JP2011101707A - 収納部材の取付け部及び消火設備、並びに収納部材の取り付け方法 - Google Patents

収納部材の取付け部及び消火設備、並びに収納部材の取り付け方法 Download PDF

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Abstract

【課題】可搬式消火器等の収納部材を移動式消火設備の筐体に取り付ける際の作業性及びそれらの取扱性を向上させる収納部材の取付け部材、消火設備、及び取り付け方法を提供する。
【解決手段】
本発明の1つの収納部材30の取付け部材20は、移動式消火設備1を収納するための筐体10の端部の少なくとも一部を利用して筐体10の外壁に沿って取り付けられる板状部材であり、且つ、可搬式消火器又はガスボンベの収納部材30を接続具23により固定するための貫通孔22が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、収納部材の取付け部及び消火設備、並びに収納部材の取り付け方法に関する。
従来、公共の駐車場などの不特定多数の者が利用する施設内では、中規模の火災にも対応できるように、例えば法令により、可搬式の小型消火器とは別に比較的大型でホースを備えた移動式消火設備も設置される。実際の消火作業では、移動式消火設備を使用する際、それと同時に又はそれに先立って、可搬式消火器を消火対象近くまで持ち運ぶことにより、消火作業が進められる。したがって、一般に、その可搬式消火器は、前述の移動式消火設備用キャビネットに近接した位置に独立に設置される。
また、他の従来の消火設備の一例を、図13を参照して説明する。この従来の消火設備900は、移動式消火設備を収納する独立した筐体901と可搬式消火器を収納する独立した収納部材902を備えている。複合的な消火設備が採用される場合には、消火設備900のように、収納部材902が筐体901の側面903に直接的に取り付けられる。
上述のような従来の消火設備では、収納部材902を取り付ける際、筐体901の側面903を直接加工する必要が生じる。具体例には、その側面903の一部にドリルを使って穴を開けたり、その穴にねじを貫通させたりする加工が必要となる。しかしながら、近年、移動式消火設備を収める筐体の小型化に対するユーザーの要求が厳しくなるにつれ、その内部の消火剤貯蔵タンク、引き回し用のホース等の消火設備は、それらを収める筐体の壁面と非常に近接することとなった。
そのため、従来でさえ前述の加工作業によって移動式消火設備の一部に傷をつけるおそれがあったが、移動式消火設備の小型化の影響でその問題がさらに顕在化している。また、十分なスペースが確保されていない公共の駐車場や危険物保管室等では、移動式消火設備の設置領域が非常に狭いことが前述の作業スペースの確保をさらに難しくしている。加えて、現状では、既存の移動式消火設備と収納部材とがビス等の接続具によって接続されることなく併設されている事例があるが、一旦設置した後に、諸々の事情によりそれらの接続が要望される場合も多く存在する。
さらに、その加工作業中の消火設備の破損を確実に防止するために消火剤貯蔵タンクを筐体の外に取り出す作業に要する時間と労力は、現場の作業者にとって大きな負担となっている。なお、収納部材の中に収められる器具が可搬式消火器ではなく、引き回し用ホースを清掃するためのクリーニング用ガスボンベであっても、収納部材を筐体に取り付ける点では同じであるため、上述の各問題と同様の問題が生じることになる。
上述の事情により、可搬式消火器等の収納部材を移動式消火設備の筐体に取り付ける際の作業性及びそれらの取扱性の向上が、消火に関連する業界において強く望まれている。
本発明は、上述の各々の技術課題の少なくとも1つを解決することにより、可搬式消火器等の収納部材を移動式消火設備の筐体に取り付ける際の作業性及びそれらの取扱性の向上に大きく貢献するものである。
発明者は、特に後発的に可搬式消火器等の収納部材を筐体に取り付ける際に、筐体内の引き回し用ホースを傷つけることなく収納部材をその筐体に取り付けるために止むを得ず行われていた筐体外への消火設備の搬出作業が全体の作業効率を大きく損なわせていると判断した。例えば、作業スペースが限られている空間では、その搬出作業を行うこと自体が極めて困難な場合も存在する。そこで、発明者は、移動式消火設備(例えば、引き回し用ホース)をその筐体外に取り出すことなく、その設備を傷めずに収納部材を取り付けることを可能にする構造を検討し、その開発に向けて鋭意取り組んだ。その結果、その収納部材を取り付けるための新たな構造物を採用することにより、前述の問題を解決するとともに筐体の強度も向上させ得ることを知見した。本発明は、上述のような視点に基づいて創出された。
