JP2011114331A - 圧粉磁心の製造方法およびこの製造方法によって得られた圧粉磁心 - Google Patents

圧粉磁心の製造方法およびこの製造方法によって得られた圧粉磁心 Download PDF

Info

Publication number
JP2011114331A
JP2011114331A JP2009272525A JP2009272525A JP2011114331A JP 2011114331 A JP2011114331 A JP 2011114331A JP 2009272525 A JP2009272525 A JP 2009272525A JP 2009272525 A JP2009272525 A JP 2009272525A JP 2011114331 A JP2011114331 A JP 2011114331A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat treatment
iron
dust core
powder
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009272525A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5159751B2 (ja
Inventor
Takeshi Owaki
武史 大脇
Kazumi Yanagisawa
佳寿美 柳澤
Mamoru Hosokawa
護 細川
Tomotsuna Kamijo
友綱 上條
Nobuaki Akagi
宣明 赤城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2009272525A priority Critical patent/JP5159751B2/ja
Publication of JP2011114331A publication Critical patent/JP2011114331A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5159751B2 publication Critical patent/JP5159751B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Abstract

【課題】機械的強度に優れ、高温での熱処理を行っても電気絶縁性を維持できる圧粉磁心の製造方法を提供する。
【解決手段】鉄基軟磁性粉末表面にりん酸系化成皮膜を有する圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末を圧粉成形した後、圧粉成形体に熱処理を施して圧粉磁心を製造する方法において、
上記熱処理温度を550℃以上、熱処理時間を20分超とし、熱処理終了後の圧粉成形体を液媒中で冷却することを特徴とする圧粉磁心の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、高比抵抗の圧粉磁心の製造方法およびこの製造方法を用いて得られる圧粉磁心に関する。
電磁気部品用圧粉磁心は、製造工程においてハンドリング性が良好なことや、コイルにするための巻き線の際に破損しない十分な機械的強度を有することが重要である。これらの点を考慮して、圧粉磁心分野では、鉄粉粒子を電気絶縁物で被覆する技術が知られている。このように、電気絶縁物で鉄粉粒子を被覆することで鉄粉粒子間が電気絶縁物を介して接着されるため、これを用いて得られる圧粉磁心は機械的強度が向上する。
これまで、このような電気絶縁物の形成材料として、耐熱性の高いシリコーン樹脂を用いる技術が開発されている。また、樹脂以外の電気絶縁物(形成材料)として、りん酸等から得られるガラス状化合物を利用する技術も古くから知られている(特許文献1)。
さらに、本出願人は、鉄基軟磁性粉末表面に、特定の元素を含むりん酸系化成皮膜と、シリコーン樹脂皮膜とをこの順で形成することで、高磁束密度、低鉄損、高機械的強度の圧粉磁心を提供することに成功し、既に特許を受けている(特許文献2)。
しかし、圧粉磁心の高性能化の要求は特許文献2の出願時に比べてさらに高まっており、従来にも増して、高磁束密度、高機械的強度が求められるようになっている。
磁束密度の向上には圧粉成形体を高密度に形成することが有効であり、鉄損、特にヒステリシス損を低減するには、高温で焼鈍して圧粉成形体の歪みを解放してやることが有効であると考えられている。しかし、絶縁皮膜は高温焼鈍時に劣化するため、焼鈍後に絶縁性が低下して渦電流損が増大するといった問題がある。
この問題を解決するために、特許文献3では、焼鈍温度と焼鈍時間、さらには降温条件を制御して、軟磁性部材の絶縁皮膜の熱劣化に伴う渦電流損の増大を許容範囲内に抑制しつつ焼鈍によるヒステリシス損の低減を効率よく行う方法が記載されている。
特許第2710152号公報 特許第4044591号公報 特開2009−16701号公報
上記特許文献3に記載の発明はシリコーン樹脂のみを絶縁皮膜の形成に用いているため、本発明者等が従来から検討しているりん酸系化成皮膜を有する鉄基軟磁性粉末には効果的とはいえなかった。そこで、本発明では、高温焼鈍後であっても高い電気絶縁性を示し、高磁束密度で、かつ、高機械的強度を示すことのできる圧粉磁心の製造方法を見出して、優れた性能の圧粉磁心を提供することを課題とした。
