JP2011119925A - 撮像装置および撮像装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フォーカシングを行うことのできる小型の撮像装置1を提供する。
【解決手段】レンズユニット10と、CCD21Aと、駆動電極22Aと、を具備し、レンズユニット10が、レンズ部11A、13Aを有するレンズ基板部11、13から構成され、CCD21Aが、CCD基板部21の中央部に梁部21Dを介して配設され、駆動電極22Aが、CCD基板部21と所定の間隔をもって対向する電極基板部22に配置され、駆動電極22AとCCD基板部21との間に印加する電圧の静電力によりCCD21Aがレンズユニット10の光軸方向に移動する。
【選択図】図2
【解決手段】レンズユニット10と、CCD21Aと、駆動電極22Aと、を具備し、レンズユニット10が、レンズ部11A、13Aを有するレンズ基板部11、13から構成され、CCD21Aが、CCD基板部21の中央部に梁部21Dを介して配設され、駆動電極22Aが、CCD基板部21と所定の間隔をもって対向する電極基板部22に配置され、駆動電極22AとCCD基板部21との間に印加する電圧の静電力によりCCD21Aがレンズユニット10の光軸方向に移動する。
【選択図】図2
Description
本発明は、撮像装置および撮像装置の製造方法に関し、特にウエハレベルチップサイズパッケージ技術を用いて作成された撮像装置および前記撮像装置の製造方法に関する。
CCDまたはCMOS等の固体撮像素子を有する撮像装置を具備した電子内視鏡、カメラ付き携帯電話、およびデジタルカメラ等が普及している。撮像装置は、固体撮像素子と、固体撮像素子に被写体の光学像を導光するレンズを有する撮像光学系と、から主要部が構成されている。
撮像装置を小型化し大量生産するために、ウエハレベルチップサイズパッケージ(WCSP)法を用いた撮像装置の製造方法が知られている。例えば、特開2003−204053号公報には、CCDを有する半導体ウエハとレンズ等を有する基板とを接合後に切断することで個片化し、撮像装置を得る方法が開示されている。
しかし、WCSP法を用いて製造された撮像装置は撮像素子と撮像光学系との間の距離が固定されている固定焦点型であるためフォーカシング、すなわち焦点合わせを行うことができなかった。
本発明は、フォーカシングを行うことのできる小型の撮像装置、および前記撮像装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明の実施の形態の撮像装置は、撮像光学系と、撮像素子と、駆動電極と、を具備し、前記撮像光学系が、レンズ部を有するレンズ基板部から構成され、前記撮像素子が、撮像素子基板部の中央に梁部を介して配設され、前記駆動電極が、前記撮像素子基板部の背面と所定の間隔をもって対向する電極基板部に配置され、前記駆動電極と前記撮像素子基板部との間に印加する電圧の静電力により前記撮像素子が前記撮像光学系の光軸方向に移動することを特徴とする。
また、本発明の別の実施の形態の撮像装置の製造方法は、撮像素子が梁部を介して配設された複数の撮像素子基板部が格子状に配置された撮像素子基板を作成する撮像素子基板作成工程と、駆動電極を有する複数の前記電極基板部が前記格子状に配置された電極基板を作成する電極基板作成工程と、前記撮像素子基板と前記電極基板とを接合し接合基板を作成する接合工程と、前記接合基板を個片化する個片化工程と、を具備し、前記撮像装置が、前記撮像素子基板部と、前記撮像素子基板部と所定の間隔をもって対向配置する前記駆動電極との間に印加する電圧の静電力により前記撮像素子が撮像光学系の光軸方向に移動することを特徴とする。
本発明によればフォーカシングを行うことのできる小型の撮像装置、および前記撮像装置の製造方法を提供できる。
<第1の実施形態>
以下、図面を用いて本発明の第1の実施の形態の撮像装置1および撮像装置1の製造方法について説明する。最初に本実施の形態の撮像装置1の構造について説明する。図1に示すように撮像装置1は、第1レンズ基板部11とスペーサ基板部12と第2レンズ基板部13とスペーサ基板部14とからなる撮像光学系であるレンズユニット10と、撮像素子基板部であるCCD基板部21と、電極基板部22と、が接合されて構成されている。