本発明の1つの可搬式消火器又はガスボンベの収納部材の取付け部材は、移動式消火設備を収納するための筐体の端部の少なくとも一部を利用してその筐体の外壁に沿って取り付けられる板状部材であり、且つ、その収納部材を接続具により固定するための貫通孔を有している。
この取付け部材によれば、筐体の端部を利用してその収納部材が筐体の外壁に沿って取り付けられるため、その端部と異なる壁面の加工(ドリル加工など)を要せずにその収納部材を筐体に付設することができる。従って、特に後発的に可搬式消火器等の収納部材を筐体に取り付ける際に、作業効率が大幅に向上するとともに、作業ミス等による筐体内部の消火設備の破損の可能性を顕著に低減することができる。加えて、筐体の外壁に沿って板状の取り付け部材が取り付けられるため、その筐体の強度の機械的強度の向上にも寄与しうる。
また、本発明のもう1つの可搬式消火器又はガスボンベの収納部材の取付け部材は、移動式消火設備を収納するための筐体の端部を除く外壁に貫通孔を形成することなくその外壁に沿って取り付けられる板状部材であり、且つ、その収納部材を接続具により固定するための貫通孔を有している。
この取付け部材によれば、筐体の端部を除く外壁に貫通孔を形成することなくその収納部材が筐体の外壁に沿って取り付けられるため、その端部と異なる壁面の加工(ドリル加工など)を要せずにその収納部材を筐体に付設することができる。従って、特に後発的に可搬式消火器等の収納部材を筐体に取り付ける際に、作業効率が大幅に向上するとともに、作業ミス等による筐体内部の消火設備の破損の可能性を顕著に低減することができる。加えて、筐体の外壁に沿って板状の取り付け部材が取り付けられるため、その筐体の強度の機械的強度の向上にも寄与しうる。
また、本発明の1つの消火設備は、移動式消火設備を収納するための筐体の端部の少なくとも一部を利用してその筐体の外壁に沿って取り付けられるとともに可搬式消火器又はガスボンベの収納部材を接続具により固定するための貫通孔が形成された板状部材を介在させて、その収納部材が前述の筐体に固定される。
この消火設備によれば、筐体の端部を利用してその外壁に沿って取り付けられた板状部材を介在させて、収納部材がその筐体に固定される。従って、その端部と異なる壁面の加工(ドリル加工など)を要せずにその収納部材を筐体に付設することができる。その結果、特に後発的に可搬式消火器等の収納部材を筐体に取り付ける際に、作業効率が大幅に向上するとともに、作業ミス等による筐体内部の消火設備の破損の可能性を顕著に低減することができる。加えて、筐体の外壁に沿って板状の取り付け部材が取り付けられるため、その筐体の強度の機械的強度の向上にも寄与しうる。
また、本発明のもう1つの消火設備は、移動式消火設備を収納するための筐体の端部を除く外壁に貫通孔を形成することなくその外壁に沿って取り付けられるとともに可搬式消火器又はガスボンベの収納部材を接続具により固定するための貫通孔が形成された板状部材を介在させて、その収納部材が前述の筐体に固定される。
この消火設備によれば、筐体の端部を除く外壁に貫通孔を形成することなくその外壁に沿って取り付けられた板状部材を介在させて、収納部材がその筐体に固定される。従って、その端部と異なる壁面の加工(ドリル加工など)を要せずにその収納部材を筐体に付設することができる。その結果、特に後発的に可搬式消火器等の収納部材を筐体に取り付ける際に、作業効率が大幅に向上するとともに、作業ミス等による筐体内部の消火設備の破損の可能性を顕著に低減することができる。加えて、筐体の外壁に沿って板状の取り付け部材が取り付けられるため、その筐体の強度の機械的強度の向上にも寄与しうる。
さらに、本発明の1つの可搬式消火器又はガスボンベの収納部材の取り付け方法は、移動式消火設備を収納するための筐体の端部の少なくとも一部を利用してその筐体の外壁に沿って取り付けられるとともに接続具により固定するための貫通孔が形成された板状部材を介在させて、前述の収納部材を前述の筐体に取り付ける工程を有する。
この収納部材の取り付け方法によれば、筐体の端部を利用してその外壁に沿って取り付けられた板状部材を介在させて、収納部材がその筐体に固定される。従って、その端部と異なる壁面の加工(ドリル加工など)を要せずにその収納部材を筐体に付設することができる。その結果、特に後発的に可搬式消火器等の収納部材を筐体に取り付ける際に、作業効率が大幅に向上するとともに、作業ミス等による筐体内部の消火設備の破損の可能性を顕著に低減することができる。加えて、この取り付け方法によれば、筐体の外壁に沿って板状の取り付け部材が取り付けられるため、その筐体の強度の機械的強度の向上にも寄与しうる。
