JP2011107444A - 光素子モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【目的】使用環境温度の変化による筐体の変形時に光ファイバの剥がれや破断が発生しない光素子モジュールを提供する。
【構成】底面から側壁が立ち上がった箱状体でなり、側壁に少なくとも1つの開口部が形成された筐体と、筐体の内部に配置された光素子と、光素子と光学的に接続され、開口部を介して筐体外部と光の入出力を行う光ファイバとを備え、光ファイバが光素子の光ファイバ固定部と開口部とで接合固定される光素子モジュールであって、光ファイバは、光ファイバ固定部から筐体の側壁方向に向かった所定長さの第1の直線部と、第1の直線部と同一直線上でない位置に、筐体開口部から筐体の内部に向かった所定長さの第2の直線部と、第1の直線部と第2の直線部とを接続する、少なくとも1つの曲線部を含んでなる接続部とからなる。
【選択図】図1

Description

筐体の内部に光素子基板が配置され、当該光素子基板と筐体外部との間で光の入出力を行う光ファイバが筐体に接続されている光素子モジュール、およびその製造方法に関する。
筐体の内部に光素子が配置され、当該光素子からの光を筐体外部へ出力するための光ファイバが筐体に接続固定されている光素子モジュールが知られている。そのような光素子モジュールの一例を図10に示す。
図10の光素子モジュール50では、金属の筐体41内にペルチェ42、ベース43、サブマウント44等を介して発光素子45を固定し、レンズドファイバ46の先端側を第1フェルール47に挿通固定してベース43に第1フェルール47を固定している。第1フェルール47の後端側に間隔を介して第2フェルール48を設けて筐体41の挿入部41aに挿入固定し、第2フェルール48にレンズドファイバ46の途中部を挿通固定している。そして、使用環境温度の上限値よりも低い温度において、第1フェルール47と第2フェルール48との間のレンズドファイバ46に撓みを設けて接合している。
これにより、使用環境温度の上限値において、第1フェルール47と第2フェルール48との間のレンズドファイバ46に許容範囲を越えた引張り応力が加わらないようになっている。
特開2001−100066号公報
しかしながら、上述した製造方法においては、光素子モジュールの使用環境温度の上限値において光ファイバに断線等が生じないよう、常温での組立時にフェルール間の光ファイバに撓みを挿入する作業を必要としている。そして挿入する撓み量も多ければ幾らでもよいわけではなく、撓み量が多すぎると逆に接合部に応力が加わってしまうことになる。特許文献1の例ではファイバ間距離15mmに対して撓み量が7.5μmであり、非常に煩雑な作業である。この作業を行うことで、光素子モジュールの製造工数の増大につながっていた。
上記課題を解決するために、請求項1記載の光素子モジュールは、底面から側壁が立ち上がった箱状体でなり、前記側壁に少なくとも1つの開口部が形成された筐体と、前記筐体の内部に配置された光素子と、前記光素子と光学的に接続され、前記開口部を介して筐体外部と光の入出力を行う光ファイバとを備え、前記光ファイバが前記光素子の光ファイバ固定部と前記開口部とで接合固定される光素子モジュールであって、前記光ファイバは、前記光ファイバ固定部から前記筐体の前記側壁方向に向かった所定長さの第1の直線部と、前記第1の直線部と同一直線上でない位置に、前記筐体開口部から前記筐体の内部に向かった所定長さの第2の直線部と、前記第1の直線部と前記第2の直線部とを接続する、少なくとも1つの曲線部を含んでなる接続部とからなることを特徴としている。
上記課題を解決するために、請求項2記載の光素子モジュールは、請求項1記載の光素子モジュールにおいて、前記第1の直線部と前記第2の直線部とが平行であることを特徴としている。
上記課題を解決するために、請求項3記載の光素子モジュールは、請求項1記載の光素子モジュールにおいて、前記第1の直線部の延長線と前記第2の直線部の延長線とが交わる位置関係であることを特徴としている。
