JP2011104871A - 積層シート、およびそれを用いた成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インキ層4を、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)、テルペン系樹脂(B1)、スチレン系ハードレジン(B2)および脂環式炭化水素系樹脂(B3)からなる群から選択される樹脂(B)、顔料、および有機溶剤からなるインキ組成物によって形成し、また上記積層シートより成形体を成形する。
【選択図】図1
Description
(1)ポリスチレン系樹脂またはポリオレフィン系樹脂から選ばれる樹脂を主成分として含む樹脂組成物からなる基材シートに、少なくとも一方の面にインキ層を形成した熱可塑性樹脂フィルムを、該インキ層を介して積層してなる積層シートであって、前記インキ層が、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)、テルペン系樹脂(B1)、スチレン系ハードレジン(B2)および脂環式炭化水素系樹脂(B3)からなる群から選択される樹脂(B)、顔料、および有機溶剤からなるインキ組成物によって形成されていることを特長とする積層シート。
(2)前記インキ組成物における樹脂(B)が、テルペン系樹脂(B1)、スチレン系ハードレジン(B2)および脂環式炭化水素系樹脂(B3)からなる群から選択される2種以上の混合物であることを特長とする前記(1)記載の積層シート。
(3)前記インキ組成物におけるスチレン系ハードレジン(B2)が、スチレンおよびα−メチルスチレンからなる群から選択されるスチレン系モノマーを必須モノマーとする1種または2種以上のモノマーから構成される(共)重合体であることを特長とする前記(2)記載の積層シート。
(4)前記インキ組成物におけるスチレン系熱可塑性エラストマー(A)が、スチレン−オレフィンおよび/または共役ジエン−スチレンブロック共重合体およびそれらの水素添加物からなる群から選択される1種または2種以上の混合物であることを特長とする前記(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の積層シート。
(5)前記インキ組成物におけるスチレン系熱可塑性エラストマー(A)が、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物およびスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物からなる群から選択される1種または2種以上の混合物であることを特長とする前記(4)記載の積層シート。
(6)前記インキ組成物におけるスチレン系熱可塑性エラストマー(A)が酸価を有するものと酸価を有しないものからなり、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)全体の酸価が1〜30mgKOH/gの範囲内であることを特長とする前記(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の積層シート。
(7)前記インキ組成物において、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)と樹脂(B)とを、9/1〜1/9の重量比で含有することを特長とする前記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の積層シート。
(8)前記インキ組成物において、インキ組成物の総重量に基づいて、3〜20重量%の有機顔料、または3〜50重量%の無機顔料を含有することを特長とする前記(1)乃至(7)のいずれか一項に記載の積層シート。
(9)前記インキ組成物における有機溶剤が、芳香族炭化水素系溶剤および脂環式炭化水素系溶剤からなる群から選択される1種または2種以上の有機溶剤であることを特長とする前記(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の積層シート。
(10)前記(1)記載の積層シートを成形してなる成形体。
本発明の積層シートは、ポリスチレン系樹脂またはポリオレフィン系樹脂から選ばれる樹脂を主成分として含む樹脂組成物からなる基材シートに、熱可塑性樹脂フィルムが、接着層を設けることなく、インキ層を介して積層されて構成されている。本発明においては、インキ層がスチレン系熱可塑性エラストマー(A)、テルペン系樹脂(B1)、スチレン系ハードレジン(B2)および脂環式炭化水素系樹脂(B3)からなる群から選択される樹脂(B)、顔料、および有機溶剤からなるインキ組成物によって形成されている。前記インキ組成物において、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)と、テルペン系樹脂、スチレン系ハードレジンおよび脂環式炭化水素系樹脂からなる群から選択される樹脂(B)とは、ブレンドされているものであり、熱可塑性エラストマーと共重合性モノマーからなる重合体で構成される樹脂(溶液)を用いるものではない。