また、本発明の1つの可搬式消火器又はガスボンベの収納部材の取り付け方法は、移動式消火設備を収納するための筐体の端部を除く外壁に貫通孔を形成することなくその外壁に沿って取り付けられるとともに接続具により固定するための貫通孔が形成された板状部材を介在させて、前述の収納部材を前述の筐体に取り付ける工程を有する。
この収納部材の取り付け方法によれば、筐体の端部を除く外壁に貫通孔を形成することなくその外壁に沿って取り付けられた板状部材を介在させて、収納部材がその筐体に固定される。従って、その端部と異なる壁面の加工(ドリル加工など)を要せずにその収納部材を筐体に付設することができる。その結果、特に後発的に可搬式消火器等の収納部材を筐体に取り付ける際に、作業効率が大幅に向上するとともに、作業ミス等による筐体内部の消火設備の破損の可能性を顕著に低減することができる。加えて、この取り付け方法によれば、筐体の外壁に沿って板状の取り付け部材が取り付けられるため、その筐体の強度の機械的強度の向上にも寄与しうる。
なお、本出願では、移動式消火設備は、消火剤貯蔵タンクと、この消火剤貯蔵タンクに貯蔵されている消火剤を放出させるための付帯部材とを有している。従って、本出願では、移動式消火設備はその移動式消火設備を収納する筐体を含まない。また、前述の付帯部材には、引き回し用のホースが含まれている。なお、クリーニング用ガスボンベについては、前述の付帯部材の1つであってもよいが、上述の収納部材の中に収められることもあり得る。
また、本願において、移動式消火設備が収められた筐体の「端部」とは、その筐体が平面を有する構造であれば、広義には、図12AのXに示すように、その平面を形成する端(つまり、へりとなる所)からその平面内の40mm以下の内側領域をいい、より狭義にはその端から30mm以下の内側領域をいい、最も狭義にはその端から20mm以下の内側領域をいう。加えて、仮にその筐体が円柱状であれば、前述の「端部」とは、図12BのYに示すように、広義には、その上面又は底面と側面との境界(図12B中のZ)、換言すれば、その上面又は底面を形成する端(つまり、へりとなる所)からその側面内の40mm以下の領域をいい、より狭義にはその端から30mm以下の領域をいい、最も狭義にはその端から20mm以下の領域をいう。ここで、前述の各領域が狭くなればなるほど、特に後発的に可搬式消火器等の収納部材を筐体に取り付ける際に、作業ミス等による筐体内部の消火設備の破損の可能性を顕著に低減することができる。
また、本願において、「接続具」とは、代表的にはビス、又はボルト及びナットを意味する。しかし、両面接着テープが前述の「接続具」に含まれても良い。
本発明の1つの取付け部材、消火設備、及び取り付け方法によれば、特に後発的に可搬式消火器等の収納部材を筐体に取り付ける際に、作業効率が大幅に向上するとともに、作業ミス等による筐体内部の消火設備の破損の可能性を顕著に低減することができる。
本発明の第1の実施形態の消火設備を示す斜視図である。 図1の分解構造図である。 本発明の第1の実施形態の消火設備について、扉部を開放した状態を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態の消火設備を示す斜視図である。 図4の分解構造図である。 図5に示す取り付け板の下端を拡大した側面図である。 本発明の第3の実施形態の消火設備を示す斜視図である。 図7の分解構造図である。 本発明の他の実施形態の消火設備の正面の上部拡大図である。 本発明の他の実施形態の消火設備の正面の上部拡大図である。 本発明の他の実施形態の取り付け板の概要図ある。 本願の「端部」の意味を説明する図面である。 本願の「端部」の意味を説明する図面である。 従来の消火設備を示す斜視図である。
本発明の実施形態を、添付する図面に基づいて詳細に述べる。尚、この説明に際し、全図にわたり、特に言及がない限り、共通する部分には共通する参照符号が付されている。また、図中、本実施形態の要素は必ずしもスケール通りに示されていない。また、各図面を見やすくするために、一部の符号が省略されうる。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態の消火設備100を示す斜視図である。また、図2は、図1の分解構造図である。また、図3は、消火設備100の筐体10の扉部12を開放したときの筐体10の内部及び移動式消火設備1を示す図である。なお、図1において幅や長さを説明するための便宜上、破線や矢印が記載されている。この破線や矢印については、他の図面も同様に記載され得る。
