JP2011121653A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】用紙を第1の印刷手段から第2の印刷手段に搬送する搬送手段を備えた印刷装置において、搬送手段を構成する搬送ローラに付着したインクによる用紙の汚れを防止する。
【解決手段】第1の印刷手段3と、第2の印刷手段5と、第2の印刷手段5に用紙Pを搬送する搬送手段とを備え、搬送手段が、第1の搬送ローラ82、その下流側に配置された第2の搬送ローラ83および、1枚の用紙を吸引保持して第1の搬送ローラに送る搬送ベルト81bを含んでいる印刷装置1において、第1の搬送ローラ82が、第2の搬送ローラ83が停止している期間に用紙Pの先端が第2の搬送ローラ83に突き当たってから、該用紙Pにたるみが生じるまで駆動して停止し、その後第2の搬送ローラ83が駆動開始し、たるみが解消される際に第1の搬送ローラ82がアシスト駆動するように構成する。また、アシスト駆動期間中は搬送ベルト81bの用紙吸引保持を停止させる。
【選択図】図2

Description

本発明は印刷装置、特に詳細には、両面印刷装置のように印刷用紙に一度印刷した後、その用紙に再度印刷するように構成された印刷装置に関するものである。
近年、環境問題の観点等から印刷に用いる用紙の使用量を減らすことが望まれており、そのために、用紙の表面および裏面に印刷を行う両面印刷が盛んに行われている。両面印刷を行う両面印刷装置としては、例えば孔版印刷を行う両面孔版印刷装置が提案されており、この装置の一例として、穿孔製版された孔版原紙を外周面に巻装した円筒状の第1ドラムと第2ドラムを隣接して配設し、第1ドラムで用紙の表面に印刷を行い、表面が印刷された用紙を第2ドラムに搬送して該第2ドラムで用紙の裏面に印刷を行う装置が知られている。
上記のような両面印刷装置においては、第1ドラムと第2ドラムとの間に、第1ドラムで表面に印刷がなされた用紙を第2ドラムに向けて搬送する搬送手段が設けられることになる。この種の搬送装置は多くの場合、用紙を挟む1対のニップローラからなる搬送ローラを含んで構成されており、特許文献1にはこの種の搬送ローラを備えた両面印刷装置の一例が示されている。そしてそのような搬送ローラは用紙搬送経路に沿って2個(2対)以上配設されることも多く、その場合、隣り合う2個の搬送ローラの間の距離は用紙長さつまり用紙搬送方向のサイズよりも短く設定される。
また、上記のような両面印刷装置においては、第1ドラムによって印刷がなされた用紙を重ねて一時貯留しておく貯留部が設けられることが多い。そしてそのような貯留部が設けられる場合は、搬送ローラと共に回転駆動されて上記貯留部から1枚の用紙を吸引保持して搬送ローラに送る搬送ベルトが設けられることが多い。
ところで、2個の搬送ローラを含む用紙搬送手段においては、用紙の蛇行を修正するように搬送ローラの駆動が制御されることがある。この制御は、用紙搬送方向上流側に配置されたものを第1の搬送ローラ、下流側に配置されたものを第2の搬送ローラとしたとき、第1の搬送ローラが、第2の搬送ローラが停止している期間に、用紙先端が第2の搬送ローラに突き当たってから該用紙にたるみが生じるまで駆動して停止し、次いで第2の搬送ローラが駆動するようにしたものである。このようにすれば用紙は、その先端が第2の搬送ローラに突き当たった際に該先端がローラ軸と平行に揃う正常姿勢となるので、たとえそれ以前に用紙が蛇行していても、ここで蛇行が修正されることになる。
特開2009−012216号公報
上に述べたような両面印刷装置においては、第1ドラムにより一表面に印刷がなされた用紙を搬送手段によって第2ドラムに向けて搬送する際に、乾き切っていないインクが搬送ローラに付着することがある。このように搬送ローラに付着したインクは、それ以降該搬送ローラが用紙搬送する際に、用紙に転写して用紙を汚すこともある。この問題は両面印刷装置に限らず、その他の例えば多色印刷装置等、一つの印刷手段で印刷がなされた後の用紙を、搬送手段によって別の印刷装置まで搬送するように構成された印刷装置において同様に発生し得るものである。
そしてこの問題は、用紙の搬送手段に、各々ニップローラからなる第1および第2の搬送ローラが含まれ、そしてそれらの駆動が、前述したように用紙に一時たるみを生成させるように制御される場合に特に発生しやすいことが認められている。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、用紙搬送手段を構成する第1および第2の搬送ローラの駆動が、用紙に一時たるみを生成させるように制御される印刷装置において、搬送ローラに付着したインクによる用紙の汚れを防止することを目的とする。
本発明による印刷装置は、用紙にたるみを生成させた後に第2の搬送ローラによって用紙が搬送される際、第1の搬送ローラもアシスト駆動させて、たるみが解消されるときの両搬送ローラ間の速度差が少なくなるようにしたものである。
すなわち本発明による印刷装置は、より詳しくは、
用紙の一表面に印刷する第1の印刷手段と、
前記印刷がなされた用紙を重ねて一時貯留しておく貯留部と、
前記用紙の一表面または他表面に印刷する第2の印刷手段と、
前記一表面に印刷がなされた用紙を前記貯留部から第2の印刷手段に搬送する搬送手段とを備え、
前記搬送手段が、1対のニップローラからなる第1の搬送ローラ、この第1の搬送ローラに対して用紙長さ未満の距離を置いて用紙搬送方向下流側に配置された第2の搬送ローラ、および第1の搬送ローラと共に回転駆動され、前記貯留部から1枚の用紙を吸引保持して第1の搬送ローラに送る搬送ベルトを含んで構成されている印刷装置において、
