JP2011106597A - 変速機のパーキングロック機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】入力軸上に同期装置を設けた構造の変速機において、パーキングロック専用の部品を設けずに、部品点数の削減、軸方向寸法の小型化、軽量化を図る。
【解決手段】駆動ギヤ12を支持する入力軸11と、駆動ギヤ12と噛合する従動ギヤ22が固定された出力軸20と、入力軸11上のスリーブ66によって駆動ギヤ12の相対回転可能・不能を切り換える同期装置61と、を備えた変速機1におけるパーキングロック機構80であって、同期装置61のスリーブ66の外周面66aに形成したパーキングギヤ81と、パーキングギヤ81に対して係脱可能に設置したパーキングポール82とを備え、パーキングポール82がパーキングギヤ81に係合してスリーブ66の回転が固定されると、スリーブ66の軸方向の位置に関わらず、駆動ギヤ12の回転が固定されることで出力軸20がロックされるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に搭載される変速機に設けた停車時に車軸をロックするためのパーキングロック機構に関する。
車両に搭載される変速機には、停車時に車軸をロック(パーキングロック)するためのパーキングロック機構が設けられている。このようなパーキングロック機構は、従来、変速機のカウンター軸上にパーキングギヤ(歯車)など専用部品を設けて構成されていた。しかしながら、パーキングギヤなどの専用部品をカウンター軸上に設置すると、変速機の軸方向の寸法増加につながる。
そこで、特許文献1には、2本の出力軸を備えたレイアウトの変速機において、変速機の全長を短縮するために、ギヤ列の噛合いの反対側、すなわち、一方の出力軸上における他方の出力軸の受動ギヤに対応する位置にパーキングロック用のギヤを設置することが開示されている。この構造によれば、変速機内の空スペースにパーキングギヤを設置するので、変速機の軸方向の寸法を抑えることができる。しかしながら、出力軸上にパーキングロック専用のギヤを追加しているため、変速機の部品点数が増加するという問題がある。
また、特許文献1には、変速機の全長増加を抑えるために、ディファレンシャル機構にパーキングロック機構を設置することが記載されている。しかしながら、ディファレンシャル機構にパーキングロック機構を設置すると、パーキングロック機構にかかるトルクが大きくなるために、パーキングロック機構のトルク容量を過大に設計する必要が生じる。そのため、パーキングロッドの大型化や重量増につながるという問題がある。
また、特許文献2では、ツインカウンタ型の2重クラッチ構造を有する変速機において、出力軸上に設けた同期装置のシンクロスリーブにパーキングギヤとしての溝を設けることが開示されている。この特許文献2に記載の技術によれば、変速機に専用のパーキングギヤを設置することなく、パーキングロック機構を構成することが可能となる。
ところが、変速機のパーキングロック機構は、停車中の車両が動かないようにロックするものであるため、変速機の出力軸(カウンターシャフト)を固定する必要がある。そのため、入力軸(メインシャフト)上に同期装置を設けた構造の変速機の場合、特許文献2に記載のパーキングロック機構をそのまま適用しても、出力軸をロックすることができない。すなわち、特許文献2のパーキングロック機構は、出力軸上に同期装置を設けた構造の変速機でなければ適用できず、入力軸上に同期装置を設けた構造の変速機には適用できない。
特開2005−172220号公報 特開2008−240989号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、入力軸上に同期装置を設けた構造の変速機において、パーキングロック専用の部品を設けずに済み、変速機の部品点数の削減、軸方向寸法の小型化、軽量化を図ることができるパーキングロック機構を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、入力軸(11)と、入力軸(11)上で相対回転可能に設けた駆動ギヤ(12)と、駆動ギヤ(12)と噛合する従動ギヤ(22)と、従動ギヤ(22)が固定された出力軸(20)と、駆動ギヤ(12)上で軸方向に移動可能に組み付けられたスリーブ(66)によって入力軸(11)に対して駆動ギヤ(12)を相対回転可能な状態と不能な状態とに切り換えることができる同期装置(61)と、を備えた変速機(1)におけるパーキングロック機構(80)であって、スリーブ(66)の外周面(66a)に形成したパーキングロック用のギヤ部(81)と、該ギヤ部(81)に対して係脱可能に設置した係合部材(82)と、を備え、係合部材(82)がギヤ部(81)に係合してスリーブ(66)の回転が固定されると、スリーブ(66)の軸方向の位置に関わらず、スリーブ(66)に嵌合している駆動ギヤ(12)が固定されることで、出力軸(20)がロックされるように構成したことを特徴とする。
本発明にかかる変速機のパーキングロック機構によれば、係合部材がスリーブ外周面に形成したギヤ部に係合してスリーブの回転が固定されると、スリーブの軸方向の位置に関わらず、駆動ギヤの回転が固定されて出力軸がロックされるように構成したので、入力軸上の同期装置を用いて出力軸の回転を固定するためのパーキングロック機構を構成できる。したがって、入力軸上に同期装置を設けた構造の変速機において、パーキングロック専用の部品を設けずにパーキングロック機構を構成できるので、変速機の部品点数の削減、軸方向寸法の小型化、軽量化を図ることができる。