上記課題を解決することのできた本発明は、鉄基軟磁性粉末表面にりん酸系化成皮膜を有する圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末を圧粉成形した後、圧粉成形体に熱処理を施して圧粉磁心を製造する方法において、
上記熱処理温度を550℃以上、熱処理時間を20分超とし、熱処理終了後の圧粉成形体を液媒中で冷却することを特徴とする。
液媒としては水または油を用いることが好ましく、液媒の温度は30℃以下が好ましい。また、熱処理終了後の圧粉成形体が400℃に降温するまでの所要時間が3分未満であることがより好ましい。
本発明には、上記本発明の圧粉磁心の製造方法によって得られた圧粉磁心も包含される。
本発明の製造方法によれば、高温焼鈍時に渦電流損(保磁力に相当する)を増大させることなく、高い電気絶縁性、すなわち、高い比抵抗を有する圧粉磁心を製造することができた。よって、本発明の製造方法により得られる圧粉磁心は、高磁束密度、低鉄損、高機械的強度という要求特性を全て満足する高性能なものとなった。
本発明の製造方法の特徴は、焼鈍工程における熱処理温度を550℃以上、熱処理時間を20分超とするところと、熱処理終了後に圧粉成形体を液媒の中に入れて冷却するところにある。
本発明者等が検討したところ、圧粉成形体の歪み取り焼鈍工程における絶縁性の低下は、鉄粉表面のりん酸系化成皮膜(絶縁皮膜)が加熱に伴って薄肉化することと、長時間の加熱によって鉄粉間で局部的な短絡が発生することが、主な原因であることを突き止めた。また、上記のりん酸系化成皮膜の薄肉化は、概ね350℃以上でその影響が顕著になるため、圧粉成形体が350℃以上に保持される時間を、可及的に短くすることが重要と考えられた。しかしながら、圧粉成形体の歪みを取るためには、圧粉成形体を550℃以上にする必要がある。そこで、本発明では、充分な温度で歪みを取った後は、りん酸系化成皮膜の薄肉化が生じない温度まで圧粉成形体を冷却して、りん酸系化成皮膜の薄肉化を抑制することに成功した。以下、本発明を詳細に説明する。
[熱処理(焼鈍)]
本発明では、歪み取りのための焼鈍工程、すなわち熱処理工程では、550℃以上で20分超、圧粉成形体を熱処理する。550℃よりも低温の場合や、時間が短い場合、成形によって発生したヒステリシス損の増加を充分に低減させることができない。熱処理温度は、570℃以上が好ましく、590℃以上がより好ましい。熱処理温度の上限は特に限定されないが、りん酸鉄皮膜の薄膜化を抑制するには、700℃が好ましく、650℃がより好ましい。また熱処理時間は、25分以上が好ましく、27分以上がより好ましい。熱処理時間は長い方が好ましいが、長時間に亘って高温の熱処理を行うと上記したようにリン酸系化成皮膜の薄肉化が生じて絶縁性が低下するため、180分以下とすることが好ましく、60分以下がより好ましく、35分以下が特に好ましい。なお、熱処理雰囲気は特に限定されないが、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
熱処理後は、圧粉成形体を速やかに冷却(急冷)する必要がある。上記したりん酸系化成皮膜の薄肉化を抑制し、絶縁性が低下するのを防止するためである。そこで本発明では、液媒を用いて冷却する。冷却速度は速い方が好ましい。冷却速度の目安としては、圧粉成形体の大きさにもよるが、熱処理後の圧粉成形体が400℃に降温するまでの時間が3分未満であることが好ましい。熱処理後の圧粉成形体が350℃に降温するまでの時間が3分未満であることがより好ましい。りん酸系化成皮膜の薄肉化を一層確実に抑制できる。
液媒としては特に限定されないが、安全性やコストの面では、水または油が好ましい。油としては、常温(25℃)で液状の焼入油が好適である。
液媒を用いた冷却方法としては、液媒浴中に圧粉成形体を浸漬する方法、液媒を圧粉成形体にかけ流す方法等が挙げられ、液媒浴中に浸漬する方法は液媒の再利用が行いやすいため好ましい。
用いる液媒の量は多ければ多いほど、またその温度が低ければ低いほど、冷却効率は高まるが、液媒量やその温度は、コストとの兼ね合いで適宜選択すればよい。温度に関してコスト的に好ましいのは、非加熱・非冷却のままの液媒を用いることである。冷却が終了すれば、圧粉磁心が得られる。
上記した条件の方法で歪み取りの熱処理を行うと共に、熱処理後に液媒で冷却することで、渦電流損(保磁力に相当する)を増大させることなく、高い電気絶縁性、すなわち、高い比抵抗を有する圧粉磁心を製造することができる。
以下、本発明において圧粉磁心の製造に用いられる圧粉成形体の好適な実施態様を説明する。
[鉄基軟磁性粉末]
本発明で用いる鉄基軟磁性粉末は、強磁性体の鉄基粉末であり、具体的には、純鉄粉、鉄基合金粉末(Fe−Al合金、Fe−Si合金、センダスト、パーマロイなど)、および鉄基アモルファス粉末等が挙げられる。これらの鉄基軟磁性粉末は、例えば、アトマイズ法によって溶融鉄(または溶融鉄合金)を微粒子とした後に還元し、次いで粉砕する等によって製造できる。このような製法では、ふるい分け法で評価される粒度分布で累積粒度分布が50%になる粒径(メジアン径)が20〜250μm程度の鉄基軟磁性粉末が得られるが、本発明で用いる鉄基軟磁性粉末は、粒径(メジアン径)が50〜150μm程度であることが好ましい。
[りん酸系化成皮膜]
本発明で用いる圧粉成形体用鉄粉は、りん酸系化成皮膜を有している。これにより、圧粉成形体用鉄粉に電気絶縁性を付与することができる。
