この種の定量供給装置、とりわけ樹脂ペレットやグラニュー糖のように流動性の高い粉粒状(バラ状)の被計量物を取り扱う定量供給装置、として、例えば、被計量物が収容された溜めホッパと、この溜めホッパの下方に配置されると共に当該溜めホッパから被計量物の供給を受ける計量ホッパと、を備えたものがある。計量ホッパには、ロードセル等の荷重センサが付属されており、この荷重センサから出力される計量信号に基づいて、当該計量ホッパに供給された被計量物の重量が求められる。そして、求められた重量測定値が目標重量値よりも小さい所定の供給停止重量値と一致したときに、溜めホッパから計量ホッパへの被計量物の供給が停止される。これにより、目標重量値分の被計量物を供給する、という定量供給が実現される。さらに、この定量供給を高速かつ高精度に実現するために、被計量物の単位時間当たりの供給量が段階的に変えられることがある。
具体的には、溜めホッパから計量ホッパへの被計量物の供給が開始された直後の初期の段階においては、比較的に大きな供給量で当該被計量物の供給が行われる。これにより、被計量物の供給開始から供給停止までに要する時間、言わば供給時間、の短縮化が図られる。そして、被計量物の供給開始から或る程度の時間が経過し、例えば上述した重量測定値が供給停止重量値よりも小さい所定の切換重量値に達した時点で、比較的に小さな供給量に切り換えられる。このように小さな供給量に切り換えられることで、時間の経過と共に増大する重量測定値の増大速度が低下し、当該重量測定値が供給停止重量値と一致するタイミング、つまり被計量物の供給を停止させるタイミング、の取得が容易になる。また、このタイミングに多少のズレが生じたとしても、被計量物の供給量が小さいので、当該ズレによる影響(誤差)が軽減される。この結果、目標重量値に対する実際の供給重量値の精度、言わば供給精度、が向上する。
なお、被計量物の単位時間当たりの供給量は、例えば、溜めホッパの底部にある排出口に設けられた開閉ゲートの開度によって制御される。即ち、このゲート開度が大きいほど、被計量物の単位時間当たりの供給量は大きくなり、当該ゲート開度が小さいほど、被計量物の単位時間当たりの供給量は小さくなる。そして、開閉ゲートが閉鎖されることで、溜めホッパから計量ホッパへの被計量物の供給が停止される。ただし、開閉ゲートが閉鎖されても、その後、暫くの間は、被計量物が計量ホッパに供給され続ける。これは、主に、開閉ゲートと計量ホッパとの間に距離があること、いわゆる落差量、に起因する。また、開閉ゲートを閉鎖させるタイミングが到来してから、つまり重量測定値が供給停止重量値と一致するタイミングが到来してから、実際に当該開閉ゲートが閉鎖されるまでに多少の時間遅れが生じることにも、起因する。これらを考慮して、供給停止重量値は目標重量値よりも小さく設定されている。
ところで、このようにゲート開度によって被計量物の単位時間当たりの供給量が制御されるゲート開度制御方式においては、当該ゲート開度が段階的に切り換えられると、その切り換わり前後の供給量差によって、荷重センサを含む計量ホッパへの衝撃荷重が変化する。この結果、荷重センサから出力される計量信号に振動成分が発生し、当該計量信号に基づいて求められる重量測定値に誤差が生じる。従って、特に被計量物の供給量が小さく設定される最終の段階、言わば小供給段階、において、被計量物の供給停止タイミングを正確に取得するには、この振動成分が十分に減衰するのを待つ必要がある。すると、この待ち時間を含む小供給段階に掛かる時間が長くなり、ひいては供給時間全体が長くなる。この不都合に対処するべく、従来、例えば特許文献1に開示されたものがある。
この従来技術によれば、図11(a)に示すように、時間tがt=0という時点を基点として、開閉ゲートが開かれ、被計量物の供給が開始される。この被計量物の供給開始直後のゲート開度Gは、G11という比較的に大きな値に設定される。これにより、当該ゲート開度G11に応じた比較的に大きな供給量で溜めホッパから計量ホッパへ被計量物が供給される。この言わば大供給(大投入)段階においては、図11(b)に太実線A1で示すように、重量測定値Wxが当該ゲート開度G11に応じた比較的に高い一定の速度(dWx/dt)で増大する。そして、この重量測定値Wxが予め設定された供給停止重量値Wcよりも小さい第1の切換重量値W11に到達すると(Wx=W11)、その時点t11で、大供給段階から中供給(中投入)段階としての漸減段階に切り換わる。この漸減段階においては、ゲート開度Gが、時間tの経過と共に、厳密には重量測定値Wxが増大するに連れて、漸減され、詳しくは、次の式1に基づいて、制御される。
《式1》
G=(G11−G12)・{(W12−Wx)/(W12−W11)}α+G12
なお、この式1において、W12は、予め設定された第2の切換重量値であり、この第2切換重量値W12は、上述の第1切換重量値W11よりも大きく、かつ、供給停止重量値Wcよりも小さい(W11<W12<Wc)。また、冪指数αは、0.3≦α≦0.7を満足する任意の値である。さらに、G12は、後述する小供給(小投入)段階におけるゲート開度Gであり、この小供給段階におけるゲート開度G12は、大供給段階におけるゲート開度G11よりも小さい(G12<G11)。
この漸減段階においては、時間tの経過と共に漸減するゲート開度Gに伴って、被計量物の供給量が徐々に低減されるので、重量測定値Wxの増大速度もまた徐々に低下する。そして、重量測定値Wxが第2切換重量値W12に到達すると(Wx=W12)、その時点t12で、漸減段階から小供給段階に切り換わる。なお、この漸減段階から小供給段階に切り換わる時点t12でのゲート開度Gは、数1からも分かるように、G12となる。そして、小供給段階においては、このG12という一定のゲート開度Gとされ、これに伴い、被計量物の供給量は、当該ゲート開度G12に応じた比較的に小さな一定値となり、重量測定値Wxの増大速度は、さらに低下する。
この小供給段階において、重量測定値Wxが目標重量値Wpよりも小さい供給停止重量値Wcと一致すると(Wx=Wc)、その時点t13で、ゲート開度Gがゼロ(G=0)とされる。つまり、開閉ゲートが閉鎖される。ただし、上述したように、開閉ゲートが閉鎖されても、その後、暫くの間は被計量物が計量ホッパに供給され続ける。これに伴い、重量測定値Wxは、増大し続け、詳しくは落差量d分だけ増大する。そして、最終的に、重量測定値Wxは、目標重量値Wpに近い値Ws(≒Wp)に収束する。この最終重量値Wsが得られると、計量ホッパに供給された被計量物は、当該計量ホッパから排出される。これをもって、一連(1回)の定量供給が終了する。
このように、特許文献1に開示された従来技術では、大供給段階と小供給段階との間に、中供給段階としての漸減段階が設けられる。そして、この漸減段階において、ゲート開度Gが、大供給段階におけるのと同じ開度G11から小供給段階におけるのと同じ開度G12まで連続的に漸減される。これにより、各段階の切り換わり前後の被計量物の供給量差が低減され、当該切り換わり時の振動成分の発生が抑制される。この結果、特に、小供給段階に掛かる時間T1(=t13−t12)が短縮され、ひいては供給時間全体が短縮される。
ところが、上述の如く各段階の切り換わり時における振動成分の発生が抑制されるとしても、被計量物の供給開始直後における当該被処理物の落下衝撃力による振動成分の発生は抑制されない。そして、この落下衝撃力が大き過ぎると、要するに大供給段階のゲート開度G11が大き過ぎると、図11(b)に太破線B1で示すように、当該落下衝撃力による振動成分が過大となり、極端には、この振動成分を含む重量測定値Wxが上述した第1切換重量値W11を超えてしまう。すると、重量測定値Wxが第1切換重量値W11を超えた時点t11’で大供給段階から漸減段階に切り換わる。つまり、大供給段階から漸減段階に切り換わる所期(本来)の時点t11よりも早く当該大供給段階から漸減段階に切り換わり、言い換えれば大供給段階において未だ十分な重量の被計量物が供給されていないにも拘らず当該大供給段階から漸減段階に切り換わる。この結果、漸減段階に掛かる時間が長くなり、却って供給時間全体が長引く。これを回避するには、大供給段階のゲート開度G11を小さめに設定すればよいが、そうすると、当該大供給段階の重量測定値Wxの増大速度が低下し、やはり供給時間全体が長引く。