図1乃至図3に示す消火設備100は、移動式消火設備1が収納される筐体10と、公知の可搬式消火器が収納される収納部材30と、筐体10と収納部材30との間に介在する板状部材(以下、便宜上「取り付け板」ともいう。)20とを有している。なお、本実施形態では、筐体10を支持してその設置面に安定させる架台18を備える。
ここで、本実施形態では、第1接続具である皿ビス23,23により、第1貫通孔22,22を利用して取り付け板20と収納部材30とが固定される。また、第2接続具であるビス25,25により、取り付け板20の第2貫通孔24,24を利用して、収納部材30、取り付け板20、及び筐体10が固定される。ここで、皿ビス23,23の使用は、取り付け版20と筐体10との接点の応力集中を緩和する。他方、本実施形態では、筐体10と筐体10の一部である天板部11とを固定するためのビス25,25を収納部材30及び取り付け板20を固定するためのビスとしても利用しているため、接続具の共有化が図られている。
また、本実施形態において、第2貫通孔24,24は、筐体10の端から40mm以下の領域内に形成されている。従って、たとえ後発的に形成する場合であっても、移動式消火設備1を筐体10の外に取り出すことなく、且つ移動式消火設備1(特に、引き回し用ホース7)を傷つけることなく、第2貫通孔24,24を利用して収納部材30を筐体10に取り付けることができる。なお、その端から30mm以下の領域内に第2貫通孔24,24が形成されることは、取り付け作業時に移動式消火設備を傷つける可能性をより低減する観点から、さらに好ましい一態様である。加えて、同様の観点から、その端から20mm以下の領域内に第2貫通孔24,24が形成されることが最も好ましい。
また、本実施形態の取り付け板20は、SPCC(冷間圧延鋼板)製である。また、その幅(図1のL)が約240mmであり、その高さ(図1のH)が約150mmであり、その厚みが1.2mmであるため、軽量(例えば、約0.3kg)かつ低コストである。この取付け部材20を用いることにより、例えば、収納部材30を後発的に筐体10に取り付けようとする作業者の作業効率が向上する。なお、取り付け板20は上述の金属製に限定されない。例えば、軽量化を図るために公知の強化プラスチックによって本実施形態の取り付け板20が形成されてもよい。また、本実施形態では、収納部材30を筐体10に固定するための補助の接続具として公知の両面接着テープ40(例えば、公知の高性能ボンド両面テープ)が用いられている。但し、両面接着テープ40は、収納部材30の重さ、又は大きさによって取り除かれ得る。
また、本実施形態では、取り付け板20の幅(図1のL)が、筐体10の幅(図1のW)や奥行きの幅(図1のD)よりも短くなるように形成されている。従って、仮に後発的に収納部材30を筐体10に取り付ける場合であっても、筐体10の1つの側面に限定されることなく収納部材30を取り付けることができる。換言すれば、本実施形態の取り付け板20を採用することにより、収納部材30の取り付け位置の自由度が格段に高まる。この取り付けの自由度が得られることは、十分なスペースが確保されていない公共の駐車場や危険物保管室等の狭い領域内に移動式消火設備が設置されている場合に、特に有益である。また、本実施形態の取り付け板20は矩形であるが、その形状は矩形に限定されない。さらに、第1貫通孔22及び第2貫通孔24の数も2つに限定されない。
ところで、本実施形態の筐体10の内部には、図3で示す移動式消火設備1が収められている。筐体10は、架台18、天板部11、左右の側板部、及び背板部によって正面が開放した縦長の直方体状に形成されており、正面の開放部には扉部12がヒンジを介して開放可能に取り付けられている。正面部の扉部12には、把手14及び表示灯16が取り付けられている。なお、筐体10の正面部であって扉部12の表面には、例えば「移動式消火設備」の表示が施され得る。
図3に示すように、筐体10の内部には公知の移動式消火設備1が収納される。ここで、移動式消火設備1は、消火薬剤を充填した貯蔵タンク2及び貯蔵タンク2内の消火薬剤を放出するための加圧用ガスボンベ3及び引き回し用ホース7に代表される加圧放出手段を備えている。より具体的には、消火薬剤は、加圧用ガスボンベ3のバルブ4及び放出弁8を開放するとともに、放出用ノズル弁9を開放することにより外部に放出される。また、本実施形態では、クリーニング用ガスボンベ5が筐体10内に収められており、バルブ6を開放することにより、クリーニング用ガスボンベ5からクリーニング用ガスが放出される。なお、クリーニング用ガスボンベ5を別の場所に配置ないし設置することが許容される場合であれば、クリーニング用ガスボンベ5は、収納部材30内に収められても良い。
