JP2011110126A - 寝装具用積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表側の側地7と肌側の側地7をつなぎ合わせて袋状にして詰めワタを充填した寝装具用積層体であって、肌側の側地の詰めワタ側の面がアルミニウムによって被覆されている寝装具用積層体。
【選択図】図3
Description
(1)表側の側地と肌側の側地をつなぎ合わせて袋状にして詰めワタを充填した寝装具用積層体であって、肌側の側地の詰めワタ側の面がアルミニウムによって被覆されていることを特徴とする寝装具用積層体。
(2)表側の側地と詰めワタの間又は肌側の側地と詰めワタの間又はその両方に中袋を設けたことを特徴とする(1)に記載の寝装具用積層体。
(3)表側の側地と肌側の側地をつなぎ合わせて袋状にして詰めワタを充填した寝装具用積層体であって、肌側の側地と詰めワタの間に中袋を設け、中袋の側地側の面又は詰めワタ側の面のいずれかがアルミニウムによって被覆されていることを特徴とする寝装具用積層体。
(4)表側の側地と詰めワタの間に中袋を設けたことを特徴とする(3)に記載の寝装具用積層体。
(5)アルミニウムの被覆厚さが10〜300nmであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の寝装具用積層体。
(6)肌側の側地から肌側に最も近いアルミニウム被覆面までの材料が0.02〜0.6mmの厚みを有し、かつ0.5〜2.0cc/cm・sの通気度を有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の寝装具用積層体。
(7)肌側の側地が、0.01〜0.5dpfの極細繊維を40重量%以上含む疎水性繊維からなり、0.05〜0.3mmの厚み及び30〜150g/m2の目付を有することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の寝装具用積層体。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の寝装具用積層体を含み、詰めワタが2〜20cmの厚みを有することを特徴とする寝装具。
アルミニウムを被覆した布帛試料から糸を一本ばらけないように静かに取出し(織物なら経糸)、糸を張った状態で、樹脂の真ん中に鉛筆の芯のように糸が配置されるように電子顕微鏡用のエポキシ樹脂で包埋した。鉛筆を削るように、包埋試料の樹脂をナイフで削って糸を露出させた。これをウルトラミクロトームの試料ホルダに固定し、包埋した糸の長手方向に垂直な断面薄切片を作製した。次いでこの切片中のアルミニウム被覆された繊維の、更に薄膜の著しい損傷がない部位において、透過型電子顕微鏡(JEOL社製、JEM−2010)を用い、加速電圧200kV、明視野で観察倍率1万倍にて写真撮影を行った。得られた写真から厚みを求めた。
JIS−L1096に準拠して測定した。
織物のカバーファクター(CF)は、次式により計算した。
CF=T×(DT)1/2+W×(DW)1/2
式中、TおよびWは織物の経密度および緯密度(本/インチ)を示し、DTおよびDWは織物を構成する経糸および緯糸の太さ(dtex)を示す。経密度、緯密度はJIS−L1096に準拠して測定した。
(社)遠赤外線協会の認定規則の再放射特性45度パラレル再放射法(図7)により測定し、サーモグラフィ結果の生地温度を赤外線反射特性の代用メジャーとした。生地の温度上昇の影響を極力防ぐため、測定は試験開始10秒後とした。また、測定は、アルミニウム非被覆布をブランクとし、アルミニウム被覆布はアルミニウム被覆面を熱板に向けて、アルミニウム被覆布とアルミニウム非被覆布を左右に並べて同時に測定した。このとき、それぞれの表面温度をその生地の赤外線反射特性とする。また、同時に測定したアルミニウム被覆布とアルミニウム非被覆布の両者の表面温度の差ΔT1はアルミニウムの赤外線反射特性効果として表した。なお、測定の左右差をなくすために両者の左右を置換えて2回測って左右の平均値を採用した。ここでアルミニウム被覆布が実施例1の生地1の場合、アルミニウム非被覆布は生地2である。同様に実施例2では生地3と生地4、実施例3では生地5と生地6、実施例5では不織布1と不織布2がそれぞれ該当する。
