JP2011124538A - 絶縁層付金属基板、それを用いた半導体装置および太陽電池の製造方法、並びに太陽電池 - Google Patents

絶縁層付金属基板、それを用いた半導体装置および太陽電池の製造方法、並びに太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】陽極酸化膜を有する絶縁層付金属基板において、化合物半導体からなる光電変換層の製造温度である550℃以上の高温を経験しても、良好な絶縁特性と強度を維持することを可能とする。
【解決手段】絶縁層付金属基板10を、Alよりも、熱膨張係数が小さく、かつ剛性が高く、かつ耐熱性が高い鋼基材11の少なくとも一方の面に、Ti材12を介してAl材13が一体化されたものを金属基板15とし、そのAl材13の表面にポーラス構造を有するAlの陽極酸化膜14が形成されてなる構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、Alの陽極酸化膜を絶縁層とした絶縁層付金属基板、それを用いた半導体装置の製造方法、太陽電池の製造方法および太陽電池に関するものである。
従来、太陽電池においては、バルクの単結晶Siまたは多結晶Si、あるいは薄膜のアモルファスSiを用いたSi系太陽電池が主流であったが、近年Siに依存しない化合物半導体系太陽電池の研究開発がなされている。化合物半導体系太陽電池としては、GaAs系等のバルク系と、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなるCIS(Cu−In−Se)系あるいはCIGS(Cu−In−Ga−Se)系等の薄膜系とが知られている。CIS系あるいはCIGS系は、光吸収率が高く、高い光電変換効率が報告されている。なお、アモルファスSiの成膜温度は200〜300℃程度であるが、高い光電変換効率を示す良好な化合物半導体層を形成するためには、成膜温度500℃以上とする必要がある。
現在、太陽電池用基板としてはガラス基板が主に使用されているが、可撓性を有する金属基板を用いることが検討されている。金属基板を用いた太陽電池は、基板の軽量性および可撓性(フレキシビリティー)という特徴から、ガラス基板を用いたものに比較して、広い用途へ適用できる可能性がある。さらに、金属基板は高温プロセスにも耐えうるという点で、光電変換特性が向上し太陽電池のさらなる光電変換効率の向上が期待できる。一方で、金属基板を用いる場合、基板とその上に形成される電極および光電変換半導体層との短絡が生じないよう、金属基板の表面に絶縁層を設ける必要がある。
特許文献1には、太陽電池用基板としてステンレスを用い、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の気相法やゾルゲル法等の液相法によりSiやAlの酸化物を被覆し絶縁層を形成することが提案されている。しかしながら、これらの絶縁層形成手法は、製法的にピンホールやクラックを発生し易く、大面積の薄膜絶縁層を安定に作製する手法としては、本質的な課題を抱えている。
特許文献2には、太陽電池用基板として、Al(アルミニウム)基板の表面を陽極酸化することで陽極酸化膜を形成することにより、Al基板上に絶縁層として陽極酸化膜が設けられてなる絶縁層付金属基板を用いることが提案されている。かかる方法では、大面積基板とする場合も、その表面全体にピンホールがなくかつ密着性の高い絶縁層を簡易に形成することができる。
しかしながら、非特許文献1から明らかなように、Al基板上の陽極酸化膜は、120℃以上に加熱するとクラックが発生することが知られており、一度クラックが発生すると絶縁性、特にリーク電流が増大してしまうという問題を抱えている。
また、Alは200℃程度で軟化する為、この温度以上を経験したAlは極めて強度が弱く、クリープ変形や座屈変形といった永久変形(塑性変形)を生じやすい。したがって、このようなAl材を用いる場合には、半導体装置の構造やその製造時のハンドリングに厳しい制限が必要である。これは屋外用太陽電池などへの半導体装置の適用を困難なものにしている。
一方、特許文献3には、従来のアモルファスSi層を備えた光起電力装置の基板として、合金鋼板上にAl層を設け、この層の表面に陽極酸化法によって絶縁層を形成してなる絶縁層付金属基板を用いることが開示されている。特許文献3には、合金鋼板を基材として備えることにより、アモルファスSi堆積時などの工程中で200〜300°に加熱されてAl層が軟化しても合金鋼板は軟化せず、弾性力などの機械的強度を維持することができる旨が記載されている。
また、特許文献4には、耐熱性絶縁基板として、鋼基材上に中間層としてAl材を設け、Alを陽極酸化した陽極酸化被膜を絶縁層とする技術が提案されている。
特許文献3および4に記載のように、Al材を鋼基材上に備えることにより、ある程度の耐熱性を具備した絶縁基板が得られる可能性はある。
特開2001−339081号公報 特開2000−49372号公報 特開昭62−89369号公報 特開2009−132996号公報
茅島正資、莚 正勝、東京都立産業技術研究所、研究報告、第3号2000年12月、p21
既述の特許文献3においては、光電変換層(光吸収層)としてアモルファスSiを備えた装置を作製するにあたって、200〜300℃の温度に加熱された場合にも耐えられる構造として、合金鋼材上にAl材を備えた基板を用いるとされている。また、特許文献4では、200℃以上の高温に耐えられる耐熱性基板と記載されているに過ぎない。しかしながら、基板上に、化合物半導体を含む半導体回路を形成する場合、特性の良好は半導体層を成膜するには、成膜温度として、一般的には500℃以上が適する。200〜300℃程度に耐えられた基板であったとしても、それが500℃以上の高温に耐えうるとは限らない。
そこで、本発明者は、500℃以上の高温に耐えうる基板構成について、種々検討を行った。Al材上の陽極酸化膜にクラックが生じる原因は、Alの線熱膨張係数(23×10−6/℃)が陽極酸化膜の線熱膨張係数よりも大きいことにあると考えられる。すなわち、陽極酸化膜の線熱膨張係数の正確な数値は不明であるが、その値は酸化アルミニウム(αアルミナ)に近く7×10−6/℃程度と推定されることを考慮すると、約16×10−6/℃という大きな線熱膨張係数差に起因する応力に陽極酸化膜が耐えきれないため、上記のようにクラックが生じると考えられる。
そこで、Al/鋼基材からなる金属基板上にAlの陽極酸化膜を絶縁層として備えた絶縁層付基板について、金属基材の条件、陽極酸化膜の条件等を精査し、500℃の高温に耐えられる絶縁層付基板構成を得、さらに基材と基板上に形成される半導体層との熱膨張係数の差等についても検討を行い、500℃以上の高温に耐えられる基板を備えた太陽電池について提案した(特願2009−083151号;本出願時において未公開)。
