JP6251984B2 - 中綿入り衣服 - Google Patents

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Description

本発明は、薄くて伸縮性と保温性を両立させた中綿入り衣服に関する。
従来、中綿入り衣服としては、嵩の高いダウンや中綿を入れた商品が多く、厚くてタウンや屋内で着用するにはスタイルを損なう物が大半であった。また、高保温性の商品であるため、タウンで着用するには必要以上に暖かく、建物の中に入ると保温衣料を脱がないと暑すぎる、持つには嵩ばり、邪魔になることが多かった。
一方、従来の技術として、薄くて軽く柔軟性に富んだ「薄くて軽い保温性不織布」(特許文献1参照)、柔軟性に優れ、かつストレッチ性やストレッチバック性に優れた「伸縮性不織布」(特許文献2参照)、伸縮性に優れ、かつ軽量でダウンプルーフ性にも優れた「防寒衣服」(特許文献3参照)、(特許文献4参照)等が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載された技術においては、薄い不織布の片面に金属層を形成することにより保温性を向上させたものであり、伸縮性のある表地や裏地と組み合わせて衣料に使用した場合、該不織布に伸縮性がないため人体の動きに追随できず窮屈感のあるものであった。
この改善として、特許文献2に潜在捲縮糸を編糸によりステッチ縫合した伸縮性のある不織布が提案されているが、主に紙おむつや資材に適したもので、衣料品としての保温性についての工夫はなかった。
これらの技術を適用した防寒衣服として特許文献3、特許文献4に伸縮性に優れた防寒衣料が提案されているが、特許文献3では裏地の片面に合成樹脂皮膜が積層されているため、空気を通しにくく、建物の中に入ると暑すぎることが懸念されるものであり、特許文献4では充填物を部分的に仕切るキルト部を有し充填物の片寄りを防ぐ衣料が提案されているが、キルト部を有することにより、タウンで着用するにはスタイルを損なう物であった。
特開2012−241292 特開2004−285492 特開2010−18941 特開2012−172276
本発明の課題は、かかる従来技術の欠点を改善し、薄くて伸縮性と保温性を両立させた中綿入り衣服を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の中綿入り衣服は次の構成を有する。
すなわち、表地と裏地とその間にスパイラル捲縮繊維と中空高捲縮繊維を含んだ不織布からなる中綿を配した複合材料からなる中綿入り衣服であって、JIS L 1096(2010年版)「織物及び編物の生地試験方法」の伸び率A法(定速伸長法)に従って測定した該複合材料の伸長率が5〜20%の範囲にあり、かつ、該複合材料の厚さが5.0mm以下であって、該複合材料のclo値が1.4〜2.5であり、表地の通気量が50cc/cm 2 ・sec以上200cc/cm 2 ・sec以下であることを特徴とする中綿入り衣服、である。
本発明の中綿衣服は、該複合材料の目付が200g/m2以上400g/m2以下であって、該複合材料の繊維密度が0.05〜0.12g/cm3であることが好ましい。
本発明の中綿入り衣服は、表地の通気量が50cc/cm2・sec以上200cc/cm2・sec以下であ
本発明の中綿入り衣服は、上衣であることが好ましい。ここで、本発明において、上衣として、ジャケット、スーツ、ワンピース、コート、学生服、ユニフォームなどが例示される。
本発明の中綿入り衣服は、下衣であることが好ましい。ここで、本発明において、下衣として、スカート、パンツなどが例示される。
本発明により、タウンや屋内で必要な保温性を有し、薄くて伸縮性を有した中綿入り衣服を提供する事ができる。すなわち、薄くて伸縮性のある保温性素材であるため、これまで概ね外衣として使用されてきた中綿入り衣服の用途をジャケットや学生服、ユニフォームやスカート、パンツといった中衣にまで利用拡大できる効果がある。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
本発明の中綿入り衣服は、少なくとも表地と裏地とその中間に配した中綿から構成され、各々の素材は特に限定されるものではないが、ポリエステル系繊維やナイロン繊維、アクリル繊維などの合成繊維や、ウール、レーヨン、綿などの天然繊維を単独もしくは混合したものを用いることができる。
