JP2011122909A - 検査用治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 部品点数及び組立工数が少なく、電極部と安定して接触できる検査用治具及び検査用治具に用いる検査用プローブの提供。
【解決手段】 先端部が検査点に接触し、後端部が電極部に接触する検査用プローブと、複数の電極部を有する接続体と、検査用プローブを保持する保持体とを有する検査用治具及びこれに用いる検査用プローブ。検査用プローブは、後端部に球形状の接触部を有している。保持体は、検査用プローブの前記後端部を電極部へ案内するための貫通孔が形成された板状の基礎部を有しており、この電極部側表面に弾性を有するシート部を備えている。検査用プローブは、保持体に挿入され、後端部がシート部で係止される。保持体が接続部に取り付けられると、シート部は変形し、その復元力によって後端部を電極部に圧接させる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、被検査物の検査対象部上に予め設定される検査点とこの検査を実施する検査装置とを電気的に接続する検査用治具に関する。
検査用プローブが取り付けられる検査用治具は、この検査用プローブを経由して、被検査物が有する検査対象部に、検査装置から電流或いは電気信号を所定検査位置に供給するとともに、検査対象部から電気信号を検出することによって、検査対象部の電気的特性の検出、動作試験の実施等をする。
被検査物としては、例えば、プリント配線基板、フレキシブル基板、セラミック多層配線基板、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ用の電極板、及び半導体パッケージ用のパッケージ基板やフィルムキャリアなど種々の基板や、半導体ウェハや半導体チップやCSP(Chip size package)などの半導体装置が該当する。
被検査物が例えば基板であり、それに搭載されるものがIC等の半導体回路や抵抗器やコンデンサなどの電気・電子部品の場合には、基板に形成された検査対象部が配線や電極になる。その場合には、検査対象部の配線が、それらに電気信号を正確に伝達できることを保証するために、電気・電子部品を実装する前のプリント配線基板、液晶パネルやプラズマディスプレイパネルの配線が形成された回路基板に設けられた検査点間の抵抗値やリーク電流等の電気的特性を測定し、その測定結果に基づいて、その配線の良否を判断している。
ここで、例えば特許文献1に開示される印刷配線基板検査用装置は、検査用接触子と、被検査基板と検査用接触子を接続するためのアダプターピンと、アダプターピンを保持する保持手段を備える。アダプターピンの一方の端部には球状体に形成された頭部を備え、他方の端部には印刷配線基板の検査用接触部と接続する接触端部を備える。そのアダプターピンの頭部には、検査接触子から突出する接触先端部が当接しており、接触先端部はスプリングによって突出する方向に付勢されている。
しかしながら、特許文献1に示される基板検査用装置では、アダプターピンの両端部をそれぞれ検査接触子の接触先端部及び基板の検査用接触部と適切に接触させるために、アダプターピンとは別体の検査接触子にスプリングを設けてある。そのため、検査用プローブとしては、アダプターピン及び検査接触子を必要とするとともに検査接触子の接触先端部をアダプターピンの頭部に当接させる必要があり、部品点数及び組立工数が多くなっている。また、部品点数が多いため、部品同士の接触部分も多くなっている。
また、検査接触子は微細である為、その製造及び組立を比較的容易にする必要がある。更に検査接触子と電極部との接触抵抗値の問題から検査接触子を安定して電極部と接触させる必要がある。
特開昭60−114777号公報
そこで、本発明は、部品としてのスプリング等を撤廃することで部品点数及び組立工数が少なく、電極部と安定して接触できる検査用治具及び検査用治具に用いる検査用プローブを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、先端部が検査対象物上に設定される所定検査位置と導通接触する検査用プローブと、前記検査用プローブの後端部と夫々導通接触する複数の電極部を有する接続体と、前記検査対象物と前記接続体との間に配置されるとともに前記検査用プローブを保持する保持体とからなる検査用治具であって、前記検査用プローブは、一方端に前記先端部を有し、可撓性を有する円柱状の導電性の導体部と、前記導体部の他方端に接続され、該他方端と一体的に形成されるとともに、該他方端の外径よりも大きい直径を有する球形状の接触部を有し、前記保持体は、前記検査用プローブの前記後端部を電極部へ案内するための貫通孔が形成された板状の基礎部を有し、前記基礎部は該基礎部の前記電極部側の表面に弾性を有するシート部を備え、前記導体部が前記貫通孔に貫通挿入され、前記接触部が前記電極部に圧接されるように前記基礎部が配置されることを特徴とする検査用治具を提供する。
請求項2記載の発明は、先端部が検査対象物上に設定される所定検査位置と導通接触する検査用プローブと、前記検査用プローブの後端部と夫々導通接触する複数の電極部を有する接続体と、前記検査対象物と前記接続体との間に配置されるとともに前記検査用プローブを保持する保持体とからなる検査用治具であって、前記検査用プローブは、前記所定検査位置に導通接触する前記先端部となる一方端部と、前記電極部に導通接触するとともに前記一方端部よりも幅広に形成される球形状の他方端部と、前記一方端部と前記他方端部の間に配置され、前記一方端部と前記下方端部を近接離反可能に移動させる導電性のばね部を有し、前記保持体は、前記検査用プローブの前記後端部を電極部へ案内し、前記一方端部より幅広で前記他方端部より幅狭に形成される貫通孔を有する板状の基礎部を有し、前記基礎部は該基礎部の前記電極部側の表面に弾性を有するシート部を備え、前記検査用プローブが前記貫通孔に貫通挿入され、前記接触部が前記電極部に圧接されるように前記基礎部が配置されることを特徴とする検査用治具を提供する。
請求項3記載の発明は、前記複数の電極部が、該電極部が形成される同一表面において、相互に接続される導通接続部を有することを特徴とする請求項1又は2記載の検査用治具を提供する。
請求項4記載の発明は、前記複数の電極部のうち、一部の前記検査用プローブと電気的に接続される前記電極部が、検査装置と電気的に接続されることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の検査用治具を提供する。
