JP2011112961A - 画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】周囲の明るさが違っても高輝度階調領域のグラデーションの明るさ刻みが中間階調領域のグラデーションの明るさ刻みと同じように感覚され易くなる画像表示装置を提供する。
【解決手段】映像信号処理部104は、環境光計測部101によって検出された周囲の明るさに応じて発光輝度特性を変更する。発光輝度特性は中間階調領域の比例関係を基調としつつ高輝度階調領域で階調の最高値に近付くほど階調の刻みに割り当てる表示輝度の常用対数値の差分量を増している。そして、明るい環境では高輝度階調領域で表示輝度の常用対数値の差分量を増す量を低い環境の場合よりも小さくする。周囲の明るさが明るいときは瞳孔が閉じて目に入射する光量が絞られるため、高輝度(まぶしさ)に起因する明るさ差の判別能力の低下は、画像の輝度がかなり高くならないと現れないからである。
【選択図】図1

Description

画像の階調を輝度で表示する画像表示装置に関し、詳しくは周囲の明るさに応じて、人間の視覚特性に合わせて画像の階調と表示輝度の関係を修正する制御に関する。
自然界に存在する輝度(照度)で人間が明るさを判別できる範囲は1×10−4〜1×10lxの広域にわたり、人間は、輝度の明るさを、実際の輝度の常用対数値に比例した大きさとして感覚しているとされている。このため、従来のCRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の画像表示装置では、入力画像の階調に対して、画像表示部に表示させる輝度の常用対数値が比例関係を持つように画素ごとの表示輝度を割り当てている。
しかし、人間が明るさを判別できる下限の輝度に近付くほど、上記の単純な比例関係では画素の明るさの差の判別が困難になる。このような人間の視感特性に合わせて画像表示装置が表示可能な輝度範囲で等間隔に感じられる明るさのきざみ幅を階調に割り当てる技術が提案されている(非特許文献1、2)。
また、この技術に基づいて、NATIONAL ELECTRICAL MANUFACTURES ASSOCIATION による医療用ディスプレイ規格が規定されて、当該規格の階調−輝度変換特性を持たせた画像表示装置が市販されている。規格の名称は、DICOM(DIGITAL IMAGING AND COMMUNICATIONS IN MEDICINE)のGSDF(GRAYSCALE STANDARD DISPLAY FUNCTION)規格である。
図9に示すように、この規格では、入力画像の画素の階調に対して画像表示部に表示させる輝度の常用対数値が比例関係(305)を持つことを基調として、階調の刻み幅に割り当てる輝度の常用対数変化量が階調の最低値に近付くほど大きくなる。
ところで、画像表示装置は、周囲の明るさによって、同じ画像でも見え方や明るさの感覚が異なってくる。このため、上記のような階調特性を基調としつつも、付設した明るさセンサの出力に応じて画面の明るさや階調特性を切り換えて画像表現をより自然なものにする制御が実用化されている(特許文献1〜3)。
特開2001−309280号公報 特開平08−146921号公報 特開平06−169437号公報
「DIGITAL IMAGING AND COMMUNICATIONS IN MEDICINE(DICOM)。 PART 14 − GRAYSCALE STANDARD DISPLAY FUNCTION」NATIONAL ELECTRICAL MANUFACTURES ASSOCIATION 「PHYSICAL MODEL FOR THE CONTRAST SENSITIVITY OF HUMAN EYE」 (1992年 PROC. SPIE 1666)BARTEN
後述するように、人間が輝度の差分を識別する能力は一定の範囲があり、従来から知られているように視覚に入射する輝度が低すぎる場合はもちろん高すぎても低下することが判明した。つまり、画像が高輝度になるほど人間の目は階調差を見分けにくくなる。このため、高輝度階調領域のグラデーションが中間階調領域のグラデーションに比較して画像信号の変化に対し輝度差識別能力の低下から階調の変化を感じられずフラットな印象に見えることが判明した。そして、この現象は、既に実用化されている画像表示装置の高輝度領域でも現れていることが判明した。
これに対して、DICOMのGSDF特性では、図9に示すように、未だ実用化されていない高輝度領域の1×10cd/mを超える範囲においても、入力画像の画素の階調に対する輝度の常用対数値の比例関係(305)がほぼ保たれている。このため、DICOMのGSDF特性を採用した画像表示装置であっても、高輝度領域では、中間輝度領域よりもグラデーション(階調差を一定にして階調順に配列した複数の隣接画像)が不連続に見える現象を引き起していることが判明した。
そこで、図9に示すように、画像の階調と表示輝度の常用対数値との関係(301)を、上述した比例関係から階調の最高値に近付くほど大きく乖離させるように表示輝度を設定することが提案された。画像の階調と表示輝度の変換特性(301)は、図8の(c)に示すように、階調の最高値(1023)に近付くほど階調差に割り当てる「輝度の常用対数値の差分量」を大きくしているため、高輝度領域での明るさ差の判別感覚の低下を相殺できる。これにより、高輝度階調領域でも中間階調領域と画像の階調差に対して同じ感覚的な明るさ差を表現できるようになり、高輝度階調領域のグラデーションが中間階調領域のグラデーションと等しい明るさ刻みに感覚されるようになった。
