JP2011116042A - データ記憶装置、および、それを備えた印刷装置 - Google Patents

データ記憶装置、および、それを備えた印刷装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フィスカルデータの改ざん、不正アクセスを防止するデータ記憶装置、および印刷装置を提供する。
【解決手段】少なくとも、情報を記憶する記憶部81と情報の伝達を行う接続端子43とが実装された基板32と、前記基板32を収納するとともに、前記接続端子43の接続部を外部に露出させる開口部35が形成された筐体31と、前記筐体31の前記開口部35を遮蔽可能な遮蔽板46と、前記接続端子43と、前記接続端子43が接続される受け端子91との接続状態を検知して、前記遮蔽板46を作動させる遮蔽板作動機構45とを備え、前記遮蔽板作動機構45は、前記接続端子43が前記受け端子91から離脱されたことを検知したとき、前記遮蔽板46を作動させ前記開口部35を遮蔽することを特徴とするデータ記憶装置300。
【選択図】図8

Description

本発明は、販売、物流、商流等の業界における会計処理に伴うデータを記憶するデータ記憶装置、および、そのデータ記憶装置を備えた印刷装置に関する。
販売、物流、商流の業界においては、会計情報を処理する各種システム(POSシステム等)が用いられている。このようなシステムにおいて、会計情報を記録して発行するために印刷装置としてのプリンターが用いられる。この種のプリンターとしては、フィスカルプリンターと呼ばれるものがある。フィスカルプリンターは、会計情報を記録して発行する印刷本体部と、記録した会計情報を記憶するデータ記憶装置とを備えている。このデータ記憶装置に記憶されるデータは、例えば、税金に関するものであり徴税を確実なものとするために用いられる。
そのため、データ記憶装置は、会計情報に基づくデータが改ざんできないような構造であることが望まれる。そのため、データの改ざんやデータへの不正アクセスを目的とする基板やメモリーの取り外しを防止する必要がある。データを記憶するメモリー等の電子部品が実装された基板をカバー(筐体)に収容し、そのカバーを留めるねじにワイヤーで回り止めをし、そのワイヤーを封印する封印構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−24291号公報
近年、データ記憶装置において、データ記憶装置を筐体に収容し1つの製品として固有の番号を付与して管理するようになっている。この種のデータ記憶装置は、フィスカルプリンター本体部に接続端子等によって着脱可能に取り付けられる。そのため、データの改ざんやデータへの不正アクセスを目的として、データ記憶装置を不正に取り外すことが予想される。従って、取り外されたことを履歴および形跡に残すこと、メモリー等の電子部品に対して不正アクセスができないこと、データの改ざん後に再取り付けができないこと等が要求される。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
(適用例1)少なくとも、情報(データ)を記憶する記憶部と、情報の伝達を行う接続端子と、が実装された基板と、前記基板を収納するとともに、前記接続端子の接続部を外部に露出させる開口部が形成された筐体と、前記筐体の前記開口部を遮蔽可能な遮蔽板と、前記接続端子と、前記接続端子が接続される受け端子との接続状態を検知して、前記遮蔽板を作動させる遮蔽板作動機構と、を備え、前記遮蔽板作動機構は、前記接続端子が前記受け端子から離脱されたことを検知したとき、前記遮蔽板を作動させ前記開口部を遮蔽することを特徴とするデータ記憶装置。
この構造によれば、データ記憶装置が取り外されたとき、すなわち、データ記憶装置の接続端子が受け端子から離脱したとき、遮蔽板作動機構によって作動される遮蔽板は、接続端子の接続部を露出させている開口部の一部もしくは全部を遮蔽することができる。そのため、接続端子の端子部からの不正アクセスを防止できる。また、開口部が遮蔽されていることによって取り外されたことがわかるとともに、受け端子に再接続することができない。そのため、不正を防止することができる。
(適用例2)前記遮蔽板作動機構は、前記遮蔽板と、前記遮蔽板を一方向に付勢する付勢手段と、前記遮蔽板の移動を係止する第1遮蔽板係止手段と、前記接続端子が前記受け端子から離脱されたことを検知したとき、前記第1遮蔽板係止手段の係止を解除するとともに、前記遮蔽板の移動を係止する第2遮蔽板係止手段と、を備えることを特徴とする上記のデータ記憶装置。
(適用例3)前記第2遮蔽板係止手段は、前記受け端子側に設けられていることを特徴とする上記のデータ記憶装置。