しかしながら、本発明者の更なる研究により、陽極酸化膜/Al材/鋼基材からなる基板は、500℃の加熱であれば、絶縁性に特に問題はなかったが、550℃に加熱した場合、絶縁破壊を生じることが明らかになってきた。
これは、Al/鋼界面に脆弱な金属間化合物が生成され、Al/鋼の界面強度が低下し剥離してしまうことに原因があると考えられる(川勝他、日本金属学会誌 40(1976 p.96参照)。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、陽極酸化膜を有する絶縁層付金属基板において、550℃以上の高温を経験しても、良好な絶縁特性と強度を維持することを可能とする絶縁層付金属基板を提供することを目的とする。
また、上記絶縁層付金属基板を用いた半導体装置および太陽電池の製造方法、ならびに良好な光電変換特性を有する太陽電池を提供することを目的とするものである。
本発明は、半導体装置が形成される絶縁層付金属基板であって、
Alよりも、線熱膨張係数が小さく、かつ剛性が高く、かつ耐熱性が高い鋼基材の少なくとも一方の面に、Ti材を介してAl材が一体化されたものを金属基板とし、該金属基板の前記Al材の表面にポーラス構造を有する陽極酸化膜が電気絶縁層として形成されてなるものであることを特徴とするものである。
前記金属基板は、基材の一方の面のみにAl材が一体化されてなる2層構造であってもよいし、基材の両面にそれぞれAl材一体化されてなる3層構造であっても良い。また、3層構造である場合には、一方のAl材表面にのみ陽極酸化膜が形成されていてもよいし、両方のAl材表面に陽極酸化膜が形成されていてもよい。
ここで、「Al材」とは、Alを主成分とする金属材を意味し、具体的には、Al含量90質量%以上の金属材を意味するものとする。Al材は、純Al、純Al中に不可避不純物元素が微量固溶しているものでもよいし、Alと他の金属元素との合金材でもよい。
「線熱膨張係数」とは、バルク体の線膨張係数を意味するものとする。
「剛性」とは、外力に対する寸法変形の起きにくさを意味し、その比較は降伏応力若しくは0.2%耐力値を用いて行うものとする。また「耐熱性」とは、室温に比較して300℃以上の温度における剛性低下程度を指標とするものであり、剛性低下程度が小さいほど耐熱性が高いことを意味する。
「鋼基材」とは、鋼からなる金属材を意味するものとする。ここで、「鋼」とは、鉄含量50質量%以上の金属を意味するものとする。すなわち、鋼は、鉄および鉄に炭素を含有させたいわゆる炭素鋼、あるいは線熱膨張係数と剛性の観点で用途に合った特性を得るために鉄にクロム、ニッケル、モリブデンなどの合金元素を加えた合金鋼を含むものとする。
「Ti材」とは、Tiを主原料とする金属材を意味するものとする。ここでは、純Tiのみならず、Ti−6Al−4V、Ti−15V−3Cr−3Al−3Snなどの合金であってもよい。
また、本発明の絶縁層付金属基板において、金属基板は、前記鋼基材、前記Ti材および前記Al材が加圧接合により一体化されたものであることが好ましい。
本発明の半導体装置の製造方法は、本発明の絶縁層付金属基板上に、500℃以上の成膜温度で化合物半導体層を成膜する工程を含むことを特徴とする。
本発明の太陽電池の製造方法は、本発明の絶縁層付金属基板上に、下部電極を成膜し、
該下部電極上に500℃以上の成膜温度で化合物半導体からなる光電変換層を成膜し、
該光電変換層上に上部電極を成膜して、
前記絶縁層付金属基板上に、前記下部電極、前記光電変換層および前記上部電極を含む光電変換回路を形成することを特徴とする。
本発明の太陽電池の製造方法においては、前記絶縁層付金属基板および前記化合物半導体として、前記鋼基材と該化合物半導体との線熱膨張係数の差が7×10−6/℃未満のものを選択して用いることが望ましい。
また、前記光電変換層の主成分を、少なくとも1種のカルコパイライト構造の化合物半導体とすることが望ましい。
この場合、前記絶縁層付金属基板として、前記鋼基材が、炭素鋼およびフェライト系ステンレスのいずれかからなるものを用い、
前記下部電極を、Moからなるものとし、
前記光電変換層の主成分を、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体とすることが望ましい。
特に、前記Ib族元素を、CuおよびAgからなる群より選択された少なくとも1種とし、前記IIIb族元素を、Al,GaおよびInからなる群より選択された少なくとも1種とし、
前記VIb族元素を、S,Se,およびTeからなる群から選択された少なくとも1種とすることが望ましい。
なお、本発明の太陽電池の製造方法においては、前記絶縁層付金属基板として、前記鋼基材が、炭素鋼およびフェライト系ステンレスのいずれかからなるものを用い、
前記光電変換層の主成分を、CdTe化合物半導体としてもよい。
ここで、「光電変換層の主成分」とは、含量75質量%以上の成分を意味するものとする。
本明細書における元素の族の記載は、短周期型周期表に基づくものである。本明細書において、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる化合物半導体は、「I−III−VI族半導体」と略記している箇所がある。I−III−VI族半導体の構成元素であるIb族元素、IIIb族元素、およびVIb族元素はそれぞれ1種でも2種以上でもよい。
本発明の太陽電池は、化合物半導体からなる光電変換層を備えた太陽電池であって、
Alよりも、熱膨張係数が小さく、かつ剛性が高く、かつ耐熱性が高い鋼基材の少なくとも一方の面に、該一方の面側からTi材とAl材との固溶層、Ti材とAl材とからなる金属間化合物層、およびAl材層を順に備えてなる金属基板の該Al材の表面に、Alの陽極酸化膜が電気絶縁層として形成されてなる絶縁層付金属基板上に、前記光電変換層を含む光電変換回路を備えてなることを特徴とするものである。
本発明の太陽電池は、本発明の絶縁層付金属基板を用いた、本発明の太陽電池の製造方法により製造されるものである。
本発明の太陽電池においては、前記絶縁層付基板が、前記鋼基材と前記固溶層との間にTi材層を備えてなるものであってもよい。
さらに、前記光電変換回路が、前記光電変換層が、複数の開溝部によって複数の素子に分割され、かつ該複数の素子が電気的に直列接続するように構成されたものであることが望ましい。
本発明の絶縁層付金属基板は、Alよりも、線熱膨張係数が小さく、かつ剛性が高く、かつ耐熱性が高い鋼基材の少なくとも一方の面に、Ti材を介してAl材が一体化されたものを金属基板とし、この金属基板のAl材の表面に陽極酸化膜が形成されてなるものであるから、この基板上に化合物半導体層を成膜する際に、高温(500℃以上)の熱履歴を受けても、陽極酸化膜のクラックの発生を抑制することができ、高い絶縁性が維持できる。陽極酸化膜のクラックの発生は、Al材の熱膨張が鋼基材により拘束される為に、金属基板全体の熱膨張が鋼基材の熱膨張特性に支配されることに加え、弾性率(ヤング率)の小さいAl材が鋼基材と陽極酸化膜との間に介在することにより、鋼基材と陽極酸化膜の熱膨張差による陽極酸化膜の応力を緩和しているために抑制できると考えられる。