以下、図面を用いて本発明の第1の実施の形態の撮像装置1および撮像装置1の製造方法について説明する。最初に本実施の形態の撮像装置1の構造について説明する。図1に示すように撮像装置1は、第1レンズ基板部11とスペーサ基板部12と第2レンズ基板部13とスペーサ基板部14とからなる撮像光学系であるレンズユニット10と、撮像素子基板部であるCCD基板部21と、電極基板部22と、が接合されて構成されている。
撮像装置1は、後述するようにWCSP法により複数の基板が接合された接合基板を個片化して製造されるために外形が四角柱状である。なお、図1において、第1レンズ部11Aはレンズユニット10の最外層レンズであり、複数の電極21Bは撮像素子への電力供給用、信号送信用または後述するフォーカシング動作のための電圧印加用の接続部である。
レンズユニット10は、WCSP法により複数の基板が接合された接合基板を個片化して製造されるために外形が四角柱状である。すなわち、レンズユニット10は、第1レンズ基板部11とスペーサ基板部12と第2レンズ基板部13とスペーサ基板部14とが接合されている。一方、CCD基板部21および電極基板部22を有する撮像装置1の全体も、WCSP法により複数の基板が接合された接合基板を個片化して製造されるために外形が四角柱状である。なお、接合基板をブレードダイシングにより切断すると四角形状となるが、レーザーダイシングなどを用いると多角形の柱状や円柱状とすることも可能である。
図2は、図1に示した撮像装置1の、II−II線に沿った断面構造を説明するための図であるが、説明のために一部の構造は図1とは異なっている。また図はいずれも説明のための模式図であり、厚さ方向の縮尺も構成要素により異なっている。例えば、厚く図示されている基板部が薄く図示されている基板部よりも厚いとは限らない。また、以下、基板の上面(おもて面)とは被写体側の面を、下面(裏面、背面)とは被写体と反対側の面を意味する。
図2に示すように、第1レンズ基板部11は平凸レンズであるレンズ部11Aとレンズ枠部11Bとから構成されている。スペーサ基板部12はレンズユニット10の光路領域が空洞部12Aとなっているスペーサ枠部12Bからなるスペーサ基板部12から構成されている。第2レンズ基板部13は凸凸レンズであるレンズ部13Aとレンズ枠部13Bとから構成されている。スペーサ基板部14はレンズユニット10の光路領域が空洞部14Aとなっているスペーサ枠部14Bから構成されている。
CCD基板部21は、単結晶シリコン基板からなり、上面の略中央に半導体回路作成技術を用いて撮像素子であるCCD21Aが配設されている。なお撮像素子としてはCMOS等を用いてもよいし、別途作成した撮像素子チップをCCD基板部21に配設してもよい。梁部21Dは後述するように、CCD21Aをレンズユニット10の光軸O方向に移動するための弾性部である。すなわちCCD21Aを有するCCD基板部21の中央部は、梁部21Dにより支持されている。
CCD基板部21には、さらに、酸化シリコンからなる絶縁膜21Cを介してCCD21Aの電力供給用、信号送信用または後述するフォーカシング動作のための電圧印加用の配線層でもある電極21Bが形成されている。なお、以下の図においては絶縁膜21Cは表示しないことがある。
電極基板部22は、上面、言い換えれば、CCD基板部21の背面と対向する面に、凹部22Bを有し、凹部22B内に駆動電極22Aが形成されている。駆動電極22Aは貫通配線を介して下面の電極22Cと接続されている。なお、電極基板部22もCCD基板部21と同様にシリコン単結晶からなり、図示しない絶縁膜により電気が流れる部材の絶縁を確保している。
次に、図3および図4を用いてCCD基板部21の構造について詳細に説明する。図3および図4に示すように、CCD21Aは、CCD基板部21の略中央に4本の細長い梁部21Dを介して配置されている。なお梁部21Dの上面にはCCD21Aの電力供給用または信号送信用の複数の導電線21Eが配設されている。4本の梁部21Dの周囲は空洞部21DHであり、梁部21Dは厚さの薄い細長い弾性体である。このため、CCD21Aを有するCCD基板部21の中央部は、梁部21Dがたわむことにより、光軸O方向に移動可能である。
そして、電極21Bのうちの1つの電極21B1は、絶縁膜21Cのコンタクトホール21C1を介してCCD基板部21の比較的高濃度のドープ領域と電気的に接続されている。このため、後述するように、電極21B1を介してCCD基板部21に電圧を印加することが可能である。
