JP2021183853A - 転がり軸受、転がり軸受装置、複列転がり軸受、及び車両用駆動力伝達装置 - Google Patents

転がり軸受、転がり軸受装置、複列転がり軸受、及び車両用駆動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】より多くの潤滑油を複数の転動体に供給することが可能な転がり軸受、転がり軸受装置、複列転がり軸受、及び車両用駆動力伝達装置を提供する。【解決手段】複列円錐ころ軸受1は、ピニオンギヤシャフト11の軸部111に外嵌される第1の内輪31と、第1の内輪31の外周に配置された外輪2と、第1の内輪31と外輪2との間に配置された複数の円錐ころ41と、複数の円錐ころ41を周方向に所定の間隔で保持する第1の保持器51とを備える。外輪2は、複数の円錐ころ41が転動する第1の外側軌道面21aが形成された円筒状の外輪本体21と、外輪本体21から軸方向に延出されてピニオンギヤシャフト11から飛散した潤滑油を受ける受け部23とを有し、受け部23は、その先端部231が第1の内輪31の側面31bよりも軸方向に突出して設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、転がり軸受、転がり軸受装置、複列転がり軸受、及び車両用駆動力伝達装置に関する。
従来、例えば車両においてエンジン等の駆動源の駆動力を伝達するディファレンシャル装置やトランスファ装置には、軸方向の一端部にギヤ部を有するピニオンギヤシャフトが複列転がり軸受によってケース部材(デフキャリアやトランスファケース)に回転可能に支持されている。
特許文献1に記載の複列転がり軸受は、例えば車両のディファレンシャル装置に用いられ、軸部の端部にギヤ部が設けられたピニオンギヤシャフトをケーシングに対して支持している。また、複列転がり軸受は、ピニオンギヤシャフトの軸方向に並んで配置された一対の内輪と、一対の内輪の外側に配置された外輪と、一対の内輪と外輪との間に複列に配置された複数の転動体と、複数の転動体を保持する保持器とを備えており、一対の内輪の内側にピニオンギヤシャフトの軸部が挿通されている。ピニオンギヤシャフトは、ギヤ部とは反対側の端部がケーシングの外方に突出しており、この突出した部分にヨークシャフトのスリーブがスプライン嵌合されている。一対の内輪は、ピニオンギヤシャフトのギヤ部とヨークシャフトとの間に軸方向に挟持されている。
特開2001−336604号公報
特許文献1に記載の複列転がり軸受は、一対の内輪のうちピニオンギヤシャフトのギヤ部側の内輪と外輪との間から供給される潤滑油によって複数の転動体が潤滑され、摩耗や発熱が抑制される。しかし、ピニオンギヤシャフトの回転速度や内輪がピニオンギヤシャフトから受ける荷重の大きさなどによっては、複数の転動体に必ずしも十分な量の潤滑油を供給することができなかった。
そこで、本発明は、より多くの潤滑油を複数の転動体に供給することが可能な転がり軸受、転がり軸受装置、複列転がり軸受、及び車両用駆動力伝達装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するために、回転部材に外嵌される内輪と、前記内輪の外周に配置された外輪と、前記内輪と前記外輪との間に配置された複数の転動体と、前記複数の転動体を周方向に所定の間隔で保持する保持器とを備え、前記外輪は、前記転動体が転動する外側軌道面が形成された円筒状の本体と、前記本体から軸方向に延出されて前記回転部材から飛散した潤滑油を受ける受け部とを有し、前記受け部は、その先端部が前記内輪の側面よりも軸方向に突出して設けられている、転がり軸受を提供する。
また、本発明は、上記の目的を達成するために、上記の転がり軸受と、前記回転部材と、を備えた転がり軸受装置であって、前記回転部材は、前記内輪に挿通される軸部と、ギヤ歯が形成されたギヤ部とを有し、前記受け部は、その少なくとも一部が前記ギヤ部の外周に位置する、転がり軸受装置を提供する。