この構造によれば、データ記憶装置は、初期段階、すなわちデータ記憶装置の接続端子が受け端子に接続されていない状態では、遮蔽板は第1遮蔽板係止手段に係止され、開口部の接続端子は遮蔽されず露出している。データ記憶装置の接続端子が受け端子に接続されたことを検知すると、第1遮蔽板係止手段の係止は解除され、付勢手段によって付勢される遮蔽板は、受け端子側の第2遮蔽板係止手段に係止される。接続端子と受け端子が離脱すると、受け端子側に設けられた第2遮蔽板係止手段は離脱して付勢される遮蔽板の係止が解除される。そのため、遮蔽板は、開口部を遮蔽することができる。
(適用例4)記録用紙に前記情報を印刷する印刷部と、少なくとも前記印刷部を備える印刷装置本体部と、上記のデータ記憶装置と、を備え、前記印刷装置本体部は前記受け端子を有し、前記データ記憶装置は、前記接続端子および前記受け端子によって接続されていることを特徴とする印刷装置。
この構成によれば、印刷装置は、情報(会計情報)を印刷できるとともに、必要な情報をメモリーに記憶することができる。また、データ記憶装置は、不正に取り外されたとき、接続端子部が遮蔽され不正アクセス、データの改ざんを低減することができる。また、再接続ができなくなるため、不正を抑制することができる。
(適用例5)前記データ記憶装置は、前記筐体内部に前記印刷装置本体部の動作を制御する制御部を備えていることを特徴とする上記の印刷装置。
これらの構成によれば、データ記憶装置は、メモリー等の記憶部および印刷装置本体部の制御部を有している。すなわち、メモリーを外した状態では印刷できない。そのため、レシートとして発行する会計情報の内の必要情報を確かにメモリーに記憶することができる。
サーマルプリンターの外観構成を示す斜視図。 カバーフレームが開いた状態のプリンター機構部の斜視図。 カバーフレームが閉じた状態のプリンター機構部の斜視図。 サーマルプリンターの概略側断面図。 サーマルヘッドの外観斜視図。 データ記憶装置の外観を示す図。 データ記憶装置およびプリンター本体部の構成を示すブロック図。 遮蔽板作動機構を説明する図。 遮蔽板作動機構の動作を説明する図。 データ記憶装置とプリンター本体部との関係を示す斜視図。
以下、本実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で参照する図面では、説明および図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺を実際のものとは異なるように表す場合がある。
(印刷装置の全体構成について)
本実施形態の印刷装置として、サーマルプリンターを例にとり図1〜4を参照して説明する。図1は、サーマルプリンターの外観構成を示す斜視図である。図2および図3は、プリンター機構部の外観を示す斜視図であり、詳しくは、図2は、カバーフレームが開いた状態のプリンター機構部の斜視図であり、図3は、カバーフレームが閉じた状態のプリンター機構部の斜視図である。図4は、サーマルプリンターの側断面図である。
このサーマルプリンターは、フィスカルプリンターとして用いられ、レシート等に会計情報を印刷して発行することや、この会計情報をデータとして記憶することに適用される。サーマルプリンターは、記録用紙としてロール状の感熱紙を使用して、この感熱紙に会計情報を印刷して発行する。また、会計情報の中の、例えば税金に関する情報をフィスカルデータとしてフィスカルメモリーに記憶する。なお、図1〜図4に示すX方向は、印刷される感熱紙の幅方向を示し、Z方向は、印刷ヘッドとしてのサーマルヘッド部での感熱紙の紙送り方向を示し、Y方向は、X方向およびZ方向と直交する方向を示す。
図4に示すように、サーマルプリンター100は、印刷装置本体部としてのプリンター本体部180とデータ記憶装置300とから構成される。プリンター本体部180は、プリンター機構部150と、外装ケース200とから構成される。後述するデータ記憶装置300は、プリンター本体部180に着脱可能に接続される。
図2〜4に示すプリンター機構部150は、図1に示す外装ケース200に収容される。詳しくは、プリンター機構部150は、樹脂等からなる下ケース205の上部に固定され、側面部および後方部は、上ケース210に覆われており、そのY方向の前方部分は、パネル215により覆われている。プリンター機構部150の上面は上部カバー220に覆われている。データ記憶装置300は、下ケース205の下部に内部接続端子43および受け端子としてのコネクター91を介して配置される。