このりん酸系化成皮膜は、Pを含む化合物を用いて形成されるガラス状の皮膜であればその組成は特に限定されるものではないが、P以外に、さらにCo、Na、Sを含む化合物や、Csおよび/またはAlを含む化合物を用いて形成されるガラス状の皮膜であることが好ましい。これらの元素は、酸素が熱処理(焼鈍)時にFeと半導体を形成して比抵抗を低下させるのを抑制するからである。
りん酸系化成皮膜が、P以外に、上記Co等を含む化合物を用いて形成されるガラス状の皮膜である場合には、これらの元素の含有率は、圧粉成形体用鉄粉100質量%中の量として、Pは0.005〜1質量%、Coは0.005〜0.1質量%、Naは0.002〜0.6質量%、Sは0.001〜0.2質量%であることが好ましい。また、Csは0.002〜0.6質量%、Alは0.001〜0.1質量%であることが好ましい。CsとAlとを併用する場合も、それぞれをこの範囲内とすることが好ましい。
上記元素のうち、Pは酸素を介して鉄基軟磁性粉末表面と化学結合を形成する。従って、P量が0.005質量%未満の場合には、鉄基軟磁性粉末表面とりん酸系化成皮膜との化学結合量が不十分となり、強固な皮膜を形成しないおそれがあり好ましくない。一方、P量が1質量%を超える場合には、化学結合に関与しないPが未反応のまま残留し、かえって結合強度を低下させるおそれがあり、好ましくない。
Co、Na、S、Cs、Alは、熱処理(焼鈍)中にFeと酸素が半導体を形成するのを阻害して、比抵抗が低下するのを抑制する作用を有する。Co、NaおよびSは、複合添加されることによってその効果を最大化させる。また、CsとAlはいずれか一方でも構わないが、各元素の下限値は、Co、NaおよびSの複合添加の効果を発揮させるための最低量である。また、Co、Na、S、Cs、Alは、必要以上に添加量を上げると複合添加時に相対的なバランスを維持できなくなるだけでなく、酸素を介したPと鉄基軟磁性粉末表面との化学結合の生成を阻害するものと考えられる。
本発明のりん酸系化成皮膜には、MgやBが含まれていてもよい。これらの元素の含有率は、圧粉成形体用鉄粉100質量%中の量として、Mg、B共に、0.001〜0.5質量%であることが好適である。
本発明のりん酸系化成皮膜の膜厚は、1〜250nm程度が好ましい。膜厚が1nmより薄いと絶縁効果が発現しない場合がある。また250nmを超えると、絶縁効果が飽和する上、圧粉成形体の高密度化の点からも望ましくない。より好ましい膜厚は、10〜50nmである。
[りん酸系化成皮膜の形成方法]
本発明で用いる圧粉成形体用鉄粉は、いずれの態様で製造されてもよいが、例えば、水および/または有機溶剤からなる溶媒にPを含む化合物を溶解させた溶液と、鉄基軟磁性粉末とを混合した後、必要に応じて前記溶媒を蒸発させて得ることができる。
本工程で用いる溶媒としては、水や、アルコールやケトン等の親水性有機溶剤、及びこれらの混合物が挙げられる。溶媒中には公知の界面活性剤を添加してもよい。
Pを含む化合物としては、例えばオルトりん酸(H3PO4)が挙げられる。また、りん酸系化成皮膜が上記の組成となるようにするための化合物としては、例えば、Co3(PO42(CoおよびP源)、Co3(PO42・8H2O(CoおよびP源)、Na2HPO4(PおよびNa源)、NaH2PO4(PおよびNa源)、NaH2PO4・nH2O(PおよびNa源)、Al(H2PO43(PおよびAl源)、Cs2SO4(CsおよびS源)、H2SO4(S源)、MgO(Mg源)、H3BO3(B源)等が使用可能である。なかでも、りん酸二水素ナトリウム塩(NaH2PO4)をP源やNa源として用いると、得られる圧粉成形体の密度、強度、比抵抗がバランス良く優れるものとなる。
鉄基軟磁性粉末に対するPを含む化合物の添加量は、形成されるりん酸系化成皮膜の組成が上記の範囲になるものであればよい。例えば、固形分が0.01〜10質量%程度となるように調製したPを含む化合物や必要に応じて皮膜に含ませようとする元素を含む化合物の溶液を、鉄基軟磁性粉末100質量部に対し1〜10質量部程度添加して、公知のミキサー、ボールミル、ニーダー、V型混合機、造粒機等の混合機で混合することによって、形成されるりん酸系化成皮膜の組成を上記の範囲内にすることができる。
また必要に応じて、上記混合工程の後、大気中、減圧下、または真空下で、150〜250℃で乾燥してもよい。乾燥後には、目開き200〜500μm程度の篩を通過させてもよい。上記工程を経ることで、りん酸系化成皮膜が形成された圧粉成形体用鉄粉が得られる。
[シリコーン樹脂皮膜]
本発明の圧粉成形体用鉄粉は、前記りん酸系化成皮膜の上にさらにシリコーン樹脂皮膜を有していてもよい。これにより、シリコーン樹脂の架橋・硬化反応終了時(圧縮時)には、粉末同士が強固に結合する。また、耐熱性に優れたSi−O結合を形成して熱的安定性に優れた絶縁皮膜となる。
シリコーン樹脂としては、硬化が遅いものでは粉末がべとついて皮膜形成後のハンドリング性が悪いので、二官能性のD単位(R2SiX2:Rは有機基、Xは加水分解性基)よりは、三官能性のT単位(RSiX3:R、Xは前記と同じ)を多く持つものが好ましい。しかし、四官能性のQ単位(SiX4:Xは前記と同じ)が多く含まれていると、予備硬化の際に粉末同時が強固に結着してしまい、後の成形工程が行えなくなるため好ましくない。よって、T単位が60モル%以上のシリコーン樹脂が好ましく、80モル%以上のシリコーン樹脂がより好ましく、全てT単位であるシリコーン樹脂が最も好ましい。