以上の説明のように、撮像装置1では、CCD21AがCCD基板部21の中央部に梁部21Dを介して配設され、駆動電極22Aが、CCD基板部21の背面と所定の間隔をもって対向する電極基板部22に配置されている。そして、駆動電極22AとCCD基板部21との間に電圧を印加する電極を有する。
次に、図5〜図11を用いて本実施の形態の撮像装置の製造方法について説明する。図5に示すように、撮像装置1の製造方法では、最初に、複数のレンズユニット10と、CCD基板121と、電極基板122と、が作成される。CCD基板121は、それぞれがCCD21Aを有する複数のCCD基板部21が格子状に配置されている。電極基板122は、それぞれが駆動電極22Aを有する複数の電極基板部22が、CCD基板121と同じ配置の格子状に配置されている。
そして、CCD基板121と電極基板122とが接合された接合基板130の、それぞれのCCD21Aにレンズユニット10が接合された接合基板131を切断線Kに沿って切断することにより、それぞれの撮像装置1に個片化される。
なお、図5の、電極基板122に示すように、それぞれの基板の外周部は表示していない。また、図5においては、それぞれの基板に、撮像装置1のそれぞれの構成要素が、8×9の格子状に配置された例を表示しているが、実際には10×10以上の格子状に配置されており、好ましくは20×20以上の格子状に配置されている。また図5においては全ての構成要素を図示していない。また、図6〜図11はそれぞれの基板中の2個の撮像装置に相当する範囲を示している。
次に図6および図7を用いてレンズユニット10の製造方法について説明する。図6(A)に示すように、レンズユニット10の製造方法においては、最初に第1レンズ基板111とスペーサ基板112と第2レンズ基板113とスペーサ基板114と、が作成される。
第1レンズ基板111は格子状に配置されている複数の第1レンズ基板部11を有する。また第2レンズ基板113は前記格子状に配置されている複数の第2レンズ基板部13を有する。第1レンズ基板111および第2レンズ基板113は、例えば2つの金型の間に材料を流し込んだり、平板をプレス成型したりして作成される。
第1レンズ基板111および第2レンズ基板113の材料としては、透明材料であれば、ガラス、ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル等を用いることができる。また単一の材料に限らず、例えば樹脂とガラスとの複合部材であってもよい。さらに、全てが透明材料から作成されている必要はなく、少なくとも撮像光学系の光路に相当する部分であるレンズ部11A、13Aが透明材料で作成されていればよい。
スペーサ基板112は格子状に配置されている複数のスペーサ基板部12を有する。スペーサ基板114は格子状に配置されている複数のスペーサ基板部14を有する。スペーサ基板112およびスペーサ基板114は、第1レンズ基板111等と同様のシリコン、ガラス、または透明樹脂材料から作成してもよいが、透明である必要はなく、ABS樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、金属、セラミック材料等から作成してもよい。
なお、レンズ枠部11B、13B、スペーサ基板112およびスペーサ基板114が遮光材料により作成されている撮像装置は外乱光の影響を受けにくい。
次に、図7(A)に示すように、接合工程において、第1レンズ基板111とスペーサ基板112と第2レンズ基板113とスペーサ基板114と、が接合されてレンズユニット接合基板110が作成される。接合工程では接合面に接着剤が塗布される。接着剤としては公知の各種接着剤を用いることができる。なお接着剤は接合する接合面の全面に塗布する必要はなく、公知の方法、例えばインクジェット法により所定の領域のみに塗布してもよい。
接着剤が塗布された基板は重ね合わせた状態で、加圧しながら接着剤を硬化処理することにより接合される。なお、全ての基板を一度に接合する必要はなく、また接合する順番も下方または上方の基板から接合する必要もない。また接着剤を用いないで、高温状態とした樹脂基板を接合してもよいし、シリコン基板とガラス基板とを陽極接合により直接接合してもよい。
さらに必要に応じて、接着剤硬化後に接合基板の全体としての平面度調整等が行われる。なお以下で説明する他の接合工程も上記と同様である。
