JP2011118313A - 画像形成方法、画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 マルチビームの光走査装置において、ビーム間のプロファイルの湾曲量の差が大きい場合に、ドラム上でのビームの走査に粗密が発生してしまう。この粗密の影響により、2度走査される部分と、1度も走査されない部分が発生し、特に前者に置いては元画像上の情報が欠落してしまう。
【解決手段】 本発明は、画像形成を行うマルチビームのプロファイル情報から前記マルチビームによる複数回走査を行った際の走査の重なり状態を判定する手段と、前記重なり状態に従い、前記マルチビームによる画像形成をコントロールする手段を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は画像形成装置、画像形成方法に関する。
カラープリンタあるいはカラー複写機等のカラー画像形成装置に用いられる画像記録方式として、電子写真方式が知られている。電子写真方式は、レーザービームを利用して感光ドラム上に潜像を形成して、帯電した色材(以下、トナーと称する)により現像するものである。画像の記録は、現像されたトナーによる画像を転写紙に転写して定着させることにより行う。
近年、電子写真方式のカラー画像形成装置の画像形成スピード高速化のために、マルチレーザービームを備えた画像形成装置が増えている。特にトナーの色数と同数の現像機および感光ドラムを備え、画像搬送ベルト上や、記録媒体上に順次異なる色の画像を転写するタンデム方式のカラー画像形成装置が増えている。このマルチレーザービームを用いたタンデム方式のカラー画像形成装置においては、レジストレーションずれを生じさせる複数の要因が存在することが知られており、各要因に対して様々な対処方法が提案されている。
その1つの要因が、偏向走査装置のレンズの不均一性や取り付け位置ずれ、および偏光走査装置のカラー画像形成装置本体への組み付け位置ずれである。この位置ずれにより、走査線に傾きや曲がりが生じ、その曲がりの度合いや曲がりの方向(以下、プロファイルと称する)が色毎に異なることとなり、レジストレーションずれとなる。プロファイルは各画像形成装置、すなわち記録エンジン毎、更には各色で特性が異なる。プロファイルの一例を図10 (a)〜(d)に示す。図10において、横軸は画像形成装置における主走査方向位置を示す。主走査方向に直線的に表現している線1000は、曲がりのない理想的な特性であることを示す。また、曲線で示した線1001、線1002、線1003、線1004は、色毎の4レーザーにより画像形成する装置における色毎のプロファイルを示している。シアン(以下、C)の特性は線1001、マゼンタ(以下、M)は線1002、イエロー(以下、Y)は線1003、ブラック(以下、K)は線1004の特性となっている。縦軸は理想的な特性に対して、副走査方向へのずれ量を示す。同図からもわかるように、曲線の曲がり方向や変化点は、色毎に異なっており、この異なりが、定着後の画像データにおいて、レジストレーションずれとなって現れる。
このレジストレーションずれへの対処方法として特許文献1には、光学センサを用いて走査線の傾きと曲がりの大きさを測定し、それらを相殺するようにビットマップ画像データを補正し、その補正した画像を形成する方法が記載されている。この方法は、画像データを処理することで電気的に補正をするため、機械的な調整部材や組立時の調整工程が不要になる。したがって、カラー画像形成装置の大きさを小型化することが可能となり、且つ、安価にレジストレーションずれに対処することが出来る。
特開2004−170755
しかしマルチビーム光走査装置においては、ビーム毎に複数の走査線の傾きや曲がりがそれぞれ異なる事から、走査線間の間隔が不均一になる場合が考えられる。各走査線間の曲がりの差が大きい場合には、副走査方向の濃度ムラとなってしまう場合や、同じ箇所が複数回走査されてしまう問題が発生する。図11は4ビームのマルチレーザービームを使用した場合の画像劣化が発生するメカニズムの一例である。図11(a)は4ビームのプロファイルを示している。この例では1,2番目のレーザー(1301、1302)は副走査方向の逆方向、3,4番目のレーザー(1303、1304)は副走査方向に曲がりを持っている。図11(b)は前記4ビームを用いて印字した場合の各レーザービームの軌跡を描いたものである。また図11(c),(d)はそれぞれ1308、1309を拡大した図である。このように各ビームのプロファイルによって最適化が行われない場合には端部において走査線の密度の差が発生してしまう。そのため走査線が粗な部分においては、描画されない領域ができ、元の画像にある情報が図11(c)の白丸部ように失われてしまう問題が発生し、密な部分に関しては図11(d)の黒丸部ように走査線が重なり2重に描画されてしまう問題がある。
