JP2011117564A - デファレンシャル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】潤滑油のフェーシング材背面側での流通をなくして摺動面に対する潤滑を十分に行わせる。
【解決手段】回転自在に支持されて内部に潤滑油を収容するデフ・ケース3と、該デフ・ケース3内にピニオン・シャフト5を介して回転自在に支持されたピニオン・ギヤ7と、デフ・ケース3内に相対回転自在に支持されピニオン・ギヤ7に噛み合う一対のサイド・ギヤ9,11と、一対のサイド・ギヤ9,11の少なくとも一方及びデフ・ケース3間に設けられて回転摺動による差動制限を行うためのフェーシング材13,15とを備え、フェーシング材13,15は、サイド・ギヤ9,11及びデフ・ケース3の一方に直接張り付けられて該サイド・ギヤ9,11及びデフ・ケース3の他方に対して前記回転摺動を行うことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】回転自在に支持されて内部に潤滑油を収容するデフ・ケース3と、該デフ・ケース3内にピニオン・シャフト5を介して回転自在に支持されたピニオン・ギヤ7と、デフ・ケース3内に相対回転自在に支持されピニオン・ギヤ7に噛み合う一対のサイド・ギヤ9,11と、一対のサイド・ギヤ9,11の少なくとも一方及びデフ・ケース3間に設けられて回転摺動による差動制限を行うためのフェーシング材13,15とを備え、フェーシング材13,15は、サイド・ギヤ9,11及びデフ・ケース3の一方に直接張り付けられて該サイド・ギヤ9,11及びデフ・ケース3の他方に対して前記回転摺動を行うことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両に用いられるデファレンシャル装置に関する。
従来のデファレンシャル装置としては、例えば特許文献1のように、デフ・ケースとサイド・ギヤとの間に差動制限用のテーパー・リングを介設したものがある。
テーパー・リングは、デフ・ケースの内周面に保持され、テーパー・リングの内面には、フェーシング材が接着されている。このテーパー・リングは、フェーシング材にサイド・ギヤの外周面を回転摺動させて摩擦力を発生させるようになっている。
かかる回転摺動の際には、摺動面に対するデフ・ケース内の潤滑油によって摩耗や焼き付きが抑制されている。
しかしながら、従来の構造では、潤滑油がフェーシング材の背面側であるデフ・ケースの内周面とテーパー・リングの外面との間を流通し易く、摺動面に対する潤滑が不十分となるおそれがあった。
解決しようとする問題点は、潤滑油がフェーシング材の背面側を流通して摺動面に対する潤滑が不十分となる点である。
本発明は、摺動面に対する潤滑を十分に行わせるために、回転自在に支持されて内部に潤滑油を収容するデフ・ケースと、該デフ・ケース内に回転自在に支持されたピニオン・ギヤと、前記デフ・ケース内に相対回転自在に支持され前記ピニオン・ギヤに噛み合う一対のサイド・ギヤと、前記一対のサイド・ギヤの少なくとも一方及び前記デフ・ケース間に設けられて回転摺動による差動制限を行うためのフェーシング材とを備え、前記フェーシング材は、前記サイド・ギヤ及びデフ・ケースの一方に直接張り付けられて該サイド・ギヤ及びデフ・ケースの他方に対して前記回転摺動を行うことを最も主な特徴とする。
本発明のデファレンシャル装置では、フェーシング材がサイド・ギヤ及びデフ・ケースの一方に直接張り付けられて該サイド・ギヤ及びデフ・ケースの他方に対して回転摺動を行うため、潤滑油がフェーシング材の背面側を流通することがなく、摺動面間の潤滑を十分に行わせることができる。
摺動面に対する潤滑を十分に行わせるという目的を、フェーシング材をデフ・ケースに直接張り付けることで実現した。
[デファレンシャル装置の構成]
図1は、本発明の実施例1に係るデファレンシャル装置を示す断面図である。なお、図1は、上半分と下半分とで90°異なった断面を示している。
図1は、本発明の実施例1に係るデファレンシャル装置を示す断面図である。なお、図1は、上半分と下半分とで90°異なった断面を示している。
図1のデファレンシャル装置1は、例えば差動制限機能を備えたフロント・デファレンシャル装置、センター・デファレンシャル装置、或いはリヤ・デファレンシャル装置等として用いられるものである。
かかるデファレンシャル装置1は、デフ・ケース3と、ピニオン・シャフト5と、ピニオン・ギヤ7と、一対のサイド・ギヤ9,11と、フェーシング材13,15とを備えている。