しかし、その後、画像表示装置の周囲の明るさが暗くなると、この変換特性(301)によって回復させたはずの高輝度階調領域のグラデーションが再び不連続化することが判明した。一方、周囲の明るさが明るくなると、高輝度階調領域のグラデーションに階調飛びが発生する、すなわち、変換特性(301)による修正が過剰になることが判明した。
これに対して、特許文献1〜3に記載された制御では、高輝度領域で明るさの感覚的にグラデーションが不連続に見えることも解決していない。このため、高輝度領域のグラデーションの見え方が周囲の明るさによって変化する現象については、解決に向かう示唆がなにも得られない。
本発明は、周囲の明るさが違っても高輝度階調領域のグラデーションの明るさ刻みが中間階調領域のグラデーションの明るさ刻みと同じように感覚され易くなる画像表示装置を提供することを目的としている。
本発明の画像表示装置は、画像表示部と、所定の変換特性を用いて入力画像の階調を前記画像表示部に表示させる輝度に対応させる変換処理を行う階調変換部とを備えるものである。そして、周囲明るさを検出する検出手段を備え、前記階調変換部は、高輝度階調領域では中間階調領域よりも前記階調の刻み幅に割り当てる表示輝度の常用対数値の差分量を増すとともに、検出された周囲明るさが明るいほど高輝度階調領域で前記差分量を増す量を小さくするように前記変換処理を行う。
本発明の画像表示装置は、高輝度階調領域では中間階調領域よりも階調の刻み幅に割り当てる表示輝度の常用対数値の差分量を増すように変換処理を行うので、高輝度側のグラデーションが不連続になることが抑制される。そして、周囲明るさが明るいほど、階調の刻み幅に割り当てる表示輝度の常用対数値の差分量を増す量を減らすように変換処理を行うので、高輝度側のグラデーションが過剰になることが抑制される。
従って、周囲の明るさが違っても高輝度階調領域のグラデーションが中間階調領域のグラデーションと同じように感覚され易くなる。
実施例1に係る映像表示装置の構成を示すブロック図である。 視入射輝度と輝度差弁別閾コントラストとの関係を表す模式図である。 実施例1に係る発光輝度特性設定部の動作を示すフローチャートである。 発光輝度特性を表す模式図である。 実施例2に係る映像表示装置の構成を示すブロック図である。 実施例2に係る発光輝度特性設定部の動作を示すフローチャートである。 実施例2に係る発光輝度特性の補間方法を説明する図である。 画像の階調を表示輝度に変換する発光輝度特性の説明図である。 JNDインデックスに対する視覚の刺激光輝度特性図である。 常用対数を用いる理由の説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明は、階調の最高値付近でのGSDF特性からの乖離が周囲の明るさが明るいほど小さくなる限りにおいて、実施形態の構成の一部又は全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
本実施形態では、画像表示装置としてコンピュータディスプレイなど表示機能だけを有する映像表示装置を説明する。しかし、映像表示装置に映像音声受信部を具備することで、テレビジョン受像機や、カメラやビデオカメラに搭載されている電子ファインダー部なども映像表示装置として同義とする。映像表示装置は、CRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の画像表示装置で利用できる。
なお、特許文献1〜3に示される画像表示装置の構成や制御に関する一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。
<先行技術>
映像表示装置は、多様に変化する環境光の下で使用されるため、固定された画質調整では環境光の影響で画質が劣化する。例えば、家庭における映像表示装置の視環境を考えると、晴れた日の昼間にカーテンを開けた場合と、夜照明を落として映画等を鑑賞する場合とでは視環境照度が大きく異なる。
ある平均的な視環境照度において最良の画像となるように調整された固定の画質調整では、前述のような昼間は表示映像が暗すぎると感じ、反対に夜は明るすぎると感じるため、環境光照度により画質が劣化していると言える。このような画質の劣化を軽減するため、映像表示装置に環境光強度を計測する照度センサを付設し、視聴時の周辺環境照度に応じて映像信号のゲインを調整することで画質を保つ提案がなされ、実用化されている。
特許文献1では、輝度、コントラスト、階調特性をパラメータとした主観尺度値を算出する関数を求め、これにより主観尺度値を満足させるように画質を調整する方法を提案している。この手法における環境光照度と画質調整の関係としては、環境光照度を測定することで明所コントラストを算出し、これを画質調整のパラメータとしている。
特許文献2では、環境光の変化に対応するために、表示部に液晶パネルを配置し、その透過率を環境光の強度に応じて変更させている。この際、階調特性のゲインの変更等による明るさ調整を行った場合に階調の減少等を避けるため、映像信号の階調特性は固定している。