また、本発明は、上記の目的を達成するために、回転部材に外嵌される一対の内輪と、前記一対の内輪の外周に配置された外輪と、前記一対の内輪と前記外輪との間に複列に配置された複数の転動体と、前記複数の転動体を周方向に所定の間隔で保持する保持器とを備え、前記外輪は、前記複列に配置された複数の転動体が転動する一対の外側軌道面が形成された円筒状の本体と、前記本体から軸方向に延出されて前記回転部材から飛散した潤滑油を受ける受け部とを有し、前記受け部は、その先端部が、前記一対の内輪のうち一方の内輪における他方の内輪とは反対側の側面よりも軸方向に突出して設けられている、複列転がり軸受を提供する。
また、本発明は、上記の目的を達成するために、上記の複列転がり軸受と、前記複列転がり軸受によって支持される軸部の端部にギヤ部が設けられたピニオンギヤシャフトと、前記ピニオンギヤシャフトの前記ギヤ部に噛み合うリングギヤと、前記複列転がり軸受及び前記リングギヤを収容する収容するケース部材とを備え、前記ピニオンギヤシャフトと前記リングギヤとの間で車両の駆動力を伝達する車両用駆動力伝達装置であって、前記ケース部材には、前記外輪の前記本体が嵌合される嵌合穴と前記リングギヤを収容する収容空間とが互いに連通して形成されており、前記外輪は、前記本体の一端部から径方向外方に突出して設けられたフランジを有し、前記受け部の前記先端部が前記フランジよりも前記収容空間側に突出して設けられており、前記フランジが前記ケース部材における前記嵌合穴の前記収容空間側の開口端面に取り付けられた、車両用駆動力伝達装置を提供する。
本発明によれば、より多くの潤滑油を複数の転動体に供給することが可能となる。
第1の実施の形態に係る複列転がり軸受としての複列円錐ころ軸受が用いられた駆動力伝達装置を示す断面図である。 (a)は、図1の一部を拡大して示す拡大図である。(b)は、複列円錐ころ軸受を収容空間側から見た構成図である。 第2の実施の形態に係る複列円錐ころ軸受が用いられた駆動力伝達装置を示す断面図である。 (a)は、図3の一部を拡大して示す拡大図である。(b)は、複列円錐ころ軸受を収容空間側から見た構成図である。 (a)は、第3の実施の形態に係る複列転がり軸受としての複列アンギュラ玉軸受を駆動力伝達装置に適用した場合の複列アンギュラ玉軸受の周辺部を示す断面図である。(b)は、複列アンギュラ玉軸受の部分拡大図である。 (a)は、第4の実施の形態に係る複列転がり軸受としての複列アンギュラ玉軸受を駆動力伝達装置に適用した場合の複列アンギュラ玉軸受の周辺部を示す断面図である。(b)は、複列アンギュラ玉軸受の部分拡大図である。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態について、図1及び図2を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る複列転がり軸受としての複列円錐ころ軸受1が用いられた駆動力伝達装置100を示す断面図である。駆動力伝達装置100は、複列円錐ころ軸受1と、複列円錐ころ軸受1によって支持される回転部材としてのピニオンギヤシャフト11と、ピニオンギヤシャフト11の端部に相対回転不能に連結されたコンパニオンフランジ12と、コンパニオンフランジ12をピニオンギヤシャフト11に固定するボルト13と、ピニオンギヤシャフト11に噛み合わされたリングギヤ14と、リングギヤ14によって駆動力が入力されるディファレンシャル装置15と、潤滑油が収容されたケース部材としてのディファレンシャルキャリア16と、ディファレンシャルキャリア16の下部を覆うロアカバー17と、ディファレンシャルキャリア16への異物の侵入を抑制するダストカバー18と、ディファレンシャルキャリア16からの潤滑油の漏出を抑止するシール部材19と、を備えている。複列円錐ころ軸受1及びピニオンギヤシャフト11は、転がり軸受装置10を構成する。
ピニオンギヤシャフト11は、複列円錐ころ軸受1の中心軸線Cを回転軸線として回転し、図略のエンジンの駆動力が伝達される駆動軸、及びこの駆動軸に連結されたコンパニオンフランジ12から入力される駆動力をリングギヤ14に伝達する。以下、中心軸線Cに平行な方向を軸方向という。複列円錐ころ軸受1には、ボルト13の締め付けによって軸方向の予圧が付与されている。
ディファレンシャルキャリア16は、車両の左右輪の間に配置され、複列円錐ころ軸受1と、ピニオンギヤシャフト11の一部と、リングギヤ14と、ディファレンシャル装置15とを収容している。ディファレンシャルキャリア16の下端部は、潤滑油Lを貯留するオイルパン160となっており、この潤滑油Lにより、ピニオンギヤシャフト11とリングギヤ14との噛み合い部、及び複列円錐ころ軸受1が潤滑される。リングギヤ14の下端部は、停車時における潤滑油Lの油面Lよりも下方に位置している。