前記第1の搬送ローラが、前記第2の搬送ローラが停止している期間に用紙の先端が第2の搬送ローラに突き当たってから、該用紙にたるみが生じるまで駆動して停止し、
その後前記第2の搬送ローラが駆動開始し、
少なくとも前記たるみが解消される際に前記第1の搬送ローラがアシスト駆動し、
このアシスト駆動がなされている期間内の、少なくとも用紙が前記搬送ベルトに面している期間、該搬送ベルトの用紙吸引保持が停止するように構成されていることを特徴とするものである。
なお上記の搬送ベルトは、例えば、ベルト表面に設けられた複数の孔から空気吸引する手段と、この空気吸引手段と前記ベルト表面との間に介設されたシャッタとを備え、このシャッタを閉じることによって用紙吸引保持を停止するように構成される。
また、この本発明による印刷装置においては、第1の搬送ローラおよび第2の搬送ローラがいずれも一定速度で用紙を搬送している期間に前記たるみが解消されるように、これら両搬送ローラの駆動が制御されることが望ましい。
そして、そのように両搬送ローラの駆動が制御される場合は、第1の搬送ローラがアシスト駆動しているとき、その用紙搬送速度が第2の搬送ローラの用紙搬送速度の70〜90%の範囲にある状態下で、前記たるみが解消されるようにこれら両搬送ローラの駆動が制御されることが望ましい。
また、本発明による印刷装置においては、第1の搬送ローラのアシスト駆動による用紙送り量を、用紙の種別に応じて調整可能であることが望ましい。
そしてその場合は、搬送ベルトが用紙吸引保持を停止した後に該用紙吸引保持を再開するタイミングが、上記調整される用紙送り量が大であるほど後側に移行するように調整可能とされていることが望ましい。
また、上記第1の搬送ローラのアシスト駆動は、第2の搬送ローラの駆動と同じ開始タイミングおよび同じ加速度で行われることが特に望ましい。
さらに、本発明の印刷装置における前記搬送手段は、第1の印刷手段により一表面に印刷がなされた用紙を、第2の印刷手段においてその他表面に印刷がなされるように該用紙の向きを反転させる反転ユニットを含んで構成されていることが望ましい。
本発明者の研究によると、前述したように2個の搬送ローラの駆動が用紙蛇行を修正するように制御される場合に、用紙汚れが特に発生しやすいのは、以下の理由によるものであることが分かった。
搬送ローラにある程度未乾燥のインクが若干付着していても、その搬送ローラの周速度と一致した速度で用紙が搬送されている限り、そのインクは搬送ローラ側に転写し難い。しかし、第1の搬送ローラのみを駆動させて用紙に前述のたるみを生成させた後、第1の搬送ローラを停止させた状態で第2の搬送ローラによって用紙搬送を行うと、たるみが解消される瞬間に第2の搬送ローラには、ニップローラからなる第1の搬送ローラが用紙を挟んで保持していることに起因して、搬送に抗する力、いわゆるバックテンションが作用する。すると、第2の搬送ローラと用紙との間に滑りや擦れが生じるので、その第2の搬送ローラの周面に付着していたインクが用紙に転写しやすくなるのである。そしてこのインクによる汚れは、第2の搬送ローラと第1の搬送ローラとの間の搬送速度の差(第1の搬送ローラが停止している場合は、第2の搬送ローラの搬送速度がそのままこの速度差となる)が大きいほどより濃く現れることも判った。
以上の知見に基づいて本発明の印刷装置においては、第2の搬送ローラが駆動開始してから、少なくとも用紙たるみが解消される際に第1の搬送ローラがアシスト駆動するように構成したので、たるみが解消される瞬間の両搬送ローラ間の搬送速度の差は、第1の搬送ローラを停止させたままにする場合よりも小さくなる。そこで、上述のバックテンションが軽減されるので、第2の搬送ローラと用紙との間の滑りや擦れが生じ難くなり、その結果、この第2の搬送ローラからのインク転写による用紙汚れが防止される。
さらに本発明の印刷装置においては、第1の搬送ローラのアシスト駆動がなされている期間内の、少なくとも用紙が搬送ベルトに面している期間、該搬送ベルトの用紙吸引保持が停止されるようになっているので、搬送ベルトによって用紙が重送されたり、あるいは第2の印刷手段に不正なタイミングで用紙が送られて該用紙にズレた画像が印刷されたりすることが防止される。以下、この点について詳しく説明する。
搬送ベルトは第1の搬送ローラと共に回転駆動されるので、第1の搬送ローラがアシスト駆動しているとき搬送ベルトも用紙搬送可能になっていると、そのアシスト駆動対象の用紙がまだ送られている最中に搬送ベルトが次の用紙を吸引保持して、前の用紙と共に第1の搬送ローラに送ってしまうおそれがある。さらには、このような用紙の重送に加えて、第2の印刷手段に不正なタイミングで用紙が送られて該用紙にズレた画像が印刷される可能性もある。このような不具合は、特に、たるみが生成しやすい用紙を使用する場合に、それに対応してアシスト駆動による用紙送り量をより長く、つまりはアシスト駆動期間をより長く設定した場合に発生しやすい。
しかしここで本発明の印刷装置においては、第1の搬送ローラのアシスト駆動がなされている期間内の、少なくとも用紙が搬送ベルトに面している期間、該搬送ベルトの用紙吸引保持が停止されるようになっているので、搬送ベルトが回転駆動はしていても用紙搬送は不可能となるので、ある用紙に対するアシスト駆動期間中に、その次の用紙が搬送ベルトによって送られることはなくなる。そこで、上述した用紙の重送や、用紙にズレた画像が印刷されることが確実に防止される。