本発明は上述の課題を解決するために画像形成を行うマルチビームのプロファイル情報から前記マルチビームによる複数回走査を行った際の走査の重なり状態を判定する手段と、前記重なり状態に従い、前記マルチビームによる画像形成をコントロールする手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、マルチビームを用いた画像形成において、前記マルチビームの曲がりの影響を除いた上で良好な画像形成が実現できる。
本発明の一実施形態としての、濃度補正処理のフローチャートである。 電子写真方式カラー画像形成装置において中間転写体を採用したタンデム方式のカラー画像形成装置の断面図である。 画像形成装置の色毎の走査線のプロファイル特性に関する説明図である。 電子写真方式カラー画像形成装置において、静電潜像作成に関係する各ブロックの構成図である。 電気的なレジストレーションずれ補正における乗り換えポイントの補間についての説明図である。 電気的なレジストレーションずれ補正における複数画素単位で共通の重み付け係数である。 電気的なレジストレーションずれ補正におけるプロファイル定義による、画像処理部で補正がなされるべき方向示す図である。 電気的なレジストレーションずれ補正における記憶部が保持しているデータの状態を模式的に示す図である。 電気的なレジストレーションずれ補正におけるプロファイル特性のデータの保持の仕方を模式的に示す図である。 各色の各ビームのプロファイルを示す図である。 1スキャン分、および複数スキャン分の走査線プロファイルである。 図11を離散化した走査線プロファイルである。 本発明の一実施形態としての、重複参照箇所の重複除去方法である。 本発明の一実施形態としての、濃度変換対象画素の決定方法である。 本発明の一実施形態としての、濃度値計算方法である。 本発明の一実施形態としての、補正画像算出例である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図4は、実施例の電子写真方式カラー画像形成装置において、静電潜像作成に関係する各ブロックの構成を説明する図である。カラー画像形成装置は画像形成部401と画像処理部402により構成され、画像処理部402でビットマップ画像情報を生成し、それに基づき画像形成部401が記録媒体上への画像形成を行う。
図2は、電子写真方式のカラー画像形成装置の一例である中間転写体28を採用したタンデム方式のカラー画像形成装置の断面図である。図2を用いて、電子写真方式のカラー画像形成装置における画像形成部401の動作を説明する。
画像形成部401は、画像処理部402が処理した露光時間に応じて露光光を駆動し、静電潜像を形成して、この静電潜像を現像して単色トナー像を形成する。この単色トナー像を重ね合わせて多色トナー像を形成し、この多色トナー像を記録媒体11へ転写してその記録媒体上の多色トナー像を定着させる。
帯電手段は、Y,M,C,Kの色毎に感光体22Y,22M,22C,22Kを帯電させるための4個の注入帯電器23Y,23M,23C,23Kを備える構成で、各注入帯電器にはスリーブ23YS,23MS,23CS,23KSを備えている。
感光体22Y,22M,22C,22Kは、駆動モータ40Y,40M,40C,40Kの駆動力が伝達されて回転するもので、駆動モータは感光体22Y,22M,22C,22Kを画像形成動作に応じて反時計周り方向に回転させる。露光手段は、感光体22Y,22M,22C,22Kへスキャナ部24Y,24M,24C,24Kより露光光を照射し、感光体22Y,22M,22C,22Kの表面を選択的に露光することにより、静電潜像を形成するように構成している。ここでスキャナ部24Y,24M,24C,24Kのそれぞれは複数の露光光を照射できるマルチレーザービームを備えている。
現像手段は、前記静電潜像を可視化するために、Y,M,C,Kの色毎に現像を行う4個の現像器26Y,26M,26C,26Kを備える構成で、各現像器には、スリーブ26YS,26MS,26CS,26KSが設けられている。なお、各々の現像器26は脱着が可能である。
転写手段は、感光体22から中間転写体28へ単色トナー像を転写するために、中間転写体28を時計周り方向に回転させる。そして感光体22Y,22M,22C,22Kとその対向に位置する一次転写ローラ27Y,27M,27C,27Kの回転に伴って、単色トナー像を転写する。一次転写ローラ27に適当なバイアス電圧を印加すると共に感光体22の回転速度と中間転写体28の回転速度に差をつけることにより、効率良く単色トナー像を中間転写体28上に転写する。これを一次転写という。