特許文献3では、映像信号の平均輝度、ダイナミックレンジ、環境光などのレベルに応じたコントラスト、ガンマ補正、輪郭補正を行うことで映像信号、環境光の変化に応じて画質調整を行っている。
しかしながら、特許文献1では、明所コントラストを用いているが、明所コントラストは暗所コントラストと環境光照度によって表されるもので、暗所コントラストは表示装置に依存する値である。よって環境光照度による人間の視覚特性は考慮されていない。ただし、主観尺度値は主観評価によって算出されたものであるため、暗に視覚特性に関しても含まれていることが考えられる。しかしながら、環境光に対する順応による視覚特性は考慮されていない。
特許文献2では、環境光照度に応じて表示部の明るさを変更しているが、映像信号の階調特性は固定したままである。人間の視覚特性は、環境光への順応状態で変化するため、階調特性も変化する。よって階調特性を固定したままでは、視覚特性に応じた最良の階調特性とはならず、階調の飛びや潰れといった階調再現の不具合が生じる可能性があった。
特許文献3では、平均輝度・白ピーク・黒ピーク・ノイズ・環境光に応じて、コントラスト・ブライト・ガンマ補正・輪郭補正を行っている。ここで、階調特性に関係するガンマ補正に関しては、ROMに保存されたデータに応じて変換する手法と非線形素子による変換を行うと記載されている。しかし、具体的な階調特性の算出方法に関しては触れられておらず、環境光に対する人間の視覚特性変化に関しても触れられていない。
以下の実施例では、表示装置を視聴する際の明るさ環境における人間の順応による視覚特性変化を考慮し、環境光に応じて表示装置の発光輝度特性を算出する方法を提案している。そして、算出した発光輝度特性によって変換することで、視覚的に滑らかで最適な階調再現を行っている。
これにより、様々な環境光下であっても映像表示装置の発光輝度範囲(ダイナミックレンジ)全域に渡って、知覚的に階調の非連続/つぶれ/サチリのない階調再現が可能となる。
以下の実施例では、また、複数の順応輝度における入射輝度と輝度差弁別閾コントラストの関係を、入射輝度が低輝度から高輝度になるに従い、単調減少から極小値を持ち単調増加になるような多項式で表している。該多項式は、順応輝度が光輝度になるほど、特定の輝度差弁別閾コントラスト値との交点距離が狭くなり、且つ極小値位置が入射輝度の高い値になるような特性を示している。そして、該多項式を用いて順応輝度に対応する輝度差弁別閾特性を算出し、輝度差弁別閾が1階調となるように発光輝度を割り当てることによって発光輝度特性を決めている。
これにより、実験を行っていない未知の順応輝度の場合でも誤差の少ない発光輝度特性(階調−表示強度変換特性)を得ることができる。
<実施例1>
図1は実施例1に係る映像表示装置の構成を示すブロック図である。図2は視入射輝度と輝度差弁別閾コントラストとの関係を表す模式図である。図3は実施例1に係る発光輝度特性設定部の動作を示すフローチャートである。図4は発光輝度特性を表す模式図である。図8は画像の階調を表示輝度に変換する発光輝度特性の説明図である。図9はJNDインデックスに対する視覚の刺激光輝度特性図である。
図1に示すように、映像表示装置100は、コンピュータ等から映像信号を受信して画像表示部の画面に画像を輝度表示する画像表示装置である。環境光計測部101は、映像表示装置100周囲の視環境光を測定する明るさセンサである。輝度差弁別閾特性記憶部102は、様々な順応輝度における輝度差弁別閾特性が記憶されている。映像発光部107は、液晶画像パネルやプラズマパネルで構成され、輝度信号105に対して表示輝度値がリニアに変化するものとする。
発光輝度特性設定部103は、映像表示装置100周囲の明るさ環境での輝度差弁別閾特性から発光輝度特性の算出を行う。映像信号処理部104は、発光輝度特性設定部103によって設定された発光輝度特性を用いて階調特性処理及びその他の映像信号処理を行い映像表示部105へ出力を行う。
映像表示部105は、画素ごとに階調値に対応する発光量を設定されて、最大輝度5000cd/mで発光可能なモノクロ液晶画面である。ここでは、説明を簡単にするために、モノクロ表示の実施例を説明するが、フルカラー表示においても、以下に説明する同様な発光輝度(階調−発光輝度変換)特性を用いて階調変換を行うことで、同様なグラデーション改善効果が得られる。
図8の(c)に示すように、発光輝度特性Fyは、映像信号Sの10ビット1024段階のそれぞれの階調に対して常用対数に換算した映像表示部105の輝度段階を割り当てる特性である。発光輝度特性Fyは、所定の明るさ環境において、映像表示部105が表示可能な最高輝度Bmaxと最低輝度Bminとの間で、画像の階調の刻みごとの明るさ感覚が等間隔に変化するような階調−表示輝度の変換特性となっている。
発光輝度特性Fyは、中間階調領域では、上述したGSDF特性に合わせて階調の増加に対して表示輝度の常用対数値が比例して増加する比例関係を基調としている。しかし、人間の目の高輝度領域での明るさ差の判別能力の低下を相殺するように、高輝度階調領域では中間階調領域よりも階調のきざみに割り当てる表示輝度の常用対数値の差分量を増している。また、人間の目の低輝度領域での明るさ差の判別能力の低下を相殺するように、低輝度階調領域でも、中間階調領域よりも階調のきざみに割り当てる表示輝度の常用対数値の差分量を増している。