デフ・ケース3は、例えば静止側としてのデフ・キャリヤ(図示しせず)内に支持され、内部に潤滑油を収容している。このデフ・ケース3は、ケース本体17に、ケース・カバー19がボルト(図示せず)によって締結固定されてなる。ボルトは、ケース本体17外周のフランジ部21及びケース・カバー19外周のフランジ部23間を締結し、駆動入力用のリング・ギヤ(図示せず)も共締めしている。
前記デフ・ケース3の回転軸心方向の両端は、ボス部25,27を備え、ボス部25,27がベアリング(図示せず)を介してデフ・キャリヤに回転自在に支持されている。デフ・ケース3の内周面は、凹支持面31及びテーパ面33,35を備えている。
凹支持面31は、デフ・ケース3の回転軸心方向の中間部に設けられ、所定の曲率を有する凹球面状に形成されている。この凹支持面31に対し、前記回転軸心方向の両側にテーパ面33,35が配置されている。
テーパ面33,35は、デフ・ケース3の内周面に周回状に形成されている。テーパ面33,35は、前記回転軸心方向の外側に向けて漸次小径となるように傾斜設定されている。テーパ面33,35のテーパ角度は、デファレンシャル装置1の仕様等に応じて適宜設定される。このテーパ面33,35には、前記フェーシング材13,15が直接貼り付けられている。
前記ピニオン・シャフト5は、デフ・ケース3内に回転軸心に対して交差配置されている。ピニオン・シャフト5の端部は、デフ・ケース3の凹支持面31を貫通する支持孔部37内に嵌合支持されている。ピニオン・シャフト5の端部とデフ・ケース3との間は、スプリング・ピン39によって抜け止め及び回り止めがなされている。
前記ピニオン・ギヤ7は、ベベル・ギヤからなり、ピニオン・シャフト5周りに回転自在に支持されている。ピニオン・ギヤ7の背面側には、凸背面部41が設けられている。凸背面部41は、デフ・ケース3の凹支持面31と略同一の曲率を有した凸球面状に形成されている。この凸背面部41は、ワッシャ43を介してデフ・ケース3の凹支持面31に回転摺動自在に支持されている。
前記サイド・ギヤ9,11は、ベベル・ギヤからなり、ピニオン・ギヤ7と直交噛み合いしている。サイド・ギヤ9,11は、デフ・ケース3内で前記回転軸心周りに相対回転自在に配置されている。サイド・ギヤ9,11の相対回転は、ピニオン・ギヤ7の回転によって許容されるようになっている。
サイド・ギヤ9,11間は、付勢部材としてのコイル・スプリング45が介設され、相互に離反するように付勢されている。サイド・ギヤ9,11の背面側には、デフ・ケース3内の潤滑油を流通させるための流通路47,49が形成されている。
前記サイド・ギヤ9,11の内周側は、スプライン部51,53を備え、スプライン部51,53に車軸の端部がスプライン係合するようになっている。サイド・ギヤ9,11の外周側には、周回状のテーパ面55,57が各別に設けられている。
テーパ面55,57は、デフ・ケース3側のフェーシング材13,15に対して回転摺動する摺動面を構成している。テーパ面55,57は、サイド・ギヤ9,11及びピニオン・ギヤ7の噛合部59,61の外周側で、デフ・ケース3のテーパ面33,35に対向配置されている。このテーパ面55,57は、デフ・ケース3のテーパ面33,35と略平行に形成されている。従って、テーパ面55,57は、デフ・ケース3のテーパ面33,35と略同一のテーパ角を有して、前記回転軸心方向の外側に向けて漸次小径となるように傾斜設定されている。
前記テーパ面55,57は、サイド・ギヤ9,11間のコイル・スプリング45の付勢力によって、デフ・ケース3側のフェーシング材13,15に対して押圧される。このため、サイド・ギヤ9,11は、常時所定の摩擦力を生じさせてイニシャル・トルクが付与されている。
[フェーシング材]
図2は、図1のデファレンシャル装置に用いられるフェーシング材を示す矢印A方向から見た展開図である。
[フェーシング材]
図2は、図1のデファレンシャル装置に用いられるフェーシング材を示す矢印A方向から見た展開図である。
本実施例では、図1のように、左右一対のフェーシング材13,15がデフ・ケース3のテーパ面33,35に貼り付けられている。ただし、フェーシング材13,15は、何れか一方のみを設けることも可能である。
かかるフェーシング材13,15は、左右対象に構成されているため、一方のフェーシング材13についてのみ説明し、他方のフェーシング材15については同符号を付して詳細な説明を省略する。