なお、この本発明による印刷装置において、特に第1の搬送ローラおよび第2の搬送ローラがいずれも一定速度で用紙を搬送している期間に用紙たるみが解消されるように、両搬送ローラの駆動が制御される場合は、用紙汚れを防止する効果が安定して得られるようになる。つまり、例えば両搬送ローラが加速している状態下では、その駆動モータの特性バラツキ等に起因して両搬送ローラの速度が不安定になりやすい。そこで、そのような状態下でたるみが解消されるようにすると、両搬送ローラの速度差が大きいときにたるみ解消がなされることもあり、その場合は用紙に汚れが発生しやすくなる。この点を考慮して、両搬送ローラが共に一定速度で安定駆動している状態下でたるみが解消されるようにそれらの駆動を制御すれば、両搬送ローラの速度差が不用意に大きいときにたるみ解消がなされることを防止できるので、用紙汚れを防止する効果が安定して得られるようになる。
また、その際、第1の搬送ローラの用紙搬送速度が第2の搬送ローラの用紙搬送速度の70〜90%の範囲にある状態下で、前記たるみが解消されるように両搬送ローラの駆動が制御されれば、用紙汚れを防止する効果がさらに安定して得られるようになる。その理由については、後に実施形態に即して詳しく説明する。
また、本発明の印刷装置において、特に第1の搬送ローラのアシスト駆動による用紙送り量を、用紙の種別に応じて調整可能とした場合は、用紙の種別に応じてたるみ生成量が変わっても、それに対応して、第1の搬送ローラおよび第2の搬送ローラがいずれも一定速度で用紙を搬送している好ましい期間に用紙たるみを解消させることが可能になる。
そしてその場合、搬送ベルトが用紙吸引保持を停止した後に該用紙吸引保持を再開するタイミングが、上記調整される用紙送り量が大であるほど後側に移行するように調整可能とされていれば、まだ第1の搬送ローラのアシスト駆動が続いているのに搬送ベルトの用紙吸引保持が再開されて、結局用紙重送等の問題が発生してしまうことが防止される。
本発明の一実施形態による印刷装置の概略構成を示す側面図 上記印刷装置の要部を示す一部破断側面図 上記印刷装置に用いられた用紙搬出装置を示す分解斜視図 上記用紙搬出装置の、図3とは異なる状態を示す分解斜視図 用紙の汚れを説明する概略図 上記印刷装置における搬送ローラの作動状態(1)および、従来装置における搬送ローラの作動状態(2)を示すタイムチャート 上記印刷装置における印刷処理の流れを示すフローチャート 図7の処理における一部のサブルーチン処理を示すフローチャート 図8のサブルーチン処理に用いられるルックアップテーブルを説明する図 図7の処理における別のサブルーチン処理を示すフローチャート 搬送ローラの別の作動状態(1)および、用紙搬出装置の作動状態(2)を示すタイムチャート 上記印刷装置における搬送ローラの作動と、用紙検出センサの作動とのタイミング関係を示すタイミングチャート
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態による両面孔版印刷装置1の概略構成図であり、図2はその要部を拡大して示す側面図である。この両面孔版印刷装置1は図1に示されるように、装置ハウジング10と、この装置ハウジング10の一側面つまり同図中の左側面に設けられて、印刷媒体である複数枚の用紙Pを積載保持する給紙台2と、この給紙台2から給紙される用紙Pの一表面に印刷する第1の孔版印刷部(第1の印刷手段)3と、一表面に印刷がなされた用紙Pを複数枚一時的に貯留する貯留部4と、この貯留部4に貯留されていた用紙Pの他表面に印刷する第2の孔版印刷部(第2の印刷手段)5と、装置ハウジング10の他側面つまり同図中の右側面に設けられて、両面すなわち一表面および他表面に印刷がなされた用紙Pを積載保持する排紙台6とを備えている。
またこの両面孔版印刷装置1は、給紙台2から第1の孔版印刷部3に用紙Pを給紙する給紙部7と、第1の孔版印刷部3から貯留部4の内部へ用紙Pを搬送する第1中間搬送部8Aと、貯留部4の内部から第2の孔版印刷部5まで用紙Pを搬送する第2中間搬送部8Bと、第2の孔版印刷部5から排紙台6まで用紙Pを搬送する排紙部9とを備えている。
給紙部7は、給紙台2に積載された用紙Pの上方に位置するように配設されたピックアップローラ71と、このピックアップローラ71によってピックアップされた用紙Pを所定のタイミングで第1の孔版印刷部3に給紙するタイミングローラ72とで概略構成されている。タイミングローラ72は1対のニップローラから構成されており、このタイミングローラ72が停止すると第1の孔版印刷部3への用紙給紙が止められる。
第1の中間搬送部8Aは、第1の孔版印刷部3によって一表面(図1、2中の上表面)に印刷がなされた用紙Pを円弧状の軌跡に沿って反転させて該一表面を下側に向けさせる反転装置73と、この反転装置73によって反転された用紙Pを貯留部4の内部に搬入する搬入装置74とで概略構成されている。なおこの第1の中間搬送部8Aは、後述する第2中間搬送部8Bおよび貯留部4とともに用紙反転ユニットを構成している。
第2中間搬送部8Bは、貯留部4の内部に納められている用紙Pを搬出する搬出装置81と、この搬出装置81によって搬出された用紙Pをピックアップするピックアップローラ82と、このピックアップローラ82によってピックアップされた用紙Pを順次所定のタイミングで第2の孔版印刷部5に搬送するタイミングローラ83とで概略構成されている。上記ピックアップローラ82およびタイミングローラ83は各々、モータM1、M2によって駆動される1対のニップローラから構成されている。
ピックアップローラ82の用紙搬送方向やや下流側には、搬送される用紙Pの先端を検出する第1センサS1が配設され、またタイミングローラ83の用紙搬送方向やや下流側には、同じく搬送される用紙Pの先端を検出する第2センサS2が配設されている。