次に図7(B)に示すように、個片化工程において、レンズユニット接合基板110が切断線Kに沿って切断されることにより、それぞれのレンズユニット10に個片化される。個片化工程において、レンズユニット接合基板110は固定用フィルム等(不図示)で固定した状態で、切断され個片化される。切断にはワイヤーソー、ブレードダイシング装置、またはレーザーダイシング装置等を用いることができる。そして、切断後に固定用フィルム等から個々のレンズユニット10が分離される。なお以下で説明する他の個片化工程も上記と同様である。
次に、図8を用いてCCD基板121の製造方法について説明する。図8(A)に示すように、導電性を有するドープドシリコン単結晶基板を用いてCCD21Aと電極21Bとを表面に有する基板121Aが作成される。シリコン基板を用いることにより、CCD21Aを内部に作成することができる。またシリコン単結晶基板を用いることにより後述する梁部、凹部および貫通孔形成のときにエッチングにより所望の形状が容易に作成できる。さらにドープド半導体を用いることにより、導電性を有するCCD基板部21全体に電圧を印加することができる。なお、ドープド半導体としてはリンまたはホウ素等の不純物を含有する公知の半導体を用いることができる。
そして、図8(B)に示すように、後述する梁部21Dの作成を容易にするために、基板121Aは裏面側から研磨加工され、全厚が例えば100μm以下に加工され基板121Bとなる。
そして、図8(C)に示すように、基板121Bの裏面側からのエッチング処理により、梁部21Dが形成され、基板121が作成される。エッチング処理は、エッチングマスク層が裏面に形成された後に公知のドライエッチング法またはウエットエッチング法により、梁部21Dが所望の厚さになり、空洞部21DHが形成されるまで行われる。
次に、図9を用いて電極基板122の製造方法について説明する。図9(A)に示すように、電極基板122の製造方法では適度の厚さに研磨加工した単結晶シリコンからなる基板122Aが準備される。そして、図9(B)に示すように、基板122Aの上面のエッチング処理により、凹部22Bが形成された基板122Bが作成される。この凹部22Bの深さが、後述する対向電極間の実質的な距離となる。なお、所望の対向電極間距離が、CCD基板121の加工により得られる場合には電極基板122に凹部22Bを形成しなくともよい。
次に、図9(C)に示すように、凹部22Bに駆動電極22Aが形成された基板122Cが作成される。駆動電極22Aは、例えばスパッタ法により、銅またはアルミニウム等からなる導体層を成膜しパターニングすることにより形成される。
次に、図9(D)に示すように、基板の裏面側から貫通孔22Hが、駆動電極22Aの端部に向かって形成された基板122Dが作成される。貫通孔22Hは公知のエッチング処理方法により形成される。そして図9(E)に示すように、貫通孔22Hの内部に導体を形成することにより、駆動電極22Aと導通のある電極22Cが形成された電極基板122が作成される。
また、駆動電極22Aおよび電極22Cを電極基板122と電気的に絶縁したい場合は、図示していない電極基板122上のシリコン酸化膜などの絶縁膜を介して駆動電極22Aおよび電極22Cが形成される。
そして、図10に示すように、CCD基板121の裏面側と、電極基板122の表面側とが接合工程において接合され、接合基板130が作成される。さらに接合基板130の、それぞれのCCD21Aにレンズユニット10が接合され接合基板131が作成される。
次に図11に示すように、個片化工程において接合基板131が切断線Kに沿って切断されることにより、多数の撮像装置1が得られる。
以上の説明のように、撮像装置1はWCSP技術を用いて製造されているため、大量に一括生産可能であり、高歩留まり、低コストが実現できる。
次に、図12(A)および図12(B)を用いて、撮像装置1の動作について説明する。なお、図12においては電極21B1は表示していない。図12(A)に示すように、撮像装置1のCCD基板部21と駆動電極22Aとからなる対向電極間に、電源23およびスイッチ24が配設される。図12(B)に示すように、対向電極間に電圧が印加されると、互いに異なる極となるCCD基板部21と駆動電極22Aとの間には、静電力により互いに引き合う力が発生する。すると、梁部21Dを介して支持され可動構造となっている、CCD基板部21の中央部は、光軸Oに沿って駆動電極22Aの方向に移動する。
