JP2011117738A - 故障診断装置、故障診断用プログラム、および故障データ収集装置 - Google Patents

故障診断装置、故障診断用プログラム、および故障データ収集装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車両内の情報処理装置の故障状態を的確に診断するための技術を提供する。
【解決手段】車両内の情報処理装置による処理内容が、ユーザが該車両内の表示装置を介して確認可能なように、該情報処理装置と該表示装置とが電気的に接続されている車両内情報処理システムの故障状態を診断する故障診断装置であって、情報処理装置において自己が使用する装置側時刻情報と関連付けられた該情報処理装置の動作状態を表す装置側情報を表示する第一表示部と、少なくとも表示装置の表示画面および情報処理装置のユーザによる操作状態を撮像するカメラによって撮像された故障診断用画像を表示する第二表示部と、を備え、第一表示部と第二表示部はユーザが比較できるように並列して設けられ、且つ該第一表示部の装置側情報と該第二表示部の故障診断用画像とは、経過時間において互いに同期された状態で表示される。
【選択図】図6

Description

本発明は、車両内で情報処理を行う車両内情報処理システムの故障状態を診断する故障診断の技術に関する。
車両等の移動体には、一般にはその操縦者が搭乗し当該移動体を操縦することで、移動体を使用する目的が果たされる。しかし、操縦者が人である以上、本来行われるべきではない操縦等が行われてしまった結果、移動体の事故が発生してしまう場合が少なからずあり、そのような場合に事故の原因を追究することは、以降の事故の予防等の観点からも極めて重要なことである。そこで、事故の原因追求のために移動体がどのような挙動を示したのか、客観的なデータとして該移動体の速度、加速度、位置情報、時間情報等を記録するレコーダ装置が広く使用されている。
また、事故に関係性の高い情報のみを収集することで、情報記録のために必要な記録媒体の容量を可及的に小さくし、効率的な事故分析をサポートする技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。この技術では、移動体の所定の挙動に関する情報のうち、予め設定された事故に関係する危険挙動の条件パターンとの照合結果、類似する挙動パターンの情報のみを記録するようにすることで、効率的なデータ収集を実現する。
特開2000−185676号公報
最近の車両には、車両自身の走行状態に関する情報の処理を行う情報処理装置だけではなく、オーディオや映像、ナビゲーション等の様々な情報処理装置が搭載されている。また、車両そのものには搭載されるものではないがユーザが車両に乗車する際に携帯する携帯端末についても、一時的な車両内の情報処理装置として、固定的な車両内の他の情報処理装置等と通信や連携した情報処理等が可能とされる場合がある。そして、このような情報処理装置は、その処理内容をユーザに対して効果的に表示するために車両内に設置された表示装置で表示することが行われ、ユーザはその表示結果に従って情報処理装置の操作を行うことが可能となる。
そのため、仮にユーザが情報処理装置の操作中にその情報処理装置の故障を認識したとしても、その場合はあくまでもユーザは表示装置に表示される内容を見ているに過ぎず、情報処理装置の正確な故障状態を把握し、記憶しているとは言い難い。そのため、ユーザの認識が情報処理装置の故障であったとしても、実際にはユーザによる誤操作による想定外の情報処理装置の挙動に過ぎない場合もある。一方で、情報処理装置の故障状態がユーザの意図しない一定の条件が成立したときに生じるような場合には、ユーザによる故障の認識は的確であっても、それを再現することが困難な場合がある。いずれの場合もユーザ自身が情報処理装置の故障状態を認識しているため、当該情報処理装置が実際に故障しているか否かにかかわらず情報処理装置の交換が要求され、無駄なコストが生じてしまう場合がある。
本発明では、上記した問題に鑑み、車両内の情報処理装置の故障状態を的確に診断するための技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、先ず、本発明を故障データ収集装置の観点から捉えた。故障データ収集装置は、車両内の情報処理装置の故障状態を的確に診断するために必要な故障データを収集するための装置であり、的確な故障診断結果を担保するためにも、故障データの収集は重要性が高い。そこで、的確な故障診断のために、本発明は情報処理装置の処理内容が表示される表示装置の画面と、その情報処理装置を操作しているユーザの操作状態に着目した。上記無駄なコストにつながる理由として、ユーザの故障認識と、実際の情報処理装置の動作状況との間のずれが挙げられるからである。
詳細には、本発明は、車両内の情報処理装置による処理内容が、ユーザが該車両内の表示装置を介して確認可能なように、該情報処理装置と該表示装置とが電気的に接続されている車両内情報処理システムの故障データを収集する故障データ収集装置であって、前記情報処理装置が故障状態にある可能性が高いことを検知する検知部と、少なくとも前記表示装置の表示画面および前記情報処理装置のユーザによる操作状態を撮像するカメラと、前記検知部によって故障状態の可能性が検知されると、該検知のタイミングから所定時間前の時点を基点として該検知のタイミングより以降の時点までの所定期間において前記カメラによって撮像された画像を故障診断用画像として記録する画像記録部と、を備える。
本発明に係る故障データ収集装置は、ユーザが車両内に設けられた表示装置の表示画面を介して情報処理装置の処理内容を画像や音声で確認することが可能な車両内情報処理システムに関する故障データを収集する。すなわち、検知部による検知が行われると、これを起点として、カメラによる撮像画像が記録され、それが故障診断用画像とされる。このとき、当該カメラは、表示装置の表示画面と、情報処理装置を操作するユーザの操作状態をともに撮像するものであるから、故障診断用画像には、当該表示画面とユーザの操作状態の両者が少なくとも記録される。また、故障診断用画像とされる撮像期間は検知のタイミングを挟んだ上記所定期間である。これは、検知のタイミングの前後に故障に関係する事象が発生している可能性が高いことに基づく。当該所定期間は、診断すべき故障状態の内容に応じて適宜設定することができる。