また、本発明では、入力軸上にパーキングロック機構を設けたことで、ディファレンシャル機構からの増速レシオによって、パーキングロック機構にかかるトルクを低く抑えることができる。そのため、パーキングロック機構のトルク容量を比較的小さく設計することが可能となる。これにより、パーキングロック機構及びその構成部品の小型化、軽量化を図ることができる。
また、上記のパーキングロック機構の一実施態様として、同期装置(61)のスリーブ(66)は、駆動ギヤ(12)が入力軸(11)に対して相対回転不能となる作動位置で、駆動ギヤ(12)側に設けたドグ歯(12a)と入力軸(11)側に設けたドグ歯(68a)との両方に嵌合し、駆動ギヤ(12)が入力軸(11)に対して相対回転可能となる中立位置で、駆動ギヤ(12)側に設けたドグ歯(12a)のみに嵌合するように構成してよい。これによれば、入力軸上の同期装置において、スリーブの位置に関わらず常に出力軸をロックできる構成を、簡単な機構で実現できる。また、この場合、係合部材(82)は、スリーブ(66)が作動位置と中立位置のいずれにあるときも、スリーブ(66)のギヤ部(81)に係合可能な寸法及び形状に設定するとよい。これによれば、軸方向に移動するスリーブが何れの位置にあっても出力軸のロックを確実に行うことが可能となる。
また、本発明の他の態様として、入力軸(11)と、入力軸(11)上で相対回転可能に設けた駆動ギヤ(12)と、駆動ギヤ(12)と噛合する従動ギヤ(22)と、従動ギヤ(22)が固定された出力軸(20)と、入力軸(12)上で軸方向に移動可能に組み付けられたスリーブ(66)によって入力軸(11)に対して駆動ギヤ(12)を相対回転可能な状態と不能な状態とに切り換えることができる同期装置(61−3)と、を備えた変速機(1)におけるパーキングロック機構(80)であって、スリーブ(66)の外周面(66a)に形成したパーキングロック用のギヤ部(81)と、該ギヤ部(81)に対して係脱可能に設置した係合部材(82)と、を備え、同期装置(61−3)によって入力軸(11)と駆動ギヤ(12)が相対回転不能な状態のとき、係合部材(82)がギヤ部(81)に係合してスリーブ(66)の回転が固定されると、スリーブ(66)に嵌合している駆動ギヤ(12)が固定されることで、出力軸(20)がロックされるように構成したことを特徴とする。
上記のパーキングロック機構によれば、同期装置によって入力軸と駆動ギヤが相対回転不能な状態のとき、係合部材がギヤ部に係合してスリーブの回転が固定されると、スリーブに噛合している駆動ギヤが固定されることで出力軸がロックされるように構成した。これにより、入力軸上の同期装置を用いて出力軸の回転を固定するためのパーキングロック機構を構成できる。したがって、入力軸上に同期装置を設けた構造の変速機において、パーキングロック専用の部品を設けずにパーキングロック機構を構成できるので、変速機の部品点数の削減、軸方向寸法の小型化、軽量化を図ることができる。
また、上記のパーキングロック機構では、同期装置(61)は、スリーブ(66,66−2)を軸方向に移動させるためのフォーク(67,67−2)と、スリーブ(66,66−2)の外周面(66a,66−2a)に形成したフォーク(67,67−2)を回転方向に摺動可能に係合させるフォーク係合部(72,72−2)と、を備え、フォーク係合部(72,72−2)は、スリーブ(66)の回転方向に沿って形成された環状の凸部又は凹部(72,72−2)からなり、凸部又は凹部(72,72−2)の側面は、ギヤ部(81)の端面を成す第1の面(72a,72−2a)とそれ以外の第2の面(72b,72−2b)とで面の軸方向の位置が異なっており、第2の面(72b,72−2b)のみがフォーク(67)と摺接するようにしてよい。これによれば、ギヤ部とフォークが接触しないので、スリーブの外周面に形成したギヤ部にバリなどが発生した場合でも、フォークとスリーブの摺動に影響を与えずに済み、スリーブのスムーズな回転動作を確保できる。
また、上記のパーキングロック機構を適用する変速機(1)では、入力軸(11)と出力軸(20)との間に互いの変速比が異なる複数のギヤ列(12及び22,13及び23,14及び24)が設けられており、パーキングロック機構(80)を設けた同期装置(61)のスリーブ(66)が作用する駆動ギヤ(12)は、入力軸(11)上に設けた最低速段のギヤ列(12及び22)の駆動ギヤ(12)であるとよい。一般に、変速機が備える入力軸上の駆動ギヤは、その変速ギヤ比に応じて出力軸側から受ける負荷が変化する。したがって、上記構成のように、パーキングロック機構を設けた同期装置が作用する駆動ギヤとして、入力軸上の最低速段のギヤを用いれば、出力軸側からの荷重によってパーキングロック機構に作用する負荷を低く抑えることができる。したがって、パーキングロック機構のトルク容量を小さく設計することが可能となるので、パーキングロック機構及びその構成部品の小型化、軽量化を図ることができる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態の対応する構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかる変速機のパーキングロック機構によれば、入力軸上に同期装置を設けた構造の変速機において、パーキングロック専用の部品を設けずに済むので、変速機の部品点数の削減、軸方向寸法の小型化、軽量化を図ることができる。
