JP2011120228A - 携帯通信端末 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】通話時において、携帯電話機のアンテナ素子131と、ユーザとの間に位置する携帯電話機の筐体内に蒸着110を設ける。そして、当該蒸着110には、アンテナとして作用する励振端111が形成されるように切欠きを入れる。アンテナ素子131から発信された電波により蒸着110には電力が誘起され、誘起された電力に基づく電波が励振端111から発信される。
【選択図】図3
Description
特許文献1には、そのように携帯電話機に搭載された電子部品の発する電磁波をシールドできる携帯電話機が開示されている。
アンテナ性能の低下は、通信の品質を低下させる可能性があるので、携帯通信端末としては、そのような事態はできるだけ避けることが望ましい。
そこで、本発明においては、携帯通信端末に備えられたアンテナから発信される電波を遮蔽しつつも、アンテナ性能の劣化を軽減する携帯通信端末を提供することを目的とする。
ここでいうシールド体は、アンテナ素子から発信される電波を遮蔽する機能を有するものであればよく、例えば、シールド専用の金属膜(蒸着)を用いたり、あるいは、基板に備えられているグランドプレーンを用いることとしてもよい。
<構成>
以下、本発明の一実施形態である携帯電話機について図面を用いて説明する。
図1及び図2は、携帯電話機100の外観図である。図2を見ればわかるように、携帯電話機100は、横開きするタイプの折畳み型携帯電話機である。携帯電話機100の第1筐体101と第2筐体102とがヒンジ部105で回動自在に接続されてなる。第1筐体101の第1の主面の一部にタッチパネルが形成されている。また、この第1の主面の一部は、有機EL(Electro Luminescence)による表示画面201と表示画面202とを備える。表示画面202は、タッチパネルである。当該タッチパネルは、タッチパネルに表示された、例えば、アイコンやキー等を対象とした、指やスタイラスなどによるユーザの入力操作を受け付ける。また、第1筐体101は、当該第1の主面の裏面であって折りたたんだ状態で第2筐体102と正対する面に表示画面210を備える。
図3は、携帯電話機100の分解斜視図であり、図4は、携帯電話機100の断面図であり、図5は、アンテナ設置部材130及びアンテナ素子131の構造を示す3面図である。
アンテナ素子131は、導電性の金属からなり、図5に示すようにアンテナ設置部材130上に貼接されている。アンテナ設置部材130は図5に示す形状をしており、樹脂から成る。そして、図4及び図5に示すように、アンテナ素子131は、アンテナ設置部材130の一表面から側面、他の一表面へと回り込むように形成され、図3に見えるアンテナ設置部材130の反対側の面、即ち図5の下段に示すように励振素子132が形成されている。
図4や図5からも分かるように、アンテナ素子131の励振素子132は、通話時にユーザからなるべく遠ざかるように配されており、本実施の形態では、携帯電話機100のマイク104に対向し、マイク104が近接する第1カバー101aの主面から最も遠くなる、第4カバー102bの主面に近接する位置に励振素子132がくるように構成されている。
<考察>
ここから、上記のように構成した携帯電話機100が実際にSARを低減しつつ、アンテナ性能も確保できているかについて考察する。
「蒸着有り、アンテナ素子有り」というのは、本発明における携帯電話機100の状態を示しており、携帯電話機に蒸着110を設け、当該蒸着110にアンテナとして作用する励振端を設けている状態の携帯電話機を示している。
「蒸着有り、アンテナ素子無し」というのは、携帯電話機に蒸着を設けるものの、当該蒸着に励振端を設けていない状態を示しており、具体的にいうと、図8(a)に示す形状の蒸着112を携帯電話機に備えた状態のことである。
図7に示す実測値は、PCS帯の600ch(channel)、即ち、1880.00MHz帯の信号を送信した場合のTRPとSARを示している。
なお、アンテナをショートさせた場合のTRPは、18.0dBmで、SARが0.64W/kgとなっており、その実測値は、蒸着有りでアンテナ素子無しの場合の実測値とほぼ変わらないことから、励振端111の開放端を蒸着110にショートさせた場合には、蒸着はアンテナとしての役割を果たさないことがわかる。
一方で、蒸着は金属膜なので、励振端(開放端)を設けてやれば誘起された電力がその励振端から電波として発信されることになる。
<実施の形態2>
上記実施の形態1においては、筐体に、アンテナ素子からの電波を遮蔽するシールド体として蒸着110を備え、当該蒸着に切り欠きを設けることで励振端とする構成を示したが、本実施の形態2においては、蒸着に励振端を設ける構成とは異なる構成例を説明する。
<構成>