火災発生時には、使用者は、把手14を用いて扉部12を開けた後、引き回し用ホース7を取り出すとともに上述の加圧用ガスボンベのバルブ4等を開放操作する。そうすると、例えば炭酸ガス等の加圧用ガスが貯蔵タンク2内に送り込まれることにより、貯蔵タンク2内の消火薬剤が放出弁8から引き回し用ホース7を経由して先端の放出用ノズル弁9から放出される。
また、本実施形態の収納部材30内には、公知の小型の可搬式消火器が納められている。収納部材30の把手34を利用して扉部32を開けることにより、この可搬式消火器を利用することができる。
本実施形態では、上述のとおり、取り付け板20を介在させた状態で、収納部材30が移動式消火設備1を収める筐体10に固定される。従って、当初から、あるいは後発的に収納部材30を筐体10に取り付ける際に、製造者又は取り付け作業者は、筐体10の端部を除く外壁にドリル等により貫通孔を形成する必要はない。その結果、後発的に取り付ける場合であっては、破損の可能性の低減に加えて、収納部材30を取り付ける際の作業効率が大幅に向上することができる。
<第2の実施形態>
図4は、本実施形態の消火設備200を示す斜視図である。また、図5は、図4の分解構造図である。また、図6は、図5に示す取り付け板220の下端(図中のP)を拡大した側面図である。本実施形態では、第1の実施形態の取付け板20が板状部材である取り付け板220に変更されている点を除き、第1の実施形態の消火設備100と同じ構成を備えている。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。
図4及び図5に示すように、本実施形態の取り付け板220は、第1の実施形態の取り付け板20よりも背の高い構造物である。具体的には、その高さは、約1430mmである。また、図6に示すように、取り付け板220は、その下端にフック部228を有している。このフック部228は、筐体10の架台18(例えば、1つの外壁19側の架台)の側面に係合することにより、簡便に取り付け板220を筐体に固定する役割を果たす。なお、取り付け板220の上部は、第1接続具であるビス23,23及び第3接続具227,227により取り付け板220と収納部材30とを固定するための第1貫通孔22,22及び第3貫通孔226,226を備えている。本実施形態の取り付け板220は、第1の実施形態の取り付け板20よりも背の高い板であるため、収納部材30をより強固に取り付けるための第3貫通孔226,226を備えている。
上述のとおり、本実施形態では、筐体10の1つの側面の上端から下端に至るまで、取り付け板220が筐体10に取り付けられているため、筐体10の強度の向上に寄与し得る。但し、取り付け板220は第1の実施形態の取り付け板20よりも大きな構造物であるため、その運搬の容易性やコストの観点から言えば、第1の実施形態の取り付け板20が本実施形態の取り付け板220よりも優位である。
なお、本実施形態の取り付け板220はその下端にU字状のフック部228を備えているが、このフック部228の形状はU字状に限定されない。例えば、V字状又はコ字状のフック部も適用し得る。また、本実施形態の取り付け板220はその下端にフック部228を備えているが、フック部228を備えない取り付け板が採用されてもよい。その場合は、筐体10の下方の端部の領域内に形成された貫通孔と、その貫通孔の位置に合うように形成された取り付け板の貫通孔とをビス(例えば、皿ビス)によって固定する手段が採用され得る。
<第3の実施形態>
図7は、本実施形態の消火設備300を示す斜視図である。また、図8は、図7の分解構造図である。本実施形態では、第1及び第2の実施形態の筐体10が筐体310に変更され、架台18が架台318に変更されている。また、板状部材である取り付け板については、筐体310の曲面に沿った曲面を有する取り付け板320が採用される。加えて、本実施形態の消火設備300は、その曲面を有する取り付け板320に平坦な背面を有する収納部材30を当接させるためのアダプター50を備える。前述の各点を除き、本実施形態の消火設備300は第1の実施形態の消火設備100と同じ構成を備えている。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。
本実施形態の取り付け板320は上述の曲面を有しているが、その材質、幅、厚み、及び高さは第1の実施形態の取り付け板20のそれらと略同じである。従って、比較的軽量な取り付け板320を採用することは、特に収納部材30を後発的に筐体10に取り付けようとする作業者の作業効率を向上させることができる。但し、本実施形態では、平面の背面を備える収納部材30を曲面を持つ取り付け板320を介して筐体310に取り付けるため、アダプター50が利用される。従って、取り付け板320が、その上部に第1接続具であるビス323,323により取り付け板320と収納部材30とを固定するための第1貫通孔322,322を備えるとともに、アダプター50も、取り付け板320の第1貫通孔322,322に合う位置に貫通孔52,52を備える。