フェーシング材13は、図1及び図2のように、例えば柔軟性のあるカーボン材やペーパー材からなる板状且つブロック状に形成されている。フェーシング材13は、デフ・ケース3のテーパ面33の周方向所定間隔毎に複数設けられている。なお、本実施例では、4つのフェーシング材13が設けられている。
各フェーシング材13の平面視形状は、台形形状に形成されており、潤滑油の流通方向前端側であるテーパ状の内径側に向けて漸次周方向で小さくなっている。周方向に隣接するフェーシング材13の間隔dは、フェーシング材13とは逆向きの台形形状となっている。
従って、間隔dは、内径側が相対的に広く外径側が相対的に狭くなっている。このため、間隔dは、デフ・ケース3内の潤滑油を流通させると共に潤滑油に対して流通抵抗を与えるようになっている。流通抵抗は、間隔dの設定によって調整されている。本実施例では、外径側の最も狭くなる部分が、例えば1mm〜3mm程度に設定され、潤滑油に対する適度な流通抵抗を与えている。
前記フェーシング材13の背面63は、デフ・ケース3のテーパ面33に接着剤等を介して貼り付けら、フェーシング材13の表面65は、サイド・ギヤ9のテーパ面55を回転摺動させる摺動面となっている。
前記表面65は、サイド・ギヤ9のテーパ面55と略平行となるように前記貼り付けによる調整がなされている。この表面65には、一対の凹部67,69が板厚方向に設けられている。凹部67,69は、略円形形状に形成されフェーシング材13の周方向において相互に並設されている。
[デファレンシャル装置の作用]
本実施例のデファレンシャル装置1では、リング・ギヤからデフ・ケース3にトルク入力が行われると、ピニオン・シャフト5を介してピニオン・ギヤ7へトルク伝達が行われる。ピニオン・ギヤ7は、デフ・ケース3と共に一体に回転し、両サイド・ギヤ9,11へトルク伝達する。このため、両サイド・ギヤ9,11は、デフ・ケース3と共に一体に回転し、車軸を介して車輪側へトルク伝達することができる。
[デファレンシャル装置の作用]
本実施例のデファレンシャル装置1では、リング・ギヤからデフ・ケース3にトルク入力が行われると、ピニオン・シャフト5を介してピニオン・ギヤ7へトルク伝達が行われる。ピニオン・ギヤ7は、デフ・ケース3と共に一体に回転し、両サイド・ギヤ9,11へトルク伝達する。このため、両サイド・ギヤ9,11は、デフ・ケース3と共に一体に回転し、車軸を介して車輪側へトルク伝達することができる。
左右の車輪が差動回転しているときは、該差動回転が車軸を介してサイド・ギヤ9,11へ伝達されて、サイド・ギヤ9,11間が差動回転する。このとき、サイド・ギヤ9,11間は、ピニオン・ギヤ7が自転することで、相対回転が許容される。
従って、デファレンシャル装置1は、サイド・ギヤ9,11間の相対回転を許容しながら、デフ・ケース3からサイド・ギヤ9,11側へトルク伝達を行うことができる。
サイド・ギヤ9,11の差動回転時には、ピニオン・ギヤ7及びサイド・ギヤ9,11に噛み合い反力が入力される。
ピニオン・ギヤ7は、噛み合い反力によって凸背面部41がワッシャ43を介してデフ・ケース3の凹支持面31に押し付けられる。このため、ピニオン・ギヤ7の凸背面部41は、ワッシャ43に対して回転摺動する。この結果、デファレンシャル装置1では、ピニオン・ギヤ7の焼き付き等を防止することができると共に回転摺動による摩擦力を発生させて前記差動回転を制限(差動制限)することができる。
一方、サイド・ギヤ9,11は、噛み合い反力によってテーパ面55,57がフェーシング材13,15に押し付けられる。このため、デファレンシャル装置1では、サイド・ギヤ9,11のテーパ面55,57がフェーシング材13,15に対して回転摺動し、発生した摩擦力によって前記差動回転を制限(差動制限)することができる。
このとき、フェーシング材13,15の表面65,65は、サイド・ギヤ9,11のテーパ面33,35と略平行であるため、その噛み合い反力による押し付けを的確に行わせることができる。
この結果、デファレンシャル装置1では、フェーシング材13,15に対するサイド・ギヤ9,11のテーパ面33,35の回転摺動による摩擦力を確実に発生させることができる。
前記差動制限の際には、サイド・ギヤ9(11)の遠心力等によって、デフ・ケース3内の潤滑油が流通路47(49)からフェーシング材13(15)の表面65(65)及びサイド・ギヤ9(11)のテーパ面33(35)側に供給される。供給された潤滑油は、隣接するフェーシング材13(15)の間隔d及びフェーシング材13(15)の表面65(65)とサイド・ギヤ9(11)のテーパ面33(35)との間を流通する。
