JP2011108791A - シリコンウェーハおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面に適度の濃度の酸素が残存し、空孔欠陥や微小酸素析出物等が消失した無欠陥層を有し、しかもゲッタリング能力をも発揮し得るシリコンウェーハを提供する。
【解決手段】チョクラルスキー法により製造されたシリコン単結晶から得られるシリコンウェーハに、塩素が含まれる酸化性雰囲気にて熱処理を施し、少なくとも表層域における欠陥を消失させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)の引上げ過程にて不可避に生じる、COP(Crystal Originated Particle)や微小酸素析出物などのGrown−in欠陥の存在しない無欠陥層を有するシリコンウェーハおよびその製造方法に関するものである。なお、ここでは、COPや微小酸素析出物のほか、さらに微小点欠陥および酸素析出核などの微小欠陥を含めて、Grown−in欠陥(以下、単に欠陥と示す。)という。
近年、半導体回路の高集積化にともない素子の微細化が促進され、その基板となるシリコンウェーハに対する品質要求が高まっている。特に、CZ法にて作製されたシリコン単結晶から得られるシリコンウェーハには、COPおよび微小酸素析出物が不可避に含まれ、これらの欠陥は酸化膜耐圧特性やデバイスの特性を悪化させることから、少なくともデバイス形成領域にこれらの欠陥のないウェーハを提供することが希求されている。
この無欠陥層を有するウェーハを作製する手法は、2つに大別される。まず、第一の手法として、水素ガス、またはアルゴンガス雰囲気中でウェーハを高温熱処理してウェーハ表層部からGrown−in欠陥を消滅させて無欠陥層を形成する高温アニールによる方法がある。
例えば、無欠陥ウェーハの製造に関し、特許文献1では、ウェーハを水素ガス、アルゴンガス雰囲気中で高温熱処理して、ウェーハ内に僅かに残存するGrown−in欠陥を消滅させるシリコンウェーハの製造方法が提案されている。
このアニールウェーハでは、ウェーハ表層部に形成される無欠陥層厚さに20μm程度の限界があることから、ウェーハ内部まで無欠陥領域を構成することができない。このため、ウェーハ表面から深い位置まで無欠陥を要求される場合には、このような要求に対しては十分に対応することが難しい。
また、高温アニールによって特に表面の酸素濃度が極めて低くなることから、ウェーハ強度が不足する、おそれがあった。
第二の手法として、CZ法による単結晶インゴットの育成段階においてGrown−in欠陥が存在しない完全結晶を育成し、その無欠陥領域から切り出して無欠陥ウェーハを得る方法がある。かように得られる無欠陥ウェーハは、ウェーハ表面から裏面に至るまで無欠陥領域となるが、CZ法による育成段階において、シリコン単結晶に取り込まれる空孔(Vacancy)型点欠陥と格子間型シリコン(Interstitial−Si)点欠陥とを適切に排除しなければならない。
この点、特許文献2には、単結晶育成時の引き上げ速度をV(mm/min)、融点から1300℃までの温度範囲における引き上げ軸方向の温度勾配をG(℃/mm)とするとき結晶中心より外周から30mmまでの内部位置ではV/Gを0.20〜0.22mm2/(℃・min)とし、結晶外周に向かってはこれを漸次増加させるよう、温度勾配を制御することが提案されている。
しかし、特許文献2に従って得られるシリコンウェーハは、その全域にわたり無欠陥になるため、重金属汚染に対する十分なゲッタリング能力を発揮することが難しいところに問題を残していた。
特許第3565205号公報 特開平8−330316号公報
本発明の目的は、表面に適度の濃度の酸素が残存し、空孔欠陥や微小酸素析出物等が消失した無欠陥層を有し、しかもゲッタリング能力をも発揮し得るシリコンウェーハを提供することにある。
