JP2011113015A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度検知部材を配置するためのスペースの制約を解消する。
【解決手段】定着装置100は、用紙Pに転写された現像剤像を熱定着する装置であり、筒状の定着フィルム110と、定着フィルム110の内側に配置されたハロゲンランプ120と、定着フィルム110の内面に摺接するように配置されたニップ板130と、ハロゲンランプ120からの輻射熱をニップ板130に向けて反射する反射板140と、ニップ板130との間で定着フィルム110を挟むことで定着フィルム110との間にニップ部Nを形成する加圧ローラ150と、定着フィルム110の内側に配置された温度検知部材(サーモスタット180)とを備えている。温度検知部材は、反射板140の温度を検知するように配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、記録シートに転写された現像剤像を熱定着する定着装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置として、定着ベルトと、定着ベルトの周内に配置されたハロゲンランプ(発熱体)と、定着ベルトを介して加圧ロールとの間にニップ部を形成する押圧支持体(ニップ板)とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
そして、このような定着装置には、定着温度(発熱体)を制御するための温度センサが設けられている。具体的に、特許文献1に記載の定着装置では、ニップ板の定着ベルト(定着フィルム)と摺接する面に凹部が形成されており、この凹部に温度センサである接触式サーミスタが配置されている。
特開2006−251479号公報
ところで、温度センサ(温度検知部材)は、発熱体によって直接加熱されるニップ板の温度を検知するように配置されることが望ましい。しかしながら、定着フィルム内のスペースの制約から、温度検知部材をニップ板の温度を検知するように配置することが難しい場合がある。
また、特許文献1に記載されたような構成を採用すると、回転する定着フィルムの内周面が温度検知部材や凹部の開口縁などに摺接するので、定着フィルムや温度検知部材が傷ついたり、摩耗したりするおそれがあった。
本発明は、以上のような背景に鑑みてなされたものであり、温度検知部材を配置するためのスペースの制約を解消することができる定着装置を提供することを目的とする。
前記した目的を達成するため、本発明の定着装置は、記録シートに転写された現像剤像を熱定着する定着装置であって、筒状の定着フィルムと、前記定着フィルムの内側に配置された発熱体と、前記定着フィルムの内面に摺接するように配置されたニップ板と、前記発熱体からの輻射熱を前記ニップ板に向けて反射する反射部材と、前記ニップ板との間で前記定着フィルムを挟むことで前記定着フィルムとの間にニップ部を形成するバックアップ部材と、前記定着フィルムの内側に配置された温度検知部材とを備え、前記温度検知部材は、前記反射部材の温度を検知するように配置されたことを特徴とする。
このように構成された定着装置によれば、温度検知部材が反射部材の温度を検知するように配置されているので、温度検知部材をニップ板の温度を検知するように配置する構成と比較して、温度検知部材の配置の自由度を高めることができる。これにより、温度検知部材を配置するためのスペースの制約を解消することができる。
なお、反射部材は、ニップ板と同様に、発熱体からの輻射熱を直接受ける部材なので、発熱体から輻射熱を受けることでニップ板と略同じように温度上昇する。したがって、温度検知部材を反射部材の温度を検知するように配置した場合であっても、発熱体の温度(状態)を検知することが可能となる。
本発明によれば、温度検知部材が、反射部材の温度を検知するように配置されているので、温度検知部材の配置の自由度を高めることが可能となり、温度検知部材を配置するためのスペースの制約を解消することができる。
本発明の実施形態に係る定着装置を備えたレーザプリンタの概略構成を示す図である。 定着装置の断面図である。 定着装置の斜視図である。 ハロゲンランプ、ニップ板、反射板、ステイ、サーミスタおよびサーモスタットの斜視図である。 変形例に係る定着装置の断面図である。 他の変形例に係る定着装置の断面図(a),(b)である。 別の変形例に係る定着装置の断面図である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、まず、本発明の実施形態に係る定着装置100を備えたレーザプリンタ1(画像形成装置)の概略構成について説明した後、定着装置100の詳細な構成について説明する。