このため、本実施例では、フェーシング材13(15)の表面65(65)とサイド・ギヤ9(11)のテーパ面33(35)との間を確実に潤滑することができる。
このとき、前記間隔dは、流通抵抗の付与によって潤滑油を保持するオイル溜まりとして機能する。この結果、フェーシング材13(15)の表面65(65)とサイド・ギヤ9(11)のテーパ面33(35)との間に対し、より確実に潤滑油を流通させて潤滑を行わせることができる。
また、フェーシング材13(15)の表面65(65)とサイド・ギヤ9(11)のテーパ面33(35)との間では、流通する潤滑油が表面65(65)の凹部67,69(67,69)に保持される。このため、本実施例では、フェーシング材13(15)の表面65(65)及びサイド・ギヤ9(11)のテーパ面33(35)間を、より確実に潤滑することができる。
[実施例の効果]
本実施例のデファレンシャル装置1では、デフ・キャリヤに回転自在に支持されて内部に潤滑油を収容するデフ・ケース3と、該デフ・ケース3内にピニオン・シャフト5を介して回転自在に支持されたピニオン・ギヤ7と、デフ・ケース3内に相対回転自在に支持されピニオン・ギヤ7に噛み合う一対のサイド・ギヤ9,11と、一対のサイド・ギヤ9,11及びデフ・ケース3間に設けられて回転摺動による差動制限を行うためのフェーシング材13,15とを備え、フェーシング材13,15がデフ・ケース3に直接張り付けられてサイド・ギヤ9,11に対する前記回転摺動を行う。
[実施例の効果]
本実施例のデファレンシャル装置1では、デフ・キャリヤに回転自在に支持されて内部に潤滑油を収容するデフ・ケース3と、該デフ・ケース3内にピニオン・シャフト5を介して回転自在に支持されたピニオン・ギヤ7と、デフ・ケース3内に相対回転自在に支持されピニオン・ギヤ7に噛み合う一対のサイド・ギヤ9,11と、一対のサイド・ギヤ9,11及びデフ・ケース3間に設けられて回転摺動による差動制限を行うためのフェーシング材13,15とを備え、フェーシング材13,15がデフ・ケース3に直接張り付けられてサイド・ギヤ9,11に対する前記回転摺動を行う。
このため、本実施例では、潤滑油がフェーシング材13,15の背面側を流通することがなく、フェーシング材13,15とサイド・ギヤ9,11との摺動面間に潤滑油を確実に流通させることができる。
この結果、本実施例では、摺動面の十分な潤滑を行わせることができ、耐摩耗性や耐焼き付き性等を向上することができる。
また、本実施例では、柔軟性のあるフェーシング材13,15を直接デフ・ケース3に貼り付けるため、デフ・ケース3及びサイド・ギヤ9,11間の形状に応じた専用品を設定する必要が無く、汎用性の向上及びコスト低減を図ることができる。
同時に、中間部材を不要として、小型化及び軽量化を図ることができ、コスト低減をも図ることができる。
さらに、フェーシング材13,15は、デフ・ケース3側に貼り付けられてサイド・ギヤ9,11側を摺動させている。このため、本実施例では、デフ・ケース3を鋳造等で形成しても熱処理することが不要となり、より確実にコスト低減を図ることができる。
フェーシング材13,15は、一対のサイド・ギヤ9,11とデフ・ケース3との各間に設けられているため、サイド・ギヤ9,11の双方に対して回転摺動による摩擦力を発生させることができる。
本実施例では、サイド・ギヤ9(11)の外周及びデフ・ケース3の内周に、相互に対向する周回状のテーパ面33,55(35,57)を備え、フェーシング材13(15)を、デフ・ケース3のテーパ面55(57)に直接貼り付けている。
このため、本実施例では、テーパ面33,55(35,57)のテーパ角設定によって差動制限力を容易に設定することができながら、異なるテーパ角を有するテーパ面55(57)に対しても柔軟性のあるフェーシング材13(15)を直接貼り付けることで専用品等を用いることなく容易に対応することができる。
フェーシング材13,15は、周方向に複数設けられたブロック状であるため、隣接間の間隔dが潤滑油を保持するオイル溜まりとして機能し、より確実に摺動面間を潤滑することができる。
また、フェーシング材13,15は、平面視形状が潤滑油の流通方向前端側に向けて漸次細くなる台形形状であるため、隣接間の間隔dをフェーシング材13,15とは逆向きの台形形状とすることができる。