そこで、さらなる別の従来技術として、例えば特許文献2に開示されたものがある。この特許文献2に開示された第2の従来技術によれば、特許文献1に開示された第1の従来技術とは異なり、重量測定値Wxに基づく(言わば重量測定値Wxを変数とする)のではなく、被計量物の供給開始時点を基点(t=0)とする経過時間tに基づいて(言わば経過時間tを変数として)、各段階の切り換えが行われる。即ち、図12(a)に示すように、当該経過時間t(軸上)において、大供給段階から漸減段階に切り換わる第1切換時点t21と、漸減段階から小供給段階に切り換わる第2切換時点t22とが、予め設定される。そして、被計量物の供給開始と共に経過時間tが測定され、この経過時間tが第1切換時点t21に到達するまでが、大供給段階とされる。この大供給段階においては、ゲート開度GがG21という比較的に大きな一定値とされる。これにより、図12(b)に太実線A2で示すように、重量測定値Wxが、当該ゲート開度G21に応じた比較的に高い一定の速度(dWx/dt)で増大する。そして、経過時間tが第1切換時点t21に到達すると、大供給段階から漸減段階に切り換わる。この漸減段階においては、次の式2に基づいて、ゲート開度Gが制御される。
《式2》
G=(G21−G22)・{(t22−t)/(t22−t21)}α+G22
なお、この式2において、G22は、次に説明する小供給段階のゲート開度Gであり、例えば第1従来技術における小供給段階のゲート開度G12と略等価(G22≒G12)である。そして、冪指数αは、0<α≦1を満足する任意の値である。
この漸減段階は、経過時間tが第2切換時点t21に到達するまで継続され、この間、当該経過時間tに伴って漸減するゲート開度Gに応じて、重量測定値Wxの増大速度もまた漸減する。そして、経過時間tが第2切換時点t21に到達すると、漸減段階から小供給段階に切り換わる。
小供給段階においては、上述したG22という一定のゲート開度Gとされ、これに伴い、重量測定値Wxが一定の低速度で増大する。そして、重量測定値Wxが供給停止重量値Wcと一致(Wx=Wc)した時点t23で、ゲート開度Gがゼロとされ、開閉ゲートが閉鎖される。これにより、重量測定値Wxは、当該時点t23から落差量d分だけ増大し、目標重量値Wpに近い最終重量値Wsに収束する。
このように、第2従来技術では、経過時間tに基づいて各段階の切り換えが行われるので、たとえ図12(b)に太破線B2で示すような振動成分が重量測定値Wxに含まれるとしても、この振動成分の影響を受けることなく、所期の通りに当該各段階の切り換えが行われる。従って、例えば、第1切換時点t21よりも前の或る時点t21’において、振動成分を含む重量測定値Wxが、当該第1切換時点t21における本来の(理想的な)値W21を超えたとしても、不本意に大供給段階から漸減段階に切り換わることはない。
しかしながら、この第2従来技術をもってしても、次のような問題がある。即ち、この第2従来技術における漸減段階においては、上述の如く式2に基づいてゲート開度Gが制御されるが、この式2における冪指数αは、0<α≦1を満足する任意の値である。例えば、この冪指数αがα=1である、と仮定すると、漸減段階におけるゲート開度Gは、図12(a)に太実線P2で示すように、直線的に推移する。一方、冪指数αが0<α<1である場合には、ゲート開度Gは、図12(a)に太破線P2’で示すように、上方に向かって凸状に膨らむように曲線的に推移する。そして、この曲線P2’の膨らみは、冪指数αの値が小さいほど、大きくなる。なお、常套的には、当該冪指数αは(1よりも)小さく設定され、つまり曲線P2’の膨らみが大きくなるように設定される。これは、ゲート開度Gが当該曲線P2’の如く推移することによって、漸減段階においても出来る限り大きな供給量で被計量物が供給されるようにし、ひいては供給時間全体のさらなる短縮化が図られるようにするためである。
ここで、漸減段階と小供給段階との境界である第2切換時点t22に注目すると、この第2切換時点t22においては、それまで式2に基づいて漸減(特に第2切換時点t22の直前には急減)していたゲート開度Gが、これ以降、突然G22という一定値になる。つまり、第2切換時点t22の前後の短い期間中に、ゲート開度Gが急変する。従って、この第2切換時点t22においても、図12(b)に太破線B2で示したように、(漸減段階がない場合に比べて振幅は小さいものの)多少の振動成分が発生する。その一方で、第2従来技術においては、上述の如く小供給段階に掛かる時間T2(=t23−t22)の短縮化が図られるが、この小供給時間T2が短すぎると、その始点である第2切換時点t22で発生する当該振動成分の振幅が小さくても、この振動成分の影響によって、小供給時間T2の終点である供給停止時点t23を正確に捉えることができず、ひいては供給精度が低下する。これを回避するには、やはり小供給時間T2を相応に長くする必要があり、詳しくは第2切換時点t22で見込まれる重量値W22をさらに低めに設定する、言い換えれば当該重量値W22と供給停止重量値Wcとの間隔(=Wc−W22)をさらに広げる、必要がある。しかし、これでは漸減段階を設ける意味が半減し、小供給時間T2を含む供給時間全体の短縮化が不十分となる。このことは、第1従来技術についても、同様である。即ち、上述の図11(a)における第2切換時点t12に注目すると、この第2切換時点t12においては、それまで式1に基づいて漸減(特に第2切換時点t12の直前には急減)していたゲート開度Gが、これ以降、突然G12という一定値になる。つまり、第2切換時点t12の前後の短い期間中に、ゲート開度Gが急変する。これによって、図11(b)に太破線B1で示したように、第2切換時点t12においても振動成分が発生し、この振動成分が十分に減衰するのを待つための時間を含む小供給時間T1を長くする必要があり、詳しくは第2切換重量値W12をさらに低めに設定する、言い換えれば第2切換重量値W12と供給停止重量値Wcとの間隔(=Wc−W12)をさらに広げる、必要がある。
また、第2切換時点t22におけるゲート開度Gの急変度合いは、大供給段階におけるゲート開度G21が大きいほど、顕著になる。従って、第2従来技術においても、第1従来技術と同様、大供給段階におけるゲート開度G21が(理由は異なるものの)制限される。このこともまた、供給時間全体の短縮化が不十分となる一要因である。
本発明の一実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。
本実施形態に係る定量計量装置10は、樹脂ペレットやグラニュー糖のように流動性の高い粉粒状の被計量物100を取り扱うものであり、図1に示すように、当該被計量物100が収容された溜めホッパ12と、この溜めホッパ12の下方に配置されると共に当該溜めホッパ12から被計量物100の供給を受ける計量ホッパ14と、を備えている。溜めホッパ12の底部にある排出口には、開閉ゲート16が設けられており、この開閉ゲート16の開度Gによって、当該溜めホッパ12から計量ホッパ14への被計量物100の単位時間当たりの供給量(流量)Qが制御される。なお、ゲート開度Gと供給量Qとは、(被計量物100の性状(粒度,見かけ比重,粘度等)が一定であることを前提として)互いに相関関係にあり、例えば比例関係にある。従って、供給量Qは、被計量物100の単位時間当りの質量流量と考えてもよい。そして、この関係が維持されるように、溜めホッパ12は計量ホッパ14よりも十分に大きい容積を持ち、かつ、当該溜めホッパ12内に被計量物100が適宜に補充されることによって溜めホッパ12内の被計量物100の収容高さHは常に一定の範囲に保たれている。