請求項5記載の発明は、前記保持体が、長さの相違する複数の前記検査用プローブを保持することを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の検査用治具を提供する。
請求項6記載の発明は、検査対象物の検査対象上面に対向して配置される上側検査用治具と、該検査対象物の検査対象下面に対向して配置される下側検査用治具とからなる一対の検査用治具であって、前記下側検査用治具は、先端部が検査対象物上に設定される所定検査位置と導通接触する検査用プローブと、前記検査用プローブの後端部と夫々導通接触するとともに検査対象物の検査を実施する検査装置と接続される複数の電極部を有する接続体と、前記検査対象物と前記接続体との間に配置されるとともに前記検査用プローブを保持する保持体とからなり、前記上側検査用治具は、請求項1又は請求項2に記載の検査用治具であることを特徴とする上下一対の検査用治具を提供する。
請求項7記載の発明は、前記上側検査用治具の有する前記複数の電極部が、該電極部が形成される同一表面において、相互に接続される導通接続部を有することを特徴とする請求項6記載の検査用治具を提供する。
請求項1記載の発明によれば、球形状の接触部を備え可撓性を有する検査用プローブの後端部が、保持体の基礎部が備える弾性を有するシート部と電極部の間に配置されることにより、検査用治具及び検査用プローブの部品点数を低減し、且つ安定して電極部と接触することができる。
請求項2記載の発明によれば、球形状の接触部とばね部を備える検査用プローブの後端部が、保持体の基礎部が備える弾性を有するシート部と電極部の間に配置されることにより、検査用治具及び検査用プローブの部品点数を低減し、且つ安定して電極部と接触することができる。
請求項3記載の発明によれば、検査装置と直接接続される電極部の数を低減し、低コスト化を図ることができる。
請求項4記載の発明によれば、電気信号入出力用の電極及びそれに接続される導線を他の電極や導線とは別に設けることによって、より簡易に検査用治具の入出力用のラインを設計できる。
請求項5記載の発明によれば、電気信号入出力用の電極及びそれに接続される導線や検査用プローブを他の電極や導線、検査用プローブとは別に設けることによって、より簡易に検査用治具の入出力用のラインを設計できる。
請求項6記載の発明によれば、球形状の接触部を備え可撓性を有する検査用プローブ又は球形状の後端部とばね部を備える検査用プローブの後端部が、保持体の基礎部が備える弾性を有するシート部と電極部の間に配置されることにより、検査用治具及び検査用プローブの部品点数を低減し、且つ安定して電極と接触することができる。また、上下一対の治具とすることで、検査点を被検査物の上下両面に有し、上下の検査点が被検査物の内部で導通するように配線されている被検査物の検査に用いることができる。
請求項7記載の発明によれば、上側検査用治具の検査装置に接続される電極部の数を低減することができる。また、検査装置が、下側検査用治具から被検査物の検査点に電気信号を入力し、上側検査用治具の導通接続部と検査用プローブを介して下側検査用治具から出力された信号を下側検査用治具を通じて検査装置が検出することができる。また、このような検査用治具を製造するコストを、従来の治具の製造コストと比して、極めて低減できるので、製品になる基板のみならず、試作品の基板に対しても検査用治具を製作することができるようになり、基板製作の際のプロセス管理に用いることができる。
本発明の一実施形態に係る検査用治具の概略の構成を示す側面図である。 (a)は本検査用治具10に用いる検査用プローブ20の側面図である。(b)は、検査用プローブ20を保持体11に取り付けた際の概略断面図である。ただし、説明の都合上、検査用プローブ20は断面図として示していない。 本検査用治具を組み立てる際の一工程を示す断面図であり、保持体11及び接続体15の断面図である。ただし説明の都合上、検査用プローブ20は断面図として示していない。 本検査用治具10の接続体の(a)概略断面図及び(b)電極部16が形成される表面を示す概略底面図である。尚、(a)の断面図は、(b)のA‐A線における断面図である。 (a)は本発明の第一実施例における検査用治具10が被検査物の検査を実施する状態の概略断面図である。(b)は本検査用治具10の接続体15を一部変更した場合の概略断面図である。ただし説明の都合上、検査用プローブ20は断面図として示していない。 本発明の第二実施例における検査用治具10’の概略断面図である。ただし説明の都合上、検査用プローブ20及び検査用プローブ20’は断面図として示していない。 本発明の第三実施例における検査用治具10’’の概略断面図である。ただし説明の都合上、検査用プローブ21は断面図として示していない。 本発明の第三実施例の検査用治具10’’に用いる検査用プローブ21の側面図である。ただし、説明の都合上、第二筒状部材21bのみを断面図で示している。 本発明の第四実施例における検査用治具10’’’の概略断面図である。ただし説明の都合上、検査用プローブ20は断面図として示していない。
[第一実施例]
図1は、本発明に係る検査用治具10の一実施形態の概略の構成を示す側面図である。図1においては、図面の簡略化の為に三本の検査用プローブ20を示しているが、これらは三本に限られず、検査対象に設定される検査点に応じて本数が決定される。検査用治具10は、複数の検査用プローブ20を保持する保持体11と、複数の電極部16を有する接続体15を備える。保持体11は板状部材であるヘッド部12及び基礎部13を備える。ヘッド部12及び基礎部13は、棒状の支持部材14によって所定の距離を有して保持されている。接続体15は、表面に電極部16が形成される板状の電極保持部151を備え、接続体支持部153により治具ベース部19に取り付けられている。
図1の検査用治具10に用いる検査用プローブ20について説明する。
図2(a)は、図1の検査用治具10に用いる本発明の第一実施例の検査用治具10に係る検査用プローブ20を示す。検査用プローブ20は、導電性を有する先端部201と、導電性を有する接触部203と、それらの間に形成され、導電性を有する円柱形状の導体部202とを備える。
導体部202は後述する保持体11の基礎部13が有する貫通孔13hの内径より僅かに小さい直径を有するように形成され、その一方端には先端部201が一体的に形成され、他方端には後端部203が一体的に形成される(図2(b)参照)。導体部202は導電性の物質で形成されており、例えばタングステンあるいはその合金、ベリリウム銅やニッケル等で形成される。導体部202の形状は図2では円柱形状であるが、多角柱形状であっても良い。