このため、撮像手段であるCCD21Aと、撮像光学系であるレンズユニット10との距離が変化する。光軸方向の距離変化は光路長の変化であり、撮像装置1のフォーカシング動作に相当する。なおCCD21Aの移動距離、すなわちフォーカシング調整は印加する電圧により制御することができる。
以上の説明のように、撮像装置1は、WCSP技術を用いて製造されている小型の撮像装置であるが、フォーカシングを行うことができる。すなわち、本実施の形態の撮像装置の製造方法は、フォーカシングを行うことができる小型の撮像装置を大量に一括生産可能であり、高歩留まり、低コストが実現できる。また撮像装置1は小型の撮像装置であるため内視鏡、特にカプセル型内視鏡、またはカメラ付携帯電話に好ましく用いることができる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態の撮像装置1Aおよび撮像装置1Aの製造方法について説明する。本実施の形態の撮像装置1Aおよび撮像装置1Aの製造方法は第1の実施の形態の撮像装置1および撮像装置1の製造方法と類似しているため同じ構成要素には同じ符号を付し、説明は省略する。
次に、本発明の第2の実施の形態の撮像装置1Aおよび撮像装置1Aの製造方法について説明する。本実施の形態の撮像装置1Aおよび撮像装置1Aの製造方法は第1の実施の形態の撮像装置1および撮像装置1の製造方法と類似しているため同じ構成要素には同じ符号を付し、説明は省略する。
第1の実施の形態の撮像装置1の製造方法では、図5等に示したように、接合基板130のそれぞれのCCD21Aに個片化したレンズユニット10を接合することにより、接合基板131が作成されていた。これに対して、本実施の形態の撮像装置1Aの製造方法においては、第1レンズ基板111とスペーサ基板112と第2レンズ基板113とスペーサ基板114とが接合されたレンズユニット接合基板110が、CCD基板部221Dと電極基板部222Gとが接合され、接合基板231が作成される。
図13に示すように、撮像装置1AではCCD基板部221の貫通配線と、電極21Fと、電極基板部222の貫通配線とを介して、電極21Bと導通した電極部が、電極基板部222の裏面に形成されている。これは、撮像装置1AではCCD基板部221の上面に電極21Bを形成し外部のユニットと接続することはできないためである。
次に、図14を用いて撮像装置1AのCCD基板221Dの製造方法について説明する。図14(A)に示す基板221Aおよび図14(B)に示す基板221Bの説明は、すでに説明した図8(A)の基板121Aおよび図8(B)の基板121Bの説明と類似である。しかし、図14(C)に示すようにCCD基板221Dの作成工程では、基板221Dの裏面側から電極21Bの端部に向かって形成された貫通孔21Hを有する基板221Cが作成される。そして図14(D)に示すように貫通孔21Hの内部に導体を形成することにより、貫通配線を介して電極21Bと導通のある電極21Fを裏面側に有するCCD基板221Dが作成される。
次に、図15を用いて電極基板222Gの製造方法について説明する。図15(A)に示す基板222Aおよび図15(B)に示す基板222Bの説明は、すでに説明した図9(A)の基板122Aおよび図9(B)の基板122Bの説明と類似である。しかし、図15(C)に示すように電極基板222Gの作成工程では、駆動電極22Aと同時に接続電極22Eが形成された基板222Eが作成される。
また、駆動電極22Aおよび電極22Cを電極基板222と電気的に絶縁したい場合は、図示していない電極基板222上のシリコン酸化膜などの絶縁膜を介して駆動電極22Aおよび電極22Cが形成される。
そして。図15(D)に示すように、基板の裏面側から貫通孔22Hと貫通孔22H2とが、それぞれ駆動電極22Aの端部と接続電極22Eに向かって形成された基板222Fが作成される。そして図15(E)に示すように、貫通孔22Hおよび貫通孔22H2の内部に導体を形成することにより、駆動電極22Aと導通のある電極22Cおよび接続用電極22Eと導通のある電極22Dが形成された電極基板222Gが作成される。
そして、図16に示すように、レンズユニット接合基板110とCCD基板221Dと電極基板222Gとが接合工程において接合され、接合基板231が作成される。
次に図17に示すように、個片化工程において接合基板231が切断線Kに沿って切断されることにより、個片化された、それぞれの撮像装置1Aが得られる。