従って、間隔dは、供給された潤滑油を容易に導入流通させながら流通抵抗を容易に付与することができる。この結果、本実施例では、フェーシング材13,15の隣接間の間隔dを潤滑油を保持するオイル溜まりとして確実に機能させることができ、より確実に摺動面間を潤滑することができる。
フェーシング材13(15)の表面65(65)は、潤滑油を保持する凹部67,69(67,69)を備えている。このため、本実施例では、摺動面間を、より確実に潤滑を行わせることができる。
図3は、本発明の実施例2に係り、実施例1の図2に対応するフェーシング材の展開図である。なお、本実施例は、その基本構成が上記実施例1の基本構成と同一であるため、対応する構成部分について同符号或いは同符号にAを付して詳細な説明を省略する。
本実施例では、上記実施例1のフェーシング材13(15)に代えて、平面視形状を変更したフェーシング材13A(15A)を用いている。
すなわち、フェーシング材13A(15A)は、平面視形状が周方向に長い矩形形状となっている。フェーシング材13A(15A)の表面65Aは、周方向中間部に板厚方向の凹部71を備えている。この凹部71は、潤滑油の流通方向において、前端側であるフェーシング材13A(15A)の内径側端部で開口している。
本実施例では、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができるのに加え、凹部71が潤滑油を開口から導入させて保持するオイル溜まりとして機能し、確実に摺動面間を潤滑することができる。
図4は、本発明の実施例3に係り、実施例1の図2に対応するフェーシング材の展開図である。なお、本実施例は、その基本構成が上記実施例1の基本構成と同一であるため、対応する構成部分について同符号或いは同符号にBを付して詳細な説明を省略する。
本実施例では、上記実施例1のフェーシング材13(15)に代えて、平面視形状を変更したフェーシング材13B(15B)を用いている。
すなわち、フェーシング材13B(15B)は、平面視形状が平行四辺形形状となっている。このフェーシング材13B(15B)は、周方向の両側面73,75が潤滑油の流通方向に対して傾斜設定されている。なお、フェーシング材13B(15B)の表面には、凹部等が形成されていないが、上記実施例1及び2のような凹部67,69,71を設けることは可能である。
かかる本実施例でも、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
加えて、フェーシング材13B(15B)は、周方向の両側面73,75が傾斜設定されているため、隣接するフェーシング材13B(15B)の間隔dに導入された潤滑油を、デフ・ケース3の回転に応じて外径側(流通方向の後端側)に積極的に流通させることができる。
この結果、本実施例では、サイド・ギヤ9,11及びピニオン・ギヤ7の噛合部59,61側へ潤滑油を積極的に導入することができる。
図5は、本発明の実施例4に係り、実施例1の図2に対応するフェーシング材の展開図である。なお、本実施例は、その基本構成が上記実施例1の基本構成と同一であるため、対応する構成部分について同符号或いは同符号にCを付して詳細な説明を省略する。
本実施例では、上記実施例1のフェーシング材13(15)に代えて、平面視形状を変更したフェーシング材13C(15C)を用いている。
すなわち、フェーシング材13C(15C)は、平面視形状が周方向に長い楕円形形状となっている。ただし、フェーシング材は、単純な円形形状としてもよい。なお、フェーシング材13C(15C)の表面には、凹部等が形成されていないが、上記実施例1及び2のような凹部67,69,71を設けることは可能である。
本実施例では、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができるのに加え、フェーシング材13C(15C)が周方向に長い楕円形形状であるため、摺動時の撓み及びそれによる偏摩耗を抑制することができる。
図6は、本発明の実施例5に係り、実施例1の図2に対応するフェーシング材の展開図である。なお、本実施例は、その基本構成が上記実施例1の基本構成と同一であるため、対応する構成部分について同符号或いは同符号にDを付して詳細な説明を省略する。
本実施例では、上記実施例1のブロック状のフェーシング材13(15)に代えて、環状のフェーシング材13D(15D)を用いている。
