JP2011105256A - 動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】カップリング装置の内部を効果的に冷却することが可能であり、差動装置を潤滑するオイルを効果的に昇温させることが可能な動力伝達装置を提供する。
【解決手段】動力伝達装置100は、電子制御カップリング30と、リヤディファレンシャル80とを備え、電子制御カップリング30は、電磁石51の電磁力により係合・解放されるパイロットクラッチ61と、パイロットクラッチ61の係合・解放動作に連動して係合・解放されるメインクラッチ71とを備えている。そして、リヤディファレンシャル80を潤滑するデフオイルを電子制御カップリング30の内部に供給する供給経路と、電子制御カップリング30内に供給されたデフオイルをリヤディファレンシャル80内に戻す戻し経路とが設けられている。
【選択図】図2
【解決手段】動力伝達装置100は、電子制御カップリング30と、リヤディファレンシャル80とを備え、電子制御カップリング30は、電磁石51の電磁力により係合・解放されるパイロットクラッチ61と、パイロットクラッチ61の係合・解放動作に連動して係合・解放されるメインクラッチ71とを備えている。そして、リヤディファレンシャル80を潤滑するデフオイルを電子制御カップリング30の内部に供給する供給経路と、電子制御カップリング30内に供給されたデフオイルをリヤディファレンシャル80内に戻す戻し経路とが設けられている。
【選択図】図2
Description
本発明は、カップリング装置と差動装置とを備えた四輪駆動車の動力伝達装置に関する。
四輪駆動車の中には、安定性の高い乾燥路面での一般走行に適する燃費に優れた二輪駆動状態と、雨天や積雪時または悪路における走行に適する四輪駆動状態を切り替えることが可能なものがある。このような四輪駆動車において、カップリング装置(例えば電子制御カップリングなど)により、二輪駆動状態と四輪駆動状態とを切り替えたり、四輪駆動状態のとき前後のトルク配分を変更したりする動力伝達装置が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
カップリング装置は、例えば、特許文献2に示されるように、駆動源からのトルクを伝達するプロペラシャフトと、左右の車輪間の差動を行う差動装置(例えばリヤディファレンシャル)との間に設けられている。そして、カップリング装置は、カップリング装置内のドライブピニオンシャフトの先端に設けられたドライブピニオンギヤと、差動装置のリングギヤとが、トルク伝達可能に連結されるようになっている。
上述したようなカップリング装置には、クラッチ機構が備えられており、クラッチ機構の係合・解放によって、カップリング装置によるトルクの伝達状態と非伝達状態とが切り替えられる。クラッチ機構は、例えば油圧式の摩擦クラッチにより構成される。このため、クラッチ機構の係合・解放動作にともなって摩擦熱が発生し、カップリング装置の内部温度が上昇して、カップリング装置の内部が高温になることが懸念される。特に、カップリング装置が電子制御カップリングである場合、電磁石(コイル)の通電による発熱もカップリング装置の内部温度の上昇の要因となるため、カップリング装置の内部が高温になりやすいといった問題がある。
一方、差動装置の内部には、差動装置の各部を潤滑するオイル(デフオイル)が貯留されている。しかし、差動装置内のオイルの温度が低い場合、オイルの粘性抵抗による引きずりトルクが大きくなり、燃費の悪化を招くといった問題がある。
本発明は、上述したような問題点を鑑みてなされたものであり、カップリング装置の内部を効果的に冷却することが可能であり、差動装置を潤滑するオイルを効果的に昇温させることが可能な動力伝達装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、クラッチ機構を有するカップリング装置と、左右の車輪間の差動を行う差動装置とを備え、カップリング装置により二輪駆動状態と四輪駆動状態とを切替可能に構成された四輪駆動車の動力伝達装置であって、上記差動装置を潤滑するオイルを上記カップリング装置の内部に供給する供給経路と、上記カップリング装置内に供給されたオイルを上記差動装置内に戻す戻し経路とが設けられていることを特徴としている。
上記構成によれば、差動装置を潤滑するオイルがカップリング装置の内部を流れる際、オイルとカップリング装置との間で熱交換が行われる。これにより、カップリング装置の内部が冷却される一方、オイルが加熱される。詳しく言えば、クラッチ機構の係合・解放動作にともなって摩擦熱が発生するため、カップリング装置の内部温度は、差動装置の内部に存在するオイルの温度よりも高くなっている。このような状況下で、差動装置内のオイルが供給経路に供給され、カップリング装置の内部を流れることによって、オイルとカップリング装置との間で熱交換が行われることになる。
これにより、カップリング装置の内部を流れるオイルによってカップリング装置の内部が効果的に冷却され、カップリング装置の内部温度の上昇を抑制することができる。したがって、カップリング装置の内部が過度に高温化することを回避でき、カップリング装置の内部部品の耐久性を向上させることができる。
また、カップリング装置によって暖められたオイルは、戻し経路を介して差動装置内に戻され、差動装置内に残存するオイルと混合される。これにより、差動装置内に存在するオイルの温度を効果的に上昇させることができる。オイルの温度上昇により、オイルの粘性抵抗が小さくなるので、オイルの粘性抵抗による引きずりトルクを低減することができる。その結果、燃費向上を図ることができる。