また、シリコーン樹脂としては、上記Rがメチル基またはフェニル基となっているメチルフェニルシリコーン樹脂が一般的で、フェニル基を多く持つ方が耐熱性は高いとされているが、本発明で採用するような高温の熱処理(焼鈍)条件では、フェニル基の存在はそれほど有効とは言えなかった。フェニル基の嵩高さが、緻密なガラス状網目構造を乱して、熱的安定性や鉄との化合物形成阻害効果を逆に低減させるのではないかと考えられる。よって、本発明では、メチル基が50モル%以上のメチルフェニルシリコーン樹脂(例えば、信越化学工業社製のKR255、KR311等)を用いることが好ましく、70モル%以上(例えば、信越化学工業社製のKR300等)がより好ましく、フェニル基を全く持たないメチルシリコーン樹脂(例えば、信越化学工業社製のKR251、KR400、KR220L,KR242A、KR240、KR500、KC89等や、東レ・ダウコーニング社製のSR2400等)が最も好ましい。なお、シリコーン樹脂(皮膜)のメチル基とフェニル基の比率や官能性については、FT−IR等で分析可能である。
シリコーン樹脂皮膜の付着量は、りん酸系化成皮膜とシリコーン樹脂皮膜とがこの順で形成された圧粉成形体用鉄粉を100質量%としたとき、0.05〜0.3質量%となるように調整することが好ましい。0.05質量%より少ないと、絶縁性に劣り、電気抵抗が低くなるが、0.3質量%より多く加えると、得られる圧粉成形体の高密度化が達成しにくい。
シリコーン樹脂皮膜の厚みとしては、1〜200nmが好ましい。より好ましい厚みは20〜150nmである。また、りん酸系化成皮膜とシリコーン樹脂皮膜との合計厚みは250nm以下とすることが好ましい。250nmを超えると、磁束密度の低下が大きくなる場合がある。
[シリコーン樹脂皮膜の形成方法]
シリコーン樹脂皮膜の形成は、例えば、シリコーン樹脂をアルコール類や、トルエン、キシレン等の石油系有機溶剤等にシリコーン樹脂を溶解させたシリコーン樹脂溶液と、りん酸系化成皮膜を有する鉄基軟磁性粉末(以下、便宜上、単に「りん酸系皮膜形成鉄粉」と称する場合がある。)とを混合し、次いで必要に応じて前記有機溶剤を蒸発させることによって行うことができる。
りん酸系皮膜形成鉄粉に対するシリコーン樹脂の添加量は、形成されるシリコーン樹脂皮膜の付着量が上記の範囲になるものであればよい。例えば、固形分が大体2〜10質量%になるように調製した樹脂溶液を、前記したりん酸系化成皮膜形成鉄粉100質量部に対し、0.5〜10質量部程度添加して混合し、乾燥すればよい。0.5質量部より少ないと混合に時間がかかったり、皮膜が不均一になるおそれがある。一方、10質量部を超えると乾燥に時間がかかったり、乾燥が不充分になるおそれがある。樹脂溶液は適宜加熱しておいても構わない。混合機は前記したものと同様のものが使用可能である。
乾燥工程では、用いた有機溶剤が揮発する温度で、かつ、シリコーン樹脂の硬化温度未満に加熱して、有機溶剤を充分に蒸発揮散させることが望ましい。具体的な乾燥温度としては、上記したアルコール類や石油系有機溶剤の場合は、60〜80℃程度が好適である。乾燥後には、凝集ダマを除くために、目開き300〜500μm程度の篩を通過させておくことが好ましい。
乾燥後には、シリコーン樹脂皮膜が形成された圧粉体用鉄粉(以下、便宜上、単に「シリコーン樹脂皮膜形成鉄粉」と称する場合がある。)を加熱して、シリコーン樹脂皮膜を予備硬化させることが推奨される。予備硬化とは、シリコーン樹脂皮膜の硬化時における軟化過程を粉末状態で終了させる処理である。この予備硬化処理によって、温間成形時(100〜250℃程度)にシリコーン樹脂皮膜形成鉄粉の流れ性を確保することができる。具体的な手法としては、シリコーン樹脂皮膜形成鉄粉を、このシリコーン樹脂の硬化温度近傍で短時間加熱する方法が簡便であるが、薬剤(硬化剤)を用いる手法も利用可能である。予備硬化と、硬化(予備ではない完全硬化)処理との違いは、予備硬化処理では、粉末同士が完全に接着固化することなく、容易に解砕が可能であるのに対し、粉末の成形後に行う高温加熱硬化処理では、樹脂が硬化して粉末同士が接着固化する点である。完全硬化処理によって成形体強度が向上する。
上記したように、シリコーン樹脂を予備硬化させた後、解砕することで、流動性に優れた粉末が得られ、圧粉成形の際に成形型へ、砂のようにさらさらと投入することができるようになる。予備硬化させないと、例えば温間成形の際に粉末同士が付着して、成形型への短時間での投入が困難となることがある。実操業上、ハンドリング性の向上は非常に有意義である。また、予備硬化させることによって、得られる圧粉磁心の比抵抗が非常に向上することが見出されている。この理由は明確ではないが、硬化の際の鉄粉との密着性が上がるためではないかと考えられる。
短時間加熱法によって予備硬化を行う場合、100〜200℃で5〜100分の加熱処理を行うとよい。130〜170℃で10〜30分がより好ましい。予備硬化後も、前記したように、篩を通過させておくことが好ましい。
[潤滑剤]