計量ホッパ14は、荷重センサとしてのロードセル18を備えており、このロードセル18は、自身への印加荷重に応じた電圧値を有するアナログ荷重検出信号Wyを生成する。このアナログ荷重検出信号Wyは、情報出力手段としての液晶型のディスプレイ20を備えた制御装置22に入力される。なお、ロードセル18としては、例えば歪ゲージ式のものが適当であるが、これ以外にも、磁歪式のものや静電容量式,ジャイロ式のもの等が採用可能である。また、ロードセル18以外の荷重センサが採用されてもよい。
制御装置22は、図2に示すように、増幅回路24を有しており、この増幅回路24に、アナログ荷重検出信号Wyが入力される。この増幅回路24に入力されたアナログ荷重検出信号Wyは、ここで増幅された後、A/D変換回路26に入力される。なお、図には示さないが、増幅回路24の前段または後段には、アナログ荷重検出信号W(t)に含まれる比較的に高い周波数帯域のノイズ成分、主に電気的な要因によるノイズ成分、を除去するためのローパスフィルタ回路が設けられている。
A/D変換回路26は、増幅回路24経由で入力されたアナログ荷重検出信号Wyを、パルス生成手段としてのクロックパルス生成回路28から与えられるクロックパルスCLKの立ち上がり(または立ち下がり)に合わせてサンプリングする。これによって、アナログ荷重検出信号Wyは、デジタル態様の信号に変換される。なお、A/D変換回路26によるサンプリング周期、つまりクロックパルスCLKの周期ΔTは、例えば1[ms]である。
A/D変換回路26による変換後のデジタル荷重検出信号Wyは、入出力インタフェース回路30を介して、制御手段としてのCPU(Central
Processing Unit)32に入力され、厳密には、上述のクロックパルスCLKの立ち上がり(または立ち下がり)に合わせて、当該CPU32に取り込まれる。このため、CPU32にも、入出力インタフェース回路30を介して、クロックパルスCLKが与えられる。CPU32は、このデジタル荷重検出信号Wyに基づいて、計量ホッパ14に供給された被計量物100の重量値Wxを求め、さらに、この重量測定値Wxに基づいて、ゲート制御信号Sgを生成する。そして、ゲート制御信号Sgは、入出力インタフェース回路30を介して、D/A変換回路34に入力され、ここでアナログ態様の信号に変換された後、上述した開閉ゲート16を駆動するための後述するサーボアンプ回路36に入力される。また、ゲート制御信号Sgとは別に、CPU32は、排出制御信号Scを生成する。この排出制御信号Scは、入出力インタフェース回路30を介して、後述するシリンダ38に与えられる。
CPU32の動作は、当該CPU32に接続された記憶手段としてのメモリ回路40に記憶されている制御プログラムに従う。また、CPU32には、入出力インタフェース回路30を介して、上述したディスプレイ20と、当該CPU32に各種命令を入力するための命令入力手段としての操作キー42と、が接続されている。なお、ディスプレイ20および操作キー42は、互いに一体化されたものでもよく、例えばタッチスクリーンによって構成されてもよい。
図1に戻って、サーボアンプ回路36は、制御装置22から入力されたゲート制御信号Sgに基づいて、サーボモータ44を駆動するための駆動信号Sdを生成する。サーボモータ44は、この駆動信号Sdに従って駆動され、その駆動力は、駆動ギア46と従動ギア48とを有する駆動力伝達手段としてのギア機構50を介して、開閉ゲート16に与えられる。これにより、開閉ゲート16が開閉し、つまりゲート開度Gが制御される。さらに、サーボモータ44(回転軸)には、その回転角度を検出するための回転角度検出手段としてのロータリ型のポテンショメータ52が結合されており、このポテンショメータ52から出力される回転角度検出信号Spは、サーボアンプ回路36にフィードバックされる。サーボアンプ回路36は、このフィードバックされた回転角度検出信号Spと、上述のゲート制御信号Sgと、を比較し、さらに、この比較結果に基づいて、希望通りのゲート開度Gとなるように、駆動信号Sdを補正する。
また、計量ホッパ14の底部は、当該計量ホッパ14に供給された被計量物100を排出するための排出口を形成しており、この排出口には、開閉ゲート16とは別のゲート、言わば排出ゲート54、が設けられている。そして、この排出ゲート54を駆動するための駆動手段として、上述したシリンダ38が設けられている。なお、シリンダ38としては、例えば空気圧式のものが適当であるが、油圧式等の当該空気圧式以外のものも採用可能である。また、シリンダ38に代えて、電磁ソレノイドやモータ等の他の駆動手段が採用されてもよい。
このように構成された本実施形態に係る定量供給装置10によれば、次の要領により、被計量物100の定量供給が実現される。
即ち、本実施形態に係る定量供給装置10においても、上述の第1従来技術および第2従来技術と同様、大供給段階,中供給段階としての漸減段階,ならびに小供給段階という3つの段階に分けて、溜めホッパ12から計量ホッパ14へ被計量物100が供給される。そして、小供給段階では、重量測定値Wxが目標重量値Wpよりも落差量d分だけ小さい供給停止重量値Wcと一致したときに、当該被計量物100の供給が停止される。さらに、大供給段階から漸減段階への切り換え、および、漸減段階から小供給段階への切り換え、については、第2従来技術と同様、被計量物100の供給開始時点を基点(t=0)とする経過時間tに基づいて行われる。ただし、漸減段階では、図3(a)に太実線P0で示すように、経過時間tに対するゲート開度Gの関係が概略S字状に推移するように、具体的には、当該経過時間tに対するゲート開度Gの変化率、つまり漸減速度dG/dt、が前半部分で漸増し、後半部分で漸減するように、制御される。なお、図3(a)の太破線P2’は、比較参照用としての第2従来技術における経過時間tとゲート開度Gとの関係を示す(図12(a)に示したのと同じである)。
より具体的に説明すると、本実施形態においても、経過時間tに基づいて、大供給段階から漸減段階に切り換わる第1切換時点t01と、漸減段階から小供給段階に切り換わる第2切換時点t02とが、予め設定される。そして、被計量物100の供給開始と共に経過時間tが測定され、この経過時間tが第1切換時点t01に到達するまでが、大供給段階とされる。この大供給段階においては、ゲート開度GがG01という比較的に大きな一定値とされ、詳しくは第2従来技術におけるゲート開度G21よりも大きく設定される。これにより、図3(b)に太実線A0で示すように、重量測定値Wxが、当該ゲート開度G01に応じた比較的に高い一定の速度(dWx/dt)で増大する。なお、図3(b)の太破線A2は、第2従来技術における重量測定値Wxの推移を示す(図12(b)において太実線A2で示したのと同じである)。この第2従来技術における重量測定値Wxの推移と比較して分かるように、本実施形態における重量測定値Wxの方が、当該第2従来技術における重量測定値Wxよりも、高い速度で増大する。
大供給段階において、経過時間tが第1切換時点t01に到達すると、当該大供給段階から漸減段階に切り換わる。そして、漸減段階においては、次の式3に基づいて、ゲート開度Gが制御される。
《式3》
G=k1・t3+k2・t2+k3・t+k4