更に転写手段は、ステーション毎に単色トナー像を中間転写体28上に重ね合わせ、重ね合わせた多色トナー像を中間転写体28の回転に伴い二次転写ローラ29まで搬送する。さらに記録媒体11を給紙トレイ21から二次転写ローラ29へ狭持搬送し、記録媒体11に中間転写体28上の多色トナー像を転写する。この二次転写ローラ29に適当なバイアス電圧を印加し、静電的にトナー像を転写する。これを二次転写という。二次転写ローラ29は、記録媒体11上に多色トナー像を転写している間、29aの位置で記録媒体11に当接し、印字処理後は29bの位置に離間する。
定着手段は、記録媒体11に転写された多色トナー像を記録媒体11に溶融定着させるために、記録媒体11を加熱する定着ローラ32と記録媒体11を定着ローラ32に圧接させるための加圧ローラ33を備えている。定着ローラ32と加圧ローラ33は中空状に形成され、内部にそれぞれヒータ34、35が内蔵されている。定着装置31は、多色トナー像を保持した記録媒体11を定着ローラ32と加圧ローラ33により搬送するとともに、熱および圧力を加え、トナーを記録媒体11に定着させる。
トナー定着後の記録媒体11は、その後図示しない排出ローラによって図示しない排紙トレイに排出して画像形成動作を終了する。クリーニング手段30は、中間転写体28上に残ったトナーをクリーニングするものであり、中間転写体28上に形成された4色の多色トナー像を記録媒体11に転写した後に残った廃トナーは、クリーナ容器に蓄えられる。
図3を用いて、画像形成装置の色毎の走査線のプロファイル特性に関して説明する。同図において、(a)は画像形成装置のプロファイル特性として、レーザースキャン(主走査)方向に対して上方にずれている領域を示す図である。また、(b)は画像形成装置のプロファイル特性として、レーザースキャン(主走査)方向に対して下方にずれている領域を示す図である。301は理想的な走査線であり感光体22の回転方向に対して垂直に走査が行われる場合の特性を示す。
なお、以下、プロファイル特性は、画像処理部402で補正がなされるべき方向を前提として説明を行うが、プロファイル特性としての定義は、これに限定されるものではない。つまり、画像形成部401のずれ方向として定義しておき、画像処理部402では、その逆特性の補正を行うように構成しても良い。図7にプロファイル特性により定義された画像処理部402で補正がなされるべき方向を示す図と、画像形成部401のずれ方向を示す図の相関を示す。画像処理部402で補正がなされるべき方向として、図7(a)のようにプロファイル特性が示されている場合は、画像形成部401の曲がり特性は、その逆方向である図7(b)のようなものとなる。画像形成部401の曲がり特性として、図7(c)のプロファイル特性が示されている場合、画像処理部402で補正がなされるべき方向としては図7(d)のようになる。
また、プロファイル特性のデータの保持の仕方としては、例えば図9に示すように、乗り換えポイントの主走査方向の画素位置と、次の乗り換えポイントまでの変化の方向性を保持するようにする。具体的には、図9を例にとれば、図9(a)のプロファイル特性に対し、乗り換えポイントがP1,P2,P3,・・・Pmが定義される。各乗り換えポイントの定義は、副走査方向に1画素ずれが発生するポイントであり、方向としては、次の乗り換えポイントまで上方向に変化する場合と下方向に変化する場合がある。
例えば、乗り換えポイントP2は、次の乗り換えポイントP3まで、上方向に乗り換えを行うべきポイントとなる。したがって、P2における乗り換え方向は、(b)に示すように上方向(↑)となる。同様に、P3においても、次の乗り換えポイントP4までは上方向(↑)となる。乗り換えポイントP4における乗り換え方向は、これまでの方向とは異なり下方向(↓)となる。この方向のデータの保持の仕方としては、例えば、上方向を示すデータとして”1”、下方向を示すデータとして”0”とすれば、図9(c)のようになる。この場合、保持するデータ数は乗り換えポイント数と同じだけとなり、乗り換えポイント数がm個であるならば、保持するビット数もmビットとなる。
図3の302は感光体22の位置精度や径のずれ、および図2に示す各色のスキャナ部24(24C,24M,24Y,24K)における光学系の位置精度に起因した、傾きおよび曲がりの発生した実際の走査線を示す。画像形成装置は、その記録デバイス(記録エンジン)毎にこのプロファイル特性が異なり、更に、カラー画像形成装置の場合は、色毎にその特性が異なる。
図3(a)を用いて、レーザースキャン方向に上方にずれている領域の乗り換えポイントに関して説明する。
本実施例における乗り換えポイントとは、副走査方向に1画素ずれた時点のレーザスキャン方向(主走査方向)の位置を示す。つまり、図3(a)においては、上方への曲がり特性302上で副走査方向に1画素ずれているポイントであるP1、P2、P3が乗り換えポイントに相当する。なお、図3(a)においてはP0を基準としたものとして記載している。同図からもわかるように、乗り換えポイント間の距離(L1、L2)は、曲がり特性302が急激に変化している領域においては短くなり、緩やかに変化している領域においては長くなる。
