JP2009237128A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の液晶表示装置は、垂直配向型の液晶パネル面に内面拡散を行う光拡散層を有し、入力輝度値の入力輝度値平均値と、表示輝度値の表示輝度値平均値との対応を対数値にて示す平均値線を記憶する平均直線記憶部と、入力輝度値と、表示輝度値との対応を対数値にて示す特性曲線を記憶する特性曲線記憶部と、入力輝度値の平均値として入力輝度値平均値を算出する入力輝度値平均値算出部と、入力輝度値平均値が変化した際、特性曲線を読み出し、平均直線上の入力輝度値平均値に対応した表示輝度値に対し、該表示輝度値と同一の特性曲線上の表示輝度値が平均直線上にて重なる位置に特性曲線を平行移動させ、特性曲線記憶部に記憶させる特性曲線移動部とを有する。
【選択図】図1
Description
液晶テレビにおいては、観察者が様々な角度から、中間階調を多く有するような画像を観察するため、どの方向からみても、階調性が崩れず、色変化の少ない透過型液晶表示装置が求められている。
上述したような液晶テレビにおいて用いられる液晶パネルは、主に、垂直配向(VA:Vertical Alignment)方式の液晶パネルと、IPS(In-Place-Switching)方式の液晶パネルである。
上記垂直配向(VA)方式の液晶パネルは、表示画面のコントラストが高く、ラビング(Rubbing)が必要ないため大型のものを作成しやすい、といったような優れた特徴を持っている。
上述した問題点を解決するため、VA方式の液晶パネルの観察者側に適切な拡散特性を持つような拡散層を設置する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1の方法を用いると、正面方向に進む光の一部が斜め方向にまわり色が平均化されるため、見る方向による色変化が抑えられ、横方向から見ても良好な画像を得ることができる。
一方、IPS方式の液晶パネルは、VA方式の液晶パネルと異なり、観察者がいずれの方向から観察してもほとんど色変化しないという優れた特性がある。
しかし、IPS方式の液晶パネルは、VA方式の液晶パネルに比較すると、正面コントラストが低く、また、特に斜め方向から見た場合に、暗いほうの階調が潰れてしまうため、暗い場面において階調を表現し難いという問題点がある。
例えば、暗い部屋においては、表示画面がかなり暗くても鑑賞することができるが、一方、明るい部屋の場合においては、部屋の明るさに比較してある程度以上暗くなると(1/50以下程度)、全て黒として観察者に判定されるという現象が生じる。この現象は、側抑制と呼ばれる目の性質が原因であると考えられている。
このため、液晶テレビにより映画などを鑑賞する場合に、液晶パネルに十分なコントラストが得られ、階調表現が可能であるとしても、暗い場面においては、表示画像が黒く潰れて見え、きれいに画像表示できないという問題点がある。
また、明るい部屋で見る場合には、液晶パネル表面への写りこみなども生じるため、さらに画像が見え辛くなるという問題点があった。
したがって、本発明の液晶表示装置においては、液晶パネルの特性によって暗い画面が表示できないことや、明るい部屋で観察するために暗い画面が潰れて見えたりする影響を抑制することができるので、普通の明るい部屋で観賞する際、暗い表示場面においても、自然できれいな画像を観察することができる。
以下、本発明の一実施形態による液晶表示装置を図面を参照して説明する。図1は同実施形態による液晶表示装置の構成例を示すブロック図である。
この図において、本実施形態の液晶表示装置は、入力輝度値平均値算出部1、特性曲線記憶部2、特性曲線移動部3、平均直線記憶部4、輝度制御部5、液晶ドライバ6及び液晶パネル7を有している。
液晶パネル7は、垂直配向(VA)型の液晶パネルであり、観察者と対向する表示面に対して内面拡散を行う光拡散層を有している。この光拡散層は、平行光が上記表示面に対して垂直に入射された際、正面方向から35度〜55度の角度範囲に、入射光のうちの10%以上の光を拡散する。
入力輝度値平均値算出部1は、入力される入力信号(画像信号)の各画面毎の全ピクセル(画素)の入力輝度値(階調度)の平均値を算出する。このとき、入力輝度値平均値算出部1は、R、G、Bを含めた全ての画素の平均値を算出する。