一般に、ユーザは自己の情報処理装置の操作状態を正確に記憶していることは難しく、仮に何らか記憶していたとしても、その記憶の精度は不明確であることが多い。そのため、ユーザの記憶を頼りに情報処理装置の故障を事後的に診断しようとすると、当該情報処理装置の故障状態の再現性が不確実であったり、そもそも情報処理装置は故障しておらずユーザの誤操作が行われていたに過ぎなかったりする場合もある。そこで、本発明に係る故障データ収集装置は、ユーザの操作状態をカメラで撮像し、且つその操作状態に関連する表示装置の表示画面も撮像して、最終的に故障診断用画像として記録することで、事後的な故障診断に資する故障データの収集を図る。なお、表示画面の撮像とユーザの操作状態の撮像はそれぞれ個別のカメラによって行われてもよく、また一つのカメラで同時に撮像されてもよい。さらに、この撮像のためのカメラは、故障データ収集のための専用のカメラであってもよく、また既に別の目的で車両内に設置されているカメラを兼用してもよい。
また、本発明に係る故障データ収集装置によって故障データが収集される車両内情報処理システムの情報処理装置としては、オーディオや映像、ナビゲーション等の様々な情報処理装置だけではなく、車両そのものには搭載されるものではないがユーザが車両に乗車する際に携帯する携帯端末等の、一時的な車両内の情報処理装置も採用できる。さらに、車両自身の走行状態に関する情報の処理を行う情報処理装置、すなわち、車両の走行状態に関する走行情報の処理を行うとともに、該走行情報に基づいて表示装置を介してユーザに該車両の走行状態を知らせる装置も、上記車両内情報処理システムの情報処理装置とし
て採用できる。たとえば、エンジンと二次電池からなるハイブリッドシステムを搭載した車両において、エンジンでの発電状況や二次電池での充放電の状況をユーザに知らせるという情報処理を行う装置等が、ユーザに車両の走行状態を知らせる装置の一例として挙げられる。
ここで上記故障データ収集装置において、前記車両には、該車両の位置情報および時刻情報を外部から受信するためのGPS情報受信装置が設けられる場合、前記情報処理装置が自己で使用する装置側時刻情報と前記故障診断用画像における時刻情報は、前記GPS情報受信装置によって受信された時刻情報から形成され、前記画像記録部は、前記装置側時刻情報と同期可能な前記故障診断用画像における時刻情報を、前記故障診断用画像とともに記録するように構成してもよい。GPS(Global Positioning System)情報には、一
般的に位置情報と時刻情報が少なくとも含まれており、その時刻情報を利用することで、情報処理装置側での情報処理の基準となる時刻のスケールと、画像記録部に記録される時刻スケール、もしくは撮像を行うカメラ側の時刻スケールを同期可能な状態とすることができる。このように固体としては別構成である情報処理装置側と画像記録部側等とで同期可能な時刻スケールを設定することで、事後的に行われる故障状態の分析において、情報処理装置側での事象と画像記録部側等での事象とを的確に比較することが可能となり、以て的確な故障診断が可能となる。そこで、画像記録部は、装置側時刻情報と同期可能な故障診断用画像における時刻情報を、故障診断用画像とともに記録する。
さらに、上記故障データ収集装置において、前記画像記録部は、さらに、前記情報処理装置において前記装置側時刻情報と関連付けられた該装置の動作状態を表す装置側情報を、前記故障診断用画像とともに記録する構成としてもよい。すなわち、上述したように、事後的に行われる故障状態の分析において、情報処理装置側での事象と画像記録部側等での事象とを的確に比較できるように、一元的に、画像記録部によって障診断用画像と装置側情報をともに記録する。
ここで、上述までの故障データ収集装置において、前記カメラは、前記表示装置に前記情報処理装置を操作するためのソフトウェアボタンが表示される場合は、ユーザが該ソフトウェアボタンを操作する操作状態を撮像可能であり、又は前記表示装置の周囲に前記情報処理装置を操作するためのハードウェアボタンが配置されている場合は、ユーザが該ハードウェアボタンを操作する操作状態を撮像可能である構成を採用してもよい。これにより、ユーザが情報処理装置を操作するための操作状態をより的確に撮像することができる。
ここで、上述までの故障データ収集装置において、ユーザが前記情報処理装置が故障状態にあると認識したときに、ユーザの操作により前記故障データ収集装置に該故障状態を通知する通知部を、さらに備える場合、前記検知部は、前記通知部からの通知により、前記情報処理装置の故障状態を検知してもよい。もしくは、そのような通知部による通知に代えて、前記検知部は、前記情報処理装置内で情報処理中に発生するエラーコードに基づいて、前記情報処理装置の故障状態を検知してもよい。前者の場合には、ユーザの故障認識に基づいて、故障データの収集が実行され、後者の場合には、ユーザの故障認識に関わらず、自動的に故障データの収集が実行される。何れの場合でも、表示装置の表示画面とユーザの操作状態が撮像、記録されるため、事後的な故障診断に好適な故障データを収集することが可能となる。
ここで、本発明を、上記車両内情報処理システムの故障状態を診断する故障診断装置の側面から捉えることも可能である。詳細には、本発明は、車両内の情報処理装置による処理内容が、ユーザが該車両内の表示装置を介して確認可能なように、該情報処理装置と該表示装置とが電気的に接続されている車両内情報処理システムの故障状態を診断する故障
診断装置であって、前記情報処理装置において自己が使用する装置側時刻情報と関連付けられた該情報処理装置の動作状態を表す装置側情報を表示する第一表示部と、少なくとも前記表示装置の表示画面および前記情報処理装置のユーザによる操作状態を撮像するカメラによって撮像された故障診断用画像を表示する第二表示部とを備える。そして、前記第一表示部と前記第二表示部はユーザが比較できるように並列して設けられ、且つ該第一表示部の前記装置側情報と該第二表示部の前記故障診断用画像とは、経過時間において互いに同期された状態で表示される。
本発明に係る故障診断装置は、装置側情報を表示する第一表示部と、カメラによって撮像された表示装置およびユーザの操作状態が表示される第二表示部を並列に設け、それぞれの表示部で表示される表示内容の経過時間は同期された状態となっている。そのため、実際に情報処理装置側で発生した事象(装置側情報で表わされる事象)と、その情報処理装置に対してユーザが行っている操作状態およびそれに関連する処理内容を表示している表示画面とを、故障分析時に比較することが可能である。これは的確且つ客観的な故障診断を行うためには、極めて有用な故障データの表示形態と言える。従来の車両内情報処理システムの故障診断において、このような表示形態が採られてこなかった点を踏まえると、本発明に係る故障診断装置の有用性が理解できよう。