先端部201は、その幅が導体部202の直径と同じか、より小さくなるよう形成される(図2(b)参照)。先端部201は導電性の物質により形成されており、例えばタングステンやその合金あるいはベリリウム銅やニッケル等により形成される。先端部201を形成する物質は、導体部202と異なる物質であっても良いが、同一の物質であることが好ましい。導体部202の一方端を加工して先端部201を形成する方法が、先端部201の容易な形成方法であるからである。先端部201の形状は、図2では円錐形状であるが、この形状に限らず、被検査物に確実に接触できる形状であれば良く、例えば円柱形状、半球形状、クラウン形状、楔形状などに形成される。尚、先端部201に磨耗を防止するためのロジウムめっき、あるいは導電率を良くするための金めっき等のめっき処理を施すこともできる。
接触部203の形状は球形状であり、その直径は導体部202の直径より大きく形成される(図2(b)参照)。接触部203は導電性の物質により形成されており、例えばタングステンやその合金あるいはベリリウム銅やニッケル等により形成される。接触部203を形成する物質は、導体部202と異なる物質であっても良いが、同一の物質であることが好ましい。導体部202の他方端を溶融して球形状に形成する方法が、接触部203の容易な形成方法であるからである。後端部203は、貫通孔13hの直径より広い幅を有し、且つ電極部16に確実に接触する形状に形成されていれば良く、例えば半球形状、矩形状、円柱形状等にも形成されるが、図2(a)で示される如く、球形状に形成されることが好ましい。詳細は後述するが、球形状の接触部203の一部から突出するように導体部202が形成されることにより、保持体11に挿入された検査用プローブ20の接触部203は、電極部16とシート部131に球面で接触し、接触部203が、シート部131に保持されて、電極部16に安定して接触することができる。
次に、検査用治具10の構造について説明する。
図3は、保持体11及び接続体15の断面図である。
保持体11は、検査用プローブ20を保持するヘッド部12及び基礎部13を備え、ヘッド部12及び基礎部13を合わせた長さは、少なくとも導体部202の長さより短い厚さを有する。ヘッド部12及び基礎部13は、棒状の支持部材14によって、少なくとも検査用プローブ20の導体部202より短い所定の距離を有して保持されている(図2(b)参照)。
ヘッド部12は、樹脂あるいはセラミックス等の絶縁性の板状部材であり、第一板状部材13a及び第二板状部材13bを積層することにより形成されている(図2(b)参照)。また、ヘッド部12は、検査用プローブ20の導体部202の外径より僅かに大きい内径を有する複数の貫通孔12hを有している。図2(b)では、ヘッド部12は、二枚の板状部材により形成されているが、1枚の板状部材であっても良いし、三枚以上の板状部材を積層して形成しても良い。
複数の貫通孔12hは、板状部材のヘッド部12に板の表面から裏面に貫通して複数設けられている。検査用プローブ20は、後述する基礎部13の電極部16側から保持体11に挿入され、この貫通孔により先端部201が所定の検査点30aの位置に案内される。この貫通孔12hは、内径の異なる第一孔12h1と第二孔12h2、及び第三孔12h3と第四孔12h4を同軸上に配置して連通連結した貫通孔として形成される(図2(b)参照)。
第一板状部材12aは、第一孔12h1と第二孔12h2を有しており、第二板状部材12bは、第三孔12h3と第四孔12h4を有している。
第一孔12h1は、第二孔12h2よりも基礎部13側に形成され、検査用プローブ20の導体部202の外径より僅かに大きい内径を有して形成される。
第二孔12h2は、第一孔12h1よりも基板30側に形成され、第一孔12h1の外径より大きい内径を有して形成されることが好ましい。
第三孔12h3は、第四孔12h4よりも基礎部13側に形成され、第二孔12h1と同一の内径を有して形成されることが好ましい。
第四孔12h4は、第三孔12h3よりも基板30側に形成され、第一孔と同一の内径を有して形成されることが好ましい。
この貫通孔12hは、検査用プローブ20の導体部202の直径が小径である際に、機械加工による小径の貫通孔の成形を容易にしつつ板状部材の強度を確保するために、一つの板状部材につき二つの異なる内径を有する孔として形成されている。このため、機械加工による貫通孔の成形が容易であれば、特にこの形状に限定されるものではなく、一つの内径のみを有する孔として形成しても良い。、あるいは、必要に応じて三以上の異なる内径を有する孔として貫通孔12hを形成しても良いことは言うまでもない。
基礎部13は、ヘッド部12と同様に、樹脂あるいはセラミックス等の絶縁性の板状部材からなり、第一板状部材13aと第二板状部材13bを積層して形成されている(図2(b)参照)。
第一板状部材13aは、電極部16側表面にシート部131(後述する)を備えており、反対側の面には第二板状部材13bが積層されている。また、第一板状部材13aは、電極部16側表面から反対側の面にかけて貫通する第一孔13h1と第二孔13h2を有している。第二板状部材13bは、第一板状部材13a側の面から、反対側の面であるヘッド部12側表面にかけて貫通する第三孔13h3と第四孔13h4を有している。
図2(b)では、基礎部13は、上述の二枚の板状部材を積層して形成されているが、一枚の板状部材であっても良く、あるいは三枚以上の板状部材を積層して形成しても良い。
基礎部13は、電極部側の表面に少なくとも接触部203の直径より小さい所定の厚さを有するシート部131を備えており、このシート部131は所定の弾性特性を有するシート状の部材である。シート部131は一枚のシートであっても良いし、複数枚のシートを積層したものであっても良い。このシート部131は、弾性特性を有していれば良く、シート部131を構成するシートの材質や枚数等は適宜調整可能である。この弾性特性とは、詳細は後述するが、検査用プローブ20の接触部203が電極部16により圧接されたときに、接触部203に接触しているシート部131が接触部203の形状に応じて変形する程度の弾性特性である。尚、この弾性特性は、接触部203が圧接された際に押圧されたシート部131が、接触部203からの押圧力に応じて変形し、その復元力により接触部203を押圧する弾性を示すことができる特性であることが好ましい。