図1に示すように、上ケース210の上面のX方向の一方の側には、オープンボタン230が設けられている。オープンボタン230は、図1中矢印B方向に押し下げられることによって、図3に示すプリンター機構部150に設けられたカバーオープンレバー235を、支点240を中心に回転させることができる。カバーオープンレバー235は、図2に示すカバーフレーム12のロック機構と係合しており、時計方向に回転されることにより、ロック機構が解除される。さらに、カバーフレーム12は、上部カバー220と結合されている。そのため、上部カバー220が矢印C方向に開き、ロール紙ホルダー16が露出する。すなわち、この状態が、図2に示すプリンター機構部150のカバーフレーム12が開いた状態である。このようにすることにより、ロール状の感熱紙Sのセットもしくは取り出しができる。
なお、本実施形態で使用する感熱紙Sは、発色剤がバインダー等により保持されている発色層からなる印刷面を有し、この印刷面を外面に順次積層され構成されているロール状の感熱紙Sである。以降、このロール状の感熱紙をロール紙Rと呼ぶ。
(プリンター機構部の全体構成について)
ここで、プリンター機構部の詳細を図2〜5を参照して説明する。図5はサーマルヘッドの外観斜視図である。なお、図5に示すX方向およびZ方向は、図1〜4に示すX方向およびZ方向と同一方向である。図2〜4に示すように、プリンター機構部150は、本体フレーム60と、カバーフレーム12と、ロール紙ホルダー16と、カッター部20と、印刷部70と、を備えている。
図2に示すように、本体フレーム60は、板金等からなり、Z方向上方およびY方向前方に開口を有する略箱型に形成されている。カバーフレーム12は、本体フレーム60の上部後方に設けられている。カバーフレーム12は、本体フレーム60の後部両側の上端部に設けられた支軸68を中心として開閉自在に取り付けられている。カバーフレーム12には、カバーフレーム12を閉じた際にロール紙Rとの接触を避けるための円弧状の覆い15が設けられている。また、サーマルプリンター100の設置角度を変える場合、すなわち、例えば縦置きにする場合、この覆い15は、ロール紙Rを受ける保持部材としても機能する。
図2に示すように、ロール紙ホルダー16は、本体フレーム60の箱状に形成された内部の後方に、上記カバーフレーム12に覆われて設けられている。ロール紙ホルダー16は、樹脂等により形成され、中央部にロール紙Rの最大径に相当する略円弧状のくぼみを有し、本体フレーム60の底部に、円弧状のくぼみの側面開口が本体フレーム60の両側面側に向くように取り付けられている。本体フレーム60の内側の両側面部分は、ロール紙Rの側面ガイド部として機能する。そのため、ロール紙Rは、側面を本体フレーム60の内側の両側面部分に幅方向の動きを規制され、ロール紙ホルダー16の略円弧状のくぼみに回転自在に保持される。
(カッター部について)
図4に示すように、カッター部20は、本体フレーム60の前方すなわちカバーフレーム12の支軸68とは相対する位置であって紙出口Gの近傍に設けられている。カッター部20は、可動刃21とその駆動手段22と固定刃27とを備えている。可動刃21とその駆動手段22とは、第1カッターカバー24内に収容され本体フレーム60側に配置されている。可動刃21は、駆動手段22により図中矢印E方向に往復移動する。固定刃27は、第2カッターカバー29内に収容されカバーフレーム12側、すなわち、感熱紙Sが通過する搬送経路を挟んで対向する側に配置されている。そのため、カバーフレーム12を閉じた状態では、駆動手段22により往復移動される可動刃21の刃部と固定刃27の刃部とが当接状態で摺動する。このことによって、感熱紙Sは紙出口G近傍で切断される。
(印刷部について)
図4に示すように、印刷部70は、ロール紙ホルダー16を始点として、カッター部20の紙出口Gを終点とする感熱紙Sの搬送経路D上の出口近傍に設けられている。印刷部70は、サーマルヘッド10とヘッド保持機構77とプラテン71とを有している。なお、サーマルヘッド10とヘッド保持機構77とは本体フレーム60側に、プラテン71はカバーフレーム12側に分離可能な状態で配設されている。
図5に示すように、サーマルヘッド10は、放熱板106とヘッド支持軸102と基板としてのヘッド基板110とドライバーIC120とFPC108とを有している。ヘッド基板110は、長矩形形状を呈しており、複数の発熱素子145からなる発熱素子列145aが長手方向に沿って図中Z方向上方に形成されている。また、発熱素子列145aと平行して、発熱素子145を駆動する複数のドライバーIC120が配設されている。放熱板106は、アルミニウム等の引き抜き材で形成され、ヘッド基板110が放熱板106の係止面106aに両面粘着テープ等で貼り付けられている。