上記故障診断装置において、前記車両には、該車両の位置情報および時刻情報を外部から受信するためのGPS情報受信装置が設けられる場合、前記装置側時刻情報と前記故障診断用画像における時刻情報が、前記GPS情報受信装置によって受信された時刻情報から形成されることで、前記第一表示部の前記装置側情報と前記第二表示部の前記故障診断用画像とは、経過時間において互いに同期された状態で表示されてもよい。すなわち、上述の故障データ収集装置と同様に、GPSにおける時刻情報の効果的な利用を行うことで、故障診断装置の有用性を高める技術的思想である。
また、上述の故障診断装置において、前記故障診断用画像は、前記情報処理装置が故障状態にある可能性が高いことが検知されると、該検知のタイミングから所定時間前の時点を基点として該検知のタイミングより以降の時点までの所定期間において前記カメラによって撮像された画像であってもよい。
また、本発明を、上記車両内情報処理システムの故障状態を診断する故障診断プログラムの側面から捉えることも可能である。詳細には、車両内の情報処理装置による処理内容が、ユーザが該車両内の表示装置を介して確認可能なように、該情報処理装置と該表示装置とが電気的に接続されている車両内情報処理システムの故障状態をコンピュータによって診断するための故障診断用プログラムであって、前記コンピュータを、前記情報処理装置において自己が使用する装置側時刻情報と関連付けられた該情報処理装置の動作状態を表す装置側情報を表示する第一表示部と、少なくとも前記表示装置の表示画面および前記情報処理装置のユーザによる操作状態を撮像するカメラによって撮像された故障診断用画像を表示する第二表示部と、機能させるプログラムである。そして、当該プログラムは、さらに、前記コンピュータに、ユーザが前記第一表示部と前記第二表示部を比較できるように並列して配置させるとともに、該第一表示部の前記装置側情報と該第二表示部の前記故障診断用画像とを、経過時間において互いに同期された状態で表示させる。
また、前記車両には、該車両の位置情報および時刻情報を外部から受信するためのGPS情報受信装置が設けられる場合、前記装置側時刻情報と前記故障診断用画像における時刻情報は、前記GPS情報受信装置によって受信された時刻情報から形成される。このとき、前記故障診断用プログラムは、前記コンピュータに、前記第一表示部の前記装置側情報と前記第二表示部の前記故障診断用画像とを、経過時間において互いに同期された状態で表示させてもよい。また、前記故障診断用画像は、前記情報処理装置が故障状態にある
可能性が高いことが検知されると、該検知のタイミングから所定時間前の時点を基点として該検知のタイミングより以降の時点までの所定期間において前記カメラによって撮像された画像であってもよい。
このように本発明を故障診断用プログラムと捉えても、上記故障診断装置の場合と同様に、実際に情報処理装置側で発生した事象と、その情報処理装置に対してユーザが行っている操作状態およびそれに関連する処理内容を表示している表示画面とを、故障分析時に比較することが可能であり、以て、的確且つ客観的な故障診断を行うことが可能となる。
車両内の情報処理装置の故障状態を的確に診断するための技術を提供することが可能となる。
本発明の実施例に係る故障データ収集装置が使用されている状況を示す図である。 図1に示す故障データ収集装置が、故障データの収集を行う車両内情報処理システムの概略構成、および当該システムと電気的に接続されている情報処理装置の一例を示す図である。 図1に示す故障データ収集装置の機能ブロック図である。 図1に示す故障データ収集装置によって実行される、故障データの収集を行う処理のフローチャートである。 本発明の実施例に係る故障診断装置の機能ブロック図である。 図5に示す故障診断装置の表示画面の第一の図である。 図5に示す故障診断装置の表示画面の第二の図である。
ここで、本発明に係る故障データ収集装置、故障診断装置、および故障診断用プログラムの実施例について、明細書添付の図面に基づいて説明する。なお、当該実施例は本発明に係る実施例の一例を示すものであり、本発明の権利範囲を限定するものではない。
<故障データ収集装置>
ここで、図1は、故障データ収集装置が搭載された車両1内での、該故障データ収集装置の使用されている状況を示す図である。本実施例においては、故障データ収集装置は、車載機20の機能の一部と、車両1内に設置されているドライブレコーダ50に含まれるカメラ51およびメモリ52とから形成される。なお、1台のカメラではなく複数台のカメラを採用して、故障データ収集装置を形成してもよい。
このドライブレコーダ50のカメラ51は、一般には車両前方の視界を撮像可能であり、当該ドライブレコーダ50は、車両1が衝撃を受けたとき等の所定の危険な運転状態に至ったときに、そのタイミングを挟んだ前後の期間においてカメラ51によって撮像されている画像をメモリ52に記録する装置である。これにより、車両1が危険な運転状態に至ったときの車両1の前方の状況を事後的に確認できるため、事故の原因究明を図ることができる。この他、ドライブレコーダ50は、車両1の速度情報、加速度情報、位置情報等も撮像画像とともにメモリ52に記録し、事故の原因究明に役立てることができる。
ここで、本実施例においては、このドライブレコーダ50を故障データの収集に兼用する。具体的には、カメラ51の視野角を調整し、車載機20の全体がカメラ51の視野に含まれるように設定する。後述するように車載機20には表示装置としてのディスプレイ26と車載機20に接続される様々な情報処理装置の操作のための入力部25が設けられ
ており、カメラ51の撮像領域にはディスプレイ26と入力部25が含まれる(図1を参照)。なお、図1には表示していないが、ドライブレコーダ50の上記本来の機能実現のために、カメラ51の撮像領域には図1に示す領域に加えて車両前方方向の領域も含まれる。したがって、カメラ51は、車載機20のディスプレイ26上の表示画面と、車載機20を操作するユーザの操作状態をまとめて撮像することができる。また、複数のカメラにより該表示画面とユーザの操作状態とをそれぞれ撮像するようにしてもよい。なお、カメラ51は、車両1内の音声の録音も可能である。そして、カメラ51による撮像画像および音声はメモリ52に記録可能である。ドライブレコーダ50を利用した故障データの収集の詳細については後述する。