また、本発明の絶縁層付金属基板は、Alよりも耐熱性が高い鋼を基材として備えているので、500℃以上の高温を経験した後にも、高い強度を維持することができる。
さらに、Al材−鋼基材の間にTi材を備えているので、Alと反応性が高いFe、Crなどとの反応を抑制して550℃の高温下においても、金属間化合物の生成を抑制することができ、結果として応力緩和層としてのAl材層を維持できるため、550℃以上の高温を経験した後も高い絶縁性および強度を維持することができる。
本発明の半導体装置の製造方法および太陽電池の製造方法によれば、550℃以上の高温を経験しても高い絶縁性、および高い強度を維持した絶縁層付金属基板を用いているので、製造時のハンドリング性を向上させることができる。また、この基板上に500℃以上の成膜温度で化合物半導体からなる光電変換層を成膜するので、光吸収が高く、高い光電変換効率を示す良好な光電変換層を備えた太陽電池を製造することができる。
実施形態に係る絶縁層付金属基板の模式断面図 絶縁層付金属基板の設計変更例の模式断面図 熱履歴を受けた後の絶縁層付金属基板の模式断面図(その1) 熱履歴を受けた後の絶縁層付金属基板の模式断面図(その2) 実施形態に係る太陽電池の模式断面図 I−III−VI化合物半導体の格子定数とバンドギャップとの関係を示す図 実施例1の絶縁層付金属基板の加熱後の断面の電子顕微鏡写真
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明するが、本発明はこれに限られるものではない。なお、視認しやすくするため、図面中の各構成要素の縮尺等は実際のものとは適宜異ならせてある。
「絶縁層付金属基板」
図面を参照して、本発明に係る実施形態の絶縁層付金属基板の構造について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る絶縁層付金属基板の模式断面図である。
図1に示す絶縁層付金属基板10は、鋼基材11の一方の面にTi材12を介してAl材13が一体化されたものを金属基板15とし、この金属基板15のAl材13の表面を陽極酸化することによりポーラス構造を有するAlの陽極酸化膜14が電気絶縁層として形成されてなるものである。したがって、本実施形態の絶縁層付金属基板10は、陽極酸化膜14/Al材13/Ti材12/鋼基材11の4層構造を有する。
(金属基板)
金属基板15は、Alよりも線熱膨張係数が小さく、かつ剛性が高く、かつ耐熱性が高い鋼基材11の一方の面にTi材12を介してAl材13が一体化されてなるものである。
鋼基材11の材質は、Alよりも線熱膨張係数が小さく、かつ剛性が高く、かつ耐熱性が高ければ特に制限はなく、絶縁層付金属基板10およびその上に設けられる化合物半導体層等の構成と材料特性から応力計算結果により適宜選択することができる。好ましい鋼基材としては、例えばオーステナイト系ステンレス鋼(線熱膨張係数:17×10−6/℃)、炭素鋼(10.8×10−6/℃)、およびフェライト系ステンレス鋼(10.5×10−6/℃)、42インバー合金やコバール合金(5×10−6/℃)、36インバー合金(<1×10−6/℃)等が挙げられる。
なお、絶縁層付金属基板上に形成される光電変換層についての詳細は後記するが、光電変換層として用いられる主たる化合物半導体の線熱膨張係数は、III−V族系の代表であるGaAsで5.8×10−6/℃、II−VI族系の代表であるCdTeで4.5×10−6/℃、I-III-VI族系の代表であるCu(InGa)Seで10×10−6/℃である。
基板上に化合物半導体を500℃以上の高温で成膜した後に室温にまで冷却する際、基材との熱膨張差が大きいと剥離等の成膜不良が生じる。また基材との熱膨張差に起因する化合物半導体内の強い内部応力により、光電変換効率が低下する可能性がある。従って、基材と化合物半導体の線熱膨張係数差は、7×10−6/℃未満、好ましくは3×10−6/℃未満がよく、この条件を満たすように鋼基材、化合物半導体の材料を組合せることが望まれる。ここで、線熱膨張係数および線熱膨張係数差は、室温(23℃)の値である。
鋼基材11の厚さは、半導体装置の製造プロセス時と稼動時のハンドリング性(強度と可撓性)により、任意に設定可能であるが、10μm〜1mmであることが好ましい。
金属基板15の剛性は、塑性変形をしない弾性限界応力が重要であるため、降伏応力若しくは0.2%耐力値によって定義する。鋼基材の0.2%耐力値とその温度依存性は、「鉄鋼材料便覧」,日本金属学会,日本鉄鋼協会編,丸善株式会社、あるいは「ステンレス鋼便覧(第3版)」,ステンレス協会編,日刊工業新聞社に記載されている。鋼の機械加工度と調質にもよるが、鋼基材11の0.2%耐力値は室温で250〜900MPaであることが好ましい。
基板上への化合物半導体層成膜時は高温(500℃以上)になるが、鋼の耐力は、500℃において、一般に室温の耐力に対し70%程度は維持される。一方Alの室温における耐力は機械加工度と調質にもよるが300MPa以上であるものの、350℃以上では室温の耐力の1/10以下に低下する。従って高温時の絶縁層付金属基板10の弾性限界応力や熱膨張は鋼基材11の高温特性が支配的となる。応力計算に必要なAl材と鋼基材のヤング率とその温度依存性は、「金属材料の弾性係数」,日本機械学会に記載されている。
Al材13の主成分としては、純粋な高純度Alや日本工業規格(JIS)の1000系純Alでもよいし、Al−Mn系合金、Al−Mg系合金、Al−Mn−Mg系合金、Al−Zr系合金、Al−Si系合金、およびAl−Mg−Si系合金等のAlと他の金属元素との合金でもよい(「アルミニウムハンドブック第4版」(1990年、軽金属協会発行)を参照)。また、純粋な高純度Alに、Fe、Si、Mn、Cu、Mg、Cr、Zn、Bi、Ni、およびTi等の各種微量金属元素が固溶状態で含まれていてもよい。但し、Al材中にSiが析出していないものであることが、陽極酸化処理後の陽極酸化部分の絶縁性を担保する上で好ましい(特願2009−113673号;本出願時において未公開)。
Al材13の厚さは、半導体装置の全体の層構成と材料特性から応力計算結果により適宜選択できるが、絶縁層付金属基板10とした形態において0.1〜500μm程度が好ましい。鋼基材11と陽極酸化膜14との間にAl材13が介在することにより、温度変化によって熱膨張が生じた際の陽極酸化膜14の応力が緩和される。なお、絶縁層付金属基板10を製造する際に、Al材13は陽極酸化、および陽極酸化の事前洗浄や研磨により厚さが減少するため、それを見越した厚さとしておく必要がある。