さらに、本発明の目的は、かようなシリコンウェーハを、低コストで製造するための手法について提案することにある。
発明者らは、内壁酸化膜を有する空孔欠陥および微小酸素析出物が存在するシリコンウェーハについて、簡便な熱処理によって、これら欠陥を消失させる方途について鋭意究明したところ、酸化性雰囲気にて行う熱処理において該雰囲気に塩素を含ませることによって、ウェーハ表面の酸化膜は塩素の効果により酸化が加速され、ウェーハ内部の酸素と表面酸化膜との酸素濃度勾配が大きくなって表面酸化膜に向かって内部酸素が拡散してくる結果、この急激な拡散過程において空孔欠陥の内壁酸化膜および微小酸素析出物は溶解して表面酸化膜に吸い上げられ、これら欠陥が最終的に消失することを見出した。
また、この酸素濃度勾配に起因した酸素の表面酸化膜への拡散は、熱処理条件の制御によってウェーハ表層に適度の酸素を残存させ得ること、さらには表層での欠陥を消滅させる一方、この無欠陥層下にゲッタリングに寄与させるべく欠陥を残存させること、が可能であるとの知見も得られた。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものであり、その要旨構成は、次のとおりである。
(1)チョクラルスキー法により製造されたシリコン単結晶から得られるシリコンウェーハであって、少なくとも表層域に無欠陥層を有し、該無欠陥層の酸素濃度が1×1017〜2.5×1018atoms/cmであることを特徴とするシリコンウェーハ。
(2)チョクラルスキー法により製造されたシリコン単結晶から得られるシリコンウェーハの表面からの酸素イオン注入による埋め込み酸化膜を有するSIMOXウェーハであって、該埋め込み酸化膜上の表面Si層が無欠陥であり、かつ酸素濃度が1×1017〜2.5×1018atoms/cmであることを特徴とするSIMOXシリコンウェーハ。
(3)チョクラルスキー法により製造されたシリコン単結晶から得られるシリコンウェーハに、塩素が含まれる酸化性雰囲気にて熱処理を施し、少なくとも表層域における欠陥を消失させることを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
(4)チョクラルスキー法により製造されたシリコン単結晶から得られるシリコンウェーハに、塩素が含まれる酸化性雰囲気にて熱処理を施し、少なくとも表層域における欠陥を消失させ、その後、酸化性雰囲気にて追加酸化熱処理を施すことを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
(5)チョクラルスキー法により製造されたシリコン単結晶から得られるシリコンウェーハに、酸化性雰囲気にて予備熱処理を施し、次いで塩素が含まれる酸化性雰囲気にて熱処理を施すことを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
(6)チョクラルスキー法により製造されたシリコン単結晶から得られるシリコンウェーハに、酸化性雰囲気にて予備熱処理を施し、次いで塩素が含まれる酸化性雰囲気にて熱処理を施し、少なくとも表層域における欠陥を消失させ、その後、酸化性雰囲気にて追加酸化熱処理を施すことを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
(7)チョクラルスキー法により製造されたシリコン単結晶から得られるシリコンウェーハの表面から酸素イオンを注入して埋め込み酸化膜を形成し、その後塩素が含まれる酸化性雰囲気にて熱処理を施し、該埋め込み酸化膜上の表面Si層における欠陥を消失させることを特徴とするSIMOXシリコンウェーハの製造方法。
(8)前記塩素が含まれる酸化性雰囲気は、塩素:10vol%以上80 vol%以下および酸素:0.1 vol%以上5.0 vol%以下である前記(3)から(7)のいずれかに記載の製造方法。
(9)前記熱処理は、1100℃以上1380℃以下および1h以上10h以下にて行う前記(3)から(8)のいずれかに記載の製造方法。