上記共重合体を構成する、オレフィンとしては、炭素数2〜12またはそれ以上のもの、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等のC4〜C20のα−オレフィンの単独または2種以上の併用系、また、共役ジエンとしては、C4〜C20のもの、例えばブタジエン、イソプレン、及びこれらの併用系が挙げられる。
スチレン系エラストマーの具体例としては、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)などのスチレンとオレフィンとのブロックおよびランダム共重合体;スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−ブタジエンのランダム共重合体などのスチレンと共役ジエンとのブロックおよびランダム共重合体;およびこれらの共重合体の水素添加物〔例えば水添SEBS、水添SIS〕;ならびにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
変性に用いる、単量体としては、1)水酸基含有単量体、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等;2)カルボン酸(無水物)基含有単量体、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、(無水)シトラコン酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等;3)アミド基含有単量体、例えば(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド等;4)エステル基含有単量体、例えば(メタ)アクリル酸エステル〔アルキル(C1〜C20またはそれ以上)(メタ)アクリレート、たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等;シクロアルキル−,アラルキル−およびアリール(メタ)アクリレート、たとえばシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等;ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、たとえばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等〕、(メタ)アクリル酸以外の上記カルボン酸基含有単量体の相当するエステル(アルキル−,シクロアルキル−,アラルキル−,アリール−およびジアルキルアミノアルキル−エステル)、ビニルエステル(たとえば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル);5)エポキシ基含有単量体、たとえばグリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート等;6)イソシアネ−ト基含有単量体、たとえばビニルイソシアネート、イソプロペニルイソシアネート等;7)ニトリル基含有単量体、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられ;これらの単量体の1種または2種以上を用いることができる。〔上記および以下において、「(メタ)アクリレート」はアクリレートおよび/またはメタクリレート、「(無水)マレイン酸」はマレイン酸および/または無水マレイン酸を表し、その他も同様の表現を用いる。〕変性に用いる単量体の量は、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)の重量に基づいて、0.5〜20%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜15%である。
かかるスチレン系熱可塑性エラストマー(A)の具体例としては、以下のものが挙げられる:
1)エポキシ(0.7%)変性SBS(スチレン40%)〔ダイセル化学工業(株)製エポフレンドCT310〕
2)エポキシ(1.5%)変性SBS(スチレン40%)〔ダイセル化学工業(株)製エポフレンドAT501〕
3)水添SEBS(スチレン30%)〔旭化成ケミカルズ(株)製タフテックH1031〕
4)水添SEBS(スチレン30%)〔旭化成ケミカルズ(株)製タフテックH1141〕