本発明で使用する中綿は、スパイラル捲縮繊維と中空高捲縮繊維を含んだ中綿とすることにより伸縮性を付与することができる。ここでスパイラル捲縮繊維とは、例えば、熱収縮に差を有する樹脂成分を偏芯状または貼り合わせ状の断面構造を有する、いわゆる潜在捲縮繊維を加熱させて顕在捲縮化したものなどを意味する。この他、繊維をナイフエッジ上などで擦過させ繊維の片側の分子配向を乱すことにより潜在捲縮性を与えた繊維や、繊維を紡糸する際に片側を冷却しながら紡糸した繊維や、仮撚加工による繊維などを顕在捲縮化させたものであっても良い。
また、本発明で使用する中空捲縮繊維は、その中空率を10%以上、さらには15%以上とするのが好ましい。中空率を上記好ましい範囲とした場合、基材を構成した際の弾力性向上を図ることが容易となる。当該中空率の上限については特に限定するものではないが、中空率が高くなると繊維自体に割れが生じやすいので、概ね35%以下であることが好ましい。ここでいう中空率(%)は、糸条の単繊維横断面部に関して、顕微鏡を用いた画像処理装置、または顕微鏡写真から下記式で求める。
中空率(%)=(中空部の面積/単繊維全体の面積)×100
このような潜在捲縮性繊維を含むウエブを形成し、該ウエブに接着剤をスプレーし、乾燥機中で 繊維ウエブを形成した後、バインダーによって接着したり、繊維の融着性を利用して融着したり、エアや水流やニードルによって絡合したり、或いはこれらを適宜組み合わせることによって、伸縮性のある中綿を得ることができる。
本発明で使用する表地と裏地とその間に中綿を配した複合材料の伸長率は5〜50%の範囲であることが必要である。ここで伸長率はJIS L 1096(2010年版)「織物及び編物の生地試験方法」の伸び率A法(定速伸長法)に従って測定した値をいう。なお、詳細な試験方法については後述する実施例の項に記載した。該複合材料の伸長率が5〜25%の範囲を外れる場合、着用中に衣服がつっぱって縫い目が破損したり、身体に追随せずに窮屈な衣服となる。特に中綿の伸長率が小さく、表地と裏地の伸長率が大きい場合、中綿だけが部分的にひっぱられて薄くなり保温性が下がったり、引き裂かれる懸念がある上、開口部のある衣服では身体に沿わないために浮き上がり衣服内の暖気を外に逃がすことになる。反対に中綿の伸長率は大きいが、表地や裏地に身長率が低い場合では表地や裏地が伸びないため、窮屈感があり着用快適性に劣る。
上記伸長率を達成するためには、表地や裏地は、編物やストレッチ性を有した織物など伸縮性のある素材を選択する必要があり、ストレッチ性を有する織物を得る一例としては、弾性糸を使用する、捲縮糸を使用する、表面にシボやシワ加工を施し構造的な伸度を加える、などの手段があるが、これらの手段を単独あるいは適宜組み合わせてもよい。
本発明に用いる複合材料の厚さは5.0mm以下であって、clo値が1.4〜2.5であることが必要である。なお、中綿及び複合材料の厚さはJIS L 1097(2010年版)「合成繊維ふとんわた試験方法」の比容積(かさ高性)の厚さ試験方法に準拠し、荷重を0.189g/cm 2 のアクリル板に変更して測定した。なお、詳細な試験方法については後述する実施例の項に記載した。
合材料の厚さが5.0mmを超えるとデザインに制約があり、スリムな着用スタイルを作ることはできないし、着ぶくれしたような印象を与えてしまう。また、衣服を脱いで手に持った時嵩張り邪魔になる。特に中衣として使用する場合は、着脱しないこともあるため複合材料の厚さを5.0mm以下とすることが必要である。
保温性については、KES−F7(カトーテック(株)製)を用い、ドライコンタクト法にて計測した熱損失量から求められるclo値を保温性の指標とした。clo値1とは、気温21.2℃、湿度50%RH以下、気流10cm/秒の室内で静かに椅子に座っている人が快適に感じ、平均皮膚温を33℃に維持できる時の保温力をいう。
実験結果より冬期のアウトドアやフィッシングのような寒冷な環境では、少なくともclo値2.5以上の防寒衣料が必要であり、clo値2.5以上を得るためには5.0mm以上の厚さが必要となる。
一方、タウンや工場など屋内で着用するような中綿入り衣服としては薄くてある程度の保温性があれば適応できるため、clo値は1.4〜2.5の範囲であることが必要である。
