(第1の実施形態)
本発明を、充電スタンドに設けられるコンセントブロックとして具体化した第1の実施形態を、図1〜図9を用いて説明する。
図1は、コンセントブロックが取り付けられた一例である充電スタンド(充電装置)を示す。図1(a),(b)に示す充電スタンド11は、電気自動車に搭載されたバッテリーに充電するためのものであり、例えば屋外に立設されている。この充電スタンド11は、縦長の直方体形状を有するスタンド本体12と、スタンド本体12の所定高さの位置に設けられた横開閉式の扉13とを有している。略四角形状の扉13は、図1(a)に示す閉状態と図1(b)に示す開状態との間で開閉可能に設けられている。図1(b)に示すように、スタンド本体12には扉13と対応する部位に凹所15が形成されている。そして、図1(b),(c)に示すように、凹所15の奥面(施工面)の略中央部には、コンセントブロックAが取付けられている。図1(c)に示すように、本実施形態のコンセントブロックAは、プラグBの栓刃91(図7参照)が挿入される差込口52がコンセント本体20の前面に設けられ、コンセント本体20の前面のうち差込口52を含む矩形領域の部分が、閉状態にある扉体80により覆われている。扉体80は、図1(c)の正面視で矩形状に形成されるとともにその下端部を回動中心とする開閉式に構成されている。使用者は、図1(c)に示す閉状態にある扉体80を開状態に操作して差込口52が露出する状態とした後、プラグBの栓刃91(図7参照))を差込口52に挿入するプラグBの差込操作を行うことにより、充電スタンド11から電気自動車のバッテリーへの充電が可能になるようになっている。そして、本実施形態のコンセントブロックAでは、プラグBの直線状の差込操作をするだけで、その差込まれたプラグBが扉体80との係合によりコンセントブロックAに対して抜止め状態にロックされるようになっている。
図2は、コンセントブロックAの分解斜視図を示す。以降では、コンセントブロックAの施工面の表側及び裏側を規定する方向を「前後方向X」とし、鉛直方向に沿う方向を「上下方向Z」とし、前後方向及び上下方向の両方に直交する方向を「左右方向Y」とする。また、前後方向Xにおいて、壁面の表側に向かう方向を「前方」とし、壁面の裏側に向かう方向を「後方」とする。
図2に示すように、コンセントブロックAは、差込口52が設けられたコンセント本体20と、このコンセント本体20の前面側に取り付けられる扉付き化粧カバー30とを備えている。そして、扉付き化粧カバー30は、後方側が開口する矩形箱状の化粧カバー60と、扉開閉機構70とにより構成されている。扉開閉機構70は、差込口52に対する開閉が可能な矩形状の扉体80と、シャフト71と、付勢手段の一例であるばね75とにより構成されている。そして、扉開閉機構70により、化粧カバー60に対して扉体80が開閉可能な状態に取り付けられる。なお、本実施形態のコンセント本体20は、露出コンセントブロック(図示せず)のコンセント本体を流用することにより、露出コンセントブロックと部品の共通化が図られており、露出コンセントブロックの化粧カバーを、扉付き化粧カバー30に置き換えることで構成されている。また、この扉体80は、差込口52を開閉する機能の他、差込口52に栓刃91が挿入されたプラグBのボディ90と係合して、差込状態のプラグBをコンセントブロックAに対して抜止め状態にロックする係止機能(抜止機能)も有している。
コンセント本体20は、器体の一例として略直方体形状のハウジング21を備える。ハウジング21は、合成樹脂材料を射出成形して形成された合成樹脂製であって、前後方向Xにおける平面視で矩形状に形成されるとともに前方側が開口する扁平な四角箱状の本体ボディ40と、この本体ボディ40の開口側と相対する後方側が開口する同じく扁平な四角箱状の本体カバー50とを、組立ねじ(図示せず)の螺着により結合することで構成されている。コンセント本体20は、その前面四隅に挿通されて裏面側へ貫通した4本の取付ねじ22が施工面の孔に螺着されることにより施工面に固定されるようになっている。
コンセント本体20内には、外部電線が挿入されて接続されるとともに、プラグBが接続されることによりプラグBに外部電線からの電力を供給する接続構造体としてのコンセント構造体23(図3(b)参照)が収容されている。コンセント本体20の上端部には、外部電線を挿入するための電線挿入口24が設けられている。
図2に示すように、本体カバー50の前面50a(ハウジング21の前面)には、前面50aから前後方向Xに所定厚さだけ突出する矩形板状のボス部51が本体カバー50と一体形成されている。このボス部51の前面には3個の差込口52が設けられており、接地極付のプラグB(図7参照)が接続できるようになっている。
化粧カバー60には、前後方向Xにおける後方側が開口する四角箱状に形成されており、コンセント本体20の本体ボディ40と前後方向Xにおける平面視の形状及びサイズがほぼ同じに形成されている。化粧カバー60は、コンセント本体20の前面側を覆うようにコンセント本体20に嵌合又は係止により結合されるようになっている。この化粧カバー60の前面60aにおいてボス部51と対応する箇所には、この化粧カバー60を前後方向Xに貫通するとともに前後方向Xの平面視において円形状に形成されたプラグ挿通孔61が設けられている。このプラグ挿通孔61は、プラグBのボディ(以下、「プラグボディ90」とも称す)の栓刃側の一部が挿通されるようになる。化粧カバー60がコンセント本体20に嵌合した状態においてプラグ挿通孔61の内側の範囲内に3個の差込口52が露出するようになっている。
化粧カバー60の前面60aにおいてプラグ挿通孔61の下側の位置には、半円筒状のシャフト保持部62が、左右方向Yに沿って延びるように化粧カバー60と一体に形成されている。このシャフト保持部62は、扉開閉機構70の一部を構成している。シャフト保持部62が所定長さの幅で左右方向Yに延出する状態で一体に突出形成されている。
扉開閉機構70には、開閉動作を行う扉体80と、この扉体80に取り付けられるシャフト71と、シャフト71を挿通状態に保持するシャフト保持部62とにより構成されている。また、シャフト71には、扉体80を差込口52に向かい付勢する付勢手段であるつるまきばね(以下、「ばね75」)が取り付けられている。