<レーザプリンタの概略構成>
図1に示すように、レーザプリンタ1は、本体筐体2内に、記録シートの一例としての用紙Pを供給する給紙部3と、露光装置4と、用紙Pにトナー像(現像剤像)を転写するプロセスカートリッジ5と、用紙Pに転写されたトナー像を熱定着する定着装置100とを主に備えている。
なお、以下の説明において、方向は、レーザプリンタを使用するユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1における右側を「前」、左側を「後」とし、手前側を「左」、奥側を「右」とする。また、図1における上下方向を「上下」とする。
給紙部3は、本体筐体2内の下部に設けられ、用紙Pを収容する給紙トレイ31と、用紙Pの前側を持ち上げる用紙押圧板32と、給紙ローラ33と、給紙パット34と、紙粉取りローラ35,36と、レジストローラ37とを主に備えている。給紙トレイ31内の用紙Pは、用紙押圧板32によって給紙ローラ33に寄せられ、給紙ローラ33と給紙パット34によって1枚ずつ分離され、紙粉取りローラ35,36およびレジストローラ37を通ってプロセスカートリッジ5に向けて搬送される。
露光装置4は、本体筐体2内の上部に配置され、レーザ発光部(図示せず)と、回転駆動するポリゴンミラー41と、レンズ42,43と、反射鏡44,45,46とを主に備えている。露光装置4では、レーザ発光部から出射される画像データに基づくレーザ光(鎖線参照)が、ポリゴンミラー41、レンズ42、反射鏡44,45、レンズ43、反射鏡46の順に反射または通過して、感光体ドラム61の表面で高速走査される。
プロセスカートリッジ5は、露光装置4の下方に配置され、本体筐体2に設けられたフロントカバー21を開いたときにできる開口から本体筐体2に対して着脱可能に装着される構成となっている。このプロセスカートリッジ5は、ドラムユニット6と、現像ユニット7とから構成されている。
ドラムユニット6は、感光体ドラム61と、帯電器62と、転写ローラ63とを主に備えている。また、現像ユニット7は、ドラムユニット6に対して着脱可能に装着される構成となっており、現像ローラ71と、供給ローラ72と、層厚規制ブレード73と、トナー(現像剤)を収容するトナー収容部74とを主に備えている。
プロセスカートリッジ5では、感光体ドラム61の表面が、帯電器62により一様に帯電された後、露光装置4からのレーザ光の高速走査によって露光されることで、感光体ドラム61上に画像データに基づく静電潜像が形成される。また、トナー収容部74内のトナーは、供給ローラ72を介して現像ローラ71に供給され、現像ローラ71と層厚規制ブレード73の間に進入して一定厚さの薄層として現像ローラ71上に担持される。
現像ローラ71上に担持されたトナーは、現像ローラ71から感光体ドラム61上に形成された静電潜像に供給される。これにより、静電潜像が可視像化され、感光体ドラム61上にトナー像が形成される。その後、感光体ドラム61と転写ローラ63の間を用紙Pが搬送されることで感光体ドラム61上のトナー像が用紙P上に転写される。
定着装置100は、プロセスカートリッジ5の後方に設けられている。用紙P上に転写されたトナー像(トナー)は、定着装置100を通過することで用紙P上に熱定着される。トナー像が熱定着された用紙Pは、搬送ローラ23,24によって排紙トレイ22上に排出される。
<定着装置の詳細構成>
図2および図3に示すように、定着装置100は、定着フィルム110と、発熱体の一例としてのハロゲンランプ120と、ニップ板130と、反射部材の一例としての反射板140と、バックアップ部材の一例としての加圧ローラ150と、ステイ160と、2つのサーミスタ170と、温度検知部材の一例としてのサーモスタット180とを主に備えている。
なお、以下の説明においては、用紙Pの搬送方向(前後方向)を単に「搬送方向」といい、用紙Pの幅方向(左右方向)を単に「幅方向」という。
定着フィルム110は、耐熱性と可撓性を有する無端状(筒状)のフィルムであり、その幅方向両端部が図示しないガイド部材により回転が案内されている。
ハロゲンランプ120は、ニップ板130を介して定着フィルム110(ニップ部N)を加熱することで用紙P上のトナーを加熱する公知の発熱体であり、定着フィルム110の内側において、定着フィルム110およびニップ板130の内面から所定の間隔をあけて配置されている。
ニップ板130は、加圧ローラ150の押圧力を受けるとともに、ハロゲンランプ120からの輻射熱を定着フィルム110を介して用紙P上のトナーに伝達する板状の部材であり、その下面が筒状の定着フィルム110の内面に摺接するように配置されている。
このニップ板130は、後述するスチール製のステイ160より熱伝導率が大きい、例えば、アルミニウム板などから形成されており、ベース部131と、突出部132とを主に有している。