一方排紙部9は、第2の孔版印刷部5によって他表面が印刷されて両面印刷が完了した用紙Pを、排紙台6に向けて搬出する排出装置84から構成されている。
上記搬入装置74、搬出装置81および排出装置84は、それぞれ所定間隔を空けて配置された1対のプーリ74a、81a、84aと、それら1対のプーリ74a、81a、84aの外周に掛け渡されて各々プーリ74a、81a、84aの回転に伴って移動する環状の搬送ベルト74b、81b、84bと、吸引用のファン74c、81c、84cとを備えている。
これらの搬入装置74、搬出装置81および排出装置84は、後述する一点を除いては同様の基本構成を有するものであるので、以下搬出装置81を例に取り、その分解斜視形状を示す図3および図4を参照して詳細を説明する。搬送ベルト81bは表面に複数の孔81dが設けられたものであり、該搬送ベルト81bは用紙P側を向く張架部分を外部に露出させて、ケース81g(図1中では省略)内に配設されている。両面孔版印刷装置1が稼働されている間、ファン81cは搬送ベルト81bと共に基本的に常時駆動されてケース81g内の空気を吸引し、ひいては搬送ベルト81bの孔81dから空気を吸引して、この搬送ベルト81bの搬送面に吸引力を発生させる。
なお搬送ベルト81bとファン81cとの間には、シャッタユニット81eが配設されている。このシャッタユニット81eは、例えばカメラのレンズシャッタのように回動する複数枚のシャッタ羽根81fを備えたものであり、それらのシャッタ羽根81fが回動することにより、搬送ベルト81bとファン81cとの間の空気流路を選択的に開閉可能となっている。
図3と図4はそれぞれ、シャッタユニット81eが上記空気流路を開いている状態、閉じている状態を示している。またここでは、上記ケース81gは一部破断して示してある。それらの図では、各状態における空気の概略流路を図中矢印で示してあるが、ここから分かるように、前者の状態では搬送ベルト81bの孔81dから空気が吸引されてその搬送面に吸引力が発生し、後者の状態ではこの吸引力が発生しなくなる。そこで、搬送ベルト81bの駆動期間中にシャッタ羽根81fを開閉することにより、該搬送ベルト81bが用紙Pを吸引保持して搬送する状態と、搬送しない状態に適宜切り替えることができるが、その切替えについては後に詳述する。
以下、図1および図2に戻って説明する。上述のように構成された各装置74、81、84は、図示しないモータによってプーリ74a、81a、84aを回転させて搬送ベルト74b、81b、84bを移動させると共に、ファン74c、81c、84cを回転させて前述の吸引力を発生させることにより、用紙Pを吸引保持しながら搬送する。搬入装置74および排出装置84は、先に述べたシャッタユニット81eに類する手段は持たないものであり、この一点のみにおいて搬出装置81と異なっている。
なお搬入装置74は、1対のプーリ74aの外周に掛け渡された搬送ベルト74bおよびファン74cを並列に複数備えて、これらで一枚の用紙Pを吸引保持して搬送するようにしてもよい。その点は、搬出装置81および排出装置84も同様である。
反転装置73は図2に明示されるように、円弧状の軌跡に沿って配設された4つのプーリ73aと、これら4つのプーリ73aの外周に掛け渡され該プーリ73aの回転に伴って移動する環状の搬送ベルト73bと、吸引用のファン73cとを備えて、上記装置74、81、84と略同様に作動するものとされている。
他方、第1の孔版印刷部3は、第1ドラム31と第1プレスローラ32とから構成されている。また図2に示されるように第1ドラム31の用紙搬送方向下流側には、用紙Pを第1ドラム31から剥ぎ取る剥取爪33が設けられている。第1ドラム31は内部に図示しないインクカートリッジを有しており、また該第1ドラム31の外周面には孔版原紙(図示せず)が巻装される。この孔版原紙は、図示外の製版部において、入力された画像データに基づいて感熱穿孔して製版されたものである。そして第1ドラム31の回転に同期駆動するタイミングローラ72により、第1ドラム31とプレスローラ32との間に用紙Pが送り込まれ、その一表面がプレスローラ32によって上記孔版原紙に押し付けられることにより、該一表面に孔版印刷がなされる。
第2の孔版印刷部5は、上記第1の孔版印刷部3と同様に、第2ドラム51と第2プレスローラ52とから構成されている。また第2ドラム51の用紙搬送方向下流側には、第2ドラム51から用紙Pを剥ぎ取る剥取爪53が設けられている。第2ドラム51は内部に図示しないインクカートリッジを有しており、また該第2ドラム51の外周面には孔版原紙が巻装される。この孔版原紙も、上記と同様に画像データに基づいて感熱穿孔して製版されたものである。そして第2ドラム51の回転に同期駆動するタイミングローラ83により、第2ドラム51と第2プレスローラ52との間に用紙Pが送り込まれ、その他表面がプレスローラ52によって上記孔版原紙に押し付けられることにより、該他表面に孔版印刷がなされる。
貯留部4は、第1の孔版印刷部3によって一表面に印刷がなされた用紙Pを、第2の孔版印刷部5に送る前に複数枚一時的に貯留するものであり、この複数枚の用紙Pを重ねた状態で函状のケース40内に保持する。
次に、以上のように構成された本実施形態の両面孔版印刷装置1の動作について説明する。なお各動作は、装置ハウジング10に設けられた図示外の制御部からの指示に基づいて行われる。
両面孔版印刷を行う際には、まずピックアップローラ71が、給紙台2に積載された用紙Pを予め設定された所定時間間隔で順次ピックアップし、タイミングローラ72へ送り込む。タイミングローラ72は用紙Pを第1の孔版印刷部3に搬送する。第1の孔版印刷部3は、搬送された用紙Pの一表面に、前述のようにして画像を印刷する。