(10)さらに、ゲッタリング層を形成するための熱処理を施す前記(3)から(9)のいずれかに記載の製造方法。
(11)さらに、表面の研磨処理を施す前記(3)から(10)のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、表面に適度の濃度の酸素が残存し、空孔欠陥や微小酸素析出物等を消失させた無欠陥層を有し、しかもゲッタリング能力をも発揮し得るシリコンウェーハを提供することができる。
本発明のシリコンウェーハの製造手順を示す図である。 本発明のシリコンウェーハの製造手順を示す図である。 本発明のSIMOXシリコンウェーハの製造手順を示す図である。
以下、本発明について詳しく説明する。
まず、本発明のシリコンウェーハは、CZ法により製造されたシリコン単結晶から得られるシリコンウェーハである。従って、CZ法により製造される際に、空孔欠陥や微小酸素析出物が含まれるのが一般的である。該シリコンウェーハは、少なくとも表層域に、空孔欠陥や微小酸素析出物などの欠陥のない、無欠陥層を有し、該無欠陥層の酸素濃度が1×1017〜2.5×1018atoms/cmであることを特徴とする。
すなわち、無欠陥層は、ウェーハの全厚にわたって、あるいは表面から所望の深さにわたって設けることができ、シリコンウェーハに要求される性能に応じて可変である。そして、無欠陥層の酸素濃度が1×1017〜2.5×1018atoms/cmであることが肝要である。なぜなら、無欠陥層の酸素濃度が1×1017未満では、酸素濃度が低すぎて表面強度が弱くなり、その後の熱処理によってスリップ欠陥やウェハ割れなどの原因となる。一方、酸素濃度が2.5×1018atoms/cmを超えると、酸素の固溶度を超えるため酸素が析出してしまうからである。
また、本発明のSIMOXシリコンウェーハは、同様にCZ法により製造されたシリコン単結晶から得られるシリコンウェーハの表面から酸素イオンを注入して埋め込み酸化膜を形成し、該埋め込み酸化膜上の表面Si層(SOI層)が無欠陥であり、かつ酸素濃度が1×1017〜2.5×1018atoms/cmであることを特徴とする。
すなわち、SIMOXシリコンウェーハにおいて、埋め込み酸化膜上の表面Si層を無欠陥とすることが必須であり、さらに前記したように、ここでの酸素濃度は1×1017〜2.5×1018atoms/cmであることが有利である。
次に、上記した構成のシリコンウェーハを製造する方法について、図1を参照して詳しく説明する。
まず、図1(a)に示す、CZ法により製造されたシリコン単結晶からウェーハ加工を経て得られるシリコンウェーハ1を用いる。このシリコンウェーハ1には、図1(a)に模式的に示すように、結晶育成中に生じる内壁酸化膜2aを持つ空孔欠陥2および微小酸素析出物3が含まれている。このシリコンウェーハ1に、塩素が含まれる酸化性雰囲気にて熱処理を施すことが肝要である。すなわち、塩素が含まれる酸化性雰囲気にて熱処理を施すと、シリコンウェーハ1の表面に酸化膜4が形成されるが、酸化雰囲気に塩素が含まれていることから、この表面の酸化膜4は塩素(Cl)の作用により酸化が加速される。この酸化の加速によりウェーハ表面からの酸素拡散だけでは追いつかなくなった分はウェーハ内部から酸素が酸化膜4に向かって拡散してくる。
その結果、図1(b)に示すように、空孔欠陥2の内壁酸化膜2a及び微小酸素析出物3は溶解して酸化膜4に吸い上げられる。さらに、図1(c)に示すように、ウェーハ表面は酸化しているため、その界面からは格子間シリコンが注入され、このシリコンがウェーハ内へ拡散し、先の内壁酸化膜2aが消失した空孔欠陥2に至りここで結合する結果、図1(d)に示すように、空孔欠陥2も消滅する。
最後に、図1(e)に示すように、例えばフッ酸(HF)洗浄にて酸化膜4を除去すれば、無欠陥のシリコンウェーハ10を作製することができる。