本発明の第1実施形態にかかるパーキングロック機構を備えた変速機の全体構成例を示す主断面図である。 第1実施形態にかかるパーキングロック機構を示す図で、(a)は、パーキングロック機構を設けた同期装置(2速用同期装置)の部分拡大図、(b)は、同期装置のスリーブ及びフォークを軸方向から見た側面図、(c)は、(a)のA部分拡大図である。 パーキングロック機構が備えるパーキングポールの構成及び動作を説明するための図である。 第1実施形態の同期装置及びパーキングロック機構の動作を説明するための図で、(a)は、中立位置(ニュートラル位置)、(b)は、作動位置(2速インギヤ位置)を示す図である。 第2実施形態にかかるパーキングロック機構を示す図で、(a)は、パーキングロック機構を設けた同期装置の部分拡大図、(b)は、同期装置のスリーブ及びフォークを軸方向から見た側面図、(c)は、(a)のB部分拡大図である。 第2実施形態の同期装置及びパーキングロック機構の動作を説明するための図で、(a)は、中立位置、(b)は、作動位置を示す図である。 第3実施形態にかかるパーキングロック機構を示す図で、パーキングロック機構を設けた同期装置の部分拡大図である。 第3実施形態の同期装置及びパーキングロック機構の動作を説明するための図で、(a)は、中立位置、(b)は、作動位置を示す図である。 第4実施形態にかかるパーキングロック機構を示す図で、パーキングロック機構を設けた同期装置の部分拡大図である。 第4実施形態の同期装置及びパーキングロック機構の動作を説明するための図で、(a)は、中立位置、(b)は、作動位置を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態にかかるパーキングロック機構を備えた変速機の全体構成例を示す主断面図である。図1に示す変速機1は、2つのクラッチ31,36と複数の同期装置(シンクロメッシュ機構)61〜64との組み合わせからなる2系統のトルク伝達系を備え、これらの切り換えによって複数段の自動変速を達成するいわゆるツインクラッチ式の変速機である。また、この変速機1は、所定間隔で平行に配置された第1入力軸(メインシャフト)11と第2入力軸(メインシャフト)16の二本の入力軸と、第1入力軸11及び第2入力軸16に対して平行に配置された一本の出力軸(カウンターシャフト)20とを備えたツインメインシャフト型の変速機である。なお、図1では、後進段を設定するためのリバースギヤ及びそれを支持するシャフトなどの機構は、図示を省略している。
第1入力軸11は中空の筒状に形成されており、第1入力軸11の内周側には、トルクコンバータTCを介してエンジン(図示せず)からの回転が伝達される第1主軸10が設置されている。そして、第1入力軸11と第1主軸10との係脱の切り換えを行う第1クラッチ31が設けられている。第1クラッチ31が係合すると、第1主軸10を介して第1入力軸11にエンジンからの回転が伝達される。また、第2入力軸16も中空の筒状に形成されており、第2入力軸16の内周側には、トルクコンバータTCを介してエンジンからの回転が伝達される第2主軸15が設置されている。第2主軸15は、その端部に固定されたギヤ15aと第1主軸10の端部に固定されたギヤ10aとが図示しない他シャフト上に設けたギヤを介して噛み合っており、これらギヤ15a,10aを通じて第1主軸10の回転が伝達されるようになっている。そして、第2入力軸16と第2主軸15との係脱の切り換えを行う第2クラッチ36が設けられている。第2クラッチ36が係合すると、第2主軸15を介して第2入力軸16にエンジンからの回転が伝達される。つまり、第1、第2クラッチ31、36の選択的な作動により、エンジンからの回転が第1入力軸11と第2入力軸16のいずれか一方へ択一的に伝達されるようになっている。
第1入力軸11の外周には、軸方向に沿ってトルクコンバータTC側から順に、偶数段の駆動ギヤである2速駆動ギヤ12、4速駆動ギヤ13、6速駆動ギヤ14が設けられている。これら各駆動ギヤ12〜14は、第1入力軸11に対して相対回転可能に設置されている。また、第2入力軸16の外周には、トルクコンバータTC側から順に、奇数段の駆動ギヤである1速駆動ギヤ17、3速駆動ギヤ18、5速駆動ギヤ19が設けられている。これら各駆動ギヤ17〜19は、第2入力軸16に対して相対回転可能に設置されている。
一方、出力軸20の外周には、トルクコンバータTC側から順に、1速駆動ギヤ17及び2速駆動ギヤ12に噛合する1−2速従動ギヤ22、3速駆動ギヤ18及び4速駆動ギヤ13に噛合する3−4速従動ギヤ23、5速駆動ギヤ19及び6速駆動ギヤ14に噛合する5−6速従動ギヤ24が設けられている。また、出力軸20のトルクコンバータTC側の端部には、ファイナルギヤ26が固定されている。ファイナルギヤ26は、ディファレンシャル機構50のリングギヤ51に噛合している。
そして、第1入力軸11上の2速駆動ギヤ12に隣接する位置には、第1入力軸11に対して2速駆動ギヤ12を同期させながら固定する2速用同期装置(シンクロメッシュ機構)61が設けられている。また、4速駆動ギヤ13と6速駆動ギヤ14との間には、第1入力軸11に対してこれらギヤ13,14のいずれかを選択的に同期させながら固定する4−6速用同期装置62が設けられている。
また、第2入力軸16上の1速駆動ギヤ17に隣接する位置には、第2入力軸16に対して1速駆動ギヤ17を同期させながら固定する1速用同期装置63が設けられている。また、3速駆動ギヤ18と5速駆動ギヤ19との間には、第2入力軸16に対してこれらギヤ18,19のいずれかを選択的に同期させながら固定する3−5速用同期装置64が設けられている。
