JP2011111800A - 電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造 - Google Patents

電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造 Download PDF

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Abstract

【課題】メカニカルキーの回動操作を補助できるとともに、このような補助機構を搭載しても、電子キーを小型化することができる電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造を提供する。
【解決手段】メカニカルキー40は、車両にIDコードを無線送信して車両にID照合を実行させ、当該ID照合が成立したことを条件として、車両に設置された機器の操作が可能となる電子キーに着脱可能に収納され、機械的な実操作を伴ってID照合が実行される電子キーに備え付けられる。メカニカルキー40の回動操作補助構造は、メカニカルキー40の挿し込み先であるキーシリンダ51のシリンダカバー53を車両から取り外し、シリンダカバー53をメカニカルキー40に取り付けて把持部として使用することにより、メカニカルキー40をキーシリンダ51に挿し込んで回す回動操作の際に力を入り易くして、該回動操作を補助する回動操作補助機構3を備えた。
【選択図】図7

Description

この発明は、電子キーに収納されるメカニカルキーを使用する際に回動操作を補助する電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造に関する。
近年、多くの車両には、車両キーとしての電子キーからキーコードとしてIDコードを車両へ無線発信してID照合を実行させる電子キーシステムが使用されている。この電子キーシステムでは、車両の周囲にIDコードの返信要求としてLF帯の信号でリクエストの通信エリアを形成し、この通信エリアに電子キーが入り込んでリクエストを受け取ると、電子キーがIDコードをRF帯の信号で車両に返信する。そして、車両は、このIDコードを受信するとID照合を行い、ID照合が成立すれば、ドアロックの施解錠やエンジンの始動を許可又は実行する(例えば、特許文献1参照)。
上記の電子キーは、電池を電源として稼働しているため、使用年月(使用回数)の経過に伴って電池電圧が限界動作電圧付近に至ると、ID照合ができなくなる状況に陥る。なお、目安として電池は交換しないで3年程度使用可能である。そこで、このような電子キーの電池切れに備えて、電子キーにはエマージェンシーキーとしてメカニカルキーが収納されている。そして、電子キーが電池切れとなった際には、このメカニカルキーを使用することによって対応する。なお、電波障害等によりID照合ができない際にも、メカニカルキーを使用することによって対応する。
特開2002−29385号公報 特開2004−52471号公報
ところで、上記の電子キーでは、携帯性を高めるため小型化が求められており、電子キーの小型化に伴いメカニカルキー自体も小型化が求められている。しかしながら、メカニカルキーが小型化されると、ユーザが把持する部分も小さくなり、メカニカルキーをキーシリンダに挿入して回動する際に、回動トルクを発生し難くなるため、メカニカルキー自体の小型化に限界があった。
そこで、例えば、回動時に把持し易いように把持部の向きを変更できる回動可能な構造を備えたメカニカルキーが考えられている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、このような回動可能な構造は、複雑な構造であるので、結果として電子キーの小型化を阻害する構造とならざるを得なくなり、結局のところ電子キーの小型化に支障を来していた。そこで、メカニカルキーの回動操作を補助可能であるとともに、このような補助機構を搭載しても、電子キーの小型化が可能な構造が求められていた。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、メカニカルキーの回動操作を補助できるとともに、このような補助機構を搭載しても、電子キーを小型化することができる電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、通信対象にIDコードを無線送信して該通信対象にID照合を実行させ、当該ID照合が成立したことを条件として、当該通信対象に設置された機器の操作が可能となる電子キーに着脱可能に収納され、機械的な実操作を伴ってID照合が実行される電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造において、前記メカニカルキーの挿し込み先である錠部材の一部を前記通信対象から取り外し、当該錠部材の一部を前記メカニカルキーに取り付けて把持部として使用することにより、前記メカニカルキーをキーシリンダに挿し込んで回す回動操作の際に力を入り易くして、該回動操作を補助する回動操作補助機構を備えたことをその要旨としている。