次に、車載機20およびそれに接続された車両内の様々な情報処理装置によって形成される車両内情報処理システムの概略、および当該システムに含まれる各情報処理装置の故障データを収集する故障データ収集装置の概略構成について、図2基づいて説明する。車載機20は、車両1内のユーザに対して様々情報提供を行う装置であり、該車載機20の一部を構成する制御装置40によって制御されている。車載機20は、主に、各種制御を司る制御装置40、ディスプレイ26、制御装置40に対してユーザからの指示を入力する入力部25、再生コンテンツを格納するハードディスクドライブ(HDD)23およびCD/DVDデッキ等のディスクユニット24、制御装置40がその制御において必要なデータやプログラム等を格納するための図示しないRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備えている。なお、入力部25の構成としては、車載機20に設けられた機械的な入力ボタン(ハードウェアボタン)や、ディスプレイ26に表示される、いわゆるタッチパネル式の入力ボタン(ソフトウェアボタン)等が挙げられ、以下の制御部に対する入力においても同様である。図2においては、上述したようにドライブレコーダ50のカメラ51によって撮像の対象となっている入力部25およびディスプレイ26を点線の矩形で囲っている。
ここで、制御装置40は、車載機20が果たす様々な機能毎に対応する制御部を有している。車載機20は、ユーザへの音楽提供、ユーザが有する携帯端末との無線通信、車両1の運転状態に関する情報提供、車両1のナビゲーション情報の提供を行うことができ、これらの各機能に対応する制御部が、音声再生制御部42、無線通信制御部43、車両内ネットワーク接続部44、ナビ制御部45として、制御装置40内に形成されている。さらに、入力部25からのユーザの入力指示を受け付ける操作受付部41、および本発明に係る故障データ収集装置の中核を為す故障データ収集部46も制御装置40内に形成される。以下に、各制御部の説明を行う。
先ず、操作受付部41は、入力部25を介してユーザの入力指示を受け付け、それを送り先である音声再生制御部42、無線通信制御部43、車両内ネットワーク接続部44、ナビ制御部45、故障データ収集部46のいずれかの機能部に引き渡す。これにより、ユーザは同一の入力部25を介して、各機能部に接続される情報処理装置の操作を行うことが可能となる。なお、車両1内に搭載される情報処理装置については、後述にて改めて説明する。
次に、音声再生制御部42は、主に、ユーザに対して音楽サービスを提供するために、車載機20を、音楽データを処理する装置として機能させるための制御を司る。それにより、車載機20は、いわゆる音楽データをコンテンツデータとして車内で再生する機能を有する。この音楽データの処理については、HDD23やディスクユニット24に格納されている音楽データが、入力部25を介して入力されたユーザからの再生指示に従って再生されることになる。この音声再生制御部42はDSP(Digital Signal Processor)を含み、各音楽データの格納先から送られてくる音楽データに対して演算処理を施し、車載機20の外部(車両1内)に設けられたパワーアンプ31に音楽演奏のための電気信号を送
り、それがスピーカ32によって音声として再生される。なお、音声再生制御部42に送られる音楽データは、図示されてはいないが車両1に搭載されているTVチューナ、AM/FMチューナ、カセットデッキからの音声データでもよい。なお、これらの送られてくる音声データがアナログデータであるときは、上記DSPによる演算処理は行われない。また、後述する無線通信制御部43、ナビ制御部45等からの音声信号の処理も、音声再生制御部42が処理する。
次に無線通信制御部43は、車内空間13にいるユーザが有している携帯端末33と車載機20との間で無線通信を行うべく、車載機20の制御を行う。なお、携帯端末33においても、車載機20を含む外部機器と無線通信を行うための制御部が備えられている。本実施例においては、無線通信制御部43は、ユーザが携帯端末に触れずに、車載機20に接続されているスピーカ32を利用して通話を行うための、いわゆるハンズフリーモードによる無線通信と、携帯端末33内に記憶されている音楽データを車載機20に転送し、上述した音声再生制御部42による処理を利用して、車内で再生させるための音楽再生モードによる無線通信とを実現するものである。そのために、車載機20には、Bluetoth規格による外部機器との無線通信を可能とする送受信センサ27が設けられ、無線通信制御部43は、この送受信センサ27を介して、車両1内の携帯端末33との無線通信を行う。
次に車両内ネットワーク接続部44は、車両1内に敷設されているネットワーク(たとえば、CAN等)34を介して、車両1の運転状態に関する情報をディスプレイ26を介してユーザに提供する機能部である。車両ネットワーク34には、車両1の速度を検出する速度センサ35や、バッテリやエアコン等の補機類に関するセンサ(補機類センサ)36等の様々なセンサが電気的に接続されており、ユーザからの指示に従い、所定のセンサの検出信号に基づいて車両1の運転状態に関する情報をディスプレイ26に表示させる。例えば、車両1がエンジンと二次電池を備えるハイブリッド車両である場合には、車両内ネットワーク接続部44は、エンジンによる発電状況や二次電池の充放電状況などをディスプレイ26に表示させるようにしてもよい。
次にナビ制御部45は、主に、ユーザに対して車両1のナビゲーションサービスを提供するために、車載機20を、地図データを処理する装置として機能させるための制御を司る。また、車両1には、ナビゲーション用のGPS受信機37が備えられ、その検出信号がナビ制御部45に送られるとともに、車両ネットワーク34を介して接続されている速度センサ32からの検出信号もナビ制御部45に送られる。更に、上述した音楽データと同様に車両1のナビゲーションに必要な地図データ等がHDD23に記憶されている。そこでナビ制御部45は、HDD23にアクセスして、GPS受信機37および速度センサ32からの信号と、HDD23内に記憶されている地図データ等に基づいて、車両1のナビゲーションを行う。尚、該ナビゲーションは、ディスプレイ26において、車両12の現在位置が表示されるとともに、スピーカ32を通して車内に音声でガイドがアナウンスされる。なお、GPS受信機37については、本実施例のように車載機20とドライブレコーダ50で供用してもよく、またそれぞれが専用のGPS受信機を有してもよい。