ベース部131は、搬送方向における中央部131Aが両端部131Bより加圧ローラ150側(下方)に向けて凸となるように屈曲形成されている。なお、ベース部131の内面(上面)には、黒色の塗装層など、ハロゲンランプ120からの輻射熱を吸収する部材を設けてもよい。これによれば、ハロゲンランプ120からの輻射熱を効率良く吸収することができる。
突出部132は、ベース部131の搬送方向における後側の端部(後端部131R)から搬送方向に沿って後方に突出するように形成されている。この突出部132は、図4に示すように、ベース部131の後端部131Rの右端付近と中央付近にそれぞれ1つずつ、合計2つ形成されている。
図2に示すように、反射板140は、ハロゲンランプ120からの輻射熱をニップ板130(ベース部131の内面)に向けて反射する部材であり、定着フィルム110の内側において、ハロゲンランプ120を取り囲むようにハロゲンランプ120から所定の間隔をあけて配置されている。
このような反射板140によってハロゲンランプ120からの輻射熱をニップ板130に集めることで、ハロゲンランプ120からの輻射熱を効率良く利用することができ、ニップ板130および定着フィルム110を速やかに加熱することができる。
反射板140は、赤外線および遠赤外線の反射率が大きい、例えば、アルミニウム板などを断面視略U形状に湾曲させて形成されている。より詳細に、反射板140は、湾曲形状(断面視略U形状)をなす反射部141と、反射部141の両端部から搬送方向に沿って延びるフランジ部142とを主に有している。なお、熱反射率を高めるため、反射板140は、鏡面仕上げを施したアルミニウム板などを用いて形成してもよい。
加圧ローラ150は、ニップ板130との間で定着フィルム110を挟むことで定着フィルム110との間にニップ部Nを形成する部材であり、ニップ板130の下方に配置されている。より詳細に、加圧ローラ150は、定着フィルム110を介してニップ板130を押圧することで定着フィルム110との間にニップ部Nを形成している。
この加圧ローラ150は、本体筐体2内に設けられた図示しないモータから駆動力が伝達されて回転駆動するように構成されており、回転駆動することで定着フィルム110(または用紙P)との摩擦力により定着フィルム110を従動回転させる。トナー像が転写された用紙Pは、加圧ローラ150と加熱された定着フィルム110の間(ニップ部N)を搬送されることでトナー像(トナー)が熱定着されることとなる。
ステイ160は、ニップ板130(ベース部131)の両端部131Bを支持することでニップ板130の剛性を確保する部材であり、反射板140(反射部141)の外面形状に沿った形状(断面視略U形状)を有して反射板140を覆うように配置されている。このようなステイ160は、比較的剛性が大きい、例えば、鋼板などを断面視略U形状に折り曲げることで形成されている。
このステイ160は、ニップ板130(両端部131B)との間で、反射板140のフランジ部142を挟んでいる。これにより、上下方向における反射板140の位置ずれを抑制できるのでニップ板130に対する反射板140の位置を固定することができるとともに、反射板140の剛性も確保することができる。
ステイ160の内面と反射板140(反射部141)の外面の間には、薄層状の空間部Sが形成されている。これにより、外部から冷えた空気が大量に流れ込むことによって生じる熱の損失を抑制することができる。また、空間部Sにある空気は、外部に流れ出にくいので、この空気が温められることで保温層として作用し、反射板140から外部に熱が逃げることを抑制することができる。以上により、ニップ板130の加熱効率を向上させることができるので、ニップ板130(ニップ部N)を速やかに加熱することができる。
図3および図4に示すように、ステイ160は、その後壁160Rにサーミスタ170を配置するための2つの切欠161を有している。より詳細に、切欠161は、ニップ板130の2つの突出部132に対応する位置において、サーミスタ170に接触しない程度の隙間を有するように、それぞれ形成されている。
サーミスタ170は、公知の温度センサであり、ニップ板130の温度を検知するように配置されている。具体的には、図2および図3に示すように、各サーミスタ170は、定着フィルム110の内側において、上部に設けられた固定用リブ173がステイ160の後壁160Rにネジ179によって固定され、ニップ板130の突出部132の上面(定着フィルム110と摺接する面とは反対側の面)に対面して配置されている。各サーミスタ170は、温度検知面171が突出部132の上面に接触している。