次に図3(b)を用いて、レーザースキャン方向に下方にずれている領域の乗り換えポイントに関して説明する。下方にずれている特性を示す領域においても、乗り換えポイントの定義は、副走査方向に1画素ずれているポイントのことを示す。つまり、図3(b)においては、下方への曲がり特性302上で副走査方向に1画素ずた時点のレーザスキャン方向(主走査方向)の位置であるPn、Pn+1が乗り換えポイントに相当する。図3(b)においても、図3(a)同様、乗り換えポイント間の距離(Ln、Ln+1)は、曲がり特性302が急激に変化している領域においては短くなり、緩やかに変化している領域においては長くなる。
このように、乗り換えポイントは、画像形成装置がもつ曲がり特性302の変化度合いに密接に関係する。よって、
急激な曲がり特性をもつ画像形成装置においては、乗り換えポイント数は多くなり、逆に緩やかな曲がり特性をもつ画像形成装置においては、乗り換えポイント数が少なくなる。
既に説明している通り、画像形成装置がもつ曲がり特性は、各ビーム毎、色毎にも異なるため、乗り換えポイントの数および位置はそれぞれ異なる。この色間の相違が、中間転写体28上に全色のトナー像を転写した画像においてレジストレーションずれとなって現れることとなる。
次に、図4を用いて、カラー画像形成装置における画像処理部402の処理について説明する。画像生成部404は、不図示のコンピュータ装置等から受信する印刷データより、印刷処理が可能なラスターイメージデータを生成し、RGBデータおよび各画素のデータ属性を示す属性データとして画素毎に出力する。なお、画像生成部404は、コンピュータ装置等から受信した画像データではなく、カラー画像形成装置内部に読取手段を構成し、読取手段からの画像データを扱う構成であっても良い。ここでいう読取手段とは、少なくともCCD(Chaerged Couple Device)あるいはCIS(Contact Image sencor)を含むものである。読み取り手段には読み取った画像データに対して、所定の画像処理を行う処理部をあわせてもたせるように構成しても良い。また、カラー画像装置内部に構成せず、図示しないインターフェースを介して、前記読取手段からデータを受け取るように構成しても良い。
405は色変換変換部であり、前記RGBデータを画像形成部401のトナー色にあわせてCMYKデータに変換し、CMKYデータと属性データをビットマップメモリである記憶部406へ格納する。記憶部406は、画像処理部402に構成した第1の記憶部であり、印刷処理を行うラスターイメージデータを一旦格納するものである。なお、記憶部406は、1ページ分のイメージデータを格納するページメモリで構成しても良いし、複数ライン分のデータを記憶するバンドメモリとして構成しても良い。
407C,407M,407Y,407Kは、ハーフトーン処理部であり、記憶部406から出力される属性データに基づき属性ごとに各色のデータに異なったハーフトーン処理を行う。ハーフトーン処理部の具体的な構成としては、スクリーン処理によるもの、あるいは誤差拡散処理によるものがある。スクリーン処理は、所定の複数のディザマトリクスおよび入力される画像データ用いて、N値化するものである。また、誤差拡散処理は、入力画像データを所定の閾値と比較することにより、N値化を行い、その際の入力画像データと閾値との差分を以降にN値化処理する周囲画素に対して拡散させる処理である。(Nは2以上)
408は、画像形成装置内部に構成した第2の記憶部であり、ハーフトーン処理部407(407C,407M,407Y,407K)により処理されたN値化データを記憶する。なお、記憶部408から読み出される画素の位置が乗り換えポイントである場合、記憶部408から読み出される時点で、1画素分の乗り換えが行われる。
図8(a)は記憶部408が保持しているデータの状態を模式的に示す図である。同図(a)に示す通り、記憶部408が記憶している状態においては、画像処理部402としての補正方向、あるいは画像形成部401の曲がり特性によらず、ハーフトーン処理部407による処理後のデータが保持されている。同図701のラインが読み出される時点で、画像処理部402で補正されるべき方向としてのプロファイル特性が上方向の場合、図8(b)のように、乗り換えポイントを境界として、上方向に1画素分ずらされた状態となる。また、画像処理部402で補正されるべき方向としてのプロファイル特性が下方向の場合、ライン701の画像データが、記憶部408から読み出された時点で、図8(c)のように、乗り換えポイントを境界として、下方向に1画素分ずらされた状態となる。上方向、下方向へのずらしは、記憶部408からラインを切り換え画像データを読み出すことで実現される。