基礎部13及びシート部131は、複数の貫通孔13hを有し、この複数の貫通孔13hは検査用プローブ20の導体部202の外径より僅かに大きく、後端部203の直径より小さい内径を有する。この貫通孔13hは、貫通孔12hと同様に、内径の異なる第一孔13h1と第二孔13h2と第三孔13h3と第四孔13h4から成る。しかしながら、第一孔13h1と第二孔13h2、及び、第三孔13h3と第四孔13h4は夫々同軸に配置されているが、第二孔13h2と第三孔13h4は、僅かに軸をずらして配置される。これは、図2(b)に示すように、検査用プローブ20が保持体11に挿入される際に、基礎部13表面に対して垂直より僅かに傾きを有して挿入されるからである(詳細は後述する)。このため、第二孔13h2と第三孔13h3は、導体部202が傾斜して貫通孔13hを挿通することができるように配置されることになる。尚、第一孔13h1〜第四孔13h2の配置は、特にこの配置に限定されるものではなく、導体部202が傾斜して貫通孔13hを挿通することができれば良く、例えばすべての孔の軸を相互に僅かにずらして配置することもできる。
第一孔13h1は、第一板状部材13aに設けられ、検査用プローブ20の導体部202の外径より僅かに大きい内径を有して基礎部13の電極部16側表面から所定の深さを有して形成される。
第二孔13h2は、第一板状部材13aに設けられ、第一孔13h1の内径より大きい内径を有して第一板状部材13aの電極部側表面と反対側の面から所定の深さまで第一孔13h1と同軸に形成される。
第三孔13h3は、第二板状部材13bに設けられ、第二孔12h2と同一の内径を有して第二板状部材13bの電極部16側の面から所定の深さを有して形成される。
第四孔13h4は、第二板状部材13bに設けられ、第一孔13h1と同一の内径を有して第二板状部材13bのヘッド部12側表面から所定の深さまで第三孔13h3と同軸に形成される。
図2(b)では貫通孔13は、貫通孔12の場合と同様に、小径の貫通孔を機械加工により容易に成形するために二つの異なる内径を有する四つの孔を配置した貫通孔として形成されている。従って、機械加工による貫通孔13の形成が容易であれば、特にこの形状に限定されるものではなく、同じ径のみを有する一つの貫通孔として形成しても良い。あるいは、必要に応じて三以上の異なる内径を有する孔を連通連結した貫通孔として貫通孔13hを形成しても良いことは言うまでもない。
検査用プローブ20は、貫通孔13hからヘッド部12側に向かって挿入され、検査用治具10に装着されることになる。検査用プローブ20は、平面視において、基礎部13表面に対して垂直より僅かに傾きを有して挿入される。検査用プローブ20がこの貫通孔13hに挿入されたとき、検査用プローブ20は、貫通孔13hの内径と接触部203の直径との差により、貫通孔13hにおいてシート部131表面に係止されることになる。貫通孔13hと貫通孔12hは、複数の検査用プローブ20の導体部202が傾斜した状態で保持されるように配置されている(図3参照)。このように複数の検査用プローブ20が一定方向に傾斜した状態で保持されることで、先端部201が検査点30aに押圧されたときに導体部202は撓むことになる。このため、先端部201は、導体部202の復元力により検査点を安定して圧接することができる。また、このように複数の検査用プローブ20を一定方向に傾斜させて配置することにより、検査用プローブ20同士の接触を防止することもできる。
シート部131表面に係止された検査用プローブ20の接触部203は、保持体11が接続体15に取り付けられるとき、電極部16と圧接される。このとき、接触部203は、電極部16より受ける外力によりシート部131表面を押圧する。押圧されたシート部131はその弾性特性に従い、外力に応じて変形する。変形したシート部131は、その弾性力により接触部203を電極部16に圧接させることになる。そして、複数の接触部203の大きさにばらつきがあっても、そのばらつきをシート部131で吸収することになる。
接続体15は、表面に電極部16が形成される板状の電極保持部151を備えており、接続体支持部153により板状部材である治具ベース部19の一面と所定の距離を有して取り付けられている(図1参照)。ここで言う所定の距離とは、検査用治具10が図示せぬ検査装置に取り付けられて検査装置が検査動作を行ったときに、検査用プローブ20の先端部201が被検査物の検査点に圧接されることができる程度の距離であり、使用者により適宜調整可能である。
電極部16は、絶縁体の板状部材である電極保持部151の保持部11側の同一表面上に複数形成される。電極部16は導電性の物質により形成されており、導電性の素材に金めっきを施して形成されることが好ましい。複数の電極部16は、エッチング等により一括して形成されることが好ましい。
図4(a)は接続体15の概略断面図であり、(b)は(a)の接続体の概略底面図である。図4(a)、(b)に示すように、電極保持部151は、その同一表面上に複数の電極部16を相互に接続する導通接続部16aを有している。導通接続部16aは複数の電極部16を電気的に接続する。導通接続部16aは導電性の物質により形成されており、電極部16と同じく金めっきにより形成されることが好ましいが、異なる物質で形成されても良い。図では二つの電極部16が導通接続部16aにより接続されているが、三つ以上の電極部16が接続されるように形成しても良い。また、導通接続部16aは、電極部16が形成されると同時に一体的に形成することが好ましいが、電極部16が形成された後に形成しても良い。このように二つ以上の電極部16が導通接続部16aを介して接続されることにより、接続体15に保持体11が取り付けられた際に、接触部203同士が電気的に接続されることになる。
図5(a)は、本検査用治具に検査用プローブ20を挿入した保持体11を接続体15に取り付けた際の保持体11及び接続体15の概略断面図である。保持体11に挿入された複数の検査用プローブ20の接触部203は、対応する電極部16に夫々接触するように取り付けられる。保持体11を接続体15に取り付けるときには、電極部16の保持体側表面と基礎部13の電極部側表面との幅d1が、少なくとも検査用プローブ20の接触部203の直径より小さくなるように設置する。このように保持体11を接続体15に取り付けると、電極部16と圧接される接触部203は、電極部16より受ける外力に応じてシート部131表面を押圧する。押圧されたシート部131は外力に応じて弾性変形する。弾性変形したシート部131は、その復元力により接触部203を電極部16に圧接させる。このようにシート部131の弾性力を利用して接触部203を電極部16に圧接させることにより、複数の接触部203の大きさに多少のばらつきがあっても、シート部131により大きさのばらつきが吸収され、複数の接触部203を複数の電極部16夫々に接触させることができる。