上記課題を解決するために、請求項4記載の光素子モジュールは、請求項3記載の光素子モジュールにおいて、前記第1の直線部の延長線と前記第2の直線部の延長線とが略直交していることを特徴としている。
上記課題を解決するために、請求項5記載の光素子モジュールは、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光素子モジュールにおいて、前記光ファイバは、ビーズに挿入されて前記光ファイバ固定部に当該ビーズとともに接合固定されることを特徴としている。
上記課題を解決するために、請求項6記載の光素子モジュールの製造方法は、底面から側壁が立ち上がった箱状体でなり、前記側壁に少なくとも1つの開口部が形成された筐体と、前記筐体の内部に配置された光素子と、前記光素子と光学的に接続され、前記開口部を介して筐体外部と光の入出力を行う光ファイバとを備え、光ファイバが前記光素子の光ファイバ固定部と前記開口部とで接合固定される光素子モジュールの製造方法であって、前記光ファイバを前記筐体の外部から前記開口部を挿通させて前記筐体の内部に挿入する光ファイバ挿入段階と、前記開口部を挿通された前記光ファイバの端を、前記開口部の軸線上に配置されていない前記光ファイバ固定部まで所定の長さ導く光ファイバ配線段階と、前記光素子と前記光ファイバの端とを調芯した後、前記光ファイバの端を前記光ファイバ固定部に接合する第1の接合段階と、前記開口部と前記光ファイバとを接合する第2の接合段階とを含み、前記光ファイバには、前記基板端と前記開口部との間に当該光ファイバに加わる応力を吸収する接続部が形成されることを特徴としている。
上記課題を解決するために、請求項7記載の光素子モジュールの製造方法は、請求項6記載の光素子モジュールの製造方法において、前記光ファイバ配線段階における前記所定の長さは、前記筐体内の所定位置に前記筐体から立設された突き当て部を設け、当該突き当て部に突き当たるまで前記光ファイバの端を挿入する段階によって形成されることを特徴としている。
上記課題を解決するために、請求項8記載の光素子モジュールの製造方法は、請求項6記載の光素子モジュールの製造方法において、前記光ファイバ配線段階における前記所定の長さは、前記筐体の所定位置に取り付けた治具に突き当たるまで前記光ファイバの端を挿入する段階と、前記治具を前記筐体から取り外す段階と、によって形成されることを特徴としている。
上記課題を解決するために、請求項9記載の光素子モジュールの製造方法は、請求項6記載の光素子モジュールの製造方法において、前記光ファイバ配線段階における前記所定の長さは、前記光ファイバにあらかじめ取り付けられた目印位置まで前記光ファイバを挿入する段階によって形成されることを特徴としている。
本発明は、光ファイバが持つ剛性によって自ずと形成された曲線部を含んでなる接続部を含む構成であり、この接続部によって使用環境温度の変化時の筐体の変形を吸収することができ、光ファイバの破断等が発生することがない。
また、本発明の製造方法においては、従来の光ファイバに撓みを持たせる工程を不要とすることができ、製造工数の大幅な削減を実現することができる。
本発明の第1の実施形態の光素子モジュールの上面図と側面断面図 本発明の第1の実施形態の光素子モジュールの変形例の上面図 本発明の第2の実施形態の光素子モジュールの上面図 本発明の第3の実施形態の光素子モジュールの上面図と正面断面図 本発明の第4の実施形態の光素子モジュールの上面図と側面断面図 本発明の第5の実施形態の光素子モジュールの上面図 本発明の第6の実施形態の光素子モジュールの斜視図 本発明の第7の実施形態の光素子モジュールの上面図と部分拡大図 本発明の第8の実施形態の光素子モジュールの上面図 従来の光素子モジュールの側面断面図
以下、図面に基づいて本発明に係る光素子モジュールの実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