上記構成の変速機1では、第1、第2クラッチ31,36の係合の切り換えと、第1、第2入力軸11,16上の同期装置61〜64による各駆動ギヤの固定とを組み合わせて行うことで、前進6速の変速段を設定することができる。すなわち、第1、第2クラッチ31,36で、第1入力軸11上の駆動ギヤ12〜14への動力伝達と、第2入力軸16上の駆動ギヤ17〜19への動力伝達とを切り換える。この際、第1、第2クラッチ31,36の係合の切り換えに先立ち、係合先の入力軸11,16上に設けた同期装置61〜64のいずれかで次の変速段用駆動ギヤの同期固定をあらかじめ準備しておく。これにより、第1、第2クラッチ31、36の係合切り換えのタイミングで迅速な変速動作を行うことができる。
そして、本実施形態の変速機1では、第1入力軸11上に設けた2速用同期装置(以下、単に「同期装置」と記す。)61にパーキングロック機構80が設けられている。図2は、パーキングロック機構80を設けた同期装置61を示す図で、(a)は、同期装置61の部分拡大図、(b)は、同期装置61が備えるスリーブ66及びシフトフォーク67を軸方向から見た側面図、(c)は、(a)のA部分拡大図である。
同期装置61は、軸方向に摺動する一方向型のシンクロメッシュ機構(軸方向で片側に設けたギヤのみに対して作動するシンクロメッシュ機構)であり、2速駆動ギヤ(以下、単に「駆動ギヤ」と記す。)12に対して軸方向にスライド可能かつ周方向に相対回転不能に組み付けられた円形環状のスリーブ(シンクロナイザスリーブ)66と、スリーブ66を軸方向に移動させるためのシフトフォーク67とを備えている。スリーブ66は、駆動ギヤ12における軸方向の一方の端部(トルクコンバータTC側の端部)に形成したドグ歯12aの外周側において、当該ドグ歯12aに対して軸方向に移動可能な状態で嵌合している。そして、駆動ギヤ12のドグ歯12aの側部(トルクコンバータTC側の側部)には、第1入力軸11にスプライン嵌合されたコーン(シンクロナイザコーン)68が設けられており、コーン68の一端の外周側には、コーン68に対して傾斜面(コーン面)を介して摺接するリング(シンクロナイザリング)70が嵌挿されている。また、コーン68の外周面には、スリーブ66を嵌合させるためのドグ歯68aが形成されている。
そして、同期装置61に設けたパーキングロック機構80は、スリーブ66の外周面66aに形成したパーキングギヤ(パーキングロック用のギヤ部)81と、該パーキングギヤ81に対して係脱可能に設置したパーキングポール(係合部材)82とを備えて構成されている。本実施形態では、パーキングギヤ81は、図2(b)に示すように、スリーブ66の外周面66aの円周方向に沿って複数の突起81aと溝81bを交互に配列してなる歯列からなる。一方、パーキングポール82の先端部82aは、パーキングギヤ81の溝部81bに係合可能な形状及び寸法に形成されている。
図3は、パーキングポール82の構成及び動作を説明するための図である。なお、図3に示すパーキングポール82は、一般的な構造を例示したものである。そのため、図2に示すパーキングポール82とは、若干形状が異なっている。なお、パーキングポール82の具体的な形状としては、図2と図3のどちらに示すものでも構わない。
図3に示すように、パーキングポール82は、根元側の支点82bを中心に回動可能に支持されている。また、パーキングポール82は、支点82bに設置した図示しないコイルバネなどで先端部(係合部)82aがパーキングギヤ81から離れる方向に付勢されている。一方、パーキングポール82に隣接する位置には、他の支点83bを中心に回動するパーキングレバー83が設置されている。そして、パーキングレバー83がパーキングポール82側に回動すると、パーキングポール82が押されてスリーブ66側に回動し、先端部82aがパーキングギヤ81の溝部81bに係合するようになっている。なお、パーキングレバー83は、運転席に設置したセレクトレバー(図示せず)の操作(Pポジションへの操作)に対して機械的に連動する構造であってもよいし、セレクトレバーの操作に応じて電気的な制御で作動する構造であってもよい。
また、図2(a)に示すように、パーキングポール82の先端部82aは、根元側に対して拡径しており、当該先端部82aは、第1入力軸11の軸方向に所定の幅寸法を有する形状になっている。これにより、軸方向に移動するスリーブ66が後述する中立位置と作動位置のいずれにあるときでも、パーキングポール82がパーキングギヤ81に係合するようになっている。
また、同期装置61のシフトフォーク67は、図2(b)に示すように、第1入力軸11に対して所定間隔で平行に設置したシフトフォークシャフト67aに固定されている。シフトフォークシャフト67aとパーキングポール82は、第1入力軸11及びスリーブ66を挟んで互いに反対側の位置に配置されている。シフトフォークシャフト67aは、図示しない駆動源により軸方向に往復動し、シフトフォーク67は、シフトフォークシャフト67aに連れられて軸方向へ移動する。シフトフォーク67は、スリーブ66の外周面66aの略半分を保持する略半円弧型に形成されている。本実施形態のシフトフォーク67は、図2(c)に示すように、内向き(スリーブ66の中心向き)に開口する略コ字型の断面を有しており、スリーブ66の軸方向の両端面に当接してこれを保持するようになっている。そして、スリーブ66の外周面66aには、シフトフォーク67に対して相対回転可能に係合する凸部(フォーク係合部)72が形成されている。凸部72は、スリーブ66の外周面66aに形成された円周方向に沿って延びる環状の突起からなり、スリーブ66の外周面66aにおける軸方向の中央に形成されている。なお、この凸部72は、スリーブ66の外周面66における軸方向の中央に形成するほか、中央に対して軸方向の左右いずれかにオフセットさせて形成することも可能である。また、シフトフォーク67を軸方向に移動させるための具体的な構成は、上記のようにシフトフォーク67がシフトフォークシャフト67aに連れられて(一体に)移動するものには限定されず、シフトフォーク67がシフトフォークシャフト67a上を軸方向に沿って摺動するように構成したものなど、他の構成であってもよい。