この式3において、k1,k2,k3およびk4は、いずれも定数であり、次の4つの条件が満足されるように決定される。即ち、第1の条件として、経過時間tがt=t01であるときに、ゲート開度GがG=G01であることが、要求される。そして、第2の条件として、経過時間tがt=t02であるときに、ゲート開度GがG=G02であることが、要求される。さらに、第3の条件として、経過時間tがt=t01’であるときに、ゲート開度GがG=G01’であることが、要求される。そして、第4の条件として、経過時間tがt=t02であるときのゲート開度G02が、当該ゲート開度Gの最小値であることが、要求される。なお、G02は、小供給段階のゲート開度Gであり、例えば第2従来技術におけるゲート開度G22と略等価(G02≒G22)であり、言い換えれば、第1従来技術におけるゲート開度G12と略等価(G02≒G12)である。また、t01’は、第1切換時点t01と第2切換時点t02との間の任意の時点(t01<t01’<t02)であり、例えば基点から第2切換時点t02までの期間の約2/3に相当する時点に設定される。さらに、G01’は、大供給段階(第1切換時点t01)のゲート開度G01よりも小さく、かつ、小供給段階(第2切換時点t02)のゲート開度G02よりも大きい、任意のゲート開度G(G02<G01’<G01)であり、例えば大供給段階のゲート開度G01の約1/3の大きさに設定される。そして、第1切換時点t01は、例えば第2従来技術における第1切換時点t21と略同等であり、第2切換時点t02もまた、当該第2従来技術における第2切換時点t22と略同等である。
この式3によれば、図3(a)に示した太実線P0からも分かるように、漸減段階におけるゲート開度Gは、時点t01’のゲート開度G01’を変曲点として、経過時間tに対して概略S字状に推移し、いわゆる3次曲線を描くように推移する。より詳しくは、第1切換時点t01から変曲時点t02’までの前半部分は、当該ゲート開度Gの漸減速度dG/dtが漸増するように推移し、変曲時点t02’から第2切換時点t02までの後半部分は、漸減速度dG/dtが漸減するように推移する。そして、最終的に、ゲート開度Gは、小供給段階におけるゲート開度G02と等価になる。このような制御によって、時点t01’を境にして、これよりも前の前半部分で第1実施形態および第2実施形態に比べてより多くの被計量物100の供給が行われ、後半部分で当該被計量物100の供給量Qがより緩やかに減ぜられる。これに伴い、重量測定値Wxは、相応の速度で増大する。なお、上述の第3の条件として、変曲点(t01’,G01’)を明確化するべく、経過時間tがt=t01’であるときの漸減速度dG/dtの変化率d2G/dt2がd2G/dt2=0であることが、要求されてもよい。
経過時間tが第2切換時点t02に到達すると、漸減段階から小供給段階に切り換わる。小供給段階においては、上述したG02という一定のゲート開度Gとされ、これに伴い、重量測定値Wxが当該ゲート開度G02に応じた一定の低速度で増大する。そして、重量測定値Wxが供給停止重量値Wcと一致(Wx=Wc)した時点t03で、ゲート開度Gがゼロとされ、開閉ゲート16が閉鎖される。これにより、重量測定値Wxは、当該時点t03から落差量d分だけ増大し、目標重量値Wpに近い最終重量値Wsに収束する。
最終重量値Wsが得られると、当該最終重量値Wsは、上述したディスプレイ20に表示される。そして、排出ゲート54が開かれる。これにより、計量ホッパ14に供給された被計量物100は、当該排出ゲート54を介して排出され、例えば図示しない包装袋に収容される。これをもって、一連の定量供給が終了する。なお、厳密には、最終重量値Wsは、次の式4に基づく移動平均処理によって求められる。この式4において、nは、任意のサンプリング番号である。そして、Mは、タップ数であり、詳しくは1以上の任意の整数である。
《式4》
Ws={ΣWx[n−m]/M} where m=0〜M−1
このように、本実施形態によれば、漸減段階におけるゲート開度Gが、その前段の大供給段階におけるゲート開度G01から後段の小供給段階におけるゲート開度G02まで連続的に漸減される。しかも、その漸減速度dG/dtが、当該漸減段階の前半部分で漸増され、後半部分で漸減される。これにより、大供給段階と漸減段階との境界である第1切換時点t01において、ゲート開度Gの変動、つまり被計量物100の供給量Qの変動、が抑えられ、この変動に起因する振動成分の発生が確実に抑制される。これと同様に、漸減段階と小供給段階との境界である第2切換時点t02においても、ゲート開度Gの変動、つまり供給量Qの変動、が抑えられ、この変動に起因する振動成分の発生が確実に抑制される。
従って、特に、小供給段階において当該振動成分が減衰するのを待つ必要がないので、小供給段階に掛かる時間T0(=t03−t02)を短縮化することができ、ひいては供給時間全体の短縮化を図ることができる。なお、小供給時間T0を短縮するとは、第2切換時点t02での被計量物100の供給重量値W02を供給停止重量値Wcに近づけることを意味し、つまりこれら両者の間隔(=Wc−W02)を狭めることを意味する。因みに、第2従来技術において、第2切換時点t22での被計量物の供給重量値W22が供給停止重量値Wcに近づけられると、当該第2切換時点t22で発生する振動成分の影響によって、この振動成分を含む重量測定値Wxが本来の供給停止時点t23よりも早い時点で供給停止重量値Wcを超えてしまい、その時点で被計量物の供給が停止される、という不都合が生じる恐れがある。このことは、第1従来技術についても、同様である。即ち、第1従来技術において、第2切換重量値W12が供給停止重量値Wcに近づけられると、重量測定値Wxが当該第2切換重量値W12に到達した時点t12で発生する振動成分の影響によって、この振動成分を含む当該重量測定値Wxが本来の供給停止時点t13よりも早い時点で供給停止重量値Wcを超えてしまい、その時点で被計量物の供給が停止される。本実施形態によれば、このような不都合が生じないので、この点でも、本実施形態は有益である。
また、本実施形態においては、第2従来技術と同様に、被計量物100の供給開始時点からの経過時間tに基づいて各段階の切り換えが行われるが、例えば小供給段階に注目すると、当該第2従来技術に比べて、次のような利点がある。
即ち、本実施形態において、稼働中に被計量物100の性状を含む諸状況が変化すると、同じゲート開度Gであっても、当該被計量物100の供給量Qが変わることがある。特に、この供給量Qが増えると、図3の一部拡大図である図4の(b)に1点鎖線A0’で示すように、第2切換時点t02よりも前の或る時点t02’で、重量測定値Wxが当該第2切換時点t02における本来の(理想的な)値W02を超える。ただし、この時点t02’では、まだ、漸減段階から小供給段階へは切り換わらない。従って、同時点t02’におけるゲート開度G02’は、図4(a)に太実線P0で示すように、小供給段階における開度G02よりも少し大きい(>G02)。そして、同時点t02’から第2切換時点t02に掛けて、ゲート開度Gは漸減し、併せて、当該ゲート開度Gの漸減速度dG/dtもまた漸減する。そして、第2切換時点t02において、ゲート開度GはG=G02となり、当該ゲート開度Gの漸減速度dG/dtはdG/dt=0となる。これにより、ゲート開度Gが漸減する漸減段階から当該ゲート開度Gが一定とされる小供給段階へと緩やかに切り換わる。小供給段階においては、G=G02というゲート開度Gが維持され、重量測定値Wxが供給停止重量値Wcに到達した時点t03’で、当該ゲート開度Gはゼロとされる。この結果、このゲート開度Gがゼロとされる実際の供給停止時点t03’は、本来の供給停止時点t03よりも前に到来し、その分、実際の小供給時間T0’(=t03’−t02)は、本来の小供給時間T0よりも短くなる(T0’<T0)。このように実際の小供給時間T0’が短くなることによって、上述した振動成分による影響が懸念されるが、本実施形態によれは、当該振動成分の発生が確実に抑制されるので、そのような懸念はない。つまり、実際の供給停止時点t03’が正確に捉えられる。ゆえに、被計量物100の供給量Qが変わっても、供給精度が低下することはない。しかも、小供給時間T0’が短くなることによって、その分、供給時間全体がさらに短縮され、より好ましい状態となる。
