JP2011115779A - パルプ製造排水の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
パルプ系排水中の有機物質は、クラフトパルプ製造時の排水を微生物処理し低分子化したリグニンやセルロースパルプ分解物、古紙パルプ製造時のピッチ、コート紙用バインダーやラテックス、糊剤からのデンプンやポリビニルアルコールなどが存在する。これら物質を除去するには重縮合物や重合系低分子量高分子と凝集剤を使用していたが、管理が煩雑である。管理が容易で効率良くパルプ系排水の有機物質を除去できる方法を提供する。
【解決手段】
特定のカチオン性単量体と架橋性単量体を必須として含有する単量体混合物水溶液を、界面活性剤と水に非混和性有機液体により乳化し重合した油中水型エマルジョンからなる水不溶性水膨潤性微粒子、あるいは該油中水型エマルジョンを乾燥し造粒した水不溶性水膨潤性微粒子をパルプ系排水に添加することによって達成できる。また無機微粒子を併用してさらにCOD成分などを高度に低減することができる。
【選択図】 なし
パルプ系排水中の有機物質は、クラフトパルプ製造時の排水を微生物処理し低分子化したリグニンやセルロースパルプ分解物、古紙パルプ製造時のピッチ、コート紙用バインダーやラテックス、糊剤からのデンプンやポリビニルアルコールなどが存在する。これら物質を除去するには重縮合物や重合系低分子量高分子と凝集剤を使用していたが、管理が煩雑である。管理が容易で効率良くパルプ系排水の有機物質を除去できる方法を提供する。
【解決手段】
特定のカチオン性単量体と架橋性単量体を必須として含有する単量体混合物水溶液を、界面活性剤と水に非混和性有機液体により乳化し重合した油中水型エマルジョンからなる水不溶性水膨潤性微粒子、あるいは該油中水型エマルジョンを乾燥し造粒した水不溶性水膨潤性微粒子をパルプ系排水に添加することによって達成できる。また無機微粒子を併用してさらにCOD成分などを高度に低減することができる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、パルプ製造時に発生する排水の処理方法に関するものであり、詳しくは特定のカチオン性単量体と架橋性単量体を必須として含有する単量体混合物水溶液を、界面活性剤により水に非混和性有機液体を連続相、単量体混合物水溶液を分散相となるよう乳化し重合した油中水型エマルジョンからなる水不溶性水膨潤性微粒子、あるいは該油中水型エマルジョンを乾燥し造粒した水不溶性水膨潤性微粒子をパルプ製造時に発生する排水に添加することを特徴とするパルプ製造排水の処理方法に関する。
パルプは製紙原料として必須のものであるが、上質紙、中質紙など洋紙だけでなくダンボール用ライナーなど板紙用にも幅広く使用されるため、パルプの製造と言えばその大部分がクラフトパルプである。またパルプ系排水にはクラフトパルプ製造時に発生する排水と、古紙を原料とする脱墨パルプ製造時に発生する排水とがある。
クラフトパルプ工場では、広葉樹や針葉樹などの木質材料を苛性ソーダと硫化ナトリウムなどから成る白液と呼ばれる蒸解液で蒸解後、洗浄、精選工程を経て未晒パルプを製造している。蒸解工程では、リグニンのような木材成分はそのままでは溶出せず、蒸解液により低分子のものに分解され溶解する。リグニンなどを溶解した蒸解液は黒液と呼ばれ、連続蒸解釜の液抽出部分から抜き出され、真空蒸発管で濃縮後、回収ボイラーで燃焼され、ナトリウムやイオウなどの蒸解薬剤の回収と有機物の燃焼が行われる。洗浄工程では、リグニンの溶解によりほぐされたセルロースパルプに随伴する蒸解薬剤とリグニンを洗浄溶出させる。この洗浄液は希黒液と呼ばれ、これも黒液と同様に回収ボイラーで処理される。このようなパルプ製造プラントにおいて排出される排水は、黒液(パルプの製造工程から発生するアルカリ廃液)を濃縮する際の蒸留排水がある。
またもう一つの排水としては漂白工程がある。パルプの白色度を高める目的で、未晒パルプは漂白工程において各種の漂白薬剤で多段漂白される。漂白工程へ入る前に、漂白薬品の消費量を低減する目的で、酸素脱リグニン処理や酸処理することも多くの工場で実施されている。漂白薬剤としては塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素、オゾン、酸素、過酸化水素、アルカリなどが使用されている。これらの漂白薬剤を組み合わせた多段漂白により目標とするパルプ白色度を得ている。
各漂白段で処理されたパルプの懸濁液は、漂白薬剤により分解し低分子化したリグニンやセルロースパルプ分解物を含有する液とパルプセルロースとから成り、真空回転ドラム型フィルターなどの固液分離装置で液が分離される。この際、洗浄を行うこともある。分離液および/または洗浄液は、前工程で再使用できる場合には前工程で使用されるが、再使用できない場合には系外へ排出され排水となる。この排水の性状は漂白薬剤の種類によって異なるが、いずれも低分子化したリグニン分解物やセルロースパルプ分解物を含有しているため、CODやBODが高く、また着色している。漂白排水の中では、アルカリ抽出段から排出される排水は他の漂白段の排水に比較して、多くのリグニン分解物を含有しているので、CODやBODが高く、排水の色度も特に高い。