clo値が2.5を超えると屋内では暑すぎるため屋内と屋外を出入りする場合には着脱が必要で、着用したまま屋内に入ると発汗するほどになってしまい、体調管理が困難となる。一方、clo値が1.4未満であると保温性が不足する。
本発明の中綿入り衣服に用いる複合材料の目付は200g/m2以上400g/m2以下であって、複合材料の繊維密度が0.03〜0.15g/cm 3 であることが好ましい。なお、目付はJIS L 1096(2010年版)「織物及び編物の生地試験方法」の単位面積あたりの質量の測定方法に従い測定した。
複合材料の目付がこの好ましい範囲であると、保温性衣料として適度な重さとなり、身体に良く沿い、開口部や裾から空気が入りにくいので体表面から熱を奪うことを防ぎ、一方、着用快適性に優れる。
保温性を高めるためには、いかに静止空気層を取り込むかが課題となり、そのためには衣服材料の繊維密度が0.05〜0.12g/cm3の範囲にあることが好ましい。
繊維密度とは1cm3にどれだけの繊維が収束しているかを計算した密度のことで、数字が大きいほど繊維が緻密になっていることを示す。
繊維密度がこの好ましい範囲であると、複合材料を形成する繊維の量が適度で通気量が大きくなり過ぎず、有風時の保温性を高く維持できる一方、自由度の大きい柔軟な材料となり、身体の曲線に沿いやすく開口部のある衣服においても、衣服と身体の間にある暖気が外に逃げにくく、保温性を保持できる。
繊維密度を適正な範囲で得るためには、中綿の製造時において最初から求める厚さの中綿を得るより、求める厚さの約3倍程度嵩高な中綿を作り、それを圧縮して求める厚さの中綿を得る方が、中綿に繊維ウエブが多層に積層され繊維密度が大きい緻密な中綿となり、繊維間に静止空気層をつくることができ、保温性が高くなり好ましい。
圧縮の手段としては、ローラー型プレス機や平板プレス機などで素材にあった適正な温度と圧力をかけて処理することができる。
このような繊維密度の高い中綿を使用することにより、保温衣料の表地には従来使用できなかった通気量の大きい編地やストレッチのある表地を使用することができる。表地の通気量が大きくても、中綿である程度遮断することができるため、複合材料としては通気量の小さい、すなわち風を通しにくい衣類を得ることが可能になった。
表地、中綿、裏地の順に重ね合わせて縫い合わせることにより複合材料が得られる。縫い合わせ方法としては、本縫い、二重還縫い、千鳥縫い、インターロック、オーバーロック、フラットシーマ-、偏平縫いなどのミシンを使用することができるが、ストレッチを阻害しないためには、二重還縫いやインターロック縫いなど縫い目にも伸びのある縫い方が好ましい、さらにミシン糸にポリエステルやナイロンのウーリー加工ミシン糸を使用することにより、縫い目のつっぱりや破損を防ぐことができる。
本発明の中綿入り衣服とは、複合材料が衣服全体で使用する場合もあるし、衣服の一部に複合材料を使用する場合もある。例えば前身頃と後身頃に複合材料を使い、袖部には表地と裏地の二層からなる材料を使った学生服や、ウエスト端から脚の付け根までを該複合材料を使い、そこから下は表地と裏地の二層からなる保温パンツなど、複合材料が薄くてストレッチがあるため、密かに保温性を付与でき、デザインのバリエーションを増やすことができる。
以下、本発明を実施例および比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例および比較例において用いた表地および裏地および中綿、それらの複合材料の品質評価は次の方法で実施した。
(測定方法)
(伸長率)
複合材料の伸長率はJIS L 1096(2010年版)「織物及び編物の生地試験方法」の伸び率A法(定速伸長法)に従って測定した。
すなわち、まず、5cm×30cmの試験片をタテ、ヨコ方向にそれぞれ3枚ずつ採取した。測定には自動記録装置付定速伸長形引張試験機を用い、つかみ間隔を20cmとし、試験片のたるみや張力を除いて、試験片をつかみに固定した。引張速度20cm/minで14.7N(1.5kg)まで伸ばし、その時のつかみ間隔を測り、次の式により伸長率L(%)を求め、3枚の平均で表した。
伸長率L(%)={(L−L)/L}×100
L :つかみ間隔(mm)
:14.7Nまで伸ばした時のつかみ間隔(mm)
