JP6143442B2 - 制御装置およびこれを備えた充填装置 - Google Patents
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Description
一般的な充填装置は、計量前の被計量物を収容する主ホッパと、被計量物が計量される計量ホッパとが使用される。
しかしながら、この方法の場合、重量物を上方から計量ホッパに落下させることに伴う衝撃力により計量ホッパが振動する。そして、この振動が収束するまで、次の被計量物の計量ホッパへの投入に移行することができないため、その分、時間がかかってしまう。つまり、供給が完了するまでの時間、すなわちシーケンス全体の時間が掛かりすぎる。
一方、工数を向上させるためには、同様のシステムを並列に複数台用意する必要があり、システム構築に費用が掛かってしまうという新たな問題が生じる。
しかし、特許文献1では、固定的な3次式を用いるため、充填装置や被計量物の種類などの様々な条件に柔軟に対応することは困難である。
そのため、計量ホッパの振動の抑制が可能となり、被計量物の計量ホッパへの供給時間を短縮できる。
図1〜図3は、本発明に係る実施形態の充填装置1の機構部を示す概略図である。
図1は、充填装置1の投入ゲート2gが“閉”状態、排出ゲート3gが“閉”状態を示す。図2は、充填装置1の投入ゲート2gが“開”状態、排出ゲート3gが“閉”状態を示す。図3は、充填装置1の投入ゲート2gが“閉”状態、排出ゲート3gが“開”状態を示す。
本充填装置1は、主ホッパ2から計量ホッパ3へ被計量物hを供給する際に開く投入ゲート2gの開閉アルゴリズムにおけるタクトアップを実現し、短時間で被計量物hの供給(またはその他動作)完了を目標とするゲート開閉手段を提供する。
主ホッパ2の下部には、収容された被計量物hを計量ホッパ3に供給する際に開く投入ゲート2gが開閉自在に設けられている。投入ゲート2gは、モータ5の駆動により、スライダレバー5aを介して、開閉される。
スライダレバー5aの一端部は、クランク5bに回転自在に接続されており、スライダレバー5aの他端部は、投入ゲート2gに回転自在に接続されている。
図2に示すように、モータ5を駆動させることで、スライダレバー5aを矢印α1方向に移動させて投入ゲート2gが開放され、主ホッパ2内の被計量物hが計量ホッパ3内に投入される。
計量ホッパ3の下部には、計量された被計量物hを袋fなどに排出するための排出ゲート3gが開閉自在に設けられている。
排出ゲート3gを駆動するための駆動手段として、シリンダ6が設けられている。排出ゲート3gは、空気圧シリンダなどのシリンダ6の伸縮によって駆動され、全閉または全開される。
図1の矢印α3に示すように、シリンダ6を伸張することにより、排出ゲート3gが閉塞される。一方、図3の矢印α4に示すように、シリンダ6を収縮することにより、排出ゲート3gが開放される。
(1)主ホッパ2下部の投入ゲート2gは、モータ5によって、被計量物hの計量ホッパ3への大供給段階・中供給段階・小供給段階の3段階の開度(開口面積)に開閉制御される。
図2に示すように、投入ゲート2gの各供給段階の開放時に、主ホッパ2に投入した被計量物hが、主ホッパ2の下方に配置される計量ホッパ3に供給されることになる。
(2)図3の矢印α5に示すように、計量ホッパ3下部の排出ゲート3gが開かれると、計量ホッパ3の下方に配置される袋fや包装容器に被計量物hが落下し、計量ホッパ3内の被計量物hが充填される。
図4は、充填装置1の機構部1Aと制御部1Bとを示す概念的構成図である。なお、図4では、充填装置1の投入ゲート2gが“開”状態、排出ゲート3gが“閉”状態を示す。
次に、充填装置1の制御機構を説明する。
充填装置1は、機構部1Aを制御するために、制御部(制御装置)7とサーボアンプ8とを備えている。なお、充填装置1では、モータ5としてサーボモータを使用している。以下、モータ5をサーボモータ5として説明を行う。
また、制御部7は、シリンダ6の不図示の駆動部に対して、制御信号を出力することでシリンダ6の伸縮動作を制御する。シリンダ6の伸縮動作により、計量ホッパ3下部の排出ゲート3gの開閉が制御される。