同構成によれば、電子キーに収納されるメカニカルキーを使用する際には、通信対象から錠部材の一部を取り外して、これをメカニカルキーに取り付け、錠部材の一部をメカニカルキーの把持部として使用する。このため、電子キーの小型化に伴い、メカニカルキーが小型化されても、錠部材の一部を把持部としてメカニカルキーを使用することが可能となるので、メカニカルキーをキーシリンダに挿し込んで回動操作をする際にメカニカルキーに力(回動操作力)を入れ易くなり、より確実に回動操作が可能となる。
また、本構成の回動操作補助機構は、通信対象に取り付けられた錠部材の一部をメカニカルキーの把持部として使用する簡素な構造であるので、この種の回動操作補助機構を電子キーに設けても、電子キー自体が複雑化することはない。よって、電子キーではなく通信対象に回動操作補助機構を設けるとともに、これが簡素な構成で済むことから、電子キーの小型化も可能となる。以上により、メカニカルキーの回動操作を補助可能であるとともに、このような補助機構を搭載しても、電子キーを小型化することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造において、前記回動操作補助機構は、前記錠部材の一部に形成された凹部に、前記メカニカルキーの一部が嵌着する機構であることをその要旨としている。
同構成によれば、錠部材の一部に形成された凹部にメカニカルキーの一部を嵌め込むという簡単な組み付け作業で、メカニカルキーと錠部材の一部とを一体に組み付けることが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造において、前記凹部は、前記錠部材の一部の中央付近に形成され、前記メカニカルキーを当該凹部に嵌着した際には、該メカニカルキーの根元が前記錠部材の一部の中央付近で支持されることをその要旨としている。
同構成によれば、錠部材の一部の中央付近に凹部が形成されるので、メカニカルキーを錠部材の一部に組み付けた際に、錠部材の一部がメカニカルキーを中心として片側にアンバランスに突出し難くなる。このため、錠部材の一部が取り付けられたメカニカルキーをキーシリンダに挿し込んで回動操作する際に、キーシリンダの周囲に存在する突起物に接触してしまう状況を少なく抑えることが可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造において、前記錠部材の一部は、前記キーシリンダのキー穴を覆うシリンダカバーに着脱可能に設けられた付属部材であることをその要旨としている。
同構成によれば、通信対象に設けられるキーシリンダのキー穴を覆うシリンダカバーに設けられた付属部材をメカニカルキーに取り付けてメカニカルキーの把持部として使用する。ところで、シリンダカバーの付属部品は、シリンダカバーに対して着脱可能な部品であるので、相対的に手で摘み易く、結果、取り扱い易い傾向の部品であると言える。よって、本構成のようにシリンダカバーの付属部品を把持部として使用すれば、メカニカルキーをより一層回動操作し易くすることが可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造において、前記錠部材の一部は、前記キーシリンダのキー穴を覆うべく、当該キーシリンダに対して着脱可能に設けられたシリンダカバーであることをその要旨としている。
同構成によれば、通信対象に設けられるキーシリンダのキー穴を覆うシリンダカバーをメカニカルキーに取り付けてメカニカルキーの把持部として使用する。ところで、シリンダカバーは、元々通信対象に設けられている部品で且つ、着脱可能な部品であるため、錠部材の一部をシリンダカバーとすれば、新たに部品を設ける必要もなく、メカニカルキーの回動操作を補助することが可能となる。
本発明によれば、メカニカルキーの回動操作を補助できるとともに、このような補助機構を搭載しても、電子キーを小型化することができる電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造を提供することができる。