また、塩素を含む酸化性雰囲気で処理することにより、ウェーハ中の鉄や銅の金属汚染も除去できる。すなわち、FeやCuなどの金属汚染は、高温で塩素と結合して塩化物となり、該塩化物は熱処理中に蒸発する結果、ウェーハから除去されることになる。
ここで、塩素が含まれる酸化性雰囲気は、まず、酸素濃度:10vol%以上80vol%以下が好ましい。すなわち、酸素濃度が10vol%に満たないと、ウェーハ表面から空孔が新たに注入され、逆に欠陥が増加する可能性があり、一方80vol%を超えると、酸化の速度が速すぎて無欠陥層が酸化膜中に取り込まれてしまう可能性があるためである。より好ましくは、15vol%程度である。
次に、塩素濃度は0.1vol%以上5vol%以下が好ましい。すなわち、塩素濃度が0.1vol%に満たないと、塩素による増速酸化が起こりにくく、つまり結晶欠陥内部の酸化膜の吸い上げが起こりにくくなる。一方、5vol%を超えると、ウェーハ表面が荒れてデバイス形成面としての条件を満たせなくなる、おそれがある。より好ましくは、0.2vol%程度である。
なお、塩素の供給形態としては、塩化水素のほか、CClという分子式を持つジクロロエチレン(DCE)などを用いることができる。
また、雰囲気の残部成分は、アルゴン、窒素またはヘリウムなどを用いることができる。
熱処理温度は、1100℃以上1380℃以下が好ましい。すなわち、熱処理温度が1100℃に満たないと、空孔欠陥内部の酸化膜の吸い上げが起こりにくく、一方1380℃を超えると、ウェーハが変形して平坦度が悪くなる、おそれがある。より好ましくは、1200℃以上1350℃以下である。
熱処理時間は、1h以上10h以下が好ましい。すなわち、熱処理時間が1h未満では、欠陥消滅が不十分になる、おそれがあり、一方10hを超えると当該処理に要するコストが高くなる。
なお、図1(c)から(d)に示した、内壁酸化膜2aの消失した空孔欠陥2への格子間シリコンの注入は、塩素を含まない酸化性雰囲気における追加酸化処理にて行うことも可能である。すなわち、塩素が含まれる酸化性雰囲気にて熱処理を施してから、酸化性雰囲気での追加酸化熱処理を施すと、追加酸化によりさらに格子間シリコンが発生するため空孔欠陥は結合により確実に消滅する上、ウェーハ表面の酸素濃度を高めることができる。従って、ウェーハは適度な表面酸素濃度を保っているため、強度が確保でき、後工程でのダメージ、熱処理による基板割れ、スリップ発生などのリスクを低減できる。
この追酸化熱処理における酸化性雰囲気は、上述した熱処理の塩素を除く成分から構成すればよい。また、処理温度は900℃以上1200℃以下が好ましい。900℃より低温の場合は空孔への格子間シリコンの拡散が不十分で再結合に至らない、おそれがある。一方、1200℃より高温の場合は、熱処理雰囲気からの汚染の懸念がある。
さらに、塩素が含まれる酸化性雰囲気にて熱処理を施すに先立ち、すなわち図1(a)の工程と同図(b)の工程との間に、塩素を含まない酸化性雰囲気における予備熱処理を施すことによって、ウェーハ表面に酸化膜を予め形成しておくことが好ましい。このように酸化膜を予め形成しておけば、塩素が含まれる酸化性雰囲気にウェーハ表面を直接晒すことが避けられる結果、ウェーハ表面の荒れを未然に防ぐことができる。
なお、この予備熱処理における雰囲気および温度は、前記追加酸化熱処理と同様でよい。
さらに、図2(a)から(c)に示す、図1(a)から(c)に示す工程と同じ工程を経た後、つまり塩素が含まれる酸化性雰囲気にて熱処理またはさらに、酸化性雰囲気での追加酸化熱処理を施した後、図2(d)に示すように、ゲッタリング層5を形成するための熱処理を施すことも可能である。ここでの処理条件は、Ar雰囲気中に酸素を1vol%程度混入した雰囲気にて、温度:700℃以上1000℃以下および時間:10h以上30h以下であることが好ましい。
