが、本例では、接合部15b(切断部14)を約10mmの長さとする。なお、この接合部15bは図2に示す切断部14として機能する。
次に、経糸を織機の開口機構により2つの群に分割し、分割された各経糸群の経糸に緯糸を交錯させることにより、一対の帯状織物を形成する。この部分が、図3に示す一対の第2清掃部12b1及び12b2とこれに連なる保持部13bとなる。特に限定されないが、本例では、保持部13b(第2清掃部12b1,12b2を含む)を人指し指F2が挿入できるように約23mmの長さとする。なお、この長さは、人体計測データによる30代女性の人指し指の幅と厚みの平均値に基づくものである。
続いて、経糸を統合し、統合された経糸に緯糸を交錯させて、斜子織(ななこ織)等の一重の帯状織物を形成する。この部分が、図3に示す第1清掃部11となる。第1清掃部11が形成されることにより、先述した保持部13bは、第1清掃部11側の端部と接合部15b側の端部の両端が閉じられるので環状となる。
再度、経糸を2つの群に分割し、分割されたそれぞれの経糸群の経糸にそれぞれ緯糸を交錯させて、二重の帯状織物を形成する。この部分が、図3に示す一対の第2清掃部12a1,12a2とこれに連なる保持部13aとなる。本例では、保持部13a(第2清掃部12a1,12a2を含む)を人指し指F2よりも太い親指F1が挿入できるように約27mmの長さとする。なお、この長さは、人体計測データによる30代女性の親指の幅と厚みの平均値に基づくものである。
最後に、経糸を統合し、統合された経糸に緯糸を交錯させて、斜子織(ななこ織)等の一重の帯状織物を形成する。この部分が、図3に示す接合部15aとなる。この接合部15aは、接合部15bと同様に図2に示す切断部14として機能する。また、接合部15a(切断部14)の長さは、接合部15bと同様に、約10mmとする。この接合部15aが形成されることにより、先述した親指F1用の保持部13aは、第1清掃部11側の端部と接合部15a側の端部の両端が閉じられて環状となる。なお、図3に示す織物組織は一例に過ぎず、本実施形態に係る帯状織物の織物組織はこれに限定されるものではない。
なお、歯間清掃具1の製造方法は上述の方法に限定されず、図3の織物組織に従って製織した織物を2〜5mmの幅にカットして上記構造の本実施形態に係る歯間清掃具1を得てもよい。また、第1清掃部11となる帯状織物又は糸の端部と、第2清掃部12となる帯状織物又は糸の端部とを、融着又は接着させて上記構造の本実施形態に係る歯間清掃具1を得てもよい。さらに、部分融着糸を用いて、第1清掃部11となる糸の端部と、第2清掃部12となる糸の端部とが融着された上記構造の本実施形態に係る歯間清掃具1を得てもよい。
次に、本実施形態の歯間清掃具1の作用を説明する。
図4は、本実施形態の歯間清掃具1の第1清掃部11を歯間に挿入する際の状態を示す図であり、図5は、歯間に挿入された第1清掃部11と第2清掃部12の清掃作用を説明するための図である。
図4及び図5に示す符号a〜eは、歯の表面領域を指示する符号である。具体的に、符号aは歯の頬側の面を指示し、a´は歯の舌側の面を指示し、bは歯と歯茎の間の隙間を指示し、cは歯と歯の歯間(隣接面)を指示し、dは歯間と歯茎の間を指示し、eは歯と歯の歯間(隣接面)cから歯の頬側の面aにかけて存在する曲面領域を指示し、e´は歯と歯の歯間(隣接面)cから歯の舌側の面a´にかけて存在する曲面領域を指示する。
図4に示すように、使用時においては、歯間清掃具1は頬側と舌側を往復する前後方向(図中において矢印X及びX´で示す)又は歯茎と歯の噛み合わせ面を往復する上下方向(図中において矢印Y及びY´で示す)に沿って動かされる。歯間清掃具1が矢印X及びX´又はY及びY´に沿って動くと、第1清掃部11が歯面cの間を前後又は上下に往復する。この第1清掃部11の往復移動に伴い、第2清掃部12も前後又は上下に往復する。
歯間清掃具1を上下(矢印Y及びY´方向:詳細は図4を参照)に動かす場合は、図5Aに示すように、第2清掃部12が第1清掃部11の端から拡開可能に分岐しているので、第1清掃部11の上下移動に伴って第2清掃部12b1及び12b2も歯の曲面eの曲面に接触しながら上下に移動する。