電子キーシステムの概略構成を示すブロック図。 電子キーの斜視図。 車外ドアハンドルのキーシリンダを示す斜視図。 シリンダカバーのA−A断面図。 (a)メカニカルキーの回動補助部材を示す斜視図、(b)シリンダカバーを示す斜視図。 (a)、(b)メカニカルキーの回動操作補助機構の組み付けを示す図。 メカニカルキーの使用状態を示す図。 メカニカルキーの使用状態を示す図。 車外ドアハンドルのキーシリンダを示す斜視図。 (a)、(b)メカニカルキーの回動操作補助機構の組み付けを示す図。 メカニカルキーの使用状態を示す図。 メカニカルキーの使用状態を示す図。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかるメカニカルキーの回動操作補助機構を備えた電子キーを車両の電子キーシステムに具体化した第1の実施形態について図1〜図8を参照して説明する。
図1に示されるように、通信対象としての車両2には、例えば運転者が実際に車両キーを操作しなくてもドアロックの施解錠やエンジンの始動及び停止等の車両動作を行うことが可能な電子キーシステム、いわゆるキー操作フリーシステムが搭載されている。このキー操作フリーシステムは、実際のキー操作を行うことなくドア開閉の一連の操作過程でドアロックの施解錠が実行されるスマートエントリシステムと、車内に設置されたプッシュ式のエンジンスイッチ33を押し操作するのみでエンジンを始動することが可能なワンプッシュエンジンスタートシステムとがある。なお、ドアロックやエンジンが機器に相当する。
キー操作フリーシステムを以下に説明すると、車両2には、電子キー1との間で狭域無線通信を行う際にID照合を行う照合ECU(Electronic Control Unit)21が設けられている。照合ECU21のメモリ21aには、車両2と組をなす電子キー1のキーIDとしてIDコードが登録されている。照合ECU21には、車外にLF(Low Frequency)帯の電波を発信する車外LF発信機22と、車内にLF帯の電波を発信する車内LF発信機23と、RF(Radio Frequency)帯の電波を受信するRF受信機24とが接続されている。照合ECU21には、ドアロックの施解錠等を管理するメインボディECU31が車内LAN(Local Area Network)30を介して接続されている。メインボディECU31は、照合ECU21からの指令を基にドアロック装置38を駆動制御することでドアロックを施錠状態又は解錠状態にする。
一方、電子キー1には、電子キー1の通信を統括制御する通信制御部11が設けられている。通信制御部11のメモリ11aには、電子キー1側の固有IDとしてIDコードが登録されている。通信制御部11には、LF帯の電波を送受信するLF通信部12と、RF帯の電波を発信するRF発信部13とが接続されている。
通信制御部11は、LF通信部12を介してリクエスト信号Srqを受信すると起動する。通信制御部11は、リクエスト信号Srqを受信すると、これに応答する形でIDコード信号SidをRF発信部13から発信する。IDコード信号Sidは、電子キー1のIDコードが含まれた信号である。照合ECU21は、このIDコード信号SidをRF受信機24で受信すると、IDコード信号Sid内のIDコードを自身のIDコードと照らし合わせて、ID照合、いわゆるスマート照合を実行する。
車両2の車外ドアハンドル25には、車外ドアハンドル25のタッチ操作有無を検出するタッチセンサ26が設けられている。照合ECU21は、ドアロックが施錠時、車外ドアハンドル25のタッチ操作がタッチセンサ26により検出されると、車外LF発信機22からリクエスト信号Srqを発信して、車外のスマート照合、いわゆる車外照合を実行する。そして、照合ECU21は、この車外照合が成立すると、ドアロックを解錠させる。また、この車外ドアハンドル25には、解錠状態のドアロックを施錠に切り換える際に操作するロックボタン27が設けられている。そして、照合ECU21は、ロックボタン27が操作されると、車外照合を実行し、車外照合が成立すればドアロックを施錠させる。
また、ワンプッシュエンジンスタートシステムを以下に説明すると、車両2には、エンジンの点火制御及び燃料噴射制御を行うエンジンECU32と、車載電装品の電源管理を行うメインボディECU31とが設けられている。これらエンジンECU32と、メインボディECU31とは、車内LAN30を通じて照合ECU21等の各種ECUに接続されている。
車両2の運転席には、車両2の電源状態(電源ポジション)を切り換える際に操作されるエンジンスイッチ33が設けられている。このエンジンスイッチ33は、エンジンを始動状態又は停止状態に切り換えるエンジン始動停止操作機能と、車両2の電源状態をオフ状態からACC(Accessory)オン状態やIG(Ignition)オン状態に切り換える電源遷移操作機能とを持っている。
照合ECU21は、車外照合が成立してドアロックが解錠された後、ドアが開けられて運転者が乗車したことを例えばカーテシスイッチ37で認識すると、車内LF発信機23からリクエスト信号Srqを発信する。このとき、電子キー1がリクエスト信号Srqを受信して車内通信が確立すると、車内のスマート照合、いわゆる車内照合が実行される。そして、車内照合が成立すると、エンジンスイッチ33の操作による電源状態の遷移が許可され、エンジン始動操作や電源遷移操作が許可される。