ディファレンシャル装置15は、リングギヤ14が固定されたデフケース151と、デフケース151内に支持された一対のピニオンギヤ(図示せず)と、一対のピニオンギヤにギヤ軸を直交させて噛み合う及び一対のサイドギヤ(図示せず)とを有し、リングギヤ14に伝達された駆動力を左右の車輪に差動を許容して配分する。図1では、図面の左右方向が車両前後方向にあたり、図面の下側が鉛直方向の下方にあたる。以下の説明において「上」「下」とは、駆動力伝達装置100が車両に搭載された状態における鉛直方向の上・下をいうものとする。また、図1では、ディファレンシャル装置15の一方のサイドギヤに相対回転不能に連結されたドライブシャフト101の断面を図示している。
ピニオンギヤシャフト11は、複列円錐ころ軸受1によって支持された軸状の軸部111と、リングギヤ14に噛み合うギヤ部112とを一体に有している。ギヤ部112は、軸部111におけるリングギヤ14側の端部に連続して設けられている。ギヤ部112の外周には、リングギヤ14のギヤ歯14aに噛み合う複数のギヤ歯112aが形成されている。ギヤ部112及びリングギヤ14は、ハイポイドギヤからなり、車両の駆動力を伝達する。ギヤ部112は、軸部111よりも大径であり、ギヤ部112の背面側には、複列円錐ころ軸受1側に向かって軸方向に突出するボス部113が設けられている。
複列円錐ころ軸受1は、外輪2と、第1及び第2の内輪31,32と、一方列4a及び他方列4bの複数の転動体としての円錐ころ41,42と、一方列4aの複数の円錐ころ41を保持する第1の保持器51と、他方列4bの複数の円錐ころ42を保持する第2の保持器52とを有している。第1及び第2の内輪31,32は、ピニオンギヤシャフト11の軸部111に外嵌されており、第1の内輪31がギヤ部112側に配置され、第2の内輪32がコンパニオンフランジ12側に配置されている。一方列4aの複数の円錐ころ41は、ギヤ部112の噛み合い反力により、他方列4bの複数の円錐ころ42よりも大きな径方向の荷重を受ける。
外輪2は、第1及び第2の内輪31,32の外周に径方向の間隔をあけて配置された円筒状の外輪本体21と、外輪本体21の一端部から径方向外方に突出して設けられたフランジ22と、外輪本体21から軸方向に延出されてピニオンギヤシャフト11のギヤ部112から飛散した潤滑油を受ける受け部23とを一体に有している。
ディファレンシャルキャリア16には、外輪本体21が嵌合する嵌合穴161と、リングギヤ14及びディファレンシャル装置15を収容する収容空間162とが互いに連通して形成されている。ピニオンギヤシャフト11の軸部111は、ギヤ部112側とは反対側の端部が嵌合穴161からディファレンシャルキャリア16の外部に突出しており、この突出した部分の外周にコンパニオンフランジ12が配置されている。ダストカバー18は、コンパニオンフランジ12の外周に取り付けられ、シール部材19は、コンパニオンフランジ12の外周面に弾接している。
図2(a)は、図1の一部を拡大して示す拡大図である。図2(b)は、複列円錐ころ軸受1を収容空間162側から見た構成図である。外輪2は、一方列4aの円錐ころ41が転動する第1の外側軌道面21aと、他方列4bの円錐ころ42が転動する第2の外側軌道面21bとを、外輪本体21の内周面に複列に有している。第1の内輪31は、第1の外側軌道面21aと径方向に対向する内側軌道面31aを外周面に有している。また、第2の内輪32は、第2の外側軌道面21bと径方向に対向する内側軌道面32aを外周面に有している。第1及び第2の外側軌道面21a,21bならびに内側軌道面31a,32aは、それぞれテーパ状に形成されている。
ピニオンギヤシャフト11のボス部113の先端面113aは、軸方向に対して垂直な環状の平面に形成されている。第1及び第2の内輪31,32のうちギヤ部112側の第1の内輪31は、第2の内輪32と反対側の側面31bが、ボルト13の締め付けによってボス部113の先端面113aに押し付けられている。