制御部7は、所謂コントローラであり、入力部7aと演算部7bと比較部7cとを有している。
入力部7aには、オペレータにより設定値が入力される。なお、入力部7aに対して、オペレータが入力を行う不図示の入力装置を制御部7の外部に設けてもよい。
比較部7cは、サーボアンプ8への制御指令(制御信号)と、モータ5内のエンコーダからの検出信号(モータ5の位置を示す情報)とを比較する。
(1)主ホッパ2から計量ホッパ3に供給された被計量物hの重量が、ロードセル4によって検出され、該検出信号が制御部7に入力される。
(2)制御部7は、ロードセル4の検出信号に基づいて、投入ゲート2gを開閉制御するための制御信号をサーボアンプ8に出力する。
(4)サーボモータ5は、駆動信号に基づいて駆動され、投入ゲート2gの開度が制御される。
充填装置1では、被計量物hの充填に際してのタクトアップを目的とする。
そこで、充填装置1は、短時間で被計量物hの供給(またはその他動作)完了を目標とした場合の投入ゲート2gの開閉手段を提供する。そのため、被計量物hの計量ホッパ3への供給時に、主ホッパ2から被計量物hが計量ホッパ3内に落下する際に、計量ホッパ3に発生する振動成分を抑制し、計量ホッパ3での被計量物hの重量判定の精度を上げ、短時間で計量ホッパ3へ被計量物hを供給する処理を完了させる。
投入ゲート2gの開度(開口面積)に対するサーボモータ5の回転位置の関係は、充填装置1の稼働開始時に予め校正されているものとする。
サーボモータ5は、制御部7からのパルス出力により、駆動する。このとき、制御部7からどれだけのパルス数を出力した時に、サーボモータ5がどれだけ回転するか、つまりサーボモータ5への入力とサーボモータ5からの出力の関係を予め位置校正により決める必要がある。
ここで、サーボモータ5は、任意の速度でマニュアル動作可能とする。
オペレータが、(+方向)移動ボタン7a1や(−方向)移動ボタン7a2の操作の間、上述の指定速度で動作し続け、操作を止めたボタン解放時に開動作用、閉動作用が停止する。
次に、充填装置1の操作開始の手順の概略について説明する。
充填装置1の稼動開始に際しては、オペレータが、マニュアルでの(−方向)移動ボタン7a2の操作で、投入ゲート2gが全閉状態である機械原点に、投入ゲート2gを動作させる。
そして、制御部7の入力部7aに設けられた原点(全閉)登録ボタン7a3を操作してこの位置を登録する。
このように、投入ゲート2gのゲート全閉位置(原点)と、投入ゲート2gのゲート全開位置との2つの位置を制御部7に設定することにより、投入ゲート2gの現在位置を把握できる。
なお、充填装置1の全閉状態である機械原点と全開位置との登録をマニュアルで行う場合を例示したが、自動で行うように構成してもよい。全閉・全開位置の登録をマニュアルとするか、自動とするかは、任意である。
原点検出センサ、移動限界検出センサとしては、例えば、近接スイッチ、リミットスイッチなどが設けられる。
(1)原点検出センサ無し、移動限界検出センサ無し
(2)原点検出センサ有り、移動限界検出センサ無し
(3)原点検出センサ無し、移動限界検出センサ有り
(4)原点検出センサ有り、移動限界検出センサ有り
投入ゲート2gの全閉状態を原点として、投入ゲート2gが図2の矢印α1方向(+方向)に移動して開く一方、図1の矢印α2方向(−方向)に移動して閉塞するものとする。
充填装置1のシステムとしては最も簡素な構成である。
まず、オペレータが目視で、投入ゲート2gの全閉(原点)の方向の移動方向を確認する。
オペレータがマニュアルで(−方向)移動ボタン7a2の操作を行い、投入ゲート2gの動作を(原点に対し+方向or−方向)を行い、オペレータが目視で機械原点を確認し、オペレータは、原点(全閉)登録ボタン7a3を操作して原点を制御部7に登録する。
なお、充填装置1によっては、(−方向)が開動方向となり、(+方向)が閉動方向となるものとする。
原点検出センサのみ設けたセンサ付きで最小限の構成である。
まず、オペレータは目視で、投入ゲート2gが全閉(原点)となる移動方向(原点検出センサの方向)を確認する。
