以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図面を参照すると、図1及び図2は、本発明の第1の実施形態によるガラス支持具10を示す斜視図、図3及び図4は、ガラス支持具10をガラス板12に固着した状態で示す正面図及び側面図、図5は、ガラス支持具10の主要部の拡大図、図6は、ガラス支持具10の機能を説明する図である。
ガラス支持具10は、基部14と、基部14に設けられる取付部16とを備える。基部14は、表面14a及びその反対側の裏面14bを有する板状要素である。ガラス支持具10は、その通常の使用時に、基部14が、裏面14bに配置される固着層18を介して、ガラス板12の一表面12aに固着される。基部14は、ガラス支持具10の通常の使用時に、それ自体実質的に変形せずにガラス板12を支持可能な剛性を有する。
図示実施形態では、基部14は矩形平板形状を有している。しかし、基部14の形状や寸法は図示の形態に限定されず、後述するようにガラス支持具10が乗物の窓枠部(図示せず)の上でガラス板12を支持する間、荷重に抗してガラス支持具10をガラス板12に固着し続けることが可能な量の固着層18を裏面14bに配置できることを前提として、適当に選択して設定できる。また、基部14の表面14a及び裏面14bは、図示のような平坦面であってもよいし、曲面や凹凸面であってもよい。特に裏面14bは、固着対象のガラス板12の湾曲を考慮した凸曲面に形成することができる。なお固着層18は、両面粘着テープ、接着剤、面ファスナー等の、周知の締結手段から構成できる。
取付部16は、基部14から突設される支柱20と、支柱20の周囲の一部に基部14から離隔して形成される第1係合要素22と、支柱20の周囲の一部に基部14に隣接して形成される第2係合要素24とを備える。ガラス支持具10は、その通常の使用時に、取付部16が、自動車等の乗物の本体パネルに形成した窓枠部(図示せず)に取り付けられ、それにより、固着層18を介してガラス板12を窓枠部の上で支持する。
支柱20は、基端26aで基部14の表面14aに一体に連結される略円筒状の主部分26と、主部分26の末端26bから一体に延長される略円錐状の先端部分28とを備え、全体として、基部14の表面14aに直交する軸線20aに沿って基部14から直立状に突出する形状を有する。支柱20は、ガラス支持具10の通常の使用時に、それ自体実質的に変形せずにガラス板12を支持可能な剛性を有する。図示実施形態では、支柱20の主部分26は略円筒形状を有し、先端部分28は略円錐形状を有している。しかし、支柱20の形状や寸法は図示の形態に限定されず、ガラス支持具10が乗物の窓枠部(図示せず)の上でガラス板12を支持する間、荷重に抗してガラス支持具10を窓枠部に取り付けた状態を維持できることを前提として、適当に選択して設定できる。例えば、主部分26は、図示の円筒形態に限らず、角柱、板、円錐、角錐又はこれらの複合形態等、種々の形態を採用できる。また、先端部分28は、図示の円錐形態に限らず、角錐、円錐台、角錐台、円柱、角柱等、種々の形態を採用できる。さらに、主部分26と先端部分28とが明確には区別されず、支柱20が全体として円錐、角錐等の形態を有していてもよい。
第1係合要素22は、支柱20の周方向所定位置で、主部分26の末端26b近傍に基端22aを有するとともに、支柱20の側方へ徐々に隆起する山形の外面を有して、基部14に向かう方向へ軸線20aに略平行に延長される。第1係合要素22は、基端22aで主部分26に一体に連結されて支柱20に片持ち式に支持され、基端22aを支点として支柱20に対し径方向へ弾性的に揺動変位できるように形成される。第1係合要素22の末端22bは、可動自由端として、ガラス支持具10の通常の使用時に、乗物の窓枠部(図示せず)の所望部位に係合可能な第1係合端22bを構成する。また第1係合要素22は、ガラス支持具10の通常の使用時に、それ自体実質的に変形せずにガラス板12を支持可能な剛性を有する。第1係合要素22の形状や寸法は図示の形態に限定されず、ガラス支持具10が乗物の窓枠部(図示せず)の上でガラス板12を支持する間、荷重に抗してガラス支持具10を窓枠部に取り付けた状態を維持できることを前提として、適当に選択して設定できる。