5)MA変性水添SEBS(スチレン30%)(酸価10)〔旭化成ケミカルズ(株)製タフテックM1913〕
6)MA変性水添SEBS(スチレン20%)(酸価10)〔旭化成ケミカルズ(株)製タフテックM1943〕
7)SIS(スチレン16%)〔日本ゼオン(株)製クインタック3433N〕
8)SIS(スチレン25%)〔日本ゼオン(株)製クインタック3460〕
9)SIS(スチレン20%)〔(株)クラレ製ハイブラー5127〕
10)水添SIS(スチレン20%)〔(株)クラレ製ハイブラー7125〕
11)SEPS(スチレン30%)〔(株)クラレ製セプトン2002〕
12)SEPS(スチレン30%)〔(株)クラレ製セプトン2007〕
13)SEPS(スチレン13%)〔(株)クラレ製セプトン2063〕
14)SEPS(スチレン30%)〔(株)クラレ製セプトン4033〕
15)SEBS(スチレン30%)〔(株)クラレ製セプトン8007〕
16)SEBS(スチレン30%)〔(株)クラレ製セプトン8076〕
17)SEEPS(スチレン28%)〔(株)クラレ製セプトンHG252〕
粘度 15wt%トルエン溶液、30°C
硬度 JIS K6253 タイプA
破断強度 JIS K6251 ダンベル3号
引張速度500mm/分
破断伸度 JIS K6251 ダンベル3号
引張速度500mm/分
テルペン系樹脂(B1)のうちで好ましいのは、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂および水素添加テルペン樹脂であり、更に好ましいのは未変性のテルペン樹脂、とくにα−ピネン樹脂およびβ−ピネン樹脂である。
上記のようなテルペン系樹脂(B1)をスチレン系熱可塑性エラストマー(A)と併用することにより、未処理ポリオレフィンフィルム、とくに接着が困難である未処理ポリエチレンフィルムに対して、良好な接着性を発揮することができる。
前記スチレン系ハードレジン(B2)には、スチレン系モノマーの1種以上の(共)重合体、スチレン系モノマーの1種以上(50%以上)と炭化水素モノマー{他の芳香族系モノマーおよび/または脂肪族系モノマー}の1種以上との共重合体、およびこれらの(共)重合体の水素添加物、ならびにこれらの2種以上の混合物が含まれる。
前記スチレン系ハードレジン(B2)を構成するスチレン系モノマーとしては、スチレン、およびアルキル置換スチレン、例えば、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、p−エチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、イソプロぺニルスチレン等;芳香族系モノマーとしては、通常C9留分といわれる芳香族系モノマー含有混合物「ナフサの熱分解により得られるC6〜C11留分のBTX抽出残留分」、更に他の芳香族系(多環芳香族を含む)モノマー(側鎖に不飽和結合を有する芳香族系炭化水素)、例えばクマロン、インデン、メチルインデン、ビニルナフタリン等;脂肪族系モノマーとしては、例えばエチレン、プロピレンなどのオレフィンが挙げられる。
前記スチレン系ハードレジン(B2)の具体例としては、スチレン系モノマー単独重合体、例えば、スチレン単一重合体{(株)理化ファインテク製「ピコラスチック」、三井化学(株)製「FTR8000」}、α−メチルスチレン単一重合体{三井化学(株)製「FTR Zero」、(株)理化ファインテク製「クリスタレックス」}、ビニルトルエン単一重合体{「ピコテックス」(株)理化ファインテク製}、およびスチレン系モノマー(2種以上)の共重合体、例えばα−メチルスチレン/スチレン共重合体{三井化学(株)製「FTR 2000」}、これらの芳香族変性品、例えばスチレン/芳香族系モノマーの共重合体{三井化学(株)製「FMR」}、および、脂肪族変性品、すなわちスチレン系モノマー/脂肪族系モノマーの共重合体、例えばスチレン/脂肪族系モノマー共重合体{三井化学(株)製「FTR 6000」}、スチレン/α−メチルスチレン/脂肪族モノマー共重合体{三井化学(株)製「FTR 7000」}:並びに、これらの(共)重合体の水素添加物、例えばα―メチルスチレン/ビニルトルエン/β−メチルスチレン水添共重合体{(株)理化ファインテク製「リガレッツ」}が挙げられる。
前記スチレン系ハードレジン(B2)のうち、好ましいのは、スチレン系モノマーの(共)重合体およびその芳香族変性品である。更に好ましいのは、α−メチルスチレンを主構成単位とするスチレン系モノマーの(共)重合体{α−メチルスチレン単一重合体、α−メチルスチレン/スチレン共重合体}およびその芳香族変性品、とくに前者{α−メチルスチレン単一重合体、およびα−メチルスチレン/スチレン共重合体(共重合比:好ましくは95/5〜1/99、とくに80/20〜5/95)}である。