放熱板106のヘッド基板110のZ方向上方には、案内斜面部104が放熱板106の長手方向にわたって形成されている。この案内斜面部104は、図4に示すカバーフレーム12を閉じる際に、プラテン71を滑動させて所定の位置まで案内する。この際、案内斜面部104の傾斜は、プラテン71がヘッド基板110と衝突しないような所定の角度を有している。また、案内斜面部104の斜面は、この案内斜面部104に近接して付設されたヘッド基板110と略同じ高さになるように設定されている。ヘッド支持軸102は円柱状の丸ピンであり、放熱板106の左右の側面部に設けられた穴部に圧入されている。FPC108は、一端をヘッド基板110に設けられた図示しない接続端子に接続され、他端は図4に示す中継部95に接続されている。なお、この中継部95が、プリンター本体部180の配線等が集約され、データ記憶装置300を接続する機能を有する。
図4に示すヘッド保持機構77は、本体フレーム60に形成された溝部としての切り欠き部62とヘッド押圧板72とヘッド押圧板72に取り付けられるバネ75とから構成されている。切り欠き部62は、本体フレーム60の上方に開口を有するとともに複数の溝部が形成されている。サーマルヘッド10は、ヘッド支持軸102が本体フレーム60の切り欠き部62の一部に挿入されることによって、本体フレーム60に取り付けられる。ヘッド押圧板72は、上下に曲げ部が形成され、圧縮コイルバネであるバネ75が固定されている。このヘッド押圧板72は、切り欠き部62に挿入され、曲げ部がそれぞれ切り欠き部62の一部に係合することによって本体フレーム60に取り付けられる。
このようにすることによって、サーマルヘッド10とヘッド押圧板72とは、切り欠き部62の両側に、互いに略平行状態で支持される。ヘッド押圧板72に固定されるバネ75は、サーマルヘッド10の背面に当接する。このバネ75によりサーマルヘッド10はプラテン71方向に付勢される。このヘッド保持機構77は、ヘッド押圧板72に固定されたバネ75をサーマルヘッド10の背面からずらすことによって、切り欠き部62から取り外すことができる。サーマルヘッド10もバネ75からの付勢力がなくなることによって、切り欠き部62から取り外すことができる。このようにして、サーマルヘッド10は本体フレーム60に対して、着脱可能に支持される。
図2および図4に示すように、プラテン71は、ゴム等の弾性部材により円筒形のローラー状に形成され、プラテン軸受73を介してカバーフレーム12に回転可能に支持されている。プラテン71の一方の軸には、プラテン歯車74が圧入されている。本体フレーム60には、溝部64が設けられており、カバーフレーム12を閉じると、プラテン71が、サーマルヘッド10の案内斜面部104(図5参照)に案内された後、プラテン軸受73が溝部64と当接する。さらに、サーマルヘッド10によるプラテン71への加圧力で、カバーフレーム12には下向きの力が作用し、プラテン71の位置が定められる。
以上の構成により、図4に示すように、プラテン71は、感熱紙Sの内面S2の側から感熱紙Sをサーマルヘッド10の方向に押圧し、プラテン71と対向するサーマルヘッド10は、感熱紙Sの外面S1の側から感熱紙Sをプラテン71の方向に押圧して、感熱紙Sを挟持する。なお、このとき感熱紙Sの外面S1の表面に、前述の発色層が形成されている。また、図2に示すように、本体フレーム60の側面には、プラテン71を回転駆動させるための紙送りモーター66と紙送り伝達歯車67とが設けられている。上述のように、プラテン71が本体フレーム60の溝部64に位置決めされることによって、プラテン歯車74と紙送り伝達歯車67とが噛み合い、紙送りモーター66からの動力がプラテン71へ伝達される。
上述の構成を有するサーマルプリンター100は、上部カバー220と連結するカバーフレーム12を開き感熱紙Sからなるロール紙Rをセットして、感熱紙Sを紙出口Gまで引き出し、上部カバー220と連結するカバーフレーム12を閉じることによって、感熱紙Sはプラテン71とサーマルヘッド10との間、および可動刃21と固定刃27との間にセットされる。そして、紙送りモーター66を起動しプラテン71を回転させて感熱紙Sを送りながら、サーマルヘッド10の直線状に配置された発熱素子145を選択的に通電して発熱させることによって、感熱紙Sに所定の情報を印刷することができる。また、カッター部20を駆動して固定刃27に対して可動刃21を往復移動させることにより、情報が印刷された感熱紙Sを所定の長さに切断してレシート等の単票として発行することができる。
(データ記憶装置の全体構成について)
ここで、データ記憶装置の全体構成について、図6および図7を参照して説明する。図6は、データ記憶装置の外観を示す図であり、(a)は、外部接続端子側から見た斜視図、(b)は、内部接続端子側から見た斜視図である。図7は、データ記憶装置およびプリンター本体部の構成を示すブロック図である。なお、図6に示すX方向、Y方向およびZ方向は、図1〜4に示すX方向、Y方向およびZ方向と同一方向である。