上記クラフトパルプ製造排水は、排水処理施設に集約され嫌気性あるいは好気性など微生物物によりCODやBODその他有機物が分解処理される。しかし排水基準に達しない場合は、化学薬品による凝集・沈殿方法を用い固液分離がなされる。従来、硫酸バンドやポリ塩化鉄など無機系凝結剤などにより、あるいは無機系凝結剤と有機系ポリアミン縮合物などで細かなフロックを生成させ、その後ノニオン性あるいはアニオン性高分子凝集剤により、フロックを成長させ沈殿を促進することにより凝集分離していた。また凝集分離によりCODやBODが法的規制値に達しない場合は、更に活性炭を添加し吸着処理を行う場合もある。
クラフトパルプ製造排水中の有機物質は、低分子化したリグニンやセルロースパルプ分解物などであり、これらは安定なコロイドとして水中に分散あるいは溶解している。従来これらの物質を除去するには重縮合系カチオン性ポリマーや重合系低分子量のポリマーを使用していた。しかし安定なコロイドを除去するには、表面電荷の中和が主な作用となり、過剰添加など電荷のバランスが少し狂うと再分散が起きて、最適添加量の調節がなかなか難しい。
CODやBODの低減に水不溶性微粒子を応用する提案もなされている。特許文献1は、エマルジョン重合による微粒子ゲルを合成し水中の澱粉除去に応用している。特許文献2は、塩水中分散重合した微粒子をホルマリンなどにより水不溶性微粒子とし、油、色素、CODなど除去に応用することが開示されている。更に特許文献3は、カチオン性有機高分子架橋物微粒子により植物性プランクトン浮遊水を凝集、分離、除去する方法が開示されているが、エマルジョン重合による水不溶性微粒子ゲルを適用することまでは開示されていない。またこれら先行文献には、パルプ系排水の微生物による分解後の処理水に水不溶性微粒子を応用することは記載されていない。
製紙排水のもう一つには脱墨パルプ製造排水があり、その排水中には、古紙由来のピッチ、コート紙用バインダーやラテックス、糊剤からのデンプンやポリビニルアルコールなどが存在する。またコロイド成分、溶解成分の他、微細パルプなど懸濁成分もあり処理の対象物となる。製紙工程におけるいわゆるピッチは、水不溶性でしかも粘着性を有する物質である。しかし製紙工程においては、ピッチにバインダー、ラテックス、デンプンやポリビニルアルコール、更には填料などが混入し複雑な粒子を形成している。このピッチには、木材由来と製紙加工工程で用いられるラテックスその他由来のものがある。木材由来は、油脂、脂肪酸、テルペン類、ステロイド類、天然樹脂やガム類などが含まれており、パルプ化された後もこれらが残留している。後の製紙工程においてこれら粘着性物質が遊離し、コロイド状になって分散しているが、強いせん断力、急激なpH変化、硫酸バンドの添加等により、このコロイド状態が破壊されて、凝集、粗大化し、いわゆるピッチとなる。一方、紙加工物質由来のピッチは、コ−ト紙製造工程におけるコ−トブロ−クなどのラテックスがウェットエンドでリサイクルされるうちにコロイド状態がやはり破壊されて、同じコ−トブロ−ク中の炭酸カルシウムといっしょに凝集し、粗大化し、抄紙後成紙上に白色のピッチデポジットを形成しトラブルの発生となるため、製紙用水としてリサイクルする場合、これらの物質を除去しておくことが必要である。脱墨パルプ製造時発生する排水は、前述の微生物処理施設に移送され、微生物処理されるが、分解されないCOD成分が多量に残存する場合もあり、用水管理の大きな課題となっている。
パルプ製造排水中の有機物質は、クラフトパルプ製造時の低分子化したリグニンやセルロースパルプ分解物、脱墨パルプ製造時に発生する排水中に古紙由来のピッチ、コート紙用バインダーやラテックス、糊剤からのデンプンやポリビニルアルコールなどでありなどであり、これらは安定なコロイドとして水中に分散あるいは溶解している。従来これらの物質を除去するには重縮合系カチオン性ポリマーや重合系低分子量のポリマーを使用していた。しかし安定なコロイドを除去するには、表面電荷の中和が主な作用となり、過剰添加など電荷のバランスが少し狂うと再分散が起きることがあり、最適添加量の調節がなかなか難しい。最適添加量の微妙な調節を考慮しなくても効率良くパルプ製造排水の有機物質を除去できる方法を開発することが本発明の課題である。
上記課題を解決するため本発明者等は鋭意検討した結果、以下の発明に到達した。すなわち下記一般式(1)または(2)で表わされるカチオン性水溶性単量体および架橋性単量体を必須として含有する単量体混合物水溶液を、界面活性剤により水に非混和性有機液体を連続相、前記単量体混合物水溶液を分散相となるよう乳化し重合した、油中水型エマルジョンからなる水不溶性水膨潤性微粒子、あるいは該油中水型エマルジョンを乾燥し造粒した水不溶性水膨潤性微粒子を、パルプ製造時に発生する排水に添加することを特徴とするパルプ製造排水の処理方法である。
R1は水素又はメチル基、R2、R3は炭素数1〜3のアルキル基であり、同種でも異種でも良い。AはOまたはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基、X1 −は陰イオンをそれぞれ表す。
R4は水素又はメチル基、R5、R6は炭素数1〜3のアルキル基、あるいはベンジル基、X2 −は陰イオンをそれぞれ表す。
R1は水素又はメチル基、R2、R3は炭素数1〜3のアルキル基であり、同種でも異種でも良い。AはOまたはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基、X1 −は陰イオンをそれぞれ表す。