図10は、実施の形態2に係る携帯電話機1000の分解斜視図である。なお、本実施の形態2に係る各図面において、上記実施の形態1に示した構成と同一となる構成については同一の符号を用いて説明を省略する。
図11は、携帯電話機100の表示画面201と表示画面202とを用いた表示例を示しており、図11に示すように表示画面202には、各種キーを示す情報が表示され、表示画面201には、当該各種キーに対してユーザが入力した内容に基づく情報が表示される。
図12に示すように、基板1001は、キーパッド群1201を配したキーパッド層と、絶縁層1202と、グランドプレーン1203とが重畳されてなる多層基板である。キーパッド群1201は、図11に示した表示画面202に表示される各種のキーに対応する電極であり、表示画面202へのユーザの指やタッチペンによる接触を検出して、各種キーへの入力を検出する。図12には図示していないが、各キーパッドは入力処理を実行するLSI等の処理部に接続されている。なお、図13においては、図面の見易さを考慮して、全てのキーパッドからは、符合1201に対する引き出し線を示していない。
なお、図13(b)にはグランドプレーン1203と絶縁層1202との配置関係を、絶縁層1202を点線で記載することで示している。また、図13(b)に示すように、グランドプレーン1203には、空隙1300が設けられているが、これは、各種のチップ部品やコネクタ等の部品を配するために設けられた空隙である。このような部品を配する必要がない場合には、この空隙1300は必要ないものであり、この場合には、グランドプレーン1203には、空隙1300を設けない。
<まとめ>
本実施の形態2に示したように、携帯電話機に備えられる基板に設けられたグランドプレーンをシールド体として用い、かつ、このグランドプレーンに切り欠きを入れて、励振端とすることで、メインアンテナのアンテナ性能を補強することができる。この場合、携帯電話機に元から備えることが定められている基板のグランドプレーンを利用できるので、上記実施の形態1に示したような蒸着110を用いる場合に比して、その蒸着110の配置箇所等を考慮しなくともよいという利点や、蒸着110分のコストを軽減できるという利点がある。
<実施の形態3>
上記実施の形態2においては、基板のグランドプレーンをシールド体として励振端を設ける構成を示した。本実施の形態3では、上記実施の形態2を変形した構成を示す。
<構成>
本実施の形態3に係る携帯電話機は、基板に設けられているグランドプレーンをシールド体として利用することは実施の形態2と共通するものの、本実施の形態3と実施の形態2とでは、励振端を形成する位置が異なる。
図14に示すように、基板1001は、キーパッド群1201が配されたキーパッド層と、絶縁層1402と、グランドプレーン1403とが重畳されてなる多層基板である。
図14及び図15(b)に示すように、実施の形態2に示したグランドプレーン1203とは異なり、グランドプレーン1403は励振端を備えていない。
グランドプレーン1403に誘起されたアンテナ素子131からの電波の電力は、グランドプレーン1403の端部に伝達し、ビア1401を介して金属片1400に伝達される。金属片1400は、アンテナ素子131で送受信する電波に共振する形状になっており、伝達された電力に基づく電波を発信する。
<まとめ>
本実施の形態3に示したように、励振端1400をアンテナ素子131から、より遠方に設けることができるので、実施の形態2の場合よりも、励振端1400から再発信される電波をより遠方に飛ばすことができるという利点がある。また、図13では、励振端に接続する部分をグランドプレーン1403から延伸して構成しているが、全面的に延伸、即ち、グランドプレーン1403の面積を絶縁層1402と略同一のサイズとしてもよく、この場合には、電波の遮蔽性能を高めることができる。
<補足1>
上記実施の形態において、本発明を説明してきたが、本発明はこれに限られないことは勿論である。以下、上記実施の形態以外に本発明として含まれる各種の変形例について説明する。
(1)上記実施の形態に示した励振端の位置は、上記実施の形態に限るものではない。励振端111の位置は、TRPができるだけ高く、SARができるだけ低くなるような位置に配すればよく、SARが規定値を満たし、且つ、TRPができるだけ高くなるのならば、図9(a)に示す蒸着114や、図9(b)に示す蒸着115のような構成にして、励振端116や、励振端117を設けることとしてもよい。これは、上記実施の形態2や3に示すグランドプレーンの励振端1211や金属片1400についても同様のことが言える。
なお、蒸着の励振端がアンテナ素子131の励振端132で送受信する信号と共振しやすくするために、なるべく、蒸着における励振端の長手方向と、アンテナ素子130の励振端132の長手方向とが、互いに平行になるように、蒸着の励振端を設けるとよい。
