JP2011112871A - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 版形成体に撥インキ粒子を付着させて版を形成するオフセット印刷装置において、撥インキ粒子の変形、破損および紛失を防止しながら撥インキ粒子を再利用することで、版形成材料の撥インキ粒子の無駄防止と印刷コスト削減が望まれていた。
【解決手段】 書き換え可能な版を形成する版形成体と、潜像形成手段と、版形成体の表面上の潜像が形成されている部分に選択的に撥インキ粒子を付着させて凸部を形成する凸部形成手段と、記録材料供給手段と、記録材料を転写する中間転写体と、中間転写体の表面の記録材料を被記録媒体に転写する際に押圧する押圧手段と、被記録媒体を搬送する搬送手段とを備えた印刷装置において、撥インキ粒子を貯蔵する粒子貯蔵手段と、除去した撥インキ粒子の少なくとも一部を洗浄する粒子洗浄手段とを設け、版形成体から除去し洗浄した撥インキ粒子の少なくとも一部を粒子貯蔵手段に充填することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、オンデマンドのオフセット印刷装置および印刷方法に関する。
従来、レーザビームプリンタ、LED(発光ダイオード)プリンタなど、いわゆる電子写真方式のプリンタが数多く提案されているが、これらのプリンタはオンデマンド印刷用途として広く普及している。一方、平版オフセット印刷方式は、版を使用することにより同じ内容の印刷物をたとえば1000部以上という大量の印刷物の生産用途として古くから使用されている。
近年の電子写真方式のプリンタの画質向上はめざましいものがあるが、紙面全面にベタ塗りした印刷においては色の均一性に乏しく(色差が大きい)、カールなどの発生もある。また新聞紙のような薄紙への印刷は実現していない。
一方、平版オフセット印刷は新聞印刷の主流ともなり、薄紙に両面で高速にカラー印刷ができるようになってきた。また印刷物のインキ厚みは2μm程度と薄く、紙の風合いを損なわない印刷物に仕上げられるという大きな特徴を持っている。
しかし製版に時間とコストを要するため出力枚数が少ない場合にはコスト高となり、大量部数の印刷用途以外には広がっていない。また、オフセット印刷用に一度作製した版材は、他の印刷には流用できないため印刷後には廃棄しなければならなかった。
そこで、電子写真方式のプリンタの簡便さを持ちつつ、オンデマンドで平版オフセット印刷方式の画質が得られ、しかも少ない枚数の出力でもコストと時間があまりかからない新しい印刷装置が求められてきた。
例えば、特許文献1には、「湿し水」を使用しないオンデマンドの凸版印刷方法が提案されている。まずインキ反発性の表面をもつ版胴表面上に、電子写真方式によって親インキ性のトナーで画像を形成してこれを熱で仮定着する。その後、このトナー上に紫外線硬化型水なしオフセット用インキを着肉してからこのインキ像に紫外線を照射して硬化させることにより、トナー像のみの場合よりも強固な一時的「版」を形成する。この版に再度、水なし平版用インキを着肉し、そのインキを被印刷材(紙等)に転写する。このインキ供給、転写の操作を所定回数繰り返した後、インキ反発性の表面をもつ物体上に仮定着しているトナー像をトナー像上に残ったインキ像もろとも除去することによりオンデマンド印刷が可能であるとしている。
また、特許文献2には、電子複写装置において感光体ドラム上に残留したトナーを回収し、紙粉等の異物をフィルターにより除去し、トナーを再利用する方式が提案されている。
特開平11−291603号公報 実公平6−8603号公報
前述の通り、従来のオフセット印刷方式では、版胴に巻き付けた版材は印刷終了後、他の印刷には流用できずに廃棄しなければならなかった。
また特許文献1では、凸版部を構成したトナーを回収及び再利用する構成にはなっていない。
特許文献2では、回収し、再利用する対象がトナーであって、版構成部材ではない。
そこで本発明は、上述の実情に鑑みて提案するものであって、版形成体に撥インキ粒子を付着させて版を形成するオフセット印刷装置において、撥インキ粒子の変形、破損および紛失を防止しながら、撥インキ粒子を再利用するものである。このようなオフセット印刷装置を用いることで、版形成材料の撥インキ粒子の無駄防止と印刷コスト削減とを実現するものである。