パーキングギヤ81は、図2(b)に示すように、凸部72の外周面における円周方向に沿って複数の突起81aと溝81bを交互に配列してなる歯列からなる。また、パーキングギヤ81は、図2(c)に示すように、軸方向において、凸部72の外周面の全域に形成されている。
また、図2(c)に示すように、凸部72の外側面(軸方向の両側面)は、径方向の外側に設けた第1の面72aと、径方向の内側に設けた第2の面72bとで構成されている。第1の面72aと第2の面72bとの境界には、段部72cが形成されており、第1の面72aよりも第2の面72bの方が軸方向の寸法が幅広に形成されている。また、第1の面72aは、パーキングギヤ81の軸方向の両端面になっている。これにより、シフトフォーク67の内側面67bは、内側の第2の面72bのみに摺接しており、パーキングギヤ81の端面を成している外側の第1の面72aに対しては、若干の隙間を有している。
次に、上記構成の同期装置61及びパーキングロック機構80の動作について説明する。図4は、これらの動作を説明するための図である。同期装置61では、図4(a)に示すように、スリーブ66が駆動ギヤ12側に位置しているとき、スリーブ66が駆動ギヤ12のドグ歯12aのみに嵌合して、コーン68のドグ歯68aには嵌合していない。したがって、駆動ギヤ12が第1入力軸11に対して相対回転可能な状態となっている。図4(a)に示す位置を中立位置(ニュートラル位置)という。この中立位置では、スリーブ66が駆動ギヤ12のドグ歯12aと嵌合しているので、スリーブ66と駆動ギヤ12は、回転方向で相対的に固定されている。
一方、中立位置のスリーブ66を駆動ギヤ12と反対向き(図の右向き)に移動させると、リング70とコーン68の摩擦により、第1入力軸11と駆動ギヤ12との回転速度差が次第に減少し、ついには両者が係合(同期噛合)して一体に回転する。こうして、図4(b)に示す作動位置(2速インギヤ位置)となる。この作動位置では、スリーブ66が駆動ギヤ12に設けたドグ歯12aとコーン68に設けたドグ歯68aとの両方に嵌合している。したがって、駆動ギヤ12が第1入力軸11に対して相対回転不能となっている。これにより、第1入力軸11の回転が駆動ギヤ12に伝達される。この作動位置でも、スリーブ66が駆動ギヤ12のドグ歯12aと嵌合しているので、スリーブ66と駆動ギヤ12は、回転方向で相対的に固定されている。
したがって、同期装置61が備えるパーキングロック機構80では、パーキングポール82がスリーブ66のパーキングギヤ81に係合してスリーブ66の回転が固定されると、駆動ギヤ12の回転が固定される。これにより、駆動ギヤ12及びそれに噛合する出力軸上の1−2速従動ギヤ22を介して出力軸20(図1参照)がロックされる。ここで、スリーブ66は、その軸方向の位置に関わらず駆動ギヤ12のドグ歯12aに嵌合しているので、駆動ギヤ12に対して、常に回転方向で相対的に固定されている。したがって、スリーブ66が中立位置と作動位置のいずれにあるかに関わらず、スリーブ66の回転が固定されると出力軸20がロックされるようになっている。
また、本実施形態では、シフトフォーク67が係合しているスリーブ66の凸部72は、スリーブ66の外周面66aにおける軸方向の中央に形成されており、この凸部72の外周面にパーキングギヤ81が形成されている。したがって、図4に示すように、中立位置と作動位置のいずれにおいても、パーキングポール82の先端部82aがパーキングギヤ81に係合するようになる。これにより、スリーブ66が何れの位置にある場合でも、スリーブ66の回転を固定でき、出力軸20のロックが可能となる。
以上説明したように、本実施形態のパーキングロック機構80によれば、スリーブ66の軸方向の位置に関わらず、パーキングポール82がスリーブ66のパーキングギヤ81に係合してスリーブ66の回転が固定されると、出力軸20の回転が固定される。これにより、第1入力軸11上の同期装置61にパーキングロック機構80を設けることを可能としている。したがって、入力軸上に同期装置を設けた本実施形態のような構造の変速機において、入力軸又は出力軸上にパーキングロック専用の部品を設けずに済むので、変速機の部品点数の削減、軸方向寸法の小型化、軽量化を図ることができる。
また、本実施形態では、第1入力軸11上にパーキングロック機構80を設けたことで、ディファレンシャル機構50からの増速レシオによって、パーキングロック機構80にかかるトルクを低く抑えることができる。そのため、パーキングロック機構80のトルク容量を小さく設計することが可能となる。これにより、パーキングロック機構80及びその構成部品の小型化、軽量化を図ることができる。
また、本発明にかかるパーキングロック機構80は、駆動ギヤ12が第1入力軸11に対して相対回転不能となる作動位置で、スリーブ66が駆動ギヤ12に設けたドグ歯12aと第1入力軸11側のコーン68に設けたドグ歯68aとの両方に嵌合し、駆動ギヤ12が第1入力軸11に対して相対回転可能となる中立位置で、スリーブ66が駆動ギヤ12に設けたドグ歯12aのみに嵌合するように構成している。これにより、入力軸11上の同期装置61において、スリーブ66の位置に関わらず常に出力軸20をロックできる構成を簡単な機構で実現できる。また、パーキングポール82の先端部82aは、スリーブ66が中立位置と作動位置のいずれにあるときもスリーブ66のパーキングギヤ81に係合可能な寸法及び形状に設定されている。これにより、軸方向に移動するスリーブ66の位置に関わらずパーキングロック機構80を確実に作動させることができる。