本発明の圧粉成形体用鉄粉には、さらに潤滑剤が含有されたものであってもよい。この潤滑剤の作用により、圧粉成形体用鉄粉を圧縮成形する際の鉄粉間、あるいは鉄粉と成形型内壁間の摩擦抵抗を低減でき、成形体の型かじりや成形時の発熱を防止することができる。このような効果を有効に発揮させるためには、潤滑剤が圧粉成形体用鉄粉全量中、0.2質量%以上含有されていることが好ましい。しかし、潤滑剤量が多くなると、圧粉成形体の高密度化に反するため、0.8質量%以下にとどめることが好ましい。また、圧縮成形する際に、成形型内壁面に潤滑剤を塗布した後、成形するような場合(型潤滑成形)には、0.2質量%より少ない潤滑剤量でも構わない。
潤滑剤としては、従来から公知のものを使用すればよく、具体的には、ステアりん酸亜鉛、ステアりん酸リチウム、ステアりん酸カルシウム等のステアりん酸の金属塩粉末、およびパラフィン、ワックス、天然または合成樹脂誘導体等が挙げられる。
[圧縮成形]
圧粉成形体は、上記圧粉成形体用鉄粉を圧縮成形することにより得られる。圧縮成形法は特に限定されず、従来公知の方法が採用可能である。
圧縮成形の好適条件は、面圧で、490MPa〜1960MPa、より好ましくは790MPa〜1180MPaである。特に、980MPa以上の条件で圧縮成形を行うと、最終的な密度が7.50g/cm3以上である圧粉磁心を得やすく、高強度で磁気特性(磁束密度)の良好な圧粉磁心が得られるため好ましい。成形温度は、室温成形、温間成形(100〜250℃)いずれも可能である。型潤滑成形で温間成形を行う方が、より高強度の圧粉磁心が得られるため、好ましい。強度の目安としては、後述する実施例における測定方法で測定した抗折強度が100MPa以上であることが好ましい。
[圧粉磁心]
圧粉成形体を得た後は、前記した条件で熱処理とその後の液媒での冷却を行う。冷却後に圧粉磁心が得られる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは全て本発明の技術的範囲に包含される。なお、特に断らない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」をそれぞれ意味する。
実験例
軟磁性粉末として純鉄粉(神戸製鋼所製;アトメル300NH;粒径80〜100μm)を用いた。
りん酸鉄化成皮膜用処理液として、水:50部、Na2HPO4:30部、H3PO4:10部、(NH2OH)2・H2SO4:10部、Co3(PO42:10部を混合して、さらに水で10倍に希釈した処理液を用いた。この処理液50ccを上記純鉄粉1kgに添加し、V型混合機を用いて30分以上混合した後、大気中で200℃で30分乾燥し、目開き300μmの篩を通した。
次に、メチル基が100モル%、T単位が100モル%であるシリコーン樹脂「KR220L」(信越化学工業社製)をトルエンに溶解させて、4.8%の固形分濃度の樹脂溶液を作製した。この樹脂溶液を上記鉄粉に対して樹脂固形分が0.15%となるように添加混合し、オーブン炉で大気中、75℃、30分間加熱して乾燥した後、目開き300μmの篩を通した。その後、150℃で30分間、予備硬化を行った。
続いて、ステアリン酸Znをアルコールに分散させて金型表面に塗布した後、圧粉成形体用鉄粉を入れ、面圧980MPaで室温(25℃)での圧粉成形を行った。成形体寸法は、31.75mm×12.7mm、高さ約5mmである。その後、600℃で1分間もしくは30分間、窒素雰囲気下で焼鈍した。昇温速度は約5℃/分とした。熱処理後は炉冷、室温(非加熱)の水による冷却(水クエンチ)、室温(非加熱)の油(出光興産社製;「ダフニー クエンチB」)による冷却(油クエンチ)を行った。
得られた成形体の密度、保磁力、比抵抗、抗折強度を測定し、表1に示した。測定方法は以下の通りである。
[密度]
成形体の質量およびサイズを実測し、計算で求めた。
[保磁力]
理研電子社製のBHカーブトレーサー「BHS−40S」を用い、25℃で最大印加磁場(B)を100(Oe)として測定した。
[比抵抗]
比抵抗の測定は4端子法で行った。プローブには理化電子社製「RM−14L」を、測定器には岩崎通信機社製デジタルマルチメータ「VOAC−7510」をそれぞれ用い、4端子抵抗測定モードで測定を行った。測定は、端子間距離を7mm、プローブのストローク長を5.9mm、スプリング荷重を10−Sタイプとし、プローブを測定試料に押し当てて実施した。
[抗折強度]
抗折強度試験は、JPMA M 09−1992(日本粉末冶金工業会企画;焼結金属材料の抗折力試験方法)に準拠した3点曲げ試験を行った。強度測定には引張試験機(島津製作所製「AUTOGRAPH AG−5000E」)を使用し、支点間距離を25mmとした。
[降温時間]
試験片に熱電対を挿入して温度を調べながら、熱処理終了後から成形体が400℃に達するまでに要した時間を測定した。
Figure 2011114331
表1から明らかなとおり、成形条件自体は同じなので、いずれの成形体も密度はほとんど変わらない。しかし、比較例1では、降温速度が緩慢な炉冷を行ったので、成形体が400℃に達するまでに約40分も要しており、その結果、リン酸系化成皮膜の薄肉化が起こって絶縁性が低下し、比抵抗が大きく落ち込んだことがわかる。比較例2では、熱処理時間が短すぎてヒステリシス損を低減することができず、保磁力が高いままであった。
実施例1および2では、充分な熱処理時間と、液媒による冷却(クエンチ)を組み合わせたことにより、保磁力、比抵抗、抗折強度がバランス良く優れたものとなった。
本発明の圧粉磁心の製造方法によれば、高磁束密度、低保磁力(低鉄損)、高機械的強度を達成し得る圧粉磁心を製造することができる。この圧粉磁心は、モータのロータやステータのコアとして有用である。