上述の課題を解決するために本発明に係る印刷装置は、
版形成体と、前記版形成体の表面に対して潜像を書き込む潜像形成手段と、
前記版形成体の表面上の潜像が形成されている部分に選択的に撥インキ粒子を付着させて凸部を形成する凸部形成手段と、
記録材料を前記版形成体表面に供給する記録材料供給手段と、
前記版形成体の表面に供給された前記記録材料を転写する中間転写体と、
前記中間転写体の表面の前記記録材料を被記録媒体に転写する際に押圧する押圧手段と、
該被記録媒体を搬送する搬送手段を有し、書き換え可能な版を用いる印刷装置において、
前記撥インキ粒子を貯蔵する粒子貯蔵手段と、
前記撥インキ粒子を前記版形成体から除去するクリーナー手段と、
除去した前記撥インキ粒子の少なくとも一部を洗浄する粒子洗浄手段とを設け、
前記版形成体から除去し洗浄した前記撥インキ粒子の少なくとも一部を前記粒子貯蔵手段に充填することを特徴とする印刷装置である。
また、本発明に係る印刷方法は、書き換え可能な版を形成する版形成体の表面に対して潜像を形成する潜像形成工程と、
前記版形成体の表面上の潜像が形成されている部分に選択的に撥インキ粒子を付着させて凸部を形成する凸部形成工程と、
記録材料を前記版形成体表面に供給する記録材料供給工程と、
前記工程で版形成体の表面に供給された前記記録材料を中間転写体に転写する転写工程と、
前記中間転写体の表面の前記記録材料を被記録媒体に転写する際に押圧する押圧工程と、
前記工程により前記記録材料が転写された該被記録媒体を搬送する搬送工程を有する印刷方法であって、
前記転写工程の後に、
前記版形成体から前記撥インキ粒子を除去するクリーナー工程と、
前記工程で除去された前記撥インキ粒子の少なくとも一部を洗浄する粒子洗浄工程とを有し、
前記版形成体から除去し洗浄した前記撥インキ粒子の少なくとも一部を前記凸部形成工程で再利用することを特徴とする印刷方法である。
本発明では、版形成体に付着させた撥インキ粒子を版形成体からクリーナー手段により除去し、除去した撥インキ粒子を粒子洗浄手段により洗浄し、洗浄した撥インキ粒子を粒子貯蔵手段に充填できる。そのため、インキを紙へ転写した後に、撥インキ粒子を廃棄せずに再利用することが可能となる。その結果、印刷コストを低減することが可能となる。また、本発明では、撥インキ粒子を使用することにより湿し水が不要となり、環境に配慮した印刷方法を提供することができる。
本発明における第1実施形態の構成を説明するための図である。 本発明における第1実施形態の露光・現像工程を説明するための図である。 (a)は感光ドラム表面の撥インキ粒子とインキを説明するための図である。(b)は感光ドラム上のインキのブランケット胴への転移を説明するための図である。 本発明における第2実施形態の構成を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら説明する。
本発明の第1実施形態について図1〜図3をもとに説明する。本実施形態の印刷装置は、図1に示すように書き換え可能な版を形成する第一の版形成体であってアモルファスシリコン感光体(a−Si)からなる感光ドラム1を有する。感光ドラム1の周辺には、帯電器2、露光器3、現像器4、除電器6、クリーナーブレード7が配置される。露光器3は版形成体となる感光ドラム1の表面に対して潜像を書き込む潜像形成手段として構成される。現像器4は版形成体となる感光ドラム1の表面上の潜像が形成されている部分に選択的に撥インキ粒子20を付着させて凸部を形成する凸部形成手段として構成される。インキローラ5は記録材料となるインキ21を感光ドラム1の表面(版形成体表面)に供給する記録材料供給手段として構成される。版形成体となる感光ドラム1の表面に供給された、記録材料となるインキ21を転写する中間転写体としてのブランケット胴8が設けられる。さらにブランケット胴8の周辺にはブランケット胴クリーナー9と、ブランケット胴8の表面の記録材料であるインキ21を被記録媒体である紙11に転写する際に押圧する押圧手段である圧胴10を配置して構成されている。ブランケット胴8及び圧胴10は被記録媒体となる紙11を搬送する搬送手段を兼ねる。