第1の保持器51は、一方列4aの複数の円錐ころ41を周方向に所定の間隔で保持している。第2の保持器52は、他方列4bの複数の円錐ころ42を周方向に所定の間隔で保持している。一方列4aの複数の円錐ころ41は、外輪2の第1の外側軌道面21aと第1の内輪31の内側軌道面31aとの間に配置され、大径側の端面41aが第1の内輪31の鍔部311の鍔面311aに当接している。また、他方列4bの複数の円錐ころ42は、外輪2の第2の外側軌道面21bと第2の内輪32の内側軌道面32aとの間に配置され、大径側の端面42aが第2の内輪32の鍔部321の鍔面321aに当接している。
外輪2のフランジ22には、図2(b)に示すように、ディファレンシャルキャリア16に締結される締結部221が周方向の複数位置に設けられている。本実施の形態では、外輪2のフランジ22に五つの締結部221が周方向等間隔に設けられており、それぞれの締結部221にボルト挿通孔221aが形成されている。フランジ22は、これらのボルト挿通孔221aに挿通される複数のボルト6により、ディファレンシャルキャリア16における嵌合穴161の収容空間162側の開口端面161aに取り付けられている。なお、ここで開口端面161aとは、嵌合穴161の開口周辺における収容空間162の内面をいう。
受け部23は、円筒状に形成されており、その先端部231が第1の内輪31の側面31bよりも軸方向に突出して設けられている。また、受け部23の先端部231は、軸方向においてフランジ22よりも収容空間162側に突出して設けられており、受け部23の少なくとも一部がギヤ部112の外周に位置している。これにより、ピニオンギヤシャフト11の回転に伴い発生する遠心力によってギヤ部112から潤滑油が飛散したとき、この飛散した潤滑油の一部が受け部23の内面23aに付着する。
受け部23の内面23aは、中心軸線Cとの間の距離が第1の外側軌道面21a側ほど小さくなるように軸方向に対して傾斜した傾斜面である。これにより、内面23aにおける一方列4aの複数の円錐ころ41の鉛直方向上方にあたる部位に付着した潤滑油が第1の外側軌道面21a側に流下し、複数の円錐ころ41に供給される。なお、本実施の形態では、受け部23の内面23aの全体が第1の外側軌道面21a側ほど内径が小さくなるように軸方向に対して傾斜しているが、これに限らず、内面23aの少なくとも一部が、第1の外側軌道面21a側ほど内径が小さくなるように軸方向に対して傾斜した傾斜面であればよい。
図2(a)に示すように、軸方向に対する第1の外側軌道面21aの角度をθとし、軸方向に対する受け部23の内面23aの角度をθとしたとき、θはθよりも小さい。これにより、ギヤ部112から飛散して受け部23の内面23aに付着した潤滑油が、飛散したときの勢いによって受け部23の先端部231からリングギヤ14側に流れて飛び散ってしまうことが抑制されている。
また、第1の外側軌道面21aと受け部23の内面23aとの間における外輪本体21の内面21cは、第1の外側軌道面21aの角度θと同じ角度で軸方向に対して傾斜している。このため、外輪2の内面は、受け部23の内面23aと内面21cとの境界部に、軸方向に対する角度が変化する変曲部211を有している。本実施の形態では、この変曲部211が、第1の内輪31の鍔部311の径方向外側に位置している。
以上説明した第1の実施の形態によれば、受け部23の内面23aに付着した潤滑油の一部が一方列4aの複数の円錐ころ41に供給されるので、外輪2が受け部23を有していない場合に比較してより多くの潤滑油を複数の円錐ころ41に供給することができ、例えば大径側の端面41aと第1の内輪31の鍔部311の鍔面311aとの摺動部における摩耗や焼き付きの発生を抑制することが可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について、図3及び図4を参照して説明する。第2の実施の形態は、第1の内輪31に潤滑油供給路20が設けられている他は、第1の実施の形態と同様であるので、図3及び図4において、第1の実施の形態と共通する構成要素については、図1及び図2に付したものと同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図3は、本実施の形態に係る複列円錐ころ軸受1Aが用いられた駆動力伝達装置100を示す断面図である。図4(a)は、図3の一部を拡大して示す拡大図である。図4(b)は、複列円錐ころ軸受1Aを収容空間162側から見た構成図である。複列円錐ころ軸受1A及びピニオンギヤシャフト11は、転がり軸受装置10Aを構成する。