すなわち、フェーシング材13D(15D)は、デフ・ケース3のテーパ面33(35)に周方向に沿って設けられている。このフェーシング材13D(15D)は、展開状態で帯状に形成され、環状状態で両端部の凸部77及び凹部79が相互に嵌合して結合されている。
前記フェーシング材13D(15D)の表面65Dには、複数の流通溝81が設けられている。流通溝81は、フェーシング材13D(15D)に対して周方向に所定間隔毎に配置されている。各流通溝81は、潤滑油の流通方向前端の内径側端部から後端の外径側端部まで延設されている。また、流通溝81は、流通方向に対して傾斜設定されている。
本実施例では、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができるのに加え、フェーシング材13D(15D)を環状に形成しても、流通溝81によって潤滑油を保持し確実に摺動面間を潤滑することができる。
しかも、フェーシング材13D(15D)では、流通溝81の傾斜設定により、導入された潤滑油をデフ・ケース3の回転に応じて積極的に外径側へ流通させることができる。この結果、本実施例では、サイド・ギヤ9,11及びピニオン・ギヤ7の噛合部59,61側へ潤滑油を積極的に導入することができる。
図7は、本発明の実施例6に係り、実施例1の図2に対応するフェーシング材の展開図である。なお、本実施例は、その基本構成が上記実施例5の基本構成と同一であるため、対応する構成部分について同符号或いは同符号にEを付して詳細な説明を省略する。
本実施例では、上記実施例5の表面65Dに流通溝81を備えたフェーシング材13D(15D)に代えて、表面65Eに凹部83を備えたフェーシング材13E(15E)を用いている。
すなわち、フェーシング材13E(15E)の表面65Eには、複数の板厚方向の凹部83を備えている。凹部83は、フェーシング材13E(15E)の内径側端部(流通方向の前端)に対して周方向所定間隔毎に設けられている。
各凹部83は、フェーシング材13E(15E)の内径側端部から中間部にかけて延設されている。この凹部83は、中間部から内径端部へ向けて漸次周方向に拡張されたエッジ状に形成されている。
本実施例では、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができるのに加え、フェーシング材13E(15E)のエッジ状の凹部83によって潤滑油を拡散することができる。
[その他]
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各種の変更が可能である。
[その他]
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各種の変更が可能である。
上記実施例では、フェーシング材13(15),13A(15A),13B(15B),13C(15C),13D(15D),13E(15E)をデフ・ケース及びサイド・ギヤの周方向間に配置していていたが、例えばデフ・ケース及びサイド・ギヤの回転軸心方向間に配置してもよい。
また、ブロック状のフェーシング材には、環状のフェーシング材13D(15D)や13E(15E)のような流通溝81や凹部83を設けることも可能であり、環状のフェーシング材には、ブロック状のフェーシング材13(15),13A(15A)のような凹部67,69,71を設けることも可能である。
また、フェーシング材としては、上記実施例の他に、例えば三角形形状のブロック状フェーシング材や螺旋状の環状フェーシング材を用いることも可能である。
上記実施例では、サイド・ギヤ9(11)及びデフ・ケース3にテーパ面55,33(57,35)を設けていたが、これに代えて凸球状面及び凹球状面を設けてもよい。
1 デファレンシャル装置
3 デフ・ケース
5 ピニオン・シャフト
7 ピニオン・ギヤ
9,11 サイド・ギヤ
13,13A,13B,13C,13D,13E,15,15A,15B,15C,15D,15E フェーシング材
33,35,55,57 テーパ面
67,69,71,77,79,83 凹部
81 流通溝
3 デフ・ケース
5 ピニオン・シャフト
7 ピニオン・ギヤ
9,11 サイド・ギヤ
13,13A,13B,13C,13D,13E,15,15A,15B,15C,15D,15E フェーシング材
33,35,55,57 テーパ面
67,69,71,77,79,83 凹部
81 流通溝
Claims (10)
- 回転自在に支持されて内部に潤滑油を収容するデフ・ケースと、
該デフ・ケース内に回転自在に支持されたピニオン・ギヤと、