(2)上記実施の形態に示した蒸着110は、金属膜であると記載したが、これは、別に金属膜でなくともよく、切欠きを入れて励振端が形成された金属製の薄板などであってもよい。
(3)上記実施の形態に示した励振端の形状は、図5に示した寸法に限定されるものではなく、アンテナ素子131で送受信する信号の共振周波数と略同一の周波数が送受信できるようにその形状、特に励振端の長手方向の長さが決定される。
(4)上記携帯電話機100を横開きの折畳み型携帯電話機として説明したが、これは、アンテナ素子からの電波を蒸着によりシールドし、当該蒸着に励振端を設けていれば、どのような携帯電話機であってもよく、例えば、ストレートタイプの携帯電話機や、スライド型携帯電話機であってもよい。なお、いずれの場合であっても、携帯電話機を用いて通話する状態、即ち、人体に対して最も送信電力が発する電磁波が影響する状態において、アンテナ素子から発信される信号の影響を抑制できるように蒸着の配置位置を決定することに留意されたい。
(5)上記実施の形態においては、一方の筐体に蒸着を備え、他方の筐体にアンテナ素子を備える構成をとった。しかし、上記補足の(4)の事例にも示した通り、蒸着は、アンテナ素子から発信される信号の影響を抑制できればよく、両者は同一の筐体内に備えられていても良い。
(6)上記実施の形態2や3において、特に示さなかったが、絶縁層1202、1402は、更に、複数の層にわけられ、その内層に配線層や、部品を配置するための層などが設けられていてもよい。
<補足2>
以下、本発明の一実施形態としての携帯通信端末の構成及びその変形例と効果について説明する。
(a)本発明の一実施形態に係る携帯通信端末は、図3に示すように、アンテナ素子(131)と、当該アンテナ素子(131)から発信される電波を遮蔽するための板状のシールド体(110)とを筐体内に備えた携帯通信端末であって、前記シールド体は、その周縁一部から端部を残してその中ほどに切り込みが形成され、当該端部側に励振端(111)が形成されていることを特徴とする。
また、当該シールド体には励振端が形成されるため、シールド体に誘起された電力は、この励振端から再発信される。従って、アンテナ素子131のアンテナ性能の劣化度合を低減できる。
(b)前記携帯通信端末における前記励振端は、前記アンテナ素子で送受信される電波と略同一の周波数の電波を送受信するようその形状が特定されるとしてもよい。
(c)前記携帯通信端末における前記励振端の長手方向は、前記アンテナ素子の長手方向と平行になるように形成されているとしてもよい。
これにより、励振端は、アンテナ素子と、電気的に結合しやすくなるため、アンテナ素子の性能劣化を効率よく防止できる。
(d)前記携帯通信端末における前記励振端は、前記シールド体において前記筐体の中心から遠い側に設けられることとしてよい。
(e)前記携帯通信端末は2つの筐体(101と102)が接続されて成り、前記携帯通信端末は前記2つの筐体の相対位置関係が異なる少なくとも2つの形態を有し、前記携帯通信端末は、前記2つの筐体のいずれか一方の筐体に、ユーザが発した音声を収集するためのマイク(104)を備え、前記シールド体は、前記マイクを備える筐体(101)であって、前記マイクに近い方の主面に近接する位置に設けられることとしてもよい。
携帯電話機のような携帯通信端末においては、アンテナ素子は、ユーザが通話をする際にユーザから遠ざかるように配されるので、上記構成により、ユーザが通話をする際に確実にアンテナ素子から発信される電波を遮蔽できる構成にすることができる。
(f)前記携帯通信端末において、前記シールド体は、蒸着により形成されることとしてもよい。
(g)前記携帯通信端末において、図10及び図12に示すように、前記シールド体は、前記携帯通信端末の筐体内に備えられている基板のグランドプレーン(1203)であることとしてもよい。
(h)本発明の一実施形態に係る携帯通信端末は、図10及び図14に示すように、アンテナ素子と、当該アンテナ素子から発信される電波を遮蔽するためのシールド体とを筐体内に備えた携帯通信端末であって、前記シールド体は、前記携帯通信端末の筐体内に備えられている多層基板(1001)のグランドプレーンであり、前記多層基板は、前記多層基板の前記グランドプレーンとは異なる層であって、前記グランドプレーンよりも前記アンテナ素子(131)から遠い層に、励振端として機能する長尺状の金属片(1400)を備え、前記金属片と前記グランドプレーンの端部とはビア(1401)を介して接続されている。
(i)前記携帯通信端末において、前記金属片は、前記グランドプレーンとは異なる層の端部に設けられていることとしてもよい。
(j)前記携帯通信端末において、 前記金属片は、その長手方向が前記アンテナ素子の長手方向と並行になるように設けられていることとしてもよい。
これにより、励振端は、アンテナ素子と、電気的に結合しやすくなるため、アンテナ素子の性能劣化を効率よく防止できる。
101 第1筐体
101a 第1カバー
101b 第2カバー
102 第2筐体
