JP2011121393A - 車両のドア開閉制御装置 - Google Patents

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貴夫 田中
Shinichi Yoshida
慎一 吉田
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Abstract

【課題】車両を発進させる時に、駆動力伝達系統が接続されていない状態であることを運転者に注意喚起し、坂道等でのずり下がりを防止する。
【解決手段】コントローラ26により、車両10の発進時、中扉12を閉じた状態で、かつ駆動力伝達系統が接続されていない時に、発進禁止灯36を点灯したままにし、駆動力伝達装置が接続された後で発進禁止灯36を消灯させる。これによって、運転者に駆動力伝達系統が接続されていないことを注意喚起又は警告でき、坂道等に車両10が停止しているときでも、車両10のずり下がりを防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に設けられた乗降用ドアの開閉を制御する制御装置に関する。
バス等の車両には、運転者がうっかりして誤操作をしても、車両が走行している間に乗降用ドアが開いたり、あるいは乗降用ドアが開いている時に、車両が動き出したりしないようにする等の種々の制御装置が提案されている。
例えば、特許文献1には、車両の走行中に車両ドアの開放信号があった場合(即ち、運転者が車両ドアを開く操作をした場合)には、車速センサにより車両が走行中であることを検出し、制御装置により禁止モードに移行させ、車両の停止時にリセット動作を行って許可モードに移行させた後、車両ドアの開放信号があった場合には、車両ドアを開くようにした制御方式が開示されている。この制御方式では、車両が走行中に運転者がドアを開く操作を行なっても、ドアが開かれず、車両の停止時にリセット動作がなされて初めてドアが開くようになっている。
しかし、特許文献1に開示された制御方式では、例えば、車両が停止してドアを開いた状態で、運転者が不用意にフットブレーキから足を外してしまうと、坂道に停車しているような場合、あるいはオートマチック車のクリープ現象が生じることによって、車両が動き出してしまう場合がある。
本発明者等は、この問題を解消して、ドア開閉に伴う安全対策を万全にできる制御装置を備えた車両を特許文献2で提案している。
特許文献2で提案された車両は、車両の速度を検出するための車速センサと、ドアを開閉するためのドア開閉スイッチと、ドアの開閉状態を検出するためのドア開閉センサと、駐車ブレーキと、エンジンの駆動力を車輪に伝達する駆動力伝達装置と、車速センサにより車両が停車していることを検出し、かつドア開閉センサによりドアが開いていることを検出したとき、駆動力伝達装置による駆動力の伝達を禁止すると共に、駐車ブレーキを作動させる制御装置と、を備えたものである。かかる構成によって、車両の発進時に、ドアが開いている状態で車両が動き出すことを防止できるようにしている。
特許文献2には、前記構成に加えて、さらにフットブレーキを備え、前記制御装置によって、駐車ブレーキを作動させた状態で、ドア開閉センサによりドアが閉まっていることを検出し、かつフットブレーキが作動していると判断した場合に、駐車ブレーキを解除すると共に、駆動力伝達装置による駆動力の伝達を許可するように構成した車両が開示されている。かかる構成によって、車両の発進時に、ドアが閉まった状態から安全に走行を開始できるようにしている。
特開2007−231662号公報 特願2008−328586号明細書及び図面(非公開)
特許文献2に開示されたように、ドア開閉センサによりドアが閉まっていることを検出し、かつフットブレーキが作動していると判断した場合に、駐車ブレーキを解除すると共に、駆動力伝達装置による駆動力の伝達を許可するように構成したドア開閉制御装置において、さらに発進禁止灯を設け、ドアが開いた状態の時に、ドア開閉センサで得られるドア開の検出信号により、駆動力伝達系統を遮断すると同時に、発進禁止灯を点灯させて、運転者が車両を発進操作しないように注意を促す制御方式が考えられる。発進禁止灯は、例えば、ドアを開けると点灯し、ドアを閉じた数秒後に消灯するようにする。