Claims (5)

  1. 鉄基軟磁性粉末表面にりん酸系化成皮膜を有する圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末を圧粉成形した後、圧粉成形体に熱処理を施して圧粉磁心を製造する方法において、
    上記熱処理温度を550℃以上、熱処理時間を20分超とし、熱処理終了後の圧粉成形体を液媒中で冷却することを特徴とする圧粉磁心の製造方法。
  2. 液媒として水または油を用いる請求項1に記載の製造方法。
  3. 上記液媒が30℃以下である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 熱処理終了後の圧粉成形体が400℃に降温するまでの所要時間が3分未満である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法によって得られたものであることを特徴とする圧粉磁心。
JP2009272525A 2009-11-30 2009-11-30 圧粉磁心の製造方法およびこの製造方法によって得られた圧粉磁心 Expired - Fee Related JP5159751B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009272525A JP5159751B2 (ja) 2009-11-30 2009-11-30 圧粉磁心の製造方法およびこの製造方法によって得られた圧粉磁心

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009272525A JP5159751B2 (ja) 2009-11-30 2009-11-30 圧粉磁心の製造方法およびこの製造方法によって得られた圧粉磁心

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011114331A true JP2011114331A (ja) 2011-06-09
JP5159751B2 JP5159751B2 (ja) 2013-03-13