R4は水素又はメチル基、R5、R6は炭素数1〜3のアルキル基、あるいはベンジル基、X2 −は陰イオンをそれぞれ表す。
請求項2の発明は、前記架橋性単量体を、単量体に対し質量換算で0.01〜2.0%含有することを特徴とする請求項1に記載のパルプ製造排水の処理方法である。
請求項3の発明は、前記カチオン性水溶性単量体が、アクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロリドあるいはジアリルジメチルアンモニウムクロリドであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のパルプ製造排水の処理方法である。
請求項4の発明は、無機微粒子からなる吸着剤を併用することを特徴とする請求項1に記載のパルプ製造排水の処理方法である。
請求項5の発明は、前記無機微粒子からなる吸着剤が、活性炭、ゼオライト、アルミナ、シリカ−アルミナ等の多孔質体、石英、沈降シリカ、ゾルゲルシリカ、ケイ酸カルシウム、タルク、ベントナイト、モンモリロナイトから選択される一種以上であることを特徴とする請求項3に記載のパルプ製造排水の処理方法である。
請求項6の発明は、前記パルプ製造時に発生する排水が、微生物処理分解後の処理水であることを特徴とする請求項1に記載のパルプ製造排水の処理方法である。
本発明のパルプ製造排水の処理方法は、下記一般式(1)または(2)で表わされる水溶性単量体および架橋性単量体を必須として含有する単量体混合物水溶液を、界面活性剤により水に非混和性有機液体を連続相、単量体混合物水溶液を分散相となるよう乳化し重合した油中水型エマルジョンからなる水不溶性水膨潤性微粒子あるいは該油中水型エマルジョンを乾燥し造粒した粉末状の水不溶性水膨潤性微粒子を、パルプ製造排水に添加することからなる。
R1は水素又はメチル基、R2、R3は炭素数1〜3のアルキル基であり、同種でも異種でも良い。AはOまたはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基、X1 −は陰イオンをそれぞれ表す。
R4は水素又はメチル基、R5、R6は炭素数1〜3のアルキル基、あるいはベンジル基、X2 −は陰イオンをそれぞれ表す。
本発明で処理を対象とするパルプ製造排水中の有機物質は、クラフトパルプ製造時の低分子化したリグニンやセルロースパルプ分解物、脱墨古紙パルプ製造時に発生する古紙由来のピッチ、バインダー、糊剤からのデンプンやポリビニルアルコールなどがある。またコロイド成分、溶解成分の他、微細パルプなど懸濁成分もあり処理の対象物となるが、本発明の処理の中心は、微生物処理後のイオン性あるいは非イオン性コロイド成分、溶解成分である。
微生物処理分解後の低分子化したリグニンやセルロースパルプ分解物は、安定なコロイドとして水中に分散あるいは溶解している。従来これらの物質を除去するには重縮合系カチオン性ポリマーや重合系低分子量のポリマーを使用していた。しかし安定なコロイドを除去するには、表面電荷の中和が主な作用となり、過剰添加など電荷のバランスが少し狂うと再分散が起きて、最適添加量の調節がなかなか難しい。その点、本発明で使用する油中水型エマルジョンからなる水不溶性水膨潤性微粒子、あるいは油中水型エマルジョンを乾燥し造粒した粉末状の水不溶性水膨潤性微粒子は、水不溶性であるため上記低分子化したリグニンやセルロースパルプ分解物を粒子上に吸着させるため電荷的に過剰添加にはなりにくい。そのため処理水中の有機物質を従来よりも低下させることが可能である。
脱墨パルプ製造時に発生する排水中には、ピッチが存在する。製紙工程におけるいわゆるピッチは、水不溶性でしかも粘着性を有する物質である。このピッチには、木材由来と製紙加工工程で用いられるラテックスその他由来のものがある。木材由来は、油脂、脂肪酸、テルペン類、ステロイド類、天然樹脂やガム類などが含まれており、パルプ化された後もこれらが残留している。後の製紙工程においてこれら粘着性物質が遊離し、コロイド状になって分散しているが、強いせん断力、急激なpH変化、硫酸バンドの添加等により、このコロイド状態が破壊されて、凝集、粗大化し、いわゆるピッチとなる。一方、紙加工物質由来のピッチは、コ−ト紙製造工程におけるコ−トブロ−クなどのラテックスがウェットエンドでリサイクルされるうちにコロイド状態がやはり破壊されて、同じコ−トブロ−ク中の炭酸カルシウムといっしょに凝集し、粗大化し、抄紙後成紙上に白色のピッチデポジットを形成しトラブルの発生となるため、製紙用水としてリサイクルする場合、これらの物質を除去しておくことが必要である。この目的には、本発明で使用する油中水型エマルジョンからなる水不溶性水膨潤性微粒子、あるいは油中水型エマルジョンを乾燥し造粒した粉末状の水不溶性水膨潤性微粒子は、単独でも処理可能であるが、無機微粒子からなる吸着剤を併用することにより更に高度に処理することができる。無機微粒子からなる吸着剤は、水不溶性水膨潤性微粒子の単独処理によって法規制値に達しない場合などに、吸着できない非イオン性の溶解性あるいはコロイド成分を吸着しCODを低減させ高度な処理状態を達成することができる。