Ti材12としては、純Tiであってもよいが、純Tiに限らず、展伸用合金であるTi−6Al−4V、Ti−15V−3Cr−3Al−3Sn等を用いてもよい。
Ti材12の厚さは、半導体装置製造プロセスにおける、化合物半導体層の成膜温度および成膜時間に応じ、適宜選択できる。Ti材の厚みは、半導体製造プロセス中に、Al、Tiからなる金属間化合物が生成されても、Al材と鋼材との間にTi層もしくはαTi層が消失してしまわない程度に設定しておくことが望ましい。Ti材が全てAlTiからなる金属間化合物になった場合、さらに反応性の高い鋼材とAlとの反応が開始する恐れがあり、急速にAlFe類似の金属間化合物層がAlTiと鋼材間に成長すると考えられるからである。ここで、αTi層とは、Ti材層にAlが固溶した固溶層である。Al、Tiの反応性は、500℃以上において高温になるほど高くなるため、成膜温度が高温になるほど、Ti材12の厚みを厚くしておく必要がある。また、成膜時間が長くなると反応が進むため、成膜時間が長くなるほど、Ti材12は厚く設定しておく必要がある。要するにTiの厚さは、基板が経験する熱履歴により設定すべきであるが、Ti層にピンホール等の欠陥があると、その部分では反応バリヤ層として機能しない恐れがあるので、ピンホールの生じない最低の厚さとして0.2μmの厚さは必要である。
鋼基材11、Ti材12およびAl材13の接合は、密着性が確保できる一体化結合ができていれば手法は任意である。例えば、鋼基材11へのTi,Alの蒸着、スパッタ等の気相法、非水電解液を使用した電気Tiメッキ後のアルミメッキ、表面清浄化後の加圧接合等で接合することができる。コストと量産性の観点からロール圧延等による加圧接合が好ましい。加圧接合を行う場合は、Ti材とAl材を先に加圧接合してTi/Alの2層クラッド材とした後に、Ti材側を鋼基材と接触させた状態で、鋼基材とTi/Alクラッド材とを加圧接合する方法、Ti材と鋼基材を先に加圧接合してTi/鋼基材の2層クラッド材とした後に、Ti材側をAlと接触させた状態で、AlとTi/鋼クラッド材とを加圧接合する方法、正常化した3素材を一括でロール圧延する方法により得ることができる。
陽極酸化は、金属基板15を陽極とし、陰極と共に電解液に浸漬させ、陽極陰極間に電圧を印加することで実施できる。このとき鋼基材11とTi材12が電解液に接触すると、Al材13との局部電池を形成する為、電解液に接触する鋼基材11およびTi材12はマスキング絶縁しておく必要がある。すなわち、Al材13/Ti材12/鋼基材11の3層構造をなす金属基板15の場合は、基板15の端部および鋼基材11の表面を絶縁する必要がある。
陽極酸化処理前には、必要に応じてAl材13の表面に洗浄処理・研磨平滑化処理等を施す。
陽極酸化時の陰極としてはカーボンやAl等が使用される。電解質としては、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、およびアミドスルホン酸等の酸を、1種または2種以上含む酸性電解液を用いる。陽極酸化条件は使用する電解質の種類にもより特に制限されない。条件としては例えば、電解質濃度1〜80質量%、液温5〜70℃、電流密度0.005〜0.60A/cm、電圧1〜200V、電解時間3〜500分の範囲にあれば適当である。電解質としては、硫酸、リン酸、シュウ酸、若しくはこれらの混合液が好ましい。かかる電解質を用いる場合、電解質濃度4〜30質量%、液温10〜30℃、電流密度0.002〜0.30A/cm、および電圧20〜100Vとすることが好ましい。
陽極酸化処理時には、Al材13の表面から略垂直方向に酸化反応が進行し、Al材表面に陽極酸化膜14が生成される。前述の酸性電解液を用いた場合、陽極酸化膜14は、多数の平面視略正六角形状の微細柱状体が隙間なく配列し、各微細柱状体の中心部には丸みを帯びた底面を有する微細孔が形成され、微細柱状体の底部にはバリヤ層(通常、厚み0.02〜0.1μm)が形成されたポーラス型となる。このようなポーラスな陽極酸化膜は、非ポーラスな酸化アルミニウム単体膜と比較して膜のヤング率が低いものとなり、曲げ耐性や高温時の熱膨張差により生じるクラック耐性が高いものとなる。なお、酸性電解液を用いず、ホウ酸等の中性電解液で電解処理すると、ポーラスな微細柱状体が配列した陽極酸化膜でなく緻密な陽極酸化膜(非ポーラスな酸化アルミニウム単体膜)となる。酸性電解液でポーラスな陽極酸化膜を生成後に、中性電解液で再電解処理するポアフィリング法によりバリヤ層の層厚を大きくした陽極酸化膜を形成してもよい。バリヤ層を厚くすることにより、より絶縁性の高い被膜とすることができる。
陽極酸化膜14の厚さは特に制限されず、絶縁性とハンドリング時の機械衝撃による損傷を防止する表面硬度を有していれば良いが、厚すぎると可撓性の点で問題を生じる場合がある。このことから、好ましい厚さは0.5〜50μmであり、その厚みは定電流電解や定電圧電解の電流、電圧の大きさ、および電解時間により制御可能である。
(絶縁層付金属基板の設計変更例)
図2は、絶縁層付金属基板の設計変更例を示す模式断面図である。上記においては金属基板15が、鋼基材11、Ti材12、Al材13との3層の構造を有するものについて説明した。しかしながら、金属基板はこのような構造に限るものではなく、腐食性や陽極酸化性の観点から、図2に示すように鋼基材11の両面にTi材12、12’およびAl材13、13’を有する5層構造であってもよい。つまり、図2に示す絶縁層付金属基板10’は、鋼基材11の両面にAl材13および13’がそれぞれTi材12、12’を介して一体化されたものを金属基板15’とし、両Al材13および13’の表面を陽極酸化することにより、ポーラス構造を有するAlの陽極酸化膜14、14’が両表面にそれぞれ電気絶縁層として形成されてなるものである。すなわち、絶縁層付金属基板10’は、陽極酸化膜14/Al材13/Ti材12/鋼基材11/Ti材12’/Al材13’/陽極酸化膜14’の7層構造を有する。
なお、Al材13とAl材13’とは同じ材質であっても良いし、異なる材質であっても良い。要するに光電変換回路を形成しない面は任意であり、表面硬度や耐食性の点や高温時の変形の点等の製造適性に見合った構成とすることができる。
両面にAl材を備えた金属基板について、一方のAl材表面にのみ陽極酸化処理を施し、一方のAl材の表面にのみ陽極酸化膜を備えた構成の絶縁層付金属基板としてもよい。両面にAl材を備えた金属基板15’を陽極酸化する際には、鋼基材11とAl材13、13’との局部電池の形成を防ぐため、両面を陽極酸化する場合には端部をマスキングして絶縁する必要があり、一方の面のみを陽極酸化する場合には端部に加えて他方の表面も絶縁する必要がある。
なお、絶縁層付金属基板は、化合物半導体層の成膜工程において高温になると熱歪により撓む(カーリング)ことがあるため、鋼材の両面にそれぞれAl材を備えている場合には、図2に示すように両面に陽極酸化膜14および14’を設けたものとすることが好ましい。