図示しないホストコンピュータから送られてくるデジタル信号(画像部データは鏡像データである)に対応して、図示しないモータに駆動されて図1中の矢印の方向に感光ドラム1、インキローラ5、ブランケット胴8および圧胴10が回転する。またこの動作に対応して被記録媒体となる紙11を図示しない搬送手段によって、ブランケット胴8と圧胴10との間に搬送する。
本実施形態1では一般に市販されている油性インキ(サカタインクス株式会社製枚葉オフセットインキ ダイヤトーンエコピュアSOY−HPJ)を使用する構成である。感光ドラム1としては溶剤を含むインキにも安定に対応できるアモルファスシリコン系のものを使用する構成である。アモルファスシリコン感光ドラム1の表面(表面保護層)は、シリコン及び炭素の少なくともいずれかを母体とする非晶質材料で構成されるもので親インキ性(親油性)である。この表面保護層は、高周波プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition;化学的気相成長)法、PCVD(Plasma Chemical Vapor Deposition;プラズマ気相化学堆積)法により成膜することができる。
この感光ドラム1に対して、帯電器2により感光ドラム1の表面を−600Vに帯電させ(図2(a)中の電位V)、この後に露光器3により非画像部に当たる位置に静電潜像を書き込み形成する(図2(b)中の電位V)。本実施形態において電位Vは、−30V程度になる。
つぎにこの静電潜像に対して、マイナスに摩擦帯電させた撥インキ粒子20を格納している現像器4を、−400V(電位V)に保持して、反転現像により非画像部(−30Vの部位)に付着させる(図2(c)参照)。この撥インキ粒子20の付着の原理は「電界ベクトルと力ベクトルとの関係」に基づくもので、−400Vの現像器4と−30Vの露光面との間には、露光面から現像器4に向かって電界ベクトルが形成される。したがって同時に、現像器4と非画像部(−30Vの部位)とのあいだに位置する撥インキ粒子20に対しては、力のベクトルは撥インキ粒子20を非画像部(−30Vの部位)に引き付ける方向に働く。他方、露光されていない−600Vの面と−400Vの現像器4との間には、現像器4から−600Vの面に向かって電界ベクトルが形成される。同時に力のベクトルは撥インキ粒子20を遠ざける方向に働く。これは電子写真方式の現像工程で一般的に用いられている考え方である。
また、ここではいわゆる接触現像方法により撥インキ粒子20を付着させる。この撥インキ粒子20の付着力の強弱は、V,V,Vがいずれも負の電位の場合に電位の絶対値の大小関係において、以下の数1式を維持しながら、電位V,V,Vの3者の電位差を制御して所望の条件で調整すれば良い。
[数1]
(電位Vの絶対値)>(電位Vの絶対値)>(電位Vの絶対値)
油性インキ21を用いる場合の撥インキ粒子20としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ナイロン、セルロースなどの親水性高分子からなる樹脂が適用できる。またはフッ素、シリコーンなどからなる疎水性、撥油性樹脂を撥インキ粒子20にして用いることができる。また、市販の粒子を撥インキ粒子20として用いても構わない。市販の粒子の例としては以下の粒子が挙げられる。ダイキン工業株式会社製四フッ化エチレン樹脂(PTFE)(ルブロンL−5F(登録商標))。三井・デュポンフロロケミカル株式会社製テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)(MP10(登録商標))。デュポン株式会社製テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)(5328000(登録商標))。また、撥インキ粒子20を以下のように製造しても良い。即ち、(1)所望の樹脂を溶融混練した後粉砕、液中への分散、気体中への噴霧などによって粒子化して製造する。(2)所望の樹脂に対応したモノマーを重合する際に同時に粒子化して製造する。撥インキ粒子20にはさらに、油脂成分、磁性体、荷電制御剤などを内添、外添しても良い。その他に撥インキ粒子20と混合される添加剤としては、無機微粉体、表面処理された無機微粉体及び有機微粉体が挙げられる。本実施形態では、三井・デュポンフロロケミカル株式会社製ポリテトラフルオロエチレンのパウダー(テフロン(登録商標)7A)にシリカ微粒子を2wt%添加して撥インキ粒子20として用いる構成である。