撮像装置1Aは、撮像装置1と同様の効果を有する。さらに撮像装置1Aでは全ての外部接続用の電極が裏面に形成されているため、他のユニットの基板に表面実装できる。また、撮像装置1Aの製造方法は、レンズユニット接合基板110を有する接合基板231を個片化して製造するため、撮像装置1の製造方法よりも工程が簡単である。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態の撮像装置1Bおよび撮像装置1Bの製造方法について説明する。本実施の形態の撮像装置1Bは第2の実施の形態の撮像装置1Aと類似しているため同じ構成要素には同じ符号を付し、説明は省略する。
次に、本発明の第3の実施の形態の撮像装置1Bおよび撮像装置1Bの製造方法について説明する。本実施の形態の撮像装置1Bは第2の実施の形態の撮像装置1Aと類似しているため同じ構成要素には同じ符号を付し、説明は省略する。
図18に示すように、本実施の形態の撮像装置1Bは、CCD基板部321は背面、すなわち駆動電極22Aと対向する面に対向電極部21Gを有する。そして対向電極部21Gは電極基板部322の貫通配線を介して撮像装置1Bの裏面側の電極25Dと接続されている。なおレンズユニット基板部210の構造は撮像装置1Aと同じである。
撮像装置1Bの製造方法では、CCD基板の裏面側からのエッチング処理により梁部21Dを形成するとともに、CCD基板部の中央部の裏面に対向電極部21Gを形成する。対向電極部21Gは、梁部21Dの裏面に形成された配線層を有し、さらに接合工程においてCCD基板と電極基板とが接合されると、対向電極部21Gは、電極基板の貫通配線を介して、裏面の電極25Dと接続される。
撮像装置1Bでは、電極25Dと電極22Cとの間に電圧が印加されると、対向電極を構成する対向電極部21Gと駆動電極22Aとの間に電圧が印加される。すると、静電力によりCCD21Aとレンズユニット210との間の距離、すなわち光路長が変化するため、撮像装置1Bはフォーカシングすることができる。
なお撮像装置1Bでは、CCD基板部321全体に電圧を印加することはないが、CCD基板部321を導電性を有する半導体から形成してもよい。
本実施の形態の撮像装置1Bは、撮像装置1Aが有する効果に加えて、CCD基板部321とは独立した異なる電圧を対向電極部21に印加できるため、フォーカシングの自由度が増す。具体的には、基板電位の変位が必要なCCDの電子シャッター動作とフォーカシング動作とを同時に行うことが可能となる。
<第4の実施の形態>
次に、本発明の第4の実施の形態の撮像装置1Cについて説明する。本実施の形態の撮像装置1Cは第3の実施の形態の撮像装置1Bと類似しているため同じ構成要素には同じ符号を付し、説明は省略する。
次に、本発明の第4の実施の形態の撮像装置1Cについて説明する。本実施の形態の撮像装置1Cは第3の実施の形態の撮像装置1Bと類似しているため同じ構成要素には同じ符号を付し、説明は省略する。
図19(A)の電極基板部222Cの上面図に示すように、撮像装置1Cでは凹部22B内に形成された駆動電極が、対向配置されているCCD21Aの撮像面の傾きを制御するために、4個の分割電極に22A1〜22A4に分割されている。そして図19(B)の電極基板部222Cの背面図に示すように、それぞれの分割電極に22A1〜22A4は、それぞれの貫通配線を介して、裏面側に形成された、それぞれの接続部である電極22C1〜22C4と接続されている。
すなわち、図20に示すように、撮像装置1Cでは、CCD基板部221の対向電極部21Gは裏面の電極25Dと接続されている。そして、電極基板部222Cの4個の分割電極に22A1〜22A4は電極端子である裏面の電極22C1〜22C4と接続されている。
このため、それぞれの電極22C1〜22C4に、それぞれの電源23A1〜23A4を接続し、電源23A1〜23A4の他端を電極25Dと接続することにより、それぞれの分割電極22A1〜22A4と対向電極部21Gとの間に異なる電圧を印加することができる。
すなわち、撮像装置1Cでは、それぞれの分割電極22A1〜22A4に印加する電圧を制御することにより、CCD21Aの撮像面の傾き(レンズユニット10の光軸Oに対する角度)を制御することができる。