この上下の往復運動により、第1清掃部11が歯間(隣接面)cに付着した歯垢や挟まれた食べ物の滓等を掻きだすとともに、第2清掃部12が歯の曲面e,e´の表面に付着した歯垢等を擦り取って除去する。なお、図5Aに示すように、第2清掃部12b1及び12b2を歯の曲面e,e´に接触させた状態で歯間清掃具1を上下に動かすと、歯の曲面e,e´の表面を効率的に清掃することができる。
他方、歯間清掃具1を前後(矢印X及びX´方向:詳細は図4を参照)に動かす場合は、図5Bに示すように、第2清掃部12が第1清掃部11の端から拡開可能に分岐しているので、第1清掃部11の他方端11b(分岐点)が、その前後移動に伴って歯間cに進入又は退出する時に、第2清掃部12b1及び12b2も歯の曲面eの曲面に接触しながら前後に往復する。
この前後の往復運動により、第1清掃部11が歯間(隣接面)cに付着した歯垢や挟まれた食べ物の滓等を掻きだすとともに、第2清掃部12が歯の曲面e,e´の表面に付着した歯垢等を擦り取って除去する。なお、図5Bに示すように、第1清掃部11の他方端11b(分岐点)を歯間に進入又は退出させながら歯間清掃具1を前後に動かすと、歯の曲面e,e´の表面を効率的に清掃することができる。
なお、他端側に設けられた第2清掃部12a1及び12a2も、第2清掃部12b1及び12b2と同様の作用を奏し、歯の曲面e´に接触しながら上下又は前後に往復する。
また、第2清掃部12は第1清掃部11と所定の接合角をもって連なるため、第1清掃部11を歯間に挿入させて前後又は上下に動かすだけで、第2清掃部12によって歯の曲面に付着している歯垢を擦り取ることができる。このため、糸状の歯間清掃具を使うときのように糸を曲げて歯に密着させる必要がない。ちなみに、歯間清掃時において、直線状に張設された糸を曲げて歯の曲面に接触させるためには口を大きく開ける必要があるが、このような使い方をすると糸の反動により歯や歯茎に大きな力がかかってしまうという問題がある。これに対し、本実施形態の歯間清掃具1は、歯間清掃具1を歯間に沿って動かすだけで、掃除がしにくい歯の曲面に付着している歯垢を効率的に除去できる。
加えて、第1清掃部11及び第2清掃部12を帯状にすることにより、第1清掃部11及び第2清掃部12と歯の表面の接触面積が増加するため、容易に歯垢や食べ物の滓などの汚れ等を効率的に除去できる。
このように、本実施形態の歯間清掃具1によれば、一つの道具を用いた一つの動作によって、歯間c及び歯の曲面e,e´を同時に清掃することができる。
ところで、口腔内を清浄に保つためには日常的なセルフケアが重要である。口腔内の汚れとなる歯垢等は細菌の塊である。これらが少量でも口腔内に潜んでいると、時間の経過とともに増殖し、虫歯、歯周病、口臭の原因となる。このため、日常のセルフケアにおいては、先述した歯の表面の領域a〜eのすべてが十分に清掃されることが望ましい。日常のセルフケアにおいては、通常歯ブラシやヘッドの小さい歯間ブラシや糸状のデンタルフロス等が利用されている。歯ブラシは歯の表面a,a´に付着している歯垢等を効率的に除去することができ、歯間ブラシは歯と歯茎の間b及び歯間と歯茎の間dの歯垢等を効率的に除去することができ、一般のデンタルフロスは、歯と歯の歯間(隣接面)cの歯垢等を効率的に除去することができる。
しかし、これら歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスによって、歯と歯の歯間(隣接面)cから歯の頬側の面a又は歯の舌側の面a´にかけて存在する曲面領域の歯垢等を除去することは容易ではない。なぜなら、歯ブラシや歯間ブラシは先端が細くなっているため曲面領域に接する面積が小さく、曲面に付着した歯垢等を完全に除去することができないからである。また、直線状のデンタルフロスは歯と歯の歯間(隣接面)cに沿って直線的に移動するだけなので、歯間に連なる曲面eに接しにくく、曲面に付着した歯垢を擦り取ることが難しい。
これに対し、本実施形態の歯間清掃具1は、歯間に挿入された第1清掃部11の端部から拡開する第2清掃部12が歯の曲面に沿うため、第1清掃部11が歯間cに接触しながら往復移動するのと同時に第2清掃部12が歯の曲面e,e´に接触しながら往復移動するので、一つの道具を用いた一つの動作によって、歯間cと歯の曲面e,e´とを同時に清掃できる。その結果、口腔内の歯垢を効率的に除去できる。
以下、本実施形態の歯間清掃具1の摩擦特性及び歯間抵抗特性の評価結果を説明する。
<実施例1>