オフセット印刷の場合、最終的に紙11へ転写されるインキ21の厚みは2μm〜3μmが画質として優れている。そして、版形成体となる感光ドラム1の表面に供給されるインキ21の厚さは2μm〜3μmよりも厚いことが必要となるので、撥インキ粒子20の平均粒径は5μm以上170μm以下が好ましい。
上記露光器3としては、半導体レーザ発振器からのレーザをポリゴンミラーの回転により走査して感光ドラム1上に静電潜像を形成する方式のものを使用する構成である。この露光器3としてはLED(発光ダイオード)を並べた光源のものを使用しても構わない。
つぎにインキローラ5により、インキ21が感光ドラム1上に供給される。この際、インキローラ5と感光ドラム1との接触位置での周方向の速度差はほぼゼロの状態で回転させることが望ましい。
インキローラ5と感光ドラム1が回転していくと、インキローラ5の周面に付着しているインキ21層が、撥インキ粒子20が付着している感光ドラム1に向かって押し付けられる状態が形成される。こうして押し付けられるインキローラ5表面のインキ21層の表面と撥インキ粒子20との間には、撥インキ性(インキをはじく性質)によりお互いを排除しようとする力が働く。したがってインキローラ5と感光ドラム1とがさらに回転して半径方向に間隙を広げていく過程において、インキ21層の表面と撥インキ粒子20とは、はじく性質(撥インキ性)によって分離する。
これに対して親インキ性の感光ドラム1表面(撥インキ粒子20が付着していない領域)はインキ21によって濡れて吸着する。したがって、インキローラ5と感光ドラム1とがさらに回転して半径方向にギャップを広げていく過程においては、インキローラ5の周面に付着しているインキ21層の厚みの一部を引き剥がして感光ドラム1表面にインキ21を保持する(図3(a)参照)。この過程はオフセット印刷と同様である。
即ち、本実施形態では、凸部形成手段となる現像器4により版形成体となる感光ドラム1の表面上の潜像が形成されている部分に付着される撥インキ粒子20の表面が、記録材料となるインキ21をはじく性質である。そして、感光ドラム1の表面がインキ21をはじかない性質とされる。特に本実施形態では、記録材料は油性インキ21であって、撥インキ粒子20の表面は撥油性であり、感光ドラム1の表面は親油性とされる。
感光ドラム1表面へのインキ21の保持厚みは、「インキローラ5と感光ドラム1との間隙量」や「インキローラ5表面のインキ層21の厚み」の調整など、一般にオフセット印刷で実施されている調整方法によって制御される。また便宜上、図2においては、撥インキ粒子20を一層で表現しているが、充分な付着力が働く範囲であれば複数層の場合でも構わない。
その後、感光ドラム1表面に濡れ性により保持されているインキ21と、電磁気学の鏡像力によって保持されている撥インキ粒子20は、ブランケット胴8との接触位置へ移動する。ブランケット胴8の表面は、一般のオフセット印刷用のものと同様に親インキ性のゴム材を巻き付ける構成となっている。
感光ドラム1上に供給されたインキ21層の厚みの一部のみが、所望の間隙を設けて配置されているブランケット胴8に中間転写される(図3(b)参照)。この際の転写量(インキ21層の厚み)は、「感光ドラム1とブランケット胴8との間隙量」の調整など、一般にオフセット印刷で実施されている調整方法によって制御される。もちろん感光ドラム1表面へのインキ21の保持厚みを調整することも関連しているので、「インキローラ5と感光ドラム1との間隙量」や「インキローラ5表面のインキ21層の厚み」の調整なども必要となることもある。
ブランケット胴8に中間転写されたインキ21による画像は、最後の工程として、ブランケット胴8と圧胴10によって挟まれた被記録媒体である紙11に転写されて印刷が完了する。紙11への転写を終えたブランケット胴8上の領域はブランケット胴クリーナ9によって残インキを除去して初期状態に復帰させる。
また、同じ内容の印刷物を出力する際には、撥インキ粒子20による現像を一度実施した後は、クリーナブレード7、除電器6、帯電器2、露光器3および現像器4による動作をスキップさせることにより高速に印刷することも可能である。
