JP2011104533A - ガス分解装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 固体電極とくに電気抵抗が高いほうの電極における電力消費を抑制し、簡単に破損せず、かつガス分解速度の向上をはかることができる、ガス分解装置を提供する。
【解決手段】アノード2、カソード3、固体電解質層1、電源9を備え、電源の陰極とカソードとを導電接続する導体層を備え、カソードは導体層上に接して積層しており、カソード3上に、固体電解質層1/アノード2の積層体が、複数、間隔3gをあけて、位置し、アノードが、電源の陽極に、導電接続されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガス分解装置であって、より具体的には、ガスをエネルギー効率よく分解することができるガス分解装置に関するものである。
ディーゼルエンジン自動車を重視する国々において、厳しい廃ガス規制をクリアする必要があり、ディーゼルエンジンの排出ガスを低減する各種の触媒装置が開発されている。それらの触媒装置のなかで、尿素選択還元システムはNOxを、エンジンスピードが低い温度域で効率よく窒素および水へと還元浄化するものとして推奨されている(非特許文献1)。
また、金属ハニカムの表面に、NOx還元触媒と、炭化水素の酸化触媒と、イオン導電性の固体電解質と、を混合して分散配置して、電気化学的にNOxを分解する方法の提案がなされている(特許文献1)。この発明では、金属ハニカムとして、波状加工されたステンレス鋼波板と、ステンレス鋼平板との重ね合わせにより得られるハニカム構造またはそれと類似の積層構造(特許文献2、非特許文献2)が挙げられている。
また、電気化学反応によってNOx分解を促進するために、固体電解質(SE:Solid Electrolyte)層を挟むアノードとカソードの電圧を印加する方法が提案されている(特許文献3)。
特開2001−070755号公報 特開平05−301048号公報 特開平8−168673号公報
平田公信ら,「大型車ディーゼルの尿素選択還元システム」,自動車技術,Vol.60,No.9,2006,pp28-33 産総研プレスリリース2003年5月20日「電気化学式NOx分解装置」
NOxを分解する尿素選択還元装置については、自動車にとって大掛かりな尿素選択還元装置を排気系統に配置するものであり、重量増をもたらす。自動車用では、当然のことながら小型で軽量であることが強く要求される。
また、金属ハニカムの表面に、NOx還元触媒等を分散配置した方法では、金属ハニカムは薄くて、圧力損失がある程度低くなる利点はあるものの、電気化学反応箇所の密度はそれほど向上せず、また圧力損失の低減も十分ではない。すなわち、小型化と分解効率の両方を推進する点で、不十分である。
電気化学反応を用いる方法では、装置が大掛かりにならない利点を有する。しかし、所定の厚みを有する固体電解質では800〜950℃程度の高温度にしないと、実用的なイオン導電率が得られず、それより低い温度では十分なNOx分解速度を得ることができない。
また、上記の固体電解質には機械的強度が小さく、簡単に破壊するという短所を有している。
本発明は、電気化学反応を用いて所定のガスを分解する装置において、簡単に破損せず、かつガス分解速度の向上をはかることができる、ガス分解装置を提供することを目的とする。
本発明のガス分解装置は、第1電極、第2電極、固体電解質層、および前記第1電極/第2電極間に電圧を印加する電源を備える。このガス分解装置では、電源の陰極と第2電極とを導電接続する導体層を備え、第2電極は導体層上に接して積層しており、第2電極上に接して、固体電解質層および第1電極で構成される(固体電解質層/第1電極)の積層体が、複数、間隔をあけて、位置し、第1電極が、電源の陽極に、導電接続されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、脆弱な固体電解質層は、導電層/第2電極の積層体で補強されるので、耐衝撃性能および耐久性の向上を得ることができる。
また、第2電極反応に関与するガス成分は、(固体電解質層/第1電極)の積層体の上記間隔に露出する第2電極において電気化学反応を進行させる。このため、たとえば酸素イオンが固体電解質中を移動する電気化学反応では、酸素イオンは、間隔に露出する第2電極で生じて、間隔に面する固体電解質層の側面部を通って第1電極にいたる。このため、酸素イオンは固体電解質層の厚み方向に沿って移動するといっても固体電解質層の側面を通るため表面部の移動になる。第2電極、固体旋回質層および第1電極は、焼結によって製作されるが、ペースト等を型に入れて成形するとき、表面層の密度が大きくなるため、酸素イオン等の移動経路の実質的な断面積が大きくなる。このため、酸素イオン等に移動量は多くなり、移動速度は見かけ上、焼結体の内部を移動するよりも大きくなる。この結果、第2電極上に、上記の間隔を適切な大きさとして高密度で配置することで、高能率のガス分解を実行することができる。
また、第2電極の電気抵抗が第1電極の電気抵抗より大きい場合、第2電極を導体層上に配置することで、第2電極が導体層と面接触するため、第2電極における電気抵抗起因の電圧降下を画期的に小さくすることができる。これによって第1電極で消費される電力を大幅に小さく、またはほとんどなくすことができる。そして、電源による電圧印加において、第2電極および固体電解質層の厚み方向に集中して電圧を印加できるので(第1電極は良導体とする)、大きな電場を第2電極/固体電解質層にかけることができ、電気化学反応を促進し、かつイオンの移動速度を向上することができる。このため、電力消費の抑制と、ガス分解速度の向上とを、ともに得ることができる。
さらに、固体電解質、アノード、カソード等はスクリーン印刷などで製造できるのでコスト低減に役立つ。