また、図2に示すように、各サーミスタ170(図2では一方のみ図示)は、搬送方向における反射板140(反射部141)の外側に配置されている。より詳細に、各サーミスタ170は、搬送方向におけるニップ部Nの外側において、反射板140の搬送方向下流側(後側)に配置されている。さらに、各サーミスタ170は、反射板140(反射部141)の外面と接触しないように、反射板140との間に隙間を有した状態で配置されている。
各サーミスタ170の検知結果は、本体筐体2内に設けられた図示しない制御装置に入力される。そして、制御装置は、サーミスタ170の検知結果に基づいて、ハロゲンランプ120の出力やON・OFFなどを制御することで定着温度(ニップ部Nの温度)を制御する。このような制御は公知なので詳細な説明を省略する。
サーモスタット180は、バイメタルなどを利用した公知の温度検知素子であり、反射板140の温度を検知するように配置されている。具体的に、サーモスタット180は、定着フィルム110の内側において、幅方向両端に設けられた固定片183がステイ160の上壁にネジ189によって固定され(図3参照)、反射板140(反射部141)の上方で温度検知面181を反射板140に対面させた状態で配置されている。さらに述べると、サーモスタット180は、反射板140を挟んでハロゲンランプ120とは反対側に配置されている。
ここで、反射板140は、ニップ板130と同様に、ハロゲンランプ120からの輻射熱を直接受ける部材なので、ハロゲンランプ120から輻射熱を受けることでニップ板130と略同じような傾向で温度上昇する。特に本実施形態では、ハロゲンランプ120からニップ板130(中央部131A)までの距離と、ハロゲンランプ120から反射板140(反射部141の上部)までの距離が略等しいので、温度上昇の傾向が極めて近くなる。したがって、サーモスタット180を反射板140の温度を検知するように配置することによっても、ハロゲンランプ120の温度(状態)を検知することができる。
サーモスタット180は、ハロゲンランプ120に電力を供給する回路上に設けられており、所定値以上の温度を検知したときにハロゲンランプ120への通電を遮断する。これにより、定着装置100の温度が過剰に上昇することを防止することができる。
なお、反射板140は、ハロゲンランプ120からの輻射熱をニップ板130に向けて反射する部材なので、反射板140自身は加熱されにくく、ハロゲンランプ120への通電開始から、ニップ部Nの温度が上昇するまでの時間と、反射板140の温度が上昇するまでの時間との間にずれが生じることがある。そこで、本発明においては、前記したようなずれ(時間差)を補正することができるように、最適な検出温度範囲のサーモスタット180を選択したり、温度検知面181に黒色の塗装層などの輻射熱を吸収する部材を設けたりしてもよい。
以上説明した定着装置100によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
サーモスタット180が反射板140の温度を検知するように配置されているので、サーモスタット180をニップ板130の温度を検知するように配置する場合と比較して、サーモスタット180の配置の自由度を高めることができる。これにより、サーモスタット180を配置するためのスペースの制約を解消することができる。また、定着フィルム110内のスペースを有効に利用することができる。
また、サーモスタット180を定着フィルム110の内面から間隔をあけて配置することが可能となるので、定着フィルム110はサーモスタット180と摺接することなく回転することができる。これにより、定着フィルム110やサーモスタット180の傷や摩耗を抑制することができる。
サーモスタット180が反射板140を挟んでハロゲンランプ120とは反対側に配置されているので、ニップ板130や反射板140の内面に向かうハロゲンランプ120からの輻射熱や、ニップ板130の内面に向かう反射板140で反射された輻射熱が、サーモスタット180によって妨げられることがない。これにより、ニップ板130(ニップ部N)の速やかな加熱が可能となるので、定着装置100の立ち上がりを早くすることができる。
また、反射板140に対してサーモスタット180をハロゲンランプ120と同じ側に配置する場合、耐熱性を向上させた部品(サーモスタット180)を使用する必要が生じて高コストとなるが、サーモスタット180をハロゲンランプ120とは反対側に配置することで、耐熱性を向上させる必要がなくなるので部品コストを抑えることができる。
ニップ板130の温度を検知するサーミスタ170が、ニップ板130の定着フィルム110と摺接する面とは反対側の面(ニップ板130の上面)に対面して配置されているので、定着フィルム110はサーミスタ170と摺接することなく回転することができる。これにより、定着フィルム110やサーミスタ170の傷や摩耗を抑制することができる。