この特性曲線は、入力信号の輝度値の対数値と、液晶パネル7に表示する表示画像の輝度値の対数値とを対応関係を示す曲線であり、入力信号の輝度値が観察者の視認性(輝度値変化に対する)が良好、すなわち人間が輝度差をリニアに知覚できる領域を0.6〜1.1の範囲の傾きとして設定されている。また、この特性曲線は、上記良好な領域外、すなわち観察者がリニアに知覚できない輝度値範囲(良好な領域)である輝度値が低い領域と高い領域にて、上記良好な領域に比較して傾きの変化率が小さく設定されたS字カーブを描く形状であり、領域な一定の傾きの領域における最大輝度値と最小輝度値の表示輝度の比が150以上に設定されている。
特性曲線移動部3は、入力輝度値平均値が変化した際、上記特性曲線記憶部2から特性曲線を読み出し、平均直線上の上記入力輝度値平均値に対応した表示輝度値の平均値を求め、この表示輝度値の平均値と同一の特性曲線上の表示輝度値が上記平均直線上にて重なる位置に特性曲線を平行移動させ、新たに求めた特性曲線記憶部2に記憶させる。ここで、特性曲線移動部3は、特性曲線の移動の演算を図4に示す入力輝度値及び表示輝度値の対数値により行う。
また、特性曲線移動部3は、平均直線上において、複数の入力輝度値にて重なる特性曲線を記憶する選択特性曲線記憶部を有し、入力輝度値の平均輝度値が変化した際、この入力輝度値の平均輝度値に対応する、上述した特性曲線を選択特性曲線記憶部から選択するように構成しても良い。
液晶ドライバ6は、輝度制御信号により液晶パネル7のマトリクス状に形成された各液晶素子を順次駆動する。
なお、ここでの入力信号の輝度値とは、画像そのものの輝度値ではなく、液晶パネルの規格に対応させた輝度値に変換(γ補正)したときの値である。例えば、NTSC信号の場合には、入力信号の輝度値の2.2乗に対応し、PAL信号の場合には、入力信号の輝度値の2.8乗に対応している。
明るい室内において液晶パネル7を観察する際、表示画像の各ピクセルが潰れるという現象を無くすため、室内の明るさに対して、表示パネル7に表示する画像の明るさが、暗くなりすぎないようにすることが必要である。
ウェーバーの法則により、観察者の目で見たときに認識される明るさは、輝度値の対数値に比例することが知られている。
例えば、テレビ画像などにおいては、通常、画像信号上の輝度値の対数値と、表示輝度値の対数値とが傾き1で対応している。
しかしながら、画像信号の入力輝度値の対数値と、表示輝度値の対数値とがほぼ直線に対応していれば、ある程度までは傾き(後述するように、0.6〜1.1の範囲の傾き)が変わっても自然な画像として観察される。
しかしながら、ただ単に傾きを変えた場合には、ある程度以上小さくすると、観察者の輝度値の視認性(人間の輝度値変化をリニアに知覚できる特性)が低下する領域において、色が白っぽくなったり、なんとなく眠たい画像(人間の目において、メリハリのない画像)となってしまう。
また、動画像における画像の明るさを考える場合、一つの画像の中での階調の変化と、場面ごとの全体的な画像の明るさとの2つの要素に分けて考えることができる。
一つの画像中における階調表現においては、傾きの変化に対しての目の許容度はあまり大きくなく、例えば0.6以下程度となると、色が白っぽく、なんとなく眠たいといった画像になる。
一方、場面ごとの全体的な画像の明るさの違いは、目がその明るさに順応していくこともあって、傾きが、かなり大きく変化しても比較的気にかかりにくく、例えば、傾きがほとんど0になったとしても、それほど違和感を感じない。
例えば、図4で、各場面での画像の平均輝度値を1より小さい傾きα(表示輝度値/入力輝度値)の直線(図の点線)に沿って変化させるとすると、明るい場面を表示する際、その入力輝度値の対数値と出力輝度の対数値とを対応させる特性曲線は、平均輝度Lbに対して点線上の対応点(Lbのα乗に比例する)を通る傾き1の直線により表される。一方、暗い場面を表示する際、上記特性曲線は、平均輝度Laに対して点線上の対応点(Laのα乗に比例する)を通る傾き1の直線により表されるようにすることが考えられる。
上述したように特性曲線を設定すれば、暗い場面の画像を明るい画像として表現することができ、観察者は表示された画像に対する違和感をほとんど感じることがない。