本発明に係る光素子モジュール20の第1の実施形態を図1に示す。図1(a)は光素子モジュール20の上面図、図1(b)は光素子モジュール20の側面断面図である。
第1の実施形態の光素子モジュール20は、矩形箱状の筐体1の内部に基板状の光素子2が配置されている。光素子2は、筐体1の底面3から突出して形成された台座部4上に接着固定されている。
筐体1の側壁5には、筐体1の外部へ突出した突出部7が形成され、その中央部には直線穴状の開口部8が形成されている。そして開口部8には被覆された状態の光ファイバ9が挿通されている。開口部8と光ファイバ9とは、ほぼガタが無いはめあい関係となっている。
光ファイバ9の端は基板端(光ファイバ固定部)2aの光ファイバ接続部10と接続され、筐体1の外部と光素子2との間で光の入出力を行う。光ファイバ9は、基板端2aと開口部8(突出部7の端)とで接合剤11(接着剤、半田等)にて接合固定されている。なお、筐体1の上面には上面カバー(不図示)が取り付けられる。
図1(a)に示すように、光素子2の長手方向と開口部8の軸線方向は平行となっているものの、基板端2aの光ファイバ接続部10と開口部8とは、同一直線上の関係になっておらず、光素子2の短手方向に所定距離ずれた配置となっている。光ファイバ9は、第1の直線部15,接続部16,および第2の直線部17を持った、逆S字状に変形した状態となっている。なお、図1(b)に示すように、基板端2aと開口部8の筐体深さ方向(基板厚み方向)の位置は、同位置となっている。
光素子2は、例えば導波路型LN光変調器チップである。LN光変調器チップは、電気光学効果を有する強誘電体であるLiNbO(ニオブ酸リチウム)基板にTi等を熱拡散させて基板表面に相対的に高屈折率の光導波路を形成し、さらに基板上にマイクロ波を伝播させるマイクロ波伝播導波路(例えばコプレーナ線路)を形成し、光導波路を伝播する光波にマイクロ波による電界を作用させて、電気光学効果によって変調を行う光素子である。
筐体1は、ステンレス(SUS303)で構成されている。線膨張係数が17.3×10−6/KでLN光変調器チップと近い値のものが選択され、温度が上昇して筐体が膨張(または下降して筐体が収縮)した際に、光素子2が筐体1の接着部から脱落等するのを防止している。
一方、光ファイバ9の線膨張係数は0.51×10−6/Kであり、筐体1およびLN光変調器チップ2の値とは大きく異なっている。したがって、光ファイバ9を筐体1に撓みが無い状態で固定すると、光素子モジュールの使用環境温度が変動した際には光ファイバ9に応力が加わり、光ファイバ9の剥がれや破断が発生することになる。
次に、この第1の実施形態の光素子モジュール20の製造方法について説明する。工程は次の通りである。
[1;光ファイバ挿入段階]光ファイバ9を筐体1の外部から開口部8を挿通させて筐体1の内部に挿入する
[2;光ファイバ配線段階]開口部8を挿通されて内壁面6から出てきた光ファイバ9の端を、筐体1の上面側から把持して基板端2aの光ファイバ接続部10まで所定の長さ導く
[3;第1の接合段階]光素子2と光ファイバ9とを調芯した後、光ファイバ9の端を基板端2aに接合剤11で接合する
[4;第2の接合段階]開口部8(突出部7の端)で、光ファイバ9と筐体1とを接合剤11で接合する
以上の工程で、第1の直線部15、接続部16、および第2の直線部17は自ずと形成される。
第1の直線部15は、光ファイバ9の端が基板端2aに接合されることにより、光ファイバ9自身の剛性によって所定長さの直線状となって自ずと形成される。第2の直線部17は、所定長さの直線穴状部を持つ開口部8により、光ファイバ9自身の剛性によって所定長さの直線状となって自ずと形成される。そして接続部16は、第1の直線部15と第2の直線部17とを結んでなるが、光ファイバ9自身の剛性によって所定の曲率半径を持って自ずと形成される。つまり、製造作業者は意識して第1の直線部15、接続部16、および第2の直線部17を製造する必要が無い。