しかし、この方式では、ドアを閉じてもフットブレーキを踏まない場合、発進禁止灯は消灯するが、駆動力伝達系統が接続されていない状態になる。従って、運転者は発進禁止灯が消灯しているので、車両を発進させようとするが、駆動力伝達系統が接続されていないため、発進できない事態が生じ得る。この場合、車両の停止場所が坂道であると、運転者の意図に反して、車両がずりさがってしまうという問題がある。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、車両のドア開閉制御装置において、車両を発進させる時に、駆動力伝達系統が接続されていない状態であることを運転者に注意喚起又は警告し、坂道等でのずり下がりを防止することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明の車両のドア開閉制御装置は、車両に設けられた乗降用ドアが車両の走行中に開かないようにした制御装置を備えた車両のドア開閉制御装置において、車両の速度を検出するための車速センサと、乗降用ドアを開閉するためのドア開閉スイッチと、乗降用ドアの開閉状態を検出するためのドア開閉センサと、フットブレーキと、エンジンの駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達装置と、乗降用ドアが開いた時に点灯する発進禁止灯と、乗降用ドアが開いている時に駆動力伝達装置の駆動力伝達系統を遮断すると共に、発進禁止灯を点灯させ、かつ乗降用ドアが閉じられ、フットブレーキが作動している条件の下で、該駆動力伝達系統を接続させ、さらに駆動力伝達系統の接続後に発進禁止灯を消灯させる制御装置と、を備えたものである。
本発明装置では、ドアを閉じた状態で、運転者がフットブレーキを踏まない場合でも、発進禁止灯が点灯したままになる。そして、運転者がフットブレーキを踏んで、駆動力伝達系統が接続され、その後、設定時間を経て発進禁止灯を消灯するようにする。
このように、ドアが閉じられていても、運転者がフットブレーキを踏まないと、駆動力伝達系統が接続されていない状態となるが、発進禁止灯が点灯しているので、運転者に駆動力伝達系統が接続されていないことを注意喚起或いは警告できる。
そのため、駆動力伝達系統が接続されていないにもかかわらず、運転者が駆動力伝達系統が接続されていると勘違いして車両を発進させようとするのを回避できる。従って、車両が坂道等に停車している場合でも、車両のずり下がりを防止できる。
また、本発明装置において、前記構成に加えて、車両にさらに駐車ブレーキを備え、制御装置によって、乗降用ドアが開いている時に駆動力伝達装置の駆動力伝達系統を遮断すると共に、該駐車ブレーキを作動させ、かつ乗降用ドアが閉じられ、フットブレーキが作動しているとき、該駐車ブレーキを解除させるようにするとよい。
これによって、乗降用ドアが開き、駆動力伝達系統が遮断された状態の時に、運転者が万一フットブレーキを踏み忘れても、駐車ブレーキが作動しているので、車両を確実に停車させておくことができる。
本発明装置は、特に、路線バスで車体の中央部に設けられた乗客の乗降用中扉に適用されて好適であり、さらに、ワンマンバスに適用されれば、運転者の誤操作に対してもドアを安全に開閉できる。
本発明装置によれば、車両に設けられた乗降用ドアが車両の走行中に開かないようにした制御装置を備えた車両のドア開閉制御装置において、車両の速度を検出するための車速センサと、乗降用ドアを開閉するためのドア開閉スイッチと、乗降用ドアの開閉状態を検出するためのドア開閉センサと、フットブレーキと、エンジンの駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達装置と、車両の発進禁止時に点灯する発進禁止灯と、乗降用ドアが開いている時に駆動力伝達装置の駆動力伝達系統を遮断すると共に、発進禁止灯を点灯させ、かつ乗降用ドアが閉じられ、フットブレーキが作動している条件の下で、該駆動力伝達系統を接続させ、さらに駆動力伝達系統の接続後に発進禁止灯を消灯させる制御装置と、を備えているので、車両の発進時に、ドアが閉じられていても、運転者がフットブレーキを踏まないと、駆動力伝達系統が接続されていない状態となっているが、発進禁止灯が点灯しているので、運転者に駆動力伝達系統が接続されていないことを注意喚起又は警告できる。
そのため、駆動力伝達系統が接続されていないにもかかわらず、運転者が駆動力伝達系統が接続されていると勘違いして車両を発進させようとするのを回避できる。従って、車両が坂道等に停車している場合でも、車両のずり下がりを防止できる。