第2電極がカソードであり、カソードは導体層上に接して積層しており、カソード上に接して、固体電解質層およびアノードで構成される(固体電解質層/アノード)の積層体が、複数、間隔をあけて、位置する構成をとることができる。これによって、カソードの電気抵抗が大きい場合、カソードは導体層と面接触するため、カソードにおける電気抵抗起因の電圧降下を画期的に小さくすることができる。これによってカソードで消費される電力を大幅に小さく、またはほとんどなくすことができる。そして、電源による電圧印加において、カソードおよび固体電解質層の厚み方向に集中して電圧を印加できるので(アノードは良導体とする)、大きな電場をカソード/固体電解質層にかけることができ、電気化学反応を促進し、かつイオンの移動速度を向上することができる。このため、電力消費の抑制と、ガス分解速度の向上とを、ともに得ることができる。なお、アノードおよびカソードにおける電気抵抗の大小は、分解対象のガス成分に応じて変わり、NOx分解の場合、、カソード上でのNOx分解反応の反応速度が遅く律速となる。従ってカソードの電気抵抗がアノードよりも高くなる。
第2電極がアノードであり、アノードは導体層上に接して積層しており、アノード上に接して、固体電解質層およびカソードで構成される(固体電解質層/カソード)の積層体が、複数、間隔をあけて、位置する構成をとることができる。
これによって、アノードの電気抵抗が大きい場合、アノードは導体層と面接触するため、アノードにおける電気抵抗起因の電圧降下を画期的に小さくすることができる。これによってアノードで消費される電力を大幅に小さく、またはほとんどなくすことができる。そして、電源による電圧印加において、アノードおよび固体電解質層の厚み方向に集中して電圧を印加できるので(カソードは良導体とする)、大きな電場をアノード/固体電解質層にかけることができ、電気化学反応を促進し、かつイオンの移動速度を向上することができる。このため、電力消費の抑制と、ガス分解速度の向上とを、ともに得ることができる。
また、カソードの電気抵抗が大きい場合であっても、カソードの面積がガス分解を律速する場合、カソードが上層に位置するのでガスと接触しやすく、未反応のガスが円滑に供給されるので、ガス分解反応を促進する作用を得ることができる。
カソードの面積をアノードの面積より大きくすることができる。この場合、面積は、平面的に見て、見える部分の面積をいい、隠れている部分の面積は含まない。すなわち、間隔の部分の第2電極の面積と、その間隔を挟む部分の第1電極の面積とをいう。カソードの面積をアノードの面積より大きくする場合、つぎの2つの場合が生じる。(A1)カソードが導電層上に接して位置し、カソードの面積がアノードの面積より大きい。(A2)カソードがアノード上に接して(上層に)位置し、カソードの面積がアノードの面積より大きい。
(A1)の場合、カソードの電気抵抗が大きいとき、上述のカソードにおける電力消費を抑制しながら、面積が大きいためガス分解反応を促進することができる。
(A2)の場合、カソードの電気抵抗が大きいとき、上記カソードは上層に位置して未反応のガスの供給が円滑になされてガスと十分接触すること、かつ面積が大きいこと、の両方の因子によって、ガス分解反応を促進することができる。
(固体電解質層/第1電極)の積層体の間隔、および、固体電解質層/第1電極の積層体の幅の大きさを、2μm〜1mmの範囲とすることができる。上記の間隔には第2電極が露出してガス成分と接触して第2電極反応を進行させる。この間隔が2μmより狭いと気体の流出入が阻害され、第2電極反応の進行が妨げられ、かつ確実に間隔を保つことが精度上難しい。また、1mmを超えて大きいと、第2電極の露出部が過大になり電気化学反応の進行が非効率となる。一方、(固体電解質層/第1電極)の積層体の幅の大きさが2μm未満では、第1電極反応を十分進行させることが難しく、かつ確実に積層体の間隔を保つことが精度上難しい。また、1mmを超えると第1電極部分が過大となり、能率的なガス分解の進行が妨げられる。間隔および積層体の幅を上記の範囲にすることで、高効率のガス分解装置とすることができる。
上記の固体電解質層の厚みを、20μm以下とすることができる。これによって、固体電解質層を厚み方向に移動するイオンの移動時間を短くして、ガス分解能率を向上させることができる。固体電解質層の厚みは薄い方がよいが、1μmより薄くして確実に第2電極上に接して配置することは困難なので、1μm以上程度とするのがよい。工作精度上、より薄くできるのであれば、0.5μm程度またはそれ以下であってもよい。
(固体電解質層/第1電極)の積層体は、平面的に見て、(1)並行する2つ以上の線状または帯状、(2)櫛歯状(間隔がサーペンタイン状)、(3)渦巻状、(4)点状またはパッチ状、(5)点状またはパッチ状の領域を囲む領域(点状またはパッチ状領域の補集合領域)、のうちの少なくとも一つの形態をとることができる。これによって、第2電極が露出する上記間隔と、(固体電解質層/第1電極)の積層体を、第2電極上または導体層上に、ファインピッチで稠密に配置することができ、高能率のガス分解装置を得ることができる。
ここで、上述の(固体電解質層/第1電極)の積層体の間隔、および、(固体電解質層/第1電極)の積層体の幅の大きさは、(1)〜(3)についてはそのまま適用可能であるが、(4)および(5)については、次のように定義される。(4)では点状またはパッチ状の領域の平均差し渡し径を、固体電解質層/第1電極の積層体の幅の大きさとし、点状またはパッチ状の領域の平均間隔を、固体電解質層/第1電極の積層体の間隔とする。(5)では、(4)とは固体電解質層/第1電極の積層体の間隔と、固体電解質層/第1電極の積層体の幅の大きさとを逆にすればよい。
導体層は、金属板、または、絶縁基板上に形成された導体層、とすることができる。これによって、固体電解質層等の大きな短所である脆さを克服することができ、たとえば自動車等の衝撃が頻繁に加わる箇所にも用いることができる。すなわち、上記の絶縁基板は、固体電解質層を補強するための基板とするのがよく、これによって、固体電解質の大きな短所である脆さを克服することができ、たとえば自動車等の衝撃が頻繁に加わる箇所にも用いることができる。