また、制御装置40は、RAM、ROMとも電気的に接続されており、必要に応じてこれらのメモリに記憶されている情報に、制御装置40がアクセスする。このように車載機20では、各制御部よって様々な機能を発揮してユーザに有用なサービスを提供することが可能である。何れかの機能を発揮させるかは、ユーザが入力部25を介して車載機20に指示を出せばよい。
このように車両1内においては、車載機20の制御装置40を中心として、そこに複数の情報処理装置が電気的に接続されることで、車両内情報処理システムが形成されている
。すなわち、車載機20内のHDD23、ディスクユニット24、図示しないTVチューナ、AM/FMチューナ、カセットデッキや、車載機20外のパワーアンプ31およびスピーカ32、携帯端末33、速度センサ35等を含む車両ネットワーク34のそれぞれを情報処理装置として、各情報処理装置が制御装置40に電気的に接続されて車両内情報処理システムが形成される。当該システムでは、ディスプレイ26を介してユーザが各情報処理装置の処理内容を確認することができ、その処理内容を踏まえて入力部25を介してユーザが各情報処理装置の操作を行うことが可能である。
そして、このように構成される車両内情報処理システムにおいて、ユーザが各情報処理装置を操作している際、もしくは各情報処理装置からのサービス提供を受けている際に発生する故障状態に関する故障データを収集するために、故障データ収集部46が制御装置40内に形成される。故障データ収集部46は、上述したようにドライブレコーダ50のカメラ51およびメモリを利用することで、故障状態に関するデータの収集を行う。なお、このドライブレコーダ50にはGPS受信機37によって受信されたGPS信号のうち時刻情報が供給される。これにより、カメラ51がディスプレイ26上の表示画面等を撮像する場合の時刻は、このGPS信号に基づく時刻情報から形成され、その時刻とともに撮像画像がメモリ52に記録可能である。
ここで、故障データ収集部46とドライブレコーダ50とによって実行される各情報処理装置の故障データの収集について、図3に基づいて説明する。図3は、故障データ収集部46による処理とドライブレコーダ50による処理を機能ブロックで表示しイメージ化したものである。なお、この各機能ブロックの果たす処理内容は、故障データ収集部46を構成する専用のプロセッサや該故障データ収集部46で実行されるプログラム、ドライブレコーダを構成する専用のプロセッサ等の、様々な手法により実現されるものである。
故障データ収集部46には、ユーザ故障通知検知部60、自動故障通知検知部61、記録指示部62、装置側情報送信部63が形成される。ここで、ユーザ故障通知検知部60は、車両1内のユーザが情報処理装置を操作している際に、その故障状態を認知したときに故障データを収集すべく出された故障通知を検知する機能部である。このユーザによる故障通知は、車載機20側に設けられた機械的なボタン(入力部25の一部を構成するものであってもよい)をユーザが押下することで制御装置40側に発せられるものであり、あくまでもユーザの認識での故障状態の通知である。したがって、情報処理装置が故障状態にある可能性は高いと言えるが、必ずしも情報処理装置が故障状態にあるとは限らない。ユーザの誤認による故障通知であっても当該故障通知は出されるからである。ユーザ故障通知検知部60がこの故障通知を検知すると、ドライブレコーダ50を利用した故障データの収集が行われることになる。
また自動故障通知検知部61は、制御装置40に対して電気的に接続されているHDD23、ディスクユニット24、パワーユニット31、携帯端末33、車両ネットワーク34等の情報処理装置で処理中に生じるエラーコードを故障通知として自動的に検知する機能部である。すなわち、自動故障通知検知部61は、ユーザが情報処理装置の故障状態を認識しているか否かにかかわらず、その故障状態を検知し得る機能部である。自動故障通知検知部61がエラーコードの発生を検知すると、ドライブレコーダ50を利用した故障データの収集が行われることになる。なお、故障データの収集を行うエラーコードについては、予め所定のエラーコードに限定してもよく、また全てのエラーコードを対象としてもよい。
記録指示部62は、ユーザ故障通知検知部60による故障通知の検知、もしくは自動故障通知検知部61によるエラーコード発生の検知を起点として、ドライブレコーダ50に対して故障データの収集を行うように指示を出す機能部である。当該指示に従い、ドライ
ブレコーダ50が故障データの収集を開始する。また、装置側情報送信部63は、ユーザ故障通知検知部60による故障通知の検知、もしくは自動故障通知検知部61によるエラーコード発生の検知が為された際にユーザによって操作が行われていた情報処理装置、もしくはユーザに情報提供を行っていた情報処理装置側の状態を表す情報をドライブレコーダ50に送信する機能部である。すなわち、ドライブレコーダ50自身がカメラを通して収集する故障データ(撮像画像や音声)に加えて、装置側の状態に関する情報をドライブデータ50側に集約させて、事後的な故障診断に役立てる故障データを一元的に形成することを可能とする。
次にドライブレコーダ50側の機能部について説明する。ドライブレコーダ50には、通常データ記録部53、装置側情報受信部54、故障データ記録部55が形成される。通常データ記録部53は、ドライブレコーダ50が本来の機能である事故等の危険運転状態が発生した際の、所定のデータ(例えば、危険運転時の車両前方の画像、車両速度、車両位置等)の記録を司る機能部である。ドライブレコーダ50自体は既知の装置であるので、通常データ記録部53の詳細については割愛する。装置側情報受信部54は、上記故障データ収集部46の装置側情報送信部63から送信されてくる装置側情報の受信を行う。そして、故障データ記録部55は、受信した装置側情報およびカメラ51によるディスプレイ26の表示画面およびユーザの操作状態の撮像画像や車両1内の音声等の故障データをメモリ52に記録し、故障データの収集を行う。