また、図5(a)に示すように、被検査物の検査時には、検査用治具10の下方に、検査対象の被検査物30を配置し、検査用プローブ20の先端部201を所定の検査点、例えば、検査点30aに接触させて、検査点間の電気的特性の検査を行う。
尚、導体部202は可撓性を有しているため、検査用プローブ20は先端部201が所定の検査点30aに接触すると導体部202が湾曲し、導体部202の有する復元力により先端部201が検査点に圧接されることになる。
第一実施例の検査用治具10の電極部16を一部変更した場合の実施例を説明する。
図5(b)に示すように、第一実施例における検査用治具10において、検査装置と接続される所定の電極部16dと、検査装置と電気的に接続される導線17と、所定の電極部16dと導線17を電気的に接続する引出線18が設けられている。
すなわち、所定の電極部16dは、引出線18及び導線17を介して検査装置と電気的に接続されている。
検査装置と接続される所定の電極部16dは、図5(a)に示される第一実施例の電極部16とは別に設けられており、電極部16と同様に電極保持部151の電極部形成面に形成され、引出線18と電気的に接続される。電極保持部151における、所定の電極部16dが形成される位置には複数の貫通孔151hが設けられている。所定の電極部16dに接続された引出線18は、この貫通孔を通じて電極部16が設けられる面とは反対側に設置される。
引出線18は、その一端が所定の電極部16dと電気的に接続され、貫通孔151hを通って電極保持部151の電極部16側から治具ベース部19側へ設置され、更に電極保持部151の治具ベース部側に設置され、他端は導線17と電気的に接続される。引出線18は、所定の電極部16dと導線17を電気的に接続できればよく、リード線により形成されても良いし、薄膜技術により形成されても良い。尚、図5(b)では、薄膜技術を用いて形成された場合を示している。
このように他の電極部16とは別に電極部16dを設けることによって、所定の電極部16dは、例えば検査時に検査装置からの電気信号を入出力するための電極部として利用することができる。
[第二実施例]
図6は、本発明の第二実施例における検査用治具10’の概略断面図である。尚、図1と同様に図6においては、図面の簡略化の為に二本の検査用プローブ20と、一本の検査用プローブ20’を示しているが、これらはこの本数に限られず、検査対象に設定される検査点に応じて夫々の本数が決定される。
この第二実施例の検査用治具10’は、第一実施例の検査用治具10に比して、検査装置(図示せず)からの電気信号を入出力する電極部16の構造が相違している。
第二実施例に係る検査用治具10’に用いる検査用プローブ20’について説明する。
検査用プローブ20’は、検査用プローブ20の先端部201及び接触部203と同一の先端部201及び接触部203と、検査用プローブ20の導体部202と導体部202の長軸方向の長さのみが異なる導体部202’を有する。導体部202’の長さは、導体部202の長さより長く形成されており、例えば第一電極部161が形成される電極保持部151’の厚さ分だけ長く形成される。
尚、検査用プローブ20’は、検査用プローブ20と同様に、後述する保持体11’に取り付けられるが、検査用プローブ20のストロークが十分ある場合は、検査用プローブ20’の長さは、検査用プローブ20と同一の長さであっても良い。尚、この場合、検査用プローブ20’が、検査点30aに接触する際には、所定の接触圧を満足させる必要がある。
第二実施例に用いる保持体11’の構造は、第一実施例の保持体11と略同一であるため相違点のみを説明し、同一点の説明は省略する。
保持体11’は、複数の検査用プローブ20と複数の検査用プローブ20’を保持する。複数の検査用プローブ20’は、保持体11’を後述する接続体15’に取り付けたときに、第二電極部162(後述する)に接触部203が接触するように配置され、貫通孔13hに挿入される。複数の検査用プローブ20は、第一電極部161(後述する)に接触部203が接触するように配置され、貫通孔13hに挿入される。尚、ヘッド部12は、第一実施例のヘッド部12と同一であるため説明を省略する。
基礎部13’の有するシート部131’は、第一実施例のシート部131と同様に、所定の弾性特性を有するシート状の部材である。シート部131’は少なくとも検査用プローブ20の接触部203の直径よりも大きい厚さd2を有するように形成される。シート部131’は一枚のシートであっても良いし、複数枚のシートを積層したものであっても良い。このシート部131’は、弾性特性を有していれば良く、シート部131’を構成するシートの材質や枚数等は適宜調整可能である。この弾性特性とは、詳細は後述するが、検査用プローブ20の接触部203が電極部16により圧接されたときに、接触部203に接触しているシート部131’が接触部203の形状に応じて変形する程度の弾性特性である。尚、この弾性特性は、接触部203が圧接された際に押圧されたシート部131’が、接触部からの押圧力に応じて変形し、その復元力により接触部203を押圧する弾性を示すことができる特性であることが好ましい。
第二実施例に係る検査用治具10’の接続体15’の構造について説明する。
接続体15’は、第一電極部161と第二電極部162及び第一電極部161が形成される第一電極保持部151’と第二電極部162が形成される第二電極保持部152を有する。第一電極保持部151’と第二電極保持部152はともに絶縁体である板状部材である。接続体15’は、第一電極保持部151’と第二電極保持部152を積層して構成されている(図6参照)。
第一電極部161は第一実施例の電極部16と同一であるため説明を省略する。第一電極保持部151’は、第一実施例の電極保持部151と略同一であるが、第一電極保持部151’は第二電極部162が形成される位置に検査用プローブ20’の接触部203の直径より僅かに大きい内径を有する貫通孔151h’を有する。貫通孔151h’は、第二電極部162の数と同数形成されている。
第二電極部162は、第二電極保持部152の一方側表面に形成される。
第二電極保持部152の第二電極部162を形成する箇所には、第二電極保持部152の治具ベース部19側表面から第一電極保持部151’側表面にかけて導線17の直径と略同径あるいは僅かに大きい内径を有した貫通孔152hが形成されている。
導線17は、貫通孔152hに挿入され、その一端が第二電極保持部152の第一電極保持部151’側表面と面一となるように形成されており、他端は図示せぬ検査装置に接続されている。第二電極部162は、導線17の一端の端面に形成される。第二電極部は導電性の物質により形成されており、導電性の素材に金めっきを施して形成されることが好ましい。金めっきの素材は導線17と同一の物質であっても良いし、異なる物質であっても良い。