本実施の形態では、第1の実施の形態に比較してより多くの潤滑油を一方列4aの複数の円錐ころ41に供給するため、第1の内輪31に潤滑油供給路20が設けられている。潤滑油供給路20は、第1の内輪31の側面31bに形成された油溝201と、油溝201に連通して形成された油孔202とからなる、第1の内輪31には、三つの潤滑油供給路20が設けられており、それぞれの油溝201が第1の内輪31の軸方向視において放射状に形成されている。
油溝201は、第1の内輪31の側面31bから軸方向に窪んで径方向に延在し、全体が側面31bに開口している。また、油溝201は、その一部がピニオンギヤシャフト11のボス部113の先端面113aと向かい合う位置に形成され、鍔部311の外周面311bには到達していない。油溝201の外径側の端部は、第1の内輪31の径方向において、ボス部113の先端面113aと鍔部311の外周面311bとの間に位置しており、この外径側の端部に油孔202が連通している。ボス部113の外径側では、ギヤ部112の背面112bと第1の内輪31の側面31bとの間に、環状の隙間が形成されている。
第1の内輪31は、内側軌道面31aと鍔面311aとの間の角部に、内側軌道面31a及び鍔面311aを研削する際に砥石のエッジ部を逃がすための盗み部310を有しており、この盗み部310に油孔202が開口している。盗み部310は、油溝201の外径側の端部よりも径方向外方に位置しており、油孔202が軸方向に対して傾斜して直線状に形成されている。
受け部23の内面23aに付着した潤滑油は、一部が第1の外側軌道面21a側に流下して複数の円錐ころ41に供給されるが、他の一部は、内面23aからギヤ部112の背面112bと第1の内輪31の側面31bとの間の隙間に滴下する。この隙間に滴下した潤滑油は、油溝201に進入し、第1の内輪31の回転による遠心力ならびに油孔202が中心軸線Cよりも下方に位置したときに作用する重力により、油孔202を盗み部310に向かって流れ、盗み部310から複数の円錐ころ41に供給される。
このように、本実施の形態によれば、受け部23の内面23aから滴下した潤滑油をも複数の円錐ころ41に供給することができ、より多くの潤滑油を複数の円錐ころ41に供給することが可能となる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について、図5を参照して説明する。第1及び2の実施の形態では、転動体として円錐ころ41,42を用いた場合について説明したが、本実施の形態及び後述する第4の実施の形態では、転動体として、球状の玉43,44を用いる。すなわち、本実施の形態では、複列転がり軸受が複列アンギュラ玉軸受1Bとして構成されている。複列アンギュラ玉軸受1B及びピニオンギヤシャフト11は、転がり軸受装置10Bを構成する。
図5(a)は、複列アンギュラ玉軸受1Bを駆動力伝達装置100に適用した場合の複列アンギュラ玉軸受1Bの周辺部を示す断面図であり、図5(b)は、複列アンギュラ玉軸受1Bの部分拡大図である。第1及び2の実施の形態では、外輪2の第1及び第2の外側軌道面21a,21b、ならびに第1及び第2の内輪31.32の内側軌道面31a,32aがテーパ状である場合について説明したが、本実施の形態では、外側軌道面21a,21bならびに内側軌道面31a,32aが断面円弧状である。図5(a)及び(b)において、第1及び第2の実施の形態について説明したものと機能が共通する部材等については、図1乃至図4に付したものと同一の符号を付して重複した説明を省略する。
本実施の形態では、第1の外側軌道面21aと受け部23の内面23aとの間における外輪本体21の内面21cが、軸方向に対して平行に形成されている。受け部23の内面23aは、第1及び第2の実施と同様に、その全体が第1の外側軌道面21a側ほど内径が小さくなるように軸方向に対して傾斜している。受け部23の内面23aと内面21cとの間の変曲部211は、軸方向における玉43の最も受け部23側の部位である最端部431よりも第1の外側軌道面21a側に位置している。また、変曲部211は、軸方向における第1の内輪31の内側軌道面31aのギヤ部112側の端部よりも第1の外側軌道面21a側に位置している。