このように故障データ収集部46とドライブレコーダ50側に形成される各機能部によって、車両1内に形成された情報処理システムの故障データの収集が実行されることになる。図4にその故障データの収集のための処理フローを示し、これに基づいて当該故障データ収集処理の詳細について説明する。S101では、ユーザ故障通知検知部60もしくは自動故障通知検知部61によって情報処理装置の故障状態が検知される。上述の通り、ユーザ故障通知検知部60によって検知された故障通知は、ユーザの認識における故障状態を含むものである。S101の処理が終了すると、S102へ進む。
S102では、故障データ記録部55によって、カメラ51による撮像画像を、カメラ51側の時刻情報とともにメモリ52に記録する。具体的には、S101での故障通知の検知のタイミングから所定時間前の時点を基点として該検知のタイミングより以降の時点までの所定期間において、カメラ51によって撮像されたディスプレイ26の表示画面と、入力部25を操作しているユーザの操作状態の画像が、カメラ51側の時刻情報とともにメモリに記録される。このカメラ51側の時刻情報は、図2に示すようにGPS受信機37によって受信されたGPS信号に含まれる時刻情報から形成されたものである。S102の処理が終了すると、S103へ進む。
S103では、装置側情報送信部63によって、検知された故障通知の対象である情報処理装置の、上記所定期間に対応する装置側情報がドライブレコーダ50側に送信される。たとえば、ユーザがディスクユニット24を操作しているときに、ユーザがその故障状態を認識して故障通知用のボタンを押下した場合、ディスクユニット24に関する装置側情報が送信される。その場合、装置側情報として、ディスクユニット24で再生されていたコンテンツ情報、ユーザの操作履歴(コンテンツの再生・停止等の履歴)、ディスクユニット24への供給電圧等が採用できる。さらに、ディスクユニット24が車両1内に使用され、車両1の運転状態がディスクユニット24に何らかの影響を与えている可能性があることを踏まえて、車両1の運転状態も装置側情報に含めてもよい。また、装置側情報送信部63が装置側情報を送信する際に、検知された故障通知の対象である情報処理装置の内部で使用されている時刻情報も併せて送信される。この時刻情報は、図2に示すようにGPS受信機37によって受信されたGPS信号がナビ制御部45を経て各情報処理装置に渡されそこに含まれる時刻情報から形成されたものである。S103の処理が終了す
ると、S104へ進む。
S104では、S103で送信された装置側情報と時刻情報が、ドライブレコーダ50の装置側情報受信部54によって受信され、さらに故障データ記録部55によってメモリ52に記録される。S104の処理が終了すると、S105へ進む。S105では、S102で記録された撮像画像や音声と、S104で記録された装置側情報の紐付けが行われる。当該紐付けは、故障データ記録部55によってそれぞれの記録情報に含まれる時刻情報に基づいて行われる。すなわち、S102で記録された撮像画像や音声と、S104で記録された装置側情報には、GPS信号に含まれる時刻情報から形成された時刻情報が含まれていることから、両記録情報を経過時間において同期を取ることで両記録情報の紐付けが行われる。この紐付けにより、それぞれ個別的に形成された情報処理装置側の情報と、ドライブレコーダ50を利用して収集された情報とが一元的に集約されることで、当該情報処理装置の故障診断に極めて有用な故障データが形成されることになる(S106の処理)。
<故障診断装置、故障診断用プログラム>
次に、上記のようにドライブレコーダ50に集約された故障データを利用して、車両1内に形成された車両内情報処理システムの故障診断を行う故障診断装置および故障診断用プログラムについて、図5〜図7に基づいて説明する。図5は、コンピュータで形成される故障診断装置70による処理を機能ブロックでイメージ化したものである。なお、この各機能ブロックの果たす処理内容は、故障診断装置70で実行されるプログラムにより実現されるものである。
故障診断装置70には、故障データ読込み部71、装置側情報表示部72、撮像画像表示部73、統計処理部74、故障データ照合部75、故障状況検索部76が形成される。ここで、故障データ読込み部71は、図4に示す故障データ収集処理でメモリ52に集約された故障データを故障診断装置70側に読込む機能部である。具体的には、メモリ52がドライブレコーダ50から取り外し可能なメモリカードである場合、それが故障診断装置70側に挿入されることで、故障データ読込み部71がそこに記録されている故障データを読込む。
そして読込まれた故障データに対して、装置側情報表示部72および撮像画像表示部73が故障診断装置70側での表示処理を行う。具体的には、装置側情報表示部72が、故障データに含まれる装置側情報(上記故障データ収集処理のS104で記録された部分に相当)の表示処理を行い、撮像画像表示部73が、故障データに含まれる撮像画像等(上記故障データ収集処理のS102で記録された部分に相当)の表示処理を行う。このとき、故障データにおける装置側情報部分と撮像画像等部分の紐付けの状態は保持されている。
その他、統計処理部74、故障データ照合部75、故障状況検索部76は、故障診断装置70側に読込まれた故障データに対して所定の解析処理を行う機能部である。具体的には、統計処理部74は、装置側情報に関する統計処理を行う機能部であり、たとえば、ユーザによる情報処理装置の操作履歴の統計処理を行う。故障データ照合部75は、読込まれた故障データのうち特に装置側情報のパターンを解析し、そのパターンを故障診断装置70の外部に設けられたサーバ内の故障データの既知事例と照合することで、当該故障データが意味する故障内容を導き出す機能部である。なお、サーバにおいては、事前に既知の故障データとその故障内容を関連付けたデータベースが構築されており、さらに故障診断装置70がこのデータベースにアクセスすることで、当該データベースの拡充が図られる。故障状況検索部76は、読込まれた故障データのうち特に装置側情報の中から、所定の条件を満たすデータ部分を検索する機能部である。