前記デフ・ケース内に相対回転自在に支持され前記ピニオン・ギヤに噛み合う一対のサイド・ギヤと、
前記一対のサイド・ギヤの少なくとも一方及び前記デフ・ケース間に設けられて回転摺動による差動制限を行うためのフェーシング材とを備え、
前記フェーシング材は、前記サイド・ギヤ及びデフ・ケースの一方に直接張り付けられて該サイド・ギヤ及びデフ・ケースの他方に対して前記回転摺動を行う、
ことを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項1記載のデファレンシャル装置であって、
前記サイド・ギヤの外周及び前記デフ・ケースの内周に、相互に対向する周回状のテーパ面を備え、
前記フェーシング材を、前記デフ・ケースのテーパ面に直接貼り付けた、
ことを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項1又は2記載のデファレンシャル装置であって、
前記フェーシング材は、周方向に複数設けられたブロック状である、
ことを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項1又は2記載のデファレンシャル装置であって、
前記フェーシング材は、周方向に沿って設けられた環状である、
ことを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項1〜4の何れかに記載のデファレンシャル装置であって、
前記フェーシング材の表面に、前記潤滑油を保持する凹部を設けた、
ことを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項5記載のデファレンシャル装置であって、
前記凹部は、前記フェーシング材の前記潤滑油の流通方向前端側で開口する、
ことを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項6記載のデファレンシャル装置であって、
前記凹部は、前記流通方向前端側に向けて前記デフ・ケースの周方向に漸次拡張するエッジ状である、
ことを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項3記載のデファレンシャル装置であって、
前記フェーシング材は、平面視形状が台形、矩形、円形、或いは平行四辺形の何れかである、
ことを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項1〜4の何れかに記載のデファレンシャル装置であって、
前記フェーシング材の表面に、前記潤滑油の流通方向前端から後端まで延設された流通溝を備えている、
ことを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項9記載のデファレンシャル装置であって、
前記流通溝は、前記流通方向に対して傾斜設定されている、
ことを特徴とするデファレンシャル装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009277218A JP2011117564A (ja) | 2009-12-07 | 2009-12-07 | デファレンシャル装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009277218A JP2011117564A (ja) | 2009-12-07 | 2009-12-07 | デファレンシャル装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011117564A true JP2011117564A (ja) | 2011-06-16 |
Family
ID=44283119
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009277218A Pending JP2011117564A (ja) | 2009-12-07 | 2009-12-07 | デファレンシャル装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011117564A (ja) |
-
2009
- 2009-12-07 JP JP2009277218A patent/JP2011117564A/ja active Pending
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