また、車両2には、電子キー1と近距離無線通信によりID照合を行うイモビライザーシステムが設けられている。イモビライザーシステムを搭載した車両2には、イモビライザーシステムのコントロールユニットとして前述の照合ECU21が設けられている。照合ECU21には、イモビライザーコイル36を備えたイモビライザー通信機35が接続されている。このイモビライザーコイル36は、エンジンスイッチ33の筐体内においてスイッチ操作部34を囲むようにリング状に巻回された取り付け状態をとっている。
一方、電子キー1には、近距離無線を受信及び発信可能な前述のLF通信部12と、通信制御部11にトランスポンダ制御部11cとが設けられている。通信制御部11のメモリ11aには、イモビライザーシステムに用いるトランスポンダコードが登録されている。すなわち、電子キー1は、電子キーシステムに用いるLFアンテナで近距離無線を受信するとトランスポンダ制御部11cを起動し、トランスポンダコードを含むトランスポンダ信号StrをLFアンテナから発信することで、トランスポンダとして機能する。本例のトランスポンダ制御部11cは、スマート通信を管理する通信制御部11に一体に組み込まれたものであって、通信制御部11のメモリに書き込まれたイモビライザーシステム用の制御プログラムを通信制御部11のCPUが実行することにより機能的に生成される。
イモビライザーシステムは、ブレーキペダルを踏みながら電子キー1をイモビライザーコイル36にかざすように近づけることにより、イモビライザーコイル36から発信される駆動電波Sivで電子キー1(トランスポンダ制御部11c)を起動させ、起動した電子キー1にトランスポンダコードを含むトランスポンダ信号Strを返信させる。車両2は、このトランスポンダ信号Strをイモビライザーコイル36で受信すると、これを車両2側で照らし合わせてID照合(イモビライザー照合)を行う。エンジンスイッチ33のスイッチ操作部34を押圧操作してエンジンを始動する際、エンジン始動の前段階の認証動作として車内照合成立有無を確認する。なお、車内照合成立を条件とすることに限らず、イモビライザー照合が成立していれば、エンジン始動が許可される。
本例の電子キー1は、電池を電源として稼働しており、この電池の電圧が限界動作電圧付近に至るとスマート照合ができなくなる。このため、電子キー1には、このような電池切れに備えて、エマージェンシーキーとしてメカニカルキー40が収納されている。そして、電子キー1が電池切れとなった際には、このメカニカルキー40を車両2の車外ドアハンドル25に設けられるキーシリンダ51に挿入して回動することでドアロックを機械的な操作によって解錠する。
次に、電子キー1の構造について図2を参照して説明する。
図2に示されるように、電子キー1は、長方形の板状をなしている。電子キー1は、キー本体10の表面が硬質材料で形成されているとともに、この硬質材料の内部に複数の部品群が組み込まれた構造をとっている。電子キー1の厚みは、5mm程度である。この電子キー1には、処理回路やアンテナ等の電子部品を収容した電子部品ユニット14と、電池43及びメカニカルキー40等の金属部品を収容した電池キー部品ユニット15とが設けられている。これら電子部品ユニット14及び電池キー部品ユニット15は、間隔を置いて配列されている。これら電子部品ユニット14及び電池キー部品ユニット15は、キー本体10の折り曲げを許容する連結部16により一体部品として連結されている。このため、電子キー1は、この連結部16の部分において折り曲げ可能なキーとして形成されている。
電池キー部品ユニット15には、電池43を収納する電池収納部17と、メカニカルキー40を収納するキー収納部18とがキー幅方向(図2のX軸方向)に沿って隣り合って設けられている。電池収納部17とキー収納部18とは、ユニット本体(キー本体10)の電子部品ユニット14と反対側の側面(図2に示す紙面手前側面)が開口する形状をとり、例えばPPS等の硬質樹脂により形成されるとともに、内部に空間を有する形状をとっている。電池収納部17の電池挿入口17aには、電池挿入口17aを閉蓋する電池蓋44がキー本体10に対して着脱可能に設けられている。
また、メカニカルキー40は、長方形かつ板状の鍵部(キープレート)41と、使用者が使用時に把持する把持部42とからなる。把持部42は、鍵部41の延出方向に対して直交して鍵部41の基端部に形成され、メカニカルキー40を収容するためのキー挿入口18aを閉蓋する蓋部としても機能する。
次に、メカニカルキー40の回動操作補助機構について図2〜図8を参照して説明する。