第2係合要素24は、第1係合要素22に対応する支柱20の周方向所定位置で、主部分26の基端26a近傍に基端24aを有するとともに、支柱20の側方へ突出する壁形の外形を有して、先端部分28に向かう方向へ軸線20aに略平行に延長される。第2係合要素24は、基端24aで基部14の表面14aに一体に連結されて基部14に固定的に支持され、全体として支柱20に対し実質的に変位できないように形成される。第2係合要素24の末端24bは、固定端として、ガラス支持具10の通常の使用時に、第1係合要素22の第1係合端22bとは反対側で乗物の窓枠部(図示せず)の所望部位に係合可能な第2係合端24bを構成する。また第2係合要素24は、ガラス支持具10の通常の使用時に、それ自体実質的に変形せずにガラス板12を支持可能な剛性を有する。第2係合要素24の形状や寸法は図示の形態に限定されず、ガラス支持具10が乗物の窓枠部(図示せず)の上でガラス板12を支持する間、荷重に抗してガラス支持具10を窓枠部に取り付けた状態を維持できることを前提として、適当に選択して設定できる。
取付部16の支柱20と第1係合要素22と第2係合要素24との間には、それぞれを機能的に分離する空隙30が形成される(図3)。支柱20には、第1及び第2係合要素22、24を中心とする空隙30の両側縁に沿って、軸線20aに略平行に延長される一対の突条32が形成される(図4)。これら突条32は、ガラス支持具10が乗物の窓枠部(図示せず)の上でガラス板12を支持する間、支柱20を補強するとともに、窓枠部のガラス支持具取付箇所の縁に当接されて、ガラス支持具10が窓枠部の上でガラス板12をがたつき無く安定して支持できるように機能する。ここで、基部14及び取付部16を有するガラス支持具10は、例えば適当な樹脂材料から射出成形工程により全体として一体に成形できる。この場合、ガラス支持具10の一体成形工程において、取付部16の成形と同時に空隙30を形成することができる。なお、切削等の機械加工により空隙30を形成することもできる。
図5に拡大して示すように、第1係合要素22の第1係合端22bと第2係合要素24の第2係合端24bとは、空隙30の一部である適当な寸法の隙間34を介して、支柱20の軸線20aに沿った方向へ、互いに対向して配置される。隙間34は、図6に模式図的に示すように、ガラス支持具10の取付対象となる乗物の窓枠部の縁部分(一般に板金材の縁に沿った所定厚みを有する部分)36を、がたつき無く受容可能な寸法を有する。したがってガラス支持具10は、後述するように窓枠部の上でガラス板12を支持する間、第1係合要素22の第1係合端22bと第2係合要素24の第2係合端24bとが互いに協働して窓枠部に係合して、窓枠部の縁部分36の表面36a及び裏面36bにそれぞれ安定して接触した状態で、第1係合端22bと第2係合端24bとの間に窓枠部の縁部分36をがたつき無く挟持し、それにより、ガラス板12を窓枠部に組み付けた状態を維持する。なおこのとき、第2係合要素24は、後述するように、ガラス板12と窓枠部との間に所定の間隔を規定して保持するスペーサとして機能することもできる。
上記構成を有するガラス支持具10は、取付部16が、支柱20の周囲の一部に、乗物の窓枠部に係合可能な第1及び第2係合端22b、24bをそれぞれに有する第1及び第2係合要素22、24を装備しているとともに、それら第1及び第2係合端22b、24bが、窓枠部の縁部分36を受容可能な隙間34を介して互いに対向しているから、図6に示すように、第1及び第2係合端22b、24bの間に窓枠部の縁部分36を、第1及び第2係合端22b、24bと縁部分36との接触点を中心として揺動可能に挟持することができる。ここで、第1及び第2係合端22b、24bの間に挟持された窓枠部の縁部分36の許容揺動角度は、基部14及び取付部16の形状や寸法、第1及び第2係合端22b、24bの表面形状等に応じて自ずから定まる。換言すれば、ガラス支持具10の取付部16を乗物の窓枠部に取り付けたときに、窓枠部上でのガラス支持具10の取付姿勢は、ガラス支持具10自体の構造に応じて予め定められた角度に渡り、容易に変更できるものとなる。つまり、ガラス支持具10は、乗物の窓枠部上での取付姿勢が1つの姿勢に特定されないものである。その結果、ガラス板12上でのガラス支持具10の固着姿勢が多様な状況であっても、ガラス支持具10をその固着姿勢のままで、乗物の窓枠部の任意の取付箇所に取り付けることができる。
したがって、ガラス支持具10は、例えば自動車のリアウインドガラスのように、少なくとも部分的に湾曲した形状を有するガラス板12を乗物の窓枠部に組み付ける際に、好適に用いることができる。この場合、取付部16の構造が同一の1種類のガラス支持具10を、湾曲形状のガラス板の任意の位置に固着して使用できるから、ガラス設置作業に関するコストを削減でき、工程や部品管理を簡略化できる。また、窓枠部の複数のガラス支持具取付箇所に、多様な固着姿勢のガラス支持具の取り付けを可能にする多様な深さや面角度を有する受け座を形成する必要も無いので、乗物の本体パネルに対するプレス加工上の制約に無関係に、ガラス設置作業を実行することができる。さらに、例えば自動車の車種が変更され、窓ガラスの湾曲形状や窓枠部のプレス加工上の制約が変化した場合にも、同一構造の1種類のガラス支持具10を用いてガラス板を窓枠部に組み付けることができるから、コストの上昇や工程の煩雑化を防止できる。