本発明において、上記カップリング装置の内部と差動装置の内部とに跨って配置されるシャフトが設けられており、上記供給経路は、上記シャフトの外側に設けられ、上記戻し経路は、上記シャフトの内部に設けられ、上記供給経路と戻し経路とは、上記シャフトのカップリング装置側の端で接続されていることが好ましい。上記シャフトの具体例としては、ドライブピニオンシャフトがあり、この場合、ドライブピニオンシャフトの先端に設けられたピニオンギヤが、差動装置に設けられたリングギヤにトルク伝達可能に連結される。
また、本発明において、上記シャフトのカップリング装置側の端部は、上記クラッチ機構の内径側まで延びていることが好ましい。この構成によれば、カップリング装置の内部において、オイルがクラッチ機構の近傍まで流れるようになり、オイルとカップリング装置との間の熱交換を効率よく行わせることができる。これにより、カップリング装置の内部を効率よく冷却するとともに、差動装置を潤滑するオイルを効率よく昇温させることができる。
本発明において、上記カップリング装置の内部には、上記クラッチ機構の係合時に回転可能な回転部材が設けられ、上記回転部材には、上記シャフトがスプライン嵌合されており、上記供給経路には、上記シャフトと回転部材とのスプライン嵌合部分が含まれていることが好ましい。この構成によれば、シャフトと回転部材とのスプライン嵌合部分を供給経路として利用することで、カップリング装置の内部に供給経路を容易に確保することができる。
また、本発明において、上記差動装置には、上記シャフトを回転可能に支持する軸受が設けられており、上記スプライン嵌合部分には、上記軸受を潤滑するオイルが供給されることが好ましい。
本発明において、上記シャフトの内部には、軸方向に延びる貫通孔が形成されており、上記戻し経路には、上記貫通孔が含まれていることが好ましい。この構成によれば、シャフトの内部に貫通孔を設けるという簡単な構成によって、カップリング装置の内部から差動装置の内部へ至る戻し経路を容易に確保することができる。
また、本発明において、上記差動装置を潤滑するオイルを上記供給経路へ送るポンプが設けられていることが好ましい。
本発明において、上記カップリング装置は、電磁石の電磁力により係合・解放されるパイロットクラッチと、上記パイロットクラッチの係合・解放動作に連動して係合・解放されるメインクラッチとが設けられた電子制御カップリングであることが好ましい。電子制御カップリングの場合、クラッチ機構(パイロットクラッチおよびメインクラッチ)の係合・解放動作にともなって発生する摩擦熱に加え、電磁石(コイル)の通電による発熱も、電子制御カップリングの内部温度の上昇の要因となる。したがって、差動装置を潤滑するオイルを電子制御カップリングの内部に供給して、オイルと電子制御カップリングとの間で熱交換を行わせることで、電子制御カップリングの内部温度の上昇が抑制され、電子制御カップリングの内部部品の耐久性を向上させることができる。
また、本発明において、上記カップリング装置の内部温度が閾値以下である場合には、上記電磁石への通電量を大きくすることが好ましい。電子制御カップリングの場合、電磁石への通電量を大きくするほど、発熱量が大きくなり、供給経路を流れるオイルが速やかに加熱される。したがって、例えば冷間時などの電子制御カップリングの内部温度が低い場合においても、オイルを速やかに昇温させることができ、オイルの粘性抵抗による引きずりトルクを速やかに低減することができる。
本発明の動力伝達装置によれば、差動装置内のオイルが供給経路に供給され、カップリング装置の内部を流れることによって、オイルとカップリング装置との間で熱交換が行われる。これにより、カップリング装置の内部を効果的に冷却するとともに、差動装置を潤滑するオイルを効果的に昇温させることができる。
本発明を具体化した実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
−動力伝達装置の全体構成−
図1は、本発明の実施形態に係る動力伝達装置を搭載した四輪駆動車の一例を模式的に示す図である。図1には、前輪駆動ベースの四輪駆動車の動力伝達装置100を例示している。この実施形態では、動力伝達装置100は、カップリング装置としての電子制御カップリング30と差動装置としてのリヤディファレンシャル80とを少なくとも備える構成となっている。
図1は、本発明の実施形態に係る動力伝達装置を搭載した四輪駆動車の一例を模式的に示す図である。図1には、前輪駆動ベースの四輪駆動車の動力伝達装置100を例示している。この実施形態では、動力伝達装置100は、カップリング装置としての電子制御カップリング30と差動装置としてのリヤディファレンシャル80とを少なくとも備える構成となっている。
図1に示すように、車両のフロント側(図1では上側)には、駆動源であるエンジン10が配置されている。エンジン10は、変速機構(例えば自動変速機)11に連結され、変速機構11は、フロントディファレンシャル12に連結されている。
エンジン10の近傍のフロント側には、主駆動輪(駆動源からの駆動力が直接、伝達される駆動輪)である左右の前輪14,14が配置されている。左右の前輪14,14は、互いにフロントディファレンシャル12を介して連結されている。左右の前輪14,14とフロントディファレンシャル12とは、それぞれアクスルシャフト13,13により連結されている。エンジン10からの駆動力は、変速機構11で変速されてフロントディファレンシャル12に伝達され、これにより、前輪14,14が駆動されるようになっている。フロントディファレンシャル12は、左右の前輪14,14へのトルクの差動配分を行う差動動作が可能なものであれば、いかなる構成のものであってもよい。図1に示す例では、フロントディファレンシャル12として、互いに噛み合いながら回転する一対のピニオンギヤ12a,12aおよび一対のサイドギヤ12b,12bを備えたものが用いられている。
フロントディファレンシャル12は、トランスファ15に連結されている。トランスファ15には、車両のリヤ側(図1では下側)へ向けて延びるプロペラシャフト16が連結されている。トランスファ15により、エンジン10の駆動力を車両のリヤ側へも取り出すことが可能となっている。
車両のリヤ側には、従駆動輪(駆動源からの駆動力がカップリング装置を介して伝達される駆動輪)である左右の後輪18,18が配置されている。左右の後輪18,18は、互いにリヤディファレンシャル80を介して連結されている。左右の後輪18,18とリヤディファレンシャル80とは、それぞれアクスルシャフト17,17により連結されている。リヤディファレンシャル80は、左右の後輪18,18へのトルクの差動配分を行う差動動作が可能なものであれば、いかなる構成のものであってもよい。図1に示す例では、リヤディファレンシャル80として、互いに噛み合いながら回転する一対のピニオンギヤ80a,80aおよび一対のサイドギヤ80b,80bを備えたものが用いられている。
プロペラシャフト16とリヤディファレンシャル80との間には、電子制御カップリング30が設けられている。この実施形態では、電子制御カップリング30は、リヤディファレンシャル80の直前に配置されており、電子制御カップリング30とリヤディファレンシャル80とが一体的に設けられ、1つのアッシとして構成されている。
電子制御カップリング30は、電磁石51を備えている(図2参照)。そして、電磁石51の通電を制御することにより、後輪側に伝達される伝達トルクが制御される。これにより、動力伝達装置100において、二輪駆動状態と四輪駆動状態とを切り替えたり、四輪駆動状態のとき前後のトルク配分を変更したりすることが可能となっている。電磁石51は、制御装置としての4WD電子制御ユニット(4WD_ECU)200に接続されており、4WD_ECU200から必要に応じて、伝達トルクに相当する電流が電磁石51(コイル53)へ供給されるようになっている。
4WD_ECU200は、例えば、マイクロコンピュータを主体に構成された電子回路からなり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含んで構成されている。ROMには、各種制御プログラム、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップなどが記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリである。
そして、4WD_ECU200は、各種センサ等からの検出信号等に基づいて、電子制御カップリング30の電磁石51の通電制御を実行する。具体的に、電磁石51を非通電状態とした場合には、電子制御カップリング30による後輪側へのトルク伝達は行われない。このとき、動力伝達装置100は、二輪駆動状態に切り替えられる。一方、電磁石51の通電を行うと、電子制御カップリング30によって通電量に応じたトルクが後輪側へ伝達される。例えば、電磁石51に通電する電流の値(制御電流値)を大きくするほど、伝達トルクが増大されるようになっている。これにより、動力伝達装置100は、四輪駆動状態に切り替えられる。
4WD_ECU200は、エンジン10の各種制御を行うエンジンECU300と接続されている。4WD_ECU200と、エンジンECU300とは、動力伝達装置100の制御や、エンジン10の制御に関し必要な情報を互いに送受信可能に接続されている。なお、エンジンECU300も、4WD_ECU200と同様に、マイクロコンピュータを主体に構成された電子回路からなり、CPU、ROM、RAM等を含んだ構成となっている。
−電子制御カップリングおよびリヤディファレンシャルの構成−
図2は、図1の動力伝達装置100に備えられる電子制御カップリング30およびリヤディファレンシャル80を示す断面図である。
図2は、図1の動力伝達装置100に備えられる電子制御カップリング30およびリヤディファレンシャル80を示す断面図である。
図2に示すように、電子制御カップリング30のカバー31の内部と、リヤディファレンシャル80のディファレンシャルキャリヤ81の内部とに跨って、回転中心A1を中心として回転するドライブピニオンシャフト32が配置されている。ディファレンシャルキャリヤ81の内周には軸受(円すいころ軸受)82が装着されており、軸受82によりドライブピニオンシャフト32が回転可能に支持されている。ドライブピニオンシャフト32の一端(図2では右端)には、ドライブピニオンギヤ32aが設けられており、ドライブピニオンギヤ32aが、リヤディファレンシャル80のリングギヤ80cと噛み合っている。ドライブピニオンシャフト32の内部には、軸方向に延びる貫通孔32bが形成されている。貫通孔32bは、ドライブピニオンシャフト32の一端から他端(図2では左端)まで延びている。
ディファレンシャルキャリヤ81の開口端には、円筒状のカバー31が固定されている。そして、カバー31の外部からカバー31の内部およびディファレンシャルキャリヤ81の内部に亘り、有底円筒状のカップリングケース33が配置されている。カップリングケース33は、アルミニウムなどの非磁性材料により構成されている。カップリングケース33は、小径円筒部34と底部35と環状の接続部36と大径円筒部37とを備えている。
小径円筒部34は、カバー31の開口部31aに配置され、底部35により小径円筒部34におけるカバー31の外部側端部が閉塞されている。接続部36は、小径円筒部34におけるカバー31の内部側端部から外周側に向けて張り出されている。大径円筒部37は、接続部36の外周端からディファレンシャルキャリヤ81の内部側に向けて配置されている。カバー31の開口部31a側の端部内周には、シール軸受38が固定されている。そして、シール軸受38の内輪がカップリングケース33の小径円筒部34の外周に装着されている。
カップリングケース33の小径円筒部34におけるカバー31の外部側端面には、フランジ21が取り付けられている。カップリングケース33とフランジ21とが植込みボルト22により固定されている。植込みボルト22は、小径円筒部34に形成された雌ねじ部34aにねじ込まれている。フランジ21は、プロペラシャフト16(図1)に接続されている。
カバー31の内部には、回転中心A1を中心として回転するインナーシャフト40が配置されている。インナーシャフト40は、後述するクラッチ機構の係合時に回転可能となり、クラッチ機構の解放時に回転不能となる回転部材である。インナーシャフト40の内部には、隔壁40aにより軸方向に区画された凹部40b,40cが形成されている。凹部40b,40cは、回転中心A1を中心とする円柱状の空間である。そして、ディファレンシャルキャリヤ81側に配置された凹部40bの内周には、ドライブピニオンシャフト32の他端部(図2では右端部)がスプライン嵌合されている。このため、インナーシャフト40とドライブピニオンシャフト32とは、一体的に回転する。小径円筒部34の内周と、インナーシャフト40の小径円筒部34側の端部外周との間に軸受41が装着され、軸受41によりインナーシャフト40が回転可能に支持されている。
インナーシャフト40の外周側には、回転中心A1を中心として回転可能な環状の回転子42が配置されている。回転子42は、カップリングケース33の内部からディファレンシャルキャリヤ81の内部に到達するように配置されている。回転子42は、半径方向の断面形状がほぼL字形の内筒部42aと、内筒部42aの外周に固定された環状の遮断部材42bと、遮断部材42bの外周に固定された外筒部42cとにより構成されている。
内筒部42aおよび外筒部42cは、例えば鉄などの磁性材料により構成され、遮断部材42bは、非磁性材料により構成されている。そして、回転子42の外筒部42cがカップリングケース33の内周にねじ結合され、かつ、溶接により回転不能に固定されている。このため、カップリングケース33と回転子42とが一体的に回転されるようになっている。
回転子42の内筒部42aの内周と、ドライブピニオンシャフト32の外周との間に軸受43が装着され、軸受43により回転子42がインナーシャフト40に対し相対回転可能に設けられている。軸受43とドライブピニオンシャフト32の外周に形成された段差との間には、軸方向の隙間を調整する円環状のシム45と、環状の皿ばね46とが配置されている。シム45には、軸方向に延びる複数の貫通孔45aが形成されている。
内筒部42aの内周とインナーシャフト40の外周との間には、ゴム状弾性体により構成されたシールリング(例えばXリング)47が装着されている。シールリング47により、インナーシャフト40と回転子42との間が液密にシールされている。外筒部42cの外周とカップリングケース33の内周との間には、ゴム状弾性体により構成されたOリング48が装着されている。Oリング48により、回転子42とカップリングケース33との間が液密にシールされている。また、ディファレンシャルキャリヤ81の内周には、ゴム状弾性体および金属補強環により構成されたオイルシール49が装着されている。オイルシール49によりディファレンシャルキャリヤ81と回転子42との間が液密にシールされている。
そして、ディファレンシャルキャリヤ81の内部に、シールリング47およびオイルシール49により液密にシールされた空間には、軸受82が配置されている。この空間には、リヤディファレンシャル80の各部を潤滑する潤滑油(デフオイル)が供給される。
ディファレンシャルキャリヤ81とカバー31とカップリングケース33と回転子42とにより取り囲まれた空間が、電磁石収納室C1となっている。電磁石収納室C1は、オイルシール49とOリング48とシール軸受38とにより周囲の空間から液密および気密にシールされている。
電磁石収納室C1には、電磁石51が配置されている。電磁石51は、磁性材料により構成された環状の鉄心52と、鉄心52に巻き付けられたコイル53とを備えている。鉄心52は、カバー31に対し相対回転不能に設けられている。コイル53は、電線を介して4WD_ECU200(図1)に接続されている。
また、カップリングケース33とインナーシャフト40と回転子42とにより取り囲まれた空間が、クラッチ機構収納室C2となっている。クラッチ機構収納室C2は、Oリング48とシールリング47とにより周囲の空間から液密にシールされている。クラッチ機構収納室C2には、カップリングオイルが封入されている。
クラッチ機構収納室C2には、電磁石51の電磁力により係合・解放されるパイロットクラッチ61と、パイロットクラッチ61の係合・解放動作に連動して係合・解放されるメインクラッチ71とが配置されている。
パイロットクラッチ61は、アーマチュア62とクラッチディスク63とクラッチプレート64とを備えている。アーマチュア62は、回転子42から所定間隔をおいた位置に配置されている。クラッチディスク63およびクラッチプレート64は、アーマチュア62と回転子42との間に配置されている。アーマチュア62およびクラッチディスク63は、カップリングケース33の内周にスプライン嵌合されている。
インナーシャフト40の外周には、環状のカム65が装着されている。カム65は、インナーシャフト40に対し相対回転可能に設けられている。カム65の外周にクラッチプレート64がスプライン嵌合されている。カム65と回転子42の内筒部42aとの間には、スラスト軸受66が配置されている。スラスト軸受66は、カム65に作用するスラスト荷重を受け止め、かつ、回転子42とカム65とを相対回転可能とするために配置されている。
メインクラッチ71は、パイロットクラッチ61とカップリングケース33の小径円筒部34との間に配置されている。メインクラッチ71は、複数のクラッチディスク72と、複数のクラッチディスク72と交互に配置された複数のクラッチプレート73とを備えている。クラッチディスク72は、カップリングケース33の内周にスプライン嵌合され、クラッチプレート73は、インナーシャフト40の外周にスプライン嵌合されている。
メインクラッチ71とパイロットクラッチ61との間には、環状のピストン74が配置されている。ピストン74は、インナーシャフト40の外周にスプライン嵌合されている。ピストン74およびカム65の互いに相対向する側には、それぞれのカム面に対応する複数の凹部74a,65aが形成されている。ピストン74およびカム65の間には、各凹部74a,65aに嵌め入れられるように複数のボール75(図2では1つのみ示す)が設けられている。
ここで、上記構成の電子制御カップリング30の動作について説明する。
まず、電子制御カップリング30の電磁石51に電流が供給されない場合、パイロットクラッチ61およびメインクラッチ71が解放されている。このため、プロペラシャフト16からカップリングケース33に伝達されたトルクは、インナーシャフト40およびドライブピニオンシャフト32には伝達されない。この場合、動力伝達装置100が二輪駆動状態となる。
一方、電磁石51に電流が供給されると、鉄心52と外筒部42cとアーマチュア62と内筒部42aとを磁束が通過して磁気回路が形成される。このため、電磁力(磁気吸引力)により、アーマチュア62が、外筒部42cおよび内筒部42a側に移動する。すると、パイロットクラッチ61のクラッチディスク63とクラッチプレート64とが係合される。つまり、パイロットクラッチ61が係合される。これにより、カップリングケース33のトルクが、パイロットクラッチ61を介してカム65に伝達される。
カム65にトルクが伝達されると、カム65とピストン74とが相対回転する。すると、ボール75をカム65とピストン74の凹部65a,74aの外部に押し出すような力が作用し、カム65とピストン74とが軸方向方向において相互に離反する向きのスラスト荷重が生じる。この場合、カム65は、スラスト軸受66により受け止められており、回転子42側に移動することが防止されている。このため、上記スラスト荷重により、ピストン74がメインクラッチ71側に押し付けられ、クラッチディスク72とクラッチプレート73とが係合される。つまり、パイロットクラッチ61の係合力が、カム65とボール75とピストン74とにより増幅され、メインクラッチ71に伝達される。メインクラッチ71が係合されると、プロペラシャフト16からカップリングケース33に伝達されたトルクが、メインクラッチ71を介してインナーシャフト40およびドライブピニオンシャフト32に伝達される。これにより、動力伝達装置100が四輪駆動状態となる。この場合、電磁石51に通電される電流の値を増大きくするほど、メインクラッチ71の係合力が増大し、ドライブピニオンシャフト32へ伝達されるトルクが増大する。電磁石51に通電される電流が所定値以上になると、直結状態に近い状態でドライブピニオンシャフト32にトルクが伝達される。
−実施形態の特徴部分−
この実施形態では、電子制御カップリング30とリヤディファレンシャル80とを備えた動力伝達装置100において、リヤディファレンシャル80を潤滑するデフオイルを電子制御カップリング30の内部に供給するオイル供給経路と、電子制御カップリング30内に供給されたデフオイルをリヤディファレンシャル80内に戻すオイル戻し経路とが設けられていることを特徴としている。以下、実施形態の特徴部分について、図2を参照して説明する。
この実施形態では、電子制御カップリング30とリヤディファレンシャル80とを備えた動力伝達装置100において、リヤディファレンシャル80を潤滑するデフオイルを電子制御カップリング30の内部に供給するオイル供給経路と、電子制御カップリング30内に供給されたデフオイルをリヤディファレンシャル80内に戻すオイル戻し経路とが設けられていることを特徴としている。以下、実施形態の特徴部分について、図2を参照して説明する。
リヤディファレンシャル80のディファレンシャルキャリヤ81内には、リヤディファレンシャル80の各部を潤滑するデフオイルが貯留されている。デフオイルは、リングギヤ80cの回転によってかき上げられることにより、リヤディファレンシャル80の各部へ供給されるようになっている。具体的には、ピニオンギヤ80a、サイドギヤ80b、ドライブピニオンギヤ32a、ドライブピニオンシャフト32を支持する軸受82などに、デフオイルが供給される。
この実施形態では、リヤディファレンシャル80を潤滑するデフオイルを電子制御カップリング30側へ導き、電子制御カップリング30の内部に供給するようにしている。具体的には、軸受82に供給されるデフオイルが電子制御カップリング30の内部に供給される。この場合、デフオイルのオイル供給経路は、電子制御カップリング30の内部において、デフオイルをドライブピニオンシャフト32の他端側まで送る経路となっている。
具体的に、オイル供給経路は、図2に示すように、ディファレンシャルキャリヤ81とドライブピニオンシャフト32の外周との間の環状の空間P11と、回転子42の内筒部42aの内周とドライブピニオンシャフト32の外周との間の環状の隙間P12と、シム45の複数の貫通孔45aと、軸受43の内輪と外輪との間に設けられた隙間P13と、ドライブピニオンシャフト32とインナーシャフト40とのスプライン嵌合部分に存在する隙間P14とを含んだ構成となっている。このように、スプライン嵌合部分の隙間P14等をオイル供給経路として利用することで、電子制御カップリング30の内部にオイル供給経路を容易に確保することができる。
ここで、軸受82として、円すいころ軸受が用いられており、ドライブピニオンシャフト32の回転時、軸受82の小径側と大径側との圧力差によって、リングギヤ80cによってかき上げられたデフオイルが小径側から吸い込まれ、大径側へ吐出されるようになっている。この実施形態では、デフオイルが軸受82の大径側に位置する上記空間P11に吐出され、オイル供給経路に導入されるようになっている。つまり、ドライブピニオンシャフト32の回転時には、軸受82がデフオイルをオイル供給経路に送るポンプの役割を果たしている。なお、この場合、軸受82は、電子制御カップリング30側と、ドライブピニオンギヤ32a側とにそれぞれ配置されているが、電子制御カップリング30側に設けられた軸受82に供給されたデフオイルがオイル供給経路に導入される。
また、この実施形態では、オイル供給経路を介して電子制御カップリング30の内部に供給されたデフオイルを、リヤディファレンシャル80側へ戻すようにしている。この場合、デフオイルのオイル戻し経路は、電子制御カップリング30の内部において、ドライブピニオンシャフト32の他端側まで送られたデフオイルをリヤディファレンシャル80側へ戻す経路となっている。具体的に、オイル戻し経路は、図2に示すように、ドライブピニオンシャフト32の貫通孔32bを含んだ構成となっている。このように、ドライブピニオンシャフト32の内部に貫通孔32bを設けるという簡単な構成によって、電子制御カップリング30の内部からリヤディファレンシャル80の内部へ至るオイル戻し経路を容易に確保することができる。
オイル供給経路に供給されたデフオイルをリヤディファレンシャル80側へ戻す経路は、このオイル戻し経路以外には設けられていない。また、シールリング47によって、デフオイルがクラッチ機構収納室C2に浸入することが防止されており、オイルシール49によって、デフオイルが電磁石収納室C1に浸入することが防止されている。このため、軸受82に供給されたデフオイルのほとんどは、上述のオイル供給経路に供給され、オイル戻し経路を通ってリヤディファレンシャル80側へ戻されるようになっている。
上述したように、この実施形態では、オイル供給経路がドライブピニオンシャフト32の外側に設けられており、オイル戻し経路がドライブピニオンシャフト32の内部に設けられている。そして、オイル供給経路とオイル戻し経路とが、ドライブピニオンシャフト32の他端(電子制御カップリング30側の端)において接続されている。具体的には、ドライブピニオンシャフト32の他端とインナーシャフト40の隔壁40aとの間には、隙間P21が設けられており、この隙間P21を介してオイル供給経路とオイル戻し経路とが接続されている。具体的に、リングギヤ80cによってかき上げられたデフオイルが軸受82に供給されると、そのデフオイルは、軸受82→空間P11→隙間P12→貫通孔45a→隙間P13→隙間P14→隙間P21→貫通孔32bの順に送られ、リヤディファレンシャル80側へ戻される。したがって、この実施形態によれば、動力伝達装置100において、次のような効果が得られる。
デフオイルがオイル供給経路を通過する際、デフオイルと電子制御カップリング30との間で熱交換が行われる。これにより、電子制御カップリング30の内部が冷却される一方、デフオイルが加熱される。詳しく言えば、電子制御カップリング30には、パイロットクラッチ61およびメインクラッチ71のクラッチ機構が設けられており、これらのクラッチ機構の係合・解放動作にともなって摩擦熱が発生する。また、電子制御カップリング30には、電磁石51が設けられており、電磁石51(コイル53)の通電時にジュール熱が発生する。このため、電子制御カップリング30の内部温度は、リヤディファレンシャル80の内部に存在するデフオイルの温度よりも高くなっている。このような状況下で、リヤディファレンシャル80内のデフオイルがオイル供給経路に供給され、オイル供給経路を流れることによって、デフオイルと電子制御カップリング30との間で熱交換が行われることになる。
これにより、オイル供給経路を流れるデフオイルによって電子制御カップリング30の内部が効果的に冷却され、電子制御カップリング30の内部温度の上昇を抑制することができる。したがって、電子制御カップリング30の内部が過度に高温化することを回避でき、電子制御カップリング30の内部部品の耐久性を向上させることができる。
また、電子制御カップリング30によって暖められたデフオイルは、オイル戻し経路を介してディファレンシャルキャリヤ81内に戻され、ディファレンシャルキャリヤ81内に残存するデフオイルと混合される。これにより、ディファレンシャルキャリヤ81内に存在するデフオイルの温度を効果的に上昇させることができる。デフオイルの温度上昇により、デフオイルの粘性抵抗が小さくなるので、デフオイルの粘性抵抗による引きずりトルクを低減することができる。その結果、燃費向上を図ることができる。
ここで、ドライブピニオンシャフト32の他端部(電子制御カップリング30側の端部)は、メインクラッチ71の内径側まで延びている。このため、電子制御カップリング30の内部において、デフオイルがメインクラッチ71の近傍まで流れるようになり、デフオイルと電子制御カップリング30との間の熱交換を効率よく行わせることができる。これにより、電子制御カップリング30の内部を効率よく冷却するとともに、リヤディファレンシャル80を潤滑するデフオイルを効率よく昇温させることができる。
−他の実施形態−
以上、本発明の実施形態について説明したが、ここに示した実施形態は一例であり、さまざまに変形することが可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、ここに示した実施形態は一例であり、さまざまに変形することが可能である。
上記構成の動力伝達装置100において、次のようなデフオイルの昇温制御を行うことも可能である。上記実施形態では、例えば冷間時などの電子制御カップリング30の内部温度が低い場合、デフオイルをオイル供給経路を単に通過させただけでは、デフオイルの昇温に時間を要する可能性がある。そこで、デフオイルの昇温制御を行うことによって、電子制御カップリング30の内部温度が低い場合においても、デフオイルの速やかな昇温を可能としている。