本実施形態におけるデータ記憶装置300は、上述のサーマルプリンター100の駆動回路や会計情報をデータとして記憶するフィスカルメモリー等の電子部品が実装された基板を有している。サーマルプリンター100(フィスカルプリンターともいう)は、販売等の商取引に際し顧客に渡すレシートや、業者用にレシートの内訳、売り上げの合計金額および商品品目ごとの合計金額等の会計情報を記録したジャーナルを個別に印刷して発行する。なお、サーマルプリンター100は、駆動回路によって駆動制御される。
フィスカルメモリーは、これらの会計情報のうち税金に関する情報(以降、フィスカルデータという)を記憶する。このフィスカルデータは、例えば、徴税を確実なものとするために用いられ、必要に応じ政府の調査官がフィスカルデータを読み出し調査する。フィスカルメモリーに記憶されるフィスカルデータは改ざんできないようにする必要がある。そのため、データ記憶装置300の仕様に関しては、法律(フィスカル法)で厳しく規制されている。例えば、一旦、プリンター本体部180と接続された後は、容易に離脱できないこと、不正に離脱した場合は再接続できないこと等が規制されている場合がある。なお、このフィスカル法の内容やフィスカルデータの定義はそれぞれの国によって異なっている。
図6(a),(b)に示すように、データ記憶装置300は、本体ケース31とメイン基板32と外部接続端子42と内部接続端子43と遮蔽板作動機構45とを備える。本体ケース31は、底面側が開放された略長方形の箱状の第1ケース33と底面となる第2ケース34とから構成され、長方形の箱形状を呈している。図6(a)に示す本体ケース31の一方の側面31aには、外部接続端子42の接続部が露出している。図6(b)に示す本体ケース31の他方の側面31bには、開口部35が設けられ、開口部35の奥には内部接続端子43が接続部を外方向に向け配設されている。この開口部35と内部接続端子43の接続部との近傍には、遮蔽板作動機構45が設けられている。また、本体ケース31の内部には、メイン基板32が収容されている。メイン基板32および遮蔽板作動機構45の詳細については後述する。
なお、法律(フィスカル法)によって、本体ケース31は容易に分解できない構造であること、また、許可なく分解したときはその履歴が残ることが要求されている。本実施形態では特に限定しないが、第1ケース33と第2ケース34とは、例えば、特殊工具を用いて締結したり、不可逆構造のフックを用いて固着したり、シール材や接着材で固定したりして組み立てることが好ましい。
(メイン基板について)
次いで、メイン基板について、図7を参照して説明する。図7に示すように、メイン基板32は、プリンター制御部78とフィスカルデータ処理部80と外部接続端子42と内部接続端子43とから構成されている。プリンター制御部78は、プリンター制御用CPU(Central Processing Unit)79と、図示しない情報処理部と、サーマルヘッドや各種モーターを駆動する図示しないドライバー等を備えている。プリンター制御用CPU79は、図示しない操作系や検出系からの入力信号処理、印刷処理等の各種処理を実行し、プリンター本体部180(サーマルプリンター100)を統括制御する。
フィスカルデータ処理部80は、フィスカルメモリー81と、EJ(Electrical Journal)メモリー82と、フィスカル制御部83と、プロテクト回路84と、RTC(Real Time Clock)87と、SRAM(Static Random Access Memory)88と、バッテリー89とを備える。フィスカルメモリー81は、ワンタイムROM(Read Only Memory)と呼ばれる1つのアドレスに1度しか書き込みできないタイプのメモリーを使用し、売り上げの集計値等の税金に関するフィスカルデータを記憶する。EJメモリー82は、電子ジャーナルメモリーであり、NAND型フラッシュメモリー等の不揮発性記憶素子が適用され個々の売り上げデータ等を記憶する。
フィスカル制御部83は、フィスカル制御用CPU85とプログラマブルROM86とを備える。フィスカル制御用CPU85は、フィスカルデータ処理部80を統括制御し、会計情報等のデータを処理する。プログラマブルROM86は、プログラム可能な論理回路を書き込んだデバイスであり、フィスカルメモリー81への書き込みや読み出しその他を制御する。プロテクト回路84は、フィスカルメモリー81やEJメモリー82に記憶されるデータへの不正アクセスや改ざんの防止の機能を持っている。
RTC87は、リアルタイムクロックであり、年月日時間をカウントするICである。SRAM88は、ワーキングメモリーとして機能してフィスカルデータ等の各種データを一時的に格納したり、フィスカル制御用CPU85によって実行されるデータ処理等のプログラムを一時的に展開したりする。また、SRAM88は、バッテリーバックアップ機能を有しており、バッテリー89を電源としている。また、バッテリー89は、RTC87にも電気を供給し、メイン電源が遮断された状態でも時間をカウントしている。