金属板の表面および裏面に、または絶縁基板の表面および裏面に設けられた導体層に、第2電極が積層され、該表面側の第2電極および裏面側の第2電極に固体電解質層/第1電極の積層体が、位置する構成をとることができる。これによって、固体電解質層等の大きな短所である脆さを克服しながら、ガス分解装置の小型化を推進することができる。そして、ガス分解装置の配設における空間利用効率を高めることができる。
固体電解質層を酸素イオン導電性とし、第2電極に金属粒連鎖体の酸化物、GDC(gadolinium doped ceria)、およびBaCO3を含ませることができる。これによって、たとえばNOxを導入されたカソードは、NOxと接触することで酸素イオンを抜き出して酸素イオンを固体電界質層に送り出すことができる。その結果、NOxは分解され、カソードから窒素ガスを放出することができる。
固体電解質層をプロトン導電性とし、第2電極に金属粒連鎖体の酸化物、貴金属、およびプロトン導電性材料を含ませることができる。これによって、たとえば第2電極では、第1電極から固体電解質を移動してくるプロトンと電気化学反応を起こし、NOxは分解され、第2電極から窒素ガス、水蒸気等が放出される。一方、第1電極には、水蒸気、炭化水素、水素等の混合ガスを導入され、第1電極はこれら混合ガスと接触することで、上述のプロトンを固体電界質層に送り出すことができる。プロトンは、酸素イオンに比べて小さいので拡散速度が大きく、稼働温度を大幅に下げることができる。またイオン移動度が大きいので、ガス分解速度を大きくすることができる。
上記のいずれかのガス分解装置が、複数、間隔をあけて重ねられ、筐体内に固定されている構成をとることができる。これによって、ガス分解容量が大きく、かつ小型化された装置を得ることができる。
上記のいずれかのガス分解装置が自動車に搭載され、当該ガス分解装置を当該自動車の廃熱によって加熱することができる。自動車において、エネルギー効率の高いガス分解装置、なかでもNOx分解装置を得ることができる。
本発明のガス分解装置によれば、固体電極とくに電気抵抗が高いほうの電極における電力消費を防止することができ、かつ簡単に破損等せず、また、ガス分解速度の向上をも得ることができる。
本発明の実施の形態1におけるガス分解装置を示し、(a)は平面図、(b)はIB−IB線に沿う断面図、(c)はIC−IC線に沿う断面図である。 酸素イオン導電性の固体電解質を用いてNOxを分解するときの、電気化学反応を説明するための図である。 図2におけるカソードにおけるNOx分解反応(カソード反応)を説明するための図である。 図2におけるアノードでのアノード反応を説明するための図である。 本発明の実施の形態1における、(固体電解質層/アノード)の積層体の平面形状の変形例を示す平面図であり、(a)は櫛歯状、(b)は並行する帯状、(c)は渦巻状である。 本発明の実施の形態1における、(固体電解質層/アノード)の積層体の平面形状の変形例を示す平面図であり、(a)はパッチ状、(b)はパッチ状領域の補集合領域、である。 本発明の実施の形態1における、変形例を示し、(a)は導電板の両面にガス分解部、(b)は絶縁基板に導電層を設け、その導電層上にガス分解部、(c)は絶縁基板の両面に導電層を設け、その導電層上にガス分解部、を設けた構成を示す図である。 本発明の実施の形態2におけるガス分解装置を示し、(a)は平面図、(b)はVIIIB−VIIIB線に沿う断面図、(c)はVIIIC−VIIIC線に沿う断面図である。 本発明の実施の形態3におけるガス分解装置の原理を説明するための図である。 本発明の実施の形態4のガス分解装置(複数の積層構造)を示す図である。
(実施の形態1)
図1(a)は、本発明の実施の形態1におけるガス分解装置であるNOx分解装置10を示す平面図であり、図1(b)は、IB−IB線に沿う断面図であり、図1(c)はIC−IC線に沿う断面図である。このNOx分解装置10では、第1電極はアノード2であり、第1電極より電気抵抗が高い第2電極はカソード3である。導体層である導体板15上にカソード(第2電極)3が積層され、そのカソード3上に接して、固体電解質層1/アノード(第1電極)2の積層体が、大きさw3の間隔3gをあけて、複数、配置されている。間隔3gの大きさw3は一定である必要はないが、2μm〜1mm程度とし、また(固体電解質層1/アノード2)の積層体の幅の大きさw2も2μm〜1mmと同程度にして、小さいことが1つのポイントである。すなわち、ファインピッチで、間隔3gと(固体電解質層1/アノード2)の積層体とが交互に、カソード3上に稠密に分布することが重要である。
本実施の形態において、導体板15、カソード3の平面形状は矩形である。矩形は、たとえば製作のしやすさから10cm×15cmとするのがよいが、これに限定されず、大きくても小さくてもよい。アノード2とカソード3との間には、分解対象のガス成分に応じて、両者の間に所定の電圧を印加、または電力を供給するための電源9を設ける。電源9の出力電圧は10V〜20V程度とするのがよい。カソード3には、電源9の陰極が導電接続されるが、面接触する導体板15を介して電源9に導電接続される。カソード3は、電気抵抗が比較的高いので、図1に示すように、電源9と導電接続された導体板15と面接触によって給電されることで、カソード3における電圧降下は厚み方向に生じる程度で、実用上、カソード3における電力消費はほとんど無視することができる。
アノード2は電源9の陽極に導電接続されるが、アノード2は銀粒子を含むため、電気抵抗はカソード3に比べて高くなく、むしろ良導体である。このため導電体に導電接続する要領で、複数に分かれているアノード2に配電すればよい。図1(c)では、アルミナ等の絶縁体18の上を通る金ペースト16によって、アノード2と電源9とを導電接続している。
アノード2およびカソード3のどちらの電気抵抗が高くなるかは、分解対象のガス成分によって相違する。本実施の形態のように、NOxを分解する場合は、アノード2に触媒の銀粒子を含ませる。カソード上でのNOx分解反応の反応速度が遅く律速となる。従ってカソード3の電気抵抗がアノード2よりも高くなる。どちらの電極の方が抵抗が大きくなるかは、被処理ガスの分解のし易さなどで決まる。