ところで、図2に示されるように、本例の電子キー1は小型化されているが、このように電子キー1を小型化すると、これに伴ってメカニカルキー40の把持部42も小さく形成されることになる。メカニカルキー40が小型になると、メカニカルキー40をキーシリンダ51に挿し込んで回動操作する際に、メカニカルキー40に力を入れ難くなるので、回動操作に支障を来す。そこで、本例の電子キー1には、メカニカルキー40が小型化されても、メカニカルキー40の回動操作の際に力を入れ易くして、キー回動操作を補助する回動操作補助機構3が設けられている。
この場合、図3に示されるように、本例の車外ドアハンドル25には、錠部材としてのキーシリンダ51のキー穴52を閉じるスライド式のシリンダカバー53が設けられている。これは、キー穴52を閉じるシャッタを外部に設けることにより、シリンダの全長を短く抑えるためである。キーシリンダ51近傍の車外ドアハンドル25の側壁には、車外ドアハンドル25の延出方向へ延びる一対のガイドレール54,54と、シリンダカバー53を係止する一対のストッパ57,57とが形成されている。シリンダカバー53には、キーシリンダ51を覆う凹部55が形成されている。この凹部55には、ガイドレール54,54に係合する一対のガイド孔56,56が形成されている。
そして、シリンダカバー53の凹部55の内壁55aには、メカニカルキー40の使用時にメカニカルキー40の把持部42に嵌着されてメカニカルキー40の使用を補助する付属部材(アタッチメント)60が装着されている。メカニカルキー40を使用しない時には、シリンダカバー53の内壁55aに付属部材60が装着された状態で、シリンダカバー53が車外ドアハンドル25に取り付けられる。なお、付属部材60が錠部材の一部に相当する。
図4及び図5に示されるように、シリンダカバー53の凹部55の内壁55aには、円柱形の収納凹部58が形成されている。この収納凹部58の中央には、メカニカルキー40の把持部42と同じ大きさ、即ち把持部42の断面積と同一面積を有する直方体の凸部59が形成されている。なお、収納凹部58が凹部として機能する。また、凹部55の内壁55aが内面側に相当する。
付属部材60の裏面側(図5(a)の紙面手前面側)には、収納凹部58に一致する大きさの円柱状の嵌合部61が設けられている。この嵌合部61の中央には、に凸部59に一致する大きさの嵌合凹部61aが形成されている。また、付属部材60の嵌合部61の嵌合凹部61aの反対側には、ユーザが把持する突条のグリップ部62が設けられている。嵌合凹部61aは、付属部材60をメカニカルキー40に取り付ける際、メカニカルキー40の把持部42が嵌合可能であり、付属部材60をシリンダカバー53に取り付ける際、凸部59に嵌合可能である。
また、本例のメカニカルキー40は、付属部材60を把持部として使用可能となるように、付属部材60に対して一体組み付けが可能となっている。本例の場合、メカニカルキー40の把持部42が付属部材60の嵌合凹部61aに嵌め込み可能となっている。よって、把持部42は、嵌合凹部61aに嵌るような形状に形成されている。
メカニカルキー40を使用する際には、まずメカニカルキー40をキー収納部18から抜き出す。続いて、シリンダカバー53を車外ドアハンドル25から取り外す。そして、図6(a)に示されるように、メカニカルキー40の把持部42を付属部材60の嵌合凹部61aに嵌合すべく、付属部材60の嵌合凹部61aに嵌め込む。この結果、図6(a)に示されるように、メカニカルキー40に嵌合した付属部材60は、メカニカルキー40と一体となり、メカニカルキー40の新たな把持部として機能する。
続いて、図7に示されるように、メカニカルキー40を車両2のキーシリンダ51にユーザが挿入する際には、ユーザはメカニカルキー40に嵌合された付属部材60のグリップ部62を把持して、キーシリンダ51のキー穴52に鍵部41を挿入する。そして、図8に示されるように、ユーザは、キーシリンダ51に挿入したメカニカルキー40を、メカニカルキー40に嵌合された付属部材60を把持して回動する。メカニカルキー40によるキーシリンダ51の回動によってドアロックが解錠される。
また、乗車してからエンジンを始動する際には、まずキー本体10をイモビライザーコイル36にかざす操作をとってイモビライザー照合を実行し、イモビライザー照合を成立させる。続いて、ブレーキペダルを踏みながら、エンジンスイッチ33のスイッチ操作部34が押圧されると、エンジンが始動状態に切り換わる。