次に反転装置73が、印刷された一表面が上側を向いた状態になっている用紙Pを、他表面を吸引しながら円弧状の軌跡に沿って送ることにより、一表面が下側を向くように反転させつつ貯留部4内に向けて搬送する。こうして順次搬送される用紙Pを、搬入装置74が上面つまり他表面を吸引保持しながら、貯留部4内に搬入する。
貯留部4に用紙Pが一時貯留された後、搬出装置81がその用紙Pを貯留部4から搬出する。こうして搬出された用紙Pをピックアップローラ82が順次ピックアップし、タイミングローラ83へ搬送する。タイミングローラ83は、順次所定のタイミングで用紙Pを搬送して第2の孔版印刷部5に送り込む。
第2の孔版印刷部5は、搬送された用紙Pの上側の面すなわち他表面に、前述の通りにして画像を印刷する。続いて排出装置84が、印刷された他表面が上側を向いている用紙Pを、その一表面を吸引保持しながら排紙台6に搬送する。以上の通りにして排紙台6には、両面印刷が完了した用紙Pが順次積載される。
以上述べた通りの基本構成を有する従来の両面孔版印刷装置においては、片面印刷が終了した用紙Pに付いていた未乾燥のインクがタイミングローラ83に付着し、それが図5にGで示すように用紙Pに転写されて汚れとなる不具合が認められる。なおこの図5において、インクGによって用紙Pが汚れる範囲を矢印Hで示してある。つまりこの例は、タイミングローラ83が用紙幅方向に亘って複数設けられている場合のものである。
以下、このような不具合を防止するための構成について説明する。前記第2中間搬送部8Bは第1中間搬送部8Aとともに、本発明における搬送手段を構成している。そして第2中間搬送部8Bに含まれるピックアップローラ82およびタイミングローラ83は、前者が本発明における第1の搬送ローラ、後者が本発明における第2の搬送ローラを構成している。そこで以下の説明においては、それらを各々第1の搬送ローラ82、第2の搬送ローラ83と称することとする。
図6の(1)は、上記第1の搬送ローラ82および第2の搬送ローラ83の作動状態を示すものであり、横軸は時間を、縦軸はそれらの搬送速度を示している。また図12には、搬送ローラ82および83の回転ON−OFFと、第1センサS1および第2センサS2の用紙検出ON−OFFのタイミング関係を示してある。なおこの図12では、搬送ローラ82および83が少しでも回転している状態をON、停止している状態をOFFとして示してあり、ON状態下で斜線を付した領域が、それぞれを駆動させるモータM1、M2に通電されている期間を示している。またT1、T2で示す期間は、モータM1への通電が遮断された後に第1の搬送ローラ82が停止状態に移行する期間である。
まず、図6の(1)に示されるように、実線で作動状態を示してある第1の搬送ローラ82は、前述した制御部の指令に基づいて所定のタイミングで基本動作つまり、普通に用紙Pを搬送する動作に入る。このとき、破線で作動状態を示してある第2の搬送ローラ83も、1枚前の用紙Pを搬送する基本動作を行っている。第1の搬送ローラ82はモータM1に通電されると一定の加速度で加速してから、所定の一定速度で用紙Pを搬送する。そして該用紙Pの先端が第1センサS1によって検出されると、その第1センサS1の出力に基づく上記制御部の指令によりモータM1への通電が遮断され、第1の搬送ローラ82は減速して停止状態に移行する。
第1の搬送ローラ82が完全に停止する前に用紙Pの先端は、停止している第2の搬送ローラ83に突き当たり、そのため用紙Pには、たるみが生成される。このたるみは、第1の搬送ローラ82が完全に停止するまでの期間、つまり図6(1)において斜線を付して示す期間、生成され続ける。こうしてたるみを生成させることにより、用紙Pの先端は第2の搬送ローラ83の軸と平行な状態となるので、もしそれまでに該用紙Pが蛇行していたとすると、その蛇行が修正される。
第1センサS1が用紙Pの先端を検出してから所定時間(これは第1の搬送ローラ82が完全に停止するまでよりも長い時間とされる)が経過すると、モータM2に通電されて第2の搬送ローラ83が駆動開始する。なお、この駆動開始の時点を同図においてaで示してある。それにより用紙Pは、今度は該第2の搬送ローラ83によって搬送されるようになる。このときの第2の搬送ローラ83の動作も、普通に用紙Pを搬送するための基本動作である。
第2の搬送ローラ83が所定時間駆動するとモータM2への通電が遮断されて該第2の搬送ローラ83は減速し始めるが、その直後に用紙先端が第2ドラム51へ到達し、それ以後、用紙Pは該第2ドラム51と第2プレスローラ52とによって搬送される。この状態のとき第2の搬送ローラ83は用紙Pの搬送に伴って連れ回りし、用紙Pが抜け切ると減速して停止する(同図左端側に示す1枚前の用紙Pに対する動作参照)。
上述のように時点aで第2の搬送ローラ83の基本動作としての駆動が開始するとき、同時に第1の搬送ローラ82も、モータM1に通電されることにより駆動開始する。この第1の搬送ローラ82の駆動は、その搬送速度(駆動していなければゼロである)と第2の搬送ローラ83の搬送速度との差を小さくするためのアシスト駆動である。同図に示す角度bは、第1の搬送ローラ82および第2の搬送ローラ83の加速度を示しているが、ここに示される通り本実施形態では、第2の搬送ローラ83のアシスト駆動の加速度は、第2の搬送ローラ83の基本動作としての駆動の加速度と同じに設定されている。