NOx分解の電気化学反応においては、本実施の形態では、カソード3での反応で発生する酸素イオン(O2−)が固体電解質1中を通って、アノード2に到達することが、反応が持続するために必須となる。ただし、プロトン導電性の固体電界質を用いる場合は、酸素イオンではなくプロトンが逆の方向に移動する(実施の形態2参照)。酸素イオンの移動を利用する本実施の形態では、低温の場合、酸素イオンが固体電解質1を通ってアノード2に到達する時間が、NOx分解速度を律速する場合が多い。このため、固体電解質1中の酸素イオンの速度を向上させるため、また、その他の反応速度の制限を緩和して反応を促進するため、ガス分解装置10を250℃〜600℃に加熱する。このため、図1(a)〜(c)には図示していないが、ヒータを配置するのがよい。自動車の排気経路に、このNOx分解装置10を配置する場合には、ヒータと併せて、またはヒータの代わりに、自動車の廃熱を利用して加熱するのがよい。
上記の間隔3gは、カソード3が外気に露出している部分であり、カソード3がガス分解の電気化学反応に関与する部分である。このNOx分解装置10では、NOxを含む排気ガスは、図1(a)に示すガス分解装置10の表面に当たるように導入される。間隔3gまたはカソード3の露出部3gにも、アノード2にも、排気ガスが、同じように当たる。本実施の形態のガス分解装置10では、NOxは、カソードの露出部3gにおいて、このあと説明するカソード反応を生じて、酸素イオンおよび窒素ガスを生じる。酸素イオンはカソード3から固体電解質層1に送られ、窒素ガスはカソード露出部3gから外気へ放出される。また、アノード2では、固体電解質層1を移動してきた酸素イオンが結合して酸素ガスを生成し、外気に放出される。このため、面積当たりの分解能力を高めるには、上述のように、間隔3gと(固体電解質層1/アノード2)の積層体とが交互に、ファインピッチで、カソード3上に稠密に分布することが重要である。
図1(b)および(c)に示す、固体電解質層の厚みt1は、通常、20μm以下とする。より好ましくは、厚みt1は10μm以下、さらに好ましくは7.5μm以下たとえば5μmとするのがよい。この厚みt1を小さくすることで、カソード3で生じた酸素イオンがアノード2に到達する時間を短くすることができ、NOx分解速度の上昇につながる。またはガス分解速度を実用レベルにするために、加熱するヒータ等の負担を軽くし、または自動車等に搭載する場合には廃熱を利用してヒータ等をなくすことも考えられる。特許文献3に開示されているように、従来のガス分解装置では、固体電解質として外径10mm、内径7mm、したがって厚み1.5mmのジルコニア管を用いて、ジルコニア管の内面にカソードを、外面の端の一定範囲にアノードを形成したガス分解装置を提案している。この場合、酸素イオンは、ジルコニア管の厚み1.5mm(1500μm)を拡散する必要がある。このため、ジルコニア管に電圧を印加して、かつガス分解装置は600℃〜800℃の温度域、たとえば700℃に加熱して動作させる。
図2は、本実施の形態におけるNOx分解装置10を用いてNOxを分解するときの電気化学反応を模式的に示す原理図である。本発明では、上述のようにアノード2およびカソード3の別なく、両者に同じ排気ガスが導入される。カソードにおける大部分の電気化学反応は、間隔3gまたはカソード3の露出部3gで行われるが、原理を説明するときは、簡単明瞭さのため、「露出部3g」までの記載は省略する。
カソード3では、次のカソード反応:2NO+8e→N+4O2−、またはNO+2e→(1/2)N+O2−、が生じる。カソード反応で生じた酸素イオンO2−は、カソード3に接する固体電解質1を通って、アノード2に到達する。
また、アノード2では、O2−+O2−→O+4eの反応が生じる。電子eは、アノード2から外部回路を経て、カソード3に至り、上記のカソード反応にあずかる。
アノード2とカソード3との間に電圧を印加する電源は自動車の場合、補機電池などを用いて10V〜20Vの適当な電圧を印加するようにするのがよい。上記のように、本実施の形態では、カソード3における平面方向の電圧降下は生じないので、電源9の電圧は、そのまま、カソード3および固体電解質層1の厚み方向にかかる。アノード2は良導体なので、電圧降下は無視できる。このため、小さい電圧印加であっても、カソード3および固体電解質層1に、大きな電場を生じることができる。酸素イオンは、大きな電場中で移動速度を向上させられ、ガス分解速度を向上させることができる。
上記の電気化学反応において、実証実験によって確認したわけではないが、さらに、本発明に特有の作用を得ることが可能と考えられる。すなわち、カソード3で発生した酸素イオンは、カソード露出部3gから固体電解質層1を厚み方向に拡散してアノード2に至り、アノード2で酸素ガスを生成する。この電気化学反応において、カソード露出部3g→固体電解質層1→アノード2への酸素イオンの拡散は、多くが表面層または外面層を移動する。カソード3、固体電解質層1およびアノード2は、焼結プロセスによって作製されるため、内部よりも、金型などの型に接する外面層のほうが多孔質でありながら高密度となる。このため酸素イオンの移動経路の断面積が大きくなり、見かけ上、拡散速度が大きくなると考えられる。この結果、ガス分解装置10の稼働温度を低温にすることができる。
カソード3、アノード2、および固体電解質1を形成する材料については、とくに限定せず、上記の電気化学反応を生じさせる材料であれば、どのような材料を用いてもよい。これから説明するカソード3、アノード2および固体電解質1の材料は、あくまで一つの例示である。
−カソード−