扉開閉機構70は、シャフト保持部62に設けられたシャフト挿通孔62aにシャフト71を挿入し、シャフト71のシャフト挿通孔62aよりも左右方向Yの両側にばね75を取り付けた状態において、ばね75よりも左右方向Yの両側のシャフト71の部位に扉体80の基部を取り付ける。これにより、シャフト71を回転軸として、扉体80は回転するようになる。すなわち、扉体80の開閉動作はシャフト71を中心とした回転によって行われる。
図3(a)は、本体カバーを外してコンセント構造体23が露出した本体ボディの正面図を示す。図3(a)に示すように、コンセント構造体23(接続構造体)は、本体ボディ40の内面上に組付けられている。よって、本体ボディ40及び本体カバー50とが結合された内部空間にコンセント構造体23は収容される。コンセント構造体23は、3個の端子板を有している。
本体ボディ40は前面側が開口する矩形箱状に形成されている。本体ボディ40の四隅近傍に組付ねじを挿通する挿通孔40aが形成されており、この挿通孔40aに挿通した組付ねじ(図示せず)を挿通孔40aに対応して本体カバー50の背面側に形成された受け孔(図示せず)に螺合することで、本体ボディ40と本体カバー50を結合する構造となっている。
本体ボディ40の四隅には、コンセント本体20を取付面15a(施工面)に取り付けるための取付ねじ22を挿通する長孔状のねじ挿通孔40bが形成されている。本体ボディ40の略中央部には、一対の電源用の刃受部41(詳しくは電圧側極の刃受部と接地側極の刃受部)、1個の接地極の刃受部42とが各々分離された状態で収納されている。
また、この本体ボディ40の上端部には本体カバー50と組み合わせた状態で電線挿入口24となる凹部40cが形成されている。本体ボディ40の長手方向の一端側(図3(a)では上端側)において凹部40cの下側(電線挿入口24の奥側)となる箇所には、それぞれ電導電材料で板状に形成された電圧側極の端子部44A、接地側極の端子部44B、接地極の端子部44Cが、左右方向Yに1列に並んだ状態で各々収納されている。
ここで、一対の電源用の刃受部41は同一形状に形成されている。電源用の刃受部41は、互いに対向配置されて平板状の栓刃を狭持する一対の第1挟持片41a(刃受ばね)と、これら第1挟持片41aの片側の側縁に対向し、一対の第1挟持片41aとの間で平板状の栓刃を狭持する第2挟持片41b(刃受ばね)とが弾性を有する導電性金属材料によって一体に形成されている。一対の刃受部41を構成する各第2挟持片41bの各基部は、電源用の端子部44A,44Bと各々電気的に接続されている。なお、本例では、端子部44Aが電圧側極、端子部44Bが接地側極となっている。
一方、接地極の刃受部42は、電源用の刃受部41の第1挟持片41aよりも広い間隔で互いに対向配置される一対の第1挟持片42a(刃受ばね)と、これら第1挟持片42aの片側の側縁に対向する第2挟持片42b(刃受ばね)とが弾性を有する導電性金属材料によって一体に形成されている。第2挟持片42bの基部は接地極の端子部44Cと電気的に接続される。そして、3つの第1挟持片41a,42aによりプラグBの3つの栓刃91を狭持するようになっている。なお、電線挿入口24を通した外部電線(図示せず)の3つの芯線が端子部44A〜44Cにそれぞれ電気的に接続されるようになっている。この接続により、外部電源の電力が外部電線を通じて刃受部41に供給されるようになる。
図3(b)に示すように、本体カバー50は後面側(背面側)が開口するとともに、前後方向Xの平面視で本体ボディ40よりも全体的に一回り小さなサイズの矩形箱状に形成されている。本体カバー50の前面における中央やや上側には平面視略矩形のボス部51が突設され、このボス部51に3つの差込口52が本体カバー50の厚み方向(前後方向X)に貫通するように設けられている。
図3(b)に示すように、差込口52は、上下方向Zの平面視において左右方向Yが長手の長方形となる2つの電源用挿入孔52aと、略丸形(直線状の一辺を有する略半円形)となる接地用挿入孔52bとが設けられている。電源用挿入孔52aは、左右方向Yに配列され、接地用挿入孔52bは電源用挿入孔52aの左右方向Yの間且つ電源用挿入孔52aよりも下方に設けられている。本体ボディ40と本体カバー50を結合した状態において各挿入孔52a,52bがハウジング21内に収納された各刃受部41,42に対向するようになっている。
このように構成されたコンセント本体20の前面は扉付き化粧カバー30によって被われる。化粧カバー60の略上方位置には、ボス部51に設けられた3つの差込口52を露出する露出窓を形成するプラグ挿通孔61が設けられている。また、化粧カバー60の前面には、プラグ挿通孔61の下側に設けられたシャフト保持部62が挿入状態に保持するシャフト71を中心として扉体80が回動可能に設けられている。
図4(a)は扉体の斜視図、同図(b)は扉体の側断面図を示す。図4(a)に示すように、扉体80には、四角平板状に形成される基部80aが設けられている。基部80aには、その中央部に表面から下方に向かい凹む凹所81が設けられ、その後方の端部にシャフト71(図2参照)を挿通する一対のシャフト挿通部82が設けられ、その左右方向Yの中央且つ前方の端部に下方に向かい湾曲状に凹む湾曲凹部83が設けられている。
凹所81には、下方の部位を構成する底面84と、この底面84と基部80aとを互いに接続する接続部85とが設けられている。接続部85のうち底面84と基部80aとを前後方向Xに接続するものは、下方に向かうにつれて後方に傾斜する前方傾斜面85aが形成されている。また、接続部85のうち底面84と基部80aとを左右方向Yに接続するものは、下方に向かうにつれて互いに近づくように傾斜する一対の側方傾斜面85bが形成されている。
凹所81の前後方向Xの中央部には、底面84から上方に突出するとともに左右方向Yに対向する接続部85を互いに連結する仕切壁86が設けられている。この仕切壁86の後面86a(図4(b)参照)は、左右方向Y及び上下方向Zに沿った平面形状にて形成されている。また、仕切壁86により、凹所81は、仕切壁86より前方側の領域である規制部87と、仕切壁86より後方側の領域である固定部88とに区分けされる。
規制部87に対応する底面84には、前後方向X及び左右方向Yに沿った平面形状の平面84aが設けられ、固定部88に対応する底面84には、平面84aと同様の平面84b(図4(b)参照)と後方に向かうに連れて上方に傾斜する傾斜面84cが設けられている。傾斜面84cの傾斜角度は、傾斜面85a,85bの傾斜角度よりも小さくなるように形成されている。