こうして両搬送ローラ82、83が共に駆動して用紙Pが搬送されるが、第1の搬送ローラ82の到達速度、つまり定速となる最高速度は、図示の通り第2の搬送ローラ83のそれよりもやや低い値に設定されているので、ある程度の時間が経過すると用紙Pのたるみが解消される。この用紙たるみが解消されるときの両搬送ローラ82、83の速度差は、図中にcで示す値となる。
比較のために図6(2)には、第1の搬送ローラ82が上記アシスト駆動をしない場合、つまり第1の搬送ローラ82は用紙のたるみ解消後、単に用紙搬送に伴って連れ回りするようにした場合の、両搬送ローラ82、83の速度変化を示してある。ここに示されるように、第1の搬送ローラ82がアシスト駆動しなければ、用紙たるみは、第2の搬送ローラ83が駆動開始して加速中に解消されることになり、そのときの両搬送ローラ82、83の速度差は図中c′で示すように、アシスト駆動がなされる場合の速度差cよりかなり大きい値となる。
このように両搬送ローラ82、83の速度差が大きい状態のときに用紙たるみが解消されると、第2の搬送ローラ83によって搬送されている用紙Pに対して、搬送に抵抗する比較的大きな力が加わるようになる。そのため、該用紙Pと第2の搬送ローラ83との間に滑りや擦れが発生するので、それまでの搬送動作時に第2の搬送ローラ83の周面にインクが付着していたとすると、そのインクが用紙Pに転写して汚れとなる。先に図5に示したよごれGは、このようにして発生するものであることが、本発明者の研究により判っている。
それに対して、本実施形態におけるように第2の搬送ローラ83にアシスト駆動をさせて、用紙たるみが解消されるときの両搬送ローラ82、83の速度差cを小さく設定しておけば、上述した用紙Pと第2の搬送ローラ83との間の滑りや擦れが発生し難くなるので、用紙Pの汚れを効果的に防止可能となる。
以上の通りにして用紙たるみが解消された後、用紙Pの先端が第2センサS2によって検出されると、その第2センサS2の出力に基づく前記制御部の指令によりモータM1への通電が遮断され、アシスト駆動していた第1の搬送ローラ82は減速して停止状態に移行する。
ここで、上記速度差cについて説明する。本実施形態では、第1の搬送ローラ82と第2の搬送ローラ83が共に一定速度で駆動しているときにたるみが解消されるようになっているが、このときの第1の搬送ローラ82の搬送速度が第2の搬送ローラ83の搬送速度の70%を下回るほど大きな速度差cが有ると、前述した用紙Pと第2の搬送ローラ83との間の滑りや擦れに起因する用紙汚れが目立ちやすくなる。またこの汚れは、速度差cが大であるほどより濃いものとなる。
反対に、第1の搬送ローラ82の搬送速度が第2の搬送ローラ83の搬送速度の90%を上回るほど速度差cが小さいと、たるみ解消まで長い時間を要するので、両搬送ローラ82、83が共に一定速度で駆動している期間内にたるみが解消されない可能性が高くなる。つまりその場合は、第1の搬送ローラ82が停止状態に移行するようになってからたるみが解消されるので、結局、両搬送ローラ82、83に大きな速度差が有る状態下でたるみが解消されることになり、用紙汚れを招く上記滑りや擦れが発生しやすくなる。以上のことから、第1の搬送ローラ82と第2の搬送ローラ83が共に一定速度で駆動しているときにたるみが解消されるようにする場合は、第1の搬送ローラ82の用紙搬送速度を、第2の搬送ローラ83の用紙搬送速度の70〜90%の範囲に設定するのが望ましい。
なお、用紙Pのたるみ解消は、必ずしも第1の搬送ローラ82と第2の搬送ローラ83が共に一定速度で駆動している状態下でなされなくても構わない。しかし、例えば両搬送ローラ82、83が加速している状態下では、モータM1およびM2の特性バラツキ等に起因して搬送ローラ82、83の速度が不安定になりやすいという事情がある。そこで、そのような状態下でたるみが解消されるようにすると、両搬送ローラ82、83の速度差が大きいときにたるみ解消がなされることもあり、その場合は用紙Pに前述の汚れが発生しやすくなる。この点を考慮すれば、両搬送ローラ82、83が共に一定速度で安定駆動している状態下でたるみが解消されるようにそれらの駆動を制御するのが望ましい。
また本実施形態において、図6(1)の時点aからなされる第1の搬送ローラ82のアシスト駆動は、基本動作する第2の搬送ローラ83の駆動と同じ開始タイミングおよび同じ加速度で行われるようになっているが、これも必ずしも必要なことではない。つまり、第1の搬送ローラ82と第2の搬送ローラ83の駆動開始タイミングや加速度が互いに相違していても構わない。しかし本実施形態のようにすれば、両搬送ローラ82、83が共に一定速度で駆動している好ましい状態下でたるみが解消されるようにするための設計が容易になる。
なお、第1の搬送ローラ82のアシスト駆動および第2の搬送ローラ83の基本動作が開始してから、用紙Pのたるみが解消されるまでの必要な用紙送り量は、その用紙Pの種別に応じて異なることが多い。つまり一般には、たるみを生成させる条件を一定にしておいても、用紙Pが薄いほどより大きなたるみが発生するので、第1の搬送ローラ82のアシスト駆動をより長い時間に亘って行う必要がある。以下、この点も考慮した上で、両搬送ローラ82、83が共に一定速度で駆動している状態下で確実にたるみ解消がなされるようにした制御について説明する。ここで、この制御がなされる両面孔版印刷装置1の基本的な構成は先に図1〜4に示したものと同じであるので、以下の説明に出て来る装置の構成要素については図1〜4を参照されたい。
図7はこの場合の用紙給紙から用紙排紙までの処理の流れを示すフローチャート、図8および図10はそれぞれ、この処理の一部におけるサブルーチン処理の流れを示すフローチャート、そして図9は図8の処理に用いられるルックアップテーブル(LUT)の内容を説明する概略図である。