そこで、入力される入力信号の各ピクセルの平均輝度値の変化に対して、入力信号上での輝度値の対数値と、その表示輝度値の対数値をプロットしたときの特性曲線を、特性曲線移動部3がどの程度移動させるかについて考える。
図5には、異なる平均輝度値L1、L2の画像に対しての、入力信号上での輝度値の対数値と、その表示輝度値の対数値の特性曲線(実線)と、画面における入力輝度値の平均輝度値の対数と、同一画面における表示輝度値の平均輝度の対数との対応を示す平均直線(点線)の関係を示す概念図である。なお、平均輝度の線の傾きをαとしている。
図5において、
x+y=log(L1)−log(L2)
となっている。
また、特性曲線の傾きが1であることより、
y=α{log(L1)−log(L2)}
となる。
したがって、
x=log(L1)−log(L2)− α{log(L1)−log(L2)}
=log(L1)(1−α)−log(L2)(1−α)
となる。
このことから、平均輝度がLの時にL(1−α)に対応した位置に特性曲線を移動させることになる。
場面の明るさに関して、画面における一つ一つの画素を独立した画像として見た場合、明るい場面及び暗い場面にかかわらず、画面内の明るさが一定であったとしてもほとんど問題は無い。しかしながら、動画像における映像においては、全体の流れの中で、ある程度、明るさ変化が表示できたほうが良い。
例えば、ブラックアウトやホワイトアウトなどにおける場面転換が、灰色画像で行われてしまってはおかしくなってしまう。
すなわち、平均曲線の傾きは、表示する原画像(例えば、映画フィルム、テレビドラマのフィルム)の白黒の輝度の比率のコントラストを、マクベスチャートにおける白黒の輝度の比率のコントラストとする角度と、表示する原画像の白黒の輝度の比率のコントラストを、明室における全黒画像及びと全白画像のコントラストとする角度との範囲としている。
入力信号上での黒、白の輝度値の違いであるが、例えば、映画では、映画フィルムの最大濃度のときを黒として設定されている場合が多い。最近の映画フィルムの場合に最大濃度は4程度までいくので、白黒の明るさ比率としてコントラストで10000程度になる。
すなわち、log(40)=α×log(10000)であるため、
α=log(40)/log(10000)=1.6/4=0.4
となる
このことから、画像信号上での画像の平均輝度の対数値と、その出力輝度の対数値をプロットしたときのグラフの傾き角度は0.65以下にしておいたほうが良いと考えられる。
すなわち、log(400)=α×log(10000)
α=log(400)/log(10000)=2.6/4=0.65
となる
上述した結果から、入力輝度値と表示輝度値との輝度値平均値の対数値を示す平均直線の傾きαの値は、0.4〜0.65が良いと考えられる。
ところで、図4及び図5において、便宜上、特性曲線を直線によって表示したが、実際の液晶パネルにおいては、コントラスト値や輝度値に限界があるため、図2に示すように、観察者が輝度の視認がし難い、入力輝度値の明るい領域及び暗い領域にて、それぞれ飽和するように、観察者の視認できる輝度値範囲の傾きに比較して、変化率が小さくなるように設定している。
したがって、本実施形態における特性曲線は、上述した明るい領域と暗い領域において傾きがゆるやかになり、観察者の視認できる輝度値範囲の中央付近で1程度の傾きを持つようなS字カーブとして設定されている。
また、画面の明るい部分において、入力輝度値に対応する表示輝度値が飽和したりしないように、入力信号の輝度値と、表示する際の表示輝度値との対応を適切にする必要がある。
通常、明るい部屋で観察する写真や印刷物などのコントラストは、すでに述べたように40程度になっており、明るい部屋で観察する場合に、一つの画像に対しては、コントラストで40程度に相当する階調表現ができる必要があると考えられる。
一方、明るさの変化に関してであるが、映画画像などの場合に、フィルムの特性がS字カーブとなるため、ほぼ直線的な階調表現で用いることができるのは、広めに見ても濃度3程度、コントラストで1000程度の領域になる。
このため、出力として3.6×40で150程度以上のコントラストに相当する範囲が、表現できていることが望ましい。したがって、直線部分の範囲としては、入力輝度値の軸において、最大輝度値と最小輝度値との比が150である必要がある。