これに対して、第2従来技術では、稼働中に被計量物の単位時間当りの供給量が増えると、図4(b)に2点鎖線A2’で示すように、第2切換時点t22よりも前の或る時点t22’で、重量測定値Wxが当該第2切換時点t22における本来の値W22を超える。その一方で、同時点t22’におけるゲート開度G22’は、図4(a)に太破線P2’で示すように、小供給段階における開度G22よりもかなり大きい(G22’>G22)。従って、実際の供給停止時点t23’は、本来の供給停止時点t23よりもかなり前に到来し、その分、実際の小供給時間T2’(=t23’−t22)は、本来の小供給時間T2よりもかなり短くなる(T2’<T2)。そうすると、第2従来技術では、本実施形態とは異なり、小供給段階の始期である第2切換時点t22において上述の如く(当該第2切換時点t22の前後の短い期間中にゲート開度Gが急変することによる)振動成分が発生するため、この振動成分が減衰するのを待つ必要があるが、このように小供給時間T2’が短くなることによって、その待ち時間を確保することができなくなる。この結果、振動成分が減衰しないうちに供給停止時点t23’が捉えられることになり、ひいては供給精度が低下する。これを回避するには、元々の小供給時間T2を長めに設定する、つまり第2切換時点t22における重量値W22をより小さめに設定すればよいが、これでは、小供給時間T2を含む供給時間全体が長くなり、やはり不都合である。この点を比較しても、本実施形態は極めて有益である。
さらに、図3に戻って、大供給段階に注目すると、この図3の(a)に示すように、本実施形態における当該大供給段階のゲート開度G01は、第2従来技術における大供給段階のゲート開度G21よりも大きい。従って、この大供給段階における被計量物100の総供給量は、本実施形態の方が、第2従来技術よりも多い。このこともまた、本実施形態による供給時間全体の短縮化に大きく貢献する。これは、第1従来技術との比較においても、同様である。
このような有益な効果が得られるようにするためには、上述したt01,t01’およびt02という経過時間tに係るパラメータと、G01,G01’およびG02というゲート開度Gに係るパラメータと、が適切に設定される必要がある。そのために、本実施形態では、調整モードによる事前の調整作業が行われる。
具体的には、まず、図2に示した操作キー42の操作によって、調整モードが選択される。続いて、当該操作キー42の操作によって、希望の目標重量値Wpと、これに見合う供給停止重量値Wcとが、設定される。併せて、大供給段階のゲート開度G01と、小供給段階のゲート開度G02とが、適当に仮設定され、例えば第1従来技術におけるのと同程度のG01=G11およびG02=G12とされる。さらに、第1従来技術に倣って、第1切換重量値W01と、第2切換重量値W02とが、適当に仮設定され、例えばW01=W11およびW02=W12とされる。その上で、第1従来技術と同様の要領で仮の定量供給が実行される。なお、この仮の定量供給の実行においては、後述するように、重量測定値WxがW01,W02およびWcという各重量値に到達した時点t01,t02およびt03が捉えられ、これらの時点(厳密には基点(t=0)から各時点までの時間)t01,t02およびt03はディスプレイ20に表示される。
即ち、被計量物100の供給開始時点(t=0)から重量測定値Wxが仮設定された第1切換重量値W01に到達するまでが、G01というゲート開度Gによる大供給段階とされる。そして、重量測定値Wxが第1切換重量値W01に到達した時点で、大供給段階から漸減段階に切り換わり、その時点が、第1切換時点t01として仮設定される。この仮設定された第1切換時点t01は、仮設定された大供給段階のゲート開度G01および仮設定された第1切換重量値t01と共に、ディスプレイ20に表示される。
漸減段階においては、上述した式1に準拠する次の式5に基づいて、ゲート開度Gが制御される。なお、この式5における冪定数αについては、0<α≦1の範囲で適当に設定される。
《式5》
G=(G01−G02)・{(W02−Wx)/(W02−W01)}α+G02
この漸減段階は、重量測定値Wxが仮設定された第2切換重量値W02に到達するまで継続され、その時点が到来すると、小供給段階に切り換わる。併せて、当該時点が、第2切換時点t02として仮設定される。なお、この仮設定された第2切換時点t02におけるゲート開度Gは、G=G02となる。そして、この仮設定された第2切換時点t02もまた、当該G02というゲート開度Gおよび仮設定された第2切換時点t02と共に、ディスプレイ20に表示される。
小供給段階においては、G02という一定のゲート開度Gで被計量物100が供給され、重量測定値Wxが供給停止重量値Wcに到達すると、その時点で、当該ゲート開度Gがゼロとされる。そして、このゲート開度Gがゼロとされた時点は、仮の供給停止時点t03として特定され、この特定された仮の供給停止時点t03は、供給停止重量値Wcと共に、ディスプレイ20に表示される。
このように仮の定量供給が実行されることによって、第1切換時点t01と第2切換時点t02とが仮設定され、併せて、仮の供給停止時点t03が一種の目安(指標)として特定される。そして、これらは(t01,G01,W01),(t02,G02,W02)および(t03,Wc)という関係で表示される。従って、オペレータは、この表示を参照することで、経過時間tに対するゲート開度Gおよび重量測定値Wxそれぞれの推移を認識することができる。なお、仮の定量供給が複数回実行されることによって、これらの関係が平均化されたものが表示されてもよい。
続いて、上述した変曲時点t01’と、これに対応するゲート開度G01’とが、適当に仮設定される。この条件の下、上述した式3が組み立てられ、つまり当該式3における各定数k1,k2,k3およびk4が求められる。その上で、今度は、本実施形態で説明した要領による定量供給が仮実行される。
即ち、被計量物100の供給開始時点(t=0)からの経過時間tが測定され、この経過時間tが仮設定された第1切換時点t01に到達するまでが、G01というゲート開度Gによる大供給段階とされる。そして、経過時間tが第1切換時点t01に到達すると、大供給段階から漸減段階に切り換わる。なお、第1切換時点t01における重量測定値Wxが、当該第1切換時点t01における目安的な重量値W01として改めて特定され、この特定された重量値W01は、第1切換時点t01および大供給段階のゲート開度G01と共に、ディスプレイ20に表示される。
漸減段階においては、上述した式3に基づいて、ゲート開度Gが制御される。そして、ゲート開度Gの漸減速度dG/dtの変化率d2G/dt2が逐次求められ、この変化率d2G/dt2がd2G/dt2=0となる時点が、変曲時点t01’として改めて設定される。併せて、この変曲時点t01’におけるゲート開度Gが、G01’として改めて設定される。そして、これら変曲時点t01’およびゲート開度G01’は、当該変曲時点t01’における重量測定値W01’と共に、ディスプレイ20に表示される。
経過時間tが仮設定された第2切換時点t02に到達すると、ゲート開度GがG=G02となり、漸減段階から小供給段階に切り換わる。そして、この第2切換時点t02における重量測定値Wxが、当該第2切換時点t02における目安的な重量値W02として改めて特定され、この特定された重量値W02は、第2切換時点t02およびG02というゲート開度Gと共に、ディスプレイ20に表示される。