本発明に係る油中水型エマルジョンからなる水不溶性微粒子は、前記一般式(1)あるいは(2)で表わされる単量体と架橋性単量体を必須として含有する水相からなる単量体混合物と非混和性の炭化水素からなる油状物質、油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する界面活性剤を混合し、強攪拌し油中水型エマルジョンを形成させた後、重合することにより合成することができる。
分散媒として使用する炭化水素からなる油状物質の例としては、パラフィン類或いは灯油、軽油、中油等の鉱油、あるいはこれらと実質的に同じ範囲の沸点や粘度等の特性を有する炭化水素系合成油、あるいはこれらの混合物が挙げられる。含有量としては、油中水型エマルジョン全量に対して20質量%〜50質量%の範囲であり、好ましくは25質量%〜40質量%の範囲である。
油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する界面活性剤の例としては、HLB3〜11のノニオン性界面活性剤であり、その具体例としては、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。これら界面活性剤の添加量としては、油中水型エマルジョン全量に対して0.5〜10質量%であり、好ましくは1〜5質量%の範囲である。
重合条件は通常、使用する単量体や共重合モル%によって適宜決めていき、温度としては0〜100℃の範囲で行なう。特に油中水型エマルジョン重合法を適用する場合は、20〜80℃、好ましくは20〜60℃の範囲で行なう。重合開始はラジカル重合開始剤を使用する。これら開始剤は油溶性或いは水溶性のどちらでも良く、アゾ系、過酸化物系、レドックス系何れでも重合することが可能である。単量体の重合濃度は20〜50質量%の範囲であり、好ましくは25〜40質量%の範囲であり、単量体の組成、重合法、開始剤の選択によって適宜重合の濃度と温度を設定する。
本発明で使用する水不溶性微細粒子からなる油中水型エマルジョンでは、架橋性単量体を使用する単量体に対し0.01〜2.0質量%、また好ましくは0.05〜1.5質量%存在させる。架橋性単量体の例としては、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリアリルアミン、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸テトラエチレングリコール、ジメタクリル酸―1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、N−ビニル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアリルアクリルアミド、アクリル酸グリシジル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、アクロレイン、グリオキザール、ビニルトリメトキシシランなどがあるが、この場合の架橋剤としては、水溶性ポリビニル化合物がより好ましく、最も好ましいのはN,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミドである。
本発明で使用する一般式(1)あるいは(2)で表わされる単量体は、以下のようなものである。すなわち一般式(1)では、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルやジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの塩化ベンジルによる四級化物である。例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物などである。また一般式(2)は、ジアリルアンモニウム塩である。すなわちジアリルジメチルアンモニウム塩化物、ジアリルメチルベンジルアンモニウム塩化物、あるいはジアリルジエチルアンモニウム塩化物等が例示できる。これら化学式2で表わされるカチオン性単量体の共重合率は、3〜100モル%であり、好ましくは10〜100モル%、更に好ましくは30〜100モル%である。
また本発明で要求する機能を損なわない限り他のカチオン性単量体を共重合することができる。すなわち(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルやジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの塩化メチルなどによる四級化物である。例示すると(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物などがあげられる。上記カチオン性単量体の共重合率は、0〜30モル%である。またアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物を共重合した場合は、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物との相互作用により、効果が向上する場合がある。これはアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物が、イオン性は高いが親水性も高く、これを補うためアクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物の疎水的な性質が作用しているためと推定される。従って好ましい共重合組成は、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物単独、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物とアクリルアミド、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物とアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物およびアクリルアミド、