従って、本例においては、メカニカルキー40を使用する際、車外ドアハンドル25に設けられたシリンダカバー53に取り付けられた付属部材60に取り付け、付属部材60をメカニカルキーの把持部として使用する回動操作補助機構3を設けた。このため、メカニカルキー40自体は小さいながらも、付属部材60によってメカニカルキー40を操作する際には、把持し易く、さらに回動操作をし易くなる。また、本例の回動操作補助機構3は、付属部材60に形成した嵌合凹部61aにメカニカルキー40を嵌め込むという簡素な構成であるので、機構自体のサイズが大型化することもない。
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)電子キー1に収納されるメカニカルキー40を使用する際に、車外ドアハンドル25に設けられるシリンダカバー53から取り外した付属部材60をメカニカルキー40に取り付け、この付属部材60をメカニカルキー40の把持部として使用する。このため、電子キー1の小型化に伴ってメカニカルキー40が小型化されても、ユーザがメカニカルキー40を回動操作する際に、この付属部材60を把持することで、回動トルクを発生させることができるので、容易に回動操作を行うことができる。また、回動操作補助機構3は、シリンダカバー53に取り付けられた付属部材60をメカニカルキー40の把持部として使用する簡素な構造であるので、回動操作補助機構3をメカニカルキー40に設けても、電子キー1自体が複雑になることはない。よって、メカニカルキー40の回動操作を補助できるとともに、このような回動操作補助機構3を搭載しても、電子キー1を小型化することができる。
(2)付属部材60に形成された嵌合凹部61aにメカニカルキー40の一部である把持部42を嵌着するという簡単な組み付け作業で、ユーザがメカニカルキー40と付属部材60とを一体に組み付けることができる。
(3)車外ドアハンドル25に設けられるシリンダカバー53に設けられる付属部材60をメカニカルキー40に取り付けてメカニカルキー40の把持部として使用する。このため、元々車両2に設けられている部品で且つ、着脱可能な部品を把持部として用いるので、シリンダカバー53から着脱し易く、更にはメカニカルキー40の把持部として好適な部品を、メカニカルキー40の新たな把持部することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明にかかる第2の実施形態について、図9〜図12を参照して説明する。この実施形態のメカニカルキーの回動操作補助機構は、シリンダカバー53が把持部として機能する点が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図9に示されるように、シリンダカバー53の側面には、メカニカルキー40の把持部42を嵌合可能な嵌合凹部70が形成されている。嵌合凹部70は、メカニカルキー40の把持部42と同一の大きさであって、シリンダカバー53の延出方向(図9のX軸方向)、言い換えれば車外ドアハンドル25のシリンダカバー53と当接する壁25a側の側面が開口して形成されている。嵌合凹部70は、シリンダカバー53の高さ方向(図9のZ軸方向)において中央付近に配置されている。メカニカルキー40をキーシリンダ51に挿入して使用する際には、メカニカルキー40の把持部42が嵌合凹部70に嵌合される。なお、嵌合凹部70が凹部として機能する。
次に、メカニカルキーの回動補助機構について図9〜図12を参照して説明する。
メカニカルキーを使用する際には、まずメカニカルキー40をキー本体10から取り外す。続いて、図9に示されるように、シリンダカバー53を車外ドアハンドル25から取り外す。そして、図10(a)に示されるように、メカニカルキー40の一部をシリンダカバー53の嵌合凹部70に嵌合すべく、メカニカルキー40を嵌合凹部70に嵌め込む。図10(b)に示されるように、メカニカルキー40に嵌合したシリンダカバー53は、メカニカルキー40と一体となり、メカニカルキー40の把持部として機能する。メカニカルキー40に嵌合されたシリンダカバー53は、メカニカルキー40との嵌合位置から幅方向において両側へ略同じ長さ延出した状態となる。
続いて、図11に示されるように、シリンダカバー53に嵌合されたメカニカルキー40を車両2のキーシリンダ51にユーザが挿入する際には、ユーザはメカニカルキー40に嵌合されたシリンダカバー53を把持して、キーシリンダ51のキー穴52にメカニカルキー40を挿入する。そして、図12に示されるように、ユーザは、キーシリンダ51に挿入したメカニカルキー40を、メカニカルキー40に嵌合されたシリンダカバー53を把持して回動する。メカニカルキー40によるキーシリンダ51の回動によってドアロックが解錠される。このとき、メカニカルキー40がシリンダカバー53の中央に嵌合されているので、片方へのみ突出することなくシリンダカバー53が車外ドアハンドル25の壁25a等に接触することがない。