仕切壁86の前面86b側には、仕切壁86の頂面86c及び平面84aを互いに接続するとともに前面86bから前方に向かうに連れて下方に傾斜する傾斜部89が設けられている。この傾斜部89は、左右方向Yに離間して2つ設けられている。なお、本実施形態では、仕切壁86により係止部が構成されている。
図5は、コンセントブロックAの模式側面図を示す。図5に示すように、コンセントブロックAは、扉体80が化粧カバー60の前面60aと当接した状態を「閉状態」(実線の扉体80)としている。このような閉状態の扉体80の位置が閉位置となる。
シャフト71は挿通孔25付近に設けられ、扉体80は閉状態から前方に向かい回転可能となる。そして、図5中の二点鎖線にて示すように、扉体80が前面60aに対して離間した状態を「開状態」としている。このような開状態の扉体80の位置が開位置となる。以降では、扉体80が閉状態または開状態となるように動作する方向を「開閉動作方向W」とする。この開閉動作方向Wは、ばね75が扉体80を付勢する方向に対応している。そして、開閉動作方向Wにおいて、閉状態に向かう方向を「閉方向」とし、開状態に向かう方向を「開方向」とする。また、閉状態において、ばね75(図2参照)の付勢力により、扉体80は前面60aを常に押圧した状態にて維持されるようになる。
図5に示すように、化粧カバー60は、プラグ挿通孔61を通じて3つの差込口52を前方に露出させた状態で、本体カバー50を前方及び左右方向Yから覆っている。そして、扉体80は、その閉状態において、差込口52が露出するプラグ挿通孔61の全体を前方から覆うようになる。また、凹所81は、差込口52と対応した箇所に位置するようになる。また、扉体80は前面60aに対してプラグ挿通孔61の周囲全周に亘り当接するようになる。
図6に示すように、扉体80は化粧カバー60と左右方向Yの幅が略同サイズに形成されており、図5に実線で示す閉状態においては、扉体80の回動先端側の一部が、化粧カバー60の上端面よりも上方へ突出するようになっている。また、扉体80の湾曲凹部83(図4参照)は、扉体80が閉状態のときに化粧カバー60との間で凹所を形成するようになっている。このため、閉状態の扉体80のうち化粧カバー60の上端面から上方へ突出した部分又はこの凹所に指先を引っかけることで使用者による扉体80の開操作を行いやすくなっている。
次に、図7を参照して、プラグBの構造について説明する。図7(a)はプラグを斜め前方から見た斜視図であり、図7(b)はプラグを下方から見た底面図である。
図7(a)に示すように、プラグBには、使用者がプラグBを把持するための略円筒形状のプラグボディ90と、プラグボディ90の前面から前方に突出する栓刃91とが設けられている。またプラグボディ90の後方には、栓刃91が受けた電力を機器(不図示)に供給するためのケーブル92が設けられている。プラグボディ90は樹脂材料を射出成形することにより成形されている。
プラグボディ90には、その前後方向Xの中央部の両側面に使用者の指がかかる平面形状の把持部93と、その下部に下方に向かい突出する突起部94と、その上部に使用者がプラグBの方向を視認する位置表示部95とが設けられている。
栓刃91は、電源用挿入孔52aに挿入される一対の電源用栓刃91aと、接地用挿入孔52bに挿入される接地用栓刃91bとにより構成されている。接地用栓刃91bは、電源用栓刃91aよりも前方に突出している。また、各電源用栓刃91aは、前後方向Xの平面視において左右方向Yに長手の略長方形状に形成され、接地用栓刃91bは、丸ピン形状に形成されている。
位置表示部95は前後方向Xに沿って延びる長方形状の突起である。そして位置表示部95がプラグBの上方に位置する場合には、電源用栓刃91aが左右方向Yに沿って配列されるようになる。
図7(b)に示すように、突起部94は、下端部94aと、下端部94aから前方に向かうに連れて上方に傾斜する前方傾斜部94bと、下端部94aから左右方向Yの両側外方に向かうに連れて上方に傾斜する一対の側方傾斜部94cとが設けられている。また、下端部94aの後端には、上方に沿って延びる保持面94dが設けられている。また、プラグボディ90の突起部94より後方には、突起部94から後方に向かい延びる平面状の当接面96が設けられている。この当接面96が設けられる部位の外径は、プラグボディ90の円筒形状の部位における他の部位の外径よりも小さく形成されている。
前方傾斜部94bは、前方に向かうに連れて左右方向Yの幅が大きくなるように形成されている。前方傾斜部94bには、下方から見た平面視において略三角形状に形成されるとともに上方に向かい凹む凹部94eが設けられている。この凹部94eは、肉抜きの役割を果たしている。すなわち、凹部94eを設けることにより、突起部94及びその周囲にひけや巣が発生することを抑制している。
図6、図8、図9を参照して、コンセントブロックAにプラグBを接続する態様及びコンセントブロックAからプラグBを抜き去る態様のそれぞれについて説明する。図8では、プラグBが扉体80を開状態とするとともに規制部87に収納される様子を示し、図9では、プラグBが隔壁を越えて固定部88に収納されてコンセントブロックAへの接続が完了する様子を示している。なお、プラグBをコンセントブロックAから抜き去る様子の図は省略している。なお、図6、図8、図9では、プラグBのケーブル92を省略して示している。
図8(a)に示すように、閉状態の扉体80に対して、扉体80の化粧カバー60より突出した部位をプラグボディ90の前方の端部によって引っ掛けるようにして扉体80を開状態となるように回転させる。また、扉体80を開状態とする方法としては、使用者の指によって扉体80を開方向に動作させてもよい。
図8(b)に示すように、栓刃91をプラグ挿通孔61に対向した位置にプラグBが移動した状態において、栓刃91をプラグ挿通孔61に向かい挿入する。以降では、この栓刃91の挿抜方向を「栓刃挿抜方向V」とする。この栓刃挿抜方向Vにおいて、プラグBがプラグ挿通孔61に向かう方向を「挿入方向」とし、プラグBがプラグ挿通孔61から離間する方向を「抜去方向」とする。
図8(c)に示すように、プラグBを挿入方向に向かい挿入すると、扉体80の前方の端部と突起部94とが接触する。この状態においてさらにプラグBを挿入方向に向かい挿入すると、突起部94の前方傾斜部94bが扉体80をさらに開方向に回転させるようになる。そして下端部94aが扉体80に当接するようになる。