(2)厚さ
表地及び裏地の厚さは、JIS L 1096(2010年版)「織物及び編物の生地試験方法」の厚さA法(JIS法)に従い、織物は23.5kPa、編物は0.7kPaの荷重を用いて測定した。
中綿及び複合材料の厚さは、JIS L 1097(2010年版)「合成繊維ふとんわた試験方法」の比容積(かさ高性)の厚さ試験方法に準拠して測定した。
すなわち、20cm×20cmの試験片を3枚採取し、その上に20cm×20cmで0.189g/cm2のアクリル板を乗せ、30秒後に四辺の中央高さを読み取り平均した。
(3)clo値
KES−F7サーモラボ(カトーテック(株)製)を用い、ドライコンタクト法にて計測した熱損失量からclo値を求めた。
すなわち、40℃に暖めたB.T.Boxの上に20cm×20cmの試料をのせ、40℃を保持するための熱損失量を測定し、次式によりclo値を算出した。
(1/0.155)×(△T×A/W)
ここで、△T:BTとTとの温度差、A:BT板面積(0.01m2)、W:熱損失量をそれぞれ表す。なお、BTはB.T.Box(Bottom Temperature Box、熱源台)の温度を示し、TはT.Box(Temperature detecting Box、温度検出及び貯熱板)を示す。
(4)繊維密度
複合材料の目付/複合材料の厚さ を算出し、繊維密度(g/cm3)とする。
(5)通気量
表地の通気量は、JIS L 1096(2010年版)「織物及び編物の生地試験方法」の通気性A法(フラジール法)に従い測定した。
(6)外観の審美性、着心地の評価
できあがった中綿入り衣服をモニターに着用させ、審美性、着用感について官能評価を実施した。その評価基準を表1に示す。モニターは年齢が30代から50代の男性5名女性5名であった。着用した結果の平均点を各評価点数として表3に示す。各評価点数の合計点数を総合評価とし、総合評価が大きいものほど優れていることを示す。
Figure 0006251984
(実施例1)
アクリル83%、ポリエステル17%の紡績糸を使いダブルフェースに編み、通常の染色、仕上げした編地を表地として用いた。こうして得られた表地編物の通気量は75cc/cm2・secであった。
一方、ポリウレタン弾性糸をナイロンでカバーリングしたフィラメント糸を用いラッセル編み機を使い6コースサテンネットを通常の染色、仕上げをした編地を裏地として用いた。
さらにポリエステルから構成された中空高捲縮繊維(中空率13%)70重量%とポリエステルとポリトリメチレンテレフタレートとをサイドバイサイド型に配置構成した潜在捲縮繊維30重量%とからなる繊維の繊維ウエブをカード機によって調整し、170℃のヒートロールによって加熱プレスをおこない、繊維ウエブに含まれる潜在捲縮繊維を捲縮発現させ、さらに150℃のヒートロールで熱プレスを行い圧縮して中綿を得た。
これら3種の素材を表地、中綿、裏地の順に重ね合わせてインターロックミシンにより縫い合わせて複合材料を得た。この複合材料の伸長率はタテ23%、ヨコ25%、厚さ4.6mm、目付380g/m2、繊維密度0.083g/cm3、clo値は1.8であった。この複合材料を構成する各生地素材および複合材料の特性を表2に示す。この複合材料を用いてややウエストを絞った細身の紳士用ニットジャケットを作製して着用したところ、外気温10℃程度の環境でも寒くなく、屋内に入ってもちょうどよい暖かさであった。さらに着用中の身体の動きに追随し、デスクワークを続けても窮屈感は感じなかった。これら衣服としての評価結果を表3に示す。
Figure 0006251984
Figure 0006251984
(実施例2)
アクリル57%、ウール25%、ポリエステル18%の紡績糸を使って、丸編地を編み、通常の染色を行い、裏面に起毛仕上げをした編地を表地として用いた。こうして得られた表地編物の通気量は86cc/cm2・secであった。