なお、いままでの説明において、S字カーブにおける観察者が輝度値を視認できる範囲を直線として記述しているが、完全に直線である必要はなく、直線の傾き角度も完全に1である必要はない。
一方、傾きが大きいほうについては、普通の画像は1.5くらいまでは、少し画像が硬い感じになる程度でそれほど気にかからない。しかし、暗い室内と明るい室内とにおいて画像のガンマ値が異なって見えることから、映画などにおいては、ガンマ値を高めの値(1.2〜1.5程度)にしてあるものも多く、これらについては不自然な画像になる場合もある。また、画像が全体的に暗くなることもあり1.1程度までに抑制する必要がある。
基本的には、画像が明るくなるようにしたほうが、消費電力などの面から見て有利である。このためには、平均輝度の線の最大値が、液晶パネル7が表示できる最大輝度に近づけるように設定しておくほうが良い。
しかしながら、この方法で表示する場合、例えば図6において、本来の階調特性である傾き1の線に対して、平均輝度の線が上にくるような、図の交点Pよりも平均輝度が低い画像に関して、平均輝度値よりも明るい部分の階調表現領域が狭くなる。
そのため、平均輝度値の最大値は、液晶パネル7の最大輝度よりも若干低めに設定しておく必要がある。
通常、明るい室内において観察する写真や印刷などの画像の場合、平均的な輝度値は白輝度に対して、1/2〜1/5程度になっている。
明るい画面の画像の場合には、平均輝度値も明るく、最大輝度値に対して、1/2程度になる場合が多い。そのため、入力信号の平均輝度値が全白画像の半分のときに、表示輝度値が最大値の半分くらいになるように設定しておくと、表示輝度値が不自然に飽和することがほとんどない。
明るめに設定するならば平均輝度値が1/2くらいのところで、液晶パネル7の最大輝度値の半分程度の明るさになるように設定すれば良い。
一方、なるべく広い範囲で、階調を表現しようとするならば、入力信号の平均輝度値が全白画像の半分のときに、表示輝度値が最大値の半分より低く設定したほうが良いが、余裕を見た場合にも1/5程度にすれば十分である。また、逆に暗くし過ぎると暗い領域の画像が潰れ易くなる(飽和しやすくなる)ので、この程度までに抑えておくほうが良い。
このときの全白画像の輝度は、平均輝度の平均直線の傾きを0.4としたとき、液晶パネル7の最大輝度値の40%程度になる。このため、全白画像を表示したときの明るさが液晶パネル7の最大輝度値の40%以上になるようにしたほうが良い。
第2の実施形態においては、第1の実施形態が特性曲線を変化させることによって、入力輝度値に対する表示輝度値への対応関係を、明るい場面と暗い場面とにおいて変更するのに比較し、入力する入力信号の入力輝度値を変換することによって行っている。
すなわち、第1の実施形態において、入力信号の輝度値の対数値と、液晶パネル7の表示輝度値の対数値とを対応させた特性曲線のなかのほぼ直線となる部分を、入力信号軸に沿って移動させていたが、本第2の実施形態においては、入力輝度値を、入力輝度値の対数軸に沿って逆向きに移動することにより、第1の実施形態と同等な操作を行っている。
すなわち、入力輝度値変換部は、画面の入力輝度値の平均輝度値が変化した際、特性曲線記憶部2から特性曲線を読み出し、平均直線上の入力輝度値の平均輝度値に対応する表示輝度値を求め、該表示輝度値と同一の値の特性曲線上の表示輝度値に対応する入力輝度値を求め、該入力輝度値と前記入力輝度値の平均輝度値との差輝度値を求め、入力される入力輝度値を順次、差輝度値分だけ平行移動させ(すなわち差の符号に合わせて加減算し)、入力輝度値の値を変換し、この変換した入力輝度値に対応する表示輝度値を出力する。特性曲線記憶部2には、適当な特性曲線、(曲線の形状としては第1の実施形態と同様)例えば、S字カーブにおける直線部分の中央位置近傍の表示輝度値が、同一の値の表示輝度値の平均輝度値と重なるように平均直線と交差する特性曲線が記憶されている。
そして、輝度制御部5は、入力輝度値変換部から入力される表示輝度値に基づいて、液晶パネル7の液晶素子の制御信号を生成する。
すなわち、入力輝度値変換部は、入力信号の入力輝度値をLとしたときに、適切な定数Kを用い、入力信号の入力輝度値をK×L×(1/Lm)(1−α)となるように変換する。
第1の実施形態においては、平均輝度がL1からL2に変化した際、対数グラフ上にて特性曲線に対応する角度45°の平均輝度値の平均直線は、