次に、第1の実施形態の光素子モジュール20の動作について説明する。光素子モジュール20の使用環境温度の変動によって、筐体1は膨張または収縮し、基板端2aと内壁面6との距離Aも変動する。この際、接続部16が引っ張り方向または圧縮方向に変形していわゆる“逃げ”となり、光ファイバ9に上述した応力が加わらないようになっている。
以上説明してきたように、第1の実施形態の光素子モジュール20では、使用環境温度が変動した際にも、接続部16が変形することによって光ファイバ9に応力が加わることが無く、光ファイバ9の接合部からの剥がれや破断等が発生することが無い。また、第1の実施形態の光素子モジュール20を製造する際にも、意識して接続部16を製造する必要が無く、従来の光ファイバに撓みを挿入する場合に比べて製造工数を大幅に削減することができる。
(第1の実施形態の変形例)
本発明に係る光素子モジュール20の第1の実施形態の変形例を図2に示す。図2は光素子モジュール20の上面図である。
図2に示すように、光ファイバ9をビーズ12に挿通させて光ファイバ9の端と基板端2aとを接合するようにしてもよい。光ファイバ9が所定高さを持つビーズ12の直線部に挿通されていることにより、第1の直線部15の形成を図1に示した態様に比べてより確実なものとすることができる。さらに、光ファイバ9の端と基板端2aとの接合面積を光ファイバ9単体の場合よりも広くできるため、両者の接合強度をより強固なものとすることができる。なお、このビーズ12を用いた構成は以下の全ての実施形態で適用可能である。
(第2の実施形態)
本発明に係る光素子モジュール20の第2の実施形態を図3に示す。図3は第2の実施形態の光素子モジュール20の上面図である。
第2の実施形態の光素子モジュール20は、光素子2に対する開口部8の軸線方向が第1の実施形態とは異なっており、光素子2の長手方向に対して所定角度を有して構成されている。開口部8の深さ方向の位置は、図1(b)と同様、基板端2aと同位置となっている。他の部分の構成および製造方法は第1の実施形態と同様である。
この第2の実施形態の光素子モジュール20においても、第1の実施形態と同様に、第1の直線部15、接続部16、および第2の直線部17を有しており、接続部16で光ファイバ9に加わる応力を吸収することができる。第1の実施形態と比較して接続部16の変形可能量が少なくなるものの、使用環境温度の変動による基板端2aと内壁面6との距離Aの変形量には十分対応可能である。
(第3の実施形態)
本発明に係る光素子モジュール20の第3の実施形態を図4に示す。図4(a)は光素子モジュール20の上面図、図4(b)は光素子モジュール20の正面断面図である。
第3の実施形態の光素子モジュール20は、突出部7の形成されている部位が第1の実施形態とは異なっており、光素子2の長手方向に沿う方向の側壁5´に形成されている。開口部8の深さ方向の位置は、図4(b)に示すように、基板端2aと同位置となっている。他の部分の構成および製造方法は第1の実施形態と同様である。
この第3の実施形態の光素子モジュール20においても、第1の実施形態と同様に、第1の直線部15、接続部16、および第2の直線部17を有しており、接続部16で光ファイバ9に加わる応力を吸収することができる。第1の実施形態と比較して接続部16の変形可能量が少なくなるものの、使用環境温度の変動による基板端2aと内壁面6との距離Aの変形量には十分対応可能である。
(第4の実施形態)
本発明に係る光素子モジュール20の第4の実施形態を図5に示す。図5(a)は光素子モジュール20の上面図、図5(b)は光素子モジュール20の側面断面図である。
第4の実施形態の光素子モジュール20は、突出部7の形成されている部位が第1の実施形態とは異なっている。図5(a)に示すように、基板端2aの光ファイバ接続部10と開口部8とが同一直線上に配置された関係となっている一方、図5(b)に示すように、筐体深さ方向の位置が所定距離ずれて配置されている。他の部分の構成および製造方法は第1の実施形態と同様である。