保持体11’を接続体15’に取り付けるときには、第一電極部161と検査用プローブ20の接触部203が接触するように取り付け、第二電極部162と検査用プローブ20’の接触部203が接触するように取り付ける(図6参照)。このとき検査用プローブ20の接触部203の直径は第一電極部161の接続体側表面と基礎部13の電極部側表面との幅より大きいため、接触部203は第一電極部161からの外力に応じてシート部131’を弾性変形させる。弾性変形したシート部131’は、その復元力により接触部203を第一電極部161に圧接する。また、検査用プローブ20’の接触部203の直径は第二電極部162の接続体側表面と基礎部13’の電極部側表面との幅d3より大きいため、接触部203は第二電極部162からの外力に応じてシート部131’を弾性変形させる。弾性変形したシート部131’は、その復元力により接触部203を第二電極部162に押接する。すなわち、検査用プローブ20の接触部203は、シート部131’の弾性力により第一電極部161と接触していることになる。また、検査用プローブ20’の接触部203は、第二電極部162と接触していることになる。このようにシート部131’の弾性力を利用することにより、複数の接触部203の大きさにばらつきがあっても、そのばらつきをシート部131’が吸収し、複数の接触部203を複数の第一電極部161及び第二電極部162夫々に接触させることができる。
このように第一電極部161と第二電極部162を設けることによって、第二電極部162を、例えば検査時に検査装置からの電気信号を出入力するための電極部として利用することができる。
[第三実施例]
第三実施例の検査用治具10’’は、第一実施例の検査用治具10と比して、装着される検査用プローブが相違している。
図7は、本発明の第三実施例における検査用治具10’’の概略断面図である。尚、第一実施例と同様に図7においては、図面の簡略化の為に三本の検査用プローブ21を示しているが、これらは三本に限られず、検査対象に設定される検査点に応じて本数が決定される。
第三実施例に係る検査用治具10’’に用いる検査用プローブ21について説明する。
検査用プローブ21は、第一筒状部材21aと第二筒状部材21bを有する(図8参照)。第一筒状部材21aは、導電性の筒状部材であり、一方端部211と他方端部213、及び一方端部211と他方端部213の間に設けられるばね部212とを有する。一方端部211は、検査点30aに当接し、他方端部213は電極部16に圧接されることになる(図7参照)。第二筒状部材21bは、詳細は後述するが、ばね部212を収容する部材である。
第一筒状部材21aは、後述する第二筒状部材21bの内径より僅かに小さい外径を有する筒形状の部材であり、一方端部211と他方端部213、及び一方端部211と他方端部213の間に設けられるばね部212とを同軸上に有する(図8参照)。
一方端部211は、筒形状の部材であり、一端211aと他端211bを有する。一方端部211の一端211aは、第一筒状部材21aの先端部であり、検査時には検査点30aに当接する。他端211bは、後述するばね部212の一端212aと連通連結される。
他方端部213は、筒形状の部材213aと球形状の接触部213bを有している。筒形状の部材213aは、一端213a1と他端213a2を有する。筒状部材213aの一端213a1は、後述するばね部212の他端212bと連通連結される。他端213a2には、球形状の接触部213bが一体的に形成されている。接触部213bは、球形状が一体的に形成されている筒形状の部材213aの外径より大きい直径を有している。尚、接触部213bは、第一筒状部材21aの後端部であり、詳細は後述するが、検査用治具10’’に取り付けられた際に、電極部16と接触することになる。
ばね部212は、その筒壁に螺旋状の切欠を有する筒形状の部材である。この切欠により、長軸方向に伸縮可能なばねとして機能することになる。ばね部212は、一方端部211と他方端部213の間に設けられ、一端212aと他端212bを有する。ばね部212の一端212aは、一方端部211の他端211bと連通連結される。他端212bは、他方端部213の一端213a1と連通連結される。尚、このばね部212は、図8では一つのみ設けられているが、一方端部211と他方端部213の間に複数個設けることもできる。
説明の都合上、一方端部211の他端211bとばね部212の一端212a、及び他方端部213が有する筒形状の部材231aの一端213a1とばね部212の他端212bは、異なる符号をつけて呼称しているが、実際には第一筒状部材21a上に存在する同一の部位である。すなわち、一方端部211の他端211bとばね部212の一端212aは同一の部位であり、他方端部213が有する筒形状の部材231aの一端213a1とばね部212の他端212bも同一の部位である。
尚、一方端部211とばね部212、及び他方端部213の長さは、使用者により適宜変更可能である。
第一筒状部材21aは、一方端211とばね部212及び他方端213が一体的に形成されているが、例えば、以下に示す方法によって製造される。
所定の長さと外径及び内径を有する筒状部材に、筒壁に沿って螺旋状の切欠を形成する。切欠の形成には、例えばレーザ等を用いることができる。切欠を形成した筒状部材の一端を融解させて、所定の直径を有する球形状を形成する。筒状部材の融解には、例えばレーザを用いて加熱する。このように筒状部材を加工することにより、一方端211とばね部212と他方端213が一体的に形成されている第一筒状部材21aを製造することができる。
第二筒状部材21bは、第一筒状部材21aの外径より僅かに大きい内径と、貫通孔12h’の直径より僅かに大きい外径を有する筒状部材である。第二筒状部材21bは、少なくとも第一筒状部材21aに形成されているばね部212の長軸方向の長さより長く、第一筒状部材21aの全長から接触部213が有する球形状の直径を除いた長さより短く形成される。この第二筒状部材21bは、少なくとも上記の長さを有してばね部212をその内部に収容するように配置され、ばね部212が収縮する際の短軸方向のずれを防止する。このため、第二筒状部材21bは、ばね部212をガイドすることのできる程度の剛性を有する部材で筒状に形成される必要がある。また、この第二筒状部材21bは、導電性/非導電性の物質のいずれかを用いて形成されても良い。導電性の物質を用いた場合、検査動作時に第一筒状部材21aと第二筒状部材21bが接触して導通状態となるため、電気信号の流れる断面積が増加することになるため、安定して電気信号を伝達することができるので、より精度の良い検査を実施することができる。非導電性の物質を用いた場合、検査動作時に近接するプローブ同士が接触しても、非導電性の第二筒状部材21b同士が接触することになり、プローブ同士の絶縁性を確保することができる。