実施例1では、本実施形態の歯間清掃具の摩擦特性を評価した。摩擦特性は、清掃効率と操作性に影響を与える特性であり、所定条件の下で計測された摩擦力の大きさにより評価される。摩擦力が低すぎると歯垢等の汚れが除去しにくく、他方摩擦力が高すぎると歯間清掃具が滑らかに動かないので操作性が悪くなる傾向がある。
まず、実施例1の歯間清掃具を準備した。2本針のニードル織機を用いて、経糸及び緯糸ともに絹糸(2.3tex X 2、下撚りZ1100/m、上撚りS900/mの諸撚糸)を、経106.7本/cm,緯76.0本/cmの糸密度で図3に示す織物組織に従い製織し、実施例1の幅3mmの歯間清掃具を得た。なお、実施例1では、2本の緯糸で図3に示す織物組織の1本の緯糸を表現した。
他方、既に市販されている歯間清掃具を比較例1〜3として準備した。比較例1はポリエステル製の歯間清掃具であり、比較例2はナイロン製の歯間清掃具であり、比較例3はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製の歯間清掃具である。
続いて、以下の方法で実施例1及び比較例1〜3の摩擦特性を評価した。
所定形状の2本の人工歯を対向させ、所定の圧力を与えて各人口歯を互いに押しつけた。この人工歯の間に歯間清掃具の一方端を挟み、その歯間清掃具の一方端を所定速度で引っ張った。このときの人工歯間を通過する歯間清掃具にかかる摩擦力(N)を計測した。なお、この人口歯は、10mm X 10mm X 10mmの歯科用セラミックス製の略立方体(歯冠の部分に相当)に、歯科用合金製のスクリュー(歯根の部分に相当)を嵌めることにより形成されていた。
実施例1及び比較例1〜3の歯間清掃具の移動距離に対する摩擦力(N)を図6に示した。
図6に示すように、実施例1の摩擦特性は、市販品である比較例1〜3の示す摩擦特性の範囲内にあり、一般消費者に受け入れられる適度な摩擦特性を有していることが判った。
<実施例2>
実施例2において、本実施形態の歯間清掃具の歯間抵抗特性を評価した。歯間抵抗特性は、歯に対する負荷の大きさと操作性に影響を与える特性であり、所定条件の下で計測された抵抗力の大きさの変化速度(単位挿入量に対する抵抗力の変化量)により評価した。ちなみに、この抵抗力は、歯間清掃具を歯間に挿入するときに歯側から受ける力に対応する。
抵抗力の変化速度が小さいと、歯間清掃具を歯間に挿入する時に受ける抵抗力の変化が緩やかであるため、使用者が操作しやすいと感じる傾向がある。他方、抵抗力の変化速度が大きいと、歯間清掃具を歯間に挿入する時に受ける抵抗力の変化が急激であるため、使用者が操作しにくいと感じる傾向がある。また、抵抗力の変化速度が大きいと、不意に歯、歯茎、唇等に大きな力がかかることがある。
歯間抵抗特性を評価するため、上述した実施例1と同じ歯間清掃具を実施例2として準備した。また、既に市販されている歯間清掃具を比較例4及び5として準備した。比較例4はナイロン製の歯間清掃具であり、比較例5はポリエステル製の歯間清掃具である。
続いて、以下の方法で実施例及び比較例4〜5の歯間抵抗特性を測定した。
所定形状の2本の人工歯を対向させ、所定の圧力を与えて各人工歯を互いに押しつけた。上方にセットした歯間清掃具を所定速度で人工歯に徐々に接近させ、人工歯の間(歯間)に歯間清掃具の清掃部を挿入した。このときの歯間清掃具の挿入距離と歯間清掃具にかかる圧力(N)を計測した。なお、人工歯は実施例1の摩擦特性の評価において使用したものを用いた。
実施例2及び比較例4〜5の歯間清掃具の挿入距離に対する抵抗力の変化を図7に示した。図7において、抵抗力(N)が上昇を開始するタイミングが、人工歯に歯間清掃具が接したタイミングである。
図7に示すように、実施例2の歯間抵抗特性は、市販品である比較例4〜5の示す歯間抵抗特性と比べ、歯間抵抗力の上昇が緩やかで、一般消費者に受け入れられる適度な歯間抵抗特性を有していることが判った。
<第2実施形態>
図8は、第2実施形態に係る歯間清掃具1の斜視図である。本実施形態の歯間清掃具1は、上述した第1実施形態の歯間清掃具1と同様の作用及び効果を奏する。
図8に示すように、本実施形態の歯間清掃具1は、第2清掃部12の端部を支持するホルダ21をさらに備えている。使用者は、口の中に指を入れなくても、ホルダ21を手で持って歯間を清掃できる。