発光輝度特性Fyは、階調の最高値側では、中間階調領域における階調と表示輝度の常用対数値の比例関係から次第に乖離させて、階調の最高値に近付くほど乖離量を大きくしている。また、階調の最低値側でも、中間階調領域における階調と表示輝度の常用対数値の比例関係から次第に乖離させて、階調の最低値に近付くほど乖離量を大きくしている。
そして、発光輝度特性Fyは、環境光計測部101によって検出された周囲の明るさに応じて変更される。すなわち、明るい環境で適用される発光輝度特性Fzは、高輝度階調領域で表示輝度の常用対数値の差分量を増す量(中間階調領域における比例関係からの乖離量)が発光輝度特性Fyよりも小さい。発光輝度特性Fzは、高輝度階調側で比例関係から乖離している階調領域が発光輝度特性Fyよりも狭くなっている(消滅している)。周囲の明るさが明るいときは瞳孔が閉じて目に入射する光量が絞られるため、高輝度(まぶしさ)に起因する明るさ差の判別能力の低下は、画像の輝度がかなり高くならないと現れないからである。
一方、暗い環境で適用される発光輝度特性Fxは、高輝度階調領域で表示輝度の常用対数値の差分量を増す量(中間階調領域における比例関係からの乖離量)が発光輝度特性Fyよりも大きい。発光輝度特性Fxは、高輝度階調領域で中間階調領域の比例関係から乖離している階調領域が発光輝度特性Fyよりも広くなっている。周囲の明るさが暗いときは瞳孔が開いて目に入射する画像からの光量が遮られないため、高輝度(まぶしさ)に起因する明るさ差の判別能力の低下は画像の輝度があまり高くなくても現れるからである。
そして、高輝度階調領域の階調−表示輝度変換特性を定めて中間階調領域と高輝度階調領域におけるグラデーションの等間隔の明るさ差を持たせた結果として、画像全体の輝度が、周囲の明るさが明るいほど高くなっている。このため、単純に画像全体の輝度を周囲の明るさに応じて変化させた場合(特許文献1〜3)に比較して、中間階調領域と高輝度階調領域におけるグラデーションの明るさ差の等間隔感は飛躍的に高められている。
<発光輝度特性>
発光輝度特性Fyは、人間が明るさ差を識別可能な輝度差の輝度特性である輝度差弁別閾特性を実験で測定して、その測定結果から演算して求めることができる。図2の(a)に示すように、輝度差弁別閾特性は、画像の輝度(視入射輝度)に応じて人間の明るさ差の判別能力がどのように変化するかを示している。
実験方法としては、被験者をまずある室内明るさに順応させることから始める。そして、順応状態において、被験者に参照光と参照光とは異なる輝度の実験光を提示し、参照光と実験光の輝度差を弁別することができるかを調査する。この際、参照光を固定して実験光の輝度を微小変化させていき、輝度差の弁別ができなくなった輝度を輝度差弁別閾として求める。次に、異なる参照光における輝度差弁別閾を求めるために、参照光輝度を変化させて固定し、同様に実験光輝度を変化させて輝度差弁別閾を求める。この作業を繰り返すことで、ある室内明るさの順応状態における参照光輝度に対する輝度差弁別閾を求めることができる。
具体的には、以下のような手順で実験を行った。
(1)被験者を視覚に入るある入射輝度(視入射輝度)に順応させる。
(2)発光量調整可能な光源を用いて光源からの射出光を2つに分離する。
(3)2つに分離した光の一方を参照光とし、その輝度値(参照光輝度値)は光源の発光量調整で制御する。
(4)他方、2つに分離した光のもう一方の光路中に連続的に濃度の異なる透過フィルター(グラデーションNDフィルター)を配置し実験光とする。
(5)参照光と実験光は、間隔を開けずに隣接して被験者の瞳に入射させる。
(6)被験者は、グラデーションNDフィルターの位置を微小移動して、実験光輝度値を変化させ、隣接する参照光と実験光の輝度差を弁別できなくなった輝度を輝度差弁別閾とする。
(7)次に、異なる参照光における輝度差弁別閾を求めるために、光源の発光量調整で参照光輝度を変化させて固定する。
(8)上記(6)、(7)を繰り返して、充分に高濃度のNDフィルターをもってしても輝度差を知覚できないほど小さな(暗い)参照光輝度から、充分に低濃度のNDフィルターをもってしても輝度差を知覚できないほど大きな(明るい)参照光輝度まで参照光輝度を変えて、夫々の輝度差弁別閾を求める。
(9)最後に、各輝度差弁別閾値を参照輝度値で割ることで正規化して輝度差弁別閾コントラスト値を算出する。
その結果、図2の(a)に示すように、画面の背景輝度10cd/m〜1000cd/mで明るさ差の判別能力が高く、その外側では次第に明るさ差の判別能力が低くなる視覚特性が得られた。
次に、同一の被験者を別の室内明るさ(視入射輝度)に順応させて同様の実験を行う。同じ参照光輝度であっても、順応状態によって輝度差弁別閾は異なる値となるため、同様の実験を様々な明るさ環境(視入射輝度)における順応状態で行う必要があるからである。
このようにして、様々な室内明るさの順応状態における参照光輝度と輝度差弁別閾の関係を求めることができ、これを輝度差弁別閾特性とする。
以上の実験により、図2の(b)に示すように、画面の明るさ差の判別能力が高くなる画面の背景輝度の範囲が部屋の明るさによって変化することが判明した。すなわち、暗い順応輝度Xでは、画像の輝度がかなり低くなるまで画像の明るさ差の判別能力が高いが、高輝度側で明るさ差の判別能力が低下する画像の輝度は低くなる。一方、明るい順応輝度Zでは、画像の輝度がかなり高くなるまで画像の明るさ差の判別能力が高いが、低輝度側で明るさ差の判別能力が低下する画像の輝度は高くなる。