また図11の(1)、(2)はそれぞれ、この処理がなされる際の第1の搬送ローラ82の作動状態と、前記搬出装置81(図2参照)の作動状態とを示すものである。ここで同図の(1)において横軸は時間を、縦軸は搬送ローラ82の搬送速度を示している。なお、ここでは第1の搬送ローラ82の作動状態のみを示してあるが、第2の搬送ローラ83も基本的に図6に示したのと同様に作動する。また図11の(2)において、横軸は時間を、縦軸はシャッタ羽根81f(図3および図4参照)の開閉に基づく搬送ベルト81bの吸引状態を示している。
図7の処理がスタートすると、まずステップS10において給紙がなされ、次にステップS11において、第1の搬送ローラ82のアシスト動作による用紙送り量を設定するための設定出しが行われる。この設定出しは、図8に示すサブルーチン処理でなされ、まずステップS20において給紙条件つまり用紙Pのサイズと厚みタイプが確認され、次にステップS21において、アシスト動作による用紙送り量を定めるデータがLUTから取得される。
この用紙送り量は、一例として、予め定められた基準送り量に対してどれだけの長さ送り量を延長するか、という形で定められる。その送り延長量は図9に示すLUTを参照して定められ、本例では用紙タイプが厚手のもの、標準タイプのものでは用紙サイズに関わらず延長量が0(ゼロ)とされ、薄手タイプのものでは用紙サイズがA3、A4、B4のときそれぞれ延長量が40mm、30mm、35mmとされる。こうしてLUTから取得されたデータはステップS22において、第1の搬送ローラ82を駆動させるモータM1(図2参照)の作動を制御する図示外の制御部へ転送される。
次に図7の処理に戻ると、ステップS12において第1の印刷手段3による用紙一表面への印刷がなされる。その後ステップS13において、その印刷された用紙Pが、用紙反転ユニットの一部を構成する貯留部4の内部に貯留(ストック)される。次いでステップS14において、処理開始してから所定時間が経過したかどうか判別される。所定時間が経過したと判別された場合、処理の流れは次のステップS15に移り、所定時間が経過したと判別されない場合はこの判別処理が繰り返される。
次のステップS15では反転ユニットから第2の印刷手段5への給紙がなされ、次いでステップS16で第2の印刷手段5により用紙他表面への印刷がなされ、最後にステップS17で排紙がなされて一連の印刷処理が終了する。なお、以上は用紙1枚に印刷する場合について説明したが、複数枚の用紙に印刷する場合は、上記第1の印刷手段3による用紙一表面への印刷、貯留部4への用紙貯留および第2の印刷手段5による用紙他表面への印刷が並行してなされる。
ここで、上記ステップS15における給紙は、図10に示すサブルーチン処理によってなされる。ここでは、処理がスタートするとまずステップS30において、図3および図4に示すシャッタユニット81eの開閉口つまりシャッタ羽根81fが開状態に設定される。次にステップS31において、モータM1のつまり第1の搬送ローラ82の給紙動作(基本動作)が開始され、次に所定時間を置いてステップS32において、上記シャッタ羽根81fが閉状態に設定される。なお、このシャッタ羽根81fの開閉タイミングについては、後に詳しく説明する。また上記モータM1への通電は、前述した場合と同様に、第1センサS1が用紙Pの先端を検出すると遮断される。
そしてさらに所定時間が経過すると、ステップS33において、モータM1のつまり第1の搬送ローラ82のアシスト動作が開始される。その後ステップS34において、アシスト動作の停止タイミングになったか否かが判別される。この判別処理は停止タイミングになったと判別されるまで続けられ、停止タイミングになったと判別されると、次にステップS35においてモータM1への通電が遮断されて、アシスト動作が終了する。
ここで、上記ステップS34における処理について詳しく説明する。本処理においてモータM1の駆動を制御する制御部は、第1の搬送ローラ82のアシスト動作による用紙送り量を、予め定められた基準送り量に、図8のステップS21で取得されたデータが示す送り延長量を加えた形で決定する。つまり、上記基準送り量だけを設定する場合(送り延長量がゼロの場合)上記制御部は、第2センサS2が用紙Pの先端を検出した時点でモータM1への通電を遮断し、アシスト駆動している第1の搬送ローラ82を停止状態に移行させる。
他方、上記データが示す送り延長量がゼロではない場合、上記制御部は、第2センサS2が用紙Pの先端を検出した時点から、その延長量に対応した時間だけ遅らせて、モータM1への通電を遮断する。そこで、第2の搬送ローラ83のアシスト駆動の時間が図11(1)に破線e1やe2で示すように延ばされ、ひいてはアシスト駆動による用紙送り量が延長される。
先に述べたように、用紙Pに生成するたるみは、その生成条件を一定にしておいても、一般に用紙Pが薄いほどより大きなものとなる。そこで上述のように、図9に示すLUTに基づいてアシスト駆動を延長させれば、大きなたるみが生成する場合ほどアシスト駆動の時間が長くなるので、両搬送ローラ82、83が共に一定速度で駆動している好ましい状態下で確実にたるみ解消がなされるようになる。
なお、図3および図4に示したシャッタ羽根81fは、図示外のシャッタ制御部により開閉が制御され、それにより、搬送ベルト81bの吸引状態が図11(2)に示す通りに制御される。なお搬送ベルト81bは、シャッタ羽根81fが開かれると用紙Pを保持する吸引状態となり、シャッタ羽根81fが閉じられると吸引を行わない状態つまり、用紙Pを解放する状態となる。