小供給段階においては、G02という一定のゲート開度Gで被計量物100が供給され、重量測定値Wxが供給停止重量値Wcに到達すると、その時点で、当該ゲート開度Gがゼロとされる。そして、このゲート開度Gがゼロとされた時点は、供給停止時点t03として改めて特定され、この特定された供給停止時点t03は、供給停止重量値Wcと共に、ディスプレイ20に表示される。
このように仮実行された定量供給によって、経過時間tに対するゲート開度Gおよび重量測定値Wxの推移が、(t01,G01,W01),(t01’,G01’,W01’),(t02,G02,W02)および(t03,Wc)という関係を含めて、認識される。ここで、大供給段階のゲート開度G01は、基本的にG01=G11であるが、これがG01>G11となるように設定し直される。併せて、第2切換時点t02における重量値W02は、基本的にW02=W12であるが、これがW02<Wcという条件を満足しつつW02>W12となるように設定し直される。さらに、第2切換時点t02が早められる。このように設定し直された上で、改めて式3が組み立てられ、本実施形態で説明した要領による定量供給が再度仮実行される。
この結果、少なくとも供給停止時点t03が早まり、供給時間全体が短縮化される。一方、供給精度については、所期の精度(つまり第1従来技術および第2従来技術よりも高い精度)が得られることが必須であり、そうでない場合には、上述の大供給段階のゲート開度G01,第2切換時点t02における重量値W02および第2切換時点t02が設定し直される。なお、第1切換時点t01や変曲時点t01’、或いは当該変曲時点t01’におけるゲート開度G01’等の他のパラメータが適宜設定し直されてもよい。いずれにしても、所期の供給精度が得られると共に、供給時間全体の短縮化が図られるように、各パラメータが設定される。また、この作業が複数回にわたって繰り返されれば、確実性が向上する。
この調整作業の後、稼働モードによる実際の稼働運転が上述した要領で成されるが、当該稼働運転時においては、CPU32は、上述した制御プログラムに従って、次のように動作する。
即ち、CPU32は、クロックパルスCLKの立ち上がりが到来すると、図5に示す自動運転タスクのステップS1に進む。そして、このステップS1において、所定のフラグFsに“1”が設定されているか否かを判定する。このフラグFsは、後述するステップS3の供給処理,ステップS5の計量処理,およびステップS7の排出処理のいずれかが実行されている途中であるか否かを表す指標であり、当該フラグFsが“1”であれば、いずれかの処理が実行されている途中であることを表し、当該フラグFsが“0”であれば、いずれの処理も実行されていないことを表す。なお、稼働運転の開始直後は、このフラグFsには“0”が設定されており、この場合、CPU32は、ステップS9に進む。
ステップS9において、CPU32は、定量供給を開始する準備が整っているか否か、詳しくは、計量ホッパ14が空の状態であり、かつ、排出ゲート54が閉じられた状態にあるか否か、を判定する。この判定は、他のタスクでの結果に基づいて成され、当該準備が整っていない場合には、一旦、この自動運転タスクを終了する。一方、準備が整っている場合には、CPU32は、ステップS11に進む。
ステップS11において、CPU32は、上述とは別のフラグFaに“1”を設定する。このフラグFaは、上述したステップS3の供給処理が実行中であるか否かを表す指標であり、当該フラグFaが“1”であれば、ステップS3の供給処理が実行中であることを表し、当該フラグFaが“0”であれば、ステップS4の供給処理が実行されていないことを表す。つまり、このステップS11では、当該フラグFaに“1”を設定することによって、CPU32は、これからステップS3の供給処理を実行することを宣言する。なお、稼働運転の開始直後は、フラグFaには“0”が設定されている。そして、CPU32は、次のステップS13に進み、上述したフラグFsに“1”を設定した後、ステップS3に進む。
このステップS3の詳細については、後で説明するが、このステップS3においては、上述したゲート開度制御方式による被計量物100の供給が行われる。そして、このステップS3の実行後、CPU32は、ステップS5の計量処理に進み、ここで、最終重量値Wsを求める。このステップS5の詳細についても、後で説明する。さらに、CPU32は、ステップS5の実行後、ステップS7の排出処理に進む。このステップS7の詳細についても、後述するが、このステップS7おいては、計量ホッパ14に供給された被処理物100が当該計量ホッパ14から排出される。そして、このステップS7の実行を終えることで、一連の定量供給が終了する。
さて、ステップS3の供給処理においては、CPU32は、図6に示すサブルーチンに入る。即ち、CPU32は、まず、ステップS101に進み、上述したフラグFaに“1”が設定されているか否かを判定する。ここで、例えば、このフラグFaに“1”が設定されていない場合、CPU32は、そのまま当該供給処理を終えて、次のステップS5の計量処理に進む。一方、フラグFaに“1”が設定されている場合には、CPU32は、ステップS103に進む。
ステップS103において、CPU32は、上述したデジタル荷重検出信号Wyに基づいて重量測定値Wxを求める。そして、CPU32は、ステップS105に進み、経過時間tをカウントするためのカウンタのカウント値Ctを“1”だけインクリメントする。なお、稼働運転の開始直後は、この時間カウント値Ctは“0”とされており、つまりリセットされている。
ステップS105の実行後、CPU32は、ステップS107に進み、ここで、ゲート開度Gを管理するためのカウンタのカウント値Cgが“0”であるか否かを判定する。なお、このゲート開度カウント値Cgもまた、稼働運転の開始直後にリセットされる。従って、当該稼働運転開始直後は、このゲート開度カウント値Cgは“0”であり、この場合、CPU32は、大供給段階を実行するべく、ステップS109に進む。
ステップS109において、CPU32は、ゲート開度GをG01とするための準備をする。そして、ステップS111において、当該ゲート開度Gを実際にG01とするよう開閉ゲート16を制御し、詳しくはゲート制御信号Sgを生成する。これによって、大供給段階が実行される。
そして、CPU32は、ステップS113に進み、上述した時間カウント値Ctと、調整作業で得られた第1の閾値Ct01と、を比較する。この第1閾値Ct01は、第1切換時点t01に対応し、具体的には当該第1切換時点t01を時間カウント値Ctに換算したものである。このステップS113において、例えば当該時間カウント値Ctが第1閾値Ct01未満(Ct<Ct01)である場合、つまり経過時間tが第1切換時点t01に到達していない場合、CPU32は、一旦、このステップS5の供給処理を終了する。一方、時間カウント値Ctが第1閾値Ct01以上(Ct≧Ct01)である場合、つまり経過時間tが第1切換時点t01に到達した場合は、ステップS115に進む。
ステップS115において、CPU32は、今現在の重量測定値Wxを予め用意された重量値レジスタRwに記憶させる。さらに、CPU32は、ステップS117に進み、今現在の時間カウント値Ctを予め用意された時間レジスタRtに記憶させる。そして、ステップS119に進み、これら重量値レジスタRwに記憶された重量測定値Wxと時間レジスタRtに記憶された時間カウント値Ctとをディスプレイ20に表示させる。なお、このステップS119で表示される重量測定値Wxは、第1切換時点t01における被計量物100の供給済み重量値W01(Wx=W01)である。また、当該ステップS119で表示される時間カウント値Ctに代えて、今現在の経過時間tが表示されてもよい。
このステップS119の実行後、CPU32は、ステップS121に進み、ゲート開度カウント値Cgを“1”だけインクリメントする。そして、一旦、このステップS5の供給処理を終了する。