102a 第3カバー
102b 第4カバー
103 レシーバ
104 マイク
105 ヒンジ部
110 蒸着(シールド体)
111 励振端
112、113、114、115 蒸着
120 基板
130 アンテナ設置部材
131 アンテナ素子
131a 給電点
132 励振端
201 表示画面
202 表示画面
220 ハードキー
1000 携帯電話機
1201 キーパッド群
1202、1402 絶縁層
1203、1403 グランドプレーン
1300 空隙
1400 金属片(励振端)
1401 ビア
Claims (11)
- アンテナ素子と、当該アンテナ素子から発信される電波を遮蔽するための板状のシールド体とを筐体内に備えた携帯通信端末であって、
前記シールド体は、その周縁一部から端部を残してその中ほどに切り込みが形成され、当該端部側に励振端が形成されている
ことを特徴とする携帯通信端末。 - 前記励振端は、前記アンテナ素子で送受信される電波と略同一の周波数の電波を送受信するようその形状が特定される
ことを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。 - 前記励振端の長手方向は、前記アンテナ素子の長手方向と平行になるように形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。 - 前記励振端は、前記シールド体において前記筐体の中心から遠い側に設けられる
ことを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。 - 前記携帯通信端末は2つの筐体が接続されて成り、
前記携帯通信端末は前記2つの筐体の相対位置関係が異なる少なくとも2つの形態を有し、
前記携帯通信端末は、前記2つの筐体のいずれか一方の筐体に、ユーザが発した音声を収集するためのマイクを備え、
前記シールド体は、前記マイクを備える筐体であって、前記マイクに近い方の主面に近接する位置に設けられる
ことを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。 - 前記携帯通信端末は1つの筐体からなり、
前記シールド体は、前記アンテナ素子から遠い側の前記筐体主面に近接する位置に設けられる
ことを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。 - 前記シールド体は、蒸着により形成される
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の携帯通信端末。 - 前記シールド体は、前記携帯通信端末の筐体内に備えられている基板のグランドプレーンである
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の携帯通信端末。 - アンテナ素子と、当該アンテナ素子から発信される電波を遮蔽するためのシールド体とを筐体内に備えた携帯通信端末であって、
前記シールド体は、前記携帯通信端末の筐体内に備えられている多層基板のグランドプレーンであり、
前記多層基板は、前記多層基板の前記グランドプレーンとは異なる層であって、前記グランドプレーンよりも前記アンテナ素子から遠い層に、励振端として機能する長尺状の金属片を備え、
前記金属片と前記グランドプレーンの端部とはビアを介して接続されている
ことを特徴とする携帯通信端末。 - 前記金属片は、前記グランドプレーンとは異なる層の端部に設けられている
ことを特徴とする請求項9記載の携帯通信端末。 - 前記金属片は、その長手方向が前記アンテナ素子の長手方向と並行になるように設けられている
ことを特徴とする請求項10記載の携帯通信端末。
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JPN6014021905; 岡野 由樹 他: '反射板付き折り返しダイポールアンテナを用いた局所SARの低減に関する検討' 電子情報通信学会技術研究報告 Vol.101, No.489, 20011206, pp.23-30 * |
JPN6014021907; 畠山 賢一 他: 'ミリ波帯における電磁遮蔽効果の測定法' 電子情報通信学会技術研究報告 Vol.98, No.419, 19981119, pp.53-60 * |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013179414A (ja) * | 2012-02-28 | 2013-09-09 | Toshiba Corp | モバイル機器及びその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5674415B2 (ja) | 2015-02-25 |
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