そして、(−方向)移動ボタン7a2を操作し、オペレータは、投入ゲート2gが全閉となる原点に向かって(充填装置1毎の原点対する+方向or−方向)、投入ゲート2gを動作させる。投入ゲート2gが全閉状態になると原点検出センサが検出信号を出力し、制御部7が原点を検出する。いわば、半自動で原点(投入ゲート2gの全閉状態)を検出する。
投入ゲート2gの+側(図1の矢印α1側)、−側(図1の矢印α2側)の移動限界検出センサのみある場合の原点検出および全閉状態の検出は以下である。
−側(図1の矢印α2側)の移動限界検出センサで、原点検出センサを代用するような場合について説明する。
オペレータが、原点(全閉)登録ボタン7a3を操作すると、制御部7が、投入ゲート2gを−方向(図1の矢印α2側)に動作させて、投入ゲート2gの全閉位置(原点位置)に設けた移動限界検出センサで原点を検出する。これにより、全自動で原点を検出できる。
充填装置1における投入ゲート2gの開閉動作上、最も安全な装置構成である。
オペレータが、原点(全閉)登録ボタン7a3を操作すると、制御部7は、投入ゲート2gを−方向(図1の矢印α2側)に動作させ、原点検出センサの検出信号により、制御部7が原点を検出する。
なお、原点が+側にある場合には、オペレータが、原点(全閉)登録ボタン7a3を操作すると、制御部7は、投入ゲート2gを+側(図1の矢印α1側)に動作させ、原点検出センサの検出信号により、制御部7が原点を検出する。これにより、制御部7が全自動で原点(投入ゲート2gの全閉状態)を検出する。
次に、投入ゲート2gの全開校正を、オペレータのマニュアルによって行う場合について説明する。
投入ゲート2gの全開検出センサが無い場合のマニュアルでの投入ゲート2gのゲート全開位置の校正は、以下のように遂行される。
続いて、オペレータが、投入ゲート2gを、(+方向)移動ボタン7a1を操作することで、マニュアルにより投入ゲート2gの全開位置に向かって(充填装置1毎の+方向or−方向)、投入ゲート2gを動作させる。上述したように、図1では、α1方向が+方向であり、α2方向が−方向である場合を例示している。
オペレータは、目視で投入ゲート2gの全開位置を確認し、全開登録ボタン7a4を操作して、投入ゲート2gの全開位置を登録する。
以上が、オペレータが全手動で投入ゲート2gの全開位置を検出する操作である。
図6は、充填装置1の投入ゲート2gの開度の一特性を示す。図6の横軸は時間tを示し、縦軸は投入ゲート2gの開度kを示す。
図1〜図3を参照して、充填装置1において、主ホッパ2内の被計量物hを計量ホッパ3に落下させるための投入ゲート2gの開度に関して、時間の経過に従って説明する。
充填装置1においては、被計量物hの供給量及び消費エネルギならびに装置の能力などに応じて、装置の能力に適合した供給量の制御を任意に設定可能な装置を提供する。
本充填装置1では後者を採用する。前者の手法であると、重量物が計量ホッパ3に落下することにより振動し、この振動が収束するまで次の段階に移行することができない。そのため、その分、被計量物hの計量ホッパ3への全供給に時間がかかってしまう。
大供給段階は、投入ゲート2gの開度を全開にした場合の主ホッパ2内の被計量物hの計量ホッパ3への供給の過程を示す。
中供給段階とは、大供給段階の投入ゲート2gの開度以下であり、かつ、小供給段階の投入ゲート2gの開度以上の開度で、投入ゲート2gを開く場合である。
従来、既存の充填装置の制御アルゴリズムでは、大供給段階、中供給段階、小供給段階において、それぞれ投入ゲート2gの固定開度を有し、それぞれの指定重量まで監視して、時間tとゲート開度kとの関係からエネルギ量(計量ホッパ3内の被計量物hの重量に相当)を算出する。
制御部7は、大供給終了時間(=中供給開始時間)の時刻t1、中供給終了時間(=小供給開始時間)の時刻t2に対し、適当な初期値をもち、この初期値でエネルギ量(計量ホッパ3への被計量物hの充填量の重量に相当)を消費しない場合には、時刻t1を前後に自動調整することで調整モード時の結果と同等なエネルギ量(計量ホッパ3内の被計量物hの重量に相当)を消費する(粗調整)。