この第4の実施形態の光素子モジュール20においては、第1の実施形態と同様に、第1の直線部15、接続部16、および第2の直線部17を有しているものの、接続部16は第1の実施形態とは異なり、筐体深さ方向に向かって形成されている。しかしながら、その動作は第1の実施形態と全く同様であり、接続部16で光ファイバ9に加わる応力を吸収することができる。
(第5の実施形態)
本発明に係る光素子モジュール20の第5の実施形態を図6に示す。図6は光素子モジュール20の上面図である。
第5の実施形態の光素子モジュール20は、第1の実施形態に対し、底面3上に突き当て部13を設けた構成となっている。突き当て部13は、筐体1の一部を底面3から上方に突出させる、あるいは別部材を底面3上に固定配置する等して形成されている。
この第5の実施形態の光素子モジュール20では、第1の実施形態とは製造方法が一部異なっている。[2;光ファイバ配線段階]にて、「開口部8を挿通されて内壁面6から出てきた光ファイバ9の端を、筐体1の上面側から把持して突き当て部13に当るまで導いた後、基板端2aの光ファイバ接続部10まで導く」と構成している。以降の手順は第1の実施形態と同様である。
突き当て部13の位置は、光ファイバ9を突き当て部13に突き当たるまで挿入すれば、最適な第1の直線部15、接続部16、および第2の直線部17を形成する光ファイバ挿入量となる位置となっている。光素子モジュール20の製造時にモジュール毎の筐体内に挿入する光ファイバ9の挿入量を正確に揃えたい場合等に、本手順は特に有効である。
なお、手順[3;第1の接合段階]と[4;第2の接合段階]とを逆にしてもよい。上記[1;光ファイバ挿入段階]にて光ファイバ9の筐体内への挿入量が定まるので、逆にすることが可能である。
(第6の実施形態)
本発明に係る光素子モジュール20の第6の実施形態を図7に示す。図7は光素子モジュール20の斜視図である。筐体1の構成は第1の実施形態と同様である。
第6の実施形態の光素子モジュール20は、第1の実施形態に対し、製造方法において取付治具を用いる点で異なっている。取付治具14は略T字状で構成され、筐体1の両側壁5´の上部で嵌り合うようになっている。そして、T字状の下へ延びた延出部14aにて、上記第5の実施形態の突き当て部13と同じ役割を持たせている。
製造方法は第5の実施形態とほぼ同様である。[2;光ファイバ配線段階]にて、取付治具14を筐体1に取り付け、開口部8を挿通されて内壁面6から出てきた光ファイバ9の端を、筐体1の上面側から把持して延出部14aに当るまで導いた後、基板端2aの光ファイバ接続部10まで導く。そして、取付治具14を筐体1から取り外す。その後、手順[3;第1の接合段階]または[4;第2の接合段階]を行う。
なお、取付治具14の材質をテフロン(デュポン社登録商標)等の樹脂で構成すれば、組立の際に光ファイバ9の端を延出部14aに当てても光ファイバ9の端を傷つけたりすることが無く、好適である。
この第6の実施形態の光素子モジュール20においても、第5の実施形態と同様、最適な第1の直線部15、接続部16、および第2の直線部17を形成でき、製造時に光素子モジュール20毎の筐体内に挿入する光ファイバ9の挿入量を正確に揃えたい場合に特に有効である。
なお、図7に示した取付治具14の形状は一例であり、本形状に限定されるものではなく、また筐体の構成も本構成に限定されるものではない。
(第7の実施形態)
本発明に係る光素子モジュール20の第7の実施形態を図8に示す。図8(a)は光素子モジュール20の上面図、図8(b)は光素子モジュール20の突出部7の部分拡大図である。
第7の実施形態の光素子モジュール20は、第1の実施形態に対し、光ファイバ9の所定位置に目印9aが付けられている点が異なっている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