本発明装置を路線バスに適用した一実施形態に係る路線バスの正面視模式図である。 前記実施形態における各機器の作動手順を示す線図である。 前記実施形態における各機器の作動手順を示すフローチャートである。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
(実施形態)
本発明装置を路線バスに適用した一実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。図1において、この路線バス10は、バス車体の中央部に設けられた乗客の乗降用中扉12と、運転席付近に設けられ、運転者が中扉12を開閉するために切り替え操作するドア開閉スイッチ14と、中扉12の開閉状態を検出するドア開閉センサ16と、車速センサ18と、フットブレーキ20と、図示省略のエンジンと車輪22とを接続する駆動力伝達系統を伝達又は遮断する駆動力伝達装置24と、を備えている。また、運転席付近には、路線バス10の中扉12が開いた状態の時に点灯して、運転者に注意喚起又は警告する発進禁止灯36が設けられている。
駐車ブレーキ28は、電磁弁30が閉じた状態でエアタンク32から配管34を介して圧縮空気が図示省略のブレーキチャンバに供給され、電磁弁30が開くと、該ブレーキチャンバから排気される。電磁弁30が開くと、該ブレーキチャンバ内の圧縮空気が排気され、車輪22の内部に設けられた図示省略のブレーキシューが外側に押し広げられて、駐車ブレーキ28が作動する。駐車ブレーキ28のこのような構成は従来公知である(詳細構成は、特許文献2の図2を参照)。
コントローラ26は、運転者によるドア開閉スイッチ14の切り替え操作に応じて中扉12を開閉すると共に、ドア開閉センサ16により中扉12の開閉状態を検出する。また、コントローラ26は、車速センサ18により路線バス10の速度を検出する。また、コントローラ26は、運転者の操作によるフットブレーキ20に応じて路線バス10を停車させると共に、電磁弁30を切り替えて駐車ブレーキ28を作動させる。
さらに、コントローラ26は、駆動力伝達装置24を制御して、中扉12が開くと同時に、駆動力伝達系統を遮断し、中扉12が閉じ、運転者がフットブレーキ20を踏んだ後、設定時間I(例えば。35秒)後に、駆動力伝達系統を接続させる。
さらに、コントローラ26は、中扉12が開くと同時に、発進禁止灯36を点灯させ、中扉12が閉じ、運転者がフットブレーキ20を踏んだ後、設定時間I(例えば1.0秒。I<I)後に、発進禁止灯36を消灯させる。
次に、図2及び図3により、コントローラ26による路線バス10の運行制御動作を説明する。図2及び図3において、路線バス10が走行を開始すると(ステップ1)、コントローラ26は、車速センサ18で車両の速度を検出し、車両が停車するまで待機する(ステップ2)。路線バス10が停車すると、コントローラ26は、ドア開閉センサ16で中扉12の開閉状態を検出する(ステップ3)。中扉12が閉じていると判断されると、コントローラ26は、運転者によるドア開閉スイッチ14の切り替えを待機する(ステップ6)。
路線バス10が停車し、運転者によってドア開閉スイッチ14が開操作されると、コントローラ26は、路線バス10が停車中であり安全であると判断して、中扉12を開放する(ステップ7)。つまり、コントローラ26は、車速センサ18により路線バス10が停車中であることを確認して、中扉12を開くようにしているため、安全である。
中扉12が開放されると(ステップ7)、又はステップ3で中扉12が開放されていると判断した場合、コントローラ26は、安全対策として、発進禁止灯36を点灯させると共に(ステップ8)、エンジンの駆動力を車輪22に伝達しないように、駆動力伝達装置24による駆動力の伝達を禁止する(ステップ9)。同時に、電磁弁30を開いて駐車ブレーキ28を作動させる(ステップ10)。この状態で、路線バス10を確実に停車させて、乗客の乗り降りを安全に実施できる。
駆動力伝達装置24により駆動力伝達系統が遮断されている時、運転者が不用意にフットブレーキ20を離してしまうと、路線バス10が動き出してしまう可能性がある。しかし、本実施形態では、駐車ブレーキ28を作動させているため、路線バス10を確実に停車させておくことができる。
乗客の乗降が終わり、中扉12を閉じるため、運転者によって開閉スイッチ14が閉操作されると(ステップ11)、コントローラ26は、中扉12を閉じる(ステップ12)。この後、コントローラ26は、運転者によってフットブレーキ20が踏まれていることを条件に(ステップ13)、電磁弁30を閉じる。これによって、エアタンク32から配管34を介して圧縮空気が前記ブレーキチャンバに供給され、駐車ブレーキ28を解除する(ステップ14)。