409C,409M,409Y,409Kは、各色での補間判定部であり、入力されるN値化データの乗り換えポイント前後の画素の処理として、後段の処理で補間を必要とする画素であるか、補間を行わなくても良い画素であるかを判定する。
410C,410M,410Y,410Kは、記憶部408からのN値化データと補間判定部409の判定結果の同期をとるために構成したタイミング調整部である。411C,411M,411Y,411Kは補間判定部409とタイミング調整部410の出力データを一時的に保持する転送バッファである。なお、本説明においては、第1記憶部406、第2記憶部408、転送用バッファ411を別構成として説明したが、画像形成装置内部に共通の記憶部を構成するようにしても良い。
412C,412M,412Y,412Kは、補間処理部であり、転送用バッファ411からの受信データに対して、同じく転送用バッファから転送されてくる補間判定部409による判定結果に基づき補間処理を行う。補間判定409からの判定結果は、画素毎の判定となるが、補間処理部412での補間処理は、画像形成装置がもつ曲がり特性に対応した乗り換えポイントの前後画素を使用する。図5に乗り換えポイントにおける補間の方法を示す。
図5において、(a)は、レーザースキャン方向に対する、画像形成装置の曲がり特性を示す図である。領域1は画像処理部402が、上向きに補正を行わなければならない領域であり、反対に、領域2は画像処理部402が下向きに補正を行わなければならない領域である。なお、以降の補間処理の説明においては、説明の便宜上、乗り換えポイント間の最小間隔を16画素とするが、これに限られるものではない。つまり、任意の画素数間隔にしても良いし、回路構成縮小のために2のべき乗の画素間隔にしても良い。
図5の例における、乗り換えポイントPa前後の乗り換え前画像、すなわち、ハーフトーン処理部407の出力画像データ構成を(b)に示す。注目ラインは、図示する3ライン分の画像データの中央ラインである。注目ラインに着目した場合の1画素単位の乗り換え処理、すなわち、記憶部408の出力時の画像データ構成を(c)に示す。1画素を超える乗り換えポイント処理は、記憶部408から画像データを読み出す時点でラインを切り換え画像データを読み出すことで実現する。そのため、補間処理部412に入力される時点での、乗り換えポイントPa前後の画素構成は、乗り換えポイントPaを境界にして、大きな段差となって現れる。
補間処理部412は、注目ライン上に、段差となって現れる画像データに対して補間処理を行う。領域1における、補正の方向は上向きであるため、注目ラインの補間処理には、後ラインの画像データとの重み付け演算により行う。本実施例における重み付けは、図5(d)に示す通り、対象となる副走査方向2画素の総和が、乗り換えポイントの最小値に合わせ16となるように、記載するが、重み付け係数の総和は16に限定されるものではない。演算に用いる回路の縮小化のために、2のべき乗となるようにしても良いし、より精度を上げるため、任意の係数で演算できるようにしても良い。また、以降の説明のように、重み付けの構成として、1画素単位に重み付け係数を変えるようにしても良いし、図6に示すように、複数画素単位で共通の重み付け係数を用いるようにしても良い。更には、重み付け係数の値に応じて、対応させる画素数を可変にするようにしても良い。なお、乗り換えポイントの定義は、レーザースキャン方向に対して、副走査方向に1画素ずれる位置が該当するため、補間の際の基準位置は左側として以降の説明をする。
補間に用いる演算式を(式1)に記す。
(補間画素値)=W1×(注目ラインの1ライン前画素値)+W2×(注目ライン画素値)+W3×(注目ラインの1ライン後画素値)・・・・・(式1)
※W1、W2、W3は任意の重み付け係数
本説明の例において、上記(式1)により得られる補間画素値の概念図を図5に示す。(式1)による補間により、乗り換えポイントPaの前では、乗り換えポイントPaに近い画素ほど、後ラインの画素値の影響を受け、乗り換えポイントPaから遠くなる画素ほど、注目ライン、すなわち、黒データラインの影響を強く受ける。
また、乗り換えポイントPaの後ろの画素では、乗り換えポイントPaに近い画素ほど、注目ラインの影響を強く受け、乗り換えポイントPaから遠い画素ほど、注目ラインの後ラインの影響を受ける結果となる。
次に、下向きに補正を行わなければならない、領域2部分に関して説明する。下向きに補正する場合においては、補正画素値の演算に用いる重み付け係数が、注目ラインと注目ラインの前ラインに設定されることとなる。