また、この第7の実施形態の光素子モジュール20では、第1の実施形態とは製造方法が一部異なっている。[2;光ファイバ配線段階]にて、「開口部8を挿通されて内壁面6から出てきた光ファイバ9の端を、筐体1の上面側から把持して光ファイバ9の目印9aが突出部7の端に合うまで導いた後、基板端2aの光ファイバ接続部10まで導く」としている。以降の手順は第5及び第6の実施形態と同様であり、手順[3;第1の接合段階]または[4;第2の接合段階]を行う。
この第7の実施形態の光素子モジュール20においても、第5及び第6の実施形態と同様、最適な第1の直線部15、接続部16、および第2の直線部17を形成でき、製造時に光素子モジュール20毎の筐体内に挿入する光ファイバ9の挿入量を正確に揃えたい場合に特に有効である。
なお、光ファイバ9に色を変えた部位を設けて目印としてもよく、また筐体の構成も図8に示す構成に限定されるものではない。
(第8の実施形態)
本発明に係る光素子モジュール20の第8の実施形態を図9に示す。図9は光素子モジュール20の上面図である。
第8の実施形態の光素子モジュール20は、光素子2の長手方向に対して開口部8の軸線方向が斜めになって配置している。基板端2aと開口部8の筐体深さ方向(基板厚み方向)の位置は、第1の実施形態と同様に同位置となっている。そして、この第8の実施形態の特徴点として、基板端2aの光ファイバ接続部10の位置が、開口部8の略軸線方向上に位置するようになっており、第1の直線部15の長さが極めて短くなっている。つまり、この第8の実施形態は接続部16を有しているものの、使用環境温度の変動の際に発生する引っ張り応力に対する“逃げ”の量が少ない状態となっている。
ここで、この第8の実施形態の動作および作用について説明する。使用環境温度が上昇した際、距離Aにおいて、図9に示す矢印方向に引っ張り応力が加わる。そして、この第8の実施形態は上記したように光ファイバ9の逃げ量が少ない態様であるので、光ファイバ9に引っ張り応力が加わることになる。
しかしながら、図9中に点線で示した光ファイバ接続部10と開口部8とが引っ張り方向に同一直線上の位置関係となっている従来の場合に比べ、引っ張り方向に対して光ファイバ9が斜めに配置されていることによって、斜め方向の成分の応力F´を受けることになるので、同一直線方向の応力Fよりも加わる応力が減少する。さらに若干の応力を吸収可能な接続部16を有しているので、光ファイバ9に加わる引っ張り応力の相当量を緩和することができる。
(まとめ)
本発明は上記してきた実施形態に限定されることは無く、基板端2aと開口部8との間に第1の直線部15、第2の直線部17、および接続部16を有するような、光素子2と開口部8の配置となっていればよい。例えば、基板端2aと内壁面6とが平行でない構成であってもよい。
また、光素子2としてLN光変調器チップを例に挙げて説明してきたが、これに限定されるものではない。“光素子”の態様としては、図10に示したような「ベース43上に光チップ45が配置された構成」も含んでいる。つまり、本発明では「筐体内部に配置され、光学的に接続するように光ファイバの端が固定される構成を持つもの」を“光素子”と定義している。
また、光ファイバ9は被覆を有する構成と説明したが、被覆無しの構成としてもよい。被覆が無い状態であっても、光ファイバ9は自身の剛性を十分に有しており、上記したものと同様の作用効果を得ることが可能である。
さらに、光ファイバ9が開口部8と勘合する部位において、光ファイバ9にフェルールを設ける構成としてもよい。この場合には、フェルールと開口部8との間で、ほぼガタが無いはめあい関係をなし、第2の接合はフェルールと開口部8(突出部7の端)とで行うこととなる。また、基板端2aと接合される光ファイバ9の端にフェルールを設け、フェルールを介して光素子2に接合する構成としてもよい。
1,41:筐体
2:光素子
2a:基板端(光ファイバ固定部)
3:底面
4:台座部
5,5´:側壁
6:内壁面
7:突出部
8:開口部
9:光ファイバ
9a:目印
10:光ファイバ接続部