なお、本発明の方法においては、塩素が含まれる酸化性雰囲気にて熱処理を行うことによって欠陥を排除しているが、上記したいずれか1または2以上の熱処理条件を制御すれば、表層域を無欠陥にし、残りの部分の微小酸素析出物などを残存させることが可能であり、この場合、微小酸素析出物などはゲッタリングサイトとして機能する。
さらに、図1(d)に示した酸化膜の除去工程の後、ウェーハ表面の研磨処理を施すことが好ましい。すなわち、塩素が含まれる酸化性雰囲気での熱処理による、ウェハ表面の荒れを除去するためである。なお、この研磨では、0.05um〜1um程度の厚みを除去するとよい。
次に、本発明に従うSIMOXウェーハの製造方法について説明する。
すなわち、図3(a)に示すように、CZ法により製造されたシリコン単結晶からウェーハ加工を経て得られるシリコンウェーハ1に、酸素イオン6を注入する。酸素イオンは、例えば、加速エネルギー:40keV以上2.4×10keV以下、ドーズ量:2×1017〜2×1018atoms/cm程度の酸素原子イオン或いは酸素分子イオンを、シリコン基板温度:400〜600℃程度の条件にて、所定の深さに注入する。
さらに、図3(b)に示すように、酸素とアルゴンの混合ガス雰囲気中(例えば、体積vol%で酸素12.5vol%)で、段階的に温度上昇させた1300℃以上の温度で高温アニール処理を施して、50nmを超える膜厚の連続した埋め込み酸化膜7を形成する。
次いで、このシリコンウェーハ1に、前述した、塩素が含まれる酸化性雰囲気にて熱処理を施すことが肝要である。すなわち、塩素が含まれる酸化性雰囲気にて熱処理を施し、シリコンウェーハ1の表面に酸化膜4を形成し、この表面の酸化膜4を塩素(Cl)の作用により急速に酸化させる。この酸化の加速によりウェーハ内部から酸素を酸化膜4に向かって拡散させる。
その結果、図3(c)に示すように、空孔欠陥2の内壁酸化膜2a及び微小酸素析出物3は溶解して酸化膜4に吸い上げられ、さらに、酸化膜界面からの格子間シリコンが内壁酸化膜2aが消失した空孔欠陥2に至りここで結合し、図3(d)に示すように、空孔欠陥2も消滅し、無欠陥のSOI層8が得られる。
最後に、図3(e)に示すように、例えばフッ酸(HF)洗浄にて酸化膜4を除去すれば、無欠陥のSOI層8を備えるSIMOXシリコンウェーハ11を作製することができる。このSIMOXシリコンウェーハ11は、SOI層8が無欠陥である一方、埋め込み酸化膜7下部のシリコンバルク層9には空孔欠陥2及び微小酸素析出物3が残存しているため、これらをゲッタリングサイトとして利用することができる。勿論、さらにゲッタリング層を形成するための熱処理を施すことも可能である。
以下に、本発明の実施例について具体的に説明する。
発明例1として、一般的なCZ法により製造されたシリコン単結晶から得られる、内壁酸化膜を持つ空孔欠陥及び微小酸素析出物を有するシリコンウェーハを用意し、このウェーハに、酸素:15vol%、塩化水素:0.2vol%(塩素濃度:0.2vol%)及びAr:84.8vol%からなる酸化性雰囲気中にて、1350℃で10hの熱処理を施した。その後、表面酸化膜をHFにて除去した。
発明例2として、発明例1と同じシリコン単結晶から得られる、シリコンウェーハを用意し、このウェーハに、酸素:15vol%、塩化水素:1vol%(塩素濃度:1vol%)及びAr:84vol%からなる酸化性雰囲気中にて、1200℃で20hの熱処理を施した。その後、表面酸化膜をHFにて除去した。
発明例3として、発明例1と同じシリコン単結晶から得られる、シリコンウェーハを用意し、このウェーハに、酸素:15vol%、塩化水素:0.2vol%(塩素濃度:0.2vol%)及びAr:84.8vol%からなる酸化性雰囲気中にて、1350℃で10hの熱処理を施した後、そのままの雰囲気にて1100℃まで降温し、1100℃のまま酸素:15vol%及びAr:85vol%の雰囲気にて1hの追加酸化熱処理を行った。その後、表面酸化膜をHFにて除去した。