このデフオイルの昇温制御について、図3のフローチャートを参照して説明する。図3のフローチャートに示すルーチンは、4WD_ECU200が実行する動力伝達装置100におけるデフオイルの昇温制御に関するものであり、一定周期ごとに繰り返される。
まず、4WD_ECU200は、ステップST1において、電子制御カップリング30の内部温度(CP内部温度)が、4WD_ECU200のROMに予め記憶された閾値Th1以下であるか否かを判定する。電子制御カップリング30の内部温度は、例えば、エンジン10の回転数、エンジン10の出力トルク、電子制御カップリング30の入出力軸間に生じる差動回転数、電子制御カップリング30の入出力軸間に差動回転が生じている時間に基づいて推定することが可能である。電子制御カップリング30の入出力軸間に生じる差動回転数は、プロペラシャフト16とドライブピニオンシャフト32との回転数差であり、プロペラシャフト16の回転数とドライブピニオンシャフト32の回転数をそれぞれ検出することによって求めることが可能である。また、エンジンECU300からエンジン10の回転数および出力トルクに関する情報を受け取ることが可能となっている。
ステップST1の判定結果が肯定判定の場合、つまり、電子制御カップリング30の内部温度が閾値Th1以下である場合には(CP内部温度≦Th1)、ステップST2に進む。一方、ステップST2の判定結果が否定判定の場合、つまり、電子制御カップリング30の内部温度が閾値Th1よりも高い場合(CP内部温度>Th1)には、このルーチンを抜ける。
次に、4WD_ECU200は、ステップST2において、電子制御カップリング30の電磁石51の通電量を大きくする。この場合、電磁石51に通電する電流の値(制御電流値)を大きくする。そして、電磁石51の制御電流値を大きくするほど、コイル53の発熱量が大きくなり、また、パイロットクラッチ61およびメインクラッチ71の係合動作にともなって発生する摩擦熱も大きくなる。このため、電子制御カップリング30の内部温度が上昇する。
次に、4WD_ECU200は、ステップST3において、電子制御カップリング30の内部温度が、4WD_ECU200のROMに予め記憶された閾値Th2よりも高いか否かを判定する。電子制御カップリング30の内部温度は、ステップST1の場合と同様にして求めることが可能である。閾値Th2は、上記閾値Th1よりも高い温度に設定されている(Th2>Th1)。
ステップST3の判定結果が肯定判定の場合、つまり、電子制御カップリング30の内部温度が閾値Th2よりも高い場合には(CP内部温度>Th2)、ステップST4に進む。一方、ステップST3の判定結果が否定判定の場合、つまり、電子制御カップリング30の内部温度が閾値Th2以下の場合には(CP内部温度≦Th2)、肯定判定が得られるまでステップST3の判定を繰り返し行う。
そして、4WD_ECU200は、ステップST4において、電子制御カップリング30の電磁石51の通電量を元の値に戻す。この場合、電磁石51に通電する制御電流値をステップST2の処理を行う前の値に戻す。
そして、この実施形態では、ステップST3において、電子制御カップリング30の電磁石51の通電量を大きくすることで、電子制御カップリング30の内部温度を上昇させている。これにより、オイル供給経路を通過するデフオイルが速やかに加熱される。したがって、例えば冷間時などの電子制御カップリング30の内部温度が低い場合においても、デフオイルを速やかに昇温させることができ、デフオイルの粘性抵抗による引きずりトルクを速やかに低減することができる。
なお、ステップST1、ST3では、電子制御カップリング30の内部温度を推定して求めたが、電子制御カップリング30の内部に温度センサを設け、温度センサにより電子制御カップリング30の内部温度を直接検出する構成としてもよい。
上記実施形態において、リヤディファレンシャル80を潤滑するデフオイルを電子制御カップリング30の内部に送るためのポンプを別途設ける構成としてもよい。
上記実施形態では、電子制御カップリングを備える動力伝達装置に本発明を適用した例を挙げたが、本発明は、電子制御カップリング以外のカップリング装置(例えば、ビスカスカップリングなど)を備える動力伝達装置にも適用可能である。
また、上記実施形態では、リヤディファレンシャルを備える動力伝達装置に本発明を適用した例を挙げたが、本発明は、リヤディファレンシャル以外の差動装置(例えば、フロンとディファレンシャルなど)を備える動力伝達装置にも適用可能である。
上記実施形態では、前輪駆動ベースの四輪駆動車の動力伝達装置に本発明を適用した例を挙げたが、本発明は、後輪を主駆動輪とし、前輪を従駆動輪とする後輪駆動ベースの四輪駆動車の動力伝達装置にも適用可能である。
本発明は、カップリング装置と差動装置とを備え、カップリング装置により二輪駆動状態と四輪駆動状態とを切替可能に構成された四輪駆動車の動力伝達装置に利用できる。
10 エンジン
11 変速機構
12 フロントディファレンシャル
14 前輪
15 トランスファ
16 プロペラシャフト
18 後輪
30 電子制御カップリング(カップリング装置)
32 ドライブピニオンシャフト
32a ドライブピニオンギヤ
32b 貫通孔
40 インナーシャフト(回転部材)
45 シム
45a 貫通孔
51 電磁石
53 コイル
61 パイロットクラッチ
71 メインクラッチ
80 リヤディファレンシャル(差動装置)
81 ディファレンシャルキャリヤ
82 軸受
100 動力伝達装置
11 変速機構
12 フロントディファレンシャル
14 前輪
15 トランスファ
16 プロペラシャフト
18 後輪
30 電子制御カップリング(カップリング装置)
32 ドライブピニオンシャフト