なお、本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、収納部材30をアダプター50に固定するため、又はアダプター50を筐体310に固定するための補助の接続具として公知の両面接着テープ40(例えば、公知の高性能ボンド両面テープ)を用いても良い。また、両面接着テープ40が収納部材30の重さ又は大きさによって取り除かれ得ることは、上述のとおりである。
また、本実施形態では、第2接続具である皿ビス325,325により、取り付け板320の第2貫通孔324,324を利用して、収納部材30、取り付け板320、及び筐体310が固定される。取り付け板320の第2貫通孔324,324は、筐体310の端から40mm以下の領域内に形成されている。従って、たとえ後発的に形成する場合であっても、移動式消火設備を筐体310の外に取り出すことなく、且つ移動式消火設備を傷つけることなく、第2貫通孔324,324を利用して収納部材30を筐体310に取り付けることができる。なお、その端から30mm以下の領域内に第2貫通孔324,324が形成されることは、取り付け作業時に移動式消火設備(特に、引き回し用ホース)を傷つける可能性をより低減する観点から、さらに好ましい一態様である。加えて、同様の観点から、その端から20mm以下の領域内に第2貫通孔324,324が形成されることが最も好ましい。
従って、本実施形態のように、取り付け板320と収納部材30との間にアダプター50が介在しても、第1又は第2の実施形態の効果と同様の効果が奏され得る。換言すれば、本実施形態では、筐体310と収納部材30との間には取り付け部材320のみならずアダプター50も介在している。本実施形態によれば、当初から、あるいは後発的に収納部材30を筐体310に取り付ける際に、製造者又は取り付け作業者は、筐体310の端部を除く外壁にドリル等により貫通孔を形成する必要はない。その結果、後発的に取り付ける場合であっては、破損の可能性の低減に加えて、収納部材30を取り付ける際の作業効率が大幅に向上することができる。
<その他の実施形態1>
ところで、上述の第2の実施形態では、取り付け板220がその下端にU字状のフック部228を備えているが、フック部の位置は取り付け板の下端に限定されない。その上端にU字状、V字状、又はコ字状のフック部が形成されていることも他の好ましい一態様である。
例えば、図9は、他の1つの実施形態の消火設備400の正面の上部拡大図である。図9に示す取り付け板420は、第1の実施形態の取り付け板20の上端の形状が異なっているとともに、第1の実施形態の第2貫通孔24,24が形成されていない。前述の各点を除き、本実施形態の取り付け板420は取り付け板20と同じであるため、第1の実施形態と重複する説明は省略される。
この取り付け板420は、多少変形されたコ字状又はU字状のフック部428が、上面が平坦な天板部11及び天板部11の2つの側面を覆うように天板部11に接することにより筐体10と係合している。その結果、取り付け板420が筐体10の外壁に沿って取り付けられる。本出願では、取り付け板420のようなフック部428も、「コ字状」又は「U字状」に含まれる。従って、取り付け板の上端にフック部が形成された場合であっても、収納部材30の取り付け作業の効率が大幅に向上するとともに、作業ミス等による筐体10の内部の移動式消火設備の破損の可能性を顕著に低減することができる。本実施形態では、取り付け板420と筐体10とを固定する接続具を要しないため、第1の実施形態の取付け部材20よりも簡便に取り付けることができる。
なお、第2の実施形態の取り付け板220が上述のフック部428を備えることも他の好ましい一態様である。加えて、取り付け板の上端及び下端にフック部を備えていることも他の好ましい一態様である。
さらに、本実施形態では、取り付け板420が第1の実施形態における第2貫通孔24,24を備えていないが、本実施形態はこれに限定されない。取り付け板420を筐体10により強固に固定するために、取り付け板420が第2貫通孔24,24を備えるとともに、第1の実施形態で採用された接続具によって固定されることは、他の好ましい一態様である。また、その接続具の代わりに、又はその接続具と一緒に、収納部材30を筐体10に固定するための補助の接続具として第1の実施形態で採用された公知の両面接着テープが用いられてもよい。但し、作業効率の向上及び部品コストの低減の観点から言えば、できる限り部品点数を削減することが好ましい。