さらに、サーミスタ170は、ニップ板130の定着フィルム110と摺接する面とは反対側の面に対面した状態で、搬送方向における反射板140(反射部141)の外側に配置されているので、ハロゲンランプ120からの輻射熱の影響を直接受けることはない。これにより、ニップ板130の温度を精度良く検知することができるので、温度制御の精度を向上させることができる。
また、サーミスタ170を反射板140の内側に配置する場合、耐熱性を向上させた部品(サーミスタ170)を使用する必要が生じて高コストとなるが、サーミスタ170を反射板140の外側に配置することで、耐熱性を向上させる必要がなくなるので部品コストを抑えることができる。
また、サーミスタ170が反射板140の外側に配置されているので、ハロゲンランプ120からの輻射熱や、反射板140で反射された輻射熱は、サーミスタ170に妨げられることなくニップ板130の内面に集められる。これにより、ニップ板130の速やかな加熱が可能となるので、定着装置100の立ち上がりを早くすることができる。
特に本実施形態では、サーミスタ170がニップ部Nの外側に配置されているので、輻射熱はサーミスタ170に妨げられることなく確実にニップ板130の中央部131Aの内面に集められる。これにより、ニップ部Nの全体を確実に、かつ、均一に定着温度まで加熱することができるので、熱定着性を向上させることができる。
サーミスタ170が搬送方向における反射板140の下流側に配置されているので、定着フィルム110内のスペースを有効に利用することができる。補足すると、可撓性を有する定着フィルム110は、ニップ部Nに入るときには、加圧ローラ150に引っ張られて張った状態となり、ニップ部Nから出るときには、若干たるんだ状態となる。そのため、ニップ部Nの下流側では、定着フィルム110がたるむことで、反射板140の後側(下流側)にスペースが形成される。
そこで、サーミスタ170を反射板140の下流側、すなわち、定着フィルム110がたるむことで形成されるスペースに配置することで、定着フィルム110内のスペースを有効に利用することができる。
また、サーミスタ170を配置するためのスペースを特別に設ける必要がないので、定着フィルム110内のスペースを小さくすることができ、定着フィルム110の周長を短くすることができる。これにより、定着フィルム110の回転時間が短くなって定着フィルム110からの放熱を抑制することができるので、定着装置100の立ち上がりを早くすることが可能となる。
ニップ板130が後端部131Rから搬送方向に沿って後方に部分的に突出する突出部132を有し、サーミスタ170が突出部132に対面して配置されているので、ニップ板130の後側の端部131Bの全体を後方に延ばした形状と比較して、ニップ板130の体積(熱容量)を小さくすることができる。これにより、ニップ板130(ニップ部N)の速やかな加熱が可能となるので、定着装置100の立ち上がりを早くすることができる。
サーミスタ170が反射板140との間に隙間を有した状態で配置されているので、ハロゲンランプ120から反射板140に伝達した熱が、さらにサーミスタ170に移動することを抑制することができる。これにより、サーミスタ170がニップ板130の温度を精度良く検知することができるので、温度制御の精度を向上させることができる。また、サーミスタ170の耐熱性を向上させる必要がないので、部品コストを抑えることができる。
ステイ160がサーミスタ170を配置するための切欠161を有するので、空間部S(特に搬送方向における反射板140の外面とステイ160の内面との間の隙間)を大きくすることなくサーミスタ170を配置することができる。これにより、空間部Sによる保温性を確保することができる。
また、ステイ160がサーミスタ170を配置するための切欠161を有することで、サーミスタ170をニップ板130の中央部131A(ニップ部N)に近接して配置することができる。これにより、サーミスタ170の応答性を向上させることができ、温度制御の精度を向上させることができる。
さらに、サーミスタ170を搬送方向におけるステイ160の外側に配置する構成と比較して、ニップ板130を搬送方向に小型化することができる。これにより、ニップ板130の熱容量を小さくすることができるので、ニップ板130(ニップ部N)の速やかな加熱が可能となり、定着装置100の立ち上がりを早くすることができる。