その後、時刻t1で調整がつかない場合には、時刻t2での調整を行うこととする。
従って、本充填装置1では、時間当りの投入ゲート2gの開度が漸減する中供給段階において、各充填装置1のシステムに合った制御の選択が可能なように、時間当りの投入ゲート2gの開度を指令する制御信号を生成する。
図6に示すように、大供給段階から中供給段階に移行する第1移行時点(t1,k1)と中供給段階から小供給段階に移行する第2移行時点(t2,k2)とを含む投入ゲート2gの線形の開度Lを指令する制御信号を生成する。
前記した位置校正により投入ゲート2gの全閉と全開の位置が分かっているので、そこから移動したい位置に対応するパルス数、移動したい時間を算出することで投入ゲート2gの開閉速度を求め、指定速度で投入ゲート2gの開度を指定位置まで動作させる。
本実施形態の充填装置1では、第1多項式及び第2多項式は2次式とする。これにより、第1多項式から第2多項式に移行する点である変曲点の前半と後半とで個別の制御を実施する。
換言すれば、変曲点は、第1移行時点(t1,k1)と第2移行時点(t2,k2)とを結ぶ1次式の線分上を変化するものとし、任意に変更できるものとする。
まず、変曲点の軌道である1次式を求める。
1次式は、次式(1)で一般に表される。
y = a1×x + b1 (1)
上述の2点、(t1,k1)、(t2,k2)を通ることから、式(1)は、下記の式(2)、(3)で表される。
k2=a1×t2+b1 (3)
式(2)、(3)の連立方程式を解いて、a1とb1を算出し、式(1)へ代入すれば、変曲点の軌道である1次式が求まる。
また、変曲点(th,kh)を通り、かつ、(t2,k2)の極小点を通る2次式の後半部の制御式の第2多項式を求める。
dy/dx = a2(x−max)=a2×x−a2×max (4)
と表せる。なお、maxとは、dy/dxが0、すなわちyが極値となるxの値である。
式(4)を積分して、
y =(1/2)×a2×x2 + (−max)×a2×x + c (5)
k1=(1/2)×a2×(t1)2 + (−t1)×a2×t1 + c (6)
変曲点を通ることから、
kh=(1/2)×a2×(th)2 + (−th)×a2×th + c (7)
式(6)、式(7)の連立方程式を解いてa2とcを算出し、式(5)へ代入すれば2次式の第1多項式が求まる。
上述の如くして、制御部7は、大供給段階の終了時点(t1,k1)、変曲点(th,kh)、小供給段階の開始時点(t2,k2)の3点を通る曲線を算出する。
制御部7は、図6に示す大供給段階、中供給段階、小供給段階の時間とゲート開度の関係からエネルギ量(計量ホッパ3内の被計量物hの重量に相当)を算出する。エネルギ量(計量ホッパ3内の被計量物hの重量に相当)とは、図6の曲線で囲まれる面積に相当する。制御部7は、図6の大供給段階、中供給段階、小供給段階の時間を変数とする関数のゲート開度を積分するなどして、エネルギ量(計量ホッパ3内の被計量物hの重量に相当)が求められる。
制御部7は、大供給終了時間=中供給開始時間の時刻“t1”、中供給終了時間=小供給開始時間の時刻“t2”に対し、適当な初期値をもつ。
“t1”を前後の時刻に自動調整した場合には、式(1)〜式(7)の演算を再度行う。式(1)〜式(7)の演算は、1次式と2次式の演算なので、演算の負荷は少ない。
なお、オペレータが、時刻“t1”と時刻“t2”を、入力部7aを介して任意に設定できる構成とすると、オペレータ設定の時刻“t1”と時刻“t2”に合わせて、第1多項式と第2多項式とが演算される。
以上の過程を経て、制御部7の設定は終了する。
制御部7は、調整後、前記した投入ゲート2gの開度の位置校正により全閉と全開の位置が分かっているので、全閉と全開の位置から、図6に示す軌道(図6中の太線)に従って、移動したい位置までのパルス数、移動したい時間で投入ゲート2gの開度の速度を算出し、指定速度で指定位置まで、投入ゲート2gを動作させる。
次に、被計量物hの袋fへの充填作業の流れについて説明する。
図7は、被計量物hの袋fへの充填作業の過程を示すフロー図である。