図9のようなスキンモデル評価機器を用いて入寝後の寝床内温度変化を測定する。測定条件は下記通りとした。測定開始後1分間の側地表面付近の温度上昇ΔTにより、早く暖かくなる性能を評価した。ΔTが高いほど早く暖かくなることを示す。測定回数n=3として平均値を採用した。
測定条件:環境10℃50%RH
使用装置:スキンモデル
装置条件:熱板37℃、発汗量0g/m2・h、試料−熱板間距離1cm
肌側を熱板側として積層体を測定。(積層状態 図8)
25℃50%RHに設定した環境試験室に布団を敷いて布団内温度が安定するまで12時間放置した。成人男性3名がモニターになり、ポリエステル100%長袖Tシャツと、綿100%トランクスとして、下記条件で30分間安静に就寝した。就寝開始1分後と30分後に3名のモニター主観評価をアンケートした。また、30分就寝直後の体表面温度分布をサーモトレーサ法にて測定した。
測定条件:安静30分(25℃50%RH)⇒就寝30分(15℃50%RH)
測定機器:NEC三栄製サーモトレーサ
主観評価は、とても寒い−3〜とても暖かい+3の7段階SD法として、3人のモニターの評価値の平均値とした。
サーモトレーサ温度は身体の末端部として親指の真ん中の温度を読取り、手の親指、足の第一指の4つの平均値とした。アルミニウム被覆生地を使った布団で測定した値と、アルミニウム非被覆生地を使った布団で測定した値の差をΔT2として表した。
経糸及び緯糸の双方にポリエステルマルチフィラメント(78デシテックス/216フィラメント)を用い、経密度141本/2.54cm、緯密度95本/2.54cmの平織物を製織し、通常の方法により連続精練、予備セット(190℃×30秒)、高圧染色(分散染料Sumikalon blue FBL 0.05%owf 130℃×30分)、乾燥セット・カレンダー加工(170℃,圧力295N/cm2)を行って生地を得た。仕上密度は経153本/2.54cm、緯95本/2.54cm、カバーファクター(CF)は2190であった。得られた生地を、真空蒸着機にセッティングし、真空環境下で金属アルミニウムを約65nmの厚さで蒸着を行った。さらに、この生地を、パディング法にて下記処方1で仕上加工を行い生地1を作った。また、蒸着工程を通さずに同様に仕上げた生地2も作成した。また、詰めワタとして、ポリエステルステープル(東洋紡績(株)製3.3dtex、51mm)のウエブ(厚み1.5cm、目付93g/m2)を4枚重ねたもの(厚み約6cm)を詰めワタ1とした。生地1、生地2及び詰めワタ1をそれぞれ20×20cmの大きさに切取り、生地1と生地2の間に詰め綿1を挟んで3層の積層体として評価に供した。この時、生地1のアルミニウム被覆面は詰めワタ側に向けた。この積層体の構成、生地の赤外線反射特性、及び積層体の肌側の側地表面の温度変化を表1〜表3に示す。
処方1:ウェットピックアップ60%、テンター150℃×1分
・シリコーン系柔軟剤 20g/リットル
(日華化学(株)製 商品名 ニッカシリコンEP2010)
・ポリエチレン系柔軟剤 20g/リットル
(明成化学工業(株)製 商品名 メイカテックスHP600)
・帯電防止剤 20g/リットル
(高松油脂工業(株)社製 商品名 エレナイトE139)
ポリエステルマルチフィラメントを56デシテックス/108フィラメントにし、経密度141本/2.54cm、緯密度114本/2.54cm、CF1910の平織物とした以外は実施例1と同じ方法を用いて、目付71g/m2の平織の片面にアルミニウムを蒸着した生地3を作成した。また、蒸着工程を通さずに同様に仕上げた生地4も作成した。生地3のアルミニウム被覆面を詰めワタ側に向けて生地3と生地4の間に詰めワタ1を挟んで、実施例1と同様に積層体を得た。この積層体の構成、生地の赤外線反射特性、及び積層体の肌側の側地表面の温度変化を表1〜表3に示す。