これにより、変曲部211から滴下した潤滑油が玉43もしくは内側軌道面31aに供給される。つまり、変曲部211では、受け部23の内面23aに付着した潤滑油の第1の外側軌道面21a側への流れが滞りやすく、潤滑油が滴下しやすいが、本実施の形態では、変曲部211が玉43の最端部431及び内側軌道面31aの端部よりも軸方向の第1の外側軌道面21a側に位置しているため、変曲部211から滴下した潤滑油が玉43もしくは内側軌道面31aに供給される。このため、より多くの潤滑油を複数の玉43に供給することが可能となる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態に係る複列転がり軸受が複列アンギュラ玉軸受1Cについて、図6を参照して説明する。図6(a)は、複列アンギュラ玉軸受1Cを駆動力伝達装置100に適用した場合の複列アンギュラ玉軸受1Cの周辺部を示す断面図であり、図6(c)は、複列アンギュラ玉軸受1Cの部分拡大図である。複列アンギュラ玉軸受1C及びピニオンギヤシャフト11は、転がり軸受装置10Cを構成する。
第3の実施の形態では、受け部23の内面23aの全体が第1の外側軌道面21a側ほど内径が小さくなるように軸方向に対して傾斜した場合について説明したが、本実施の形態では、受け部23の内面23aのうち、変曲部211よりも先端部231側の一部が第1の外側軌道面21a側ほど内径が小さくなるように軸方向に対して傾斜した傾斜面23bであり、傾斜面23bよりも受け部23の先端部231側の一部は、軸方向に対して平行な円筒面23cである。傾斜面23bは、より具体的には、所定の曲率で湾曲した湾曲面であるが、傾斜面23bがテーパ状に形成されていてもよい。
軸方向における変曲部211の位置は、玉43の最も受け部23側の部位である最端部431よりも第1の外側軌道面21a側であり、また第1の内輪31の内側軌道面31aのギヤ部112側の端部よりも第1の外側軌道面21a側である。
本実施の形態によっても、第3の実施の形態と同様に、変曲部211から滴下した潤滑油が玉43もしくは内側軌道面31aに供給される。このため、より多くの潤滑油を複数の玉43に供給することが可能となる。
(付記)
以上、本発明を実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、これら実施の形態及び変形例は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、一部の構成を省略し、あるいは構成を追加もしくは置換して、適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記の実施の形態では、複列転がり軸受(複列円錐ころ軸受1,1A及び複列アンギュラ玉軸受1B,1C)に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、単列の転がり軸受(円錐ころ軸受もしくは玉軸受)に本発明を適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、複列円錐ころ軸受1,1Aもしくは複列アンギュラ玉軸受1B,1Cにより、ディファレンシャル装置15のデフケース151に固定されたリングギヤ14にギヤ部112が噛み合うピニオンギヤシャフト11を支持する場合について説明したが、これに限らず、例えば四輪駆動車のトランスファに本発明を適用することも可能である。この場合、リングギヤからピニオンギヤシャフトを経てプロペラシャフトに駆動力が伝達される。
1,1A…複列円錐ころ軸受(複列転がり軸受)
1B,1C…複列アンギュラ玉軸受(複列転がり軸受)
10,10A,10B,10C…転がり軸受装置
11…ピニオンギヤシャフト(回転部材) 111…軸部
112…ギヤ部 113…ボス部
16…ディファレンシャルキャリア(ケース部材) 100…駆動力伝達装置
161a…開口端面 162…収容空間
2…外輪 20…潤滑油供給路
211…変曲部 21a…第1の外側軌道面
21b…第2の外側軌道面 22…フランジ