尚、導電性の第二筒状部材21bの外周表面に非導電性の材料を被覆して、短絡を防止するようにしても良い。この非導電性の材料としては、例えばフッ素系、あるいはエポキシ系の塗布剤を第二筒状部材21bの外周表面に塗布することができる。
この第一筒状部材21aは、第二筒状部材21b内にばね部212の全長が収容されるように配置され、更に、第二筒状部材の両端から一方端部211及び他方端部213が突出するように配置される(図8参照)。
第一筒状部材21aと第二筒状部材21bは、第一筒状部材21aのばね部212より一端側の位置で固定される。
また、後述する保持体11’’に検査用プローブ21が挿入され、電極部15に取り付けられた際には、第二筒状部材の基板30側の端が、ヘッド部12’の電極部15側表面を僅かに圧接するように第二筒状部材21bを配置することが好ましい。このように第二筒状部材21bを配置することで、保持体11’’を電極部15に取り付けた際に検査用プローブ21を安定して保持することができるからである。
検査が実施される場合には、検査用治具の検査用プローブ21が基板30の検査点30aに圧接されるようにz軸方向の移動が行われることにより、この一方端部211が検査点30aに当接するとともに、ばね部212の収縮が始まり、他方端部213が第二筒状部材21b内に押し込まれることになる。
尚、第一筒状部材21aと第二筒状部材21bの固定方法は、例えば、溶接や接着剤を用いる方法、あるいは第二筒状部材21bの外周を押圧してかしめる方法を用いることができる。
第三実施例に用いる保持体11’’の構造は、第一実施例の保持体11と略同一であるため相違点のみを説明し、同一点の説明は省略する。
保持体11’’は、複数の貫通孔12h’を有するヘッド部12’と複数の貫通孔13h’を有する基礎部13’を備える。
複数の貫通孔12h'は、板状部材であるヘッド部12’に板の表面から裏面に貫通して複数設けられている。後述する基礎部13’の電極部側から保持体11''に挿入された検査用プローブ21の一方端部211は、この貫通孔により所定の検査点30aの位置に案内される。この貫通孔12h'は、検査用プローブ21の第一筒状部材21aの外径より僅かに大きい内径を有してヘッド部12に形成される。図7では貫通孔12h'は、一つの径を有する孔のみで形成されているが、一方端部211が小径である場合は機械加工により貫通孔を容易に形成しつつ強度を確保するために、二以上の異なる内径を有する孔を同軸に連通連結して形成しても良い。
また、ヘッド部12'を構成する板状部材は一枚の板状部材であっても良く、複数枚の板状部材を積層して形成しても良い。尚、図7のヘッド部12'は、一枚の板状部材から形成されている。
基礎部13'は、複数の貫通孔13h'を有している。この貫通孔13h'は、検査用プローブ21の第二筒状部材21bの外径より僅かに大きく、他方端部213の球形状の接触部213bの直径より小さい径を有して基礎部13'に形成される。図7では、貫通孔13h'は一つの径を有する孔のみで形成されているが、複数の径を有する孔を同軸上に連通連結して形成しても良い。
保持体11’’は、検査用プローブ21が挿入されたときに、ヘッド部12’及び基礎部13’に対して垂直に保持されるようにヘッド部12’及び基礎部13’が配置されていることが好ましい。検査用プローブ21が垂直に保持されることによって、検査用プローブ21の先端部211が検査点に当接したときに、ばね部212が最も好適に伸縮することができるからである。
検査用プローブ21は、この貫通孔13h’からヘッド部12’側に向かって挿入され、検査用治具10’’に装着されることになる。検査用プローブ21がこの貫通孔13h’に挿入されたとき、検査用プローブ21は、貫通孔13h’の径と接触部213bの直径との差により、貫通孔13h’においてシート部131’表面に係止されることになる。
接続体15は、第一実施例における接続体15と同一であるため、説明を省略する。
また、図7に示すように、被検査物の検査時には、検査用治具10’’の下方に、検査対象の被検査物30を配置し、検査用治具10’’を下降等させて、検査用プローブ21の一方端部211を所定の検査点、例えば、30aに接触させ、対象部の電気的特性の検査を行う。
尚、検査用プローブ21はばね部212を有しているため、一方端部211が所定の検査点30aに接触するとばね部212が圧縮され、ばね部212の有する復元力によって一方端部211が検査点に圧接されて検査を行う。
[第四実施例]
図9は、本発明の第四実施例における検査用治具10’’’の概略の構成を示す概略断面図である。但し、図面中に示されている検査用プローブに関しては、説明の都合上、断面表示していない。尚、図1と同様に図9では、図面の簡略化の為に三本の検査用プローブ20を示しているが、これらは三本に限られず、検査対象に設定される検査点に応じて本数が決定される。
検査用治具10’’’は、検査対象上面に対向して配置される上側検査用治具101と検査対象下面に対向して配置される下側検査用治具102を有する。この第四実施例の検査用治具10’’’は、上側検査用治具101と下側検査用治具102が、基板31を挟んで配置される一対の検査用治具として形成されている。尚、上側及び下側という表現は、図9の説明の都合上用いる表現であり、基板の一方表面を上側、基板の他方表面を下側と定義している。
この上側検査用治具101は、第一実施例における検査用治具10と同一であるため説明を省略する。
下側検査用治具102は、第一実施例における保持体11と同一の保持体102aと、複数の電極部102cを有する接続体102bを備える。接続体102bは、保持体102aを支持するとともに、各検査用プローブ20と接触して導通状態となる電極部102c、電極部102cから電気的に接続されて延設される導線部102dを有している。
電極部102cは、導線102dの端面に形成され、夫々の電極部102cが各検査用プローブの接触部203と接触するように形成されている。電極部102cは第一実施形態の電極部16と同じく金めっきにより形成されることが好ましいが、異なる物質で形成されることもできる。
導線102dは、電極部102cが形成される電極保持部102eを貫通して保持されており、一端が電極部102cに電気的に接続され、他端が図示せぬ検査装置に電気的に接続されている。尚、導線102dの一端の端面は、電極保持部102eの電極部側表面と面一になるように形成されており、導線102dの端面に形成される電極部102cは、電極保持部102eの電極部側表面に形成されることになる。