ところで、図2の(a)に示す輝度差弁別閾特性の輝度領域Aは、輝度の常用対数値の刻みに対して一定の明るさ差が感覚される領域であるから、等間隔に階調を割り当てることで一定の明るさ差のグラデーションを確保できる。輝度領域Bは、画像の輝度が低いほど明るさ差の判別能力が低下するので、より大きな「常用対数で見た輝度差」を階調差に割り当てないと領域Aと同じ明るさ差の刻みを感覚できない。輝度領域Cは、画像の輝度が高いほど明るさ差の判別能力が低下するので、より大きな「常用対数で見た輝度差」を階調差に割り当てないと領域Aと同じ明るさ差の刻みを感覚できない。
実施例1では、このような視覚特性を反映して、図4の(a)に示す階調−表示輝度特性Fyが形成され、この階調−表示輝度特性Fyを図8の(c)に示すように、画像の全階調に割り当てている。
また、図2の(b)に示す順応輝度X、Y、Zにおける輝度差弁別閾特性は、周囲の明るさが明るいほど輝度差弁別閾特性が一定値を保つ範囲が狭くなっている。つまり、等しい輝度の常用対数値の差分を階調に割り当てて、階調−表示輝度特性が比例関係を持つ範囲が狭くなっている。
実施例1では、このような視覚特性を反映して、検出された周囲明るさが明るいほど、全階調の範囲で比例関係から乖離する範囲を大きくするように変換処理を行わせている。
<環境光計測部>
環境光計測部101は、映像表示装置100の表示部の近傍に照度を計測するセンサを配置し、視環境光の照度を計測する。この際、映像表示装置100から発している光が周辺物体に反射してセンサに照射されることによる環境光の誤算出を軽減するように表示映像信号による補正回路を設けても良い。
人間の順応反応は目に入射する輝度に対して発生するため、計測した照度から目に入射される輝度を推定する必要がある。例えば、計測された照度Eによって均等拡散する反射率ρの反射板を見ているのと等価である仮定した場合、輝度Lは次式で表され、これを順応輝度とする。
Figure 2011112961
ここで、環境光照度が極端に暗い場合は、たとえ環境光照度が暗くとも視聴者は映像表示装置を注視しているため、環境光照度に対応した順応ではなく表示映像輝度に順応していることが考えられる。このように環境光照度が極端に暗い場合は、表示映像輝度を考慮する必要がある。この場合、表示映像の平均輝度をLDISPとすると補正した順応輝度は次式で表される。
Figure 2011112961
また、より正確に順応輝度を求めるためには、常に視聴者に近い位置にあると考えられるリモートコントローラ等に輝度計を内蔵しても良い。
<輝度差弁別閾特性記憶部>
図1に示す輝度差弁別閾特性記憶部102には、図2の(b)に示すように、様々な室内明るさで測定した輝度差弁別閾特性が記憶されている。
上述した実験で得られた輝度差弁別閾特性のデータ保持方法に関して述べる。まず、次式に示すように、視入射輝度LIN、輝度差弁別閾Lとし、輝度差弁別閾を対応する視入射輝度で除算した輝度差弁別閾コントラストCLDとする。
Figure 2011112961
発明者らの実験によると、視入射輝度と輝度差弁別閾コントラストの関係をプロットして曲線をあてはめると、図2の(a)のようになる。この曲線の大まかな形状は極小値を持つ下に凸な関数となる。図中、極小値は一つであるが必ずしも一つとは限らない。ここで、視入射輝度は常用対数で表されている。
様々な明るさ環境で順応した場合の視入射輝度と輝度差弁別閾コントラストの関係を図2の(b)に示す。図中、順応輝度Xは暗い視環境光であり、順応輝度Zに行くに従い明るい環境である。また、図中の曲線を比較して分かるように、順応状態により曲線の極小値およびその位置、さらに曲線の広がり具合が規則的に変化する。これを四次関数で近似すると次式のように表すことができる。
Figure 2011112961
式中、Aは曲線の広がり具合を決める係数で、Bは曲線の極小値に対応する視入射輝度の値、Cは極小値に対応する輝度差弁別閾コントラストの値を表す。これら3つの値は、環境の明るさによって変化する値となる。
ここで、n個の順応状態に対して実験を行ったとすると、順応状態ごとに数式4でフィッティングすることにより、それぞれAからA、BからB、CからCの値が算出される。更に、これらの係数をそれぞれ順応輝度値によってフィッティングすることで、順応輝度による関数として係数A、B、Cを表すことが可能となる。
以下、係数A、B、Cの特徴とこれらを表す関数の例に関して述べる。
係数Aは、順応環境光が明るくなるに従い、輝度差弁別閾特性を表す曲線の広がりが狭くなるような値となる。よって数式5のように、ある順応環境光Lにおける係数Aは、係数をα、βとして順応環境光に対する一次式で近似される。
Figure 2011112961
係数B、Cは、各順応状態における輝度差弁別閾特性を表す曲線の極小値を表す視入射輝度値と輝度差弁別閾コントラスト値を表すもので、図2の(c)に示すように極小値を結ぶ包絡線を形成する。順応環境光が明るくなるほど、輝度差弁別閾特性を表す曲線の極小値は視入射輝度の高い方向へ移動するため、順応環境光が明るくなるほど係数Bは、図2の(c)の包絡線上を右方向へ移動していく。係数Cは、図2の(c)のように包絡線が単調に減少している場合、輝度差弁別閾コントラスト値の低いほうへ移動していく。よってある順応環境光Lにおける係数B、Cは以下の数式で近似される。