さて、本例においては、シリンダカバー53をメカニカルキー40の把持部として使用するので、第1実施形態の場合と同様に、メカニカルキー40の回動操作の補助が可能となるとともに、電子キー1の小型化も可能となる。また、シリンダカバー53は、単なるシリンダカバー53に取り付けられる付属部材60よりも大きなサイズをとる。よって、シリンダカバー53をメカニカルキー40の把持部として使用すれば、メカニカルキー40をキーシリンダ51に挿し込んで回動操作した際に、メカニカルキー40に力が掛かり易くなり、メカニカルキー40の回動操作を、より小さな力で行うことが可能となる。
以上、説明した実施形態によれば、第1の実施形態の(1)〜(3)に記載の作用効果に加え、以下の作用効果を奏することができる。
(4)電子キー1に収納されるメカニカルキー40を使用する際に、車外ドアハンドル25から取り外したシリンダカバー53をメカニカルキー40に取り付け、このシリンダカバー53をメカニカルキー40の把持部として使用する。このため、第1の実施形態と同様に、メカニカルキー40の回動操作を補助できるとともに、電子キー1を小型化することができる。
(5)シリンダカバー53の側面の中央付近に嵌合凹部70が形成されるので、メカニカルキー40を嵌合凹部70に嵌着させることでシリンダカバー53に組み付けた際に、メカニカルキー40の嵌合部分からシリンダカバー53の高さ方向において片方へのみ大きく突出することを防ぐことができる。このため、シリンダカバー53が取り付けられたメカニカルキー40を、車外ドアハンドル25に設けられたキーシリンダ51へユーザが挿入して回動操作する際に、キーシリンダ51の周囲に存在する例えば車外ドアハンドル25の壁25a等への接触を抑制することができる。
(6)シリンダカバー53が相対的に大きなサイズの部品であるので、これを把持部とした場合には、手で持ち易く、しかも力を加え易いという利点がある。よって、本例のようにシリンダカバー53をメカニカルキー40の把持部として使用すれば、メカニカルキー40をより一層回動操作し易くすることができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記第1の実施形態において、回動操作補助機構3は、付属部材60に形成した嵌合凹部61aに把持部42を嵌合する構造に限定されない。例えば、把持部42の一部を付属部材60に引っ掛ける係合構造等を用いてもよい。要は、メカニカルキー40を付属部材60に一体取り付けできれば、引っ掛けたり或いは爪で止めたりするなど、構造や形状を適宜変更してもよい。
・上記第1の実施形態では、付属部材60をシリンダカバー53の内壁55aに取り付けるようにしたが、内壁55aに限定されない。例えば、シリンダカバー53の外壁に取り付けるようにしてもよい。
・上記第1の実施形態では、錠部材の一部としてシリンダカバー53に設けられた付属部材60をメカニカルキー40の把持部として機能させたが、シリンダカバー53に限らず、例えば車外ドアハンドル25の外装部品に設けられる部材を錠部材の一部としてもよい。
・上記第1の実施形態では、付属部材60を突条のグリップ部62を備えた形状としたが、あえてグリップ部62を備えない形状としてもよい。
・上記第2の実施形態では、回動操作補助機構3は、シリンダカバー53に形成した嵌合凹部70に把持部42を嵌合する構造に限定されない。例えば、把持部42の一部をシリンダカバー53に引っ掛ける係合構造等を用いてもよい。要は、メカニカルキー40をシリンダカバー53に一体取り付けできれば、引っ掛けたり或いは爪で止めたりするなど、構造や形状を適宜変更してもよい。
・上記第2の実施形態では、メカニカルキー40の係合先は、シリンダカバー53の側面の中央付近に形成された嵌合凹部70に限定されず、中央から片側にオフセットした一に配置されてもよい。
・上記第2の実施形態において、シリンダカバー53の嵌合凹部70は、車外ドアハンドル25の壁25aに対向した面に限らず、その他の面に形成してもよい。
・上記第2の実施形態では、錠部材の一部としてシリンダカバー53をメカニカルキー40の把持部として機能させたが、シリンダカバー53に限らず、例えば車外ドアハンドル25の外装部品を錠部材の一部としてもよい。
・上記実施形態では、メカニカルキー40に把持部42を設けたが、鍵部41のキープレートを取り外し可能として、キープレートのみを付属部材60やシリンダカバー53に取り付けるようにしてもよい。
・上記実施形態では、電池43を電源とする電子キー1としたが、電力電波を受信することによって稼働する電子キーに設けられるメカニカルキーに適用してもよい。なお、電池を持たず、電力電波を電源とする電子キーにおいても、電波障害等によりドアロックを解錠できないことが想定されるため、メカニカルキーが備え付けられている。