図3は、カソード3におけるNOx分解反応(カソード反応)を説明するための図である。カソード3は、表面酸化層31bに被覆された金属31aからなるNi粒連鎖体31と、酸素イオン導電性のセラミックス32とを主成分とする焼結体とするのがよい。酸素イオン導電性のセラミックスとしては、SSZ(スカンジウム安定化ジルコニア)、YSZ(イットリウム安定化ジルコニア)、SDC(サマリウム安定化セリア)、LSGM(ランタンガレート)、GDC(ガドリア安定化セリア)などを用いることができる。表面酸化した金属粒子とくに表面酸化した金属粒連鎖体(ひも状または針状)31を加えると、触媒作用の増大と、電子伝導性を高めることができるので、上記のカソード反応を促進することができる。電子伝導性を高める金属粒連鎖体31の導電部(酸化層で被覆される金属部)31aは、Niのみでもよいし、NiにFe、Ti等を含ませたものでもよい。
金属粒連鎖体の金属は、ニッケル(Ni)とするのがよい。Niに鉄(Fe)を少し含むものであってもよい。さらに好ましくはTiを2〜10000ppm程度の微量含むものである。(1)Ni自体、NOxの分解を促進する触媒作用を有する。また、FeやTiを微量含むことでさらに触媒作用を高めることができる。さらに、このNiを酸化させて形成されたニッケル酸化物は、これら金属単味の促進作用をさらに大きく高めることができる。(2)上記の触媒作用に加えて、カソードにおいて、電子を分解反応に参加させている。すなわち、分解を電気化学反応のなかで行う。上記のカソード反応2NO+4e→N+2O2−、および2NO+8e→N+4O2−では、電子の寄与があり、NOxの分解速度を大きく向上させる。(3)カソード反応のために、電子e−の移動をスムースにする。電子e−がカソードに導電されないと、カソード反応の進行は、妨げられる。金属粒連鎖体31は、ひも状または針状に細長く、酸化層31bで被覆された中身31aは良導体の金属(Ni)である。電子e−は、ひも状の金属粒連鎖体の長手方向に、スムースに流れる。このため、電子e−がカソード3に導電しないことはなく、金属粒連鎖体31の中身31aを通って、流れ込む。金属粒連鎖体31により、電子e−の通りが、金属粒連鎖体31がない場合に比べて非常に良くなる。しかし、カソード3全体としては、電気抵抗は高く、上記のように、導体板15とカソード3との面接触を実現することで、カソード3におけるガス分解以外の電力消費を抑制し、かつ大きな電場をカソード3と固体電解質層1に形成することができる。
−アノード−
図4は、アノード2におけるアノード反応を説明するための図である。アノード2は、銀粒子(触媒)23と、酸素イオン導電性セラミックス22とを含む焼結体とするのがよい。酸素イオン導電性セラミックス22としては、LSM(ランタンストロンチウムマンガナイト)、LSC(ランタンストロンチウムコバルタイト)、SSC(サマリウムストロンチウムコバルタイト)などを用いるのがよい。
−固体電解質−
固体電解質1は、酸素イオン導電性がある、固体酸化物、溶融炭酸塩、リン酸、固体高分子などを用いることができるが、固体酸化物は小型化でき、取り扱いが容易なので好ましい。固体電解質1としては、SSZ、YSZ、SDC、LSGM、GDCなどを用いるのがよい。
−製造方法−
上記のガス分解装置を構成する材料は、金属粒連鎖体以外は、市販されており市販品を用いることができる。導電板15はステンレススチール板等を用いることができる。カソード3については、厚みは、導体板15にスクリーン印刷する場合には、10μm〜20μmの厚さとするのがよい。とくに好適な厚みは5μm〜20μmである。固体電解質1は、たとえばYSZの薄板の市販品を購入することができる。固体電解質層1の厚みは、2μm〜20μmの範囲で薄めにするのがよい。(固体電解質1/アノード2)の積層体は、カソード3上へのスクリーン印刷に寄って行う。アノードの厚みも10μm〜20μmの厚さとするのがよい。
カソード3の上に、上述の成分を含む、固体電解質層1およびアノード2をスクリーン印刷法によって配置する。上記の間隔3gおよびアノード2の幅w2は、上記のファインピッチを得るようにする。
アノード2における銀粒子23の平均径は10nm〜100nmとするのがよい。また、酸素イオン導電性のセラミックス粒子22,32、たとえばLSM,GDCの平均径は0.5μm〜50μmの範囲内のものがよい。銀粒子とLSMとの配合比、または金属粒連鎖体31とGDC32との配合比は、0.01〜10程度とするのがよい。
バインダー樹脂および有機溶媒と、上記の粒子とを混練してペースト状にして、スクリーン印刷する。スクリーン印刷したあと、たとえば還元雰囲気中で、800℃〜900℃の温度に、30分間〜180分間程度保持することで焼結する。
金属板15/カソード3/固体電界質層1/アノード2、およびアルミナ等の絶縁部18を焼結した後、アノード2および導電板15に金(Au)ペーストを塗布し乾燥して、電源9との配線を形成する。
(金属粒連鎖体の製造方法)
金属粒連鎖体は、市販されておらず、特別な材料なので、以下に製造方法を説明する。
(1)金属粒連鎖体
金属粒連鎖体31は、還元析出法によって製造するのがよい。この金属粒連鎖体の還元析出法については、特開2004−332047号公報などに詳述されている。ここで紹介されている還元析出法は、還元剤として3価チタン(Ti)イオンを用いる方法であり、析出する金属粒(Ni粒など)は微量のTiを含む。このため、Ti含有量を定量分析することで、3価チタンイオンによる還元析出法で製造されたものと特定することができる。3価チタンイオンとともに存在する金属イオンを変えることで、所望の金属の粒を得ることができる。Niの場合はNiイオンを共存させる。Feイオンを微量加えると、微量Feを含むNi粒連鎖体が形成される。
また、連鎖体を形成するには、金属が強磁性金属であり、かつ所定のサイズ以上であることを要する。NiもFeも強磁性金属なので、金属粒連鎖体を容易に形成することができる。サイズについての要件は、強磁性金属が磁区を形成して、相互に磁力で結合し、その結合状態のまま金属の析出→金属層の成長が生じて、金属体として全体が一体になる過程で、必要である。所定サイズ以上の金属粒が磁力で結合した後も、金属の析出は続き、たとえば結合した金属粒の境界のネックは、金属粒の他の部分とともに、太く成長する。カソード3に含まれる金属粒連鎖体の平均直径Dは5nm以上、500nm以下の範囲とするのがよい。また、平均長さLは0.5μm以上、1000μm以下の範囲とするのがよい。また、上記平均長さLと平均径Dとの比は3以上とするのがよい。ただし、これら範囲外の寸法を持つものであってもよい。