(1)まず、図1の状態の充填装置1において、オペレータは、主ホッパ2に被計量物hを上方から入れる(図7のS101)。
(2)続いて、オペレータは、計量ホッパ3の下方に袋をセットする(図2参照)(図7のS102)。
(4)すると、制御部7の制御によりサーボモータ5が駆動され、図2に示すように、主ホッパ2下部の投入ゲート2gが開く(図6の時刻t0)。そして、前記の如く求めた図6に示す時刻と投入ゲート2gの開度kとの関係で、被計量物hが指定重量まで計量ホッパ3へ供給される(図7のS104)。
(6)続いて、制御部7は、図3の矢印α4に示すように、シリンダ6を収縮させ、排出ゲート3gを開き、袋fへ被計量物hが充填される(図7のS106)。これにより、袋fへの被計量物hの充填作業が完了する。
(1)中供給段階における投入ゲート2gの開度を線形である直線の開度L上の一点を区切りに前半と後半とを時間の異なる関数の開度で制御する。つまり、中供給段階における投入ゲート2gの開度を、大供給終了時点、変曲点(直線の開度L上の一点)、小供給開始時点の3点を通る曲線を算出し制御を行う。
そのため、従来の特許文献1の固定的な3次式のようなゲート2gの開度の漸減特性と比較し、変曲点自体が移動可能となり変曲点(直線の開度L上の一点)のその前後の操作量(制御)に変化をつけることができる。
(3)場合によっては中供給段階に必要とされる時間を短縮できる。
同様に、中供給段階の後半での投入ゲート2gの開度の第2多項式が2次式の場合を例示したが、時間(時刻)の3次式以上の関数で投入ゲート2gの開度を制御するようにしてもよい。
しかし、実施形態で説明した第1多項式、第2多項式に2次式を用いる方法は、簡易な演算で種々の条件に応じて制御を行えるので、最も好ましい。
図8は、変形形態1の充填装置1の別異のゲート開度特性を示す図である。
変形形態1の充填装置1では、中供給段階のゲート2gの開度を、時間に対する複数の1次関数(直線)を接続して制御するようにしたものである。
変形形態1の中供給段階におけるゲート開度特性では、図8に示すように、第1移行時点(t1,k1)と任意の一点(th,kh)の2点の間、および、任意の一点(th,kh)と第2移行時点(t2,k2)の2点の間に、複数の監視時点の(時刻、ゲート2gの開度)の[(ty1,ky1)、(ty2,ky2)、…]を設ける。
その他の構成は、実施形態の充填装置1と同様である。
また、各時点でのゲート2gの開度kの認識が、より容易になる。
図9は、変形形態2の充填装置1の別異のゲート開度特性を示す図である。
変形形態2の充填装置1では、中供給段階のゲート2gの開度を、大供給段階から中供給段階への移行時点である第1移行時点(t1,k1)と、中供給段階から小供給段階への移行時点である第2移行時点(t2,k2)とを直線で結んで制御するように構成したものである。
その他の構成は、実施形態の充填装置1と同様である。
複雑な制御が不要な場合に適合する。
図10は、変形形態3の充填装置1の別異のゲート開度特性を示す図である。
変形形態3の充填装置1では、中供給段階のゲート2gの開度を、大供給段階から中供給段階への移行時点である第1移行時点(t1,k1)を通り、かつ、中供給段階から小供給段階への移行時点である第2移行時点(t2,k2)を極小値とする時間tの2次式で表される開度kで制御を行うものである。
この2次式の求め方は、前記した式(4)〜式(7)を用いる方法と同様である。
その他の構成は、実施形態の充填装置1と同様である。
図11は、変形形態4の充填装置1の別異のゲート開度特性を示す図である。
変形形態4の充填装置1では、実施形態で述べた図6に示す第1多項式から第2多項式へ移行する変曲点を以下のように定めるものである。
図11に示すように、変曲点(th,kh)を、大供給段階から中供給段階への移行時点である第1移行時点(t1,k1)と、中供給段階から小供給段階への移行時点である第2移行時点(t2,k2)と、時点(t1,k2)と、時点(t2,k1)とを結んだ矩形の領域内から任意に選択するようにしたものである。