「太陽電池およびその製造方法」
次に、本発明の太陽電池およびその製造方法の実施形態を説明する。なお、太陽電池は、半導体装置の一形態であり、本実施形態は本発明の半導体装置の製造方法の実施形態を兼ねるものである。
本実施形態の太陽電池の製造方法は、上述した絶縁層付金属基板10を用い、この基板10上に、下部電極20を成膜し、下部電極20上に500℃以上の成膜温度で化合物半導体からなる光電変換層30を成膜し、光電変換層30上に上部電極50を成膜して、絶縁層付金属基板10上に、下部電極20、光電変換層30および上部電極50を含む光電変換回路を形成することを特徴とする。
絶縁層付金属基板10は、光電変換層30の成膜において500℃以上の熱履歴を受けると、Al材13とTi材12との界面において、Al材13とTi材12との反応が生じて、AlTi層(金属間化合物層)およびαTi層(固溶層)が生成される。αTi層は、Alが固溶したTi層である。図3Aおよび図3Bは、絶縁層付金属基板10が500℃以上の熱履歴を受けた後の状態を示す模式断面図である。図3Aに示すように、熱履歴後の絶縁層付金属基板10Aは、金属基板15AのAl材13と鋼基材11と間において、当初のTi材12が消失し、AlTi層16およびαTi層12αが生成されてなるものである。なお、熱履歴における温度および時間により、図3Bに示すように、熱履歴後の絶縁層付金属基板10Bは、金属基板15BのAl材13と鋼基材11と間において、当初のTi材12が薄く残り、Al材13とTi材12との間にAlTi層16およびαTi層12αを備えたものとなることもある。
(太陽電池の全体構成)
図4を参照して、本発明の実施形態に係る太陽電池の全体構成について説明する。ここで、本実施形態の太陽電池は、化合物半導体からなる光電変換層を備えた太陽電池であり、基板上の一辺方向に延びる短冊状の多数の光電変換素子(セル)を電気的に直列接続することで高電圧出力とした太陽電池である。図4は太陽電池の光電変換素子の並び方向に沿った模式断面図である。
本実施形態の太陽電池1は、既述の製造方法により、図1に示す絶縁層付金属基板10の表面の陽極酸化膜14上に、下部電極20と化合物半導体からなる光電変換層30とバッファ層40と上部電極(透明電極)50とを含む光電変換回路が作製され、結果として、図3に示す基板10A上に光電変換回路が形成されてなるものとなっている。
本実施形態の太陽電池1には、下部電極20のみを貫通する開溝部61、光電変換層30とバッファ層40とを貫通する開溝部62、および光電変換層30とバッファ層40と上部電極50とを貫通する開溝部64が形成されている。
上記構成では、開溝部64によって多数の素子Cに分離された構造が得られる。また、開溝部62内に上部電極50が充填されることで、ある素子Cの上部電極50が隣接する素子Cの下部電極20に直列接続した構造が得られる。
なお、直列接続された素子のうち、駆動時に最も高電位となる電極(最も正極性側の端部の素子の正電極)を、金属基板と電気的に接続(短絡)させておくことが、陽極酸化層の絶縁性を高めるために好ましい(特願2009−093536号;本出願時において未公開)。一般には、下部電極側を正極とするため、金属基板と短絡させるのは下部電極となる。
以下、光電変換回路を構成する各層について説明する。
(光電変換層)
光電変換層30は光吸収により電荷を発生する層であり、化合物半導体からなるものである。なお、光電変換層30を、絶縁層付金属基板上に下部電極を介して成膜する際には、基板温度500℃以上、好ましくは550℃以上の条件下で成膜を行う。500℃以上の成膜温度で成膜することにより、光吸収特性および光電変換特性の良好な光電変換層を得ることができる。
光電変換層30の主成分は特に制限されず、少なくとも1種のカルコパイライト構造の化合物半導体であることが好ましい。このとき、化合物半導体は、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体であることが好ましい。
特に、Ib族元素が、CuおよびAgからなる群より選択された少なくとも1種からなり、IIIb族元素が、Al,GaおよびInからなる群より選択された少なくとも1種からなり、VIb族元素が、S,Se,およびTeからなる群から選択された少なくとも1種からなるものであることが好ましい。
上記化合物半導体の具体例としては、
CuAlS,CuGaS,CuInS
CuAlSe,CuGaSe,CuInSe(CIS),
AgAlS,AgGaS,AgInS
AgAlSe,AgGaSe,AgInSe
AgAlTe,AgGaTe,AgInTe
Cu(In1−xGa)Se(CIGS),Cu(In1−xAl)Se,Cu(In1−xGa)(S,Se)
Ag(In1−xGa)Se,およびAg(In1−xGa)(S,Se)等が挙げられる。
光電変換層30は、CuInSe(CIS)、および/またはこれにGaを固溶したCu(In,Ga)Se(CIGS)を含むことが特に好ましい。CISおよびCIGSはカルコパイライト結晶構造を有する半導体であり、光吸収率が高く、高い光電変換効率が報告されている。また、光照射等による効率の劣化が少なく、耐久性に優れている。
光電変換層30には、所望の半導体導電型を得るための不純物が含まれる。不純物は隣接する層からの拡散、および/または積極的なドープによって、光電変換層30中に含有させることができる。光電変換層30中において、I−III−VI族半導体の構成元素および/または不純物には濃度分布があってもよく、n型,p型,およびi型等の半導体性の異なる複数の層領域が含まれていても構わない。例えば、CIGS系においては、光電変換層30中のGa量に厚み方向の分布を持たせると、バンドギャップの幅/キャリアの移動度等を制御でき、光電変換効率を高く設計することができる。光電変換層30は、I−III−VI族半導体以外の1種または2種以上の半導体を含んでいてもよい。I−III−VI族半導体以外の半導体としては、Si等のIVb族元素からなる半導体(IV族半導体)、GaAs等のIIIb族元素およびVb族元素からなる半導体(III−V族半導体)、およびCdTe等のIIb族元素およびVIb族元素からなる半導体(II−VI族半導体)等が挙げられる。光電変換層30には、特性に支障のない限りにおいて、半導体、所望の導電型とするための不純物以外の任意成分が含まれていても構わない。光電変換層30中のI−III−VI族半導体の含有量は特に制限されず、75質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、99質量%以上が特に好ましい。