(2)表面酸化
金属粒連鎖体の表面酸化処理は、(i)気相法による熱処理酸化、(ii)電解酸化、(iii)化学酸化の3種類が好適な手法である。(i)では大気中で500〜700℃にて1〜30分処理するのがよい。最も簡便な方法であるが、酸化膜厚の制御が難しい。(ii)では標準水素電極基準で3V程度に電位を印加し、陽極酸化することにより表面酸化を行うが、表面積に応じ電気量により酸化膜厚を制御できる特徴がある。しかし、大面積化した場合、均一に酸化膜をつけることは難しい手法である。(iii)では硝酸などの酸化剤を溶解した溶液に1〜5分程度浸漬することで表面酸化する。酸化膜厚は時間と温度、酸化剤の種類でコントロールできるが薬品の洗浄が手間となる。いずれの手法も好適であるが、(i)または(iii)がより好ましい。
望ましい酸化層31bの厚みは、1nm〜100nmであり、より好ましくは10nm〜50nmの範囲とする。ただし、この範囲外であってもかまわない。酸化皮膜が薄すぎると触媒機能が不十分となる。また、わずかな還元雰囲気でもメタライズされてしまう恐れがある。逆に酸化皮膜が厚すぎると触媒性は充分保たれるが、反面、界面での電子伝導性が損なわれ、発電性能が低下する。
上記のNOx分解装置によれば、金属板15にカソード3が面接触するように積層されるので、カソードにおける電気抵抗による電圧降下は平面方向には生じずに厚み方向に限定される。これによってカソードで消費される電力を抑制し、カソード3と固体電解質層1とに集中して大きな電場を形成することができる。
また、電気化学反応を生じさせるアノード2およびカソード3の露出部3gを、カソード3または金属板15上に高密度で配置することができる。このため従来ほど高温にしなくても、ガス分解速度を向上させることができ、ガス分解を実用レベルで遂行することができる。
さらに脆弱な固体電解質層1に対しては、補強のために固体電界質層1の裏面等を利用する余裕を生じる。本実施の形態では、カソード3を介してステンレススチール等の金属板15を用いて裏面等に補強をすることで耐衝撃性能の向上を得ることができる。また、固体電解質1、アノード2、カソード3等はスクリーン印刷などで製造できるのでコスト低減に役立つ。
なお、図1では、平面的に見て、間隔の部分のカソードの面積3gと、その間隔3gを挟む部分のアノード2の面積とを同じになるように揃えたが、カソードの間隔3gの面積を、その間隔を挟む部分のアノード2の面積よりも大きくしてもよい。カソード3の面積をアノード2の面積よりも大きくすることで、NOx分解反応を促進することができる。すなわち分解効率上、より最適条件に近づけることができる。
(固体電解質層/アノードの積層体の平面形状)
図5(a)〜(c)、および図6は、カソード3上における、(固体電解質層1/アノード2)の積層体の平面形状を説明するための図である。上述のように、(固体電解質層1/アノード2)の積層体と、間隔3gまたはカソード3の露出部3gとは、交互にファインピッチで稠密に分布することが重要である。この条件を満たせば、どのような平面形状でもよく、たとえば図5(a)〜(c)のような平面形状でもよい。図5(a)は、固体電解質層1/アノード2の積層体がいわゆる櫛歯状であり、その間隔3gがサーペンタイン状となっている。また、図5(b)は、固体電解質層1/アノード2の積層体が並行する2つ以上の線状または帯状の形状を呈する。図5(c)は、渦巻状である。
上記の図5(a)〜(c)のような(固体電解質層1/アノード2)の積層体の平面形状の場合、間隔3gまたはカソード3の露出部3gの大きさw3、およびアノード2の幅の大きさw3は、図示するように用語に従う測定によって得ることができる。
図6(a)は、(固体電解質層1/アノード2)の積層体が、カソード3上にパッチ状に分布した形態であり、図6(b)は、逆に、(固体電解質層1/アノード2)の積層体の間隔3gがパッチ状に分布した形態である。図6(a)の場合も図6(b)の場合も、間隔3gのパッチ状部分がファインピッチで稠密に分布することで、図1や図5(a)〜(c)に示すガス分解装置10と、同じ作用効果を得ることができる。間隔3gの意味を拡大して、パッチ状のように有限領域も間隔3gとする。
図6(a)の場合、(固体電解質層1/アノード2)の積層体の幅w2は、パッチの径とする。パッチ状部分が円でない場合は、方向について差し渡し径の平均をとる。パッチの大きさが不揃いの場合、不揃いのパッチについて平均をとればよい。間隔3gは、図6(a)に示すように、隣り合うパッチの間隔の平均をとれば、それが間隔3gの大きさw3となる。
図6(b)の場合、間隔またはカソード3の露出部3gがパッチ状なので、パッチの径または差し渡し径の平均値を間隔3gとする。また、隣り合うパッチの間隔の平均は、(固体電解質層1/アノード2)の積層体の(幅の)大きさとなる。
(実施の形態1の変形例)
図7(a)〜(c)は、実施の形態1の変形例であり、本発明の実施の形態の一例のガス分解装置を示す図である。図7(a)〜(c)に示すガス分解装置10は、基本的な構成は、図1に示すガス分解装置10と同じである。しかし、それぞれ次の点で独自性を有する。
(図7(a)のガス分解装置10)
導体板またはステンレススチール等の金属板15の、表面側および裏面側に、カソード3を積層し、間隔3gをあけて、固体電解質層1/アノード2の積層体を、複数配置している。これによって、固体電解質層1、カソード3、アノード2等の大きな短所である脆さを克服しながら、ガス分解装置の小型化を推進することができる。そして、ガス分解装置の配設における空間利用効率を高めることができる。
(図7(b)および図7(c)のガス分解装置10)