これらのスチレン系ハードレジン(B2)は何れも、耐油性や耐熱性および硬度を向上させ、また乾燥性を向上させる効果を有している。また、これらは用途・要求性能により適宜選択される。例えば、より硬度が必要なものには、分子量が大きく、軟化点の高いα−メチルスチレン単一重合体、およびα−メチルスチレン/スチレンの共重合体が用いられる。一方、接着性が必要とされ、耐油性などはさほど要求されないものに対しては、耐ブロッキング性や乾燥性のみを重視した変性樹脂、スチレン単一重合体が用いられる。
また、スチレン系ハードレジン(B2)としては、以下のような範囲の特性/物性値を有するものが好ましい。
測定法:軟化点 JIS K2207
溶融粘度(200℃) B型粘度計による
脂環式炭化水素系樹脂(B3)を用いることによって、とくに処理および未処理のポリプロピレンに対して、良好な接着性を示す。
また、前記スチレン系熱可塑性エラストマー(A)と前記樹脂(B)の合計の含有量は、インキ組成物の総重量に基づいて10〜40重量%、特に12〜35重量%、不揮発分の重量に基づいて15〜95重量%、特に30〜90重量%となる範囲が好ましい。
これらのうちで、芳香族炭化水素系溶剤、脂環式炭化水素系溶剤などが、本発明のインキ組成物の材料に対して良溶媒である点で、好ましい。有機溶剤含有量はインキ組成物中の不揮発分の濃度が5〜60重量%、特に15〜50重量%となる範囲で用いるのが好ましい。
オリゴマーとしては、ブタジエンを重合させてなる液状のアタクティック・ブタジエンオリゴマー(1,2−PB)、その水素添加物、それらの変性物〔酸もしくは酸無水物(無水マレイン酸など)またはグリコール(エチレングリコールなど)で変性してカルボキシル基,水酸基などの反応性基・親水基を導入したもの〕、具体的には例えば以下のものが挙げられる。これらのオリゴマーは、粘着性付与剤として、また耐水性、耐薬品性、電気特性、機械的強度、耐熱性等の特性の向上、エラストマーにこれらの特性を付与する目的で用いられる。
1)1,2−PB〔日本曹達(株)製NISSO−PB B−1000〕
2)グリコール変性1,2−PB〔日本曹達(株)製NISSO−PB G−1000〕
3)グリコール変性水添1,2−PB〔日本曹達(株)製NISSO−PB GI−1000〕
4)酸変性1,2−PB(酸価55〜70)〔日本曹達(株)製NISSO−PB C−1000〕
5)酸変性水添1,2−PB(酸価44〜59)〔日本曹達(株)製NISSO−PB CI−1000〕
6)MA変性1,2−PB(酸価130〜155)〔日本曹達(株)製NISSO−PB BN−1015〕
これらの含有量は種々変えることができるが、一般に、インキ組成物(溶剤も含む)の総重量に基づいて、安定剤は5重量%以下、特に0.1〜2重量%が好ましく、その他の添加剤は15重量%以下、特に3〜10重量%が好ましい。
以下の実施例において使用したインキ組成物のスチレン系熱可塑性エラストマー(A)、テルペン系樹脂(B1)、スチレン系ハードレジン(B2)、脂環式炭化水素系樹脂(B3)からなる群から選択される樹脂(B)、顔料、ワックスおよび添加剤は、次の通りである。
スチレン系熱可塑性エラストマー(A)
エラストマー(1):酸変性水添スチレン系(SEBS型)熱可塑性エラストマー〔旭化成ケミカルズ(株)製、タフテックM−1943〕
エラストマー(2):水添スチレン系(SIS型)熱可塑性エラストマー〔(株)クラレ製、ハイブラー7125〕
エラストマー(3):エポキシ変性スチレン系(SBS型)熱可塑性エラストマー〔ダイセル化学工業(株)製、エポフレンドCT310〕
エラストマー(4):水添スチレン系(SEPS型)熱可塑性エラストマー〔(株)クラレ製、セプトン2007〕
エラストマー(5):ヒドロキシ変性スチレン系(SEEPS型)熱可塑性エラストマー〔(株)クラレ製、セプトンHG252〕
樹脂(B)
樹脂(B)(1):α−メチルスチレン系樹脂〔三井化学(株)製、FTR0120〕
樹脂(B)(2):脂環式飽和炭化水素系樹脂〔荒川化学工業(株)製、アルコンM−135〕
樹脂(B)(3):テルペン系樹脂〔(株)理化ファインテク製、ピコライトA−115〕
顔料(1):カーボンブラック 〔キャボットコーポレーション、リーガル250R〕
ワックス(1):重合脂肪酸アマイド系ワックス〔日本油脂(株)製、アルフローAD281P〕
ワックス(2):ポリエチレンワックス〔南ア・サゾール社製、サゾールワックスSPN−3〕
添加剤(1):シリカ〔(株)トクヤマ、ファインシールE−50〕
(1−1)顔料分散用ワニスIの調製
攪拌機を備えた容器に、エラストマー(1)3部、エラストマー(2)2部、エラストマー(4)3部、樹脂(B)(1)5部、樹脂(B)(2)2部、樹脂(B)(3)1部、有機溶剤としてメチルシクロヘキサン(以下、MCHと略記)35部、エチルシクロヘキサン(以下、ECHと略記)15部,酢酸ノルマルプロピル(以下、NPAcと略記)15部を仕込み、攪拌下に混合、溶解して、顔料分散用ワニスIを調製した。なお、本発明において、「部」は「重量部」を指す。
(1−2)顔料分散用ワニスIIの調製
攪拌機を備えた容器に、エラストマー(1)2部、エラストマー(3)1部、エラストマー(5)7部、樹脂(B)(1)4部、樹脂(B)(2)2部、樹脂(B)(3)2部、有機溶剤としてMCH35部、ECH15部,NPAc15部を仕込み、攪拌下に混合、溶解して、顔料分散用ワニスIIを調製した。
(2−1)顔料分散液黒Iの調製
上記顔料分散用ワニスI81部に、顔料(1)10部を混合し、サンド・ミルにて分散して、顔料分散液黒Iを調製した。
(2−2)顔料分散液黒IIの調製
上記顔料分散用ワニスII83部に、顔料(1)10部を混合し、サンド・ミルにて分散して、顔料分散液黒IIを調製した。
(3−1)黒Iインキ組成物の調製
上記顔料分散液黒I91部に、ワックス(1)0.5部、ワックス(2)0.5部、添加剤(1)0.5部、およびイソプロピルアルコール(以下、IPAと略記)7部を加え、混合・溶解した後、ベントナイト系添加剤〔日本有機粘土(株)、エスベン〕0.5部を混合し、黒Iインキ組成物を調製した。
(3−3)黒IIインキ組成物の調製
上記顔料分散液黒II93部に、ワックス(1)0.5部、ワックス(2)0.5部、添加剤(1)0.5部、およびIPA5部を加え、混合・溶解した後、ジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)〔日本曹達(株)製、T−50〕0.5部を混合し、黒IIインキ組成物を調製した。
サーマルラミネート用塩素化ポリオレフィン樹脂系インキ:
大阪印刷インキ製造(株)製、PEL−SNW 670黒 RB
汎用ラミネート用ポリウレタン樹脂系インキ:
大阪印刷インキ製造(株)製、LB 670黒 R
サーマルラミネート用アクリル/塩素化PP/スチレン系接着剤:
大阪印刷インキ製造(株)製、EXP2022接着剤
上記黒Iインキ組成物、黒IIインキ組成物に対しては、MCH/ECH/NPAc/IPA=55/20/20/5の混合溶剤、比較例に使用したサーマルラミネート用塩素化ポリオレフィン樹脂系インキに対しては、トルエン/MEK/IPA=60/35/5の混合溶剤、比較例に使用した汎用ラミネート用ポリウレタン樹脂系インキに対しては、トルエン/MEK/IPA=40/40/20の混合溶剤、比較例に使用したサーマルラミネート用アクリル/塩素化PP/スチレン系接着剤に対しては、酢酸エチル/MEK/シクロヘキサン=40/30/30の混合溶剤をそれぞれ用いて希釈し、印刷粘度が離合社製ザーンカップ♯3を使用してインキ温度25℃の条件下で17秒になるよう調整した。このように粘度調整されたインキ組成物あるいは接着剤を、グラビア印刷機(印刷版としては175線ダイレクト版、深度30ミクロンを使用)を用いて下記の熱可塑性樹脂フィルムにグラビア印刷してインキ層を形成した。
[熱可塑性樹脂フィルム](処理ポリオレフィン系樹脂フィルム)
処理OPPフィルム(厚さ20μm)
サン・トックス(株)製、サントックス−OP MF−20
処理CPPフィルム(厚さ25μm)
東セロ(株)製、トーセロCP GHC
表4に示す構成となるよう、ロール式熱転写機(中森工業(株)製 型式N−20R)を使用して、表5〜7に示すようにロール表面温度を実施例1、2、比較例1は140℃、160℃、180℃、200℃、実施例3〜6、比較例2、3は120℃、140℃、160℃、180℃で5m/分の速度で、インキ層面と基材シートのラミネートを行い、実施例1〜6、比較例1〜3の積層シートを作製した。
[基材シート]
ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む基材シート:
発泡PP(積水化成品工業(株)製、厚み1.5mm)
ポリスチレン系樹脂を主成分として含む基材シート:
発泡PSP(積水化成品工業(株)製、厚み2.0mm)
実施例1〜6、比較例1〜3の積層シートについて、(株)東洋精機製作所製ストログラフ(M−1型)を用い、熱可塑性樹脂フィルムと基材シート間を常温において剥離し、ラミネート強度(接着強度)を測定した。試験結果を表5〜7(単位:mN/15mm)に示す。
(層構成:処理CPPフィルム+インキ層+発泡PSP)