図8(d)に示すように、下端部94aが扉体80に当接した状態にてプラグBを挿入方向に向かい挿入すると、突起部94が規制部87に収納されるようになる。具体的には、突起部94は前方傾斜面85aによって規制部87に案内されるようになる。このとき扉体80は突起部94が規制部87に案内されるに連れて閉方向に回転する。
また、この状態において、栓刃91が差込口52に対して栓刃挿抜方向Vにおいて対応した位置に配置されるようになる。具体的には、栓刃91のうちの接地用栓刃91bの先端部91b1が差込口52(接地用挿入孔52b)に挿入されるようになる。一方、電源用栓刃91aは差込口52よりもやや抜去方向に位置している。すなわち、上記栓刃91の差込口52に対する配置状態において、栓刃挿抜方向VにプラグBを移動させると、栓刃91が差込口52に挿入されるようになる。
図6に示すように、図8(d)の状態では、突起部94の下端部94aの左右方向Yの幅H1と、凹所81の底面84の平面84aの左右方向Yの幅H2とが略同一となる。これにより、突起部94が左右方向Yに移動しようとしても、凹所81に接触するようになる。
図9(a)に示すように、規制部87に突起部94が収納された状態からプラグBを挿入方向に向かい挿入すると、突起部94の前方傾斜部94bが凹所81の傾斜部89に接触するようになる。これにより、突起部94が傾斜部89を滑るように頂面86cに向かい移動する。突起部94と傾斜部89との接触により、扉体80は開方向に移動するようになる。また電源用栓刃91aは差込口52(電源用挿入孔52a)に挿入されるようになる。
図9(b)に示すように、突起部94の下端部94aが頂面86cと当接したときに扉体80がプラグBをコンセントブロックAに挿入する際に最も開方向に移動した状態となる。
図9(c)に示すように、突起部94が頂面86cを超えると、固定部88に収納されるようになる。このとき、扉体80は閉方向に向かい回転するとともに、当接面96と頂面86cとが当接し、仕切壁86と突起部94の保持面94dとが当接するようになる。また、頂面86cは当接面96と当接するようになる。これにより、プラグBのコンセントブロックAへの接続が完了する。すなわち、栓刃91が刃受部41,42(図3(b)参照)に挟持された状態となる。以上により、プラグBを操作するのみにて、扉体80を開状態とするとともにコンセントブロックAへの接続及びコンセントブロックAからプラグBが抜けることを抑制する抜け止め機構の構成までを行うことができる。すなわち、使用者はプラグBを把持する片手のみにて、コンセントブロックAへの接続及び上記抜け止め機構を完了することができる。
また、この状態において、仕切壁86及び保持面94dは栓刃挿抜方向Vに対して直交する平面を有している。
ここで、ケーブル92(図7参照)を引っ掛ける等により不用意にプラグBがコンセントブロックAに対して抜けようとする場合、保持面94dが仕切壁86と栓刃挿抜方向Vに対して当接するため、プラグBがコンセントブロックAから抜けることが抑制される。特にこの状態において、仕切壁86及び保持面94dがそれぞれ栓刃挿抜方向Vに対して略垂直なるように形成され、且つ保持面94dが仕切壁86に面接触することにより、仕切壁86がプラグBの抜去方向の力を正面から受けることとなる。
また、プラグボディ90のプラグ挿通孔61に挿入される部位の外径は、プラグ挿通孔61の内径と略同一となるように形成されている。すなわち、プラグボディ90とプラグ挿通孔61との間には、僅かな隙間のみが形成されるようになる。ここで、「僅かな隙間」とは、プラグBがコンセントブロックAに接続した状態において、使用者の指が入らない程度の大きさのことを言う。
換言すれば、図2に示すように、化粧カバー60には、差込口52と対応する箇所にプラグボディ90(図7参照)の形状に対応した凹部61a(プラグ挿通孔61の内周面のうち化粧カバー60の表面から所定深さまでの一部分)が設けられ、この凹部61aの底面が開口することでプラグボディ90の栓刃側端部が挿通されるプラグ挿通孔61が形成されている。そして、プラグボディ90をプラグ挿通孔61に挿入する際は、プラグ挿通孔61の凹部61aにプラグボディ90の栓刃側端部がまず挿入され、さらにその挿入が進むんではじめて栓刃91が刃受部41と接触し始めるようになっている。このため、栓刃91が刃受部41と接触し始めるときには、既にプラグボディ90の栓刃側端部がプラグ挿通孔61の凹部61aに挿通された状態にあり、プラグ挿通孔61とプラグボディ90との間の僅かな隙間には指が入る余地はない。
一方、図9(c)に示す状態にあるプラグBをコンセントブロックAから抜き去るときには、使用者は扉体80の抜去方向の端部を開方向に押圧する。そして、突起部94が仕切壁86と栓刃挿抜方向Vと直交する方向に重なる部位がなくなるようにする。すなわち、保持面94dと仕切壁86とが当接しなくなる。そして、この状態において、プラグBを抜去方向に引くことにより、プラグBをコンセントブロックAから抜き去ることができるようになる。
また、プラグボディ90の外径よりも扉体80が左右方向Yに大きく形成されるため(図6参照)、プラグボディ90の外径と扉体80とが左右方向Yに同一である場合と比較して、使用者が扉体80を容易に押圧することができる。
プラグBをコンセントブロックAから抜き去った後には、ばね75(図2参照)の作用により、扉体80は前面60aに向かい、すなわち閉状態となるように回転動作する。
本実施形態によれば、以下に示す効果を奏することができる。
(1)本実施形態によれば、扉体80には、プラグBの栓刃91が差込口52に挿入されたときに、プラグボディ90と係合して栓刃91が差込口52に挿入された状態にプラグBを抜止めする仕切壁86(係止部)が設けられている。したがって、特許文献1のような従来の栓刃と刃受との間に抜止機構が設けられる構造と比較して、刃受が必要以上に弾性変形しないため、プラグBの栓刃91の差込口52への挿抜の回数を多く行ったとしても、刃受部41,42のばね性の低下を抑制することができる。したがって、コンセントブロックAを屋外用に用いて、プラグBをコンセントブロックAに対して挿抜する回数を増加させたとしても、栓刃91が差込口52から挿入された状態を保持することができる。