ポリエステルマルチフィラメントを84デシテックス/72フィラメントにした以外は実施例1と同じ方法を用いて、CF2275、目付93g/m2の平織の片面にアルミニウムを蒸着した生地5を作成した。また、蒸着工程を通さずに同様に仕上げた生地6を作成した。生地5のアルミニウム被覆面を詰めワタ側に向けて生地5と生地6の間に詰めワタ1を挟んで、実施例1と同様に積層体を得た。この積層体の構成、生地の赤外線反射特性、及び積層体の肌側の側地表面の温度変化を表1〜表3に示す。
経糸及び緯糸の双方に英式番手80番単糸の綿コーマ糸を用いて経糸密度210本/インチ、緯糸密度195本/インチ、CF3550の経五枚朱子の織物を製織し、通常の連続工程・条件にて毛焼・糊抜処理を行い、引続き精練・漂白処理(塩素系)を行った。次にクリップテンター方式の連続シルケット機にてマーセライズ処理(苛性ソーダ25°ボーメー、常温処理)を行い、引続き連続染色方式で反応染色(二浴パッドスチーム法Sumifix supra Blue BRF 150% gran. 20g/L)を行った。下記処方2にて仕上処理した後、カレンダー機で目潰し加工(70℃で圧力295N/cm2)を行ったものを生地7とした。この生地7の目付は118g/m2であり、厚みは0.12cmであった。
処方2:ウェットピックアップ60%、テンター150℃×1分
・シリコーン系柔軟剤 20g/L
(日華化学(株)製 商品名 ニッカシリコンEP2010)
・親水性シリコーン柔軟剤 10g/L
(一方社油脂(株)製 商品名 ESN741)
・ポリエチレン系柔軟剤 20g/L
(明成化学工業(株)製 商品名 メイカテックスHP600)
更に生地1を中袋としてアルミニウム被覆面を詰めワタとは反対側に向けて、肌側から生地7、生地1、ワタ1、生地7の順で積層体を作成した。この積層体の構成及び積層体の肌側の側地表面の温度変化を表1、表3に示す。
ポリエステルの不織布(目付30g/L、厚み0.1mm、幅1600mm)(不織布1)を用意した。この不織布を真空蒸着機にセッティングし、真空環境下で金属アルミニウムを約65nmの厚さで蒸着を行った。また、蒸着工程を通さずに同様に仕上げた不織布2を作成した。この不織布1を中袋としてアルミニウム被覆面を詰めワタとは反対側に向けて、肌側から生地1、不織布1、ワタ1、生地2の順で実施例1と同様にして積層体を得た。この積層体の構成、不織布の赤外線反射特性、及び積層体の肌側の側地表面の温度変化を表1〜表3に示す。
英式番手30番単糸の綿コーマ糸を使って経糸密度75本/インチ 緯糸密度75本/インチ、CF2100、目付135g/m2の平織物とした以外は実施例4と同様にして生地8を作成した。生地1のアルミニウム被覆面を詰めワタ側に向けて、肌側から生地8、生地1、ワタ1、生地8の順で実施例1と同様に積層体を得た。この積層体の構成及び積層体の肌側の側地表面の温度変化を表1、表3に示す。
金属アルミニウムの蒸着厚みを30nmとした以外は実施例1と同様にして生地9を作成した。続いて実施例1と同様にして積層体を作成した。この積層体の構成及び積層体の肌側の側地表面の温度変化を表1、表3に示す。
金属アルミニウムの蒸着厚みを10nmとした以外は実施例1と同様にして生地10を作成した。続いて実施例1と同様にして積層体を作成した。この積層体の構成及び積層体の肌側の側地表面の温度変化を表1、表3に示す。
英式番手40番単糸のコーマ糸を使い30インチ22ゲージの編機で31cm/100ウエールの糸長でスムースを製編した。これを通常の方法で精練・漂白・反応染色を行い、開反して処方1で仕上げた。このときのウェットピックアップは100%であった。この生地11の目付は190g/m2であった。生地1を中袋として用いて、肌側から生地11、生地1、ワタ1、生地2の順で実施例1と同様に積層体を作成した。このときの生地1のアルミニウム被覆面は肌側の面に向けた。この積層体の構成及び積層体の肌側の側地表面の温度変化を表1、表3に示す。