実施例1〜6、比較例1〜3の積層シートのうち、実施例1、2、比較例1についてはロール表面温度200℃でラミネートした積層シート、実施例3〜6、比較例2、3についてはロール表面温度160℃でラミネートした積層シートを用い、これらの積層シートを、1200Wの赤外線ヒーターにて積層シートが軟化するまで加熱し、金型で積層シートの熱可塑性樹脂フィルム側から加圧して、開口部寸法が90mm×90mm、底面寸法が直径50mmの円形、かつ深さが20mm(基材シートが発泡PPの場合)あるいは30mm(基材シートが発泡PSPの場合)の食品包装を想定する容器を成形体として作成した。
実施例7〜10、比較例4、5の成形体内面に油(日清サラダ油)を脱脂綿にて塗布し、ポリ塩化ビニリデンラップで密閉して、電子レンジ(松下電器産業(株)製、型式 NE−1700)内に1700Wの出力で90秒間加熱し、インキ層と基材シートとがデラミする状況を評価した。試験結果を表9に示す。表9において、評価結果は1〜5の5段階の相対評価であり、5が最良(デラミの発生がなく、電子レンジによる耐性が良好)である。
2 基材シート
3 熱可塑性樹脂フィルム
4 インキ層
11 従来の積層シート
12 基材シート
13 熱可塑性樹脂フィルム
14 従来のインキ層
15 接着層
Claims (10)
- ポリスチレン系樹脂またはポリオレフィン系樹脂から選ばれる樹脂を主成分として含む樹脂組成物からなる基材シートに、少なくとも一方の面にインキ層を形成した熱可塑性樹脂フィルムを、該インキ層を介して積層してなる積層シートであって、前記インキ層が、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)、テルペン系樹脂(B1)、スチレン系ハードレジン(B2)および脂環式炭化水素系樹脂(B3)からなる群から選択される樹脂(B)、顔料、および有機溶剤からなるインキ組成物によって形成されていることを特長とする積層シート。
- 前記インキ組成物における樹脂(B)が、テルペン系樹脂(B1)、スチレン系ハードレジン(B2)および脂環式炭化水素系樹脂(B3)からなる群から選択される2種以上の混合物であることを特長とする請求項1記載の積層シート。
- 前記インキ組成物におけるスチレン系ハードレジン(B2)が、スチレンおよびα−メチルスチレンからなる群から選択されるスチレン系モノマーを必須モノマーとする1種または2種以上のモノマーから構成される(共)重合体であることを特長とする請求項2記載の積層シート。
- 前記インキ組成物におけるスチレン系熱可塑性エラストマー(A)が、スチレン−オレフィンおよび/または共役ジエン−スチレンブロック共重合体およびそれらの水素添加物からなる群から選択される1種または2種以上の混合物であることを特長とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の積層シート。
- 前記インキ組成物におけるスチレン系熱可塑性エラストマー(A)が、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物およびスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物からなる群から選択される1種または2種以上の混合物であることを特長とする請求項4記載の積層シート。
- 前記インキ組成物におけるスチレン系熱可塑性エラストマー(A)が酸価を有するものと酸価を有しないものからなり、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)全体の酸価が1〜30mgKOH/gの範囲内であることを特長とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の積層シート。
- 前記インキ組成物において、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)と樹脂(B)とを、9/1〜1/9の重量比で含有することを特長とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の積層シート。
- 前記インキ組成物において、インキ組成物の総重量に基づいて、3〜20重量%の有機顔料、または3〜50重量%の無機顔料を含有することを特長とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の積層シート。
- 前記インキ組成物における有機溶剤が、芳香族炭化水素系溶剤および脂環式炭化水素系溶剤からなる群から選択される1種または2種以上の有機溶剤であることを特長とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の積層シート。
- 請求項1記載の積層シートを成形してなる成形体。
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