図9に示す一対の検査用治具10’’’では、上側に配置される上側検査用治具101が検査装置に直接接続されておらず、下側に配置される下側検査用治具102のみが直接接続されている。つまり、基板の配線を検査する検査信号が、下側検査用治具102のみを介して検査装置から供給され、配線の良不良を判定するための配線から検出される検出信号が、下側検査用治具102のみを介して検査装置へ送信されることになる。
このように下側検査用治具102のみが検査装置に接続される構成であるため、上側検査用治具101を単純な構造とすることができる。
この一対の検査用治具10’’’は、上記の如く形成されることになるが、上側検査用治具101に形成される電極部16と導通接続部16aは、製造工程が同じ若しくは類似する製造プロセスを有する検査対象の配線を接続するように形成される。このように製造工程が同じ複数の配線を直列接続して、一つの検査対象の配線群を設定することにより、この配線群の検査を行うことになる。つまり、配線群の検査を行うことにより、各工程で形成される配線群の抵抗値の状態を検出することができるようになる。
尚、配線群を形成することになる上側検査用治具101に形成される電極部16と導通接続部16aは、製造工程毎に配線群を形成することになるが、一つの製造工程毎に少なくとも一つの配線群を形成するようにすれば良く、一つの製造工程に対して複数の配線群を形成して、検査を実施することもできる。
このように検査用治具10’’’を形成することにより、試作段階の基板を検査し、製造工程の状況確認を実施するために、好適に利用されることができる。このため、第四実施例の検査用治具10’’’は極めて簡便な構成であり、且つ低コストで製造することができるため、製造された基板から製造工程の検査を実施する場合の廉価な検査用治具として利用することができるようになる。
10・・・検査用治具
11・・・保持体
12・・・ヘッド部
13・・・基礎部
131・・シート部
14・・・支持部
15・・・接続体
16・・・電極部
16a・・導通接続部
17・・・導線
18・・・引出線
19・・・治具ベース部
20・・・検査用プローブ
201・・先端部
202・・導体部
203・・後端部
21・・・検査用プローブ
21a・・第一筒状部材
21b・・第二筒状部材
211・・一方端部
212・・ばね部
213・・他方端部
30・・・被検査物
30a・・検査点
31・・・被検査物
31a・・検査点

Claims (7)

  1. 先端部が検査対象物上に設定される所定検査位置と導通接触する検査用プローブと、前記検査用プローブの後端部と夫々導通接触する複数の電極部を有する接続体と、前記検査対象物と前記接続体との間に配置されるとともに前記検査用プローブを保持する保持体とからなる検査用治具であって、
    前記検査用プローブは、
    一方端に前記先端部を有し、可撓性を有する円柱状の導電性の導体部と、
    前記導体部の他方端に接続され、該他方端と一体的に形成されるとともに、該他方端の外径よりも大きい直径を有する球形状の接触部を有し、
    前記保持体は、
    前記検査用プローブの前記後端部を電極部へ案内するための貫通孔が形成された板状の基礎部を有し、
    前記基礎部は該基礎部の前記電極部側の表面に弾性を有するシート部を備え、
    前記導体部が前記貫通孔に貫通挿入され、前記接触部が前記電極部に圧接されるように前記基礎部が配置されることを特徴とする検査用治具。
  2. 先端部が検査対象物上に設定される所定検査位置と導通接触する検査用プローブと、前記検査用プローブの後端部と夫々導通接触する複数の電極部を有する接続体と、前記検査対象物と前記接続体との間に配置されるとともに前記検査用プローブを保持する保持体とからなる検査用治具であって、
    前記検査用プローブは、
    前記所定検査位置に導通接触する前記先端部となる一方端部と、
    前記電極部に導通接触するとともに前記一方端部よりも幅広に形成される球形状の他方端部と、
    前記一方端部と前記他方端部の間に配置され、前記一方端部と前記下方端部を近接離反可能に移動させる導電性のばね部を有し、
    前記保持体は、
    前記検査用プローブの前記後端部を電極部へ案内し、前記一方端部より幅広で前記他方端部より幅狭に形成される貫通孔を有する板状の基礎部を有し、
    前記基礎部は該基礎部の前記電極部側の表面に弾性を有するシート部を備え、
    前記検査用プローブが前記貫通孔に貫通挿入され、前記接触部が前記電極部に圧接されるように前記基礎部が配置されることを特徴とする検査用治具。
  3. 前記複数の電極部が、該電極部が形成される同一表面において、相互に接続される導通接続部を有することを特徴とする請求項1又は2記載の検査用治具。
  4. 前記複数の電極部のうち、一部の前記検査用プローブと電気的に接続される前記電極部が、検査装置と電気的に接続されることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の検査用治具。
  5. 前記保持体が、長さの相違する複数の前記検査用プローブを保持することを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の検査用治具。
  6. 検査対象物の検査対象上面に対向して配置される上側検査用治具と、該検査対象物の検査対象下面に対向して配置される下側検査用治具とからなる一対の検査用治具であって、
    前記下側検査用治具は、
    先端部が検査対象物上に設定される所定検査位置と導通接触する検査用プローブと、前記検査用プローブの後端部と夫々導通接触するとともに検査対象物の検査を実施する検査装置と接続される複数の電極部を有する接続体と、前記検査対象物と前記接続体との間に配置されるとともに前記検査用プローブを保持する保持体とからなり、
    前記下側検査用治具のみが、基板の検査を実施する基板検査装置と直接的に電気接続されており、
    前記上側検査用治具は、
    請求項1又は請求項2に記載の検査用治具であることを特徴とする上下一対の検査用治具。
  7. 前記上側検査用治具の有する前記複数の電極部が、該電極部が形成される同一表面において、相互に接続される導通接続部を有することを特徴とする請求項6記載の検査用治具。
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