これらの機能部によって実現される故障診断装置の具体例について、図6および図7に基づいて説明する。図6は、故障診断装置70であるコンピュータの表示画面の一例である。先ず、画面左側の表示領域DR1には装置側情報表示部72によって上記故障データのうちの装置側情報が所定期間(本実施例については、10/03 20:26:37〜10/03 21:32:32までの期間)において経時的に表示される。具体的には、表示領域DR1の上段には、車両1の運転情報がパルス状で表現される。本実施例では、車両1のアクセサリ信号(信号ACC)、イグニッション信号(信号IG)、パーキングブレーキ信号(信号PKB)等のON、OFFがパルス状で表現されている。さらに、表示領域DR1の中段には、車両1のユーザによる車載機20の操作履歴情報が、操作が行われた時点に「手」のアイコンの形式で表示されている。本実施例では、車載機20の入力部25の操作(操作パネル)、ディスプレイ26に表示されたソフトウェアボタンの操作(操作タッチ)等について、操作の有無が「手」のアイコン形式で表示される。さらに、表示領域DR1の下段には、操作時のエラーコードの発生を「注意(!)」のアイコンの形式で表現している。
これらの車両情報、操作情報、エラーコードの表示については、図1に示すように、経過時間が一致するように縦に並べられて表示される。そして、何れかの時刻における車両情報等を、後述する各表示領域のために選択するための選択バーS1が表示領域DR1の最下部に設けられている。なお、選択バーS1は、診断者(故障診断装置の使用者)による操作で任意の時間を選択できる他に、上記所定期間の任意の時点から自動的に時間を進める、又は遡るような時刻選択も可能である。
次にコンピュータの表示画面中央部には、表示領域DR2およびDR3が設けられており、具体的には、表示領域DR2には、選択バーS1で選択された時刻の装置側情報に含まれる操作情報に基づいて、ユーザの車載機20に対する手の運びのイメージが表示される。さらに、表示領域DR2の下側の表示領域DR3には、選択バーS1で選択された時刻のエラーコードの説明が表示される。なお、表示領域DR2、DR3については、選択された時刻における操作情報やエラーコードの発生が無い場合には、何も表示されない。
次にコンピュータの表示画面右側には、表示領域DR4が設けられている。この表示領域DR4には、撮像画像表示部73によって上記故障データのうちの撮像画像が表示される。具体的には、上から、ドライブレコーダ50に入力されるGPS受信機37からのGPS信号に基づいた位置情報を表示するGPS位置情報画面、撮像画像の初期画像における車載機20のディスプレイ26周辺の画面(静止画像)、撮像画像(動画)が順に表示される。ここで表示されるGPS位置情報画面および動画の撮像画像は、表示領域DR1の選択バーS1による選択時刻に同期して変化する。これは、図4に示す故障データ収集処理のS105、S106の処理により、故障データ読込み部71によって読み込まれる故障データにおいて、撮像画像と装置側情報とはそれぞれの時刻情報に基づいて紐付けされていること等から、故障診断装置側で表示領域DR1、DR2、DR3の表示と、表示領域DR4の表示とを経過時間において同期させることが可能となるものである。なお、故障データに音声情報が含まれる場合には、動画の再生に合わせて音声も再生される。
このように構成される故障診断装置では、診断者が選択バーS1を介して時刻を選択することで、装置側情報に基づいた表示(表示領域DR1、DR2、DR3での表示)と、撮像画像の表示(表示領域DR4での表示)とを時刻を合わせた状態で比較することができる。この結果、装置側情報に基づいて把握される車両や情報処理装置側で生じている事象と、実際にユーザが車載機20に対して行っている操作状態に関する事象とを的確に比較することができ、ユーザによる情報処理装置の誤操作の有無や、ディスプレイの表示画像や再生される音声に基づいた偶発的な故障状態の発生の確認等が可能となる。そのため、車両1内に形成された車両内情報処理システムの故障状態を的確に診断でき、以て無駄
な部品交換等によるコストの発生を抑えることが可能となる。
さらに、図6に示すように、コンピュータの表示画面中央部の下部に、「保存」、「照合」、「検索」の3つの機能ボタンが設けられている。「保存」ボタンは、故障診断装置で表示された情報を、故障診断レポートの作成等に使用しやすいように所定のファイル形式で保存する機能ボタンである。なお、ビットマップ、テキストデータ等の様々なファイル形式での情報の保存は既知の技術であるので、詳細は割愛する。「照合」ボタンは、上記故障データ照合部75によるデータ照合を行うための機能ボタンである。当該ボタンが押下されると、故障診断装置に読み込まれた故障データをサーバのデータベースと比較・照合し、過去の故障データに基づいて可能性のある故障情報の提供が行われる。「検索」ボタンは、上記故障状況検索部76によるデータの検索が行われる。故障診断装置がこのような機能ボタンを有することで、車両1内に形成された車両内情報処理システムの故障状態をより的確に診断することが可能となる。
また、図7には、表示領域DR4に、上記統計処理部74による処理結果が表示された状態のコンピュータの画面表示の一例が示されている。表示領域DR4は、いわゆるタブ型の表示領域となっており、先に説明した撮像画像表示部73による表示内容と、統計処理部74による表示内容とを切り替えて表示することが可能である。統計処理部74は、例えば、装置側情報に含まれるエラーコード情報に基づいて、発生したエラーコードの種類とその発生回数や、ユーザによるソフトウェアボタンの押下場所のディスプレイ上の分布状況等、故障診断装置による故障診断をサポートする有益な統計情報を作成し、それを表示領域DR4に表示する。
<その他の実施例>
上記の実施例においては、図4に示す故障データ収集処理のS106により、故障データはドライブレコーダ50のメモリ52に一元的に集約される。それに代わり、メモリ52には、カメラ51による撮像画像等の情報のみが記録され、装置側情報は車載機20側の記録装置に記録されるようにしてもよい。この場合、メモリ51内の撮像画像等の情報と車載機20側の装置側情報とを、故障診断装置側でそれぞれの時刻情報に基づいて紐付けして上述した各表示領域での表示を行うようにしても、上記の場合と同様に的確な故障状態の診断は可能である。
1・・・・車両
20・・・・車載機
23・・・・ディスクユニット
24・・・・HDD(ハードディスクドライブ)
25・・・・入力部
26・・・・ディスプレイ
31・・・・パワーアンプ
32・・・・スピーカ
33・・・・携帯端末
34・・・・車両内ネットワーク
40・・・・制御装置
50・・・・ドライブレコーダ
51・・・・カメラ
52・・・・メモリ

Claims (13)

  1. 車両内の情報処理装置による処理内容が、ユーザが該車両内の表示装置を介して確認可能なように、該情報処理装置と該表示装置とが電気的に接続されている車両内情報処理システムの故障状態を診断する故障診断装置であって、