Family

ID=44236398

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009272525A Expired - Fee Related JP5159751B2 (ja) 2009-11-30 2009-11-30 圧粉磁心の製造方法およびこの製造方法によって得られた圧粉磁心

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5159751B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012173239A1 (ja) * 2011-06-17 2012-12-20 株式会社神戸製鋼所 圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末およびその製造方法、ならびに圧粉磁心
JP2013187481A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Jfe Steel Corp 圧粉磁心の製造方法および圧粉磁心
CN105149574A (zh) * 2015-09-21 2015-12-16 中南大学 一种铁基软磁合金粉末包覆方法及软磁复合材料制备方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6274058A (ja) * 1985-09-27 1987-04-04 Toshiba Corp 非晶質磁性合金コアの熱処理方法
JPS63129606A (ja) * 1986-11-20 1988-06-02 Toshiba Corp 非晶質磁性合金コアの製造方法
JP2004207365A (ja) * 2002-12-24 2004-07-22 Aisin Seiki Co Ltd 磁気回路部材およびその製造方法
JP2004339603A (ja) * 2003-04-25 2004-12-02 Jfe Steel Kk 高周波磁気特性に優れた高強度無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP2004353037A (ja) * 2003-05-29 2004-12-16 Jfe Steel Kk 磁気特性に優れた高強度無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP2005179746A (ja) * 2003-12-19 2005-07-07 Nippon Steel Corp 磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板と、その製造方法および歪取焼鈍方法
JP2007027320A (ja) * 2005-07-14 2007-02-01 Sumitomo Electric Ind Ltd 軟磁性材料、圧粉磁心、および軟磁性材料の製造方法
JP2008063651A (ja) * 2006-09-11 2008-03-21 Kobe Steel Ltd 圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末およびその製造方法ならびに圧粉磁心