変形形態4での変曲点の求め方は、例えば、図11の矩形の領域を2分割、または、3分割、または、4分割など、複数に分割して、各分割領域の変曲点を仮決めして演算を行い、適合する変曲点がある領域を絞りこんでいき、変曲点を決定するとよい。
また、中供給段階での投入ゲート2gの開度の変曲点(th,kh)を、第1移行時点(t1,k1)と、第2移行時点(t2,k2)と、時点(t1,k2)と、時点(t2,k1)とを結んだ矩形の領域から任意に選択するので、中供給段階での投入ゲート2gの開度の変曲点の選択の幅が広がる。そのため、様々な被計量物hや、様々な充填装置1に有効となる。
(1)前記実施形態、変形形態では、被計量物hの大供給段階での計量ホッパ3への供給量を一定とした場合を示したが、必ずしも一定でなくともよい。同様に、被計量物hの小供給段階での計量ホッパ3への供給量を一定とした場合を示したが、必ずしも一定でなくともよい。
しかしながら、実施形態で説明した変曲点が1点であり、変曲点前後の第1多項式、第2多項式を2次式とする構成は、簡単な演算でありながら、様々な場合に適合可能であるので、最も望ましい。
2 主ホッパ
2g 投入ゲート
3 計量ホッパ
7 制御部(制御装置)
h 被計量物
L 直線
Claims (7)
- 被計量物が入れられる主ホッパと、該主ホッパ内の前記被計量物が供給され前記被計量物が既定の重量に計量される計量ホッパと、開放することで前記主ホッパ内の前記被計量物が前記計量ホッパへ供給される一方、閉塞することで前記供給を停止する投入ゲートとを備え、
前記投入ゲートによる前記被計量物の供給量が最も大きい大供給段階と、該大供給段階の後に続きかつ該大供給段階以下の前記供給量を有し、前記被計量物の単位時間当たりの供給量が漸減する中供給段階と、該中供給段階の後に続きかつ前記供給量が前記中供給段階以下である小供給段階とを有する充填装置の制御装置であって、
前記大供給段階から前記中供給段階に移行する第1移行時点と、
前記中供給段階から前記小供給段階に移行する第2移行時点とを有し、
前記中供給段階において、前記投入ゲートの開度を、前記第1移行時点と前記第2移行時点との間の任意の時刻を前後として、異なるモードの開度となるように制御する
ことを特徴とする制御装置。 - 前記中供給段階における前記投入ゲートの開度は、
前記第1移行時点の時刻の前記投入ゲートの開度を極大値とし、前記任意の時刻とその時刻の前記投入ゲートの開度とで定まる点を通る時刻を変数とする第1多項式で表され、
前記第2移行時点の時刻の前記投入ゲートの開度を極小値とし、前記任意の時刻とその時刻の前記投入ゲートの開度で定まる点を通る時刻を変数とする第2多項式で表される
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。 - 前記任意の時刻とその時刻の前記投入ゲートの開度は、
前記第1移行時点とその時点の前記投入ゲートの開度と、前記第2移行時点とその時点の前記投入ゲートの開度とを結ぶ線分上の時刻とその時刻の前記投入ゲートの開度である
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の制御装置。 - 前記第1多項式と前記第2多項式は、2次式である
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の制御装置。 - 前記第1多項式で表される開度は、前記第2多項式で表される開度よりも、単位時間当たりの開度の漸減率が大きい
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の制御装置。 - 前記被計量物が前記既定の重量に計量されるように、前記小供給段階の時間での調整より前に該調整より大きな前記大供給段階の時間での粗調整を行う
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の制御装置。 - 請求項1から請求項6の何れか一項に記載の制御装置を備える充填装置。
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