x=log(L1)(1−α)−log(L2)(1−α)
に対応する距離だけ左方向(x軸に対して−方向)に移動させている。
したがって、輝度信号の数値を変換する場合、第1の実施形態における特性曲線を移動させる場合に対し、輝度信号の対数値を逆方向に移動させることとなる。
ここで、基準となる平均輝度をLkとし、画像信号の平均輝度をLmとし、返還後の輝度値をLtとすると、
k=log(Lk)(1−α)−log(Lm)(1−α)
に対応する距離を、右方向(x軸の+方向)に対数値を移動させることになる。
変換した信号値をLnとし、変換前の信号値をLoとすれば、
log(Lt)=log(Lo)+k
=log(Lo)+log(Lk)(1−α)−log(Lm)(1−α)
=log{(Lo)×(Lk)(1−α)/(Lm)(1−α)}
となり、
Lt=(Lk)(1−α)×(Lo)×(1/Lm)(1−α)}
とLtが表され、また、(Lk)(1−α)を適切な常数Kとすることにより、
上述した変換後の輝度値の式として、K×L×(1/Lm)(1−α)が得られる。
なお、このように信号を変換した場合には、入力信号の最大値を超えてしまう場合もあるので、その場合には、最大値を用いる。
実験にもちいた液晶パネル7は、垂直配向型の液晶パネルの表面に光拡散層を設置したようなものである。今回のテストでは、垂直配向型の液晶パネルとしてパーソナルコンピュータの入力端子のある液晶テレビを用いている。
また、上記光拡散層の拡散フィルムは、例えば、屈折率が約1.53のアクリル系UV(紫外線)硬化樹脂中に、屈折率が約1.65で粒子径が約1.5のメラミンフィラーを分散させて、TACフィルム上に塗工し、UV光を露光することによって作成することができる。
なお、今回用いた上記拡散フィルムは、正面から平行光を入射したときに、30°〜60°の範囲に約9%の光が拡散されるような特性を持ったものであった。
また、正面から観察したときの画像の最大輝度は約400 cd/m2になっており、また、白画像と黒画像を表示したときの正面コントラストは、約600程度になっていた。
さらに、この液晶パネルの特性曲線は、すでに説明したようなS字カーブを描いており、途中のほぼ直線となる部分の傾きが1近くになるように、設定値を合わせた。
表示する画像は、画像キャプチャーボードなどによって、ビデオから静止画像をパソコンに取り込んで用いた。なお、映画などのコンテンツから、明るい場面や、暗い場面などいくつもの画像を用いた。
これらの画像に対して、パソコンの中で、上述した入力輝度値の変換処理を行い、パーソナルコンピュータの端子から液晶パネルに出力した。
取り込んだ画像から、各画素に対するR、G、Bの輝度値(入力輝度値:階調度)を抽出する。
パーソナルコンピュータ内のいては、輝度値が0〜255の256階調の数値にて表されるため、入力輝度値を255にて除算して最大値が1になるように規格化した後、NTSC信号では2.2乗が輝度に対応するため、それぞれ2.2乗する。
このようにして得られた、R、G、Bそれぞれの輝度値LR、LG、LBから、各画素の輝度値を求める。今回は単純にR、G、Bの入力輝度値の値を用いた。
これら各画素の輝度値から、画像全体の平均の輝度値Lmを求める。
Li’=K×Li×(1/Lm)(1−α)
上記式において、iはR,G,Bの種別を示す。
ここで、定数Kの値は、ディスプレイの最大輝度に対して約50%の明るさになるときの輝度信号値が0.3(規格化した数値)程度であったことから、0.3を用いた。また、aの値は、0.5とした。なお、ここで輝度値が1を超えた場合は1に変換した。
このようにして求めた、R、G、Bの輝度値LR’、LG’、LB’に対して、(1/2.2)乗した後、255を乗算することによって、パソコンモニター用のデータに変換した。ここで、「2.2」とはパソコンモニターに入力される画像信号にはsRGB(standard RGB)の規格が用いられており、このsRGB規格においては、画像信号の数値の2.4乗が出力輝度に対応するように設定されているため、画像信号の信号値を輝度値の(1/2.2)に変換する必要がある。
上述した計算によって得られた輝度値による表示画像を、明るい部屋で目視により評価したところ、暗い場面の画像が、黒つぶれなどなくきれいに表現されていた。また、明るい場面の画像に関しても、入力輝度値に対し、特に表示輝度値が飽和するなどの問題はなくきれいに表示されていることが確認された。