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6274058A (ja) * 1985-09-27 1987-04-04 Toshiba Corp 非晶質磁性合金コアの熱処理方法
JPS63129606A (ja) * 1986-11-20 1988-06-02 Toshiba Corp 非晶質磁性合金コアの製造方法
JP2004207365A (ja) * 2002-12-24 2004-07-22 Aisin Seiki Co Ltd 磁気回路部材およびその製造方法
JP2004339603A (ja) * 2003-04-25 2004-12-02 Jfe Steel Kk 高周波磁気特性に優れた高強度無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP2004353037A (ja) * 2003-05-29 2004-12-16 Jfe Steel Kk 磁気特性に優れた高強度無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP2005179746A (ja) * 2003-12-19 2005-07-07 Nippon Steel Corp 磁気特性に優れた無方向性電磁鋼板と、その製造方法および歪取焼鈍方法
JP2007027320A (ja) * 2005-07-14 2007-02-01 Sumitomo Electric Ind Ltd 軟磁性材料、圧粉磁心、および軟磁性材料の製造方法
JP2008063651A (ja) * 2006-09-11 2008-03-21 Kobe Steel Ltd 圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末およびその製造方法ならびに圧粉磁心

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012173239A1 (ja) * 2011-06-17 2012-12-20 株式会社神戸製鋼所 圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末およびその製造方法、ならびに圧粉磁心
JP5189691B1 (ja) * 2011-06-17 2013-04-24 株式会社神戸製鋼所 圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末およびその製造方法、ならびに圧粉磁心
US9472328B2 (en) 2011-06-17 2016-10-18 Kobe Steel, Ltd. Iron-based soft magnetic powder for dust core use, manufacturing method thereof, and dust core
JP2013187481A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Jfe Steel Corp 圧粉磁心の製造方法および圧粉磁心
CN105149574A (zh) * 2015-09-21 2015-12-16 中南大学 一种铁基软磁合金粉末包覆方法及软磁复合材料制备方法
CN105149574B (zh) * 2015-09-21 2017-04-05 中南大学 一种铁基软磁合金粉末包覆方法及软磁复合材料制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5159751B2 (ja) 2013-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4044591B1 (ja) 圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末およびその製造方法ならびに圧粉磁心
JP5580725B2 (ja) 圧粉磁心の製造方法、および該製造方法によって得られた圧粉磁心
JP2009228107A (ja) 圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末およびその製造方法ならびに圧粉磁心
JP5597512B2 (ja) 圧粉磁心の製造方法およびこの製造方法によって得られる圧粉磁心
JP5202382B2 (ja) 圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末およびその製造方法、ならびに圧粉磁心
KR101369109B1 (ko) 압분자심의 제조 방법 및 그 제조 방법에 의해 얻어진 압분자심
TWI406305B (zh) Iron-based soft magnetic powder and dust core for powder core
JP4723442B2 (ja) 圧粉磁心および圧粉磁心用の鉄基粉末
JP5833983B2 (ja) 圧粉磁心用粉末、および圧粉磁心
JP4284004B2 (ja) 高強度圧粉磁心用粉末、高強度圧粉磁心の製造方法
JP5189691B1 (ja) 圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末およびその製造方法、ならびに圧粉磁心
KR101519282B1 (ko) 압분 자심용 철기 연자성 분말 및 그 압분 자심용 철기 연자성 분말의 제조 방법 및 압분 자심
JP5513922B2 (ja) 圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末およびその圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末の製造方法並びに圧粉磁心
JP5814809B2 (ja) 圧粉磁心用混合粉末
JP5159751B2 (ja) 圧粉磁心の製造方法およびこの製造方法によって得られた圧粉磁心
JP2009032880A (ja) 高周波用の圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末および圧粉磁心
JP2011129857A (ja) 圧粉磁心の製造方法およびこの製造方法によって得られた圧粉磁心
JP4856602B2 (ja) 圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末および圧粉磁心
JP5427666B2 (ja) 改質圧粉体の製造方法、および該製造方法によって得られた圧粉磁心
JP6073066B2 (ja) 圧粉磁心用軟磁性鉄基粉末の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120731

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121211

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5159751

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151221

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees