JP2011105881A - 配水管用着色樹脂組成物及び配水管 - Google Patents
配水管用着色樹脂組成物及び配水管 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011105881A JP2011105881A JP2009263965A JP2009263965A JP2011105881A JP 2011105881 A JP2011105881 A JP 2011105881A JP 2009263965 A JP2009263965 A JP 2009263965A JP 2009263965 A JP2009263965 A JP 2009263965A JP 2011105881 A JP2011105881 A JP 2011105881A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- water
- polyethylene
- resin composition
- mol
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【解決手段】本発明は、ポリエチレン樹脂100質量部に、カーボンブラック0.1〜5質量部、及び少なくとも1種のアルカリ土類金属の水酸化物0.01〜5質量部を含有させた組成物であって、前記ポリエチレン樹脂が、(a)温度190℃で荷重211.82Nにおいて測定した高荷重メルトフローレート(HLa)が5〜20g/10分、(b)密度(Da)が0.945〜0.965g/cm3、(c)α−オレフィン含有量(Ca)が0.05〜1.5mol%、(d)ノッチ入りLander法ESCRによる破壊時間(T)が200時間以上を満足することを特徴とする配水管用着色樹脂組成物、及び該着色樹脂組成物を成形してなる配水管である。
【選択図】なし
Description
また、特許文献4〜7には、カーボンブラックをポリエチレンに添加したパイプが示されており、長期の耐候性を付与することを目的にカーボンブラックを添加することが一般的に行われている。しかし、これらの公知文献の技術だけでは、耐塩素水性は必ずしも充分なレベルではなく、更に優れた性能を発揮する改良手段が求められている。
具体的には、ポリエチレン樹脂製水道用配水管のカーボンブラックの使用に際し、一般にカーボンブラックを配した劣化のメカニズムはカーボンブラックの持つ活性点の高さから、塩素を吸着しポリエチレン樹脂の塩素化、酸化反応を速め、一般に水泡剥離現象に至ると考えられている。
これに対し、本発明では、ポリエチレン樹脂に、カーボンブラック及びアルカリ土類金属の水酸化物を添加することにより、アルカリ土類金属の水酸化物の水酸基と塩素水中の塩素との間で置換反応が起き、金属塩として安定化する為、ポリエチレン樹脂への塩素化、酸化反応による劣化が緩和され、塩素濃度2000±100ppm、塩素水温度60℃におけるJIS K6762−1993塩素水試験方法による168時間後の状態で水泡が発生しないことを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)ポリエチレン樹脂100質量部に、カーボンブラック0.1〜5質量部、及び少なくとも1種のアルカリ土類金属の水酸化物0.01〜5質量部を含有させた組成物であって、前記ポリエチレン樹脂が下記(a)〜(d)を満足することを特徴とする配水管用着色樹脂組成物。
(a)温度190℃で荷重211.82Nにおいて測定した高荷重メルトフローレート(HLa)が5〜20g/10分
(b)密度(Da)が0.945〜0.965g/cm3
(c)α−オレフィン含有量(Ca)が0.05〜1.5mol%
(d)ノッチ入りLander法ESCRによる破壊時間(T)が200時間以上
(2)前記(A)ポリエチレン樹脂が、下記(B)と(C)のポリエチレン系重合体により構成される前記(1)に記載の配水管用着色樹脂組成物。
(B)温度190℃で荷重211.82Nにおいて測定した高荷重メルトフローレート(HLb)が0.01〜3g/10分、かつエチレン以外のα−オレフィン含有量(Cb)が3.0mol%以下のポリエチレン系重合体を重合量比(Xb)20〜60質量%の割合
(C)温度190℃で荷重21.18Nにおいて測定したメルトフローレート(MFRc)が1〜1000g/10分、かつエチレン以外のα−オレフィン含有量(Cc)が0.5mol%以下のポリエチレン系重合体を重合量比(Xc)40〜80質量%の割合
(3)前記(1)又は(2)に記載の着色樹脂組成物を成形してなる配水管。
(4)単層管である前記(3)に記載の配水管。
(5)非埋設用上水管である前記(3)に記載の配水管。
本発明で使用されるカーボンブラックは、特に限定されないが、粒径10nm〜500nmの範囲のものであると好ましく、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等様々なものが挙げられ、いずれのカーボンブラックに対しても耐塩素水性の改良効果は望まれるが、好ましくは、サーマルブラック等に代表される大粒径カーボンがその活性点の低さから、塩素との反応性が低く、本発明との相乗効果が見込まれ望ましい。
カーボンブラックの配合量は、ポリエチレン樹脂100質量部に対し、0.1〜5質量部の範囲で選定される。この量が0.1質量部より少ないと着色力が少なく、紫外線遮蔽効果が少なく得られた配水管の耐候性に問題があり、5質量部より多いと耐塩素水性試験を行った際、水泡が発生し易くなり、さらに高コストとなる。着色力及び耐塩素水性等を考慮すると、カーボンブラックの好ましい配合量は0.5〜3質量部である。
また、少なくとも1種のアルカリ土類金属の水酸化物を含有するとは、ハイドロタルサイト、タルク等に代表されるその化学構造式中にアルカリ土類金属の水酸化物を少なくとも1種以上含む複合金属水酸化物をも含むことを意味する。
なお、アルカリ金属は、水への溶解性が高く成形後の配水管表面より水中への溶出が懸念されるため、アルカリ金属の水酸化物は避けるべきである。
アルカリ土類金属の水酸化物の配合量は、ポリエチレン樹脂100質量部に対し、0.01〜5質量部の範囲で選定され、0.01〜4質量部であると好ましい。この量が0.01質量部より少ないと耐塩素水性への改良効果が乏しく、5質量部より多いとSCGの極度の性能低下を招く原因となる。また、4質量部より多いと得られた配水管の耐塩素水性への改良効果は十分であるが、水酸基と塩素との置換反応により生成された金属塩が微少の白粉として塩素水と接触している成形品表面に現れ、特に5質量部より多いと顕著であり、外観不良や、機械物性低下の恐れがある。
(a)温度190℃で荷重211.82Nにおいて測定した高荷重メルトフローレート(HLa)が5〜20g/10分
(b)密度(Da)が0.945〜0.965g/cm3
(c)α−オレフィン含有量(Ca)が0.05〜1.5mol%
(d)ノッチ入りLander法ESCRによる破壊時間(T)が200時間以上
HLMFRが5g/10分未満では流動性が低下し、20g/10分を超えるものはSCG耐性やノッチ入りLander法ESCRなどの長期耐久性や配水管成形時の垂れ(サグ特性)が劣る恐れがある。
HLMFRは、JIS K−7210(1996年版)の表1−条件7に従い、温度190℃、荷重211.82Nにより測定される。
HLMFRは、重合温度や連惧鎖移動剤量を変化させることにより増減させることが可能である。即ち、エチレンとα−オレフィンとの重合温度を上げることにより分子量を下げて結果としてHLMFRを大きくすることができ、重合温度を下げることにより分子量を上げて結果としてHLMFRを小さくすることができる。また、エチレンとα−オレフィンとの共重合反応において共存させる水素量(連鎖移動剤量)を増加させることにより分子量を下げて結果としてHLMFRを大きくすることができ、共存させる水素量(連鎖移動剤量)を減少させることにより分子量を上げて結果としてHLMFRを小さくすることができる。
密度が0.945g/cm3未満では剛性が低下し、0.965g/cm3を超えるものはSCG耐性やノッチ入りLander法ESCRなどの長期耐久性が劣る恐れがある。
密度は、JIS K−7112(1996年版)に従い測定される。
密度は、エチレンと共重合させるα−オレフィン量(短鎖分岐の数)を増減させることにより増減させることが可能である。
α−オレフィン含有量が0.05mol%以下ではSCG耐性やノッチ入りLander法ESCRなどの長期耐久性が低下し、1.5mol%を超えるものは剛性が劣る恐れがある。なお、ここでいうα−オレフィン含有量とは、重合時にリアクターにフィードし共重合したα−オレフィンのみでなく、副生による短鎖分岐(例えばエチル分岐、メチル分岐)も含むものとする。
α−オレフィン含有量は、13C−NMRにより測定される。
α−オレフィン含有量は、エチレンと共重合させるα−オレフィン量の供給量を増減させることにより増減させることが可能である。
本発明者らは、プラスチック管のSCG耐性を評価する為に一般的に用いられているISO13479に規定されたノッチ入りパイプ試験と良い相関があり、少量のサンプルかつ短時間で評価が可能なノッチ入りLander法ESCRを考え出した。両データの相関はWO2006/126547公報の図1に示されたとおり、かなり良い相関であり、ノッチ入りLander法ESCRが長期耐久性の評価法として十分使用可能であり、破壊時間(T)は長期耐久性の指標となる。
ここで、ノッチ入りLander法ESCRとは、JIS K 6922−2:1997 附属書に規定されている定応力環境応力き裂試験装置を用い、試験温度を80℃とし、試験液は1wt%の高級アルコールスルホン酸ナトリウム水溶液を使用し、初期引張応力を60kg/cm2として測定するものであり、試験片は1mm厚、6mm幅のプレスシートを用い、引張部の中央厚み方向に0.4mmのレザーノッチを入れたものを使用し、破断までの時間を計測するものである。
本発明において、Tの値が200時間未満では、本発明のカーボンブラックやアルカリ土類金属の水酸化物を含有した組成物のノッチ入りLander法ESCRが低下し、SCG耐性に不安が残る。Tの値の上限に限定はされないが、本発明から得られる(A)ポリエチレン樹脂では3000時間が限界となる。
本発明に使用される(A)ポリエチレン樹脂の具体的な重合体を例示すれば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−デセン共重合体などが挙げられる。これらは単独でも複数種使用してもよい。
(B)成分と(C)成分の配合割合は、(B)/(C)成分:20〜60質量%/80〜40質量%、好ましくは(B)/(C)成分:30〜55質量%/70〜45質量%である。
上記(B)成分が20質量%以上、(C)成分が80質量%以下であれば、SCGが低下することがなく、(B)成分が60質量以下、(C)成分が40質量%以上であれば、流動性が低下することがない。
前記HLbが0.01以上であれば流動性の低下および分散不良が起こらず、3以下であればSCG耐性やノッチ入りLander法ESCRなどの長期耐久性や配水管成形時の垂れ(サグ特性)が劣ることがない。
HLMFRは、JIS K−7210(1996年版)の表1−条件7に従い、温度190℃、荷重211.82Nにより測定される。
HLMFRは、重合温度や連鎖移動剤量を変化させることにより増減させることが可能である。
α−オレフィン含有量は、13C−NMRにより測定される。
α−オレフィン含有量は、エチレンと共重合させるα−オレフィン量の供給量を増減させることにより増減させることが可能である。
この(B)ポリエチレン重合体の密度(Db)は、0.910〜0.940g/cm3、好ましくは0.915〜0.935g/cm3の範囲のものが好適に使用できるが、他の(C)成分との組成割合により変わる性質であり、その密度範囲に限定されるものではない。分子量で表示すれば、数平均分子量で10000〜300000程度のものが使用される。好ましくは、数平均分子量50000〜200000程度のものが使用される。
MFRcが1以上であれば流動性が低下することがなく、1000以下であればSCG耐性やノッチ入りLander法ESCRなどの長期耐久性や衝撃強度が劣ることがない。なお、MFRcは、JIS K−7210(1996年版)の表1−条件4に従い、温度190℃、荷重21.18Nにより測定される。
α−オレフィン含有量は、13C−NMRにより測定される。
α−オレフィン含有量は、エチレンと共重合させるα−オレフィン量の供給量を増減させることにより増減させることが可能である。
この(C)ポリエチレン重合体の密度(Dc)は、0.935〜0.980g/cm3、好ましくは0.935〜0.960g/cm3の範囲のものが好適に使用できるが、他の(B)成分との組成割合により変わる性質であり、その密度範囲に限定されるものではない。分子量で表示すれば、数平均分子量で1000〜20000程度のものが使用される。好ましくは、数平均分子量2000〜10000程度のものが使用される。
また、カーボンブラックを均一に分散させる目的で各種分散剤を配合しても良い。分散剤としては本発明の樹脂組成物を得る為に使用した加工機に合わせ任意のものを選択して良い。
本発明の配水管は、本発明の樹脂組成物を成形してなり、その成形方法は常法によれば良く、特に限定されない。本発明の配水管は、単層管に適しており、また、非埋設用上水管に適している。
さらに、本発明の配水管は、本発明の樹脂組成物を成形時の最終顔料配合の10倍もしくは30倍等に高倍率化したマスターバッチを製造した後に、ナチュラル樹脂と共に希釈して成形しても良い。
実施例及び比較例における各種物性の分析及び評価方法を以下に示す。
[HLMFR]
JIS K−7210(1996年版)の表1−条件7に従い、温度190℃、荷重211.82Nにおける測定値をHLMFRとして示した。
[MFR]
JIS K−7210(1996年版)の表1−条件4に従い、温度190℃、荷重21.18Nにおける測定値をMFRとして示した。
[密度]
JIS K−7112(1996年版)に従い測定した。
13C−NMRにより、以下の条件で測定した。
装置:日本電子(株)製JNM−GSX400
パルス幅:8.0μsec(フリップ角=40°)
パルス繰り返し時間:5秒
積算回数:5,000回以上
溶媒および内部標準:o−ジクロロベンゼン/ベンゼン−d6/ヘキサメチルジシロ キサン(混合比:30/10/1)
測定温度:120℃
試料濃度:0.3g/ml
測定で得られたスペクトルを(1)エチレン/1−ブテン共重合体については、「Macromolecules,15,353−360(1982)(Eric T.Hsieh and James C.Randall)」、(2)エチレン/1−ヘキセン共重合体については、「Macromolecules,15,1402−1406(1982)(Eric T.Hsieh and James C.Randall)」の文献に従い、観測ピークの帰属後、α−オレフィン含有量を求めた。また、他の短鎖分岐、例えばメチル分岐については、「J.Polym.Sci. Part A: Polym.Chem.、29、1987−1990(1991)(Atsushi Kaji, Yoshiko Akimoto、 and Masao Murano)」の文献に従い、観測ピークの帰属後、短鎖分岐数を求めた。なお、短鎖分岐数(個/主鎖1000炭素)とα−オレフィン含有量(mol%)の間には、α−オレフィン含有量=短鎖分岐数/5の関係がある。
170℃で予熱5分間、加圧1分間、冷却15℃/分で冷却し、1mm厚のプレスシートを得た。得られたプレスシートから6mm×65mmの試験片を打ち抜き、その中央部の厚み方向に0.4mmのレザーノッチを入れて試験サンプルとした。
そして、JIS K 6922−2:1997 附属書に規定されている定応力環境応力き裂試験装置を用い、試験温度を80℃とし、試験液は1質量%の高級アルコールスルホン酸ナトリウム水溶液を使用し、試験片のノッチ部分がチャック間の中央部に来るように、チャック間距離が25mmになるように取り付け、初期引張応力を60kg/cm2として破断までの時間を計測した。
Krauss−Maffei社製KME1−45−33B型単軸押出機(45mmφ、L/D=33)を用いて、ダイス温度190℃にて外径60mm、肉厚5.5mmの配水管を成形した。
得られた配水管から円周方向に20mm、長手方向に60mmとなるように試験片を切り出し、JIS K 6762に準じた耐塩素水性試験を行い、配水管内表面に水泡が発生するまでの時間(h)を計測した。
(試験条件)
・塩素水濃度 :2000±100ppm
・試験温度 :60℃
・塩素水pH :6.5±0.5
・観察時間 :水泡発生まで
[外観試験]
塩素水試験にて水泡発生までの間に、金属塩の生成による試験片表面の白粉発生有無を目視にて観察した。
・白粉発生なし :○
・極僅かに白粉発生あり :△
・白粉発生あり :×
(ポリエチレン樹脂の製造)
国際公開WO2006/126547号の実施例3と同様にしてポリエチレン樹脂を得た。各重合工程後の反応生成物、および混練後の物性は以下の通りであった。
[第一工程後の重合生成物]
・HLMFR:0.16g/10min
・密度:0.923g/cm3
・α−オレフィン含有量:1.03mol%
・組成比:23質量%
[第二工程後の重合生成物]
・HLMFR:0.14g/10min
・密度:0.923g/cm3
・α−オレフィン含有量:1.00mol%
・組成比:23質量%
[第三工程後の重合生成物]
・HLMFR:15g/10min
・密度:0.948g/cm3
・α−オレフィン含有量:0.55mol%
・組成比:54質量%
[第三工程で製造される低分子量成分のポリエチレン系重合体]
・MFR:120g/10min
・α−オレフィン含有量:0.15mol%
[混練後]
・HLMFR:9.4g/10分
・密度は0.948g/cm3
・α−オレフィン含有量:0.55mol%
・ノッチ入りLander法ESCR:533時間
アルカリ土類金属の水酸化物として、水酸化マグネシウム(キスマ5A[商品名]、協和化学(株)製)2.0質量部を配合した以外は実施例1と同様にしてペレットを得た。そして、このペレットを用いて塩素水試験と外観試験とノッチ入りLander法ESCRを評価した。評価結果を表1に示す。
実施例3
アルカリ土類金属の水酸化物として、水酸化マグネシウム(キスマ5A[商品名]、協和化学(株)製)の代わりにハイドロタルサイト類化合物(DHT−4A[商品名]、協和化学(株)製)を配合した以外は実施例1と同様にしてペレットを得た。そして、このペレットを用いて塩素水試験と外観試験とノッチ入りLander法ESCRを評価した。評価結果を表1に示す。
実施例4
カーボンブラックとしてファーネスブラックA(平均粒径30nm)の代わりにサーマルブラックA(平均粒径280nm)を配合した以外は実施例1と同様にしてペレットを得た。そして、このペレットを用いて塩素水試験と外観試験とノッチ入りLander法ESCRを評価した。評価結果を表1に示す。
カーボンブラックとしてファーネスブラックA(平均粒径30nm)の代わりにサーマルブラックA(平均粒径280nm)を配合した以外は実施例3と同様にしてペレットを得た。そして、このペレットを用いて塩素水試験と外観試験とノッチ入りLander法ESCRを評価した。
評価結果を表1に示す。
実施例6
アルカリ土類金属の水酸化物として、水酸化マグネシウム(キスマ5A[商品名]、協和化学(株)製)4.0質量部を配合した以外は実施例1と同様にしてペレットを得た。そして、このペレットを用いて塩素水試験と外観試験とノッチ入りLander法ESCRを評価した。評価結果を表1に示す。
(ポリエチレン樹脂の製造)
国際公開WO2006/126547号の実施例4と同様にしてポリエチレン樹脂を得た。各重合工程後の反応生成物、および混練後の物性は以下の通りであった。
[第一工程後の重合生成物]
・HLMFR:0.22g/10min
・密度:0.926g/cm3
・α−オレフィン含有量:0.98mol%
・組成比:23.1質量%
[第二工程後の重合生成物]
・HLMFR:0.20g/10min
・密度:0.926g/cm3
・α−オレフィン含有量:0.90mol%
・組成比:22.9質量%
[第三工程後の重合生成物]
・HLMFR:16g/10min
・密度:0.951g/cm3
・α−オレフィン含有量:0.45mol%
・組成比:54質量%
[第三工程で製造される低分子量成分のポリエチレン系重合体]
・MFR:100g/10min
・α−オレフィン含有量:0.11mol%
[混練後]
・HLMFR:12g/10分
・密度は0.951g/cm3
・α−オレフィン含有量:0.45mol%
・ノッチ入りLander法ESCR:285時間
アルカリ土類金属の水酸化物として、水酸化マグネシウム(キスマ5A[商品名]、協和化学(株)製)を配合しない以外は実施例1と同様にしてペレットを得た。そして、このペレットを用いて塩素水試験と外観試験とノッチ入りLander法ESCRを評価した。評価結果を表1に示す。
比較例2
アルカリ土類金属の水酸化物として、水酸化マグネシウム(キスマ5A[商品名]、協和化学(株)製)5.5質量部を配合した以外は実施例7と同様にしてペレットを得た。そして、このペレットを用いて塩素水試験と外観試験とノッチ入りLander法ESCRを評価した。評価結果を表1に示す。
Claims (5)
- ポリエチレン樹脂100質量部に、カーボンブラック0.1〜5質量部、及び少なくとも1種のアルカリ土類金属の水酸化物0.01〜5質量部を含有させた組成物であって、前記ポリエチレン樹脂が下記(a)〜(d)を満足することを特徴とする配水管用着色樹脂組成物。
(a)温度190℃で荷重211.82Nにおいて測定した高荷重メルトフローレート(HLa)が5〜20g/10分
(b)密度(Da)が0.945〜0.965g/cm3
(c)α−オレフィン含有量(Ca)が0.05〜1.5mol%
(d)ノッチ入りLander法ESCRによる破壊時間(T)が200時間以上 - 前記(A)ポリエチレン樹脂が、下記(B)と(C)のポリエチレン系重合体により構成される請求項1に記載の配水管用着色樹脂組成物。
(B)温度190℃で荷重211.82Nにおいて測定した高荷重メルトフローレート(HLb)が0.01〜3g/10分、かつエチレン以外のα−オレフィン含有量(Cb)が3.0mol%以下のポリエチレン系重合体を重合量比(Xb)20〜60質量%の割合
(C)温度190℃で荷重21.18Nにおいて測定したメルトフローレート(MFRc)が1〜1000g/10分、かつエチレン以外のα−オレフィン含有量(Cc)が0.5mol%以下のポリエチレン系重合体を重合量比(Xc)40〜80質量%の割合 - 請求項1又は2に記載の着色樹脂組成物を成形してなる配水管。
- 単層管である請求項3に記載の配水管。
- 非埋設用上水管である請求項3に記載の配水管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009263965A JP2011105881A (ja) | 2009-11-19 | 2009-11-19 | 配水管用着色樹脂組成物及び配水管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009263965A JP2011105881A (ja) | 2009-11-19 | 2009-11-19 | 配水管用着色樹脂組成物及び配水管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011105881A true JP2011105881A (ja) | 2011-06-02 |
Family
ID=44229718
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009263965A Pending JP2011105881A (ja) | 2009-11-19 | 2009-11-19 | 配水管用着色樹脂組成物及び配水管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011105881A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014198783A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-23 | 大日精化工業株式会社 | 配水管用着色樹脂組成物及び配水管 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5740189A (en) * | 1980-08-25 | 1982-03-05 | Mitsui Petrochemical Ind | Polyethylene pipe for water service |
JPH111578A (ja) * | 1997-06-16 | 1999-01-06 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 耐塩素含有水性着色樹脂組成物 |
WO2006126547A1 (ja) * | 2005-05-23 | 2006-11-30 | Japan Polyethylene Corporation | ポリエチレン樹脂、その製造方法並びにその樹脂を用いたパイプおよび継手 |
-
2009
- 2009-11-19 JP JP2009263965A patent/JP2011105881A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5740189A (en) * | 1980-08-25 | 1982-03-05 | Mitsui Petrochemical Ind | Polyethylene pipe for water service |
JPH111578A (ja) * | 1997-06-16 | 1999-01-06 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 耐塩素含有水性着色樹脂組成物 |
WO2006126547A1 (ja) * | 2005-05-23 | 2006-11-30 | Japan Polyethylene Corporation | ポリエチレン樹脂、その製造方法並びにその樹脂を用いたパイプおよび継手 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014198783A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-23 | 大日精化工業株式会社 | 配水管用着色樹脂組成物及び配水管 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN101613506B (zh) | 耐高温无卤阻燃电缆护套料及其制备方法 | |
EP2725057B2 (en) | Use of an acid scavenger to increase the resistance of a polyolefin composition against disinfectant containing water | |
JP2005048129A (ja) | 耐放射線架橋高分子組成物および耐放射線高分子製品 | |
CN101189303A (zh) | 阻燃性热塑性树脂组合物、其成型品及电线 | |
EP2949696B1 (en) | Cross-linkable rubber composition for seal material used in oil field or gas well, and seal material | |
KR102151359B1 (ko) | 탈가교 폴리올레핀 수지 및 이를 포함하는 수지 조성물 | |
JP2006501358A (ja) | 押出形材用のレオロジーが改質された熱可塑性エラストマー組成物 | |
KR101019261B1 (ko) | 재생 폴리에틸렌을 이용한 전선용 파형관 | |
US20230407066A1 (en) | Polymer blend composition for wire and cable applications with advantageous electrical properties | |
US10894878B2 (en) | Halogen free and fire-resistant rubber composition and hose | |
TW201211127A (en) | Thiobis phenolic antioxidant/polyethylene glycol blends | |
CN101619150B (zh) | 一种低烟无卤阻燃填充条 | |
CN105017599A (zh) | 一种聚乙烯土工膜用高浓度炭黑色母 | |
CN110498985A (zh) | 一种建筑用高耐候防水卷材pvc材料及其制备方法 | |
JP2011105881A (ja) | 配水管用着色樹脂組成物及び配水管 | |
EP2318456B1 (en) | Pipe comprising a polyolefin composition reinforced with a filler | |
JP5114941B2 (ja) | オレフィン系熱可塑性エラストマーの製造方法 | |
EP3196245B1 (en) | Cable trough molded article formed of a flame-retardant resin composition | |
JP5947241B2 (ja) | 配水管用着色樹脂組成物及び配水管 | |
JP2006249136A (ja) | エチレン系樹脂組成物およびその用途 | |
CN107099097B (zh) | 一种共聚聚丙烯双向拉伸薄膜材料及其工业生产方法 | |
CN112679860B (zh) | 一种汽车硬塑爆破仪表板专用聚丙烯组合物及其制备方法 | |
JP2010150328A (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなるフィルム | |
JP2011105880A (ja) | 配水管用着色樹脂組成物及び配水管 | |
EP3230330B1 (en) | A polyolefin additive, a sag resistant polyolefin and a method of preparing the same |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111124 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20120711 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20120724 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120920 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20121120 |