なお、ガラス支持具10は、単体では、乗物の窓枠部上で取付姿勢を容易に変更できる(つまり窓枠部上で揺動できる)ものである。しかし、ガラス板を窓枠部に組み付ける際に複数個のガラス支持具10を用いるとともに、窓枠部に対する個々のガラス支持具10の揺動軸線が互いに一致しない位置にそれらガラス支持具10を配置することにより、各ガラス支持具10の窓枠部上での取付姿勢を固定することができる。この状態で、ガラス板は、複数個のガラス支持具10により、窓枠部に対し所定の位置及び姿勢に安定して静止保持される。
図示実施形態においては、取付部16の第1及び第2係合要素22、24が支柱20の周囲の一部に形成されることにより、窓枠部上でのガラス支持具10の取付姿勢を容易に変更できるようになっている。図示のガラス支持具10で、第1及び第2係合要素22、24が支柱20の周囲の一部に形成される構成とは、支柱20の周方向に見た第1及び第2係合端22b、24bの表面(つまり窓枠部に係合可能な表面)上の1点が、支柱20の軸線20aを中心とした円周上の予め定めた位置に存在するとともに、第1及び第2係合端22b、24bの同表面が支柱20の周方向へ比較的狭い範囲(例えば中心角20度未満の範囲)に広がる(つまり全周に渡って広がるのではなく周方向へ部分的に広がる)形状を有する構成を意味している。ここで、第1及び第2係合端22b、24bの表面が支柱20の周方向へ広がる範囲は、窓枠部上でのガラス支持具10の取付姿勢を所要の範囲で変更できることを条件として、より広い範囲(例えば中心角20度〜40度程度の範囲)とすることもできる。
また、図示実施形態においては、第1及び第2係合要素22、24の第1及び第2係合端22b、24bが互いに対向して配置されることにより、窓枠部上でのガラス支持具10の取付姿勢を容易に変更できるようになっている。図示のガラス支持具10で、第1及び第2係合端22b、24bが互いに対向して配置される構成とは、第1及び第2係合端22b、24bの表面の中心点同士が、支柱20の軸線20aに沿って幾何学的に正確に対向する位置関係を有する構成を意味している。しかし、このような構成に限定されず、窓枠部上でのガラス支持具10の取付姿勢を所要の範囲で変更できることを条件として、第1及び第2係合端22b、24bの中心点同士が支柱20の周方向へ幾分ずれて配置される構成も、第1及び第2係合端22b、24bが互いに対向して配置される構成に含まれるものとする。また、第1及び第2係合要素22、24の各々は、図示実施形態のような線対称の形状を、必ずしも有さなくとも良く、窓枠部上でのガラス支持具10の取付姿勢を所要の範囲で変更できることを条件として、第1及び第2係合端22b、24bと窓枠部の縁部分36の表面36a及び裏面36bとのそれぞれの接触点が、支柱20の周方向へ幾分ずれて配置されていても良い。
ガラス支持具10においては、取付部16の第1係合要素22の第1係合端22bに、乗物の窓枠部に係合可能な凸曲面38(図5)を形成することができる。同様に、取付部16の第2係合要素24の第2係合端24bに、乗物の窓枠部に係合可能な凸曲面40(図5)を形成することができる。これら凸曲面38、40は、第1及び第2係合端22b、24bの間に挟持された窓枠部の縁部分36の許容揺動角度を増加させ、窓枠部上でのガラス支持具10の取付姿勢の変更範囲を拡大するように作用する(図6参照)。なお、凸曲面38、40の曲率は、可及的に大きいことが望ましいが、第1及び第2係合要素22、24に要求される剛性等の物性を考慮して適宜設定できる。また、凸曲面38、40のそれぞれの曲率は、互いに同一でも異なっていてもよく、第1及び第2係合端22b、24bのいずれか一方のみに凸曲面38、40を形成した構成としてもよい。
ガラス支持具10の取付部16は、第1係合要素22と第2係合要素24とをそれぞれに有する一対の係合構造42が、支柱20の周囲で互いに反対側の位置に設けられる構成とすることができる(図2、図4)。この構成によれば、乗物の窓枠部に対する取付部16の取付機能の信頼性(例えばガラス支持具10を窓枠部から取り外すのに要する抜去力の確保)を向上させることができる。この場合、一対の係合構造42の位置は、例えば支柱20の軸線20aを中心として互いに正確に180度回転した位置であるような厳格性を必要とせず、ガラス支持具10の取付姿勢を所要の範囲で変更できることを条件として、互いに180度回転した位置から支柱20の周方向へ幾分ずれた位置であっても良い。つまり、一対の係合構造42は、ガラス支持具10の取付姿勢を変更できることを条件として、支柱20の周囲で周方向へ互いに離隔した位置に設けられるものであれば良い。なお、乗物の窓枠部に対する取付部16の取付機能が所要の信頼性を発揮できることを前提に、単一の係合構造42のみを有する構成とすることもできる。