サーミスタ170が、ハロゲンランプ120によって直接加熱されるニップ板130の温度を検知するように配置されているので、ニップ板130を介してハロゲンランプ120の温度(状態)を精度良く検知することができ、温度制御の精度を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
前記実施形態では、サーミスタ170が搬送方向における反射板140の下流側に配置された構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、図5に示すように、サーミスタ170は、搬送方向における反射板140の上流側に配置されていてもよい。なお、図5に示す形態では、サーミスタ170を配置するための切欠161が、ステイ160の前壁160Fに設けられている。
このように、サーミスタ170が搬送方向における反射板140の上流側に配置されることで、ニップ板130のうち、ベース部131の中央部131Aよりも前側の部分を前方に延ばすことができる。そして、この前方に延びた部分(プレヒート部131C)を定着フィルム110の内面に摺接させることで、ニップ部Nに入る前の定着フィルム110を事前に加熱(プレヒート)することができ、熱定着性を向上させることができる。
また、もともとプレヒート部131Cを有する構成においては、サーミスタ170をプレヒート部131Cの上面に配置することで、定着フィルム110内のスペースを有効に利用することができる。この場合、サーミスタ170を配置するためのスペースを特別に設ける必要がないので、定着フィルム110内のスペースを小さくすることができ、定着フィルム110の周長を短くすることができる。これにより、定着フィルム110の回転時間が短くなって定着フィルム110からの放熱を抑制することができるので、定着装置100の立ち上がりを早くすることが可能となる。
前記実施形態では、サーミスタ170がステイ160に設けられた切欠161に配置された構成を例示したが、これに限定されず、例えば、サーミスタ170は、搬送方向におけるステイの外側に配置されていてもよい。具体的に、サーミスタ170は、図6(a)に示すように、ステイ160の搬送方向下流側(後側)に配置されていてもよいし、図6(b)に示すように、ステイ160の搬送方向上流側(前側)に配置されていてもよい。
前記実施形態では、サーモスタット180(温度検知部材)を反射板140(反射部材)の上方に配置した例を示したが、これに限定されず、例えば、サーモスタット180を反射板140の前方または後方に配置してもよい。また、反射部材の温度を検知可能であれば、温度検知部材を反射部材の内側(発熱体が配置された側と同じ側)に配置してもよい。
前記実施形態では、発熱体としてハロゲンランプ120(ハロゲンヒータ)を例示したが、これに限定されず、例えば、赤外線ヒータやカーボンヒータなどであってもよい。
前記実施形態では、ニップ板130は、サーミスタ170が対面して配置される2つの突出部132を有していたが、これに限定されるものではない。例えば、ニップ板130(ベース部131)の両端部131Bの少なくとも一方を搬送方向前方または後方に延ばし、その上面にサーミスタ170を対面して配置してもよい。なお、突出部132の数は2つに限定されず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
前記実施形態では、ニップ板130(ベース部131)の搬送方向における中央部131Aを両端部131Bより下方に向けて凸となるように屈曲形成した例を示したが、これに限定されず、例えば、中央部を両端部より上方に向けて凸となるように屈曲形成してもよい。また、ニップ板130(ベース部131)は平板状であってもよい。
前記実施形態では、バックアップ部材として加圧ローラ150を例示したが、これに限定されず、例えば、ベルト状の加圧部材などであってもよい。また、前記実施形態では、加圧ローラ150(バックアップ部材)がニップ板130を押圧することでニップ部Nを形成する構成を例示したが、これに限定されず、ニップ板がバックアップ部材を押圧することでニップ部を形成する構成としてもよい。
前記実施形態では、ニップ板130の剛性を確保するステイ160を備えた構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、ニップ板自身の剛性によって、ニップ板の剛性を十分に確保することができるのであれば、ステイ160を設けない構成としてもよい。
また、図7に示すように、反射板(反射部材240)の板厚を厚くするなどして、ニップ板130の剛性を十分に確保することができるのであれば、ステイ160を設けない構成としてもよい。言い換えれば、反射部材240が、前記実施形態の反射板140とステイ160の機能の両方を兼ねていてもよい。