Figure 2011112961
包絡線が2次曲線となる場合、係数Cは次式で近似することができる。
Figure 2011112961
以上のように、輝度差弁別閾特性記憶部102では、輝度差弁別閾特性を関数でフィッティングした係数を、さらに順応環境光に対する関数でフィッティングし、その係数を記憶しておく。これにより、実験していない順応環境光下における輝度差弁別閾特性を精度よく容易に予測することが可能となる。
なお、実施例1では、輝度差弁別閾特性を数式4で記述したが、より正確な輝度弁別閾特性を利用したい場合は、より複雑な多項式でフィッティングしその係数の順応環境光に対する変化を関数として記憶させてもよい。
<発光輝度特性設定部>
発光輝度特性設定部103は、輝度差弁別閾特性記憶部102に記憶された輝度差弁別閾特性を表す関数の係数A、B、Cと、環境光計測部101によって得られた順応輝度推定値を利用して発光輝度特性を算出する。
図3のフローチャートを用いて、以下に発光輝度特性設定部103の動作を詳細に説明する。
図1を参照して図3に示すように、ステップS1031では、環境光計測部101によって得られた順応輝度推定値が入力されると、輝度差弁別閾特性記憶部102から輝度弁別閾特性を読み込む。ここで読み込まれるデータは、前述した数式5、数式6で表される輝度差弁別閾特性を表す曲線の係数A、B、Cを算出する関数の係数データである。
ステップS1032では、ステップS1031で読み出された係数から数式5、数式6を用いて前記係数A、B、Cを算出する。これにより数式4で表される順応輝度推定値Lでの視入射輝度LINと輝度差弁別閾コントラストCLDを表す関係式が得られる。
ステップS1033では、ステップS1032で得られた関係式を用いて発光輝度特性を算出する。発光輝度特性は、非特許文献1、2に開示されているDICOMのGSDF特性(グレースケール標準表示関数)と同じ手法で算出した。この手法では、ある入射輝度における人間が知覚可能な最小の輝度差の単位を1JND(弁別閾)とし、これを1階調として必要な映像信号の階調数と発光輝度の関係を計算する。
まず、数式4のままでは輝度差弁別閾コントラストが算出されるため、算出された結果に対して入射輝度値を乗算して図8の(b)に示す輝度差弁別閾の曲線にする。
また、ある入射輝度を初期値と定めて図8の(b)のJNDINDEXの単位0の値としてプロットする。初期値は、表示装置が出力可能な最も低い発光輝度を用いるのが適当である。その入射輝度を起点として、図8の(a)に示す輝度差弁別閾を読み取って輝度差弁別閾だけ高輝度方向へシフトした入射輝度値を読み取る。この値をJNDINDEXの単位1の値として図8の(b)にプロットする。
次に、JNDINDEXの単位1での入射輝度値からその輝度差弁別閾だけ高輝度方向へシフトした入射輝度値を読み取ってJNDINDEXの単位2の値として図8の(b)にプロットする。同様の手順を繰り返してJNDINDEXの単位3、4、5、・・・における視入射強度を求めて図8の(b)にプロットする計算を、映像表示装置100が出力可能な輝度値、または必要な階調数になるまで繰り返す。これにより、図8の(b)に示すJNDINDEXと発光輝度の関係を得る。その結果、JNDINDEXは、明るさ差の感覚量が等しくなるように定めた刻みとなっている。
以上より、図4の(a)に示すような階調値のそれぞれに対応する表示装置の発光輝度が算出される。これを、映像信号処理部104で、図8の(c)に示すように画像の画素ごとの10ビットの階調値0〜1023に割り当てることで、映像表示装置100の最終的な階調−表示輝度変換特性が形成される。実施例1では、図4の(a)に示す特性を、発光輝度特性のルックアップテーブル(LUT)として映像信号処理部104へ出力する。
同様にして、図4の(b)に示すように、異なる順応輝度における発光輝度特性が算出される。ここで 順応輝度Xは、暗い環境下での順応状態の場合の発光輝度特性であり、順応輝度Zに行くに従って明るい環境下での順応状態の場合を示している。ここまでで発光輝度特性設定部103の処理が終了し、映像信号処理部104に処理が移る。
<映像信号処理部>
映像信号処理部(階調変換部)104は、入力される入力画像の映像信号と発光輝度特性設定部103で設定された発光輝度特性をもとに画質調整等の信号処理を行い、映像表示部(画像表示部)105に出力する。図8の(c)に示すように、映像信号Sは、第1象限記載の映像信号S−入力信号レベルP変換特性によって入力信号Pに変換される。入力信号Pは、続けて第2象限記載の発光輝度特性Fyで輝度Bに対応するデータに生成され、映像表示部105から輝度Bで発光される。
なお、映像信号処理部104は、RAMを内蔵したDSP(デジタルシグナルプロセッサ)を用いて、シリアルデータで送られてくる映像信号から画素ごとの階調値を読み取って発光輝度特性を反映した階調値に補正する階調変換処理を行ってもよい。
また、種々のフォーマットで形成された入力画像の画像データを画素ごとの階調データに再生し、本実施例の発光輝度特性(階調−表示輝度変換特性)を反映した階調に変換して新たな1枚の画像データに変換する画像処理を行ってもよい。この場合、映像信号処理部104、環境光計測部101等を、映像表示部105からは独立した1台の画像処理装置として実施してもよい。