外部接続端子42は、複数のポートを有しており、ホストコンピューター90とプリンター制御部78およびフィスカルデータ処理部80とを接続し、ホストコンピューター90とコマンドやデータの送受信を行う。また、外部接続端子42は、フィスカルポートを有しており、政府の調査官がフィスカルメモリー81のフィスカルデータを読み出すときのみに使われる。内部接続端子43は、1つのコネクターで構成され、プリンター機構部150を含むプリンター本体部180に設けられたコネクター91と接続し、印刷データや各種機構への駆動信号を送信したり、プリンター本体部180からのセンサー検出信号を受信したりする。なお、内部接続端子43には図示しない電子スイッチが内包されている。電子スイッチは、データ記憶装置300がプリンター本体部180から取り外されたことを電気的に検知して、信号をRTC87に送る。RTC87では、信号を受信した時間を求め、その結果をいずれかのメモリーに送り記憶させる。
上述の構成を有するデータ記憶装置300は、ホストコンピューター90から送られるコマンドと会計情報を含む印刷データを、プリンター制御部78で処理してプリンター本体部180で感熱紙Sに印刷してレシートとして発行する。また、データ記憶装置300は、印刷データをフィスカルデータ処理部80で処理して印刷データの中から必要データを抜き出し、EJメモリー82に順次記憶させる。EJメモリー82には、レシートごとにこのようなデータが蓄積される。さらには、印刷データやSRAM88に一時格納されたデータの中から、税金に関係するフィスカルデータを選択してフィスカルメモリー81に記憶させる。このとき必要に応じ、RTC87による時間情報等も付与される。この選択および処理は、主にプログラマブルROM86に格納されるプログラムを用いフィスカル制御用CPU85で制御される。
法律(フィスカル法)では、フィスカルメモリー81やEJメモリー82に容易にアクセスできないことと、アクセスした場合はその履歴が残ることが要求されている。そのため、フィスカルメモリー81およびEJメモリー82の前段にはプロテクト回路84が設けられ、例えば、フィスカル制御用CPU85から発せられる許可信号に基づいてのみアクセスが許可される。なお、このプロテクト回路84の仕様については、特に限定しない。マイコンであってもよいし、CPLD(Complex Programmable Logic Device)であってもよい。
政府の調査官が、調査のためにフィスカルメモリー81のフィスカルデータを読み出すときは、例えば、秘密のID情報を使用して専用のフィスカルポートを用いる。フィスカル制御用CPU85では、ID情報を認識してプロテクト回路84の読み取り許可信号を発してフィスカルメモリー81へのアクセスを許可する。なお、必要に応じEJメモリー82へのアクセスも許可する。なお、このアクセス履歴は、RTC87による時間情報が付与され、フィスカルメモリー81に記憶される。
(遮蔽板作動機構について)
次いで、遮蔽板作動機構について、図8〜10を参照して説明する。図8は、遮蔽板作動機構を説明する図であり、(a)は、初期状態の遮蔽板作動機構を本体ケースの内面側からみた斜視図、(b)は、付勢手段としての板バネの斜視図、(c)は、中継部の受け端子周辺の斜視図である。図9は、遮蔽板作動機構の動作を説明する図であり、図10は、データ記憶装置とプリンター本体部との関係を示す斜視図である。なお、図8〜10に示すX方向、Y方向およびZ方向は、図1〜4に示すX方向、Y方向およびZ方向と同一方向である。
図8(a),(b),(c)に示すように、遮蔽板作動機構45は、遮蔽板46と、付勢手段としてのバネ47と、遮蔽板ガイド44と、第1遮蔽板係止手段48と、第2遮蔽板係止手段49とを備え、本体ケース31の内面31cの開口部35周辺に設置される。
遮蔽板46は、本体ケース31の開口部35を遮蔽する大きさの平板形状に形成され、開口部35の両脇に配置されるL字型の遮蔽板ガイド44に両端をガイドされ、Z方向に移動自在に配置されている。遮蔽板46は、圧縮コイルバネであるバネ47に上辺46bを付勢され、Z(−)方向にバネ力を受けている。なお、この遮蔽板46は、下辺46cを後述する第1遮蔽板係止手段48の第1係止ピン52に係止されている。
図8(b)に示すように、第1遮蔽板係止手段48は、弾性を有する板状の部材、例えば板バネで形成される第1係止板51を有している。第1係止板51は、中央部がY(−)方向に円弧状に形成され、円弧状の面51aの中央部には上記の第1係止ピン52が設けられている。第1係止ピン52は、円柱ピンが埋め込まれていてもよいし、絞り加工で凸状に形成されていてもよい。また、第1係止板51のX方向両端は平板状に形成され、前述の遮蔽板ガイド44に取り付けられる取付け穴51cが形成されている。この第1係止板51は、第1係止ピン52および円弧状の面51aが上記遮蔽板46に対向するように、遮蔽板ガイド44の面44aに取り付けられる。取付け方法は、熱カシメでもよいし、ねじによる締結であってもよい。