    前記情報処理装置において自己が使用する装置側時刻情報と関連付けられた該情報処理装置の動作状態を表す装置側情報を表示する第一表示部と、
    少なくとも前記表示装置の表示画面および前記情報処理装置のユーザによる操作状態を撮像するカメラによって撮像された故障診断用画像を表示する第二表示部と、を備え、
    前記第一表示部と前記第二表示部はユーザが比較できるように並列して設けられ、且つ該第一表示部の前記装置側情報と該第二表示部の前記故障診断用画像とは、経過時間において互いに同期された状態で表示される、
    故障診断装置。
  2. 前記車両には、該車両の位置情報および時刻情報を外部から受信するためのGPS情報受信装置が設けられ、
    前記装置側時刻情報と前記故障診断用画像における時刻情報が、前記GPS情報受信装置によって受信された時刻情報から形成されることで、前記第一表示部の前記装置側情報と前記第二表示部の前記故障診断用画像とは、経過時間において互いに同期された状態で表示される
    請求項1に記載の故障診断装置。
  3. 前記故障診断用画像は、前記情報処理装置が故障状態にある可能性が高いことが検知されると、該検知のタイミングから所定時間前の時点を基点として該検知のタイミングより以降の時点までの所定期間において前記カメラによって撮像された画像である、
    請求項1又は請求項2に記載の故障診断装置。
  4. 車両内の情報処理装置による処理内容が、ユーザが該車両内の表示装置を介して確認可能なように、該情報処理装置と該表示装置とが電気的に接続されている車両内情報処理システムの故障状態をコンピュータによって診断するための故障診断用プログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記情報処理装置において自己が使用する装置側時刻情報と関連付けられた該情報処理装置の動作状態を表す装置側情報を表示する第一表示部と、
    少なくとも前記表示装置の表示画面および前記情報処理装置のユーザによる操作状態を撮像するカメラによって撮像された故障診断用画像を表示する第二表示部と、機能させ、
    さらに、前記コンピュータに、ユーザが前記第一表示部と前記第二表示部を比較できるように並列して配置させるとともに、該第一表示部の前記装置側情報と該第二表示部の前記故障診断用画像とを、経過時間において互いに同期された状態で表示させる、
    故障診断用プログラム。
  5. 前記車両には、該車両の位置情報および時刻情報を外部から受信するためのGPS情報受信装置が設けられ、
    前記装置側時刻情報と前記故障診断用画像における時刻情報は、前記GPS情報受信装置によって受信された時刻情報から形成され、
    前記故障診断用プログラムは、前記コンピュータに、前記第一表示部の前記装置側情報と前記第二表示部の前記故障診断用画像とを、経過時間において互いに同期された状態で表示させる、
    請求項4に記載の故障診断用プログラム。
  6. 前記故障診断用画像は、前記情報処理装置が故障状態にある可能性が高いことが検知されると、該検知のタイミングから所定時間前の時点を基点として該検知のタイミングより以降の時点までの所定期間において前記カメラによって撮像された画像である、
    請求項4又は請求項5に記載の故障診断用プログラム。
  7. 車両内の情報処理装置による処理内容が、ユーザが該車両内の表示装置を介して確認可能なように、該情報処理装置と該表示装置とが電気的に接続されている車両内情報処理システムの故障データを収集する故障データ収集装置であって、
    前記情報処理装置が故障状態にある可能性が高いことを検知する検知部と、
    少なくとも前記表示装置の表示画面および前記情報処理装置のユーザによる操作状態を撮像するカメラと、
    前記検知部によって故障状態の可能性が検知されると、該検知のタイミングから所定時間前の時点を基点として該検知のタイミングより以降の時点までの所定期間において前記カメラによって撮像された画像を故障診断用画像として記録する画像記録部と、
    を備える、故障データ収集装置。
  8. 前記車両には、該車両の位置情報および時刻情報を外部から受信するためのGPS情報受信装置が設けられ、
    前記情報処理装置が自己で使用する装置側時刻情報と前記故障診断用画像における時刻情報は、前記GPS情報受信装置によって受信された時刻情報から形成され、
    前記画像記録部は、前記装置側時刻情報と同期可能な前記故障診断用画像における時刻情報を、前記故障診断用画像とともに記録する、
    請求項7に記載の故障データ収集装置。
  9. 前記画像記録部は、さらに、前記情報処理装置において前記装置側時刻情報と関連付けられた該装置の動作状態を表す装置側情報を、前記故障診断用画像とともに記録する、
    請求項8に記載の故障データ収集装置。
  10. 前記カメラは、
    前記表示装置に前記情報処理装置を操作するためのソフトウェアボタンが表示される場合は、ユーザが該ソフトウェアボタンを操作する操作状態を撮像可能であり、又は前記表示装置の周囲に前記情報処理装置を操作するためのハードウェアボタンが配置されている場合は、ユーザが該ハードウェアボタンを操作する操作状態を撮像可能である、
    請求項7から請求項9の何れか一項に記載の故障データ収集装置。
  11. ユーザが前記情報処理装置が故障状態にあると認識したときに、ユーザの操作により前記故障データ収集装置に該故障状態を通知する通知部を、さらに備え、
    前記検知部は、前記通知部からの通知により、前記情報処理装置の故障状態を検知する、
    請求項7から請求項10の何れか一項に記載の故障データ収集装置。
  12. 前記検知部は、前記情報処理装置内で情報処理中に発生するエラーコードに基づいて、前記情報処理装置の故障状態を検知する、
    請求項7から請求項10の何れか一項に記載の故障データ収集装置。
  13. 前記情報処理装置は、前記車両の走行状態に関する走行情報の処理を行うとともに、該走行情報に基づいて前記表示装置を介してユーザに該車両の走行状態を知らせる、
    請求項7から請求項12の何れか一項に記載の故障データ収集装置。
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