図7(b)のガス分解装置10では、絶縁基板14の面に導体層35を成膜し、その成膜した導体層35上にカソード3を積層する。そして、カソード3上に、間隔3gをあけて、固体電解質層1/アノード2の積層体を、複数配置している。絶縁基板14には、アルミナ基板等を用いることができる。導体層35は、金属膜などを用いることができ、スパッタリング法、レーザーアブレ−ション法など任意の成膜法で成膜することができる。これによって、導体板または金属板を用いることなく、軽量化を図りながら、固体電解質層1、カソード3、アノード2等の大きな短所である脆さを克服することができる。
図7(c)のガス分解装置10では、図7(b)における絶縁基板14の両面に、導体層35を設け、両面に、カソード3と、間隔3gをあけた複数の固体電解質層1/アノード2とを配置する。これによって、軽量化を図りながら、固体電解質層1、カソード3、アノード2等の大きな短所である脆さを克服することができ、かつガス分解装置の小型化を推進することができる。
(実施の形態2)
図8(a)は、本発明の実施の形態2におけるガス分解装置であるNOx分解装置10を示す平面図であり、図8(b)は、VIIIB−VIIIB線に沿う断面図であり、図8(c)はVIIIC−VIIIC線に沿う断面図である。このNOx分解装置10では、第2電極はアノード2であり、第2電極より電気抵抗が高い第1電極はカソード3である。導体層である導体板15上にアノード(第2電極)2が積層され、そのアノード2上に接して、固体電解質層1/カソード(第2電極)3の積層体が、大きさw3の間隔2gをあけて、複数、配置されている。
本実施の形態における特徴はつぎの2点である。
(1)導体板15/アノード2/固体電解質層1/カソード3、の積層体
(2)カソード3の面積が、アノード2の面積よりも大きい。なお、ここでいう面積は、平面的に見て、見える部分の面積をいい、隠れている部分の面積は含まない。すなわち、間隔の部分の第2電極(アノード2または2g)の面積と、その間隔2gを挟む部分の第1電極(カソード3)の面積とをいう。
間隔2gの大きさw3は一定である必要はないが、2μm〜1mm程度とし、また(固体電解質層1/カソード3)の積層体の幅の大きさw2も2μm〜1mmと同程度にして、小さいことが1つのポイントである。すなわち、ファインピッチで、間隔2gと(固体電解質層1/カソード3)の積層体とが交互に、アノード2上に稠密に分布することが重要である。
上記のようにカソード3の面積をアノード2の面積よりも大きくすることで、NOx分解反応を促進することができる。すなわち分解効率上、最適条件により一層近づけることができる。また、カソード3は上層に位置するため、NOxとの接触を良好にすることができ、NOx分解を促進することができる。
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3におけるガス分解装置の原理を説明するための図である。実施の形態3におけるガス分解装置10の基本形状は、図1、図5もしくは6、または図7に示すガス分解装置10と同じである。実施の形態3では、材料の中身が、実施の形態1における酸素イオン移動材料から、プロトン移動材料へと変わる。自動車の排気ガス中には、NOxのほかに、炭化水素(CmHn)、水素(H)、水蒸気(HO)等が含まれる。この排気ガス中に、プロトン移動に対応した材料で形成された、図1、図5もしくは6、または図7に示す配置を有するガス分解装置10を置く。アノード2およびカソード3における反応は、次のとおりである。
(アノード反応):次の(A1)および/または(A2)のプロトン(H)の供給反応が進行する。
(A1)H→2H+2e
(A2)CmHn+2mHO→mCO+(4m+n)H+(4m+n)e
(カソード反応):
(NO):2NO+4H+4e→N+2H
(NO):2NO+8H+8e→N+4H
本実施の形態では、固体電解質層1は、プロトン導電体で形成される。プロトン導電材料としては、CsHSO、BaZrOなどを用いることができる。
アノード2は、Ag粒子、プロトン導電セラミックス粒子のCsHSO、BaZrO等で形成される。また、カソード3は、Ni粒連鎖体の表面酸化材、プロトン導電セラミックス粒子のCsHSO、BaZrO等、およびPtやRhなどの貴金属等で形成される。
本実施の形態においても、アノード2はAg粒子を含むため電気抵抗は低く、カソード3はNi粒連鎖体の表面酸化材料のコアは導電材であるが表面酸化されているため電気抵抗が比較的高い。このため、プロトン移動を利用する本実施の形態におけるガス分解装置10においても、カソード3の電気抵抗が比較的高いことは、実施の形態1と変わらない。このため、図1等において説明した、導電板15/カソード3の作用効果は、そのまま、本実施の形態のガス分解装置においても成り立つ。さらに、図8(実施の形態2)のように、導体板15上にアノード2を積層してその上に、固体電解質層1/カソード3、の積層体を配置して、上述の面積の意味で、カソード3の面積をアノード2の面積より大きくしてもよい。すなわち、図8(a)〜(c)に示す構造のNOx分解装置の固体電解質等を、上述のように、プロトン伝導用に置き換えればよい。
本実施の形態では、プロトン移動を利用するため、プロトン移動速度が酸素イオン移動速度に比べて高いことから、ガス分解装置の稼働温度を低くできる、また同じ稼働温度ではガス分解速度を大きくすることができるなどの利点を得ることができる。
(実施の形態4)
図10は、本発明の実施の形態4におけるガス分解装置50を示す図である。このガス分解装置では、実施の形態1、その変形例、実施の形態2または実施の形態3のNOx分解装置10が、導電板15の両面に配置されている。しかも、両面にカソード3、および固体電解質層1、アノード2を配置した導体板15が、複数、積層支持部材21によって積層保持されている。言うまでもないが、カソード3またはアノード2が導電板15に積層され、その上に間隔3gまたは2gをあけて、固体電解質層1/アノード2またはカソード3、の積層体が、ファインピッチで稠密に配置されている点は、実施の形態1、変形例、実施の形態2および実施の形態3と同じである。