ジアリルジメチルアンモニウム塩化物単独、ジアリルジメチルアンモニウム塩化物とアクリルアミドである。
ジアリルジメチルアンモニウム塩化物単独、ジアリルジメチルアンモニウム塩化物とアクリルアミドである。
両性重合体からなる水不溶性油中水型エマルジョンを合成する際に使用するアニオン性単量体は、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸あるいは2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フタル酸あるいはp−カルボキシスチレン酸等が挙げられる。これらアニオン性単量体の共重合率は、0〜20モル%であり、好ましくは0〜10モル%である。
また非イオン性水溶性単量体も共重合することが可能である。すなわち(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリン等が挙げられる。これら非イオン性単量体の共重合率は、0〜97モル%であり、好ましくは0〜90モル%であり、更に好ましくは0〜70モル%である。
本発明で使用する水不溶性水膨潤性微粒子は、油中水型エマルジョンを乾燥し造粒したものも使用することができる。例えば噴霧乾燥機中に油中水滴型エマルジョン状液体を噴霧し、乾燥する方法がある。これは操作が簡便であり容易であるが、粒径が細かくなり、更に粒径調節の加工が必要である。また油中水滴型エマルジョン状液体を直接乾燥機に入れ、一定時間乾燥し、塊状物を粉砕する方法もある。この方法は、乾燥温度や乾燥時間の管理に注意する必要がある。乾燥時間を長くしすぎる場合、あるいは乾燥温度が高すぎる場合などは、水溶性高分子の架橋反応が進み過ぎて水に溶解しなくなることがあるので、乾燥温度と乾燥時間の管理が重要である。
本発明で処理を対象とするパルプ系排水中の有機物質は、微生物処理分解後の低分子化したリグニンやセルロースパルプ分解物、古紙由来のピッチ、バインダー、糊剤からのデンプンやポリビニルアルコールなどがある。またコロイド成分、溶解成分の他、微細パルプなど懸濁成分もあるが、本発明の処理の中心は、イオン性あるいは非イオン性コロイド成分、溶解成分である。懸濁成分以外は安定なコロイドとして水中に分散あるいは溶解している。従来これらの物質を除去するには重縮合系カチオン性ポリマーや重合系低分子量のポリマーを使用していた。しかし安定なコロイドを除去するには、表面電荷の中和が主な作用となり、過剰添加など電荷のバランスが少し狂うと再分散が起きて、最適添加量の調節がなかなか難しい。その点、本発明で使用する油中水型エマルジョンからなる水不溶性水膨潤性微粒子は、水不溶性であるため上記低分子化したリグニンやセルロースパルプ分解物を粒子上に吸着させるため過剰添加にはなり難い。そのため処理水中の有機物質を従来よりも低下させることが可能である。また処理効果を向上させるために従来の無機系凝結剤である硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸鉄なども併用しても差し支えなく、また更なる効果の向上することもある。
本発明に係る油中水型エマルジョンを構成する水不溶性水膨潤性微粒子は、水不溶性であるが、あまり水膨潤度が低いと表面積が小さくなり効率が低下する。反対に水膨潤度が高くなりすぎると、水溶解性の性質が強くなり過剰添加などの現象が現われ好ましくない。上記のような概念により、油中水型エマルジョンを構成する水不溶性粒子の水への膨潤度は、吸水倍率によって表わすと10倍〜100倍程度であるが、10倍より低いと膨潤度が低すぎて有機物質のコロイド成分を吸着する表面積が小さすぎ効率的ではない。また100倍前後より高いと、水溶性の高分子溶液と同様な作用が発現し、本発明の趣旨からは外れる。実際の測定方法は、吸水倍率が50倍程度では遠心分離によって行うことができるが、100倍前後になると遠心分離が難しくなる。そこで本発明では架橋性単量体の添加量によって規定する。すなわち前記架橋性単量体を除く重合時使用する単量体に対し0.01〜2.0質量%である。この添加量は、重合する単量体の種類あるいは重合条件によって変化するものであるが、イオン性が高いと架橋性単量体を多く使用し、イオン性が低いと架橋性単量体を少なく使用する。すなわちイオン性単量体が3モル%、アクリルアミドが97モル%などの場合、重合時使用する単量体に対し0.02質量%程度で本発明で所望する範囲のものができるが、100モル%イオン性単量体を使用して合成した場合では、1.0〜2.0質量%必要である。