なお、上述のステップS107においてゲート開度カウント値Cgが“0”でない場合、CPU32は、図7のステップS123に進む。
ステップS123において、CPU32は、ゲート開度カウント値Cgが“1”であるか否かを判定する。ここで、例えば、当該ゲート開度カウント値Cgが“1”である場合、CPU32は、漸減段階を実行するべく、ステップS125に進む。
ステップS125において、CPU32は、上述の式3に基づいて、ゲート開度Gを算出する。そして、ステップS127に進み、当該ステップS125における算出結果Gに基づいて、開閉ゲート16を制御する。これらステップS125およびステップS127が繰り返されることで、ゲート開度Gは漸減する。
そして、CPU32は、ステップS129に進み、時間カウント値Ctと、調整作業で得られた変曲点閾値Ct01’と、を比較する。この変曲点閾値Ct01’は、編曲時点t01’に対応し、詳しくは当該変曲時点t01’を時間カウント値Ctに換算したものである。このステップS129において、例えば当該時間カウント値Ctが変曲点閾値Ct01’と等価(Ct=Ct01’)である場合、つまり経過時間tが変曲時点t01’に到達した場合、CPU32は、ステップS131に進む。
ステップS131において、CPU32は、今現在の重量測定値Wxを上述した重量値レジスタRwに記憶させる。さらに、CPU32は、ステップS133に進み、今現在の時間カウント値Ctを上述した時間レジスタRtに記憶させる。そして、CPU32は、ステップS135に進み、これら重量値レジスタRwに記憶された重量測定値Wxと時間レジスタRtに記憶された時間カウント値Ctとをディスプレイ20に表示させる。なお、このステップS135で表示される重量測定値Wxは、変曲時点t01’における被計量物100の供給済み重量値W01’(Wx=W01’)である。また、当該ステップS135においても、上述のステップS119と同様、時間カウント値Ctに代えて、今現在の経過時間tが表示されてもよい。
ステップS135の実行後、CPU32は、ステップS137に進む。なお、上述のステップS129において、時間カウント値Ctが変曲点閾値Ct01’と等価でない(Ct≠Ct01’)場合も、つまり経過時間tが未だ変曲時点t01’に到達していないか、若しくは当該経過時間tが既に変曲時点t01’に到達した後である場合も、CPU32は、ステップS129からステップS137に進む。
ステップS137において、CPU32は、時間カウント値Ctと、調整作業で得られた第2の閾値Ct02と、を比較する。この第2閾値Ct02は、第2切換時点t02に対応し、詳しくは当該第2切換時点t02を時間カウント値Ctに換算したものである。ここで、例えば当該時間カウント値Ctが第2閾値Ct02未満(Ct<Ct02)である場合、つまり経過時間tが第2切換時点t02に到達していない場合、CPU32は、一旦、このステップS5の供給処理を終了する。一方、時間カウント値Ctが第2閾値Ct02以上(Ct≧Ct02)である場合、つまり経過時間tが第2切換時点t02に到達した場合は、ステップS139に進む。なお、このステップS139に進むとき、ゲート開度Gは、基本的には小供給段階のゲート開度G02と等価(G=G02)である。
ステップS139において、CPU32は、今現在の重量測定値Wxを重量値レジスタRwに記憶させる。さらに、CPU32は、ステップS141に進み、今現在の時間カウント値Ctを時間レジスタRtに記憶させる。そして、CPU32は、ステップS143に進み、これら重量値レジスタRwに記憶された重量測定値Wxと時間レジスタRtに記憶された時間カウント値Ctとをディスプレイ20に表示させる。なお、このステップS143で表示される重量測定値Wxは、第2切換時点t02における被計量物100の供給済み重量値W02(Wx=W02)である。また、当該ステップS139においても、上述のステップS119およびステップS135と同様、時間カウント値Ctに代えて、今現在の経過時間tが表示されてもよい。
ステップS143の実行後、CPU32は、ステップS145に進み、ここで、ゲート開度カウント値Cgを“1”だけインクリメントする。そして、一旦、このステップS5の供給処理を終了する。
なお、上述のステップS123において、ゲート開度カウント値Cgが“1”でない場合、CPU32は、小供給段階を実行するべく、当該ステップS123からステップS147に進む。そして、このステップS147において、ゲート開度GをG02とするための準備をした後、続くステップS149において、当該ゲート開度Gを実際にG02とするよう開閉ゲート16を制御し、詳しくはゲート制御信号Sgを生成する。これによって、小供給段階が実行される。
ステップS149の実行後、CPU32は、ステップS151に進む。そして、このステップS151において、今現在の重量測定値Wxと、上述した供給停止重量値Wcと、を比較する。ここで、例えば重量測定値Wxが供給停止重量値Wcに達していない(Wx<Wc)場合、CPU32は、一旦、このステップS5の供給処理を終了する。一方、重量測定値Wxが供給停止重量値Wcに達した(Wx≧Wc)場合は、ステップS153に進む。
ステップS153において、CPU32は、ゲート開度Gを0とするための、つまり開閉ゲート16を閉鎖させるための、準備をする。そして、ステップS155において、実際に開閉ゲート16を閉鎖させる。なお、上述したように、開閉ゲート16が閉鎖された後も、計量ホッパ14には落差量d分の被計量物100が供給される。
そして、CPU32は、ステップS157に進み、今現在の時間カウント値Ctを時間レジスタRtに記憶させ、さらに、ステップS159に進み、当該時間レジスタRtに記憶された時間カウント値Ctをディスプレイ20に表示させる。なお、このステップS159でディスプレイ20に表示される時間カウント値Ctは、供給停止時点t03(t03’を含む)に対応する。また、当該時間カウント値Ctに代えて、供給停止時点t03が表示されてもよい。
このステップS159の実行後、CPU32は、ステップS161に進む。そして、このステップS161において、供給処理中であるか否かの判定フラグFaに“0”を設定した後、ステップS163に進み、後述する別のフラグFbに“1”を設定する。そして、このステップS163の実行をもって、CPU32は、供給処理を終了する。
この供給処理の後、ステップS5の計量処理が行われるが、この計量処理において、CPU32は、図8に示すサブルーチンに入る。即ち、CPU32は、まず、ステップS201に進み、フラグFbに“1”が設定されているか否かを判定する。このフラグFbは、当該計量処理が実行中であるか否かを表す指標であり、当該フラグFbが“1”であれば、計量処理が実行中であることを表し、当該フラグFbが“0”であれば、計量処理が実行されていないことを表す。なお、稼働運転の開始直後は、このフラグFbには“0”が設定されている。そして、このステップS201において、例えばフラグFbに“1”が設定されていない場合、CPU32は、そのまま当該計量処理を終えて、次のステップS7の計量処理に進む。一方、フラグFbに“1”が設定されている場合には、CPU32は、ステップS203に進む。
ステップS203において、CPU32は、デジタル荷重検出信号Wyに基づいて重量測定値Wxを求める。そして、ステップS205に進み、時間カウント値Ctを“1”だけインクリメントした後、ステップS207に進む。