また、運転者によりフットブレーキ20が踏まれてから、設定時間I(例えば0.35秒)後に、駆動力伝達系統の伝達を許可する(ステップ15)。
さらに、駆動力伝達系統が接続された後、即ち、フットブレーキ20が踏まれてから設定時間I(例えば1.0秒。I<I)後に、発進禁止灯36を消灯する(ステップ16)。
この状態で、路線バス10の運航が可能になるが、フットブレーキ20が作動しているため、路線バス10が勝手に動き出すことはない。ステップ16で発進禁止灯を消灯した後、コントローラ26は、ステップ1に戻り、路線バス10の運航を終了するまで、ステップ1〜ステップ16の処理を繰り返す。
本実施形態によれば、中扉12を閉じた状態で、運転者がフットブレーキ20を踏まない場合でも、発進禁止灯36が点灯したままになる。そして、運転者がフットブレーキ20を踏んで、駆動力伝達系統が接続され、その後、設定時間Iを経て発進禁止灯36が消灯する。
このように、中扉12が閉じられていても、運転者がフットブレーキ20を踏まないと、駆動力伝達系統が接続されていない状態となるが、発進禁止灯36が点灯しているので、運転者に駆動力伝達系統が接続されていないことを注意喚起或いは警告できる。
そのため、駆動力伝達系統が接続されていないにもかかわらず、運転者が駆動力伝達系統が接続されていると勘違いして路線バス10を発進させようとするのを回避できる。従って、路線バス10が坂道等に停車している場合でも、路線バス10のずり下がりを防止できる。
また、路線バス10の停車中、中扉12を開き(ステップ7)、駆動力伝達系統を遮断している時(ステップ9)に、駐車ブレーキ28を作動させているため(ステップ10)、万一運転者がフットブレーキ20を踏み忘れても、駐車ブレーキ28で路線バス10を確実に停車させておくことができる。
なお、本実施形態では、ステップ10で駐車ブレーキ28を作動させ、ステップ14で駐車ブレーキ28を解除するようにしているが、特に、駐車ブレーキ28の操作を行なわなくても、特に乗客等の安全に支障はなく、路線バス10の運航を安全に実施することができる。
本発明によれば、車両の発進時に、駆動力伝達系統が接続されていない状態であることを運転者に注意喚起して、安全に発進させるようにすることができる。
10 路線バス
12 中扉(ドア)
14 ドア開閉スイッチ
16 ドア開閉センサ
18 車速センサ
20 フットブレーキ
22 車輪
24 駆動力伝達装置
26 コントローラ
28 駐車ブレーキ
30 電磁弁
32 エアタンク
34 配管
36 発進禁止灯

Claims (3)

  1. 車両に設けられた乗降用ドアが車両の走行中に開かないようにした制御装置を備えた車両のドア開閉制御装置において、
    車両の速度を検出するための車速センサと、
    乗降用ドアを開閉するためのドア開閉スイッチと、
    乗降用ドアの開閉状態を検出するためのドア開閉センサと、
    フットブレーキと、
    エンジンの駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達装置と、
    車両の発進禁止時に点灯する発進禁止灯と、
    乗降用ドアが開いている時に駆動力伝達装置の駆動力伝達系統を遮断すると共に、発進禁止灯を点灯させ、かつ乗降用ドアが閉じられ、フットブレーキが作動している条件の下で、該駆動力伝達系統を接続させ、さらに駆動力伝達系統の接続後に発進禁止灯を消灯させる制御装置と、を備えたことを特徴とする車両のドア開閉制御装置。
  2. 前記車両は駐車ブレーキを備え、
    前記制御装置は、乗降用ドアが開いている時に前記駆動力伝達装置の駆動力伝達系統を遮断すると共に、該駐車ブレーキを作動させ、かつ乗降用ドアが閉じられ、フットブレーキが作動しているとき、該駐車ブレーキを解除させることを特徴とする請求項1に記載の車両のドア開閉制御装置。
  3. 前記車両が路線バスであり、前記ドアが車体の中央部に設けられた中扉であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両のドア開閉制御装置。
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