本発明においては水不溶性水膨潤性微粒子に加えて、無機微粒子からなる吸着材を併用すると効果がさらに高まる。すなわちパルプ製造排水に本発明の水不溶性水膨潤性微粒子を添加し、コロイド成分、溶解成分を吸着・除去してもCODなど有機成分が一定程度、すなわち法規制値まで下げることが達成できない場合に併用する。そのような無機微粒子からなる吸着材として例示すると、活性炭、ゼオライト、アルミナ、シリカ−アルミナ等の多孔質体、石英、沈降シリカ、ゾルゲルシリカ、ケイ酸カルシウム、タルク、ベントナイト、モンモリロナイト等が挙げられる。
これら無機微粒子からなる吸着材は、排水量に対し質量換算で10ppmから10,000ppmであり、好ましくは100ppmから1,000ppmである。添加順は、どちらを先に添加しても処理はできるが、水不溶性水膨潤性微粒子を添加し、その後無機微粒子からなる吸着材を添加することが効果的である。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に詳細に説明する。
(合成例1)
(合成例1)
(油中水型エマルジョンからなる水不溶性水膨潤性微粒子の重合)攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに沸点190℃ないし230℃のイソパラフィン102gにソルビタンモノオレート2.0g(対液全量0.5質量%)及びポリリシノ−ル酸/ポリオキシエチレンブロック共重合物0.6g(対液全量0.15質量%)を仕込み溶解させた。別に脱イオン水97.0g、80重量%アクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウム塩化物(以下DMBZと略記)195.0g、メチレンビスアクリルアミド粉末1.25g(対単量体0.8質量%)を各々採取し添加した。油と水溶液を混合し、ホモジナイザーにて1000rpmで2分間攪拌乳化した。
得られたエマルジョン単量体溶液の温度を43±2℃に保ち、窒素置換を30分行なった後、2、2’−アゾビス[2−(5−メチル−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩化水素化物粉末0.062g(対単量体0.04質量%)
を加え、重合反応を開始させた。43±2℃で1.5時間重合させのち70℃に加温し、1時間保温することで反応を完結させた。重合後、生成した油中水型エマルジョンに転相剤としてポリオキシエチレンデシルエーテル2.0g(対液全量0.5質量%)を添加混合した。B型粘度計により製品粘度を測定すると、560mPa・sであった(試料−1)。また上記と同様の操作により表1に示す組成で油中水型エマルジョン試料−2〜試料−9を合成した。またメチレンビスアクリルアミドを共存させないで合成した試作−16〜試作−17を作成した。以上の結果を表1に示す。
を加え、重合反応を開始させた。43±2℃で1.5時間重合させのち70℃に加温し、1時間保温することで反応を完結させた。重合後、生成した油中水型エマルジョンに転相剤としてポリオキシエチレンデシルエーテル2.0g(対液全量0.5質量%)を添加混合した。B型粘度計により製品粘度を測定すると、560mPa・sであった(試料−1)。また上記と同様の操作により表1に示す組成で油中水型エマルジョン試料−2〜試料−9を合成した。またメチレンビスアクリルアミドを共存させないで合成した試作−16〜試作−17を作成した。以上の結果を表1に示す。
(合成例2)
油中水型エマルジョン試料−1(DMBZホモ重合物からなる油中水型エマルジョンの水不溶性水膨潤性微粒子)を分散液の状態でステンレス製の容器に液の深さ0.5cmに敷き詰め乾燥機に入れ、80℃で3時間、通風乾燥機に入れ乾燥した。その後、乾燥物を粉砕し粉末製品を作成した。この粉末製品を試料―10とする。結果を表1に示す。
油中水型エマルジョン試料−1(DMBZホモ重合物からなる油中水型エマルジョンの水不溶性水膨潤性微粒子)を分散液の状態でステンレス製の容器に液の深さ0.5cmに敷き詰め乾燥機に入れ、80℃で3時間、通風乾燥機に入れ乾燥した。その後、乾燥物を粉砕し粉末製品を作成した。この粉末製品を試料―10とする。結果を表1に示す。
(合成例3)
油中水型エマルジョン試料−2(DMBZとAAM共重合物からなる油中水型エマルジョンの水不溶性水膨潤性微粒子)を、分散液の状態でステンレス製の容器に液の深さ0.5cmに敷き詰め乾燥機に入れ、80℃で3時間、通風乾燥機に入れ乾燥した。その後、乾燥物を粉砕し粉末製品を作成した。この粉末製品を試料―11とする。結果を表1に示す。
油中水型エマルジョン試料−2(DMBZとAAM共重合物からなる油中水型エマルジョンの水不溶性水膨潤性微粒子)を、分散液の状態でステンレス製の容器に液の深さ0.5cmに敷き詰め乾燥機に入れ、80℃で3時間、通風乾燥機に入れ乾燥した。その後、乾燥物を粉砕し粉末製品を作成した。この粉末製品を試料―11とする。結果を表1に示す。
(合成例4)
油中水型エマルジョン試料−3(DMBZとAAM共重合物からなる油中水型エマルジョンの水不溶性水膨潤性微粒子)を分散液の状態でステンレス製の容器に液の深さ0.5cmに敷き詰め乾燥機に入れ、80℃で3時間、通風乾燥機に入れ乾燥した。その後、乾燥物を粉砕し粉末製品を作成した。この粉末製品を試料―12とする。結果を表1に示す。
油中水型エマルジョン試料−3(DMBZとAAM共重合物からなる油中水型エマルジョンの水不溶性水膨潤性微粒子)を分散液の状態でステンレス製の容器に液の深さ0.5cmに敷き詰め乾燥機に入れ、80℃で3時間、通風乾燥機に入れ乾燥した。その後、乾燥物を粉砕し粉末製品を作成した。この粉末製品を試料―12とする。結果を表1に示す。