このため撮像装置1Cは撮像画像の、いわゆる「片ぼけ」を防ぐことができる。すなわち、撮像装置1Cでは、撮像画像を公知の画像解析手法により焦点が合っていない領域がある場合には、いずれかの分割電極22A1〜22A4に印加する電圧を増減する駆動電圧補正処理を行う。
なお、撮像画像の画像解析および駆動電圧補正処理は、リアルタイムで行ってもよいし、撮像装置1Cの製造ばらつきを考慮して製造直後に必ず行い、それぞれの分割電極22A1〜22A4に印加する電圧の補正値を算出し、図示しない記憶部に記憶しておき、印加する電圧を制御してもよい。
なお、駆動電極の分割数は4以上が好ましく、制御を複雑化しないためには8以下であることが好ましい。また電極基板部222Cの駆動電極ではなく、対向電極部21Gを分割しても、同様の効果が得られる。
本実施の形態の撮像装置1Cは撮像装置1等が有する効果に加えて、撮像画像の片ぼけを抑制することができる。
<追加説明>
以上の説明では、梁部として直線状の構造を有する梁部21Dを例に説明してきた。しかし、梁部としては、例えば図21に示すCCD基板部21Xの梁部21D1のように折れ曲がった構造であってもよい。梁部21D1は、材料として弾性を有するだけでなく、構造上も弾性を有する。このため、梁部21D1は、小さな静電力でも、大きくCCDの位置を変化することができる。したがって駆動時の電圧を低下することができる。
以上の説明では、梁部として直線状の構造を有する梁部21Dを例に説明してきた。しかし、梁部としては、例えば図21に示すCCD基板部21Xの梁部21D1のように折れ曲がった構造であってもよい。梁部21D1は、材料として弾性を有するだけでなく、構造上も弾性を有する。このため、梁部21D1は、小さな静電力でも、大きくCCDの位置を変化することができる。したがって駆動時の電圧を低下することができる。
また、梁部21Dの材料としては、CCD基板部21をエッチングした所定の厚さのシリコンを例に説明したが、シリコンを全てエッチングし絶縁膜としてシリコン表面に作成した酸化シリコン膜を用いてもよい。また、梁部21Dの材料としては、窒化チタン膜またはポリイミド等の樹脂を用いてもよい。ただし、梁部21Dが電極21B1を介して印加された電圧をCCD21Aの裏面のシリコンに導電する機能も有している場合もある。この場合には、導電性を有していない梁部では、電極21B1からの電圧をCCD21Aの裏面のシリコンに導電するための導電配線を配設する。
なお、弾性を有する梁部の替わりに、弾性を有するメンブレン(膜)からなるフレームにより保持されたCCDであってもよい。メンブレンの場合には梁部と異なりCCDの周囲全体が空洞部を有しないでメンブレンで接続されているため、CCDからの配線を配置することが容易である。メンブレンの材料としては梁部と同様の材料を用いることができる。
また、以上の説明では、レンズユニット10として2枚のレンズ基板部と2枚のスペーサ基板部からなる場合を説明した。しかし、より高い光学特性が必要な撮像装置では、より多くの数のレンズ基板部が、それぞれスペーサ基板部を介して接合されているレンズユニットを用いてもよい。
以上のように本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等ができる。
1、1A〜1C…撮像装置、10…レンズユニット、11…第1レンズ基板部、11A…レンズ部、11B…レンズ枠部、12…スペーサ基板部、12A…空洞部、12B…スペーサ枠部、13…第2レンズ基板部、13A…レンズ部、13B…レンズ枠部、14…スペーサ基板部、14A…空洞部、14B…スペーサ枠部、21…CCD基板部、21A…CCD、21B、21B1…電極、21C…絶縁膜、21C1…コンタクトホール、21D、21D1…梁部、21DH…空洞部、21E…導電線、21F…電極、21G…対向電極部、21H…貫通孔、21X…CCD基板部、22…電極基板部、22A…駆動電極、22A1〜22A4…分割電極、22B…凹部、22C〜22D…電極、22E…接続用電極、22H、22H2…貫通孔、23、23A1〜23A4…電源、24…スイッチ、25D…電極、110…レンズユニット接合基板、111…レンズ基板、112…スペーサ基板、113…レンズ基板、114…スペーサ基板、121…CCD基板、122…電極基板、130、131…接合基板、210…レンズユニット、221…CCD基板部、222、222C…電極基板部、222G…電極基板、231…接合基板、321…CCD基板部、322…電極基板部、K…切断線、O…光軸