また、スリーブ66に設けたシフトフォーク67を係合させる凸部72の側面は、パーキングギヤ81の端面である第1の面72aとそれ以外の第2の面72bとで面の軸方向の位置が異なっており、第2の面72bのみがシフトフォーク67と摺接するようになっている。このように構成したことで、パーキングギヤ81にバリなどが発生した場合でも、シフトフォーク67とスリーブ66の摺動に影響を与えずに済むので、スリーブ66のスムーズな回転動作を確保できる。
また、本実施形態の変速機1は、第1入力軸11と出力軸20との間に互いの変速比が異なる複数のギヤ列が設けられており、パーキングロック機構80を設けた同期装置61が作用する駆動ギヤ12は、第1入力軸11上の最低速段の駆動ギヤである。一般に、変速機の入力軸上の駆動ギヤは、その変速ギヤ比に応じて出力軸側から受ける負荷が変化する。したがって、本実施形態のように、パーキングロック機構80を設けた同期装置61のスリーブ66が嵌合する駆動ギヤ12として、第1入力軸11上の最低速段の駆動ギヤ12を用いれば、出力軸20側からの荷重によってパーキングロック機構80に作用する負荷を低く抑えることができる。したがって、パーキングロック機構80のトルク容量を小さく設計することが可能となるので、パーキングロック機構80及びその構成部品の小型化、軽量化を図ることができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の説明及び対応する図面においては、第1実施形態と同一又は相当する構成部分には同一の符号を付し、以下ではその部分の詳細な説明は省略する。また、以下で説明する事項以外の事項については、第1実施形態と同じである。この点は、他の実施形態においても同様である。
図5は、本発明の第2実施形態にかかるパーキングロック機構80−2を備えた同期装置(2速用同期装置)61−2を示す図で、(a)は、同期装置61−2の部分拡大図、(b)は、同期装置61−2のスリーブ66−2及びシフトフォーク67−2を軸方向から見た側面図、(c)は、(a)のB部分拡大図である。本実施形態の同期装置61−2は、第1実施形態の同期装置61が備えるシフトフォーク67とは異なる形状のシフトフォーク67−2を備えている。また、それに伴い、スリーブ66−2の外周面66−2aには、シフトフォーク67−2を係合させるための凹部(フォーク係合部)72−2が形成されている。すなわち、本実施形態のシフトフォーク67−2は、図5(c)に示すように、スリーブ66−2の外周面66−2aに係合する部分の断面形状が略矩形の突起状に形成されている。また、スリーブ66−2に形成した凹部72−2は、スリーブ66−2の外周面66−2aにおいて円周方向に沿って延びる環状の細溝からなり、シフトフォーク67−2の断面を収容可能な略矩形状の断面を有している。なお、この凹部72−2は、スリーブ66−2の外周面66−2aにおける軸方向の中央に形成してもよいし、中央に対して軸方向の左右いずれかにオフセットさせて形成することも可能である。
そして、スリーブ66−2の外周面66−2aにおける凹部72−2の両側(軸方向の両側)には、パーキングギヤ81−2が形成されている。パーキングギヤ81−2は、第1実施形態のパーキングギヤ81と同様、スリーブ66−2の周方向に沿って交互に配列された複数の突起81−2aと溝81−2bを有する歯列である。パーキングギヤ81−2は、スリーブ66−2の外周面66−2aにおける凹部72−2の両側それぞれの全域に形成されている。
そして、本実施形態においても、凹部72−2の内側面は、径方向の外側に設けた第1の面72−2aと、径方向の内側に設けた第2の面72−2bとで構成されている。第1の面72−2aと第2の面72−2bとの境界には、段部72−2cが形成されており、第2の面72−2bよりも第1の面72−2aの方が軸方向で若干外側に配置されている。また、第1の面72−2aは、パーキングギヤ81−2の軸方向の端面を成している。これにより、シフトフォーク67−2の外側面67−2bは、内側の第2の面72−2bのみに摺接しており、パーキングギヤ81−2の端面である外側の第1の面72−2aに対しては、若干の隙間を有している。
図6は、同期装置61−2及びパーキングロック機構80−2の動作を説明するための図である。本実施形態の同期装置61−2でも、スリーブ66−2が図6(a)の中立位置と図6(b)の作動位置のいずれにあるかに関わらず、パーキングポール82がスリーブ66−2のパーキングギヤ81−2に係合してスリーブ66−2の回転が固定されると、駆動ギヤ12が固定されるので、該駆動ギヤ12及び出力軸上の1−2速従動ギヤ22を介して出力軸20がロックされるようになっている。