・上記実施形態では、電子キー1に連結部16を備えた折り曲げ可能なキーに本発明を適用したが、連結部16を省略した折り曲げできないキーに本発明を適用してもよい。
・上記実施形態において、電子キーシステムで使用する電波の周波数は、必ずしもLFやRFに限定されず、これら以外の周波数が使用可能である。また、車両2から電子キー1に電波発信するときの周波数と、電子キー1から車両2に電波を返すときの周波数とは、必ずしも異なるものに限定されず、これらを同じ周波数としてもよい。
・上記実施形態において、電子キーシステムは、キー操作フリーシステムに限らず、例えば電子キー1のボタン操作を伴う遠隔操作によって車両2のドアロックを施解錠するワイヤレスキーシステムとしてもよい。
・上記実施形態において、回動操作補助機構3は、車外に設けられることに限らず、例えば車内のエンジン始動操作でメカニカルキー40を使用するのであれば、車内に設けてもよい。
・上記実施形態において、本例の電子キーシステムは、必ずしも車両2のみに適用されることに限らず、電子キー1を使用する通信対象であれば、その採用先は特に限定されない。
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想をその効果と共に記載する。
(イ)請求項4に記載の電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造において、前記付属部材は、前記シリンダカバーの内面側に取り付けられることを特徴とする電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造。
同構成によれば、付属部材がシリンダカバーの内面側に設けられるので、外側から付属部材が見えず、見栄えをよくすることができる。
1…電子キー、2…車両、3…回動操作補助機構、10…キー本体、14…電子部品ユニット、15…電池キー部品ユニット、16…連結部、17…電池収納部、17a…電池挿入口、18…キー収納部、18a…キー挿入口、40…メカニカルキー、41…鍵部、42…把持部、43…電池、44…電池蓋、51…キーシリンダ、52…キー穴、53…シリンダカバー、58…収納凹部、59…凸部、60…付属部材、61…嵌合部、61a…嵌合凹部、62…グリップ部、70…嵌合凹部。

Claims (5)

  1. 通信対象にIDコードを無線送信して該通信対象にID照合を実行させ、当該ID照合が成立したことを条件として、当該通信対象に設置された機器の操作が可能となる電子キーに着脱可能に収納され、機械的な実操作を伴ってID照合が実行される電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造において、
    前記メカニカルキーの挿し込み先である錠部材の一部を前記通信対象から取り外し、当該錠部材の一部を前記メカニカルキーに取り付けて把持部として使用することにより、前記メカニカルキーをキーシリンダに挿し込んで回す回動操作の際に力を入り易くして、該回動操作を補助する回動操作補助機構を備えた
    ことを特徴とする電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造。
  2. 請求項1に記載の電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造において、
    前記回動操作補助機構は、前記錠部材の一部に形成された凹部に、前記メカニカルキーの一部が嵌着する機構である
    ことを特徴とする電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造。
  3. 請求項2に記載の電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造において、
    前記凹部は、前記錠部材の一部の中央付近に形成され、前記メカニカルキーを当該凹部に嵌着した際には、該メカニカルキーの根元が前記錠部材の一部の中央付近で支持される
    ことを特徴とする電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造において、
    前記錠部材の一部は、前記キーシリンダのキー穴を覆うシリンダカバーに着脱可能に設けられた付属部材である
    ことを特徴とする電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造において、
    前記錠部材の一部は、前記キーシリンダのキー穴を覆うべく、当該キーシリンダに対して着脱可能に設けられたシリンダカバーである
    ことを特徴とする電子キー備え付けメカニカルキーの回動操作補助構造。
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