(合成例5)
合成例2〜4と同様な操作により油中水型エマルジョン試料−4〜油中水型エマルジョン試料−6(DMBZ、DMQおよびAAM共重合物からなる油中水型エマルジョンの水不溶性水膨潤性微粒子)の粉末製品を調製した。結果を表1に示す。
合成例2〜4と同様な操作により油中水型エマルジョン試料−4〜油中水型エマルジョン試料−6(DMBZ、DMQおよびAAM共重合物からなる油中水型エマルジョンの水不溶性水膨潤性微粒子)の粉末製品を調製した。結果を表1に示す。
(表1)
DMBZ:アクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウム塩化物
DMQ:アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物
DAD:ジアリルジメチルアンモニウム塩化物、AAC:アクリル酸、AAM:アクリルアミド、MBA:メチレンビスアクリルアミド、エマルジョン粘性:mPa・s、MBA添加量:対使用単量体質量%、EM:油中水型エマルジョン、PW:粉末。
DMBZ:アクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウム塩化物
DMQ:アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物
DAD:ジアリルジメチルアンモニウム塩化物、AAC:アクリル酸、AAM:アクリルアミド、MBA:メチレンビスアクリルアミド、エマルジョン粘性:mPa・s、MBA添加量:対使用単量体質量%、EM:油中水型エマルジョン、PW:粉末。
製紙工場より採取したパルプ系排水、すなわちクラフトパルプ製造排水を排水処理施設にて微生物物処理した後の処理水(pH7.05、TOC135mg/L)を用いて合成例で試作した油中水型エマルジョンからなる水不溶性水膨潤性微粒子の排水処理試験を実施した。上記パルプ系排水をpH5.5に調節後、300mLのビーカーに200mLを採取し、表1の試料−1〜試料−15を高分子物質純分換算で各対液50ppmおよび100ppm(いずれもL/g換算、以下同様)添加し、ジャーテスターを用いて200rpmで60秒攪拌し、その後硫酸バンドを対液1000ppm添加60秒攪拌、最後にカチオン性凝集剤(カチオン化度15モル%ポリアクリルアミド、重量平均分子量600万)を対液3.0ppm添加し60秒攪拌した後60秒間静置し、上澄み液を全有機体炭素計(島津製作所製TOC−V CSN型)によりTOC(全有機体炭素)を測定した。結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1と同様な操作にて、表1の試料−16〜試料−17に関して排水処理試験を実施した。同時にジメチルアミン/エピクロロヒドリン/ポリアミン縮合物(比較1)メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物(分子量300万、比較2)も試験した。結果を表2に示す。
実施例1と同様な操作にて、表1の試料−16〜試料−17に関して排水処理試験を実施した。同時にジメチルアミン/エピクロロヒドリン/ポリアミン縮合物(比較1)メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物(分子量300万、比較2)も試験した。結果を表2に示す。
(表2)
実施例1と同じパルプ系排水を用い、水不溶性水膨潤性微粒子と無機粒子からなる吸着材を併用した試験を実施した。脱墨パルプ製造排水をpH5.5に調節後、300mLのビーカーに200mLを採取し、表1の試料−1〜試料−15を高分子物質純分換算で各対排水液量50ppmおよび100ppm(いずれもL/g換算、以下同様)添加し、ジャーテスターを用いて200rpmで60秒攪拌し、その後硫酸バンドを対液1000ppm添加60秒攪拌、粉末活性炭を対排水液量200ppm添加し、60秒攪拌し、最後にカチオン性凝集剤(カチオン化度15モル%ポリアクリルアミド、重量平均分子量600万)を対液3.0ppm添加し60秒攪拌した後60秒間静置し、上澄み液を全有機体炭素計(島津製作所製TOC−V CSN型)にてTOC(全有機体炭素)を測定した。結果を表3に示す。
(比較例2)
実施例2と同様な操作にて、表1の試料−16〜試料−17に関して排水処理試験を実施した。同時にジメチルアミン/エピクロロヒドリン/ポリアミン縮合物(比較1)メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物(分子量300万、比較2)も試験した。結果を表3に示す。
実施例2と同様な操作にて、表1の試料−16〜試料−17に関して排水処理試験を実施した。同時にジメチルアミン/エピクロロヒドリン/ポリアミン縮合物(比較1)メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物(分子量300万、比較2)も試験した。結果を表3に示す。
(表3)