必要枚数分の紙11への印刷を行った後に、感光ドラム1上の撥インキ粒子20とインキ21を除去する。除去方法としては、最初にインキ21の粘度調節手段の1つである粘度調整剤付与部22から感光ドラム1上のインキ21に粘度調整剤23を付与する。この粘度調整剤23としては、合同インキ株式会社製インキ用希釈剤HSソルベント等のインキ21を溶かしやすいものが望ましい。粘度調整剤23を付与することで感光ドラム1上のインキ21の粘度を低下させ、感光ドラム1から撥インキ粒子20とインキ21を除去し易くする。その結果、クリーナーブレード7により感光ドラム1上の撥インキ粒子20とインキ21を掻き落とす場合に、撥インキ粒子20が変形及び破損しにくくなる。
次に、粘度調節手段の1つであるインキ加熱部24内の設けた不図示のヒーターにより感光ドラム1上のインキ21と粘度調整剤付与部22から供給した粘度調整剤23を加熱する。加熱することで感光ドラム1上のインキ21の粘度を低下させ、感光ドラム1から撥インキ粒子20とインキ21を除去し易くする。その結果、クリーナーブレード7により感光ドラム1上の撥インキ粒子20とインキ21と粘度調整剤23を掻き落とす場合に、撥インキ粒子20が変形及び破損しにくくなる。加熱温度としては、インキ21と粘度調整剤付与部22から付与する粘度調整剤23が蒸発しすぎない温度であり、撥インキ粒子20が変形しない温度として、30〜40℃程度が好ましい。
クリーナーブレード7により感光ドラム1上から除去された撥インキ粒子20とインキ21は、付与された粘度調整剤23とともに粒子回収部25に回収される。回収された撥インキ粒子20とインキ21と付与された粘度調整剤23は、搬送用ポンプを有する粒子・インキ搬送部26を介して粒子洗浄部27へ供給される。
粒子洗浄部27において、撥インキ粒子20とインキ21と付与された粘度調整剤23は、ローラーA28とローラーB29に巻きつけられたフィルタ30上に供給される。ローラーA28とローラーB29を時計回り方向へ不図示の駆動系により回動させることにより、フィルタ30は、図中の矢印方向へ移動する。フィルタ30の穴直径は、撥インキ粒子20の粒子直径より小さく形成されている。フィルタ30上の撥インキ粒子20とインキ21と付与された粘度調整剤23には、粒子洗浄部27より洗浄液34が付与される。洗浄液34としては、粘度調整剤付与部22から付与する粘度調整剤23と同様に、合同インキ株式会社製インキ用希釈剤HSソルベント等のインキ21を溶かしやすいものが好ましい。
撥インキ粒子20とインキ21と付与された粘度調整剤23に洗浄液34を付与することで、インキ21と撥インキ粒子20に付着しているインキ21及び付与された粘度調整剤23は洗い流され、フィルタ30を通過して廃液回収部36に回収される。廃液回収部36に回収されたインキ21と付与された粘度調整剤23と洗浄液34は、廃液回収部36から不図示の廃液タンクへ回収される。
洗浄された撥インキ粒子20に送風機31から空気を送風することにより、撥インキ粒子20に付着している洗浄液34が気化し、撥インキ粒子20から洗浄液34が除去される。
その後、ローラーA28とローラーB29を駆動しフィルタ30を図中の矢印方向へ移動させることにより、撥インキ粒子20は、洗浄済粒子回収部35に回収される。
洗浄済粒子回収部35に回収された撥インキ粒子20は、搬送用ポンプを有する粒子搬送部32を介して粒子貯蔵部33に搬送される。粒子搬送部32の搬送用ポンプは一般的なスクリュータイプの粉体搬送構成を用いても良い。
粒子貯蔵部33に搬送された撥インキ粒子20は、現像器4に供給され再利用することが可能となる。
感光ドラム1から撥インキ粒子20とインキ21と付与された粘度調整剤23を除去した後に、感光ドラム1から除電器6により感光ドラム1上の電荷を除去する。
その後、再度、帯電器2による動作を経て、露光器3に進む工程を経れば、オンデマンドのデジタルオフセット印刷の実現となる。
以上の説明は便宜上、例えば黒インキ1色による印刷をもとにしたものであるが、図1の構成のものをシアン、マゼンタ、イエローなどのインキ21に対しても配置して、フルカラー印刷を行うことは可能である。