発明例4として、発明例1と同じシリコン単結晶から得られる、シリコンウェーハを用意し、このウェーハに、酸素:10vol%及びAr:90vol%の雰囲気中にて1100℃で
1hの予備熱処理を行った後、酸素:15vol%、塩化水素:0.2vol%(塩素濃度:0.2vol%)及びAr:84.8vol%からなる酸化性雰囲気中にて、1350℃で10hの熱処理を施した。その後、表面酸化膜をHFにて除去した。
発明例5として、発明例1と同じシリコン単結晶から得られる、シリコンウェーハを用意し、このウェーハに、酸素:2vol%及びAr:98vol%の雰囲気中にて1350℃で
1hの予備熱処理を行った後、酸素:15vol%、塩化水素:0.2vol%(塩素濃度:0.2vol%)及びAr:84.8vol%からなる酸化性雰囲気中にて、1350℃で10hの熱処理を施した。その後、表面酸化膜をHFにて除去した。
発明例6として、発明例1と同じシリコン単結晶から得られる、シリコンウェーハを用意し、このウェーハに、酸素:10vol%及びAr:90vol%の雰囲気中にて1100℃で
1hの予備熱処理を行った後、酸素:15vol%、塩化水素:0.2vol%(塩素濃度:0.2vol%)及びAr:84.8vol%からなる酸化性雰囲気中にて、1350℃で10hの熱処理を施した後、そのままの雰囲気にて1200℃まで降温し、1200℃のまま酸素15vol%及びAr85vol%の雰囲気にて1hの追加酸化処理を行った。その後、表面酸化膜をHFにて除去した。
発明例7として、発明例1と同じシリコン単結晶から得られる、シリコンウェーハを用意し、このウェーハに、酸素:15vol%、塩化水素:0.2vol%(塩素濃度:0.2vol%)及びAr:84.8vol%からなる酸化性雰囲気中にて、1350℃で10hの熱処理を施した。その後、不活性雰囲気において700℃及び4h、次いで1000℃及び10hにて熱処理を行ってウェーハの内部にゲッタリング層を形成した。最後に、表面酸化膜をHFにて除去した。
発明例8として、発明例1と同じシリコン単結晶から得られる、シリコンウェーハを用意し、このウェーハに、酸素:15vol%、塩化水素:0.2vol%(塩素濃度:0.2vol%)及びAr:84.8vol%からなる酸化性雰囲気中にて、1350℃で10hの熱処理を施した。その後、表面酸化膜をHFにて除去した後、KOHに砥粒を含む研磨液で4000Å程度研磨し、その後仕上研磨としてアンモニアに砥粒を含む研磨液で1000Åの研磨を行った。
発明例9として、発明例1と同じシリコン単結晶から得られる、シリコンウェーハを用意し、このウェーハに、酸素:15vol%、塩化水素:0.2vol%(塩素濃度:0.2vol%)及びAr:84.8vol%からなる酸化性雰囲気中にて、1350℃で10hの熱処理を施した後、そのままの雰囲気にて1100℃まで降温し、1100℃のまま酸素15vol%及びAr85vol%の雰囲気にて1hの追加酸化処理を行った。その後、不活性雰囲気において700℃及び4h、次いで1000℃及び10hにて熱処理を行ってウェーハの内部にゲッタリング層を形成した。最後に、表面酸化膜をHFにて除去した後、KOHに砥粒を含む研磨液で4000Å程度研磨し、その後仕上研磨としてアンモニアに砥粒を含む研磨液で1000Åの研磨を行った。
比較例1として、発明例1と同じシリコン単結晶から得られる、シリコンウェーハを用意し、このウェーハに、Ar:100vol%からなる雰囲気中にて、1200℃で1hの熱処理を施した。
以上の各事例にて最終的に得られたシリコンウェーハについて、空孔欠陥数、表面酸素濃度、表面粗さ及び表面から10μm深さまでの表層域での金属汚染量をそれぞれ調査した。これらの調査結果を、表1に示す。
なお、空孔欠陥数は、表面レーザーパーティクルカウンターにて測定を行った。
表面酸素濃度は、SIMS分析にて定量を行った。
表面粗さは、表面レーザーパーティクルカウンターにて測定し、そのヘイズ量を比較した。
金属汚染量は、原子吸光法で測定を行った。