なお、ホルダ21は係止部21a〜21dを備え、予め清掃部とは一体化せずに、使用時に歯間清掃具1の第2清掃部12の端部を係止部21a〜21dに係止させるようにしてもよい。これにより、ホルダ21を繰り返し利用することができ、資源を再利用できる。なお、ホルダの素材は特に限定されず、樹脂類、木材類等のいずれの材料をも用いることができる。
<第3実施形態>
図9は、第3実施形態に係る歯間清掃具1の斜視図である。本実施形態の歯間清掃具1は、上述した第1実施形態の歯間清掃具1と同様の作用及び効果を奏する。
図9に示すように、本実施形態では、複数の歯間清掃具1が連なる歯間清掃具群10(図1参照)を収納するホルダ22をさらに備えている。ホルダ22は、切断代14を介して連続する複数の第1清掃部11及び第2清掃部12が巻回される巻き取り芯22aと、切断代14を切断するための刃22bを備えている。使用者は、使用時に第1清掃部11、第2清掃部12、及び保持部13を含む1つのユニットをホルダ22の巻き取り芯22aから引き出し、切断代14を刃22bで切断することにより、使用する一つの歯間清掃具1を得ることができる。本実施形態では、歯間清掃具群10をホルダ22に巻き取って収納できるので、帯状の歯間清掃具群10が絡まず、操作性に優れている。
本実施形態において、切断部14で切断された歯間清掃具1は環状の保持部13を備えている。使用者は、第1清掃部11の両端に形成された一対の保持部13に親指と人指し指を挿入して歯間清掃具1を支持できる。このため、別途、第2実施形態のようなホルダを使わなくても歯間を清掃できるので、資源の節約に貢献できる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
1,10…歯間清掃具
11…第1清掃部
12a1,12a2,12b1,12b2…第2清掃部
13a,13b…保持部
14…切断部
15a,15b…接合部
21…ホルダ1
22…ホルダ2

Claims (9)

  1. 歯の表面に付着した汚れを除去する歯間清掃具であって、
    歯間に挿入される第1清掃部と、
    前記第1清掃部の少なくとも一方端から拡開可能な一対の第2清掃部と、を有することを特徴とする歯間清掃具。
  2. 前記第1清掃部の他方端に連なる拡開可能な一対の第2清掃部を、さらに有することを特徴とする請求項1に記載の歯間清掃具。
  3. 前記一対の第2清掃部の拡開された端部が接合され、指又はホルダの端部を挿入できる環状の保持部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の歯間清掃具。
  4. 前記保持部に連なる切断部をさらに備え、
    前記切断部を介して連続する複数の前記第1清掃部及び前記第2清掃部を有する請求項1〜3の何れか一項に記載の歯間清掃具。
  5. 前記第1清掃部と前記第2清掃部は、帯状織物であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の歯間清掃具。
  6. 前記第1清掃部と前記第2清掃部は、絹製であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の歯間清掃具。
  7. 前記第2清掃部の端部を支持するホルダをさらに備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の歯間清掃具。
  8. 前記切断部を介して連続する複数の前記第1清掃部及び前記第2清掃部が巻回されるホルダをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の歯間清掃具。
  9. 経糸に緯糸を交錯させて第1の接合部を形成し、
    前記経糸を2つの群に分割し、前記分割されたそれぞれの経糸に緯糸を交錯させて一対の第2清掃部を形成し、
    前記経糸を統合し、統合された経糸に緯糸を交錯させて第1清掃部を形成し、
    再度、前記経糸を2つの群に分割し、前記分割されたそれぞれの経糸にそれぞれ緯糸を交錯させて一対の第2清掃部を形成し、
    前記経糸を統合し、統合された経糸に緯糸を交錯させて第2の接合部を形成する、歯間清掃具の製造方法。
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