以上、説明したように、実施例1では、様々な明るさ環境において順応した場合について実験して求めた輝度差弁別閾特性(図2の(c))を利用する。これにより、どのような明るさ環境であっても、映像表示装置100の発光輝度範囲(ダイナミックレンジ)全域に渡って、知覚的に階調の非連続/つぶれ/サチリのない階調再現が可能となる。種々の明るさ環境における人間の順応特性に応じた発光輝度特性を持つ映像を出力できる画像表示装置を提供することが可能となる。
また、環境明るさによって異なる輝度差弁別閾特性を数式4の関数によって表現し、その係数A、B、Cを記憶することで、未知の環境明るさにおける発光輝度特性を容易に算出することが可能となる。
<実施例2>
図5は実施例2に係る映像表示装置の構成を示すブロック図である。図6は実施例2に係る発光輝度特性設定部の動作を示すフローチャートである。図7は実施例2に係る発光輝度特性の補間方法を説明する図である。
実施例2では、画像の階調を画面の表示輝度に変換するための発光輝度特性を予め複数保持しており、その中から明るさ環境に応じたものを選択して用いる。実施例1のように輝度差弁別閾特性から発光輝度特性を毎回計算するよりも、発光輝度特性そのものをルックアップテーブル(LUT)として保存しておくほうが、高速に処理するためには都合がよいからである。
図5に示すように、映像表示装置200は、コンピュータ等から映像信号を受信して画面に画像を輝度表示する画像表示装置である。環境光計測部201は、映像表示装置周囲の視聴環境光の強度を測定する。実施例1と同様に、映像表示装置200の表示部の近傍に配置したセンサが計測した照度から順応輝度を推定する。
映像信号処理部204は、実施例1と同様に、図8に示す発光輝度特性Fを用いて発光輝度特性処理及びその他の映像信号処理を行い、映像表示部205へ出力を行う。映像信号処理部204は、入力される映像信号Sと発光輝度特性設定部203で設定された発光輝度特性をもとに、画質調整等の信号処理を行い、映像表示部205に出力を行う。
発光輝度特性記憶部202は、様々な環境光強度下での人間の順応時の輝度差弁別閾特性に対応する発光輝度特性が記憶されている。発光輝度特性記憶部202は、実験によって算出した視入射輝度と輝度差弁別閾コントラストの値を用いて実施例1で説明した手法に従って算出した発光輝度特性が記憶されている。
発光輝度特性設定部203は、映像表示装置200周囲の視聴環境光に対応する発光輝度特性を設定する。発光輝度特性設定部203は、環境光計測部201によって得られた順応輝度推定値に対応する発光輝度特性を発光輝度特性記憶部202から読み込み、発光輝度特性を設定する。発光輝度特性設定部203の動作を図6のフローチャートを参照して詳細に説明する。
図5を参照して図6に示すように、ステップS2031は、環境光計測部201によって得られた順応輝度推定値をもとに、発光輝度特性記憶部202から一致する順応輝度における発光輝度特性のルックアップテーブル(LUT)を読み込む。該当するデータがある場合(S2032のYES)は、読み込んだ発光輝度特性を出力して処理を終了する。
しかしながら、順応輝度に一致する発光輝度特性のデータがあるとは限らない。よってこのような一致するデータがない場合(S2032のNO)、環境光計測部201で計測された順応輝度Zに対して明暗両方向の最も近いデータを1つずつ読み込む。ステップS2033では、2つの発光輝度特性のルックアップテーブル(LUT)を読み込んで、読み込まれた2つの順応環境下での発光輝度特性から未知の順応輝度Zにおける発光輝度特性を線形補間等により推定する。
図7に示すように、入力信号の10ビットの階調に対応させて発光輝度特性が順応輝度X、順応輝度Yについて過去に実施例1で説明したように実測されて保存されていたとする。この場合、環境光計測部201で計測された照度から推定した順応輝度Zが、順応輝度Xと順応輝度Yの中間の値だった場合を考える。ここで、ある映像信号値Sにおける発光輝度を求める場合を考えると、順応輝度X、順応輝度Yのときの発光輝度はそれぞれE、Eとなる。これらから順応輝度Zにおける発光輝度EZは次式で求めることができる。
Figure 2011112961
さらに、数式8を用いて全映像信号値において同様の計算を行うことで未知の順応輝度Zの視環境における発光輝度特性のルックアップテーブル(LUT)を作成することができる。作成した発光輝度特性のテーブルを出力して発光輝度特性設定部203の処理を終了する。
なお、ここでは内挿によって視環境における発光輝度特性を推定しているため、考えられる最も暗い明るさ環境における実験データと最も明るい明るさ環境における実験データを用意しておくのが望ましい。ただし、これまでに実験した最低の順応輝度の場合よりも暗い場合、もしくは最高の順応輝度の場合よりも明るい場合は、外挿によって求めてもよい。
また、発光輝度特性を推定するのではなく、閾値を設けて順応輝度と最も近い保存データの順応輝度が閾値以内であれば代用するのがよい。多数の順応環境における実験データを保存しておけば、ステップS2032で推定を行う必要がなくなり処理の高速化が図れる。
ここまでで発光輝度特性設定部203の処理が終了し、映像信号処理部204に処理が移る。