図5(f)には、ハーフトーン処理部407が出力した時点の画像データを示し、(g)に、記憶部408により、読み出された時点の画像データを示す。乗り換えポイントPcにおいては、下向きの補正が行われるため、(g)に示す通り、乗り換えポイントPcを境界として、1画素を超える乗り換え処理段差が現れる。下向きの補正を行う場合のW1、W2、W3の値は(h)に示す通りであり、説明の便宜上、上向き補正処理時と同様、重み付け係数の総和が16となるようにしている。下向き補正時に対しても、(式1)を適用すると、乗り換えポイントPcを境界として、補正画素値が求まる。つまり、乗り換えポイントPcの前では、乗り換えポイントに近い画素ほど、前ラインの画素値の影響を受け、乗り換えポイントPcから遠くなる画素ほど、注目ラインの影響を強く受ける。また、乗り換えポイントPcの後ろの画素では、乗り換えポイントPcに近い画素ほど、注目ラインの影響を受け、乗り換えポイントPcから遠い画素ほど、注目ラインの前ラインの影響を受ける結果となる(図5(i))。
このように、補間処理部412の補間処理により、補間の方向が上方向であっても、下方向であっても、主走査方向に連続する画素データが、1画素の乗り換え処理段差として現れることが防止される。
413はパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)であり、補間処理部412が出力する色毎の画像データに対して、スキャナ部415C,415M,415Y,415K の露光時間へ変換される。そして、変換後の画像データは、画像形成部401の印字部415により出力される。
なお、図9により、既に説明をしたプロファイル特性データに関しては、画像形成部401内部に、画像形成装置がもつ特性として、装置内部に保持されている。画像処理部402は、画像形成部401が保持しているプロファイル特性に応じて処理がなされるものである(プロファイル416C,416M,416Y,416K)。又、図4の画像形成装置の後述の図1のフローチャートを含む制御は、CPU417のコントロール下で、RAM418に格納されたプログラムをRAM419に読み出し、そのプログラムを実行することで実現される。
上記に一例として示したシステムにおける処理を、図1に示したフローチャートに沿って説明する。図1はプロファイルから算出した、プロファイルが粗密になる影響を考慮した濃度補正処理手順を表すフローチャートである。ステップS101では、プロファイルの情報の変換を行う。プロファイルは各色の各走査線毎にあらかじめ、各マルチビームの走査軌跡を計測しておく。そしてこの走査軌跡を画像形成部401が前記乗り換えポイントの情報として、もしくは多項式近似結果の係数として保持しておく。そしてプロファイル影響補正処理にてプロファイル情報を読み込み、それらの情報を元にプロファイル影響補正処理内で利用できる形式の各ビーム(マルチビーム)のプロファイル情報への変換を行う。次にレーザーの走査に必要となる画像を生成するために、上記で算出したプロファイルに従って記憶部408に記憶された画像データにおける画像形成を行う参照画素の決定を行う。図11は各スキャンにおけるマルチビームのプロファイルを表したもので、(a)は1スキャンにおけるマルチビームのプロファイル1301〜1304を表わし、(b)はマルチビームを用いて複数回走査した場合の走査状態を示している。この例ではマルチビームのプロファイルを2次関数近似した場合を示している。ここでプロファイルから走査線の曲がりが大きい場合には図11 (b)のように、1回の走査分だけでなくその前後の走査(N−1スキャン1305、N+1スキャン1307)の影響も受ける事がわかる。この場合には、図2(b)に示されている走査線が粗な部分1308と走査線が密な部分1309が発生してしまう。このままでは、粗な部分に対応する画像データは、記憶部408から読み出さず、画像形成が行なわれない。一方、密な部分に対応する画像データは、記憶部408から2度読み出される2度画像形成されてしまう。ここで走査線が粗な部分1308と密な部分1309をこれ以降、未参照箇所(未参照画素)、重複参照箇所(重複参照画素)とそれぞれと呼ぶ事にする。
次にステップS102では1回の走査だけでなくその前後の走査(複数回の走査)による、走査線の重なり状態をマルチビームに対応したプロファイルの情報から算出する。複数回の走査を表した図11(b)を離散化した図が図12(b)となる。図12(b)において1401と同じ濃い箇所は重複走査箇所を表し、1402と等しい白い箇所は未参照箇所を表している。重複参照箇所1401はNスキャンとN−1スキャンの走査線が重なった場所であるので走査においても重複が起き、1402の未参照箇所は走査線が粗になり、ドラム上で走査されない、つまり未走査領域となってしまうことがわかる。したがって、このままでは記憶部408に記憶されている画像データのうち、重複参照箇所に相当する画像データは複数回ドラム上で画像形成が行なわれる。その一方、記憶部408に記憶されている画像データのうち未参照個所に相当する画像データは、ドラム上に画像形成が行われない。