32a ドライブピニオンギヤ
32b 貫通孔
40 インナーシャフト(回転部材)
45 シム
45a 貫通孔
51 電磁石
53 コイル
61 パイロットクラッチ
71 メインクラッチ
80 リヤディファレンシャル(差動装置)
81 ディファレンシャルキャリヤ
82 軸受
100 動力伝達装置
Claims (9)
- クラッチ機構を有するカップリング装置と、左右の車輪間の差動を行う差動装置とを備え、カップリング装置により二輪駆動状態と四輪駆動状態とを切替可能に構成された四輪駆動車の動力伝達装置において、
上記差動装置を潤滑するオイルを上記カップリング装置の内部に供給する供給経路と、上記カップリング装置内に供給されたオイルを上記差動装置内に戻す戻し経路とが設けられていることを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項1に記載の動力伝達装置において、
上記カップリング装置の内部と差動装置の内部とに跨って配置されるシャフトが設けられており、
上記供給経路は、上記シャフトの外側に設けられ、
上記戻し経路は、上記シャフトの内部に設けられ、
上記供給経路と戻し経路とは、上記シャフトのカップリング装置側の端で接続されていることを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項2に記載の動力伝達装置において、
上記シャフトのカップリング装置側の端部は、上記クラッチ機構の内径側まで延びていることを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項2または3に記載の動力伝達装置において、
上記カップリング装置の内部には、上記クラッチ機構の係合時に回転可能な回転部材が設けられ、
上記回転部材の内径側には、上記シャフトがスプライン嵌合されており、
上記供給経路には、上記シャフトと回転部材とのスプライン嵌合部分が含まれていることを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項4に記載の動力伝達装置において、
上記差動装置には、上記シャフトを回転可能に支持する軸受が設けられており、
上記スプライン嵌合部分には、上記軸受を潤滑するオイルが供給されることを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項2〜5のいずれか1つに記載の動力伝達装置において、
上記シャフトの内部には、軸方向に延びる貫通孔が形成されており、
上記戻し経路には、上記貫通孔が含まれていることを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項1〜6のいずれか1つに記載の動力伝達装置において、
上記差動装置を潤滑するオイルを上記供給経路へ送るポンプが設けられていることを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項1〜7のいずれか1つに記載の動力伝達装置において、
上記カップリング装置は、電磁石の電磁力により係合・解放されるパイロットクラッチと、上記パイロットクラッチの係合・解放動作に連動して係合・解放されるメインクラッチとを備えた電子制御カップリングであることを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項8に記載の動力伝達装置において、
上記カップリング装置の内部温度が閾値以下である場合には、上記電磁石への通電量を大きくすることを特徴とする動力伝達装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009264900A JP2011105256A (ja) | 2009-11-20 | 2009-11-20 | 動力伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009264900A JP2011105256A (ja) | 2009-11-20 | 2009-11-20 | 動力伝達装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011105256A true JP2011105256A (ja) | 2011-06-02 |
Family
ID=44229250
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2009264900A Pending JP2011105256A (ja) | 2009-11-20 | 2009-11-20 | 動力伝達装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011105256A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9688141B2 (en) | 2014-02-27 | 2017-06-27 | Nissan Motor Co., Ltd. | Clutch control device for four-wheel drive vehicle |
-
2009
- 2009-11-20 JP JP2009264900A patent/JP2011105256A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9688141B2 (en) | 2014-02-27 | 2017-06-27 | Nissan Motor Co., Ltd. | Clutch control device for four-wheel drive vehicle |
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