CIGS層の成膜方法としては、1)多源同時蒸着法(J.R.Tuttle et.al ,Mat.Res.Soc.Symp.Proc., Vol.426 (1996)p.143.およびH.Miyazaki, et.al, phys.stat.sol.(a),Vol.203(2006)p.2603.等)、2)セレン化法(T.Nakada et.al,, Solar Energy Materials and Solar Cells 35(1994)204-214.およびT.Nakada et.al,, Proc. of 10th European Photovoltaic Solar Energy Conference(1991)887-890.等)、3)スパッタ法(J.H.Ermer,et.al, Proc.18th IEEE Photovoltaic Specialists Conf.(1985)1655-1658.およびT.Nakada,et.al, Jpn.J.Appl.Phys.32(1993)L1169-L1172.等)、4)ハイブリッドスパッタ法(T.Nakada,et.al., Jpn.Appl.Phys.34(1995)4715-4721.等)、および5)メカノケミカルプロセス法(T.Wada et.al, Phys.stat.sol.(a), Vol.203(2006)p2593等)等が知られている。また、その他のCIGS成膜法としては、スクリーン印刷法、近接昇華法、MOCVD法、およびスプレー法などが挙げられる。例えば、スクリーン印刷法あるいはスプレー法等で、Ib族元素、IIIb族元素、およびVIb族元素を含む微粒子膜を基板上に形成し、熱分解処理(この際、VIb族元素雰囲気での熱分解処理でもよい)を実施するなどにより、所望の組成の結晶を得ることができる(特開平9−74065号公報、特開平9−74213号公報等)。
図5は、主なI−III−VI化合物半導体における格子定数とバンドギャップとの関係を示す図である。組成比を変えることにより様々な禁制帯幅(バンドギャップ)を得ることができる。バンドギャップよりエネルギーの大きな光子が半導体に入射した場合、バンドギャップを超える分のエネルギーは熱損失となる。太陽光のスペクトルとバンドギャップの組合せで変換効率が最大になるのがおよそ1.4〜1.5eVであることが理論計算で分かっている。光電変換効率を上げるために、例えばCu(In,Ga)Se(CIGS)のGa濃度を上げたり、Cu(In,Al)SeのAl濃度を上げたり、Cu(In,Ga)(S,Se)のS濃度を上げたりしてバンドギャップを大きくすることで、変換効率の高いバンドギャップを得ることができる。CIGSの場合、1.04〜1.68eVの範囲で調整できる。
組成比を膜厚方向に変えることでバンド構造に傾斜を付けることができる。傾斜バンド構造としては、光の入射窓側から反対側の電極方向にバンドギャップを大きくするシングルグレーデットバンドギャップ、あるいは、光の入射窓からPN接合部に向かってバンドギャップが小さくなりPN接合部を過ぎるとバンドギャップが大きくなるダブルグレーデッドバンドギャップの2種類がある(T.Dullweber et.al, Solar Energy Materials & Solar Cells, Vol.67, p.145-150(2001)等)。いずれもバンド構造の傾斜によって内部に発生する電界のため、光に誘起されたキャリアが加速され電極に到達しやすくなり、再結合中心との結合確率を下げるため、発電効率が向上する(WO2004/090995号パンフレット等)。
また、光電変換層30の主成分は、II−VI族化合物半導体であるCdTeあってもよい。CdTeからなる光電変換層は、Al陽極酸化膜上に下部電極として金属や黒鉛電極を設け、その上に近接昇華法により成膜することができる。近接昇華法とは、CdTe原料を真空下で600℃程度にし、その温度より低温にした基板上にCdTe結晶を凝縮させる手法である。
(電極およびバッファ層)
下部電極(裏面電極)20および上部電極(透明電極)50はいずれも導電性材料からなる。光入射側の上部電極50は透光性を有する必要がある。
例えば、下部電極20の材料としてMoを用いることができる。下部電極20の厚みは100nm以上であることが好ましく、0.45〜1.0μmであることがより好ましい。下部電極20の成膜方法は特に制限されず、電子ビーム蒸着法やスパッタリング法等の気相成膜法が挙げられる。上部電極50の主成分としては、ZnO,ITO(インジウム錫酸化物),SnO,およびこれらの組合せが好ましい。上部電極50は、単層構造でもよいし、2層構造等の積層構造もよい。上部電極50の厚みは特に制限されず、0.3〜1μmが好ましい。バッファ層40としては、CdS,ZnS,ZnO,ZnMgO,ZnS(O,OH) ,およびこれらの組合せが好ましい。
好ましい組成の組合せとしては例えば、Mo下部電極/CdSバッファ層/CIGS光電変換層/ZnO上部電極が挙げられる。
ソーダライムガラス基板を用いた光電変換装置においては、基板中のアルカリ金属元素(Na元素)がCIGS膜に拡散し、光電変換効率が高くなることが報告されている。本実施形態においても、アルカリ金属をCIGS膜に拡散させることは好ましい。アルカリ金属元素の拡散方法としては、Mo下部電極上に蒸着法またはスパッタリング法によってアルカリ金属元素を含有する層を形成する方法(特開平8−222750号公報等)、Mo下部電極上に浸漬法によりNaS等からなるアルカリ層を形成する方法(WO03/069684号パンフレット等)、Mo下部電極上に、In、CuおよびGa金属元素を含有成分としたプリカーサを形成した後このプリカーサに対して例えばモリブデン酸ナトリウムを含有した水溶液を付着させる方法等が挙げられる。
また、下部電極20の内部に、NaS,NaSe,NaCl,NaF,およびモリブデン酸ナトリウム塩等の1種または2種以上のアルカリ金属化合物を含む層を設ける構成も好ましい。
光電変換層30〜上部電極50の導電型は特に制限されない。通常、光電変換層30はp層、バッファ層40はn層(n−CdS等)、上部電極50はn層(n−ZnO層等)あるいはi層とn層との積層構造(i−ZnO層とn−ZnO層との積層等)とされる。かかる導電型では、光電変換層30と上部電極50との間に、pn接合、あるいはpin接合が形成されると考えられる。また、光電変換層30の上にCdSからなるバッファ層40を設けると、Cdが拡散して、光電変換層30の表層にn層が形成され、光電変換層30内にpn接合が形成されると考えられる。光電変換層30内のn層の下層にi層を設けて光電変換層30内にpin接合を形成してもよいと考えられる。
(その他の層)
太陽電池1は必要に応じて、上記で説明した以外の任意の層を備えることができる。例えば、絶縁層付金属基板10と下部電極20との間、および/または下部電極20と光電変換層30との間に、必要に応じて、層同士の密着性を高めるための密着層(緩衝層)を設けることができる。また、必要に応じて、絶縁層付金属基板10と下部電極20との間に、アルカリイオンの拡散を抑制するアルカリバリヤ層を設けることができる。アルカリバリヤ層については、特開平8−222750号公報を参照されたい。