このように、NOx分解装置10が、複数、相互にスペースをあけて積層されることで、大量のNOxを短時間に分解することができる。このため、ディーゼルエンジンの廃ガス中のNOxを分解するのに使用できることができる。また、実施の形態1、変形例、実施の形態2または実施の形態3における利点を得ることができる。すなわち、耐久性を向上させ、電力消費を抑制することができ、かつ、ガス分解速度を向上させることができる。この結果、ガス分解を実用レベルで遂行することができる。とくに脆弱な固体電解質に対しては、補強のために裏面等を利用する余裕を生じるので、裏面等に補強をすることで耐衝撃性能の向上を得ることができる。また、固体電解質、アノード、カソード等はスクリーン印刷などで製造できるのでコスト低減に役立つ。
上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明によれば、電気化学反応を用いて所定のガスを分解する装置において、固体電極とくにカソードにおける電力消費を画期的に抑制することができる。また、大きな電場をカソード/固体電解質層にかけることができるのでガス分解速度の向上をも得ることができる。また、所定の場合、固体電解質における低いイオン移動速度、機械的な脆弱性および比較的高い製造コストを克服することができる、ガス分解装置を得ることができ、自動車等に搭載して廃熱を利用することで、ヒータの負担を軽減ないしなくすことが可能となる。
1 固体電解質、2 アノード、2g アノード露出部(間隔)、3 カソード、3g カソード露出部(間隔)、9 電源、10 ガス分解装置、14 絶縁基板、15 導電板、16 金ペースト、18 絶縁層(アルミナなど)、21 積層支持部材、22 酸素イオン導電性セラミックス、23 銀粒子、31 酸化層付きNi粒連鎖体、31a Ni粒連鎖体、31b 酸化層、32 酸素イオン導電性セラミックス、35 導電層、50 積層構造のガス分解装置、t1 固体電解質層の厚み、w2 アノードの幅の大きさ、w3 カソード露出部(間隙)の大きさ。

Claims (13)

  1. 第1電極、第2電極、固体電解質層、および前記第1電極/第2電極間に電圧を印加する電源を備えるガス分解装置であって、
    前記電源の陰極と前記第2電極とを導電接続する導体層を備え、
    前記第2電極は前記導体層上に接して積層しており、
    前記第2電極上に接して、前記固体電解質層および第1電極で構成される(固体電解質層/第1電極)の積層体が、複数、間隔をあけて、位置し、
    前記第1電極が、前記電源の陽極に、導電接続されていることを特徴とする、ガス分解装置。
  2. 前記第2電極がカソードであり、前記カソードは前記導体層上に接して積層しており、前記カソード上に接して、前記固体電解質層およびアノードで構成される(固体電解質層/アノード)の積層体が、複数、間隔をあけて、位置することを特徴とする、請求項1に記載のガス分解装置。
  3. 前記第2電極がアノードであり、前記アノードは前記導体層上に接して積層しており、前記アノード上に接して、前記固体電解質層およびカソードで構成される(固体電解質層/カソード)の積層体が、複数、間隔をあけて、位置することを特徴とする、請求項1に記載のガス分解装置。
  4. 前記カソードの面積が前記アノードの面積より大きいことを特徴とする、請求項2または3に記載のガス分解装置。
  5. 前記(固体電解質層/第1電極)の積層体の間隔、および、前記(固体電解質層/第1電極)の積層体の幅の大きさが、2μm〜1mmの範囲にあることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス分解装置。
  6. 前記固体電解質層の厚みが、20μm以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガス分解装置。
  7. 前記(固体電解質層/第1電極)の積層体は、平面的に見て、(1)並行する2つ以上の線状または帯状、(2)櫛歯状、(3)渦巻状、(4)点状またはパッチ状、(5)点状またはパッチ状の領域を囲む領域(点状またはパッチ状領域の補集合領域)、のうちの少なくとも一つの形態をとることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のガス分解装置。
  8. 前記導体層は、金属板、または、絶縁基板上に形成された導体層、であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のガス分解装置。
  9. 前記金属板の表面および裏面に、または前記絶縁基板の表面および裏面に設けた前記導体層に、前記第2電極が積層され、該表面側の第2電極および裏面側の第2電極に前記(固体電解質層/第1電極)の積層体が、位置することを特徴とする、請求項8に記載のガス分解装置。
  10. 前記固体電解質層が酸素イオン導電性であり、前記第2電極が金属粒連鎖体の酸化物、GDC(gadolinium doped ceria)、およびBaCOを含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のガス分解装置。
  11. 前記固体電解質層がプロトン導電性であり、前記第2電極が金属粒連鎖体の酸化物、貴金属、およびプロトン導電性材料を含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のガス分解装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のガス分解装置が、複数、間隔をあけて重ねられ、筐体内に固定されていることを特徴とする、ガス分解装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のガス分解装置が自動車に搭載され、当該ガス分解装置を当該自動車の廃熱によって加熱するための加熱機構を備えることを特徴とする、ガス分解装置。
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