一方、実施例1で使用した裏地と中綿を用い、表地、中綿、裏地の順に重ね合わせて二重還縫いにより縫い合わせて複合材料を得た。この複合材料の伸長率はタテ20%、ヨコ25%、厚さ3.2mm、目付310g/m2、繊維密度0.097g/cm3であった。また、該複合材料のclo値は1.7であった。この複合材料を構成する各生地素材および複合材料の特性を表2に示す。この複合材料を前身頃と後身頃に用い、衿と袖には表地と裏地の二層構造の生地を用いてややウエストを絞った細身の婦人用ニットジャケットを作製して着用したところ、屋内外ともにちょうどよい暖かさであった。仮に暖かすぎると感じる場合、ジャケットを脱いで手に持っても薄くて嵩張らず携帯性に優れた。特に衿と袖には中綿が入っていないため、そのままデスクワークをしても邪魔にならず動きやすいものであった。これら衣服としての評価結果を表3に示す。
(実施例3)
タテ糸にポリエステル65%、レーヨン35%の紡績糸を、ヨコ糸にポリエステルとレーヨン、ポリウレタン弾性糸を使い2/1のツイルに製織、染色仕上げした織物を表地として使用した。こうして得られた織物の通気量は50cc/cm2・secであった。
一方、タテ糸にポリエステル100%、ヨコ糸にポリエステルとポリトリメチレンテレフタレートのサイドバイサイド糸を使い平織物に製織、染色し上げした織物を裏地として用いた。
さらにナイロンとポリエステルのサイドバイサイドの潜在捲縮繊維の繊維ウエブをカード機によって調整し、140℃のヒートロールによって加熱プレスをおこない、繊維ウエブに含まれる潜在捲縮繊維を捲縮発現させ、さらに130℃のヒートロールで熱プレスを行い圧縮して中綿を得た。
これらの表地、中綿、裏地を重ね合わせて下糸にポリエステル100%ウーリー加工糸を使い本縫いして複合材料を得た。この複合材料の伸長率はタテ10%、ヨコ20%、厚さ3.0mm、目付320g/m2、繊維密度0.107g/cm3、clo値は1.5であった。この複合材料を構成する各生地素材および複合材料の特性を表2に示す。この複合材料を用いて紳士のパンツを作製して着用したところ、室内外ともにちょうど良い暖かさであった。さらに階段の昇降時にも身体の動きに追随し、つっぱり感もなく動きやすいものであった。これら衣服としての評価結果を表3に示す。
(実施例4)
タテ糸にポリエステルとレーヨンの混紡糸、ヨコ糸にポリエステルとポリトリメチレンテレフタレートのサイドバイサイド糸レーヨンの混紡糸をカバーリングした糸を使い3/1のサテンに製織、染色仕上げした織物を表地として使用した。こうして得られた織物の通気量は52cc/cm2・secであった。
一方、ポリウレタン弾性糸をナイロンでカバーリングしたフィラメント糸を用いラッセル編み機を使い6コースサテンネットを通常の染色、仕上げをした編地を裏地として用いた。
さらにポリエステルから構成された中空高捲縮繊維(中空率16%)70重量%とポリエステルとポリトリメチレンテレフタレートとをサイドバイサイド型に配置構成した潜在捲縮繊維30重量%とからなる繊維ウエブをカード機によって調整し、170℃のヒートロールによって加熱プレスをおこない、繊維ウエブに含まれる潜在捲縮繊維を捲縮発現させ、さらに150℃のヒートロールで熱プレスを行い圧縮して中綿を得た。
これら3種の素材を表地、中綿、裏地の順に重ね合わせてインターロックミシンにより縫い合わせて複合材料を得た。この複合材料の伸長率はタテ10%、ヨコ23%、厚さ2.8mm、目付300g/m2、繊維密度0.107g/cm3、clo値は1.4であった。この複合材料を構成する各生地素材および複合材料の特性を表2に示す。この複合材料を用いて婦人の台形スカートを作製して着用したところ、外気温10℃程度の環境でも寒くなく、屋内に入ってもちょうどよい暖かさであった。さらに着用中の身体の動きに追随し、階段の昇降時にもつっぱり感もなく動きやすいものであった。これら衣服としての評価結果を表3に示す。
(実施例5)
タテ糸にポリエステルと綿の混紡糸、ヨコ糸にポリエステルと綿、ポリウレタン弾性糸を使い2/1ツイルに製織、染色仕上げした織物を表地として使用した。こうして得られた織物の通気量は50cc/cm2・secであった。
一方、タテ糸にポリエステル100%、ヨコ糸にポリエステルとポリトリメチレンテレフタレートのサイドバイサイド糸を使い平織物に製織、染色仕上げした織物を裏地とし用いた。