図7及び図8は、少なくとも部分的に湾曲した形状を有するガラス板12を乗物の窓枠部に組み付けるために特に好適に構成された、本発明の第2の実施形態によるガラス支持具50を示す。ガラス支持具50は、基部12に対する取付部16の姿勢関係が異なる以外は、前述したガラス支持具10と実質的に同一の構成を有する。したがって、対応する構成要素には共通の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ガラス支持具50は、基部14と、基部14に設けられる取付部16とを備える。基部14は、取付部16に隣接する平坦な表面14aを有する。ガラス支持具50は、その通常の使用時に、基部14が、裏面14bに配置される固着層18を介して、ガラス板12の一表面12aに固着される。
取付部16は、基部14から突設される支柱20と、支柱20の周囲の一部に基部14から離隔して形成される第1係合要素22と、支柱20の周囲の一部に基部14に隣接して形成される第2係合要素24とを備える。ガラス支持具50は、その通常の使用時に、取付部16が、自動車等の乗物の本体パネルに形成した窓枠部(図示せず)に取り付けられ、それにより、固着層18を介してガラス板12を窓枠部の上で支持する。
支柱20は、略円筒状の主部分26と略円錐状の先端部分28とを備え、全体として、基部14の表面14aに斜交する軸線20a′に沿って延設されて、基部14から斜めに突出する形状を有する。この構成により、ガラス支持具50は、ガラス板12の表面12aに、支柱20を所望の方向に傾斜させた状態で固着することができる。したがって例えば、自動車のリアウインドガラスのような少なくとも部分的に湾曲したガラス板12を乗物の窓枠部に組み付ける際に、窓枠部に対するガラス板12の組付動作方向に斜交するガラス板12の表面部分にガラス支持具50を固着することが要求される場合にも、ガラス支持具50の支柱20を組付動作方向に対応する方向へ向けた状態で固着することができる。この構成は、ガラス板の組付作業において、後述する種々の効果を奏する。
第1係合要素22の第1係合端22bと第2係合要素24の第2係合端24bとは、ガラス支持具50の取付対象となる乗物の窓枠部の縁部分36(図6)をがたつき無く受容可能な寸法の隙間34を介して、支柱20の軸線20a′に沿った方向へ、互いに対向して配置される。ガラス支持具50は、後述するように窓枠部の上でガラス板12を支持する間、第1係合要素22の第1係合端22bと第2係合要素24の第2係合端24bとが互いに協働して窓枠部に係合して、窓枠部の縁部分36の表面36a及び裏面36b(図6)にそれぞれ安定して接触した状態で、第1係合端22bと第2係合端24bとの間に窓枠部の縁部分36をがたつき無く挟持し、それにより、ガラス板12を窓枠部に組み付けた状態を維持する。
図示実施形態では、第1係合要素22の第1係合端22bと第2係合要素24の第2係合端24bとは、基部14の表面14aに直交しかつ軸線20a′を含む仮想平面Pから、軸線20a′を中心として支柱20の周方向へ略90度離隔した位置に配置される。この構成により、第1及び第2係合端22b、24bの間に窓枠部の縁部分36(図6)を、第1及び第2係合端22b、24bと縁部分36(図6)との接触点を中心として、仮想平面Pに沿った方向へ揺動可能に挟持することができる。したがって、ガラス支持具50の取付部16を乗物の窓枠部に取り付けたときに、窓枠部上でのガラス支持具50の取付姿勢を、所定角度に渡り、仮想平面Pに沿った方向へ容易に変更できる。なお、支柱20の側方へ張り出す第1及び第2係合端22b、24bの張り出し寸法を拡大する等、第1及び第2係合要素22、24の寸法や形状を適宜修正すれば、第1及び第2係合端22b、24bが、仮想平面Pから軸線20a′を中心として支柱20の周方向へ90度以外の角度だけ離隔した位置に配置される構成であっても、窓枠部上でのガラス支持具50の取付姿勢を仮想平面Pに沿った方向へ変更できるようになる。
上記構成を有するガラス支持具50によっても、前述したガラス支持具10と同等の種々の効果が奏される。また、ガラス支持具50においても、ガラス支持具10と同様の様々な変形が可能である。例えば、取付部16は、第1係合要素22と第2係合要素24とをそれぞれに有する一対の係合構造42が、支柱20の周囲で、仮想平面Pを挟んで互いに反対側の位置に設けられる構成とすることができる(図8)。この場合、一対の係合構造42の位置は、支柱20の軸線20aを中心として互いに正確に180度回転した図示の位置に限定されず、仮想平面Pに対する面対称位置であれば良い。或いは、乗物の窓枠部に対する取付部16の取付機能が所要の信頼性を発揮できることを前提に、単一の係合構造42のみを有する構成とすることもできる。
図示実施形態によるガラス支持具10、50は、乗物の本体パネルに形成した窓枠部に固定式のガラス板を接着剤により固定する際の、接着剤硬化中の仮止め用具として使用できる。例えば自動車の固定式窓ガラスは、一般に、ガラス板の全周縁に渡りウレタン接着剤等の硬化性接着剤を介して窓枠部に気密固定されるが、接着剤が硬化するまでの間、ガラス板を重力に抗して支持するとともに、他の作業による本体パネルの振動や本体パネル内部の気圧変化等によってガラス板が移動することを防止するべく、図示実施形態によるガラス支持具10、50を用いてガラス板を窓枠部上の所定位置に保持することができる。
以下、図9及び図10を参照して、図示実施形態によるガラス支持具10、50の一適用例として、第2の実施形態によるガラス支持具50を用いて、自動車の固定式リアウインドガラスを本体パネルの窓枠部に組み付ける構成を説明する。
図9及び図10に模式図的に示すように、固定式リアウインドガラスを構成するガラス板52は、全体として線対称の湾曲形状を有し、略平坦な中央領域52Aと、中央領域52Aから両側方へ適当な曲率で湾曲して延長される一対の端部領域52Bとを備える。また、自動車の本体パネルに形成された窓枠部54は、本体パネルの板金材の接合部分として内向フランジ状に延長される縁部分56を有する。
窓枠部54に対するガラス板52の仮止め箇所は、ガラス板52に加わる重力等の外力を効果的に担持できるとともに、ガラス板52の湾曲した両端部領域52Bを窓枠部54に適正に沿わせて保持できることを考慮して、少なくとも窓枠部54の縁部分56の下辺及び左右両辺の所望位置に設定される。図示の例では、窓枠部54の縁部分56の左右両辺の下方位置に、ガラス支持具50を取り付けるための受け座58がそれぞれ形成され、各受け座58の所定位置に、ガラス支持具50の取付部16を嵌入する取付穴60が形成されている。
ガラス支持具50は、窓枠部54の個々の取付穴60の位置に対応して、ガラス板52の対称軸52aから離隔した一対の端部領域52Bに分散して配置され、各端部領域52Bの所定位置に固着層18(図7)を介して固着される。ここで、ガラス支持具50の取付部60と窓枠部54の縁部分56の取付穴60とは、支柱20(図7)が取付穴60に挿入可能であるとともに、第1係合要素22(図7)が弾性変形を伴いながら取付穴60の内縁を乗り越えることができる一方、第2係合要素(図7)が取付穴60に挿入不能であるような、寸法関係及び相対位置関係を有する。また、図10に部分断面図として併記して示すように、支柱20は、その側面20b上で周方向へ互いに離隔した3箇所以上の接触点Cで、取付穴60の内縁に同時接触可能な形状を有する。
窓枠部54へのガラス板52の組付作業に際しては、所定個数のガラス支持具50を所定位置に固着したガラス板52を、人手又は機械(例えばロボット)により持ち上げて、それらガラス支持具50の取付部16を、窓枠部54の縁部分56に形成した対応の取付穴60に位置合わせしつつ挿入する。窓枠部54に対するガラス板52のこのような組付動作は、ガラス板52を窓枠部54に正対した姿勢に保持しながら、ガラス板52の対称軸52aにおける中央領域52Aの法線の方向(図示矢印α)へガラス板52を平行移動させることで実行される。それにより、全てのガラス支持具50の取付部16が対応の取付穴60に同期して挿入される。このような組付動作において、ガラス板52の一対の端部領域52Bは、窓枠部54に対するガラス板52の組付動作方向αに斜交して配置される。
各ガラス支持具50は、基部14に対する取付部16の斜交方向(つまりガラス板52から見た取付部16の突出方向)がガラス板52の組付動作方向αに可及的に近づくように、位置決め及び方向付けされて、ガラス板52の端部領域52Bの所定位置に固着される。このとき、基部14に対する取付部16の斜交方向がガラス板52の組付動作方向αに平行(つまり支柱20の軸線20a′が組付動作方向αに平行)であれば、取付穴60の形状を、支柱20の横断面形状(例えば円形)に可及的に近似した形状(例えば正方形)にして、支柱20が取付穴60にがたつき無く受容されるように構成できる。これに対し、基部14に対する取付部16の斜交方向がガラス板52の組付動作方向αに対し傾斜した方向である(つまり支柱20の軸線20a′が組付動作方向αに対し傾斜している)場合には、第1及び第2係合要素22、24(図7)を縁部分56に係合させるに要する取付部60の所要長さ部分を取付穴60に障害無く挿入できるようにするために、取付穴60の形状を、当該所要長さ部分を組付動作方向αへ投影した形状(例えば長方形)に対応させる必要がある。その結果、取付穴60の寸法が、組付動作方向αに対して支柱20が傾いている方向へ拡大され、支柱20と取付穴60との間に空隙S(図10の部分断面図参照)が形成されることになる。そこで、上記したように、ガラス支持具50をガラス板52上で、基部14に対する取付部16の斜交方向がガラス板52の組付動作方向αに可及的に近づくように、位置決め及び方向付けすることにより、取付穴60(すなわち空隙S)の寸法増加を抑制できる。
ガラス板52の組付動作に伴い、各ガラス支持具50の取付部16を窓枠部54の取付穴60に挿入すると、最初に取付部16の支柱20の先端部分28(図7)が取付穴60に進入する。この組付動作中に、個々のガラス支持具50と対応の取付穴60との位置が若干ずれていた場合には、取付部16の支柱先端部分28のテーパ状の外面が、取付穴60への進入に伴って取付穴60の内縁に摺動接触して、ガラス支持具50(したがってガラス板52)と取付穴60(したがって窓枠部54)との相対位置関係を自動的に修正する。取付部16を取付穴60にさらに挿入すると、支柱20の主部分26(図7)が取付穴60に進入し、それに伴い第1係合要素22(図7)が、その山形の外面で取付穴60の内縁から径方向内方への押圧力を受けて弾性的に撓む。第1係合要素22は、山形の外面の頂点が取付穴60の内縁を乗り越えた時点で径方向外方へ弾性復元して、第1係合端22bで、窓枠部54の縁部分56(詳しくは受け座58)の車内側の表面(図6では表面36a)に係合する。それと同時に、第2係合要素24(図7)がその第2係合端24bで、窓枠部54の縁部分56(詳しくは受け座58)の車外側の表面(図6では裏面36b)に係合する。この状態で、第1係合端22bと第2係合端24bとの間に窓枠部54の縁部分56ががたつき無く挟持されて、取付部16が縁部分56に取り付けられる。このようにして、湾曲形状のガラス板52が、ガラス板52の両端部領域52Bに固着したガラス支持具50により、窓枠部54に組み付けた状態に仮止めされる。
図10は、上記した組付動作の結果として得られたガラス仮止め構造70を示す。ガラス仮止め構造70は、自動車の本体パネルに形成される窓枠部54と、窓枠部54に固定して設置されるガラス板52と、基部14及び基部14に設けられる取付部16をそれぞれに備え、各々の基部14がガラス板52に固着されるとともに各々の取付部16が窓枠部54に取り付けられて、ガラス板52を窓枠部54の上で支持する複数のガラス支持具50とを含んで構成される。
図10に模式図的に示すように、ガラス板52を窓枠部54に適正に組み付けた状態で、個々のガラス支持具50は、取付部16の支柱20が、支柱20の周方向へ互いに離隔した3箇所以上の接触点Cで、対応の取付穴60の内縁に同時に接触する。図示の模式図的構成では、略長方形輪郭を有する取付穴60の一対の長辺上に1つずつ接触点Cが設けられるとともに、同取付穴60の一方の短辺上に1つの接触点Cが設けられている。このとき、各ガラス支持具50の支柱20は、支柱20の側面20bの、ガラス板52の対称軸52aから離反する部位(つまり対称軸52aから見て外側の部位)に、3箇所以上の接触点Cのうち少なくとも1つの接触点Cを有するように構成される。ガラス板52の両端部領域52Bに固着した一対のガラス支持具50が、対応の取付穴60との間にいずれもこのような位置関係を有することにより、各ガラス支持具50の支柱20と取付穴60との間に前述した空隙Sが形成されているにも関わらず、ガラス板52は、ガラス支持具50により、窓枠部54の予め定めた位置に安定して静止保持される。つまり、ガラス支持具50は、単体では、乗物の窓枠部上で取付姿勢を容易に変更できる(つまり窓枠部上で揺動できる)ものであるが、図示のようにガラス板52の両端部領域52Bに一対のガラス支持具50を固着して使用する形態では、窓枠部54に対する個々のガラス支持具50の揺動軸線が互いに一致しないので、各ガラス支持具50の窓枠部54上での取付姿勢を固定することができる。この状態で、ガラス板52は、複数のガラス支持具50により、窓枠部54に対し所定の位置及び姿勢に安定して静止保持される。
図10に示すように、ガラス板52を窓枠部54に適正に組み付けた状態で、ガラス板52と窓枠部54の縁部分56(受け座58以外の部分)との間には、予め定めた間隔Gが与えられる。間隔Gは、例えば自動車の本体パネルの外表面とガラス板52の外表面との段差を可及的に排除する(つまりフラッシュサーフェイス化する)ことを目的として、自動車の設計時に予め規定される。そしてこの間隔Gの空間に、ガラス板52を縁部分56に固定する接着剤や間隔保持用及びシール用のラバーストリップ等の部品(図示せず)が設置される。ガラス支持具50は、取付部16の第2係合要素24が、ガラス板52の仮止め中にガラス板52と縁部分56との間に間隔Gを確保するスペーサとしても機能する。