製紙工場より採取した脱墨パルプ製造排水(pH8.40、TOC310mg/L)を用いて合成例で試作した油中水型エマルジョンからなる水不溶性水膨潤性微粒子の排水処理試験を実施した。上記パルプ系排水をpH5.5に調節後、300mLのビーカーに200mLを採取し、表1の試料−1〜試料−15を高分子物質純分換算で各対液30ppmおよび60ppm(いずれもL/g換算、以下同様)添加し、ジャーテスターを用いて200rpmで60秒攪拌し、その後硫酸バンドを対液1000ppm添加60秒攪拌、最後にアニオン性凝集剤(アニオン化度10モル%ポリアクリルアミド、重量平均分子量1200万)を対液1.5ppm添加し60秒攪拌した後60秒間静置し、上澄み液を全有機体炭素計(島津製作所製TOC−V CSN型)によりTOC(全有機体炭素)を測定した。結果を表4に示す。
(比較例3)
実施例3と同様な操作にて、表1の試料−16〜試料−17に関して排水処理試験を実施した。同時にジメチルアミン/エピクロロヒドリン/ポリアミン縮合物(比較1)メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物(分子量300万、比較2)も試験した。結果を表4に示す。
実施例3と同様な操作にて、表1の試料−16〜試料−17に関して排水処理試験を実施した。同時にジメチルアミン/エピクロロヒドリン/ポリアミン縮合物(比較1)メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物(分子量300万、比較2)も試験した。結果を表4に示す。
(表4)
実施例3と同じ脱墨パルプ製造排水を用い、水不溶性水膨潤性微粒子と無機粒子からなる吸着材を併用した試験を実施した。脱墨パルプ製造排水をpH5.5に調節後、300mLのビーカーに200mLを採取し、表1の試料−1〜試料−15を高分子物質純分換算で各対排水液量30ppmおよび60ppm(いずれもL/g換算、以下同様)添加し、ジャーテスターを用いて200rpmで60秒攪拌し、その後硫酸バンドを対液1000ppm添加60秒攪拌、ベントナイトを対排水液量300ppm添加し、60秒攪拌し、最後にアニオン性凝集剤(アニオン化度10モル%ポリアクリルアミド、重量平均分子量1200万)を対液1.5ppm添加し60秒攪拌した後60秒間静置し、上澄み液を全有機体炭素計(島津製作所製TOC−V CSN型)にてTOC(全有機体炭素)を測定した。結果を表5に示す。
(比較例4)
実施例4と同様な操作にて、表1の試料−16〜試料−17に関して排水処理試験を実施した。同時にジメチルアミン/エピクロロヒドリン/ポリアミン縮合物(比較1)メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物(分子量300万、比較2)も試験した。結果を表5に示す。
実施例4と同様な操作にて、表1の試料−16〜試料−17に関して排水処理試験を実施した。同時にジメチルアミン/エピクロロヒドリン/ポリアミン縮合物(比較1)メタクロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物(分子量300万、比較2)も試験した。結果を表5に示す。
(表5)
Claims (6)
- 下記一般式(1)または(2)で表わされるカチオン性水溶性単量体および架橋性単量体を必須として含有する単量体混合物水溶液を、界面活性剤により水に非混和性有機液体を連続相、前記単量体混合物水溶液を分散相となるよう乳化し重合した、油中水型エマルジョンからなる水不溶性水膨潤性微粒子、あるいは該油中水型エマルジョンを乾燥し造粒した水不溶性水膨潤性微粒子を、パルプ製造時に発生する排水に添加することを特徴とするパルプ製造排水の処理方法。
R1は水素又はメチル基、R2、R3は炭素数1〜3のアルキル基であり、同種でも異種でも良い。AはOまたはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基、X1 −は陰イオンをそれぞれ表す。
R4は水素又はメチル基、R5、R6は炭素数1〜3のアルキル基、あるいはベンジル基、X2 −は陰イオンをそれぞれ表す。 - 前記架橋性単量体を、単量体に対し質量換算で0.01〜2.0%含有することを特徴とする請求項1に記載のパルプ製造排水の処理方法。
- 前記カチオン性水溶性単量体が、アクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロリドあるいはジアリルジメチルアンモニウムクロリドであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のパルプ製造排水の処理方法。
- 無機微粒子からなる吸着剤を併用することを特徴とする請求項1に記載のパルプ製造排水の処理方法。
- 前記無機微粒子からなる吸着剤が、活性炭、ゼオライト、アルミナ、シリカ−アルミナ等の多孔質体、石英、沈降シリカ、ゾルゲルシリカ、ケイ酸カルシウム、タルク、ベントナイト、モンモリロナイトから選択される一種以上であることを特徴とする請求項4に記載のパルプ製造排水の処理方法。
- 前記パルプ製造時に発生する排水が、微生物処理分解後の処理水であることを特徴とする請求項1に記載のパルプ製造排水の処理方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2010
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