(2)本実施形態によれば、プラグBをコンセントブロックAに差し込むときには、ばね75(付勢手段)の付勢力に抗して扉体80を開方向に回動させてプラグBの挿入経路を確保し、その挿入経路に沿ってプラグBをコンセントブロックAに差し込む。このプラグBが差し込まれたとき、ばね75の付勢力により閉方向へ付勢されていた扉体80の仕切壁86がプラグボディ90に係合してプラグBを抜止状態に係止する。このため、プラグBを差し込んだ後、抜け止めのための回転操作が不要になる。このとき、扉体80を開操作しないと、扉体80が邪魔になってプラグBの挿入経路が確保されないので、プラグBをコンセントブロックAに差し込んだときには、必ずプラグBを抜止状態に係止できる。また、扉体80を化粧カバー60に取付けて扉付き化粧カバー30の構成を採用しているので、例えば露出コンセントブロックのコンセント本体を流用し、部品の共通化を図りつつ、化粧カバーを、扉付き化粧カバー30に変更するだけで、抜止機能付きのコンセントブロックAを比較的簡単に製造できる。
(3)プラグBの栓刃91を差込口52に奥まで差し込んだときに、すなわちプラグBの栓刃側の端面がコンセント本体20のボス部51の面に当たる挿入位置まで差し込んだときに、プラグボディ90の突起部94が仕切壁86と係合してプラグBを抜け止め状態に係止する。このため、プラグBを奥までしっかり差し込まれた状態に保持できる。例えば係止位置が奥より少し手前であると、差込状態にあるプラグBに栓刃挿抜方向Vの遊びができ、場合によっては栓刃91と刃受部41,42との間で電気的な接続不良が発生する原因ともなりうるが、本実施形態のコンセントブロックAによれば、栓刃91と刃受部41,42との良好な接続を維持できる。
(4)プラグBの栓刃91を差込口52に差し込むためにプラグボディ90の一部をプラグ挿通孔61に挿入したときに、プラグボディ90の外周面とプラグ挿通孔61の内周面との間に指が入らない程度の所定の隙間が形成される。すなわち、プラグ挿通孔61をプラグボディ90のサイズ・形状に応じた孔サイズ・孔形状に形成し、栓刃91が刃受部41に接触する位置までプラグBがプラグ挿通孔61に挿入された際に、使用者のプラグBを握った手などの指がプラグBとプラグ挿通孔61との隙間を通じてその隙間の内方に位置する栓刃91に触れないように、その隙間を指が入りえないサイズに狭くした。さらに、化粧カバー60を貫通するプラグ挿通孔61を比較的深い所定深さで設け、指が隙間から数mm入ったとしても届きえない位置まで栓刃91が奥方へ離れてから、栓刃91が刃受部41に接触する構造とした。よって、プラグボディ90とプラグ挿通孔61との隙間に指が入ることを防止でき、栓刃91に指が触れる事態を回避できる。
(5)扉体80は、閉じた状態において3つの差込口52の全てを覆うように形成されている。このため、扉体80が閉じた状態ではコンセントブロックAの差込口52の全てが扉体80により覆われることになるため、扉体80による差込口52の防水効果を期待できる。
(6)コンセント本体20は、露出コンセントブロック用のコンセント本体をベースとし、扉体80が回動可能に設けられた扉付き化粧カバー30を、露出コンセントブロック用の化粧カバーに替えて、コンセント本体20に取り付けて製造される。よって、露出コンセントブロック用のコンセント本体を流用し、部品の共通化を図り、露出コンセントブロック用の化粧カバーに替えて、扉付き化粧カバー30をコンセント本体20に取付けることで、プラグ抜け止め機能付きのコンセントブロックAを比較的簡単に製造できる。
(7)ところで、特許文献1に示すようなプラグをコンセントブロックに接続した後に所定角度回転させることにより、プラグの栓刃に設けられた透孔にコンセントブロックの刃受に設けられた突起が入り込み、プラグをコンセントブロックから抜け止めする構造では、刃受の弾性変形する量が大きく、刃受が弾性変形を繰り返すと、刃受のばね性が低下することにより、栓刃の透孔に刃受の突起が入らなくなってしまう。その結果、プラグの挿抜を繰り返すうちに抜止機能が低下し、同抜止機能を果たさなくなってしまう場合がある。
その点において、本実施形態では、プラグと刃受との間に抜止機構が設けられていない構造、すなわち、扉体80の回動により差込口52の全体を開閉する構造であるため、プラグBの栓刃91による刃受部41,42の弾性変形の量が抑制されるため、特許文献1のような抜止機能の低下を抑制することができるようになる。
(8)特許文献1に示すようなプラグをコンセントブロックに接続した後に所定角度回転させることにより、プラグの栓刃に設けられた透孔にコンセントブロックの刃受に設けられた突起が入り込み、プラグをコンセントブロックから抜け止めする構造では、プラグを所定角度回転させる作業を忘れてしまう可能性がある。その結果、例えばプラグが抜けることにより予期せず電気機器の動作が停止したり、プラグの栓刃と刃受との接触面積が減少することにより接触抵抗が増大して高熱が発生したりする問題が生じる恐れが未だに残されていた。
その点において、本実施形態では、ばね75の付勢力により、プラグBの栓刃91が差込口52に挿入されたときに自動的に仕切壁86がプラグボディ90の突起部94と係合してプラグBを係止するため、上記のプラグが抜けることに起因する問題をより抑制することができる。
(9)また、本実施形態では、化粧カバー60にプラグ挿通孔61を設け、このプラグ挿通孔61内にプラグボディ90の一部が挿入される構成としている。したがって、プラグBの栓刃91を差込口52に挿入するときには、プラグボディ90とプラグ挿通孔61との隙間を小さくすることができる。その結果、その隙間を通じて、使用者の手の指が栓刃91に触れることを抑制することができる。
(10)ところで、一般に、差込口を覆う扉体を開閉可能に設けた場合、プラグを挿入するために扉体を開け、プラグを抜いた後に扉体を閉め忘れる場合がある。この場合においては、例えば屋外用コンセントブロックの付近において洗車をしていたときには、洗車に使用している水が差込口に侵入してしまう可能性がある。
その点において、本実施形態では、扉開閉機構70にばね75を設けて扉体80を常にプラグ挿通孔61に向かい付勢するようにしているため、扉体80の閉め忘れを回避することができるようになる。
(11)本実施形態では、扉体80の基部80aに規制部87が設けられる構成である。この構成によれば、規制部87にプラグボディ90の突起部94が収納されることにより、差込口52に対するプラグBの左右方向Yの位置が決定されるようになる。したがって、差込口52に対するプラグBの左右方向Yの位置合わせが容易となる。
ところで、防水コンセントブロックでは、差込口に雨水が侵入するのを抑制する目的として、差込口が下方に向かい開口している構造が知られている。またこのような防水コンセントブロックでは、使用者が差込口を視認することが困難であり、プラグをコンセントブロックに接続する作業が煩雑であった。