ステップS103では、S102で算出した重複箇所を元に、重複箇所を無くすための画像形成のコントロールする処理を行う。ここで重複箇所はNスキャン目のある1本の走査線と、N−1もしくはN+1スキャン目のある走査線が重なってしまう事により発生している。そのため重複する箇所においては、その部分に関してはどちらかの走査線(レーザービーム)のみで描画する。走査線の選択方法としては複数考えられるが、例えばNスキャン目の走査線を優先的に用いる。もしくは、離散化した場合の誤差がより近い点を用いてもよい。ここでは後者の例を用いて説明する。図13(a)は重複参照箇所1310付近を拡大したものである。この場合画素1501においてN−1スキャン時の第4レーザーと、Nスキャン時の第2レーザーが交差していることがわかる。つまり画素1501が重複参照箇所となっているため、その部分についてN−1スキャン時の第4レーザー、もしくはNスキャン時第2レーザーのどちらで参照し描画するかを決定する必要がある。この場合には、N−1スキャン時の第4レーザーの方がより画素の中心に近いためこちらの走査線を用いる事とする。そのため実際にその部分を描画する際には、N−1スキャン時には第4レーザーのみを用いて描画を行うこととし、Nスキャン時の第2レーザーはその部分においてレーザーの照射は行わない事にする。そして図13(c)に示されている、これ以外の重複参照箇所においても同様の方法で計算を行い、図13(d)にある除去すべき重複箇所1505を決定する。以上の構成により画像形成を行うマルチビームのプロファイル情報から、マルチビームによる複数回走査を行った際の走査の重なり状態を判定できる。そしてその重なり状態に従い、マルチビームによる画像形成をコントロールすることができる。尚、このコントロールとは、マルチビームのいずれを用い、他のいずれかを用いず画像形成をすることとなる。
次にステップS105では、ステップS102で明確になった記憶部408に記憶された未参照画素(情報が欠落する箇所)の画像データとその近傍画素の画像データから描画用の画像の濃度値を算出する濃度変換処理について説明する。図12の未参照箇所1402に対して、副走査方向に対して解像度を落とす処理を行う(ステップS106)。図14の太線枠1601が解像度を落とした場合の、未参照画素と濃度変換を行う対象の画素との組み合わせを示している。この例では、図12(b)から確認できるように、走査線が交差している領域では、解像度が元の半分に低下している。そのため解像度を半分にするための処理を用いているが、走査線のプロファイルに応じ適切な解像度変換を行うようにする必要がある。その結果破線1602が本手法により濃度変換を行う対象の画素となり、これ以降隣接画素と呼ぶ。ここで解像度を落とす処理を用いたのは、本手法では情報が参照されない画素の濃度をその近傍の画素に付加する事が目的なので、簡単な方法としてこのような方法を用いた。また未参照な画素が発生している領域では走査線のプロファイルが広がってしまっているため、実質的にも解像度が下がってしまっているためこのような変換をしても画質が劣化する事はない。
しかし記憶部408に記憶された未参照画素の画像データとその隣接画素の画像データとの濃度の関係により、正しい濃度値が求められない場合がある。ここでは未参照画素の画像データとその隣接画素の画像データとの濃度値の関係により2通りの濃度算出方法について図15を用いて説明する。図15の太線の枠は未参照画素を表している。図15(a),(b)では未参照画素の画像データの濃度が隣接画素画像データのよりも濃い場合を表している。この場合には隣接画素画像データにおける濃度は2画素の平均値とする(ステップS108)。しかし同様の方法で図15(c)〜(g)を算出してしまうと、濃度値が低下してしまう。これは未参照画素の位置については、実際に紙に何も描画もされないため、その部分にはトナーが乗らずに紙の白地が現れてしまう。そのため濃度が低下したように見えてしまう。そこでその紙の影響も考慮し、未参照画素の画像データが隣接画素の画像データよりも薄い場合には、隣接画素の濃度値を未参照画素の画像データと隣接画素の画像データとの和とする(ステップS109)。図15で示されている数値は濃度値を表わし、白は0、黒は15とした場合である。また濃度変換後に15を超える場合には15に丸める処理を行っている。尚、図15の例は、ハーフトーン処理部で4bitに変換を行った例で説明した。しかしながら、ハーフトーン処理は他のビット数への変換であってもよいことは言うまでも無い。