実施例4で使用した中綿を用い、表地、中綿、裏地の順に重ね合わせて二重還縫いミシンにより縫い合わせて複合材料を得た。この複合材料の伸長率はタテ10%、ヨコ18%、厚さ2.7mm、目付310g/m2、繊維密度0.115g/cm3、clo値は1.4であった。この複合材料を構成する各生地素材および複合材料の特性を表2に示す。この複合材料を衿、前身頃、後身頃に用い、袖には表地と裏地の二層構造の生地を用いて工場で着用するユニフォーム上衣を作製した。一方ベルト以外に該複合材料を用いてユニフォーム下衣を作製して着用したところ、外気温10℃程度の環境でも寒くなく、屋内に入ってもちょうどよい暖かさであった。さらに、身体の動きに追随できるので、着用した状態で工場での作業に支障はなかった。これら衣服としての評価結果を表3に示す。
(比較例1)
タテ糸・ヨコ糸に綿100%の紡績糸を使い平織に製織、染色仕上げした織物を表地として使用した。通気量は12cc/cm2・secであった。
一方、タテ糸・ヨコ糸にナイロン100%のフィラメント糸を使い平織物に製織、染色仕上げした織物を裏地とし用いた。
さらにポリプロピレン100%の繊維ウエブをカード機によって調整し、100℃のヒートロールによって加熱プレスをおこない、圧縮して中綿を得た。
これら3種の素材を表地、中綿、裏地の順に重ね合わせて本縫いにより縫い合わせて複合材料を得た。この複合材料の伸長率はタテ2%、ヨコ5%、厚さ11.9mm、目付450g/m2、繊維密度0.038g/cm3、clo値は2.6であった。この複合材料を構成する各生地素材および複合材料の特性を表2に示す。この複合材料を用いて紳士用ジャケットを作製して着用したところ、外気温10℃程度の環境で寒くはないが、屋内に入ると、暑すぎてすぐに上着を脱ぎたくなるし、脱いで携帯する場合嵩高くて邪魔になった。さらに、身体の動きに追随できないので、窮屈感のあるものであった。これら衣服としての評価結果を表3に示す。
(比較例2)
アクリル83%、ポリエステル17%の紡績糸を使いダブルフェースに編み、通常の染色、仕上げをした編地を表地として用いた。こうして得られた表地編物の通気量は75cc/cm2・secであった。
一方、ポリウレタン弾性糸をナイロンでカバーリングしたフィラメント糸を用いラッセル編み機を使い6コースサテンネットを通常の染色、仕上げをした編地を裏地として用いた。
ポリエステル100%の繊維ウエブをカード機によって調整し、170℃のヒートロールによって加熱プレスをおこない、中綿を得た。
これら3種の素材を表地、中綿、裏地の順に重ね合わせて本縫いミシンにより縫い合わせて複合材料を得た。この複合材料の伸長率はタテ10%、ヨコ10%、厚さ25.4mm、目付480g/m2、繊維密度0.019g/cm3、clo値は3.0であった。この複合材料を構成する各生地素材および複合材料の特性を表2に示す。この複合材料を用いて婦人ジャケットを作製して着用したところ、外観はモコモコして着ぶくれしたような状態に見えた。また、外気温10℃程度の環境で寒くはないが、屋内に入ると、暑すぎてすぐに上着を脱ぎたくなるし、脱いで携帯する場合嵩高くて邪魔になった。さらに、身体の動きに追随できないので、窮屈感のあるものであった。これら衣服としての評価結果を表3に示す。
本発明の中綿入り衣服は、薄くて伸縮性と保温性を両立させたものであり、ジャケット、スーツ、ワンピース、コート、学生服、ユニフォームなどの上衣や、スカート、パンツなどの下衣に好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 表地と裏地とその間にスパイラル捲縮繊維と中空高捲縮繊維を含んだ不織布からなる中綿を配した複合材料からなる中綿入り衣服であって、JIS L 1096(2010年版)「織物及び編物の生地試験方法」の伸び率A法(定速伸長法)に従って測定した該複合材料の伸長率が5〜25%の範囲にあり、該複合材料の厚さが5.0mm以下であって、該複合材料のclo値が1.4〜2.5であり、表地の通気量が50cc/cm 2 ・sec以上200cc/cm 2 ・sec以下であることを特徴とする中綿入り衣服。
  2. 該複合材料の目付が200g/m2以上400g/m2以下であって、該複合材料の繊維密度が0.05〜0.12g/cm3であることを特徴とする請求項1記載の中綿入り衣服。
  3. 中綿入り衣服が、上衣であることを特徴とする請求項1または2に記載の中綿入り衣服。
  4. 中綿入り衣服が、下衣であることを特徴とする請求項1または2に記載の中綿入り衣服。
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