その点、本実施形態では、規制部87によってプラグBの差込口52に対する左右方向Yの位置が決定するため、その状態においてプラグBを栓刃挿抜方向Vに移動するのみにて、プラグBをコンセントブロックAに接続することが可能となる。
(12)本実施形態では、規制部87に突起部94が収納された状態において、接地用栓刃91bの先端部91b1が接地用挿入孔52bに挿入されている構成である。したがって、規制部87に突起部94が収納されることにより、上述のプラグBの差込口52に対する左右方向Yの位置が決定されることに加えて、栓刃91の差込口52に対する位置が決定されるようになる。その結果、コンセントブロックAにプラグBをより容易且つ確実に接続することができる。
(13)本実施形態では、扉体80に傾斜部89が設けられる構成である。したがって、プラグBを規制部87から挿入方向に移動するのみにて、仕切壁86(規制部87)を乗り越えることができる。すなわち、プラグBが仕切壁86(規制部87)を乗り越えるために使用者が別途扉体80を手で開方向に移動させる必要がない。その結果、プラグBをコンセントブロックAに容易に接続することができる。
また、傾斜部89は仕切壁86の前方に接続される構成である。したがって、プラグBの保持面94dと仕切壁86との当接によって、仕切壁86が前方に変形したり破損したりすることを抑制している。すなわち、傾斜部89は仕切壁86の補強を兼ねている。
(14)本実施形態では、プラグBのコンセントブロックAへの接続が完了した状態において、仕切壁86が保持面94dと当接する構成である。したがって、プラグBが不用意にコンセントブロックAから抜けてしまうことを抑制することができる。
ところで、上述のプラグのコンセントブロックからの抜け止めの機構としては、栓刃及び端子板の刃受部にそれぞれ係合部を設け、プラグがコンセントブロックに接続された状態において、各係合部が互いに係合して抜け止めを行うものが知られている。しかしながら、このような抜け止め機構では、この抜け止め機構が省略された刃受部と比較して、刃受部の弾性変形が大きくなってしまう。したがって、刃受部のばね性が低下しやすい問題がある。
その点、本実施形態では、扉体80に仕切壁86が設けられ、プラグボディ90に保持面94dが設けられる構成であるため、栓刃91と刃受部41とによって抜け止め機構を構成していない。したがって、栓刃及び刃受部に抜け止め機構を設ける場合と比較して、プラグBをコンセントブロックAに挿抜する回数を増大してもコンセントブロックAからプラグBを抜け止めする機能を維持することができる。
(15)本実施形態では、扉体80に凹所81が設けられ、この凹所81に規制部87及び仕切壁86が設けられる構成である。この構成によれば、基部80aより閉方向に規制部87及び仕切壁86が設けられる扉体と比較して、プラグBをコンセントブロックAに挿入する際の扉体80を開方向に開く回転量を低減することができる。したがって、扉体80を開くための力を少なくすることができるため、プラグBをコンセントブロックAに容易に挿入することができる。
(16)本実施形態では、規制部87に対応する接続部85には前方傾斜面85aが設けられる構成である。この構成によれば、突起部94が規制部87に収納される際に、前方傾斜面85aによって突起部94が底面84に案内されるようになる。したがって、突起部94を規制部87に容易に収納することができる。
(17)本実施形態では、接続部85には側方傾斜面85bが設けられる構成である。この構成によれば、プラグボディ90の突起部94が規制部87の底面84に対して左右方向に異なった位置に配置したとしても、側方傾斜面85bに接触することにより、突起部94を底面84に案内するようになる。したがって、突起部94を規制部87に容易に収納することができる。
(18)本実施形態では、基部80aは化粧カバー60よりも上方に突出する構成である。したがって、扉体80の突出部をプラグボディ90または使用者の指によって引っ掛けることにより、扉体80を閉状態から容易に開方向に移動させることができる。その結果、コンセントブロックAの使い勝手が良くなる。特に、基部80aの突出した部位をプラグボディ90によって引っ掛ける場合には、プラグBをコンセントブロックAに接続する一連の動作がプラグボディ90によって行われるため、使用者は片手にて上記動作を行うことができる。
(19)本実施形態では、突起部94の幅H1と平面84aの幅H2とが略同一に形成される構成である。したがって、突起部94の左右方向への移動が規制されるようになる。その結果、プラグBをコンセントブロックAへの挿入を容易に行うことができる。
(20)本実施形態では、扉体80が後方から前方に向かい回転する方向を開方向とするとともに、規制部87が基部80aの表面側に設けられる構成である。したがって、扉体80を開状態としたときに、使用者は規制部87の位置を視認することができる。したがって、突起部94を規制部87に収納する作業を容易に行うことができるようになる。
(21)本実施形態では、プラグBがコンセントブロックAに接続された状態において、仕切壁86及び保持面94dのそれぞれが栓刃挿抜方向Vに対して垂直に形成され、且つ仕切壁86と保持面94dとが面接触する構成である。したがって、仕切壁86がプラグBの抜去方向の力を正面にて受けるようになるため、プラグBのコンセントブロックAに対する抜け止め機能を向上させることができる。
(22)本実施形態では、プラグボディ90には平面形状の当接面96が形成される構成である。したがって、当接面96が省略され、プラグボディ90の当接面と対応する部位が円筒形状である構成と比較して、仕切壁86と保持面94dとの係合量を増大することができる。
(23)本実施形態では、扉体80を閉状態にするためにばね75が設けられる構成である。この構成によれば、扉体80を開状態から閉状態に自動的に回転することができる。したがって、扉体80の閉め忘れを防止することができる。
(24)本実施形態では、化粧カバー60の前面60aに前後方向Xに所定深さのプラグ挿通孔61が設けられ、プラグ挿通孔61を内周面とする円筒状凹部の底面(奥面)に位置するボス部51に差込口52が設けられる構成である。したがって、プラグBをコンセントブロックAに挿入する際に、栓刃91と使用者の指とが接触した状態にて栓刃91と刃受部41とを接続することを抑制することができる。