図示のガラス仮止め構造70において、窓枠部54の縁部分56の受け座58は、取付穴60を高精度に形成することを可能にするためのものであって、縁部分56の所望箇所に局部的平坦面として、通常はプレス加工により形成される。ここで、縁部分56における受け座58の深さや面角度は、加工後の受け座58の強度確保等の、プレス加工上の制約によってある程度限定される。そして、ガラス板52の端部領域52Bに固着したガラス支持具50を、前述したように取付部16を取付穴60に嵌入することで受け座58に取り付けると、ガラス板52と受け座58との間に、第2係合要素24の寸法(特に基部14からの高さ)によって決まる間隔が与えられ、それに伴い、ガラス板52と縁部分56(受け座58以外の部分)との間に所定の間隔Gが与えられる。換言すれば、ガラス板52と縁部分56(受け座58以外の部分)との間に所定の間隔Gを確保することを目標として、ガラス支持具50の第2係合要素24の寸法を考慮しながら、縁部分56上での受け座58の位置を決定することができる。
このようにして受け座58の位置が決まると、それに対応してガラス板52上でのガラス支持具50の位置も決定する。ここで、上記したように縁部分56における受け座58の深さや面角度はプレス加工上の制約によりある程度限定され、その制約の下で構造的に最適な受け座58を形成することを優先した場合には、受け座58と、ガラス板52上で所与の固着姿勢に置かれているガラス支持具50との、相対位置(姿勢を含む)関係が、縁部分56上での受け座58の位置(したがってガラス板52上でのガラス支持具50の位置)に応じて変動する傾向がある。このような状況の下で、図示のガラス仮止め構造70が有するガラス支持具50は、前述したように、その取付部16を受け座58の取付穴60に取り付けたときに、窓枠部54上でのガラス支持具50の取付姿勢を容易に変更できるものであるから、相対位置関係の異なる受け座58に対しても、取付部16を確実に取付穴60に取り付けることができる。
したがって、ガラス仮止め構造70によれば、取付部16の構造が同一の1種類のガラス支持具50を、縁部分56上での受け座58の位置(したがってガラス板52上でのガラス支持具50の位置)に関わらず使用して、湾曲したガラス板52を窓枠部54に組み付けることができるから、ガラス設置作業に関するコストを削減でき、工程や部品管理を簡略化できる。また、窓枠部54の縁部分56の所望位置に構造的に最適な受け座58を形成できるので、乗物の本体パネルに対するプレス加工上の制約に無関係に、ガラス設置作業を実行することができる。さらに、例えば自動車の車種が変更され、窓ガラスの湾曲形状や窓枠部のプレス加工上の制約が変化した場合にも、同一構造の1種類のガラス支持具50を用いてガラス板を窓枠部に組み付けることができるから、コストの上昇や工程の煩雑化を防止できる。
上記したガラス仮止め構造70において、例えば車種の変更等により、ガラス板52と縁部分56(受け座58以外の部分)との間に確保すべき間隔Gが変更された場合には、窓枠部54の縁部分56における受け座58の位置を調整するだけでなく、受け座58の深さを調整することで、同一のガラス支持具50を用いてガラス板を窓枠部に組み付けることができる。ただし、要求される受け座58の深さ調整がプレス加工上の制約を逸脱する程度に大きい場合は、取付部16の第2係合要素24の寸法(特に基部14からの高さ)が異なる別種類のガラス支持具50を用意すればよい。この場合、ガラス支持具50は、取付部16の第1及び第2係合要素22、24がそれらの第1及び第2係合端22b、24bを互いに対向させて配置されているから、例えばガラス支持具50を適当な樹脂材料から射出成形工程により一体成形する際に、図11に示すように、射出成形型の成形キャビティのうち、第1及び第2係合要素22、24を成形する部分のみを、交換可能な中子72から構成することで対応できる。この構成によれば、複数種類の中子72を用意するだけで、第2係合要素24の寸法が異なる複数種類のガラス支持具50を作製できるので、コストの上昇を抑制できる。なお、図示しないが、ガラス支持具50の支柱20の内面は、単純な筒形の中子により成形できる。
上記したガラス仮止め構造70において、ガラス支持具50が、ガラス板52の端部領域52Bの、中央領域52Aに対する湾曲角度がさらに大きい位置に固着される場合には、取付部16の支柱20の軸線20a′とガラス板52の組付動作方向αとの成す角度が増加する。この場合、取付穴60の寸法を、組付動作方向αに対して支柱20が傾いている方向へ拡大する(つまり空隙Sを拡大する)ことで、取付部16を取付穴60に障害無く挿入できるようになる。ただし、取付穴60の寸法は可及的に小さいことが望まれるので、プレス加工上の制約の範囲内での受け座58の深さ調整を同時に行って、取付穴60の寸法を決定することが望ましい。なお、図示のガラス仮止め構造70において、取付穴60の寸法の拡大が許容される場合には、ガラス支持具50に代えて、直立した取付部16を有するガラス支持具10を使用することもできる。