即ち、本実施形態の印刷方法は、書き換え可能な版を用いる印刷方法である。そして、書き換え可能な版を形成する版形成体となる感光ドラム1の表面に対して潜像を書き込む第1の工程と、前記潜像をもとにして感光ドラム1の表面に撥インキ粒子20を付着させて凸部を形成する第2の工程とを有する。更に記録材料となるインキ21を感光ドラム1の表面に供給して画像部を形成する第3の工程と、感光ドラム1の表面のインキ21を中間転写体となるブランケット胴8に転写させる第4の工程とを有する。第3の工程中に撥インキ粒子20に対して版形成体となる感光ドラム1への付着力を付加する工程を有する。更に、ブランケット胴8の表面のインキ21を被記録媒体となる紙11に転写する第5の工程を備える。
そして、撥インキ粒子20の表面がインキ21をはじく性質であり、かつ感光ドラム1の表面がインキ21をはじかない性質としたものである。
また、上記転写工程の後に、感光ドラム1の表面より撥インキ粒子20を除去するクリーナー工程と、除去された撥インキ粒子20の少なくとも一部を洗浄する粒子洗浄工程とを備える。そして、感光ドラム1から除去し洗浄した撥インキ粒子20の少なくとも一部を、感光ドラム1の表面に撥インキ粒子20を付着させて凸部を形成する第2の工程で再利用する印刷方法である。
前記第1実施形態では、感光ドラム1に付着したインキ21の粘度を低下させるために、粘度調整剤付与部22から粘度調整剤23を付与する構成とした。また、インキ加熱部24により感光ドラム1に付着したインキと21と粘度調整剤23を加熱し、インキと21と粘度調整剤23の粘度を低下させる構成とした。
一方、本実施形態では、クリーナーブレードヒーター39、粒子洗浄部ヒーター37、送風機ヒーター38を設け、主にインキ21の粘度を低下させる構成とした。
以下の説明では、図1〜図3を用いて説明した実施例1とほぼ同一の部分の説明は省略する。本発明の第2実施形態について図4をもとに説明する。
図4において、クリーナーブレード7には、クリーナーブレードヒーター39が設けられており、クリーナーブレードヒーター39に通電することによりクリーナーブレード7を加熱する。その結果、加熱したクリーナーブレード7により感光ドラム1上のインキ21と粘度調整剤23を掻き落とす際に、インキ21と粘度調整剤23を直接加熱可能となり、確実にインキ21と粘度調整剤23の粘度を低下させることができる。粘度を低下させることで、クリーナーブレード7によりインキ21と粘度調整剤23を除去し易くする。そして、クリーナーブレード7により感光ドラム1上の撥インキ粒子20とインキ21と粘度調整剤23を掻き落とす場合に、撥インキ粒子20が変形及び破損しにくくなる。加熱温度としては、インキ21と粘度調整剤23が蒸発しすぎない温度であり、撥インキ粒子20が変形しない温度として、30〜40℃程度が望ましい。また、粘度調節剤付与部22内にヒーターを設け、粘度調節剤23を加熱しても良い。加熱温度としては、インキ21と粘度調整剤23が蒸発しすぎない温度であり、撥インキ粒子20が変形しない温度として、30〜40℃程度が望ましい。
また、粒子洗浄部27には粒子洗浄部ヒーター37が設けられており、粒子洗浄部ヒーター37に通電することにより粒子洗浄部27内の洗浄液34を加熱する。加熱した洗浄液34により、撥インキ粒子20に付着したインキ21を洗い流す際に、インキ21が加熱され粘度が低下する。その結果、撥インキ粒子20に付着したインキ21が洗い流され易くなり、撥インキ粒子20の確実な洗浄が可能となる。加熱温度としては、インキ21と粘度調整剤23が蒸発しすぎない温度であり、撥インキ粒子20が変形しない温度として、30〜40℃程度が望ましい。
送風機31には送風機ヒーター38が設けられており、送風機ヒーター38に通電することにより送風機31から温風を送風する。送風機31から温風を撥インキ粒子20に付着したインキ21に送風することで、インキ21が加熱され粘度が低下する。その結果、撥インキ粒子20に付着したインキ21が洗い流され易くなり、撥インキ粒子20の確実な洗浄が可能となる。加熱温度としては、インキ21と粘度調整剤23が蒸発しすぎない温度であり、撥インキ粒子20が変形しない温度として、30〜40℃程度が望ましい。
本発明の活用例として、オンデマンドのオフセット印刷装置および印刷方法に適用できる。
1 感光ドラム(版形成体)
3 露光器(潜像形成手段)
4 現像器(凸部形成手段)
5 インキローラ(記録材料供給手段)
7 クリーナーブレード(クリーナー手段)
8 ブランケット胴(中間転写体)
10 圧胴(押圧手段)
11 紙(被記録媒体)
20 撥インキ粒子(撥インキ粒子)