表1に、以上の各調査結果を示す。なお、各調査行為目の数値は、比較例における調査結果を基準として指数化したもので表示した。
Figure 2011108791
9 BOX層
10 酸素イオン
11,11−1,11−2 シリコン基板
13 空孔欠陥
13a 内壁酸化膜
13b 消滅した空孔欠陥
14 微小酸素析出物
15 シリコンウェーハ
19 無欠陥層(DZ層)
20 微小欠陥層(IG層)
21 酸化膜
25 SOI層
26 酸化層

Claims (11)

  1. チョクラルスキー法により製造されたシリコン単結晶から得られるシリコンウェーハであって、少なくとも表層域に無欠陥層を有し、該無欠陥層の酸素濃度が1×1017〜2.5×1018atoms/cmであることを特徴とするシリコンウェーハ。
  2. チョクラルスキー法により製造されたシリコン単結晶から得られるシリコンウェーハの表面からの酸素イオン注入による埋め込み酸化膜を有するSIMOXウェーハであって、該埋め込み酸化膜上の表面Si層が無欠陥であり、かつ酸素濃度が1×1017〜2.5×1018atoms/cmであることを特徴とするSIMOXシリコンウェーハ。
  3. チョクラルスキー法により製造されたシリコン単結晶から得られるシリコンウェーハに、塩素が含まれる酸化性雰囲気にて熱処理を施し、少なくとも表層域における欠陥を消失させることを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
  4. チョクラルスキー法により製造されたシリコン単結晶から得られるシリコンウェーハに、塩素が含まれる酸化性雰囲気にて熱処理を施し、少なくとも表層域における欠陥を消失させ、その後、酸化性雰囲気にて追加酸化熱処理を施すことを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
  5. チョクラルスキー法により製造されたシリコン単結晶から得られるシリコンウェーハに、酸化性雰囲気にて予備熱処理を施し、次いで塩素が含まれる酸化性雰囲気にて熱処理を施すことを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
  6. チョクラルスキー法により製造されたシリコン単結晶から得られるシリコンウェーハに、酸化性雰囲気にて予備熱処理を施し、次いで塩素が含まれる酸化性雰囲気にて熱処理を施し、少なくとも表層域における欠陥を消失させ、その後、酸化性雰囲気にて追加酸化熱処理を施すことを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
  7. チョクラルスキー法により製造されたシリコン単結晶から得られるシリコンウェーハの表面から酸素イオンを注入して埋め込み酸化膜を形成し、その後塩素が含まれる酸化性雰囲気にて熱処理を施し、該埋め込み酸化膜上の表面Si層における欠陥を消失させることを特徴とするSIMOXシリコンウェーハの製造方法。
  8. 前記塩素が含まれる酸化性雰囲気は、塩素:10vol%以上80 vol%以下および酸素:0.1 vol%以上5.0 vol%以下である請求項3から7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記熱処理は、1100℃以上1380℃以下および1h以上10h以下にて行う請求項3から8のいずれかに記載の製造方法。
  10. さらに、ゲッタリング層を形成するための熱処理を施す請求項3から9のいずれかに記載の製造方法。
  11. さらに、表面の研磨処理を施す請求項3から10のいずれかに記載の製造方法。
JP2009261192A 2009-11-16 2009-11-16 シリコンウェーハおよびその製造方法 Withdrawn JP2011108791A (ja)

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