また、本実施形態では、シフトフォーク67−2が係合している凹部72−2は、スリーブ66−2の軸方向の中央に形成されているので、図6(a)の中立位置、図6(b)の作動位置のいずれにおいても、パーキングポール82がパーキングギヤ81−2に係合可能である。これにより、スリーブ66−2の位置に関わらず出力軸20のロックが可能となる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図7は、本発明の第3実施形態にかかるパーキングロック機構80を備えた同期装置(2速用同期装置)61−3を示す部分拡大図である。本実施形態の同期装置61−3は、第1実施形態の同期装置61と比較して、駆動ギヤ12に設けたドグ歯12a−3の形状及び配置が異なっており、それによって、ドグ歯12a−3は、スリーブ66に対して、該スリーブ66が後述する作動位置(2速インギヤ位置)にあるときのみ係合し、スリーブ66が中立位置(ニュートラル位置)にあるときは係合しないように構成されている。また、本実施形態では、第1実施形態で入力軸10上のコーン68に設けていたコーン面が駆動ギヤ12の端部に形成されており、入力軸10上には、コーン68に代えてハブ(シンクロナイザハブ)68−3が設置されている。ハブ68−3の外周面には、スリーブ66を嵌合させるためのドグ歯68a−3が形成されている。そして、本実施形態の同期装置68−3では、スリーブ66は、駆動ギヤ12に形成したドグ歯12a−3の外周側と、ハブ68−3に形成したドグ歯68a−3の外周側との間で軸方向に移動可能となるように設置されている。なお、本実施形態では、パーキングロック機構80が備えるパーキングポール82は、図示する構成以外にも、スリーブ66が作動位置にあるときのみパーキングギヤ81に係合可能な幅寸法を有していればよく、作動位置と中立位置の両方のスリーブ66に対して係合可能である必要はない。
図8は、本実施形態の同期装置61−3及びパーキングロック機構80の動作説明図で、(a)は、同期装置61−3の中立位置(ニュートラル位置)、(b)は、作動位置(2速インギヤ位置)を示す図である。同期装置61−3では、図8(a)に示すように、スリーブ66が軸方向で駆動ギヤ12から離れた側にある中立位置において、スリーブ66がハブ68−3のドグ歯68a−3のみに嵌合し、駆動ギヤ12のドグ歯12a−3には嵌合しない。したがって、駆動ギヤ12が第1入力軸11に対して相対回転可能な状態となる。この中立位置では、スリーブ66が駆動ギヤ12のドグ歯12a−3に嵌合していないので、スリーブ66と駆動ギヤ12は相対回転可能である。したがって、スリーブ66が中立位置にあるときは、たとえパーキングポール82がスリーブ66のパーキングギヤ81に係合していても、出力軸20(図1参照)はロックされない。
一方、中立位置のスリーブ66を駆動ギヤ12側に移動させると、リング70及び駆動ギヤ12に形成したコーン面の摩擦により、第1入力軸11と駆動ギヤ12との回転速度差が次第に減少し、ついには両者が係合(同期噛合)して一体に回転する。こうして、図8(b)に示す作動位置(2速インギヤ位置)となる。この作動位置では、駆動ギヤ12のドグ歯12a−3とハブ68−3のドグ歯68a−3との両方にスリーブ66が嵌合している。したがって、駆動ギヤ12が第1入力軸11に対して相対回転不能となる。これにより、第1入力軸11の回転が駆動ギヤ12に伝達される。この作動位置では、スリーブ66が駆動ギヤ12のドグ歯12a−3と嵌合しているので、スリーブ66と駆動ギヤ12は回転方向で相対的に固定されている。
したがって、本実施形態の同期装置61−3が備えるパーキングロック機構80では、スリーブ66が図8(b)に示す作動位置(2速インギヤ位置)にあるときに、パーキングポール82がスリーブ66のパーキングギヤ81に係合してスリーブ66の回転が固定されると、駆動ギヤ12の回転が固定される。これにより、駆動ギヤ12及びそれに噛合する出力軸20(図1参照)上の1−2速従動ギヤ22を介して出力軸20がロックされる。すなわち、本実施形態では、同期装置61−3によって入力軸11と駆動ギヤ12が相対回転不能な状態のときのみ、パーキング機構80によって出力軸20がロックされるようになっている。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図9は、本発明の第4実施形態にかかるパーキングロック機構80−2を備えた同期装置(2速用同期装置)61−4を示す部分拡大図である。本実施形態の同期装置61−4は、第3実施形態の同期装置61−3が備えるシフトフォーク67とは異なる形状のシフトフォーク67−2を備えている。また、それに伴い、スリーブ66−2の外周面66−2aには、シフトフォーク67−2を係合させるための凹部(フォーク係合部)72−2が形成されている。また、スリーブ66−2の外周面66−2aに形成したパーキングギヤ81−2を有するパーキングロック機構80−2が設けられている。シフトフォーク67−2、凹部72−2、パーキングギヤ81−2の構成は、第2実施形態と共通である。上記の点を除く本実施形態の他の構成は、第3実施形態と同じである。
図10は、同期装置61−4及びパーキングロック機構80−2の動作を説明するための図で、ある。本実施形態の同期装置61−4でも、スリーブ66−2が図10(b)に示す作動位置(2速インギヤ位置)にあるときに、パーキングポール82がスリーブ66−2のパーキングギヤ81−2に係合してスリーブ66−2の回転が固定されると、駆動ギヤ12の回転が固定される。これにより、駆動ギヤ12及びそれに噛合する出力軸20(図1参照)上の1−2速従動ギヤ22を介して出力軸20がロックされる。すなわち、本実施形態でも、同期装置61−4によって入力軸11と駆動ギヤ12が相対回転不能な状態のときのみ、パーキング機構80−2によって出力軸20がロックされるようになっている。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお、明細書及び図面に直接の記載がない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