ステップS207において、CPU32は、いわゆる安定待ちをする。即ち、今現在の時間カウント値Ctが、今現在の時間レジスタRtの記憶値と所定の安定待ち時間Tsに対応するカウント換算値Ctsとの総和(=Rt+Cts)に達したか否かを判定する。なお、今現在の時間レジスタRtの記憶値は、供給停止時点t03に対応する。ここで、例えば今現在の時間カウント値Ctが当該総和に達していない(Ct<Rt+Cts)場合、つまり供給停止時点t03から所定の安定待ち時間Tsが経過していない場合、CPU32は、一旦、このステップS5の計量処理を終了する。一方、今現在の時間カウント値Ctが当該総和に達した(Ct<Rt+Cts)場合、つまり供給停止時点t03から所定の安定待ち時間Tsが経過した場合は、ステップS209に進む。
ステップS209において、CPU32は、上述の式4に基づいて、最終重量値Wsを求める。そして、ステップS211に進み、当該ステップS209で求められた最終重量値Wsを重量値レジスタRwに記憶させる。さらに、ステップS213に進み、当該重量値レジスタRwに記憶された最終重量値Wsをディスプレイ20に表示させる。
このステップS213の実行後、CPU32は、ステップS215に進み、時間カウント値Ctをリセットする。さらに、CPU32は、ステップS217に進み、ゲート開度カウント値Cgをリセットした後、ステップS219に進み、計量処理中であるか否かの判定フラグFbに“0”を設定する。そして、続くステップS221において、後述する別のフラグに“1”を設定して、このステップS5の計量処理を終了する。
この計量処理の後、ステップS7の排出処理が行われるが、この排出処理において、CPU32は、図9に示すサブルーチンに入る。即ち、CPU32は、まず、ステップS301に進み、フラグFcに“1”が設定されているか否かを判定する。このフラグFcは、当該排出処理が実行中であるか否かを表す指標であり、当該フラグFcが“1”であれば、排出処理が実行中であることを表し、当該フラグFcが“0”であれば、排出処理が実行されていないことを表す。なお、稼働運転の開始直後は、このフラグFcには“0”が設定されている。そして、このステップS301において、例えばフラグFcに“1”が設定されていない場合、CPU32は、そのまま当該排出処理を終える。一方、フラグFcに“1”が設定されている場合には、CPU32は、ステップS303に進む。
ステップS303において、CPU32は、排出ゲート54を開放させる。これにより、計量ホッパ14に供給されている被計量物100が、当該計量ホッパ14から排出される。そして、CPU32は、ステップS305に進み、時間カウント値Ctを“1”だけインクリメントする。なお、このインクリメント後の時間カウント値Ctは、供給停止時点t03からの時間に対応する。
ステップS305の実行後、CPU32は、ステップS307に進む。そして、このステップS307において、所定の排出時間Thが過ぎるのを待つ。即ち、今現在の時間カウント値Ctが、当該排出時間Thに対応するカウント換算値Cthに達したか否かを判定する。ここで、例えば今現在の時間カウント値Ctが当該排出時間Thに対応するカウント換算値Cthに達していない(Ct<Cth)場合、CPU32は、一旦、このステップS7の排出処理を終了する。一方、今現在の時間カウント値Ctが当該排出時間Thに対応するカウント換算値Cthに達した(Ct≧Cth)場合、つまり供給停止時点t03から排出時間Thが経過した場合は、ステップS309に進む。
ステップS309において、CPU32は、時間カウント値Ctをリセットする。そして、ステップS311に進み、排出ゲート54を閉鎖する。さらに、ステップS313に進み、排出処理中であるか否かの判定フラグFcに“0”を設定した後、ステップS315に進み、当該排出処理を含むいずれかの処理が実行中であるか否かの判定フラグFsに
“1”を設定して、このステップS7の排出処理を終了する。
なお、本実施形態で説明した内容は、飽くまでも本発明を実現するための一例であり、本発明の範囲を限定するものではない。
例えば、本実施形態においては、樹脂ペレットやグラニュー糖のように流動性の高い粉粒状の被計量物100を取り扱う定量計量装置10を例に挙げたが、これに限らない。例えば、当該樹脂ペレットやグラニュー糖よりも流動性の低い被計量物や、粘性のある被計量物等を取り扱う装置にも、本発明を適用することができる。特に、粘性のある被計量物を取り扱う場合には、当該被計量物がスクリューフィーダによって溜めホッパから計量ホッパへ供給される構成であってもよい。
また、溜めホッパ12の下方に計量ホッパ14が配置され、この計量ホッパ14に付属されたロードセル18等の荷重センサによる荷重検出値に基づいて、当該計量ホッパ14に供給された被計量物100の重量値Wxが求められる構成を例に挙げたが、これに限らない。例えば、溜めホッパ12側にロードセル18等の荷重センサが設けられ、この荷重センサによる荷重検出値に基づいて、当該溜めホッパ12から排出された被計量物100の重量値Wxが求められる構成に、本発明を適用してもよい。
さらに、開閉ゲート16を駆動する手段として、サーボモータ44を採用したが、これに限らない。例えば、当該サーボモータ44に代えて、図10に示すように、ステッピングモータ60を採用してもよい。この場合、ステッピングモータ60は、モータドライブ回路62から与えられる駆動信号Sd基づいて回転駆動する。また、図1に示した構成とは異なり、回転角度検出手段としてのポテンショメータ52が不要となり、併せて、当該ポテンショメータ52からモータドライブ回路62へのフィードバックも不要となる。従って、図1に示した構成に比べて、定量供給装置10全体の構成が簡素化される。ただし、ステッピングモータ60の脱調を防ぐために、特に、当該ステッピングモータ60の駆動時に、その回転速度(ステップ数)を徐々に変化させる等の適宜の工夫が必要になる。勿論、これらのモータ44または60以外にも、上述したシリンダ38のような他の駆動手段を採用してもよい。
そして、漸減段階においては、上述の式3で表される3次式に基づいて、ゲート開度Gが制御されることとしたが、これに限らない。例えば、第1切換時点t01から変曲時点t01’までは、上述の式2に準拠する次の式6に基づいて、ゲート開度Gが制御されてもよい。
《式6》
G=(G01−G01’)・{(t01’−t)/(t01’−t01)}α+G01’
そして、変曲時点t01’から第2切換時点t02までは、次の式7で表される2次式に基づいて、ゲート開度Gが制御されてもよい。なお、この式7において、s1,s2およびs3は、いずれも定数であり、ゲート開度Gの漸減速度dG/dtが漸減するように求められる。具体的には、経過時間tがt=t01’であるときに、ゲート開度GがG=G01’である、という第1条件と、経過時間tがt=t02であるときに、ゲート開度GがG=G02である、という第2条件と、経過時間tがt=t02であるときのゲート開度G02が、当該ゲート開度Gの最小値である、という第3条件と、の全てが満足されるように、各s1,s2およびs3が求められる。
《式7》
G=s1・t2+s2・t+s3
さらに、大供給段階から漸減段階への切り換え、および、漸減段階から小供給段階への切り換え、については、第2従来技術と同様、経過時間tに基づいて行われることとしたが、これに限らない。例えば、第1従来技術と同様、重量測定値Wxに基づいて、当該各段落の切り換えが行われるようにしてもよい。ただし、この場合は、第1従来技術におけるのと同様の不都合が生じないように、第1切換重量値W01や第2切換重量値W02,大供給段階におけるゲート開度G01等を含む各条件を設定することが、肝要である。
また、大供給段階、漸減段階および小供給段階という3つの段階に分けて被計量物100が供給される場合について説明したが、これに限らない。例えば、漸減段階および小供給段階の2段階で被計量物100が供給されてもよいし、4段階以上のより多くの段階に分けて被計量物100が供給されてもよい。いずれにしても、漸減段階の後に最終の段階である小供給段階が設けられればよい。