Claims (15)
- 撮像光学系と、撮像素子と、駆動電極と、を具備し、
前記撮像光学系が、レンズ部を有するレンズ基板部から構成され、
前記撮像素子が、撮像素子基板部の中央部に梁部を介して配設され、
前記駆動電極が、前記撮像素子基板部と所定の間隔をもって対向する電極基板部に配置され、
前記駆動電極と前記撮像素子基板部との間に印加する電圧の静電力により前記撮像素子が前記撮像光学系の光軸方向に移動することを特徴とする撮像装置。 - 格子状に配置された複数の前記撮像素子基板部を有する撮像素子基板と、前記格子状に配置された複数の前記電極基板部を有する電極基板と、が、接合された接合基板から個片化されたことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記接合基板に、さらに前記格子状に配置された複数の前記レンズ基板部を有するレンズ基板が接合されていることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
- 前記駆動電極が、複数の分割電極に分割されており、それぞれの分割電極に異なる電圧を印加する、それぞれの接続部を有することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
- 前記撮像素子基板部が不純物がドープされた導電性を有するドープド半導体であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記撮像素子基板部が、前記背面に対向電極部を有し、
前記対向電極部と前記駆動電極との間の前記静電力により前記撮像素子が移動することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の撮像装置。 - 前記撮像素子の前記光軸方向への移動により、フォーカシングを行うことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 前記撮像素子基板および前記電極基板が、単結晶シリコン基板であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 撮像装置の製造方法であって、
撮像素子が梁部を介して中央部に配設された複数の撮像素子基板部が格子状に配置された撮像素子基板を作成する撮像素子基板作成工程と、
駆動電極を有する複数の前記電極基板部が前記格子状に配置された電極基板を作成する電極基板作成工程と、
前記撮像素子基板と前記電極基板とを接合し接合基板を作成する接合工程と、
前記接合基板を個片化する個片化工程と、を具備し、
前記撮像装置が、前記撮像素子基板部と、前記撮像素子基板部と所定の間隔をもって対向配置する前記駆動電極との間に印加する電圧の静電力により前記撮像素子が撮像光学系の光軸方向に移動することを特徴とする撮像装置の製造方法。 - 前記接合工程において、さらに前記格子状に配置された前記撮像光学系を構成する複数の前記レンズ基板部を有するレンズ基板を接合することを特徴とする請求項9に記載の撮像装置の製造方法。
- 前記駆動電極が、複数の分割電極に分割されており、それぞれの分割電極に異なる電圧を印加する、それぞれの接続部を有することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の撮像装置の製造方法。
- 前記撮像素子基板部が不純物がドープされた導電性を有するドープド半導体であることを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の撮像装置の製造方法。
- 前記撮像素子基板部が、前記背面に対向電極部を有し、
前記対向電極部と前記駆動電極との間の前記静電力により前記撮像素子が移動することを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の撮像装置の製造方法。 - 前記撮像装置が、前記撮像素子の前記光軸方向への移動により、フォーカシングを行うことを特徴とする請求項9から請求項13のいずれか1項に記載の撮像装置の製造方法。
- 前記撮像素子基板および前記電極基板が、単結晶シリコン基板であることを特徴とする請求項9から請求項14のいずれか1項に記載の撮像装置の製造方法。
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