<その他の実施形態2>
本実施形態では、取り付け板の上端にフック部を備える別の具体例を示す。図10は、本発明の他の1つの実施形態の消火設備500の正面の上部拡大図である。図10に示す取り付け板520は、第1の実施形態の取り付け板20の上端の形状が異なっているとともに、第1の実施形態の第2貫通孔24,24が形成されていない。前述の各点を除き、本実施形態の取り付け板520は取り付け板20と同じである。また、本実施形態の筐体510は、第1及び第2の実施形態の天板部11とは異なる天板部511を備えている。前述の各点を除き、本実施形態の消火設備500は第1の実施形態の消火設備100と同じ構成を備えている。従って、第1の実施形態と重複する説明は省略される。
本実施形態の天板部511は、外周縁に15mm乃至40mmの高さで、幅が10mm乃至20mmの凸部511aを有している。そのため、本実施形態の取り付け板520は、比較的小さな係合部としてのフック部528を備えていても、筐体510に取り付けることができる。従って、本実施形態の取り付け板520は、上述の実施形態の取り付け板420よりも簡便に筐体510に取り付けることが可能となる。また、本実施形態では、取り付け板520と筐体10とを固定する接続具を要しないため、第1の実施形態の取付け部材20よりも簡便に取り付けることができる。
上述の通り、本実施形態の取り付け板520が採用されても、収納部材30の取り付け作業の効率が大幅に向上するとともに、作業ミス等による筐体10の内部の移動式消火設備の破損の可能性を顕著に低減することができる。なお、第2の実施形態の天板部11が本実施形態の天板部511の凸部511aと同様の凸部を備えていれば、取り付け板220が上述のフック部528を備えることも他の好ましい一態様である。
さらに、本実施形態では、取り付け板520が第1の実施形態における第2貫通孔24,24を備えていないが、本実施形態はこれに限定されない。取り付け板520を筐体510により強固に固定するために、取り付け板520が第2貫通孔24,24を備えるとともに、第1の実施形態で採用された接続具によって固定されることは、他の好ましい一態様である。また、その接続具の代わりに、又はその接続具と一緒に、収納部材30を筐体510に固定するための補助の接続具として第1の実施形態で採用された公知の両面接着テープが用いられてもよい。但し、作業効率の向上及び部品コストの低減の観点から言えば、できる限り部品点数を削減することが好ましい。
<その他の実施形態3>
図11は、本発明の他の実施形態の取り付け板620の概要図である。本実施形態は、第3の実施形態における曲面を有する取り付け板の変形例を示す。従って、第3の実施形態と重複する説明は省略される。図11に示すように、本実施形態の取り付け板620は、第3の実施形態の取り付け板320とは異なり、アダプター50を要せずに収納部材30を筐体310に取り付けるための平坦部622を備える。
その結果、収納部材30の取り付け作業の効率が大幅に向上するとともに、作業ミス等による筐体310の内部の移動式消火設備の破損の可能性を顕著に低減することができる。特に、第3の実施形態と比較して部品点数が削減できるため、例えば後発的な取り付けの際の運搬費や部品コストの低減、及び作業効率の向上が図られる。なお、本実施形態の取り付け板620は、金属製に限定されない。第1の実施形態でも述べたように、例えば、公知の強化プラスチックによって本実施形態の取り付け板620が形成されてもよい。
<その他の実施形態4>
また、上述の幾つかの実施形態では、取り付け板が収納部材を固定するための第1貫通孔を備えているが、貫通孔の場所はこれに限定されない。市販の種々の収納部材(例えば、可搬式消火器用の収納部材)の固定のために予め多くの貫通孔を形成しておくことは、特に後発的に収納部材を筐体に固定するための作業効率を大幅に向上させ得る。例えば、第1の実施形態の取り付け板20の第1貫通孔22,22に加えて、収納部材30とは異なる別の市販の収納部材を固定するための貫通孔が形成されることも好ましい一態様である。さらに、図11に示す平坦部622の縦と横の長さが、種々の市販の収納部材が有する平面の該当寸法よりも広くなるように形成され、その上で、公知の種々の収納部材の固定のための別の貫通孔が形成されることも好ましい。従って、取り付け板の強度が損なわれない範囲で、取り付け板が多くの貫通孔を有することにより作業効率の更なる向上が図られる。
<その他の実施形態5>