他方、上記したガラス仮止め構造70において、ガラス支持具50が、ガラス板52の端部領域52Bの、中央領域52Aに対する湾曲角度がさらに小さい位置(例えば中央領域52Aに隣接する位置)に固着される場合には、取付部16の支柱20の軸線20a′とガラス板52の組付動作方向αとの成す角度が減少する。この場合、軸線20a′と組付動作方向αとの成す角度が零に近づくほど、取付穴60の寸法を縮小する(つまり空隙Sを縮小する)ことができる。しかし、軸線20a′と組付動作方向αとの成す角度が負になる(例えば図10で、対称軸52aに対し支柱20が外向きに傾く)場合には、取付穴60の寸法を、組付動作方向αに対して支柱20が傾いている方向へ拡大して、取付部16を取付穴60に挿入できるようにしたとしても、支柱20と取付穴60との間の空隙Sが対称軸52aから見て外側に形成されてしまうので、ガラス板52を窓枠部54上で静止保持できなくなる恐れがある。そこでこの場合には、ガラス板52上でガラス取付具50の姿勢を180度反転させ、対称軸52aに対し支柱20が内向きに傾いた状態(つまり図10と同様の状態)にして、ガラス板52の組付作業を行えば良い。
ガラス仮止め構造70におけるガラス支持具50の使用例を、図12〜図15を参照して説明する。なお、図示の例で使用したガラス支持具50は、軸線20a′上での支柱20の高さH1が25mm、支柱20の直径Dが10mm、第2係合要素24の高さH2が9mmの寸法を有する。また、第1係合要素22の第1係合端22bの表面は、曲率半径3mmの凸曲面38(図5)として形成され、第2係合要素24の第2係合端24bの表面は、曲率半径0.5mmの凸曲面40(図5)として形成されている。
図12〜図15は、所定寸法の略長方形輪郭を有する取付穴60に対し、ガラス板52の端部領域52Bの湾曲角度θ1及び受け座58の相対角度θ2が異なる状況での、ガラス支持具50の使用例を示す。ここで、端部領域52Bの湾曲角度θ1は、対称軸52aにおける中央領域52A(図10)の接平面と、支柱軸線20a′における端部領域52Bの接平面との成す角度で表すことができる。また、受け座58の相対角度θ2は、支柱軸線20a′における端部領域52Bの接平面と受け座58の表面との成す角度で表すことができる。
図12に示す使用例は、ガラス板52の端部領域52Bの湾曲角度θ1が30度、受け座58の相対角度θ2が15度のものである。この場合、受け座58(取付穴60)の法線と支柱軸線20a′との成す角度θ3が5度の状態で、長辺L1が14mm、短辺L2が10mmの取付穴60に対し、ガラス支持具50を使用して、ガラス板52を窓枠部54に組付動作方向αで組み付けることができる。
図13に示す使用例は、ガラス板52の端部領域52Bの湾曲角度θ1が10度、受け座58の相対角度θ2が10度のものである。この場合、受け座58(取付穴60)の法線と支柱軸線20a′とが平行な状態で、長辺L1が14mm、短辺L2が10mmの取付穴60に対し、ガラス支持具50を使用して、ガラス板52を窓枠部54に組付動作方向αで組み付けることができる。この使用例では、取付穴60の寸法を縮小して、空隙Sを排除することもできる。
図14に示す使用例は、ガラス板52の端部領域52Bの湾曲角度θ1及び受け座58の相対角度θ2のいずれも、0度のものである。この場合、受け座58(取付穴60)の法線と支柱軸線20a′との成す角度θ3が10度の状態で、長辺L1が14mm、短辺L2が10mmの取付穴60に対し、ガラス支持具50を使用して、ガラス板52を窓枠部54に組付動作方向αで組み付けることができる。この使用例では、図12及び図13の使用例に対し、端部領域52B上でのガラス支持具50の姿勢が180度反転されている。
図15に示す使用例は、ガラス板52の端部領域52Bの湾曲角度θ1が40度、受け座58の相対角度θ2が15度のものである。この場合、受け座58(取付穴60)の法線と支柱軸線20a′との成す角度θ3が5度の状態で、長辺L1が16mm、短辺L2が10mmの取付穴60に対し、ガラス支持具50を使用して、ガラス板52を窓枠部54に組付動作方向αで組み付けることができる。この使用例では、図12〜図14の使用例に対し、取付穴60の寸法が拡大されている。
このように、上記使用例では、ガラス板52の端部領域52Bの湾曲角度θ1が0度以上30度以下、受け座58の相対角度θ2が−10度以上15度以下の範囲で、同一のガラス支持具50を用いて同一寸法の取付穴60に対し、ガラス板52の組付作業を実行できる。
なお、上述した実施例の形状、寸法、傾斜角度等の数値は、一例であって、本発明を何ら限定するものではない。