(25)本実施形態では、プラグ挿通孔61の内径とプラグボディ90のプラグ挿通孔61に挿入される部位の外径とが略同一に形成されるため、すなわち、プラグ挿通孔61とプラグボディ90との間に形成される隙間が僅かとなる構成である。したがって、プラグ挿通孔61とプラグボディ90との間に使用者の指が入ってしまうことを抑制することができる。その結果、上記の栓刃91と使用者の指とが接触した状態にて栓刃91と刃受部41,42とを接続することを抑制する効果をより一層向上することができる。
また、プラグBをコンセントブロックAに接続した状態において、ケーブル92を引っ掛ける等によってプラグBに力が加わり栓刃挿抜方向Vに対して傾こうとしても、プラグボディ90がプラグ挿通孔61に接触することにより、プラグBの栓刃挿抜方向Vに対する傾きが抑制されるようになる。その結果、栓刃91が折れ曲がることや差込口52が破損するといった不具合を抑制することができる。
(26)本実施形態では、扉体80は化粧カバー60の前面60aに対して、その全周に亘り当接する構成である。したがって、扉体80が前面60aと当接しない構成または扉体80が前面60aと一部のみが当接する構成と比較して、扉体80と化粧カバー60との間からコンセントブロックAの内部に水が侵入することを抑制することができる。
また、特にばね75により閉状態においても、扉体80が前面60aに対して付勢された状態であるため、扉体80と前面60aとの間に形成される隙間を低減することができる。したがって、扉体80と化粧カバー60との間からコンセントブロックAの内部への水の侵入を抑制する効果をより一層向上することができる。
(27)本実施形態では、基部80aの前方の端部に湾曲凹部83が設けられる構成である。したがって、使用者が指で扉体80を開く場合には、湾曲凹部83に指を引っ掛けて扉体80を開けることができる。その結果、使用者の指にて扉体80を容易に開くことができる。
(28)本実施形態では、プラグボディ90に位置表示部95が設けられる構成である。したがって、使用者が位置表示部95を視認することによって栓刃91の配列状態と差込口52とを合致させることができる。したがって、コンセントブロックAにプラグBを容易に挿入することができる。
(第2の実施形態)
本発明のコンセントブロックを具体化した第2の実施形態を、図10〜図12を用いて説明する。なお、本実施形態のコンセントブロックAの差込口55は、上下方向に沿って延びる縦長の矩形状に開口する一対の電源用挿入孔55aと、一対の電源用挿入孔55aの下方に隣合う位置に形成された接地用挿入孔55bから構成されている。その他、コンセント本体20、化粧カバー60やそのプラグ挿通孔61などは、前記第1の実施形態と同様の構成である。本実施形態のコンセントブロックAでは、前記第1の実施形態と扉体の構成が一部異なるとともに、防水構造が設けられている点に特徴がある。
図10に示すように、扉体100の扉本体110には、その前後方向の後方において、回転機構のシャフト71(図11参照)を挿入するための略円筒形状のシャフト保持部111と、その前後方向Xの前方において、使用者の手によって扉体100を回動させるための把持部112とが設けられている。化粧カバー60の前面60aにはプラグ挿通孔61の下側の位置に、一対のシャフト保持部65が左右方向Yに所定の間隔をおいて突出形成されている。扉体100は、シャフト保持部111及び一対のシャフト保持部65に共通に保持されたシャフト71を中心に回動可能な状態で化粧カバー60の前面60aに取付けられている。なお、シャフト71の周りには、前記第1実施形態におけるばね75と同様の機能をもつばね(図示せず)が扉回転機構の一部として装着されており、扉体100はばねの付勢力により閉方向へ付勢されている。
図10に示すように、扉体100において前面60aと相対するその内面上の略中央部には、プラグB(図11参照)と係合可能な保持部120が突設されている。この保持部120は、左右方向Yに所定間隔を持って配列された3個の爪部121と、これら爪部121を連結する連結部122とにより構成されている。
爪部121には、その前後方向Xの前側に、後方に向かうに連れて上方に向かい傾斜する傾斜部121aと、その前後方向Xの後側に、傾斜部121aの頂部から下方に向かう過程で左右方向Yの平面視で略L字形状の面をなす段形状に形成された段部121bとが設けられている。また、連結部122は、左右方向Yに延びることにより爪部121の前後方向Xの後方の端部を互いに接続する態様にて設けられている。
この第2の実施形態では、図10に示すように、扉本体110の周縁位置にゴム等の圧縮可能な弾性部材125を取り付ける構成としている。この弾性部材125は、図10に示すように、扉体100が閉状態となるときには、扉本体110と化粧カバー60におけるプラグ挿通孔61の周縁部分との間に圧縮された状態にて挟まれる。これにより、扉本体110と弾性部材125との間、及び弾性部材125と化粧カバー60におけるプラグ挿通孔61の周縁部分における壁面との間の密着性を向上させることができる。従って、扉体100が閉状態において、コンセントブロックAの差込口55への水の浸入を防止する防水性能の向上を図ることができる。なお、本実施形態では、弾性部材125が防水付与部に相当する。
図11に示すように、扉体100によるプラグBの係止機能は基本的に前記第1の実施形態と同様であるが、本実施形態のプラグBには突起部94が設けられておらず、採用されるプラグBのボディ形状に合わせて、保持部120はプラグボディ90の係合可能な所定部位と係合できるようにその位置及び形状が設定されている。
図11に示すように、プラグBの栓刃91が差込口55へ挿入されたときには、プラグボディ90の背面97に保持部120の段部121bが当接した状態となる。これにより、プラグBが挿入方向の手前側に移動することが規制されている。より具体的には、プラグボディ90の背面97は段部121bの図11における上下方向と平行な壁面(規制面)に当接することでプラグBの抜去方向への移動が規制されるとともに、プラグボディ90の背面97より栓刃側の外周面の下部が段部121bにおける図11の左右方向と平行な壁面(支持面)に当接することで段部121bによるプラグBとの係止量が規定されている。