また、上述の第1の実施形態では、取り付け板20の幅(図1のL)が、筐体10の幅(図1のW)や奥行きの幅(図1のD)よりも短いが、これに限定されない。例えば、取り付け板20の幅(図1のL)が、筐体10の幅(図1のW)と奥行きの幅(図1のD)のうち、短い方の幅と同じであっても、第1の実施形態の効果が奏される。また、前述の取り付け板と筐体との関係は、第2の実施形態にも当て嵌まる。
以上、述べたとおり、各実施形態の他の組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
本発明は、消火設備又はその一部材として広く利用され得る。
1 移動式消火設備
2 消火剤貯蔵タンク
3 加圧用ガスボンベ
4 加圧用ガスボンベのバルブ
5 クリーニング用ガスボンベ
6 クリーニング用ガスボンベのバルブ
7 引き回し用ホース
8 放出弁
9 放出用ノズル弁
10,310,510 筐体
11,311,511 天板部
12,32 扉部
14,34 把手
16 表示灯
18,318 架台
19 側面
20,220,320,420,520,620 板状部材
22,222,322 第1貫通孔
23,25,227,323,325 ビス
24,324 第2貫通孔
226 第3貫通孔
228,428,528 フック部
30,330 収納部材
50 アダプター
52 貫通孔
100,200,300,400,500 消火設備
622 平坦部
900 従来の消火設備
901 筐体
902 収納部材
903 筐体の側面

Claims (10)

  1. 移動式消火設備を収納するための筐体の端部の少なくとも一部を利用して前記筐体の外壁に沿って取り付けられる板状部材であり、且つ、
    可搬式消火器又はガスボンベの収納部材を接続具により固定するための貫通孔が形成される前記収納部材の取付け部材。
  2. 移動式消火設備を収納するための筐体の端部を除く外壁に貫通孔を形成することなく前記外壁に沿って取り付けられる板状部材であり、且つ、
    可搬式消火器又はガスボンベの収納部材を接続具により固定するための貫通孔が形成される前記収納部材の取付け部材。
  3. 前記筐体が直方体状であり、
    矩形の前記板状部材の1つの辺の幅が、前記外壁の1つの側面の幅と前記側面に直交する側面の幅のうちより短い方の幅と同じ、又は前記短い方の幅よりも短い
    請求項1又は請求項2に記載の取付け部材。
  4. 前記板状部材が、前記筐体の天板を前記筐体に固定するビスによって取り付けられるための貫通孔をさらに有する
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の取付け部材。
  5. 前記板状部材の端部がU字状、V字状、又はコ字状のフック部を備えるとともに、前記フック部が前記筐体の一部に係合して取り付けられる
    請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の取付け部材。
  6. 移動式消火設備を収納するための筐体の端部の少なくとも一部を利用して前記筐体の外壁に沿って取り付けられるとともに可搬式消火器又はガスボンベの収納部材を接続具により固定するための貫通孔が形成された板状部材を介在させて、前記収納部材が前記筐体に固定される
    消火設備。
  7. 移動式消火設備を収納するための筐体の端部を除く外壁に貫通孔を形成することなく前記外壁に沿って取り付けられるとともに可搬式消火器又はガスボンベの収納部材を接続具により固定するための貫通孔が形成された板状部材を介在させて、前記収納部材が前記筐体に固定される
    消火設備。
  8. 前記筐体が直方体状であり、
    矩形の前記板状部材の1つの辺の幅が、前記外壁の1つの側面の幅と前記側面に直交する側面の幅のうちより短い方の幅と同じ、又は前記短い方の幅よりも短い
    請求項6又は請求項7に記載の消火設備。
  9. 可搬式消火器又はガスボンベの収納部材の取り付け方法であって、
    移動式消火設備を収納するための筐体の端部の少なくとも一部を利用して前記筐体の外壁に沿って取り付けられるとともに接続具により固定するための貫通孔が形成された板状部材を介在させて、前記収納部材を前記筐体に取り付ける工程を有する
    収納部材の取り付け方法。
  10. 可搬式消火器又はガスボンベの収納部材の取り付け方法であって、
    移動式消火設備を収納するための筐体の端部を除く外壁に貫通孔を形成することなく前記外壁に沿って取り付けられるとともに接続具により固定するための貫通孔が形成された板状部材を介在させて、前記収納部材を前記筐体に取り付ける工程を有する
    収納部材の取り付け方法。
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