また、必要に応じて、カバーガラス、保護フィルム等を取り付けることができる。
以上のように、本発明に係る太陽電池は、前述した本発明に係る絶縁層付金属基板10を基板として備えており、この絶縁層付金属基板10は、半導体成膜工程において高温(550℃以上)を経ても、陽極酸化膜のクラックの発生を抑制することができ、高い絶縁性が維持できるので、生産性を高めることができる。高温に対する耐性の高い基板を用いているので、化合物半導体を500℃以上、さらには550℃以上の成膜条件下で成膜することができ、そのような成膜条件で作製された化合物半導体を備えているので高い光電変換特性を得ることができる。さらに、基板10が高温においても高い剛性を維持可能な基材を備えているので製造時のハンドリング等に制限をなくすことが可能となる。
なお、本発明の絶縁層付基板は、該基板上に光電変換回路を備えた太陽電池に用いられるのみならず、様々な半導体装置の基板として用いることができる。また、プレーナ型半導体装置のみならず、メサ型半導体装置にも適用可能である。また、縦型半導体装置や横型半導体装置にも適用可能である。具体的には、例えば可撓性トランジスタ等にも適用可能である。
本発明の絶縁層付金属基板の実施例1〜3および比較例1〜3について説明する。
(実施例1)
市販のフェライト系ステンレス鋼(厚さ50μm,材質:SUS430)にスパッタリング法によりTiを1μm成膜し、更にその上にAlを15μmスパッタリング法により成膜したものを金属基板とした。この金属基板のステンレス鋼面と端面をマスキングフイルムで被覆し、エタノールで超音波洗浄した後、80g/Lシュウ酸溶液中で40Vの定電圧電解することにより、絶縁層として10μm厚さの陽極酸化膜をAl表面に形成した。陽極酸化処理後、Alの厚さは5μmになっていた。以上の工程により、陽極酸化膜/Al/Ti/ステンレス鋼という構造の絶縁層付金属基板を得た。
(実施例2)
純Ti(純度:99.5%)と高純度Al(純度:4N)を用い、冷間圧延法により加圧接合して2層クラッド材とした後、Ti面側をフェライト系ステンレス鋼(材質:SUS430)と接触させて、冷間圧延法によりAl厚さ15μm、Ti厚さ3μm、ステンレス鋼厚さ50μmの3層クラッド材を作製し、金属基板とした。この金属基板に対して、実施例1と同様の処理手順により、マスキングフイルムの被膜、洗浄および陽極酸化を行い、Al表面に陽極酸化膜を形成した。陽極酸化処理後、Alの厚さは5μmになっていた。以上の工程により、陽極酸化膜/Al/Ti/ステンレス鋼という構造の絶縁層付金属基板を得た。
(実施例3)
純Ti(純度:99.5%)と高純度Al(純度:4N)を用い、冷間圧延法により加圧接合して2層クラッド材とした後、Ti面側を市販の軟鋼(材質:SPCC)と接触させて、冷間圧延法によりAl厚さ15μm、Ti厚さ3μm、軟鋼厚さ50μmの3層クラッド材を作製し、金属基板とした。この金属基板に対して、実施例1と同様の手順により、マスキングフイルムの被膜、洗浄および陽極酸化を行い、Al表面に陽極酸化膜を形成した。陽極酸化後、Alの厚さは5μmになっていた。以上の工程により、陽極酸化膜/Al/Ti/軟鋼という構造の絶縁層付金属基板を得た。
(比較例1)
高純度Al(純度:4N)とフェライト系ステンレス鋼(材質:SUS430)を用い、冷間圧延法によりアルミ厚さ15μm、ステンレス鋼厚さ50μmの2層クラッド材を作製し、金属基板とした。この金属基板に対して、実施例1と同様の手順により、マスキングフイルムの被膜、洗浄および陽極酸化を行い、Al表面に陽極酸化膜を形成した。陽極酸化処理後、Alの厚さは5μmになっていた。以上の工程により、陽極酸化膜/Al/ステンレス鋼という構造の絶縁層付金属基板を得た。
(比較例2)
高純度Al(純度:4N)と軟鋼(材質:SPCC)を用い、冷間圧延法によりアルミ厚さ15μm、軟鋼厚さ50μmの2層クラッド材を作製し、金属基板とした。この金属基板に対して、実施例1と同様の手順により、マスキングフイルムの被膜、洗浄および陽極酸化を行い、Al表面に陽極酸化を形成した。陽極酸化処理後、Alの厚さは5μmになっていた。以上の工程により、陽極酸化膜/Al/軟鋼という構造の絶縁層付金属基板を得た。
(比較例3)
実施例3同じAl/Ti/軟鋼の3層クラッド材を金属基板とし、この金属基板を、pH7.4の0.5Mホウ酸と0.05M4ホウ酸Na中で1mA/cmと600Vの定電流定電圧電解することにより、Al表面に非ポーラスで緻密なバリヤ型の陽極酸化被膜を形成した。陽極酸化処理後、Alの厚さは14μmであり、緻密な陽極酸化膜は0.7μmとなっていた。以上の工程により、非ポーラスな陽極酸化膜/Al/Ti/軟鋼という構造の絶縁層付金属基板を得た。
(絶縁性評価)
実施例1〜3および比較例1〜3の手順で作製した絶縁層付金属基板について、そのまま(加熱無し)、真空加熱炉にて500℃で30分熱処理後、真空加熱炉にて550℃で30分熱処理後のそれぞれの状態での絶縁特性を測定し、比較した。絶縁特性測定としては、陽極酸化した面の上に電極として0.2μm厚さのAuを3.5Φmm直径でマスク蒸着により設け、金属基板−Au電極間にAu電極を負極性として、200Vの電圧を印加し、電圧印加時に金属基板−Au電極間に流れるリーク電流を測定した。ここで、検出されたリーク電流をAu電極面積(9.6mm2)で除した値をリーク電流密度とした。
表1は、それぞれの基板についての絶縁特性測定の結果を示すものである。
表1に示すとおり、実施例1〜3は、500℃、550℃の熱履歴を受けても、リーク電流は加熱なしの状態からほとんど変化しなかった。一方、比較例1、2は500℃の熱履歴であれば、リーク電流はほとんど変化しない、もしくは問題とならない程度の増加を示すに過ぎないが、550℃の熱履歴を受けると、リーク電流測定のための電圧印加中に絶縁破壊に至った。また、比較例3については、500℃の熱履歴でも絶縁破壊した。
この結果、本発明の実施例に係る、Ti材を備えた基板は、550℃という高温を経験しても、良好な絶縁特性と強度を維持することが可能であることが実証された。さらに、比較例3のように、非ポーラスな陽極酸化膜の場合は、加熱無しの状態では、非常に高い絶縁性が得られるが、500℃の高温で加熱されることにより、絶縁破壊が生じたことから、ポーラスな陽極酸化膜は、非ポーラスな陽極酸化膜に比較して高温時の熱膨張差により生じるクラック耐性が高いことが実証された。
(断面観察)