実施例2では、実施例1で述べた発光輝度特性算出方法を用い、予め発光輝度特性のルックアップテーブル(LUT)を算出して記憶保持することで、高速に処理を行うことが可能となる。
<常用対数>
図10は常用対数を用いる理由の説明図である。
図10の(b)、(c)は、(a)に示す実施例1の階調−表示輝度変換特性(301)の縦軸を実数表示としたものである。(c)は(b)の部分的な拡大図である。それぞれの図にウェバーフェヒナーの直線式(300)と、それに基づくDICOMのGSDF特性(305)を記載している。
図10の(b)、(c)に示す実数軸表示の場合、3つの関数を見分けることが困難であって、図10の(a)に示すようには、直感的に3種類の変換特性の違いを区別することができない。非特許文献1、2に記載されるように、表示輝度の常用対数値を用いて評価を行うとき、中間階調領域で、表示輝度の常用対数値が明るさ感覚の刻みと比例関係が見えてくる。
しかし、理論的、実験的に3つの関数の変換効果の差を認識した後は、実数軸表示で近似式を作成して、実施例1の階調−表示輝度変換特性(301)を演算することは容易である。画像表示装置は、表示輝度の実数値を階調値に割り当てる階調−表示輝度変換特性を用いることもできる。常用対数に近似させてy=xn(n=0.3)曲線で視覚特性を表現した別の演算式を元にして実施例1と同様な効果を持つ階調−表示輝度変換特性を作成することもできる。
従って、本発明は、常用対数を用いた演算を通じて階調−表示輝度変換LUTを作成する実施例には限定されない。別の演算式や実数値を用いて求めた階調−表示輝度変換LUTを用いる変換処理を含む。演算は、データテーブルを用いたデータ変換、2以上の関数の補間演算、常用対数と似通った関数や近似式を用いた演算に置き換えて実施してもよい。いずれにせよ、常用対数を用いた演算を通じて作成した変換式を用いたような同様な階調−表示輝度変換特性が得られる実施例を含む。
101 環境光計測部(検知手段)
102 輝度差弁別閾特性記憶部
103 発光輝度特性設定部
104 映像信号処理部(階調変換部)
105 映像表示部(画像表示部)
202 発光輝度特性記憶部
301 DICOMのGSDF特性
305 階調−輝度出力変換特性

Claims (7)

  1. 画像表示部と、所定の変換特性を用いて入力画像の階調を前記画像表示部に表示させる輝度に対応させる変換処理を行う階調変換部とを備える画像表示装置において、
    周囲明るさを検出する検出手段を備え、
    前記階調変換部は、表示輝度の常用対数値を用いて評価を行ったとき、高輝度階調領域では中間階調領域よりも前記階調の刻み幅に割り当てる表示輝度の常用対数値の差分量を増すとともに、検出された周囲明るさが明るいほど高輝度階調領域で前記差分量を増す量を小さくするように前記変換処理を行うことを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記階調変換部は、中間階調領域における前記階調と前記表示輝度の常用対数値の関係から次第に乖離させて前記階調の最高値に近付くほど前記常用対数値の差分量を大きくし、検出された周囲明るさが明るいほど、前記階調の最高値側で前記関係から乖離する範囲を小さくするように前記変換処理を行うことを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  3. 前記階調変換部は、中間階調領域における前記階調と前記表示輝度の常用対数値の関係から次第に乖離させて前記階調の最低値に近付くほど前記常用対数値の差分量を大きくし、検出された周囲明るさが明るいほど、前記階調の最低値側で前記関係から乖離する範囲を大きくするように前記変換処理を行うことを特徴とする請求項2記載の画像表示装置。
  4. 前記階調変換部は、検出された周囲明るさが明るいほど、全階調の範囲で前記関係から乖離する範囲を大きくするように前記変換処理を行うことを特徴とする請求項3記載の画像表示装置。
  5. 前記階調変換部は、前記階調の最高値を前記画像表示部で表示可能な最高輝度に一致させるように前記変換処理を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  6. 前記階調変換部は、中間階調領域における前記階調と前記表示輝度の常用対数値の関係は比例関係を基調とし、常用対数を用いて計算した人間が明るさの違いを識別可能な輝度差を輝度差弁別閾とするとき、前記階調の最高値と最低値との間に設定される複数の階調を、輝度差弁別閾の等しい刻み幅に対応して設定するように前記変換処理を行うことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の画像表示装置。
  7. 所定の変換特性を用いて入力画像を所定の画像表示装置に表示させる画像に変換する階調変換部を備える画像処理装置において、
    前記階調変換部は、表示輝度の常用対数値を用いて評価を行ったとき、高輝度階調領域では中間階調領域よりも前記階調の刻み幅に割り当てる表示輝度の常用対数値の差分量を増すとともに、周囲明るさを検出する検出手段の出力に基づいて、検出された周囲明るさが明るいほど高輝度階調領域で前記差分量を増す量を小さくするように前記変換処理を行うことを特徴とする画像処理装置。
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