図6(b)および図8(a)に示すように、本体ケース31は、第1係止板51の第1係止ピン52が配置される位置近傍に、外面まで貫通する貫通孔53が形成されている。上述の構造を有する遮蔽板作動機構45は、図8(a)に示す初期状態において、バネ47でZ(−)方向に付勢されバネ力を受けている遮蔽板46を、第1係止板51の第1係止ピン52で係止して、データ記憶装置300の開口部35をオープン状態にすることができる。
図8(c)に示すように、第2遮蔽板係止手段49は、プリンター本体部180側の中継部95のコネクター91側に設けられている。第2遮蔽板係止手段49は、第2係止ピン54を備えている。第2係止ピン54の位置は、プリンター本体部180とデータ記憶装置300とが内部接続端子43とコネクター91で接続されたとき、本体ケース31に設けられた貫通孔53の位置に対応する。
次いで、遮蔽板作動機構の動作を図8〜10を参照して説明する。前述のように、図8(a)は、初期状態、すなわちデータ記憶装置300がプリンター本体部180に接続される前の状態を示し、図9(a)は、データ記憶装置300がプリンター本体部180に接続されている状態を示し、図9(b)は、データ記憶装置300がプリンター本体部180から離脱された後の状態を示す。なお、図8(a)の説明は省略する。
図10に示すように、データ記憶装置300は、外装ケース200の下ケース205の後部に形成された挿入口205aから挿入され、プリンター本体部180の中継部95に配置された1つのコネクター91に1つの内部接続端子43が接続される。このとき、図9(a)に示すように、本体ケース31の貫通孔53に第2係止ピン54が挿入される。挿入された第2係止ピン54は、第1遮蔽板係止手段48の第1係止板51の面51aの中央部付近を内部方向、すなわちY(+)方向に押す。第1係止板51は、中央部がY(−)方向に円弧状に湾曲した板バネで形成されているため、所定の距離だけ押されるとY(−)方向に湾曲していた円弧部は、Y(+)方向に湾曲する。
そのため、第1係止板51の第1係止ピン52はY(+)方向に移動する。第1係止ピン52に係止されていた遮蔽板46は係止が解除されるため、バネ47に付勢されZ(−)方向に移動しようとする。ところが、移動しようとした遮蔽板46は、移動領域内にある貫通孔53に挿入された第2遮蔽板係止手段49としての第2係止ピン54に移動を阻止され、第2係止ピン54に係止される。そのため、プリンター本体部180にデータ記憶装置300が初めて接続され、サーマルプリンター100として機能する間は、遮蔽板46が第2係止ピン54に係止され開口部35はオープン状態をキープし続ける。
図9(b)に示すように、データ記憶装置300がプリンター本体部180から取り外されると、プリンター本体部180側に設けられている第2係止ピン54は本体ケース31の貫通孔53から抜去される。バネ47によりZ(−)方向に付勢されるとともに、第2係止ピン54によって係止されていた遮蔽板46は、係止が解除されZ(−)方向に移動する。遮蔽板46は、本体ケース31の開口部35まで移動して開口部35を遮蔽する。そのため、本体ケース31の開口部35の奥に配置された内部接続端子43の接続部は、遮蔽板46によって遮蔽され、外部から接触を図ることができなくなる。
以下、実施形態の効果を記載する。
(1)法律(フィスカル法)では、データ記憶装置300がプリンター本体部180から安易に取り外しできない構造であること、また、許可なく取り外したときはその履歴が残ること、フィスカルメモリー81へ不正アクセスができないこと、さらには、データの改ざん後に再取り付けができないこと等が要求されている。
上述のデータ記憶装置300は、プリンター本体部180のコネクター91と接続する内部接続端子43が本体ケース31の内部に配置され、本体ケースの開口部35からその接続部が露出している。さらに、その開口部を遮蔽する遮蔽板46を有している。この遮蔽板46は、上述の遮蔽板作動機構45で作動させることができる。
詳しくは、初期状態で遮蔽板46は、第1遮蔽板係止手段48の第1係止ピン52に係止され、開口部35がオープン状態になっている。データ記憶装置300と、プリンター本体部180とが接続された場合、遮蔽板46は、第1遮蔽板係止手段48の第1係止ピン52の係止が解除され、プリンター本体部180に設けられた第2遮蔽板係止手段49の第2係止ピン54に係止される。データ記憶装置300がプリンター本体部180から離脱された場合、遮蔽板46は、プリンター本体部180の中継部95に設けられた第2遮蔽板係止手段49の第2係止ピン54の係止が解除され、データ記憶装置300の開口部35を遮蔽する。