生地1のアルミニウム被覆面を肌側に向けた以外は実施例1と同様にして積層体を作成した。この積層体の構成及び積層体の肌側の側地表面の温度変化を表1、表3に示す。
積層体の順番を肌側から生地2、ワタ1,生地1とした。このとき生地1のアルミニウム被覆面を詰めワタ側にした。この積層体の構成及び積層体の肌側の側地表面の温度変化を表1、表3に示す。
中袋を生地2とした以外は実施例4と同様にして積層体を作成した。この積層体の構成及び積層体の肌側の側地表面の温度変化を表1、表3に示す。
生地1を生地2に置き換えて、肌側から生地2、ワタ1、生地2の順で積層した以外は実施例7と同様に積層体を作成した。この積層体の構成及び積層体の肌側の側地表面の温度変化を表1、表3に示す。
側地を生地7、中袋を生地1として、実際に掛け布団及び敷き布団を作成した。このとき中袋は肌側の側地と詰めワタの間に挟んだ。また、掛け布団の詰めワタは羽毛を、敷き布団の詰めワタは巻綿(ウール100%)と芯綿(ポリエステル100%)を用いた。出来た布団のワタの厚みは掛け布団13cm、敷き布団10cmであった。ワタの厚みの測定は布団を水平で平坦な床に靜置して、布団のそばにモノサシを垂直に立てて、目とモノサシの指示目盛と布団のふくらんだところの3点の高さ水平にして測定した。ここで側地、中袋の厚みは無視した。
この掛け布団及び敷き布団の仕様を図3、図5にそれぞれ示す。
羽毛掛け布団:寸法 経200×緯150cm、ワタ詰込み量1.4kg、ワタ組成(ホワイドダウン85%、フェザー15%)
敷き布団:寸法 経150×緯100cm ワタ詰込み量 巻綿(ウール100%)2.8kg、芯綿(ポリエステル100%)2.0kg
側地を生地7、中袋を生地2とした以外は実施例10と同様に掛け布団及び敷き布団を作成した。この掛け布団及び敷き布団の仕様を図4、図6にそれぞれ示す。実施例10と比較例5の布団のモニター評価を表4に示す。また、実施例10と比較例5の布団を着用した被験者のサーモグラフ写真を図10に示す。
Claims (8)
- 表側の側地と肌側の側地をつなぎ合わせて袋状にして詰めワタを充填した寝装具用積層体であって、肌側の側地の詰めワタ側の面がアルミニウムによって被覆されていることを特徴とする寝装具用積層体。
- 表側の側地と詰めワタの間又は肌側の側地と詰めワタの間又はその両方に中袋を設けたことを特徴とする請求項1に記載の寝装具用積層体。
- 表側の側地と肌側の側地をつなぎ合わせて袋状にして詰めワタを充填した寝装具用積層体であって、肌側の側地と詰めワタの間に中袋を設け、中袋の側地側の面又は詰めワタ側の面のいずれかがアルミニウムによって被覆されていることを特徴とする寝装具用積層体。
- 表側の側地と詰めワタの間に中袋を設けたことを特徴とする請求項3に記載の寝装具用積層体。
- アルミニウムの被覆厚さが10〜300nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の寝装具用積層体。
- 肌側の側地から肌側に最も近いアルミニウム被覆面までの材料が0.02〜0.6mmの厚みを有し、かつ0.5〜2.0cc/cm2・sの通気度を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の寝装具用積層体。
- 肌側の側地が、0.01〜0.5dpfの極細繊維を40重量%以上含む疎水性繊維からなり、0.05〜0.3mmの厚み及び30〜150g/m2の目付を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の寝装具用積層体。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の寝装具用積層体を含み、詰めワタが2〜20cmの厚みを有することを特徴とする寝装具。
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