このようにして未参照画素の画像データの濃度算出(補正)を行った後に、最終的には重複参照画素1505部分を除去するので、図14(c)が元画像の参照に用いるビームプロファイルと濃度変換箇所を表したものとなる。ここで破線1603が濃度変換対象画素、1604が未参照画素を表していて、濃度の算出は1603と1604の両方の画素値から行う。実際の走査前の画像作成(濃度算出)にはこのプロファイルと元画像とを用いて画像の生成を行う。
尚、上記実施例では、ハーフトーン処理後にビットマップに対して濃度算出(補正)を行ったが、プロファイル情報を用いれば、走査ラインの重なり、未参照箇所は判断できるので、ハーフトーン前の多ビットの状態で濃度算出(補正)を行ってもよい。
次に算出した図14(c)のビームの重なりを考慮した参照位置と元画像から、実際の濃度値の計算処理について図16を用いて説明する。
図16(a)は元画像、図16(b)は、S101〜S102とS104で算出した前後のスキャンの重なりも考慮し算出した未参照画素と、その画素の隣接画素(濃度変換の対象画素)を表している。ここで画素1801、1802はそれぞれ、隣接画素、未参照箇所である。また図16(a)はNスキャン目の中心2Line分のみ濃度を持っている場合で、そのNスキャン目にのみ着目し説明する。
N−1スキャン時には図16(a)の記憶部408の画像と図16(b)の画素との関係は図16(c)のようになる。画素1803、画素1805は未参照画素なのでその隣接画素1804, 1806に対して濃度値の情報を移すため、濃度変換処理を行う。この場合には図16(a)から未参照画素1803, 1805の濃度が隣接画素1804,1806の濃度よりも濃いため、ステップS109の処理に従い両画素の和を隣接画素の濃度とする。
次にNスキャン時、N−1スキャン時にも同じ動作を行うとそれぞれ(f),(h)が算出される。
以上の操作により作成された値を用いてN−1,N,N+1スキャン時の重ねあわせを行うと、(j)のように紙上に描画される事になるため、何も考慮しないと抜けてしまう部分に対してその付近の画素に抜けてしまう画素の情報を移動する事ができる。
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (7)

  1. 画像形成を行うマルチビームのプロファイル情報から前記マルチビームによる複数回走査を行った際の走査の重なり状態を判定する手段と、前記重なり状態に従い、前記マルチビームによる画像形成をコントロールする手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記コントロールとは、前記マルチビームのいずれを用い、他のいずれかのマルチビームを用いず画像形成をすることであることを特徴とする請求項1項記載の画像形成装置。
  3. 記憶部に記憶された画像データの画像形成を行うマルチビームのプロファイル情報から、前記マルチビームによる複数回走査を行った際に前記記憶部に記憶された画像データのうち画像形成されない画像データを判定する判定手段、
    前記判定手段により判定された画像データの濃度を用いて、前記記憶部に記憶された画像データのうち画像形成される画像データの濃度を補正する補正手段、
    前記補正手段により補正されたの画像データに従い前記マルチビームを用いて画像形成を行う画像形成手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記補正手段により補正される画像データは、前記記憶部に記憶された画像データのうち画像形成されない画像データに隣接した画像データであることを特徴とする請求項3項記載の画像形成装置。
  5. 画像形成を行うマルチビームのプロファイル情報から前記マルチビームによる複数回走査を行った際の走査の重なり状態を判定し、前記重なり状態に従い、前記マルチビームによる画像形成をコントロールすることを特徴とする画像形成方法。
  6. 前記コントロールとは、前記マルチビームのいずれを用い、他のいずれかのマルチビームを用いず画像形成をすることであることを特徴とする請求項5項記載の画像形成方法。
  7. 記憶部に記憶された画像データの画像形成を行うマルチビームのプロファイル情報から、前記マルチビームによる複数回走査を行った際に前記記憶部に記憶された画像データのうち画像形成されない画像データを判定し、
    前記判定された画像データの濃度を用いて、前記記憶部に記憶された画像データで画像形成される画像データの濃度を補正し、
    前記補正されたの画像データに従い前記マルチビームを用いて画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
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