23…受け部 231…先端部
23a…内面 23b…傾斜面
23c…円筒面 31…第1の内輪
310…盗み部 311…鍔部
311a…鍔面 31a…内側軌道面
31b…側面 32…第2の内輪
32a…内側軌道面 41,42…円錐ころ(転動体)
43,44…玉(転動体) 431…最端部
51…第1の保持器 52…第2の保持器
L…潤滑油

Claims (8)

  1. 回転部材に外嵌される内輪と、前記内輪の外周に配置された外輪と、前記内輪と前記外輪との間に配置された複数の転動体と、前記複数の転動体を周方向に所定の間隔で保持する保持器とを備え、
    前記外輪は、前記転動体が転動する外側軌道面が形成された円筒状の本体と、前記本体から軸方向に延出されて前記回転部材から飛散した潤滑油を受ける受け部とを有し、
    前記受け部は、その先端部が前記内輪の側面よりも軸方向に突出して設けられている、
    転がり軸受。
  2. 前記受け部の内面は、その少なくとも一部が、前記回転部材の回転軸線との間の距離が前記外側軌道面側ほど小さくなるように軸方向に対して傾斜した傾斜面である、
    請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記転動体が円錐ころであり、
    前記傾斜面は、軸方向に対し前記外側軌道面の角度よりも小さな角度で傾斜している、
    請求項2に記載の転がり軸受。
  4. 前記内輪は、前記円錐ころの大径側の端面が当接する鍔面と前記転動体が転動する内側軌道面との間の角部に盗み部を有すると共に、前記盗み部及び前記側面に開口する潤滑油供給路を有する、
    請求項3に記載の転がり軸受。
  5. 前記転動体が球状の玉であり、
    前記外輪は、前記外側軌道面よりも前記受け部の前記先端部側の内面に、軸方向に対する角度が変化する変曲部を有し、前記変曲部よりも前記受け部の前記先端部側の少なくとも一部が前記傾斜面として形成されており、
    前記変曲部は、軸方向における前記玉の最も前記受け部側の部位である最端部よりも前記外側軌道面側に位置している、
    請求項2に記載の転がり軸受。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載の転がり軸受と、前記回転部材と、を備えた転がり軸受装置であって、
    前記回転部材は、前記内輪に挿通される軸部と、ギヤ歯が形成されたギヤ部とを有し、
    前記受け部は、その少なくとも一部が前記ギヤ部の外周に位置する、
    転がり軸受装置。
  7. 回転部材に外嵌される一対の内輪と、前記一対の内輪の外周に配置された外輪と、前記一対の内輪と前記外輪との間に複列に配置された複数の転動体と、前記複数の転動体を周方向に所定の間隔で保持する保持器とを備え、
    前記外輪は、前記複列に配置された複数の転動体が転動する一対の外側軌道面が形成された円筒状の本体と、前記本体から軸方向に延出されて前記回転部材から飛散した潤滑油を受ける受け部とを有し、
    前記受け部は、その先端部が、前記一対の内輪のうち一方の内輪における他方の内輪とは反対側の側面よりも軸方向に突出して設けられている、
    複列転がり軸受。
  8. 請求項7に記載の複列転がり軸受と、前記複列転がり軸受によって支持される軸部の端部にギヤ部が設けられたピニオンギヤシャフトと、前記ピニオンギヤシャフトの前記ギヤ部に噛み合うリングギヤと、前記複列転がり軸受及び前記リングギヤを収容する収容するケース部材とを備え、前記ピニオンギヤシャフトと前記リングギヤとの間で車両の駆動力を伝達する車両用駆動力伝達装置であって、
    前記ケース部材には、前記外輪の前記本体が嵌合される嵌合穴と前記リングギヤを収容する収容空間とが互いに連通して形成されており、
    前記外輪は、前記本体の一端部から径方向外方に突出して設けられたフランジを有し、
    前記受け部の前記先端部が前記フランジよりも前記収容空間側に突出して設けられており、
    前記フランジが前記ケース部材における前記嵌合穴の前記収容空間側の開口端面に取り付けられた、
    車両用駆動力伝達装置。
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