前記実施形態では、温度検知面171とニップ板130(突出部132)の上面が接触した状態で配置される、接触式の温度センサ(サーミスタ170)を採用した例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、温度検知面とニップ板の上面の間に隙間(所定の間隔)を有した状態で配置される、非接触式の温度センサを採用してもよい。
前記実施形態では、反射板140(反射部材)の板厚は略均一(図2参照)であったが、これに限定されるものではない。例えば、サーモスタット180(温度検知部材)が反射部材240に対面して配置される構成において、図7に示すように、反射部材240は、サーモスタット180と対面する対面部244の厚さが、対面部244を除く部位の厚さより薄くなっていてもよい。このような構成によれば、サーモスタット180の検知精度や応答性を調整することが可能となる。
ここで、図7に示す形態では、平面視における対面部244(凹部)の大きさが、サーモスタット180の温度検知面181より小さくなっている。このような構成によれば、温度検知面181を対面部244(凹部)の縁部に当接させることで、サーモスタット180の上下方向の位置を安定して決めることができる。なお、平面視における対面部244の大きさは、温度検知面181と同じであってもよいし、温度検知面181より大きくてもよい。
また、図7に示す形態では、サーモスタット180は、断面視略U形状の支持部材190にネジや接着剤などによって固定されている。なお、支持部材190には複数の係合穴191が設けられており、この係合穴191が反射部材240に設けられた固定用ボス245に係合することで、支持部材190自身が反射部材240に固定されている。
前記実施形態では、温度検知部材としてサーモスタット180を例示したが、これに限定されず、例えば、温度ヒューズやサーミスタなどであってもよい。なお、前記したように、発熱体が熱の放射を開始してから、ニップ部の温度が上昇するまでの時間と、反射板140(反射部材)の温度が上昇するまでの時間との間には時間差が生じる。そこで、温度検知部材として、サーミスタのような温度変化を経時的に検知可能な温度センサを採用する場合、温度制御の精度を向上させるために、時間差を補正するための補正式などを設定した上で定着温度を制御するように構成してもよい。また、温度検知部材の数は、前記実施形態に限定されず、例えば、定着装置のサイズやコストなどに応じて適宜設定することができる。
前記実施形態では、記録シートとして、普通紙やはがきなどの用紙Pを例示したが、これに限定されず、例えば、OHPシートなどであってもよい。
前記実施形態では、本発明の定着装置を備えた画像形成装置として、レーザプリンタ1を例示したが、これに限定されず、例えば、LEDによって露光を行うLEDプリンタであってもよいし、プリンタ以外の複写機や複合機などであってもよい。また、前記実施形態では、モノクロ画像を形成する画像形成装置を例示したが、これに限定されず、カラー画像を形成する画像形成装置であってもよい。
100 定着装置
110 定着フィルム
120 ハロゲンランプ
130 ニップ板
131 ベース部
131R 後端部
132 突出部
140 反射板
150 加圧ローラ
160 ステイ
161 切欠
170 サーミスタ
180 サーモスタット
240 反射部材
244 対面部
N ニップ部
P 用紙

Claims (3)

  1. 記録シートに転写された現像剤像を熱定着する定着装置であって、
    筒状の定着フィルムと、
    前記定着フィルムの内側に配置された発熱体と、
    前記定着フィルムの内面に摺接するように配置されたニップ板と、
    前記発熱体からの輻射熱を前記ニップ板に向けて反射する反射部材と、
    前記ニップ板との間で前記定着フィルムを挟むことで前記定着フィルムとの間にニップ部を形成するバックアップ部材と、
    前記定着フィルムの内側に配置された温度検知部材とを備え、
    前記温度検知部材は、前記反射部材の温度を検知するように配置されたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記温度検知部材は、前記反射部材を挟んで前記発熱体とは反対側に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記温度検知部材は、前記反射部材に対面して配置され、
    前記反射部材は、前記温度検知部材と対面する対面部の厚さが、当該対面部を除く部位の厚さより薄いことを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
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