搬送ベルト81bは、図示外の動力伝達機構を介してモータM1により、第1の搬送ローラ82と共に回転駆動される。つまり、第1の搬送ローラ82がそのアシスト駆動期間も含めて駆動している間は、搬送ベルト81bも回転駆動し続ける。そしてこの搬送ベルト81bは、第1の搬送ローラ82の基本動作が開始する前から吸引状態に設定され、貯留部4の最下位に有る用紙Pを1枚吸着保持して第1の搬送ローラ82に送り込む。そして第1センサS1が用紙先端を検出すると、上記シャッタ制御部はシャッタ羽根81fを閉じさせて、搬送ベルト81bを解放状態に設定する。
こうすることにより、その後第1の搬送ローラ82がアシスト駆動して、そのアシスト駆動期間中に同時に搬送ベルト81bが回転駆動していても、該搬送ベルト81bは用紙Pを吸着できないので、その際に次の用紙Pが貯留部4から取り出されることがなくなる。そこで、このアシスト駆動期間に用紙が重送されたり、あるいは第2ドラム51に不正なタイミングで用紙Pが送られて該用紙Pにズレた画像が印刷されたりすることが防止される。
また、第1の搬送ローラ82のアシスト駆動が終了すると、少しの時間を置いてシャッタ羽根81fが開かれる。そこで搬送ベルト81bは吸引状態に設定されて、貯留部4から次の用紙Pを取り出せるようになる。なおこのシャッタ羽根81fを開くタイミングも、図11(2)に破線e1やe2で示すように、第1の搬送ローラ82のアシスト延長に応じて遅延されるようになっている。そのようにすれば、まだ第1の搬送ローラ82のアシスト駆動が続いているのに搬送ベルト81bの用紙吸引保持が再開されて、結局用紙重送等の問題が発生してしまうことが防止される。
以上、両面孔版印刷装置1に適用された実施形態について説明したが、本発明はそれに限らず、第1の印刷手段と第2の印刷手段とを備えるとともに、用紙を第1の印刷手段から第2の印刷手段に搬送する搬送手段を備えてなるその他の印刷装置、例えば用紙反転ユニットは持たない多色印刷装置等に対しても適用可能であり、その場合も前述と同様の効果を奏するものである。すなわち、そのような構成を有する印刷装置においても、第1の印刷手段で印刷がなされた用紙から、搬送手段を構成している搬送ローラに未乾燥のインクが移ることが有り得るので、本発明を適用すれば、そのようなインクが用紙に転写されて汚れとなることを防止可能となる。
また、本発明を両面孔版印刷装置に適用する場合も、印刷装置は上記実施形態の装置に限られるものではなく、例えば装置ハウジング10の上側に、原稿の画像を読み取るスキャナ部や、スキャナ部で読み取った原稿画像の画像データに基づいて生成された孔版画像データに基づいて孔版原紙を穿孔して製版を行う製版部等を備えた構成としてもよい。
1 両面孔版印刷装置
2 給紙台
3 第1の孔版印刷部(第1の印刷手段)
4 貯留部
5 第2の孔版印刷部(第2の印刷手段)
6 排紙台
7 給紙部
8A 第1中間搬送部
8B 第2中間搬送部
9 排紙部
10 装置ハウジング
73 反転装置
74 搬入装置
81 搬出装置
81a プーリ
81b 搬送ベルト
81c ファン
81e シャッタユニット
81f シャッタ羽根
82 ピックアップローラ(第1の搬送ローラ)
83 タイミングローラ(第2の搬送ローラ)
84 排出装置
M1、M2 モータ
P 用紙
S1 第1センサ
S2 第2センサ

Claims (3)

  1. 用紙の一表面に印刷する第1の印刷手段と、
    前記印刷がなされた用紙を重ねて一時貯留しておく貯留部と、
    前記用紙の一表面または他表面に印刷する第2の印刷手段と、
    前記一表面に印刷がなされた用紙を前記貯留部から第2の印刷手段に搬送する搬送手段とを備え、
    前記搬送手段が、1対のニップローラからなる第1の搬送ローラ、この第1の搬送ローラに対して用紙長さ未満の距離を置いて用紙搬送方向下流側に配置された第2の搬送ローラ、および第1の搬送ローラと共に回転駆動され、前記貯留部から1枚の用紙を吸引保持して前記第1の搬送ローラに送る搬送ベルトを含んで構成されている印刷装置において、
    前記第1の搬送ローラが、前記第2の搬送ローラが停止している期間に用紙の先端が第2の搬送ローラに突き当たってから、該用紙にたるみが生じるまで駆動して停止し、
    その後前記第2の搬送ローラが駆動開始し、
    少なくとも前記たるみが解消される際に前記第1の搬送ローラがアシスト駆動し、
    このアシスト駆動がなされている期間内の、少なくとも用紙が前記搬送ベルトに面している期間、該搬送ベルトの用紙吸引保持が停止するように構成されていることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記搬送ベルトが、ベルト表面に形成された複数の孔から空気吸引する手段と、この空気吸引手段と前記ベルト表面との間に介設されたシャッタとを備え、このシャッタを閉じることによって前記用紙吸引保持を停止するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  3. 前記第1の搬送ローラのアシスト駆動による用紙送り量を、用紙の種別に応じて調整可能とされており、
    前記搬送ベルトが前記用紙吸引保持を停止した後に該用紙吸引保持を再開するタイミングが、前記調整される用紙送り量が大であるほど後側に移行するように調整可能とされていることを特徴とする請求項1または2記載の印刷装置。
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