すなわち、データ記憶装置300の接続端子としての内部接続端子43を隠蔽することができる。そのため、データ記憶装置300の内部接続端子43からの不正アクセスを防止することができる。また、データ記憶装置300は、取り外したことが一目瞭然でわかるとともに、その後再取り付けができない。その結果、データ記憶装置300がプリンター本体部180から安易に取り外されることを防止することができる。従って、不正アクセスやデータ改ざんの危険性を低減させた信頼性の高いデータ記憶装置300を提供することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。例えば上記実施形態以外の変形例は、以下の通りである。
(変形例1)上述の実施形態では、遮蔽板46が遮蔽板ガイド44にガイドされスライドする場合を例にとり説明したが、これに限定されない。遮蔽板46の一部に、孔とピンからなる回転中心を設け回動させてもよい。また、回動方向は、本体ケース31の内面31cに平行な方向であって、遮蔽板46は摺動してもよいし、回動方向が本体ケース31の内面31cに直角な方向であって、遮蔽板46は開口部35を開閉する動作をしてもよい。また、付勢手段としてのバネは圧縮コイルバネに限定されず、引っ張りコイルバネであってもよいし、ねじりコイルバネであってもよい。一定の付勢力を付加できるものであればよい。
(変形例2)上述の実施形態では、第1遮蔽板係止手段48の第1係止板51が、円弧状に形成され両端を固定した板バネである場合を例にとり説明したがこれに限定されない。第1係止板51は、第2係止ピン54の進行によって第1係止ピン52の係止方向とは逆方向に変形する機能を有するものであればよく、例えば片支持の板材であってもよいし、ねじりバネ等のバネであってもよい。また、第1遮蔽板係止手段48および第2遮蔽板係止手段49は、配設する場所のスペース的制約によって、中間に連動部材や中継部材を設置することも可能である。
10…サーマルヘッド、31…筐体としての本体ケース、32…メイン基板、33…第1ケース、34…第2ケース、35…開口部、42…外部接続端子、43…内部接続端子、46…遮蔽板、47…付勢手段としてのバネ、48…第1遮蔽板係止手段、49…第2遮蔽板係止手段、51…第1係止板、52…第1係止ピン、54…第2係止ピン、70…印刷部、78…プリンター制御部、80…フィスカルデータ処理部、81…フィスカルメモリー、83…フィスカル制御部、91…受け端子としてのコネクター、100…サーマルプリンター、150…プリンター機構部、180…印刷装置本体部としてのプリンター本体部、200…外装ケース、300…データ記憶装置。

Claims (5)

  1. 少なくとも、情報を記憶する記憶部と、情報の伝達を行う接続端子と、が実装された基板と、
    前記基板を収納するとともに、前記接続端子の接続部を外部に露出させる開口部が形成された筐体と、
    前記筐体の前記開口部を遮蔽可能な遮蔽板と、
    前記接続端子と、前記接続端子が接続される受け端子との接続状態を検知して、前記遮蔽板を作動させる遮蔽板作動機構と、を備え、
    前記遮蔽板作動機構は、前記接続端子が前記受け端子から離脱されたことを検知したとき、前記遮蔽板を作動させ前記開口部を遮蔽することを特徴とするデータ記憶装置。
  2. 前記遮蔽板作動機構は、前記遮蔽板と、
    前記遮蔽板を一方向に付勢する付勢手段と、
    前記遮蔽板の移動を係止する第1遮蔽板係止手段と、
    前記接続端子が前記受け端子から離脱されたことを検知したとき、前記第1遮蔽板係止手段の係止を解除するとともに、前記遮蔽板の移動を係止する第2遮蔽板係止手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のデータ記憶装置。
  3. 前記第2遮蔽板係止手段は、前記受け端子側に設けられていることを特徴とする請求項1および2に記載のデータ記憶装置。
  4. 記録用紙に前記情報を印刷する印刷部と、
    少なくとも前記印刷部を備える印刷装置本体部と、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載のデータ記憶装置と、を備え、
    前記印刷装置本体部は前記受け端子を有し、前記データ記憶装置は、前記接続端子および前記受け端子によって接続されていることを特徴とする印刷装置。
  5. 前記データ記憶装置は、前記筐体内部に前記印刷装置本体部の動作を制御する制御部を備えていることを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
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