11:接合剤
12:ビーズ
13:突き当て部
14:取付治具
14a:延出部
15:第1の直線部
16:接続部
17:第2の直線部
20,50:光素子モジュール
42:ペルチェ
43:ベース
44:サブマウント
45:発光素子
46:レンズドファイバ
47:第1フェルール
48:第2フェルール

Claims (9)

  1. 底面から側壁が立ち上がった箱状体でなり、前記側壁に少なくとも1つの開口部が形成された筐体と、前記筐体の内部に配置された光素子と、前記光素子と光学的に接続され、前記開口部を介して筐体外部と光の入出力を行う光ファイバとを備え、前記光ファイバが前記光素子の光ファイバ固定部と前記開口部とで接合固定される光素子モジュールであって、
    前記光ファイバは、
    前記光ファイバ固定部から前記筐体の前記側壁方向に向かった所定長さの第1の直線部と、
    前記第1の直線部と同一直線上でない位置に、前記筐体開口部から前記筐体の内部に向かった所定長さの第2の直線部と、
    前記第1の直線部と前記第2の直線部とを接続する、少なくとも1つの曲線部を含んでなる接続部とからなることを特徴とする光素子モジュール。
  2. 前記第1の直線部と前記第2の直線部とが平行であることを特徴とする請求項1に記載の光素子モジュール。
  3. 前記第1の直線部の延長線と前記第2の直線部の延長線とが交わる位置関係であることを特徴とする請求項1に記載の光素子モジュール。
  4. 前記第1の直線部の延長線と前記第2の直線部の延長線とが略直交していることを特徴とする請求項3に記載の光素子モジュール。
  5. 前記光ファイバは、ビーズに挿入されて前記光ファイバ固定部に当該ビーズとともに接合固定されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光素子モジュール。
  6. 底面から側壁が立ち上がった箱状体でなり、前記側壁に少なくとも1つの開口部が形成された筐体と、前記筐体の内部に配置された光素子と、前記光素子と光学的に接続され、前記開口部を介して筐体外部と光の入出力を行う光ファイバとを備え、光ファイバが前記光素子の光ファイバ固定部と前記開口部とで接合固定される光素子モジュールの製造方法であって、
    前記光ファイバを前記筐体の外部から前記開口部を挿通させて前記筐体の内部に挿入する光ファイバ挿入段階と、
    前記開口部を挿通された前記光ファイバの端を、前記開口部の軸線上に配置されていない前記光ファイバ固定部まで所定の長さ導く光ファイバ配線段階と、
    前記光素子と前記光ファイバの端とを調芯した後、前記光ファイバの端を前記光ファイバ固定部に接合する第1の接合段階と、
    前記開口部と前記光ファイバとを接合する第2の接合段階とを含み、
    前記光ファイバには、前記基板端と前記開口部との間に当該光ファイバに加わる応力を吸収する接続部が形成されることを特徴とする光素子モジュールの製造方法。
  7. 前記光ファイバ配線段階における前記所定の長さは、
    前記筐体内の所定位置に前記筐体から立設された突き当て部を設け、当該突き当て部に突き当たるまで前記光ファイバの端を挿入する段階
    によって形成されることを特徴とする請求項6記載の光素子モジュールの製造方法。
  8. 前記光ファイバ配線段階における前記所定の長さは、
    前記筐体の所定位置に取り付けた治具に突き当たるまで前記光ファイバの端を挿入する段階と、前記治具を前記筐体から取り外す段階と、
    によって形成されることを特徴とする請求項6記載の光素子モジュールの製造方法。
  9. 前記光ファイバ配線段階における前記所定の長さは、
    前記光ファイバにあらかじめ取り付けられた目印位置まで前記光ファイバを挿入する段階
    によって形成されることを特徴とする請求項6記載の光素子モジュールの製造方法。
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