例えば、上記実施形態では、パーキングロック機構80(80−2)を第1入力軸11上の同期装置61(61−2〜61−4)に設けた場合を説明したが、本発明のパーキングロック機構は、第1入力軸11上の同期装置には限らず、第2入力軸16上の同期装置に設けることも可能である。また、本発明を適用する変速機は、上記実施形態で示したツインクラッチ式の変速機、あるいはツインメインシャフト型の変速機には限らず、ギヤを同期させながら固定するための同期装置を入力軸上に設けている変速機であれば、上記実施形態に示す以外のタイプの変速機にも適用が可能である。
1 変速機
10 第1主軸
11 第1入力軸
12 2速駆動ギヤ
12a ドグ歯
13 4速駆動ギヤ
14 6速駆動ギヤ
15 第2主軸
16 第2入力軸
17 1速駆動ギヤ
18 3速駆動ギヤ
19 5速駆動ギヤ
20 出力軸
22 1−2速従動ギヤ
23 3−4速従動ギヤ
24 5−6速従動ギヤ
26 ファイナルギヤ
31 第1クラッチ
36 第2クラッチ
50 ディファレンシャル機構
51 リングギヤ
61 2速用同期装置(同期装置)
62 4−6速用同期装置
63 1速用同期装置
64 3−5速用同期装置
66 スリーブ
66a 外周面
67 シフトフォーク
67a 駆動軸
67b 側面
68 コーン
68a ドグ歯
72 凸部(フォーク係合部)
72−2 凹部(フォーク係合部)
72a 第1の面
72b 第2の面
72c 段部
80 パーキングロック機構
81 パーキングギヤ(パーキングロック用のギヤ部)
82 パーキングポール(係合部材)
82a 先端部
83 パーキングレバー

Claims (6)

  1. 入力軸と、
    前記入力軸上で相対回転可能に設けた駆動ギヤと、
    前記駆動ギヤと噛合する従動ギヤと、
    前記従動ギヤが固定された出力軸と、
    前記駆動ギヤ上で軸方向に移動可能に組み付けられたスリーブによって前記入力軸に対して前記駆動ギヤを相対回転可能な状態と不能な状態とに切り換えることができる同期装置と、を備えた変速機におけるパーキングロック機構であって、
    前記スリーブの外周面に形成したパーキングロック用のギヤ部と、該ギヤ部に対して係脱可能に設置した係合部材と、を備え、
    前記係合部材が前記ギヤ部に係合して前記スリーブの回転が固定されると、前記スリーブの軸方向の位置に関わらず、前記スリーブに嵌合している前記駆動ギヤが固定されることで、前記出力軸がロックされるように構成した
    ことを特徴とする変速機のパーキングロック機構。
  2. 前記同期装置の前記スリーブは、
    前記駆動ギヤが前記入力軸に対して相対回転不能となる作動位置で、前記駆動ギヤ側に設けたドグ歯と前記入力軸側に設けたドグ歯との両方に嵌合し、
    前記駆動ギヤが前記入力軸に対して相対回転可能となる中立位置で、前記駆動ギヤ側に設けたドグ歯のみに嵌合する
    ことを特徴とする請求項1に記載の変速機のパーキングロック機構。
  3. 前記係合部材は、前記スリーブが前記作動位置と前記中立位置のいずれにあるときも、前記スリーブの前記ギヤ部に係合可能な寸法及び形状に設定されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の変速機のパーキングロック機構。
  4. 入力軸と、
    前記入力軸上で相対回転可能に設けた駆動ギヤと、
    前記駆動ギヤと噛合する従動ギヤと、
    前記従動ギヤが固定された出力軸と、
    前記入力軸上で軸方向に移動可能に組み付けられたスリーブによって前記入力軸に対して前記駆動ギヤを相対回転可能な状態と不能な状態とに切り換えることができる同期装置と、を備えた変速機におけるパーキングロック機構であって、
    前記スリーブの外周面に形成したパーキングロック用のギヤ部と、該ギヤ部に対して係脱可能に設置した係合部材と、を備え、
    前記同期装置によって前記入力軸と前記駆動ギヤが相対回転不能な状態のとき、前記係合部材が前記ギヤ部に係合して前記スリーブの回転が固定されると、前記スリーブに嵌合している前記駆動ギヤが固定されることで、前記出力軸がロックされるように構成した
    ことを特徴とする変速機のパーキングロック機構。
  5. 前記同期装置は、前記スリーブを軸方向に移動させるためのフォークと、前記スリーブの外周面に形成した前記フォークを回転方向に摺動可能に係合させるフォーク係合部と、を備え、
    前記フォーク係合部は、前記スリーブの回転方向に沿って形成された環状の凸部又は凹部からなり、
    前記凸部又は凹部の側面は、前記ギヤ部の端面を成す第1の面とそれ以外の第2の面とで面の軸方向の位置が異なっており、前記第2の面のみが前記フォークと摺接するようにした
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の変速機のパーキングロック機構。
  6. 前記入力軸と前記出力軸との間には、互いの変速比が異なる複数のギヤ列が設けられており、
    前記パーキングロック機構を設けた同期装置のスリーブが作用する駆動ギヤは、前記入力軸上に設けた最低速段のギヤ列の駆動ギヤである
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の変速機のパーキングロック機構。
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