例えば段部121bをそ規制面が図11における上下方向により長く延びた形状とした場合、段部121bとプラグボディ90とが深く係合する。この場合、プラグBをコンセントブロックAから抜くときに、プラグボディ90と保持部120との係合が外れにくくなる。これに対して、本実施形態の保持部120は、プラグボディとの係合箇所が段形状に形成された段部121bとしているので、プラグBの抜け止め効果と、プラグが外し易い効果との両方を得ることができる。特に、扉体100がばねにより閉方向に付勢された構成なので、プラグ抜き取り時にプラグボディ90と保持部120との係合を外すためには、使用者が扉体100をばねの付勢力に抗して一旦少量開き側へ移動させる必要がある。しかし、この実施形態では、段部121bとプラグボディとの係合は比較的浅いので、ばねの付勢力に抗して扉体100を一旦開き方向へ移動させる移動量が少なく済み、比較的軽い操作でプラグBを抜き取ることができる。
また、コンセントブロックAの不使用時は、図12に示すように、扉体100の弾性部材125が化粧カバー60の前面60aに当接した状態に保持される。このとき、扉体100はばねの付勢力により前面60aに押し当てるように保持されており、その付勢力により扉本体110と前面60aとの間で弾性部材125は挟まれて圧縮変形するので、扉体100と化粧カバーとの間はほぼ水密状態に保持される。このため、第2実施形態のコンセントブロックAにおいては、差込口55に水が入ることを防止する防水効果を一層高めることができる。
また、コンセントブロックAの前面には、プラグBの栓刃91の挿入方向において奥側に凹むとともに、平面視において円形となるプラグ挿通孔61の内周面とボス部51とにより囲まれた有底円筒状の凹部が設けられている。この凹部には、プラグボディ90の栓刃側の一部が挿入されることになる。
ところで、扉体100の扉本体110に保持部120を設けた場合、保持部120の収納部をコンセントブロックA側に設ける必要がある。すなわち、コンセントブロックA側に保持部120の収納部を設けない構成とすると、扉体100が前面60aに当接する前に、保持部120とボス部51とが当接してしまうことにより、扉体100と前面60aとの間に空間が形成されてしまう。その結果、コンセントブロックAの防水性能が低下してしまう場合がある。一方、保持部120の収納部をコンセントブロックA側に設ける構成においても、その保持部120を収納するためだけの部位を専用に設ける構成としてしまうと、コンセントブロックAの形状が複雑となるとともにコンセントブロックAが大型化してしまう場合がある。
その点において、本実施形態のコンセントブロックAは、扉体を閉じたときの保持部120をプラグ挿通孔61内に収納する構成としている。したがって、扉体100を閉じた状態において、保持部120がボス部51に当たる干渉を回避しつつ、扉体100と前面60aとの当接状態を良好に維持することができる。
(その他の実施形態)
・防水構造は前記第2の実施形態の構成に限定されない。例えば、防水付与部は弾性部材125に限定されない。図13に示す扉体100のように、扉本体110のその内面周縁にその内面に対して鉛直方向に向かい突出する周壁部127を設けた構成としてもよい。この周壁部127は、扉本体110の図13における左右方向Yの両側部の2辺及び前後方向Xの前方の1辺において各辺の全長に亘り設けられている。この構成によっても、扉体100の閉状態において、ばねの付勢力により閉方向に付勢された周壁部127が前面60aに押し付けられることにより防水機能を発揮できる。そのため、コンセントブロック不使用時には、閉状態にある扉体100と化粧カバー60とが少なくとも3辺ではほぼ水密状態に密接するので、差込口55に水が浸入することを防止できる。
・また、第2の実施形態において、弾性部材125は、化粧カバー60の前面60aに取り付けることもできる。さらに、扉体と化粧カバーの両方に弾性部材を設けてもよい。これらの構成においても、コンセントブロックAの防水性能の向上を図る効果を奏することができる。
・上記各実施形態では、プラグ挿通孔61を、プラグボディとの間に指が入りえない隙間ができるようにその孔サイズ・孔形状を設定したが、プラグボディ90が入る任意の孔サイズ・孔形状にしてもよい。また、プラグ挿通孔61の深さについても、任意の深さを設定してもよい。さらには、プラグ挿通孔61を廃止した構成も採用できる。例えば化粧カバーの扉体が閉状態においてコンセント本体20の差込口側の前面50aに当接する構成も採用できる。この構成においても、上記各実施形態の各効果を得ることができる。
・扉体は必ずしも差込口を覆う扉機能を有していなくてもよい。例えば、扉体は一部の差込口を覆うだけの構成でもよい。例えば電源用挿入孔52aを覆うだけの構成でも構わない。この構成であっても、プラグBの係止機能は得られるので、プラグ差込時の面倒な操作なくプラグを差込状態で係止できる。さらには、係止部が設けられた扉体が差込口を覆う機能を有しない構成も採用できる。すなわち、差込口の扉機能を備えず、プラグを差込状態にロックするプラグの係止機能を備える構成である。この構成でも、プラグ差込時に、差込操作の後に抜止機能を発揮させるための面倒な回動操作をしなくても、プラグを抜止状態にロックすることはできる。もちろん、このような構成において、係止部を有しない第2の扉体を設け、この第2の扉体により差込口を覆う構成としてもよい。
・露出コンセントブロック用のコンセント本体を流用する構成に限定されない。コンセントブロックA専用のコンセント本体を製造し、このコンセント本体に扉付き化粧カバー30を取付けてコンセントブロックAを製造しても構わない。
・扉体の回動中心は、化粧カバーの前面におけるプラグ挿通孔の直ぐ下側の位置に限定されない。例えば、扉体の回動中心を化粧カバーの前面下端部に配置し、化粧カバーの前面を扉体で覆う構成も採用できる。この構成であれば、コンセントブロックAの前面60aが扉体で覆われるので、コンセントブロック前面における凹凸感を抑えて意匠的な効果を期待できる。化粧カバーにおいて扉体の下側部分を前方へ突設し、扉体の閉状態においてコンセントブロックの前面が扉体の部分と化粧カバーの前面が露出した部分とで、ほぼ面一になり前面の凹凸感が抑えられた構成も採用できる。
・扉体の開閉方向は適宜選択してよい。前記各実施形態では、扉体は上開きの開閉構造であったが、下開きや横開きの開閉構造とすることもできる。
・上記各実施形態では、コンセントブロックAを充電スタンドに適用したが、本発明のコンセントブロックはこれに限定されることはない。例えばその他の屋外用コンセントブロックに適用したり、室内用コンセントブロックにも適用することができる。