2…特性曲線記憶部
3…特性曲線移動部
4…平均直線記憶部
5…輝度制御部
6…液晶ドライバ6
7…液晶パネル
Claims (6)
- 垂直配向型の液晶パネルにおける観察者と対向する表示面に対して内面拡散を行う光拡散層を有する液晶表示装置であり、
入力信号の入力輝度値の平均である入力輝度値平均値と、前記液晶パネルに表示する表示輝度値の平均である表示輝度値平均値との対応をそれぞれ対数値にて示す平均値線を記憶する平均直線記憶部と、
入力信号の入力輝度値と、前記液晶パネルに表示する表示輝度値との対応をそれぞれ対数値にて示す特性曲線を記憶する特性曲線記憶部と、
入力信号が入力されると入力輝度値の平均値として前記入力輝度値平均値を算出する入力輝度値平均値算出部と、
前記入力輝度値平均値が変化した際、前記特性曲線記憶部から前記特性曲線を読み出し、前記平均直線上の該入力輝度値平均値に対応した前記表示輝度値に対し、該表示輝度値と同一の前記特性曲線上の表示輝度値が前記平均直線上にて重なる位置に前記特性曲線を平行移動させる演算を行い、演算結果として得られた特性曲線を前記特性曲線記憶部に記憶させる特性曲線移動部と、
前記特性曲線記憶部の特性曲線に対応して、前記入力輝度値に対応した前記表示輝度値を読み出し、この表示輝度値に対応した輝度制御信号を算出する輝度制御部と、
前記輝度制御信号により前記液晶パネルを駆動する液晶ドライバと
を有する液晶表示装置。 - 前記平均直線の傾きが、
表示する原画像の白黒の輝度の比率のコントラストを、マクベスチャートにおける白黒の輝度の比率のコントラストとする角度と、
表示する原画像の白黒の輝度の比率のコントラストを、明室における全黒画像及びと全白画像のコントラストとする角度と
の範囲とすることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。 - 前記平均直線の傾きが0.40〜0.65の範囲であることを特徴とする請求項2記載の液晶表示装置。
- 前記特性曲線が入力輝度値において人間が輝度差をリニアに知覚できる輝度範囲を直線とし、視認できない該輝度範囲より外側の入力輝度値が高い範囲及び低い範囲における表示輝度値の変化率を、前記視認できる範囲に比較して小さくすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 特性曲線移動部が、
前記平均直線上の入力輝度値平均値毎に、該入力輝度値平均値にて重なる前記特性曲線を記憶する選択特性曲線記憶部を有し、
前記入力輝度値平均値が変化した際、該入力輝度値平均値に前記特性曲線を前記選択特性曲線記憶部から選択することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の液晶表示装置。 - 垂直配向型の液晶パネルにおける観察者と対向する表示面に対して内面拡散を行う光拡散層を有する液晶表示装置であり、
入力信号の入力輝度値の平均である入力輝度値平均値と、前記液晶パネルに表示する表示輝度値の平均である表示輝度値平均値との対応をそれぞれ対数値にて示す平均値線を記憶する平均直線記憶部と、
入力信号の入力輝度値と、前記液晶パネルに表示する表示輝度値との対応をそれぞれ対数値にて示す特性曲線を記憶する特性曲線記憶部と、
入力信号が入力されると入力輝度値の平均値として前記入力輝度値平均値を算出する入力輝度値平均値算出部と、
前記入力輝度値平均値が変化した際、前記特性曲線記憶部から前記特性曲線を読み出し、前記平均直線上の前記入力輝度値平均値に対応する表示輝度値を求め、該表示輝度値と同一の値の前記特性曲線上の表示輝度値に対応する入力輝度値を求め、該入力輝度値と前記入力輝度値平均値との差輝度値を求め、入力される入力輝度値を順次、前記差輝度値分平行移動させて、入力輝度値の値を変換して出力する入力輝度値移動部と、
前記特性曲線記憶部の特性曲線に対応して、前記入力輝度値に対応した前記表示輝度値を読み出し、この表示輝度値に対応した輝度制御信号を算出する輝度制御部と、
前記輝度制御信号により前記液晶パネルを駆動する液晶ドライバと
を有する液晶表示装置。
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