実施例1〜3および比較例1、2の手順で作製した絶縁層付金属基板について、そのまま(加熱無し)、真空加熱炉にて500℃で30分熱処理後、真空加熱炉にて550℃で30分熱処理後のそれぞれの状態の断面を観察し、Alと鋼材との間における金属間化合物の生成、およびAlの膜厚減少状態を評価した。絶縁層付金属基板をダイヤモンドカッターで切断後、断面に対してArイオンビームを用いたイオンポリッシュで面出しを行い、SEM−EDX(エネルギー分散型X線分析装置付き走査型電子顕微鏡)により観察した。
図6は、実施例1の手順で作製した絶縁層付金属基板について、550℃×30分加熱後の断面を示すSEM画像(走査型電子顕微鏡写真)である。
加熱前に1μmであったTi層は、Al側に1.5μmのAl3Ti金属間化合物層とSUS基材(SUS430)側に0.3μmのαTi層となっていた。αTiにはAlが5wt%程度固溶しているものの、SUS基材由来のFe、Crは固溶していないことが、EDX分析(エネルギー分散型X線分析)より判った。
なお、実施例1で作製した基板を500℃×30分加熱した後の断面においても、同様に、Al材とSUS基材との間には、Al材側からAlTi金属間化合物層、αTi層が観察された。それぞれの厚さは、0.4μm(Al3Ti)、0.8μm(αTi)であった。
この結果から、αTi層が全てAlTiとなるまでの加熱温度と経験時間の範囲内では、Alと鋼材の直接反応は生じないと考えられる。
一方、比較例1、比較例2の手順で作製した絶縁層付金属基板については、500℃×30分加熱後、および550℃×30分加熱後のいずれの基板の断面においても、比較例1のAl/SUS界面にはAl(Fe・Cr)、比較例2のAl/軟鋼界面においてはAlFeからなる金属間化合物が1μm以上生成されているのが観察された。特に、比較例1の基板を550℃×30分、比較例2の基板を500℃×30分加熱したものでは、金属間化合物が5μm程度生成されており、加熱前に存在していたAlはほとんど消失していた。
この結果と、上記絶縁性の結果を併せて検討すると、Al層が消失してAl(Fe・Cr)またはAlFeと陽極酸化膜が直に接する状態となると、陽極酸化膜に歪や応力が加わり、絶縁性が低下するものと考えられる。
なお、比較例1と2で500℃×30分加熱において、金属間化合物の生成厚み(比較例1でAl(Fe・Cr)が1μm、比較例2でAlFeが5μm)に相違が認められたのは、軟鋼とSUS430のAlに対する反応性の相違に起因するものと考えられる。
本発明者は、Alと鋼材との間に介在させる金属として、Ti以外のCr、Ni、などについても検討したが、これらはいずれも500℃〜600℃程度においてAlとの反応性が高く、鋼材上にAl材を積層した金属基板の場合と同様に、550℃の高温では、Alとの金属間化合物層が厚くなり、絶縁破壊することを確認した。
一方、550℃近傍において、Alとの反応性が低く、Alと金属間化合物を生成しにくく、且つAlが固溶し得る金属であれば、Ti以外の金属も反応バリヤ層として利用できる可能性がある。
1 太陽電池(半導体装置)
10、10’ 絶縁層付金属基板(加熱前)
10A、10B 絶縁層付金属基板(加熱後)
11 鋼基材
12、12’ Ti材
13、13’ Al材
14、14’ 陽極酸化膜
15、15’ 金属基板
20 下部電極
30 光電変換層
40 バッファ層
50 上部電極

Claims (12)

  1. 半導体装置が形成される絶縁層付金属基板であって、
    Alよりも、線熱膨張係数が小さく、かつ剛性が高く、かつ耐熱性が高い鋼基材の少なくとも一方の面に、Ti材を介してAl材が一体化されたものを金属基板とし、該金属基板の前記Al材の表面にポーラス構造を有する陽極酸化膜が電気絶縁層として形成されてなるものであることを特徴とする絶縁層付金属基板。
  2. 前記金属基板が、前記鋼基材、前記Ti材および前記Al材が加圧接合により一体化されたものであることを特徴とする請求項1記載の絶縁層付金属基板。
  3. 請求項1または2記載の絶縁層付金属基板上に、500℃以上の成膜温度で化合物半導体層を成膜する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1または2記載の絶縁層付金属基板上に、下部電極を成膜し、
    該下部電極上に500℃以上の成膜温度で化合物半導体からなる光電変換層を成膜し、
    該光電変換層上に上部電極を成膜して、
    前記絶縁層付金属基板上に、前記下部電極、前記光電変換層および前記上部電極を含む光電変換回路を形成することを特徴とする太陽電池の製造方法。
  5. 前記絶縁層付金属基板および前記化合物半導体として、前記鋼基材と該化合物半導体との線熱膨張係数の差が7×10−6/℃未満のものを選択して用いることを特徴とする請求項4記載の太陽電池の製造方法。
  6. 前記光電変換層の主成分を、少なくとも1種のカルコパイライト構造の化合物半導体とすることを特徴とする請求項4または5記載の太陽電池の製造方法。
  7. 前記絶縁層付金属基板として、前記鋼基材が、炭素鋼およびフェライト系ステンレスのいずれかからなるものを用い、
    前記下部電極を、Moからなるものとし、
    前記光電変換層の主成分を、Ib族元素とIIIb族元素とVIb族元素とからなる少なくとも1種の化合物半導体とすることを特徴とする請求項4から6いずれか1項記載の太陽電池の製造方法。
  8. 前記Ib族元素を、CuおよびAgからなる群より選択された少なくとも1種とし、
    前記IIIb族元素を、Al,GaおよびInからなる群より選択された少なくとも1種とし、
    前記VIb族元素を、S,Se,およびTeからなる群から選択された少なくとも1種とすることを特徴とする請求項7記載の太陽電池の製造方法。
  9. 前記絶縁層付金属基板として、前記鋼基材が、炭素鋼およびフェライト系ステンレスのいずれかからなるものを用い、
    前記光電変換層の主成分を、CdTe化合物半導体とすることを特徴とする請求項4または5記載の太陽電池の製造方法。
  10. 化合物半導体からなる光電変換層を備えた太陽電池であって、
    Alよりも、熱膨張係数が小さく、かつ剛性が高く、かつ耐熱性が高い鋼基材の少なくとも一方の面に、該一方の面側からTi材とAl材との固溶層、Ti材とAl材とからなる金属間化合物層、およびAl材層を順に備えてなる金属基板の該Al材の表面に、Alの陽極酸化膜が電気絶縁層として形成されてなる絶縁層付金属基板上に、前記光電変換層を含む光電変換回路を備えてなることを特徴とする太陽電池。
  11. 前記絶縁層付基板が、前記鋼基材と前記固溶層との間にTi材層を備えてなるものであることを特徴とする請求項10記載の太陽電池。
  12. 前記光電変換回路は、前記光電変換層が、複数の開溝部によって複数の素子に分割され、かつ該複数の素子が電気的に直列接続するように構成されたものであることを特徴とする請求項10または11記載の太陽電池。
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