21 インキ(記録材料)
27 粒子洗浄部(粒子洗浄手段)
33 粒子貯蔵部(粒子貯蔵手段)

Claims (12)

  1. 書き換え可能な版を形成する版形成体と、
    前記版形成体の表面に対して潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記版形成体の表面上の潜像が形成されている部分に選択的に撥インキ粒子を付着させて凸部を形成する凸部形成手段と、
    記録材料を前記版形成体表面に供給する記録材料供給手段と、
    前記版形成体の表面に供給された前記記録材料を転写する中間転写体と、
    前記中間転写体の表面の前記記録材料を被記録媒体に転写する際に押圧する押圧手段と、
    該被記録媒体を搬送する搬送手段を有し、書き換え可能な版を用いる印刷装置において、
    前記撥インキ粒子を貯蔵する粒子貯蔵手段と、
    前記撥インキ粒子を前記版形成体から除去するクリーナー手段と、
    除去した前記撥インキ粒子の少なくとも一部を洗浄する粒子洗浄手段とを設け、
    前記版形成体から除去し洗浄した前記撥インキ粒子の少なくとも一部を前記粒子貯蔵手段に充填することを特徴とする印刷装置。
  2. 前記印刷装置は、前記版形成体に付着した前記記録材料の粘度を調整する粘度調節手段を有することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記粘度調節手段は、前記版形成体に付着した前記記録材料に液体を付与することを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記粘度調節手段は、前記版形成体に付着した前記記録材料を加熱手段により加熱して粘度を調整することを特徴とする請求項2又は3に記載の印刷装置。
  5. 前記クリーナー手段は、加熱手段により加熱されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の印刷装置。
  6. 前記粒子洗浄手段は、加熱手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の印刷装置。
  7. 書き換え可能な版を形成する版形成体の表面に対して潜像を形成する潜像形成工程と、
    前記版形成体の表面上の潜像が形成されている部分に選択的に撥インキ粒子を付着させて凸部を形成する凸部形成工程と、
    記録材料を前記版形成体表面に供給する記録材料供給工程と、
    前記工程で版形成体の表面に供給された前記記録材料を中間転写体に転写する転写工程と、
    前記中間転写体の表面の前記記録材料を被記録媒体に転写する際に押圧する押圧工程と、
    前記工程により前記記録材料が転写された該被記録媒体を搬送する搬送工程を有する印刷方法であって、
    前記転写工程の後に、
    前記版形成体から前記撥インキ粒子を除去するクリーナー工程と、
    前記工程で除去された前記撥インキ粒子の少なくとも一部を洗浄する粒子洗浄工程とを有し、
    前記版形成体から除去し洗浄した前記撥インキ粒子の少なくとも一部を前記凸部形成工程で再利用することを特徴とする印刷方法。
  8. 前記印刷方法は、前記版形成体に付着した前記記録材料の粘度を調整する粘度調節工程を有することを特徴とする請求項7に記載の印刷方法。
  9. 前記粘度調節工程は、前記版形成体に付着した前記記録材料に液体を付与する液体付与工程を有することを特徴とする請求項8に記載の印刷方法。
  10. 前記粘度調節工程は、前記版形成体に付着した前記記録材料を加熱手段により加熱して粘度を調整する工程を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の印刷方法。
  11. 前記クリーナー工程は、前記クリーナー手段を加熱手段により加熱する工程を有することを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の印刷方法。
  12. 前記粒子洗浄工程は、前記粒子洗浄手段を加熱する工程を有することを特徴とする請求項7乃11のいずれかに記載の印刷方法。
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